NATURE DIARY

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20090222 県南での春探し (山梨県)

Nature Diary #0240
Date: February 22nd (Sunday), 2009
Place: Nanbu-cho, Yamanashi Pref.
Weather: fair



§ Diary §

この時期の散歩は「春探し」。
春は太平洋からやってくる---------はず。

ということで、太平洋に近い南部町を散歩することにした。海に面していない山梨県では、静岡県との境界の町(南部町)が最も太平洋に近いことになる。ちなみに海の無い県(内陸県という)は、全部で8県あるがご存知かな?(答えは日記の最後)


南部町の山あいの小川の脇では、すでにフキノトウが大きく膨らんでいた。このくらいの時期のものが、エグミが少なくて美味いらしい。

小川の傍の小さな春。

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フキノトウ (2月14日、南部町)

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Butterbur sprouts by the brook
(Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE + EC-14)



メジロ; White-eye

メジロが梅の花で無邪気に蜜を吸っていた。

ちなみに、昔から良い組み合わせのことをたとえて「梅にウグイス」という言葉を使う。さらに花札にも梅の花とともにウグイスの絵が描かれていたように記憶している。すなわち、「梅にウグイス」の組み合わせは古くから知られ、今やゴールドスタンダードになっている。

でも、この組み合わせはどうかな?

というのも、虫林はこれまで、梅の木でウグイスの姿を見かけたことが無い。それに加えて、ウグイスは通常は藪の中にいて、梅の木を訪れることは少ないように思う。一方、メジロの方はというと、花の蜜目当てに好んで梅を訪れるのだ。

それらの事を総合的に考慮すると、「梅にウグイス」ウグイスはメジロの誤りの可能性があるのかもしれない(両者は大きさや色合いは似ているので)。

「梅にメジロ」 「藪にウグイス」 ならしっくりくるのに------。

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梅にメジロ (2月22日、南部町)

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A white-eye and Japanese plum
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)



モンキチョウ; Pale Clouded Yellow

さすがにこの時期では、県南部の南部町でもチョウの姿は少ない。うらうらと歩きまわっているうちに、広い水田に面した斜面でやっとモンキチョウ♀を1頭見ることができた。

モンキチョウならば南部まで来ることも無いが、発見するとやはり嬉しい。

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モンキチョウ♀ (2月22日、南部町)

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A female of Pale Clouded Yellow nectaring on the flower of dandelion
(Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE + EC-14)



キタテハ; Chinese Comma

キタテハも現れ、ホトケノザやオオイヌフグリの花で吸蜜し始めた。

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オオイヌノフグリで吸蜜するキタテハ (2月22日、南部町)

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A Cinese Comma nectaring on the flower
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)



タチツボスミレ; Viola grypoceras

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タチツボスミレ (2月22日、南部町)

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Viola grypoceras
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)


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§ Afterword §

例年ならば、この時期にチョウの撮影は難しいが、今年は容易に撮影できる(モンキチョウやキタテハのみ)。あまり暖冬のせいにするのもいかがなものかと思うが、それにしても今年の冬は暖かい。

来る成虫シーズンのために、冬の間になるべく色々な場所を訪れて、自然の状態や地形の様子などを観察してみたいと思っている。


内陸県:栃木県、群馬県、埼玉県、山梨県、長野県、岐阜県、滋賀県、奈良県の計8県。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-02-22 22:09 | Comments(11)

20090214 ひょうたん池のモンキチョウ (山梨県)

Nature Diary #0239
Date: February 14th (Wednesday), 2009
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather: fair



§ Diary §

本日(土曜日)は生暖かい風が吹いて、甲府市の最高気温は24.8℃-----5月後半の陽気。

寒がりの虫林にとっては、暖かいことは歓迎だが、季節の歩みと気温の間の解離は少し心配だ。というのも、時ならぬ高気温はまだ休眠中であるべき動植物に「目覚めのスウィッチ」を入れてしまう可能性が危惧されるからだ---------ウーム、こんなに暖かいと今まで冬期休眠していた我々チョウ屋も目覚めてしまい、ソワソワ、ウロウロ、ワクワク、ドキドキとしながら活動を開始してしまう。

ということで、季節外れの陽気に目覚めたチョウ屋の一人である虫林は、昼食後に甲府市の武田神社の近くにある「瓢箪(ひょうたん)池」という小さな人口池を訪れた。



モンキチョウ; Pale Clouded Yellow

ひょうたん池は石積みの土手が周囲を囲い、日当たりの良い池畔にはタンポポ、ホトケノザ、オオイヌフグリ、ナズナなど春の花が咲いている。フライフィッシングやルアーフィッシングを楽しむ釣り人を気にしながら歩いて行くと、見覚えのある黄色いチョウが飛んた。

