NATURE DIARY

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20081130 県境を越えて散歩;ムラシ日和 (静岡県)

Nature Diary #0224
Date: November 30th, 2008
Place: Shibakawa-cho, Shizuoka Pref.
Weather:Fine


朝食後にお茶を飲みながらどこに行こうか考える。もっと前に行き先を決めておけば良いのだが、レイジーな性格の虫林はその日の朝に決めることが多いのだ。

そういえば、我が家では色々なお茶を飲むが、最近は「高山茶」が評判良い。このお茶は、たしか数年前に上海を訪れた際のお土産として購入したもので、今まで封を開けていなかったのだ。数年前ということで、賞味期限が少し気になるが、この葉に湯を注ぐと、とても香りが高く、気分が落ち着く。

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§ Diary §

外をみるとすばらしい天気で、空には雲ひとつない。

まさしく、今日のこの天気はムラサキシジミ(ムラシ)日和かもしれない-------常に自分に都合良く考える。とにかく、今年は今までムラシの姿を見ていないので、是非とも見たいと思う。

そこで、本日は静岡県の芝川町まで(短い)足を延ばすことにした。

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。。。。。。。。。。芝川町からの富士山 (11月30日、芝川町)

。。。。。。。。。。Mt. Fuji
。。。。。。。。。。(Canon Power Shot G10, f8.0, 1/350, EV-0.3, ASA80)


芝川町の国道沿いを走っていたら、小さな暖帯林があった。早速、車を止め、歩いてその内部に入ってみると、奥には小さな神社があり、その境内には土が盛られ、土俵がつくられていた。寺社林はムラシの観察には有望かもしれない。

驚いたのは、御神木(2本ある)と思われるイチョウの大木から落ちた葉が、境内の地面を埋め尽くし、地面全体が真っ黄色になっていたことだ。

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イチョウの葉で埋め尽くされた神社の境内 (11月30日、芝川町)

The shrine ground was diffusely covered with yellow leaves of maidenhair tree.
(Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, f10, 1/500, EV-1.0, ASA200)



ムラサキシジミ; Japanese Oakblue

神社の境内の裏に孟宗竹の林があり、その周りにはカシ(樫)やチャ(茶)の木が植えられている。境内で写真を撮影した後に竹林の方を見てみると、チャの木にからむように飛んでいる茶色いシジミを見つけた。
--------ムラシに違いない。

ムラシはチャの木の葉上に静止して開翅した。
チャ(茶)の木の葉上というところが、お茶を産する静岡県らしくてなかなか良いのではないかと思う。

翅表のブルーが目にしみるようだ。

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竹林の縁のチャノキ(茶の木)の葉上で日光浴をするムラサキシジミ♀ (11月30日、芝川町)

A female of Japanese Oakblue was basking with the wings upened on the leaf of tea plant by the bamboo forest.
(Canon Power Shot G10, f8.0, 1/100, EV-1.0, ASA80)


ムラシの英名は Japanese Oakblue、学名は Narathura japonica という。すなわち、日本を意味する単語がその名前に入っている数少ないチョウの一つなのだ。

それなら和名もいっそのこと ヤマト ムラサキシジミあるいはニホン ムラサキシジミなんていうのはいかがだろうか。ダメ?-----ウーム、誰も賛成しないか。

実際、ムラシは日本以外では台湾や朝鮮半島にしか分布しないようだ。同じ仲間のムラツやルーミスはもっと分布が広いので、国際的な観点からは、ムラシは意外と貴重な種なのかもしれないね。

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開翅したムラサキシジミ♀ (11月30日、芝川町)

A female of Japanese Oakblue with the wings upened on the leaf.
(Olympus E-3, Sigma 150mm, Macro f5.6, 1/500, EV-1.0, ASA200)


ムラシは秋にその数が増すといわれている。

夏の間のムラシは樹上生活者で、秋になると下に降りて盛んに吸蜜したり、低い木の葉にねぐらを求める。ウラギンシジミと同じような生態をしめすようだ。

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開翅したムラサキシジミ♀ (11月30日、芝川町)

A female of Japanese Oakblue with the wings upened on the leaf.
(Olympus E-3, Sigma 150mm, Macro f6.3, 1/500, EV-1.0, ASA200)


ムラシのメスは開翅すると、翅表の大きなブルーの紋が輝いてとても綺麗だ。この輝くブルーは、ルーミスシジミにも似て、少し空色がかっているのも良い。

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開翅したムラサキシジミ♀ (11月30日、芝川町)

A female of Japanese Oakblue with the wings upened on the leaf.
(Olympus E-3, Sigma 150mm, Macro f6.3, 1/500, EV-1.0, ASA200)


駐車場に戻ってみると、地面の周りを飛び回るムラシのオスを見つけた。

地面の葉に静止したので、翅を十分に開くまで待ってからじりじりと近寄り撮影した。ここであわてるとロクなことがないのだ(今まで何度失敗したかわからない)。

ムラシのオスは、翅表のブルーの面積が広く、また色調も青が深い。見る角度によっては目の覚めるような青色を呈する。

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開翅したムラサキシジミ♂ (11月30日、芝川町)

A male of Japanese Oakblue with the wings upened on the leaf.
(Olympus E-3, Sigma 150mm, Macro f10, 1/250, EV-0.7, ASA200)


午後1時30分を過ぎると、ムラシたちは葉上で日向ぼっこをする時間が短くなり、近くのカシの木の枝の内部を覗くように、もぐっては出てくるという行動を示していた。1頭が内部に潜り込んだままのように見えたので、近づいて確かめてみると、枯葉に静止していた。

どうやらそこが本日の「ねぐら(越冬場所?)」になるらしい。

午後1時半でねぐらについてしまうとなると、朝は気温が上がる10時過ぎからだろうから、この時期のムラシの活動時間は、どうやら3-4時間くらいになってしまうのだ。

意外と活動時間が短い。

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枯葉のねぐらとムラサキシジミ (11月30日、芝川町)