チョウは200mほどの長さの土手を行ったり来たりしながら探雌飛翔していた。いつか静止するだろうとしばらく目で追っていたが、どっこいなかなか止まらない。20分ほども待っただろうか、やっとタンポポの花で吸蜜してくれたので、そっと近づき撮影した。

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モンキチョウ (2月14日、甲府市)

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A Pale Clouded Yellow nectaring on the flower of dandelion
(Olympus E-3, ZD12-60mm)


時期的にまだ発生初期のはずなのだが、すでに翅が破損しているのには驚いた。

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タンポポの花で吸蜜するモンキチョウ (2月14日、甲府市)

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A Pale Clouded Yellow nectaring on the flower of dandelion
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)


タンポポで吸蜜しているキチョウの頭部のアップを撮影して見た。頭部の毛と翅の縁取りが紅色でまだ新鮮な個体であることを物語っている。

こうしてみると、モンキチョウもなかなか艶やかで美しい。

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モンキチョウ (2月14日、甲府市)

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A Pale Clouded Yellow nectaring on the flower of dandelion
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)



キチョウ; Common Grass Yellow

越冬していたキチョウも陽気で目を覚ましたようだ。キチョウはふらふらと飛んではすぐに地面や草の上に静止してくれるので、広角レンズでの近接撮影は難しくない。

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キチョウ (2月14日、甲府市)

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A Common Grass Yellow resting on the ground
(Olympus E-3, ZD12-60mm)



さらに、チョウは葉の影などに静止しようとする。この行動は越冬場所を探しているようにもみえる。今までキチョウの越冬態を探してきたが、まだ発見できていない。

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キチョウ (2月14日、甲府市)

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A Common Grass Yellow resting on the grass
(Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC-14)




キタテハ; Cinese Comma

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キタテハ (2月14日、甲府市)

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A Cinese Comma resting on the grass with the wings opened
(Olympus E-3, ZD12-60mm)



ミスミソウ; Anemone hepatica var. pubescens

ミスミソウはスプリングエフェメラル(早春に咲く花)の仲間だ。このミスミソウが集団で自生する場所が芦川渓谷の一部にある。そこで、そのミスミソウの自生地を訪れてみた。

いつもの年だと2月20日以降が花期であるが、今年は少し早目のこの時期でも所々で可憐な白い花を見ることができた。

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ミスミソウ (2月15日、市川三郷町)

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Anemone hepatica var. pubescens
(Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE + EC-14)

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ミスミソウ (2月15日、市川三郷町)

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Anemone hepatica var. pubescens
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)



セツブンソウ; Eranthis pinnatifida

芦川渓谷の民家の裏の斜面に咲くセツブンソウを撮影した。この花は土を選ぶようで、石灰岩地にだけ生育するが、山梨県ではこの場所でしか見ることができない。

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セツブンソウ (2月15日、市川三郷町)

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Eranthis pinnatifida
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)


セツブンソウの白花(?)を見つけた。色素がぬけたもので、茎の色も緑色になっているのですぐにわかる。いつも同じ場所で数本見ることができるが少ない。

色素の抜けは、おしべで顕著だ。虫林は花用語は良くわからないが、このような白花は「素心花」あるいは「蘇芯花」と呼ばれるようである。

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セツブンソウの白花 (2月15日、市川三郷町)

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Eranthis pinnatifida
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)


セツブンソウの撮影で、雰囲気のある写真はなかなか難しいものだ。この写真は自分自身ではかなり気に入っている。写真とは気に入る事とみつけたり。

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セツブンソウ (2月15日、市川三郷町)

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Eranthis pinnatifida
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)



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§ Afterword §

甲府市内でもモンキチョウを見ることができた。昨年は3月2日だったので、今年はチョウの発生が例年よりも早いようである。やはりこのチョウをみると春が来たことが実感できるのだ。目撃したチョウ:モンキチョウ(3)、キタテハ(5)、キチョウ(1)、スジボソヤマキチョウ(2)

この暖かさは一時的なもののようだが、いったん羽化が始まればチョウ達は次々と出現してくると思うので、これからのフィールド散歩が楽しみになってきた。

なお、虫林のスギ花粉アレルギーは今年はかなり症状がきつい。
とくに、ミスミソウは杉林の中での撮影だったので、スギ花粉を大量に被爆したような気がする。これから数ヶ月は要注意だね。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-02-15 23:37 | Comments(14)