A male of Japanese Oakblue resting in the roost.
(Canon Power Shot G10, f8.0, 1/100, EV-1.0, ASA80, Sunpak RD2000)


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§ Afterword §

この時期のチョウの活動は、天候の影響を強く受けるのだ。今日の天気はそういう意味でも「ムラシ日和」といえるかもしれないね。

今年はまだムラシの姿を見ていなかったので、♂♀とも撮影できたのは嬉しい。他県では簡単に見ることができるチョウかもしれないが、山梨県ではあまり確実とは言えないからだ。

本日はその他に、ヤマトシジミ(多)、テングチョウ(2)、ウラナミシジミ(5)、クロコノマチョウ(1)、キチョウ(2)、モンキチョウ(3)、スジグロシロチョウ(2)なども見ることができた。

以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-11-30 23:16 | ▣ムラサキシジミ | Comments(12)

20081123 伊予の国散歩:宇和島のヤクルリ (愛媛県)

Nature Diary #0223
Date: November 23rd, 2008
Place: Uwajima-shi, Ehime Pref.
Weather: Cloudy but sometimes sunshine


昨日は松山から特急「宇和海」に飛び乗り、午後遅くに宇和島駅に着いた。宇和島は予讃線の終点駅で、松山に比べるとかなり南に位置する。

南伊予の散歩道を歩いてみたい-----。

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§ Diary §

朝起きてホテルの朝食を食べながら外を見ると空は薄曇りだが晴れてきそうだ。

さて、どこに行こうかな。この時期にチョウを目的に散歩するなら山や林の中よりも暖かい浜が良いだろう
------そうだ、海水浴場にいってみよう。

駅前からタクシーに乗り約20分ほどで到着した先は、宇和島市民が夏に訪れるという「○×海水浴場」という場所だった。そこは、一般的な海水浴場のイメージとは異なり、岩場が主で砂浜は申し訳程度にしか無い。この海水浴場の駐車場から約2kmさきの灯台まで、日の当たる細い道が海に沿って走っている。

ここなら、チョウの姿を拝めるかもしれないな。 
まあ、「虫は時の運」

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カラスウリと海辺の道 (11月23日、宇和島市)

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An orange colored fuit of Trichosanthes cucumeroides and a road running by the sea.
(Canon Power Shot G10, ASA100)


昆虫を探しながらゆっくりと歩いて行くと、道端にはツワブキやノジギクなどの花が咲いていた。また、ここではアシタバも多く見られ、初冬だというのにつやつやした新鮮な葉をつけていたのが妙に印象に残った。

道路の山側の南斜面は、ミカンとビワの果樹園がひろがっている。少し失礼して畑の中に入ってみたら、ビワの木はちょうど白い花を付けていて、ハチやアブなどの昆虫たちが集まっていた。

ビワの木は子供の頃から見てきたが、恥ずかしながら開花が冬とは知らなかった。

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ビワ畑 (11月23日、宇和島市)

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Orchard of Japanese medlar.
(Canon Power Shot G10, ASA100)



ヤクシマルリシジミ; Acytolepis puspa

周囲を飛ぶ大きなオオスズメバチに注意しながら観察すると、ビワの木の樹上をすごいスピード飛び回るシジミチョウを見つけた。このチョウは虫林の目の前のミカン葉上に静止して翅を開いた。

そっと、目を凝らして見ると、翅表は輝くような鮮やかなブルーで翅の辺縁の黒帯も太い。

ヤクシマルリシジミのオスだ。

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葉上でテリトリーを張るヤクシマルリシジミ♂ (11月23日、宇和島市)

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A male of Common Hedge Blue basking on the leaf with the wings semi-opened.
(Olympus E-3, SIGMA 150mmF2.8 APO MACRO EX DG HSM , ASA100)


ヤクルリは何頭も飛び回っていたが、確認すると全てオスだった。

ビワの木の枝先や葉に翅を開いて静止し、他のチョウが来ればスクランブル発進で出動してまたもとの場所に戻る(テリ張り)。ここでのヤクルリ♂の行動パターンはゼフとそっくりだった。

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。。。。。。。。。。ヤクシマルリシジミ (11月23日、宇和島市)

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。。。。。。。。。。 A male of Common Hedge Blue basking on the leaf.
。。。。。。。。。。(Olympus E-3, SIGMA 150mmF2.8 APO MACRO EX DG HSM , ASA100)


海に面した葉に静止したので、ファインダーで覗いてみると。海面に反射した太陽の光が円形にきらめいてとても綺麗だった。この光を円形にするために、シボリは開放にした。

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輝く海を背景にテリを張るヤクシマルリシジミ♂ (11月23日、宇和島市)

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A male of Common Hedge Blue basking on the leaf in the background of sea.
(Olympus E-3, SIGMA 150mmF2.8 APO MACRO EX DG HSM , ASA100、トリミング)


タクシーの迎えの時間(午後12時30分)が近くなったので、海水浴場まで戻ってみると、ウバメガシ(多分)の梢でチラチラと飛んでいるシジミチョウを見つけた。1頭ばかりではなく、数頭がチラチラやっている。どうやら産卵行動みたいだ。

そういえば、ヤクルリはウバメガシも食べる。

ASAを800、シャッター速度優先(1/2000)にして、150mm(実質300mm)で飛翔写真を撮影。

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ウバメガシにからむヤクシマルリシジミ♀ (11月23日、宇和島市)

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A female of Common Hedge Blue was flying near the Oak tree. This could be regarded as viposition behaviour.
(Olympus E-3, SIGMA 150mmF2.8 APO MACRO EX DG HSM , ASA100、トリミング)


飛翔写真を撮影していたら、突然下に降りてきて低い場所で翅を開いてくれた。冬の時期に出現するヤクルリのメスは、青鱗が後翅全体に広がり、一年の中で最も綺麗になるのだ。

青い青いヤクルリにしばし目を奪われてしまった--------。

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葉上で開翅したヤクシマルリシジミ♀ (11月23日、宇和島市)

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A female of Common Hedge Blue basking on the leaf with the wings full-opened. The female of Common Hedge Blue is the most beautiful in winter time because of well developed blue on the surface of rear wing.
(Olympus E-3, SIGMA 150mmF2.8 APO MACRO EX DG HSM , ASA100)



アカタテハ; Indian Red Admiral

ビワの畑の石積みには、多くのアカタテハ、ヒメアカタテハなどが日光浴をしていた。

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日光浴をするアカタテハ (11月23日、宇和島市)

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An Indian Red Admiral basking on the stone with the wings full-opened. 
(Olympus E-3, SIGMA 150mmF2.8 APO MACRO EX DG HSM , ASA100)



その他; others

四国のクロツバメシジミは瓦屋根に発生したツメレンゲを食べるという。

何気なく古い民家の瓦屋根を見たら、なんとツメレンゲが生えていた。残念ながらクロツの姿は見ることができなかったが、これなら屋根でクロツが発生しても不思議はない。

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瓦屋根とツメレンゲ(クロツバメシjミの食草) (11月23日、宇和島市)

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Orostachys japonicus known as feeding plant of Black Cupid on the tiled roof.
(Canon Power Shot G10, ASA100)


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宇和島の名物の一つに「鯛めし」がある。この「鯛めし」は、鯛と一緒に炊き込んだご飯かと思っていたら、出てきたものは想像とはかなり違っていた。

簡単に言うと、鯛の切り身(刺身)とノリ、テングサ、ワサビ、ウズラの卵を醤油ダシに全て入れてかき混ぜ、それをご飯にぶっかけてお茶漬けのようにして食べるのだ。

味はとても良くて美味かった。

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宇和島の鯛めし (11月23日、宇和島市)

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Tai-meshi is the special food of Uwajima.
(Canon Power Shot G10, ASA100)


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§ Afterword §

本日歩いた浜の道は、ミカン畑とビワ林が点在し、とてものんびりしていて気持ちが良い。冬の散歩道としては第1級のものだと思う。

今回は時間が無く(いつもそうだが)、宇和島を午後1時頃発の特急で松山に向かったが、次回に訪れるときには、もう少しゆっくりと歩いてみたいと思う。

伊予の国は良いところだった。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-11-26 17:49 | ▣ヤクシマルリシジミ | Comments(10)

20081122 伊予の国散歩:ヤクシマルリシジミ (愛媛県)

Nature Diary #0222
Date: November 22nd, 2008
Place: Matsuyama-shi, Ehime Pref.
Weather: Fine



§ Diary §

朝起きると本日は晴天。

午前中の数時間が空いたので(無理やり?)、伊予鉄道の終点の駅「高浜」まで行くことにした。終点と言っても、虫林が滞在するホテルの近くの駅(古町)からは20分ほどの距離だ。伊予鉄道は小さな市電だが、日本では2番目に古いそうだ。こんな市電が残っているところが歴史の町松山らしくて良いな。

高浜駅から浜辺に沿って歩いていくと、小さな踏切があった。

しかし、写真をみると、踏切の向こう側に海が迫り、この踏切を渡るとあたかも海に落ちるような錯覚を------受けるはず-------受けるかも-----受けてくれ-------うーむ、残念、やっぱり受けないか?

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海に続く踏切 (11月22日、松山市)

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A railroad crossing by the sea (Canon Power Shot G10, ASA100)



高浜駅の一つ手前に梅津寺という駅があり、その近くには「ターナー島」という無人の小島がある。ターナー島は、島というよりは岩礁という言葉がぴったりきそうなほど小さい。この島の正式な名前は四十島というらしい。

夏目漱石の小説『坊っちゃん』の中で、赤シャツと野だいこがこの小島をターナー島と呼んだことでこの名前がついたようだ。そもそも、ターナーは英国の有名な風景画家だ。虫林は英国滞在中に、絵が好きな家内のお供をして、ターナーが住んだというイングランドの田舎の村(名前は忘れた)までわざわざ出かけたことがある。

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ターナー島 (写真手前の岩礁:船と比べて大きさがわかるだろう) (11月22日、松山市)

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Turner Island (Canon Power Shot G10, ASA100)



ヤクシマルリシジミ; Acytolepis puspa

松山を訪れてから今まで、チョウはおろか昆虫の姿を1度も見てない。

浜に沿って走る線路のそばの道は、センダングサやオシロイバナの群落に両側をはさまれていた。ちょうど、この道に差し掛かかった時、突然、ウラナミシジミが数頭飛び出した。さらに、ウラナミシジミよりもやや小型で、色も鮮やかな青色のシジミチョウも出現し、センダングサの花の上に静止した。

ウーム、ヤクルリに違いない!

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。。。。。。。。。。ヤクシマルリシジミ (11月22日、松山市)

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。。。。。。。。。。 Acytolepis puspa (Canon Power Shot G10, ASA100)

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ヤクシマルリシジミの拡大 (11月22日、松山市)

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Close-up view of a male of Acytolepis puspa resting on the leaf.
(Canon Power Shot G10, ASA100)




本日は天気が良いので、静止するとすぐに開翅してくれる。しかし、全開ではなく半開なのだ。以前、南紀でこのチョウを観察した時には全開してくれたと思うのだが------.