20090211 雑木林の散歩道:カシアシナガゾウムシ(山梨県)

Nature Diary #0238
Date: February 11th (Wednesday), 2009
Place: Hokuto-shi, Yamanashi Pref.
Weather: fair



§ Diary §

本日は建国記念日、散歩に訪れたのは北杜市明野の集落の周りの雑木林

車道の脇で散歩している仲の良いシニアのカップルと出会った。彼らはもともと東京に住んでいたが、老後の生活をここでおくるために思い切って引っ越してきたそうだ。ここには都会人が夢見る里山の原風景があるからだという------。

確かにここに広がる風景は、典型的里山のそれで、どこか懐かしくて、どこか暖かくて、どこかのんびりとしていて、散歩するだけで心を癒してくれそうだ。


水田に面した斜面はクヌギ、ミズナラ、コナラを主体とする雑木林だ。ゆっくりと歩いてみると、冬枯れた林の中は風も無く、冬の弱い日差しでも陽だまりはとても暖かい。こんな里山の雑木林をウラウラと歩くことはとても贅沢なことのように思えてくる。

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明野の雑木林 (2月11日、北杜市)

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Copse
(Olympus Power Shot G10、セルフタイマー)



カシアシナガゾウムシ; Mecysolobus piceus

カシアシナガゾウムシゾウムシは、以前にもゼフの越冬卵を探している時に偶然に見つけたことがある。今年はこのゾウムシをかなり意識して探していたのだが、今のところ見つけることができていなかった(ND #0237)。

すでに探し始めて1時間を過ぎ、そろそろモチベーションを維持するのが難しくなってきた。きっと、この虫は個体数が少ないか、探し方が間違っているかのどちらかだろう----と考えていたら、コナラの幹から出ている細い小枝の分岐部に小さなゾウムシを見つけた。

カシアシナガゾウムシだ!

足を左右2本づつ束ねて枝を抱える姿がとても面白い。

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枝につかまるカシアシナガゾウムシ (2月11日、北杜市)

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A elephant beetle, Mecysolobus piceus, holding on to a branch
((Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC-14、ストロボ)



カシアシナガゾウムシは、本州、四国、九州に広く分布し、カシ類の葉を食する。それほど珍しい種類ではないようだが、真冬に見つけることができる貴重な虫だ。

写真では大きなゾウムシに見えるかもしれないが、この虫の体長は6mm程度のものだ。

今回はZD35mmマクロレンズを撮影に用いたが、このレンズはとても安価なわりに高性能で、最短撮影距離で等倍まで撮影できる。フォーサーズだと2倍の拡大だ。さらに1.4倍のテレコンを併用できるので、小さいものもかなり大きく撮影可能だ。

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枝につかまるカシアシナガゾウムシ (2月11日、北杜市)

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A elephant beetle, Mecysolobus piceus, holding on to a branch
((Olympus E-3, ZD35mm Macro + EC-14)



しばらく撮影していたら、歩きだしてしまった。ゾウムシはのろのろと歩く印象だが、この虫は意外に歩くスピードが速いので驚いた。

写真をまじまじとみると、ゾウの鼻のように口吻が長くて「ゾウムシ」という名前はよくぞ付けたと思う。

このカシアシナガゾウムシは前足と中足が異常に長く、後足が普通(短い?)の長さなのがわかるだろう。

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枝につかまるカシアシナガゾウムシ (2月11日、北杜市)

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A elephant beetle, Mecysolobus piceus, holding on to a branch
((Olympus E-3, ZD35mm Macro + EC-14)



テントウムシ; Lady bird

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テントウムシ (2月11日、北杜市)

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A winter-passing colony of ladybird
((Olympus E-3, ZD35mm Macro + EC-14、ストロボ)


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§ Afterword §

他のブログを見ると、そろそろモンキチョウなどの今年羽化した新成虫が出現し始めたようだ。やっとシーズンインといったところかな。ただ、虫林にとって問題は「スギ花粉」なのだ。

実は散歩していても、くしゃみは出るわ、鼻水は出るわ、目は痒いわ------で大変。

ところで、今年は甲府市内ではほとんど雪が降っていない。雪が降れば降ったで大変だが、全く降らないのも少し心配だし、スギ花粉も早期から多量に飛散するようだ。

ひどい暖冬は生物にとっても良いはずが無いのだ。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-02-12 00:41 | Comments(8)

20090208 雑木林の散歩道:越冬幼虫など (山梨県)

Nature Diary #0237
Date: February 8th (Sunday), 2009
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather: fair