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ヤクシマルリシジミ♂ (11月22日、松山市)

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A male of Acytolepis puspa feeding on the flower with the wings semi-opened.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA100)


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ヤクシマルリシジミ♂ (11月22日、松山市)

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A male of Acytolepis puspa feeding on the flower with the wings semi-opened.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA100)



さらに、ヤクルリのメスも出てきてくれた。

メスはオスに比べて、ゆっくりと飛翔してすぐに止まる。また警戒心も弱いようで、かなり近くまでよれるので撮影はオスに比べて楽だと思う。

メスも静止した後、半開してくれた-----逆光でみると、ヤクルリの縁毛は青く輝いて綺麗だ。

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。。。。。。。。。。ヤクシマルリシジミ♀ (11月22日、松山市)

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。。。。。。。。。。 Acytolepis puspa (Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA100)

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ヤクシマルリシジミ♀ (11月22日、松山市)

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A female of Acytolepis puspa resting on the leaf with the wings semi-opened.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA100)


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ヤクシマルリシジミ♀ (11月22日、松山市)

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A female of Acytolepis puspa resting on the leaf with the wings semi-opened.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA100)



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§Afterword§

この時期の昆虫観察は天気に強く左右される。

本日の目的は、実はターナー島を見に行くことだった。ヤクルリの撮影はぼんやりとは期待していたものの、実際に見れるとまでは思っていなかったのだ。しばらくぶりで見るヤクルリはまだ新鮮な個体もいたので、ここでは12月までは(あるいは年越えも?)だらだらと発生しているように思えた。


「棚からぼた餅」ならぬ「ターナー島からヤクルリ」だったのだ。

本日、午後の講演が終わればフリーなので、夕方の特急でもっと南の宇和島市まで行って泊まることにした。天気が気になるが----。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-11-23 22:00 | ▣ヤクシマルリシジミ | Comments(18)

20081120 伊予の国散歩 (愛媛県)

Nature Diary #0221
Date: November 20th, 2008
Place: Matsuyama-shi, Ehime Pref.
Weather: Fine



§ Diary §

今週も出張。

羽田を飛び立った飛行機 (ANA) は、約1時間ほどで愛媛県の松山空港についたが、どういうわけか、滑走路へのランディング直前に再上昇した

一体、何事かと思ったが、ほどなく「滑走路に大きな鳥---トビがいましたので---」という機長の機内放送が入った。なんと、滑走路に一羽のトビがいただけで飛行機がランディングできなっかったのだ。

注:バードストライクは、旅客機にとっては重大な問題で、離着陸時のスピード遅いときにおきやすいらしい。機内放送は正しかった。


伊予松山は、夏目漱石の「ぼっちゃん」や司馬遼太郎の「坂の上の雲」で知られる歴史のある街だ。

夕方、松山市の中心部、松山城のある勝山(標高132m)に行った。ロープウェーで丘の上に立って見ると、雪で白くなった四国の名峰「石鎚山」が長い稜線を見せながら圧倒的な存在感を示していた。

夏目漱石や秋山兄弟、正岡子規もここから同じ風景をみたのだろうか。

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石鎚山 (11月20日、松山市)

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Mt. Ishizuchi cloaked with snow (Canon Power Shot G10, ASA80)


丘の上からは松山市の全景が見渡せる。ビルの立ち並ぶ市街の向こうに、雲の間から出た光の束がスポットライトのように遠くの海を照らしていた。「天使の階段」だ。

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城山からの松山市全景 (11月20日、松山市)

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A landscape from the hill (Canon Power Shot G10, ASA80)


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松山城 (11月20日、松山市)

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Matsuyama castle (Canon Power Shot G10, ASA80)


松山市内には嬉しいことにまだ路面電車が走っている。夏目漱石の「坊ちゃん」に出てくる「マッチ箱のような列車」という表現がぴったりくるかわいい電車だ。

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松山市のチンチン電車 (11月20日、松山市)

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A small tram in Matsuyama (Canon Power Shot G10, ASA80)


虫林はいわゆる「麺食い」である。

JR松山駅構内にあるウドン屋の「じゃこ天うどん」はとても美味かった。

じゃこ天は魚の「つみれ」を油であげたもので、味はもちろんだが、歯ごたえも素晴らしく良かった。また、うどんの汁は、アゴだし風味で、やや柔らかめの麺とよくあっていた。

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じゃこ天うどん (11月20日、松山市)

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Jakoten Udon (Canon Power Shot G10, ASA80)


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§Afterword§

虫林は今まで多くの県を訪れてきたが、愛媛県は初めてである (これで全ての県を訪れたかも)。

四国の4県は、それぞれが固有の文化や歴史があってとても面白いと思う。多分、本州との交通が長い間不便だったことが幸いしているのだろう。

南国愛媛といえども、今はとても寒くて昆虫の観察は難しそうだ。しかし、短時間でもよいからフィールド散歩には出かけようと思っている。

思えば遠くに来たものだ (どこかで聞いたフレーズ)。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-11-21 21:36 | その他・雑 | Comments(8)

20081117 天使の非常階段 (山梨県)

Nature Diary #0220
Date: November 17th, 2008
Place: Kofu, Yamanashi Pref.
Weather: Cloudy



§ Diary §

天使の階段; Angel’s Ladder

本日、朝8時前に通勤途中で「天使の階段」を見た。

この「天使の階段」はNoreenさんの「四季彩散歩」で紹介されたもので、その何とも耳に優しいネーミングが頭に残っていた。Noreenさんの写真は北海道の素晴らしい風景に光の束が降り注いで、本当に天使が階段を登って行く様が見えるようだ。

今回のものは市街地で見えたもので、「天使の階段」というよりは「天使の非常階段」と呼ぶ方がぴったりくるかもね。

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天使の非常階段 (11月17日、甲府市)

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Light fall (Canon Power Shot G10, ASA80)

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天使の非常階段 (11月17日、甲府市)

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Light fall (Canon Power Shot G10, ASA80)


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§Afterword§

この光の滝は、今まで漠然と見てきたものだが、【天使の階段】と呼ばれていることを知ってにわかに価値が増したように思う。昔の人は粋な名前を付けたものだと感心した。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-11-17 22:36 | その他・雑 | Comments(8)

20081116 キャノンPower Shot G10と接写システム (山梨県)

Nature Diary #0219
Date: November 16th, 2008
Place: Kofu, Yamanashi Pref.
Weather:Fine and Cloudy



3年近く愛用しているリコーのコンデジ GR-D は、撮影の最中にフリーズしてシャッターをきる事ができないという不調が時々出てきた。その不調は突然出るので、予測ができずにあわててしまう。そこで、思いきって 別なコンデジを購入することにした。

当初は同じリコーの GR-D II や GX200 にしようかとも考えたが、何となく別の会社の製品も使ってみたい気がして、結局、キャノンから発売された Power Shot G10 (以下 G10 )を通販で購入した。

虫林にとってのコンデジは、いわゆる お散歩カメラ という位置づけなので、機能が素晴らしくともポケットに入らないほど大きなものは不可である。G10 は GR-D に比べてかなり大きくて重い。でも、出っ張りが少ないのでポケットに入れて散歩するにはぎりぎり許容範囲の大きさと重さだと思う。

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リコー GR-D (左)とキャノン Power Shot G10 (右)

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Comparative display of Ricoh GR-D (left) and Canon Power Shot G10 (right)


キャノンの純正ストロボは、いずれの機種も G10 には大きすぎる。先週、所用で東京を訪れた際に、新宿の「ヨドバシカメラ」でG10用の外部ストロボを探したところ、サンパックのストロボ RD2000 (キャノン用) を見つけた。RD2000 は小型軽量で、G10 に取り付けるとぴったりフィットする。また発光部はバウンズ用に上に向ける事ができるが、実は下方にも動くので(下の写真)、小昆虫の接写にも適している。

G10 はマニュアル露出とともに外部ストロボの発光をカメラ側で制御できるというコンデジにあるまじき優れた機能が付いている。G10 と RD2000 の組み合わせは、昆虫撮影に強い見方になってくれるはずだ。

さらに、小型昆虫用の接写システムを構築するために、G10 のコンバージョンレンズ用のアダプターとレイノックス社のスーパーマクロレンズを2種類 (DCR-250とMSN-202) を購入した。

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。。。。。。。。。。左: RD2000、右:CL用アダプター、MSN-202、DCR-250

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。。。。。。。。。。The equipments for marco-photographs



G10 では広角側(28mm)で 1cm までの接写が可能だ。実際に使用するとレンズぎりぎりまでフォーカシングができる。しかし、レンズが被写体にあまりに近いと光が回らないのが欠点になる。

そこで、レイノックスのスーパーマクロレンズを装着すると、望遠側を使用して接写するので、被写体がさらに拡大できるとともに、レンズと被写体の間の距離(ワーキングディスタンス)を長く(5cm以上?)とることができる。この距離の長さは、自然光やストロボの光が被写体の前面にまで十分に回りやすくなるという利点がある。また、昆虫の警戒心を軽減させて撮影を容易にする効果も期待できるだろう。

このレイノックスのマクロレンズには、内径可変式の装着用アダプターが標準で付属していて、G10用コンバージョンレンズ用の筒の先に簡単に装着できる。ただこの装着だと少し弱いかも知れない。実際の野外撮影ではステップダウンリングで筒に取り付けた方が、落として紛失する危険は回避できると思われる。

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。。。。。。。。。。 Power Shot G10の接写システム

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。。。。。。。。。。The Power Shot G10 with the equipments



§ Diary §

キイロスズメバチ; Landscape

昼近くになって雨もあがって日が差してきたので、G10を持ってゆっくりと近くの公園を散歩した。

サザンカの花を覗いてみたら、大きなキイロスズメバチが訪れていた。キイロスズメバチは危険なので、一瞬近づくのをためらったが、低気温のために動きが鈍いようなので撮影してみた。

G10 に外部ストロボの RD2000 を装着して撮影したが、被写体との距離が非常に近いにも関わらず光がうまく回っているのが嬉しい驚きだった。

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キイロスズメバチ (11月16日、甲府市)

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A yellow hornet on the flower of Camellia sasanqua
(Canon Power Shot G10, ASA100, Sunpack RD2000)




セミの抜け殻; Cast-off skin of a cicada

カシの木の葉裏にセミの抜け殻を見つけた。逆光のためストロボを用いて日中シンクロで撮影してみた。黄葉したイチョウと紅葉したカエデを背景に入れることができた。

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セミの抜け殻 (11月16日、甲府市)

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Cast-off skin of a cicada
(Canon Power Shot G10, ASA100, Sunpack RD2000)




ナツアカネ; Symptrum frequens

この時期でも、アカトンボはかなり飛んでいた。その中でのんびりした個体を発見したので、Laynox 社のスーパーマクロレンズ DCR-250と MSN-202 を交互に装着して撮り比べてみた。

やはり拡大倍率の低い DCR-250 は撮影しやすく、これなら動いている甲虫でも気軽に撮影できそうだ。しかし、MSN-202 では、拡大倍率が高くて、手持ちでフォーカスをあわせるのが難しい。

さらに、G10 はカメラの絞りが F8.0 までしかないので(GR-DではF9.0)、MSN-202 を装着すると、被写界深度がかなり浅くなってしまう。

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DCR-250 でナツアカネのアップ (11月16日、甲府市)

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A high power view of the face of dragonfly
(Canon Power Shot G10, ASA100, Sunpack RD2000、Laynox DCR-250)


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MSN-202 でナツアカネのアップ (11月16日、甲府市)

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A high power view of the face of dragonfly
(Canon Power Shot G10, ASA100, Sunpack RD2000、Laynox MSN-202)




ヤマトシジミ; Pale Grass Blue

ヤマトシジミの青メスが足もとから飛び出し、目の前の草に静止した。青い部分はそれほど広くないが、後翅表面の辺縁に並ぶ黒紋が青燐で囲まれて綺麗だ。G10望遠側で撮影。

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ヤマトシジミ♀ (11月16日、甲府市)

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A Pale Grass Blue on the hay
(Canon Power Shot G10, ASA100)



エノコログサの上に静止した個体は、寒さのためにあまり動かないようなので、スーパーマクロレンズ(MSN-202)で拡大撮影してみた。

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MSN-202でヤマトシジミのアップ (11月16日、甲府市)