§ Diary §

今週末は、日本チョウ類保全協会が主催する「第5回チョウ類の保全を考える集い」が、神奈川県小田原市で開かれたが、ちょうど別な会(ある学会の支部総会)が甲府市内であり、虫林はそちらに出席しなければならなかった—---残念。

本日(日曜日)は晴れているが、風がゴーゴーと音を立てるほど強い。どうやら、強風注意報も発令されたようだ。こんな寒くて風の強い日は、家でゆっくりとしていれば良いのだけれど、週に1度は散歩しないと禁断症状が出る虫林は、近場の雑木林を散歩することにした(散歩中毒?)。

雑木林につくと、傍にある梅林が花をつけていた。まだ満開とはいえないまでも、結構綺麗だ。こんな梅の花を見ると、立春を過ぎたことが実感できるのだ。。

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梅の花が咲いた (2月8日、甲府市)

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Blossom of Japanese apricot
(Olympus E-3, ZD12-60mm)



オオムラサキ; Leptcarabus procerulus

今回、訪れたクヌギ主体の雑木林は、甲府市内でオオムラサキが最も多く観察できる場所だ(虫林が知る限りにおいて)。そこで、食樹のエノキの幹の周りで、オオムラサキの越冬幼虫を探してみることにした。

探し始めると、オオムラサキの幼虫はすぐに見つかった。日光の直射が当たる南側よりも日陰になる北側の枯葉に個体数が多いようだ。

オオムラサキの幼虫は、背面に突起をもち、なかなかユニークな形をしている。
現在の若者用語では、いわゆる キモ可愛い という表現になる。

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オオムラサキの幼虫 (2月8日、甲府市)

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A caterpillar of Great Purple
(Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC-14)


でも、拡大すると、やっぱり キモイ ------かな。

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オオムラサキの幼虫 (2月8日、甲府市)

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A caterpillar of Great Purple
(Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC-14)



ゴマダラチョウ; Japanese Circe

エノキの周りの枯葉では、ゴマダラチョウの越冬幼虫も同時に見つかった。ゴマダラチョウの幼虫は、大きさや全体から受ける印象はオオムラサキの幼虫に似ているが、オオムラサキよりもやや太っていて、脊中の突起が少ないのですぐにわかる。

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ゴマダラチョウの幼虫 (2月8日、甲府市)

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Two caterpillars of Japanese Circe
(Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC-14、ストロボ)



オオミドリシジミ; Oriental Hairstreak

越冬しているアシナガゾウムシを探して、コナラの細い枝を見回ったが、残念ながら見つけることができなかった。かなりの数の枝を見たつもりだが残念だ。このゾウムシは、越冬卵を探しているときに偶然に見つけたことがあるので、これを目的に探せばもっと簡単に発見できるかと思ったが------甘かった。神出鬼没な奴だ。

コナラの幹から出ている細い枝で、オオミドリシジミの越冬卵を見つけた。でも、どうしてオオミドリシジミはこんな下のショボイ枝に卵を産むのだろう。

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オオミドリシジミの越冬卵 (2月8日、甲府市)

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A winter-passing egg of Oriental Hairstreak
(Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC-14)



アカボシテントウ;

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アカボシテントウ (2月8日、甲府市)

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(Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC-14)



オツネントンボ;

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オツネントンボ (2月8日、甲府市)

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(Olympus E-3, ZD50mm Macro + EC-14)



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§ Afterword §

昔、昆虫採集をしていた頃は、春から秋の間はフィールドになるべく出て頑張るが、冬の間は読書や標本の整理などをして家の中で時間を費やした。しかし採集をやめて、昆虫写真(とくにブログ)をやるようになってから、寒い冬でも1週間に1度はフィールドに出るようになった。

これは、軟弱者で出不精の虫林には良いことだろうと思う。

冬の昆虫たち(越冬卵や幼虫)も出会えれば、なかなかかわいいものだ。また、かれらの越冬状態を見ることも面白い。

梅の花も咲きだし、春はすぐそこだ------。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-02-08 23:31 | Comments(10)

20090201 帯那山の散歩道:クロナガオサムシ (山梨県)

Nature Diary #0236
Date: February 1st (Sunday), 2009
Place: Mt. Obina, Yamanashi Pref.
Weather: fair



【オサムシの分類】
オサムシの仲間は鞘翅が癒着して飛べないものがほとんどだ、したがって、同じ種類でも地域による変異がとても大きく亜種が多い。極端な話、大きな川をはさんで種類や亜種が異なるといっても過言ではないのだ。