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A Pale Grass Blue on the hay
(Canon Power Shot G10, ASA100, Sunpack RD2000、Laynox MSN-202)




ナナホシテントウ; Seven spotted ladybird

ナナホシテントウを見つけた。DCR-250 では下の写真くらいの拡大だ。このくらいの拡大ならば、ストロボの光もよくまわり、被写界深度も満足のいくレベルになる。

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DCR-250によるナナホシテントウ (11月16日、甲府市)

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Seven spotted ladybird
(Canon Power Shot G10, ASA100, Sunpack RD2000、Laynox DCR-250)




水滴; Water droplet

雨上がりの枝についた水滴を撮影して見た。水滴を明瞭に撮影するのは難しい。

かろうじて DCR-250 で撮影できたが、MSN202では被写界深度が浅すぎてうまく撮影できなかった。下の写真は、DCR-250 で撮影した水滴をトリミング拡大したものである。

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水滴 (11月16日、甲府市)

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Water droplet
(Canon Power Shot G10, ASA100, , Sunpack RD2000、Laynox DCR-250、トリミング)



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§Afterword§

現在、すばらしく個性的なコンデジが各社から発表されている。

今回購入した G10 は、どちらかといえばオーソドックスで、これといった特徴は乏しそうだが、カメラとしての成熟度は高い。また、キャノン最新の撮影エンジン DIGIC4 の搭載で、画質をはじめ種々の機能が良くなったようだ。

サンパックの RD2000 ストロボは、G10 に装着するとまるで誂えたみたいに調和がとれている。でも、G10 のシボリが F8.0 までしかないのは、被写界深度が深いコンデジといえども、スーパーマクロレンズでの接写撮影ではかなりのハンディキャップになりそうだ。とくに、このF値では MSN-202 は立体的な撮影には残念ながら不向きで、特殊な拡大のみで利用できるかもしれない。

とにかく、 このG10 + RD2000 の接写システムを用いれば、小さな昆虫の接写が気軽に楽しめると思う。これから昆虫が少なく長~い冬の間にさらに色々と試してみよう。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-11-16 18:05 | ■撮影機材ほか | Comments(6)

20081109 ウラギンシジミの死骸 (山梨県)

Nature Diary #0218
Date: November 9th, 2008
Place: Kofu, Yamanashi Pref.
Weather:Cloudy



§ Diary §

風景; Landscape

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。。。。。。。。。。楓の葉 (11月9日、岐阜県)

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。。。。。。。。。。Maple leaves (Olympus E-3, ZD35mm MACRO, ASA200)



ウラギンシジミ; Angled Sunbeam

富山県での研究会からは、日曜日の昼過ぎに帰宅した。

夕方、少し調子の悪いコンデジ(GR-D)だけをポケットに入れて、曇り空の下、家の裏の河原道を少しだけ散歩した。肌寒さを気にしてポケットに手を入れながらしばらく歩くと、小さな公園に植栽されているカシの木の下に、周りの環境から浮き出して見える紙の切れ端のようなものが落ちているを見つけた。

--------死んだウラギンシジミだった。

動かないこのチョウを手にとってみると、紙のように軽く、持っているという実感が乏しい。みたところ、翅の下部に少し破損がある以外には麟粉なども良く保たれているようだ。しかし、頭部や胴体などは無い。

ウラギンシジミはかなりの割合で越冬できずに死亡するらしい。このチョウもこのところの寒さで死んだのだろうか。それとも、カマキリかクモあるいは小鳥にでも捕食されたのだろうか。虫林には後者(捕食説)の可能性の方が正しそうな気がした。

自然とは我々の想像以上に厳しいものだ-----------。
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死んだウラギンシジミ (11月9日、山梨県)

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A dead body of Angled Sunbeam lying on the ground. (GR-D, GW-1, ASA200)


ウラギンシジミが落ちていた場所にある樫の木の葉を注意深く見渡してみると、道路に面した南面の葉裏に、お決まりの逆さまポーズで静止しているウラギンシジミを一頭見つけた。

生きている蝶を見つけて、なぜかホっとした。
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。。。。。。。。。。ウラギンシジミ (11月9日、甲府市)

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。。。。。。。。。。 An Angled Sunbeam resting under leaf. (GR-D, GW-1 ASA100)


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§Afterword§

山梨県から富山県までのアクセスはなかなか難しい。

当初は富山県の砺波市まで飛行機で行こうかとも考えたが、羽田まで行くのが(戻るのが)どうも不合理な気がしてならない。そこで、車を運転していくことにした。富山県までやはり遠かったが(距離380km、4時間50分)、途中の安房峠付近の黄葉はかなり綺麗だったので得をした気分になった。

土曜日に砺波市で行われた研究会後のパーティでは、久しぶりに会った友人たちと楽しい時間を過ごすことができた。講演に招待してくれた友人(Tさん)に感謝したい。

以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-11-10 21:40 | ▣ウラギンシジミ | Comments(6)

20081102 県南の虫散歩:ハンミョウほか(山梨県)

Nature Diary #0217
Date: November 2nd, 2008
Place: Nambu-cho, Yamanashi Pref.
Weather:Fine



§ Diary §

天気が良いので、県南部にある散歩道の一つを訪れた。ここは両側が山に挟まれた谷の中にある小さな集落で、南方系のチョウが多いのでこの時期には訪れることが多い。

到着して自動販売機でペットボトルのお茶を買っていると、傍の休耕田が赤くなっていた。近寄ってみると、イヌタデの群落だった。

イヌタデは別名を「アカマンマ」とか「オコワグサ」と呼ばれる雑草だが、これだけ大きな群落になると、まるで赤い絨毯が敷き詰められたみたいだ。この赤はなかなか渋くて良い。
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イヌタデの群落で赤く染まった休耕田 (11月2日、南部町)

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The fallow field was covered with red grass named "Inutade". It seemed to be as close as red carpet. (Olympus E-3, ZD50mm MACRO, EC-14, ASA200)



自分の影写真; Shadow self-portrait

ススキの穂が逆光に輝く午後の河原道を、眩しさに目を細めながらゆっくりと歩いた。ふと、振り返ってみると、小道の上に自分の影が長く伸びている。

そういえば、子供の頃はよく「影踏み」などをして遊んだものだ。最近(というよりは大人になってから)は、自分の影の存在をあまり意識した記憶がない。

望遠レンズで撮影しているポーズをどうやって撮影できたかわかるかな?
----ばかばかしいので無視してください。
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。。。。。。。。。。Shadow self-portrait (11月2日、身延町)

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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE, EC-14, ASA100



ベニシジミ; Small Copper

クズの葉に静止したベニシジミを見つけた。

このベニシジミは体半分を葉から出し、出ている部分では翅の模様が逆光に映し出されている。また、葉に隠れた部分が陰となって映っているのも何となく面白い。草の高さが低いのでしゃがみながら撮影した。

どこにでもいるチョウでも、時々はっとする瞬間をみせてくれる。
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半身がクズの葉上で逆光に輝くベニシジミの開翅 (11月2日、身延町)

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A small copper was basking on the leaf of Kuzu against the setting sun. It was very beautiful and impressive. (Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO, ASA200、トリミング)



ウラナミシジミ; Pea Blue

南部町の荒れ地に寄ってみたら、ウラナミシジミが多数集まっていた。

ウラナミシジミは「旅チョウ」だ。

このチョウは秋になるとどこからともなく飛んできて、いつの間にかどこでも見ることができるチョウになる。彼らは旅をしながら世代を繰り返し、時には北海道まで行くようだが、成虫で越冬できるのは伊豆半島や房総半島の南部が北限となっているらしい。

内陸の山梨県では冬を越すことができないと思われる。それを知りながら、元気に飛び交うかれらの様子をみると、少し感傷的になってしまうのを禁じえない。生物とは哀しいものである。
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オオオナモミの葉上で交尾するウラナミシジミ (10月13日、南部町)

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A mating pair of Pea Blue was found on the leaf.
(Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE, EC-14, ASA200)



ウラナミシジミは活発に吸蜜したり、日向ぼっこをしたりしていた。見かけたチョウの多くはかなりスレて翅も破損していたが、その中に綺麗で新鮮な個体見つけた。

当地で羽化したであろう新鮮な個体がセンダングサの花で吸蜜して、翅を開いた。そっと近づいて、開いた翅を見ると、基部から青燐が広がり、後翅外縁に黒い点が並んでいる。この基部から広がる青はこのシジミの特徴で、怪しい光沢を持っている。
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センダングサの花で吸蜜するウラナミシジミ (11月2日、南部町)

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A Pea Blue feeding on the flower of "Sendangusa" with the wings opened. (Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO, ASA200)



ウラギンシジミ; Angled Sunbeam

黄変した葉の下に純白のとんがり帽子のようなウラギンシジミを見つけた。すでに越冬態勢に入ってしまったのだろうか葉裏に静止して動く様子がない。

数週間前にはこの散歩道の周りで多数のウラギンが元気に飛び回っていたのに、今回見つけたのはこの1頭だけだった。やはり、越冬態勢に入ってしまっているのだろう。
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葉裏で休むウラギンシジミ (11月2日、南部町)

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A Angled Sunbeam resting in reverse position on the back of leaf. (Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO, ASA200)



ハンミョウ; Cicindela japonica

南部町にはハンミョウが多い場所がある。

さすがにこの時期だともう遅いかなと思っていた。しかし、現地に到着してみると、まだ何頭ものハンミョウが元気に迎えてくれたのは嬉しい驚きだった。。

ハンミョウは数週間前に撮影しているので余裕がある。とにかく、岩に腰掛けてお茶を飲みながらゆっくりと彼らの様子を観察することにした。

しばらく彼らの様子を観察していると、一頭のハンミョウが毛の長い毛虫を引きずっている。自分の体の何倍もある大物だ。脅かさないようにそっと近づいてその様子を観察した。
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毛虫を引くハンミョウ (11月2日、南部町)

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A Japanese tiger beetle was attacking a woolly caterpillar. (Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO, ASA200)


ハンミョウは、しばらくの間、毛虫に大顎で噛みついていた。何回も長い牙で毛虫を攻撃していたが、毛虫の長い剛毛はハンミョウの大きな牙でもなかなか噛みちぎれないようだ。

結局、ハンミョウは毛虫を食べるのをあきらめたみたいで、毛虫から離れてしまった。
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毛虫を襲うハンミョウ (11月2日、南部町)

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Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO, ASA200


英語でTiger beetle と呼ばれているハンミョウは、大きな牙を何本も持っている。ハンミョウは体色が何ともいえず綺麗なので、そこに目を奪われてしまう。

正面から見ると、まさしく Tiger beetle と呼ぶにふさわしい面構えだ。
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ハンミョウの正面アップ像 (11月2日、南部町)

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Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO, ASA200


ハンミョウの飛翔写真に挑戦してみた。ハンミョウは近づくとすぐに飛ぶ。しかし、みていると飛び去った後にまた戻ってくることがあり、その時が飛翔写真のチャンスのようだ。

直線的に飛翔し、飛翔速度もそれほど速くないので、もっと簡単に撮影できるかなと思ったが、虫体が小さいのとチャンスが少ないので、なかなか思うようにいかない。

でも、何とかハンミョウの飛翔写真を写しとめることができた。

ハンミョウの飛翔する姿は、他の甲虫(例えばカミキリムシ)と同じであった。前足と中足は前方に出して広げ、後ろ脚は両側に広げて飛んでいるのがわかる。

この姿勢だと中足と後ろ足の間で、うまい具合に羽ばたくことができるのだろう。
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ハンミョウの飛翔姿勢 (11月2日、南部町)

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Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE, EC-14, ASA800、トリミング