先週のブログで、大阪の緑一さんからヒメオサムシの分類がかなり変わったというコメントをいただいた。調べてみると、虫林が興味を持っていた頃(かなり前)とは確かに大きく異なっているようである----うーむ、オサムシの世界では浦島太郎になってしまった気分だ。


§ Diary §

朝食後に甲府市北の帯那山(標高1422m)に散歩に出ることにした。

帯那山に続く山の稜線近くをトレースする整備された道は、クリスタルロード(結構標高が高い)と呼ばれている。しかし、何がクリスタルなのかその意味がさっぱりわからないのだ。そこで虫林はこの道を 何となくクリスタルロードと密かによんでいる。

(何となく)クリスタルロードをしばらく行くと、冬季閉鎖のため帯那山の頂上の少し下でゲートが閉まっていた。ゲート手前の道から牧場に降りたあたりに車を止めて、歩いて林に入った。

夏の間は鬱蒼としていたミズナラ主体の樹林内も、今は木々が葉を落として明るく、ところどころに立ち枯れや倒木が散在している----オサ堀りにはけっこう適している雰囲気だね。写真中央の大きな木はミズナラの立ち枯れだ。

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ミズナラの林 (2月1日、甲府市)

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Oak forest
(Olympus E-3, ZD12-60mm)



クロナガオサムシ; Leptcarabus procerulus

朽木を壊してみたら、クロナガオサムシの集団越冬巣に当たった。数えてみると4頭が一緒に越冬している。今まで2頭ほどは見たことがあるが、4頭の越冬集団は凄いと思う。

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クロナガオサムシの集団越冬 (2月1日、甲府市)

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A winter-passing colony of Leptcarabus procerulus in the spunk
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)


集団越冬していたクロナガオサムシは、通常の個体よりも少し小型で体も細いようだ。一応、ここではクロナガオサムシにしておくが、間違っていたらご教示いただきたい。

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朽木から出てきたクロナガオサムシ (2月1日、甲府市)

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A walking beetle, Leptcarabus procerulus, winter-passing in the spunk
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)



クロオサムシ; Carabus albrechti

少し低い崖を崩してみたら、やや小型のオサムシが出てきた。どうもクロオサムシに似ているが、甲府市や北杜市などの標高の低い場所で見る赤銅色のもの(先週のブログでヒメオサとしたもの)とは色彩が明らかに異なり、やや緑がかった黒色で、光沢がある。

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クロオサムシ (2月1日、甲府市)

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A walking beetle,  Carabus albrechti winter-passing in the spunk
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)

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クロオサムシ (2月1日、甲府市)

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A walking beetle,  Carabus albrechti winter-passing in the spunk
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)



ベニヒラタムシ; Cucujus coccinatus

立ち枯れの樹皮をめくってみたら、ベニヒラタムシが出てきた。ヒラタムシの仲間は扁平な体を持ち、樹皮下に棲息して、他の昆虫の幼虫などを食す。

樹皮下に暮らすのであれば、このような鮮やかな色彩は必要ないように思うが----不思議だな。ちなみに、近縁のルリヒラタムシも素晴らしくきれいな翅をもっている。ヒラタムシの交尾活動は樹皮下ではなく、外部で行うので鮮やかなのかもしれないね。

とにかく、ひらべったい甲虫だ。

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ベニヒラタムシ (2月1日、甲府市)

(Olympus E-3, ZD12-60mm)

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ベニヒラタムシ (2月1日、甲府市)

(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14, ストロボ)

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ベニヒラタムシ (2月1日、甲府市)

(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14 + Gyorome-8, ストロボ)


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§ Afterword §

先週、オオオサムシを見つけて、昔取った杵柄のオサ掘りを思い出した。

今回は、先日の季節はずれの大雨で、路面の雪が消えてしまい、虫林の車(ノーマルタイヤ)でもかなり奥まで行くことができた。標高1400mほどの場所で、不慣れながらもオサ堀りを行い、細い?クロナガオサムシや平地とは全く色彩が異なるクロオサムシなどを見つけることができたのは嬉しかった。

しかし、現在のオサムシの分類はかなり細分化されていて(多すぎないかな?)、その同定は難しく、オスやメスの生殖器の形態が決め手になることも多いと聞く。すると、写真撮影だけでは種の正確な同定が不可能ということになる---虫写真屋としてはとても残念です。

オサムシは冬期に見ることが可能な(むしろ見やすい)甲虫なので、さらにもっと多くの種類にお目にかかってみたいな。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-02-01 22:04 | Comments(11)