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§Afterword§

今回も県南まで足を延ばして散歩して見たが、さすがにこの時期になると、道を歩いても出現するチョウはとても少なくなってしまった(ヤマトシジミのオスだけは無数にいたが)。

これからチョウが出てくる来年の春までの5ヶ月間がとても長い。

でも、秋の終わりの時期、冬の時期とそれぞれの自然の表情があるので、チョウがいなくとも自然を楽しむことはできるはずである(工夫が必要だけどね)。

これからもフィールド散歩はなるべく続けていきたい。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-11-03 15:03 | ■甲虫 | Comments(22)

20081101 小春日和散歩:ヤマトシジミ秋型 (山梨県)

Nature Diary #0216
Date: November 1st, 2008
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather:Fine


11月は霜月。

霜月になると多くの動物は冬眠の準備にはいり、植物も黄葉(紅葉)した葉を落として休眠する。生物が冬に活動を低下ないしは停止するのは自然界の摂理なのだ。

日頃、パタパタと忙しい虫林も、そろそろ死んだふりでもして春まで蟄居したい。偉大な自然界の摂理には逆らえないのが道理だからね----------と宣言しても、だれも相手にしてくれない。
世の中はそう甘くはないのだ。


§ Diary §

本日はとても天気がよく、まさに「小春日和」になった。

米国ではこのような陽気を「インディアンサマーIndian summer」と呼ぶらしいが、小春日和という言葉のほうが、どこかほっこりした暖かい感じでいいね。

午前中、南アルプス北部の山にドライブに出かけたが、途中、八ヶ岳が一望できる場所があり、車を止めて撮影した。八ヶ岳の頂上付近はかなり白くなってきた。

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。。。。。。。。。。八ヶ岳 (2008-November-01、富士見町)

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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE, EC-14, ASA200



オツネントンボ; Argyrognomon Blue

河原の一部にオツネントンボが多数集まっている場所を見つけた。ここは歩くと足もとからいくらでも飛び立つ。このトンボは意外に敏感で、近づくとすぐに飛び立つが、なよなよと飛んですぐそばの草に静止する。

オツネントンボは名前の通りに、越冬するトンボとして有名だ。夏から秋にかけて羽化して、成虫のままで冬を越え、春に交尾して産卵する。すると10ヵ月くらい生きていることになるので、長生きなトンボである。

生物学者の本川達雄氏が著した「ゾウの時間、ネズミの時間」という興味深い本がある。

その本によると、動物のサイズが違うと、寿命が違う(ゾウは寿命が長く、ネズミは短い)。しかし、一生の間に心臓が打つ総数(総心拍数)や体重当たりの総エネルギー使用量は、サイズによらず同じなのだ。

オツネントンボはなよなよ飛んで、さらに冬の間は活動しないので、一日あたりのエネルギー消費量は通常のトンボに比較して少ないはずだね。

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オツネントンボ (2008-November-01、甲府市)

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Olympus E-3, ZD50mm,, ASA200


我々はいつも見ているが、見えていないものがいくらでもある。イトトンボの顔もアップで見てみたいものだ------と常々思っていた。

そこで、フレンドリーなオツネントンボにモデルになってもらって、顔のアップ写真を撮影させてもらった。イトトンボの仲間も、顔のつくりはよく似ていて、大型のトンボとそれほどの違いはなさそうだ。

顔は不精ひげのような毛が密生して、「オヤジ顔」といったところか------失礼。

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オツネントンボ (2008-November-01、甲府市)

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Olympus E-3, ZD50mm,, ASA200



ヤマトシジミ; Pale Grass Blue

連休とはいえ、仕事が山積しているので、大学に立ち寄り少し仕事を片付けた。

窓からぼんやりと外をみると、ヤマトシジミが沢山飛んでいる。そこで、帰宅する前にキャンパスでヤマトシジミの撮影をした。休みの日は学生たちもいないので、落ち着いて撮影ができて良い。

ヤマトシジミはこの時期になると、オスもメスも美しくなる。

ヤマトシジミの秋型のオスは、翅表の青い部分が翅全体に広がりとても綺麗だ。英語名はPale Grass Blueというが、とくに秋型では白化してくる。

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ヤマトシジミ♂ (2008-November-01、甲府市)

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Olympus E-3, ZD50mm,, ASA200


ヤマトシジミはどこにでもいる「どこでもシジミ」なので、かえって印象が薄い。とくにメスは黒褐色の翅をもち、地味で野暮ったい。

ところが、秋も深まってくると、ヤマトシジミのメスは青燐を載せて綺麗にお化粧をする。
グランドに出てそんな♀を探してみると、ぽつぽつと見ることができた。

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。。。。。。。。。。ヤマトシジミ青♀ (2008-November-01、甲府市)

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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE, EC-14, ASA200


今年はオリンパスのE-3を購入したものの、バリアングルのモニターを用いたライブビュー撮影はほとんど行わなかった。というのも、虫林の場合、マニュアルフォーカスで撮影するので、ファインダーで見ないと厳密なピント合わせができにくいからだった。

今回はオートフォーカスにして、ライブビューで撮影して見たが、意外にうまくいく。これからは、広角写真ではライブビュー機能をもっと活用しようと思った。

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。。。。。。。。。。ヤマトシジミ青♀ (2008-November-01、甲府市)

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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE, EC-14, ASA200

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ヤマトシジミ青♀ (2008-November-01、甲府市)

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Olympus E-3, ZD50mm,, ASA200

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ヤマトシジミ青♀ (2008-November-01、甲府市)

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Olympus E-3, ZD50mm,, ASA200


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ヤマトシジミ青♀ (2008-November-01、甲府市)

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Olympus E-3, ZD50mm,, ASA200

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§Afterword§

今回は、小春日和の一日を散歩するだけでとてもリフレッシュされる。日頃、あまり運動しない虫林なので、この散歩は体力維持のためにはとても重要なのだ。

今回は3連休なので、県南でも訪れてみたい。





以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-11-02 06:33 | ▣ヤマトシジミ | Comments(12)