NATURE DIARY

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20090329 ミヤマセセリの小径 (山梨県)

Nature Diary #0245
Date: May 29th (Sunday), 2009
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather:fair



§ Diary §

里山では、山桜の花が淡いピンクの彩りを添え、コブシの花もすでに満開で茫々とした褐色の山肌に白いアクセントを加えている。芽生え時のパステルグリーンから夏色のダークグリーンに至るドラマティックな色彩の変遷は、何度経験しても、幾つになってもワクワクするものだ。

この時期にはフィールドを歩けるだけで嬉しい。

武田の杜の散歩道を歩き始めるとすぐ下にある広場では、桜の花が満開だった----春爛漫

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桜 (3月29日、甲府市)

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A peaceful landscape with cherry blossom
(Olympus E-510, ZD8mm + EC-14)



ミヤマセセリ; Spring flat

本日は野暮用があって遠出できない。
ならば、ミヤマセセリの翅裏面撮影のために武田の杜を再訪することにした。

武田の杜は他の場所よりもミヤマセセリの数が多いように思えるが、とくにこのセセリチョウが多い巡回コースを、虫林は「ミヤマセセリの小径」と名付けた-----勝手に名付けるなよ。

「ミヤマセセリの小径」に到着して歩きだすと、期待通りに次々と黒っぽいセセリが飛び出した。

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石の上で日光浴をするミヤマセセリ♂ (3月29日、甲府市)

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A male of Spring flat basking on the stone.
( Olympus E-3, ZD8mm + EC-14)


ミヤマセセリ(ダイミョウセセリも)は翅を開いて静止するのが普通で、翅裏を撮影することは容易ではない。でも、このセセリは、翅を開いて静止した後に、翅を閉じることがあるのに気づいた。

そこで、目の前の枝先に静止したミヤマセセリを観察していると、しばらく翅を開いた後に期待通りに翅を閉じてくれた。

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枝先で静止するミヤマセセリ♂ (3月29日、甲府市)

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A male of Spring flat resting on the top of branch.
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO,外部ストロボ)


さらに、近づいて翅裏を近接撮影した。

ミヤマセセリの翅裏には、濃い褐色の地に薄黄色の紋が並び、さらに良く見ると金粉のような粉が散りばめられている。また、春先に発生してくる蝶に共通する特徴だと思うが、ミヤマセセリもかなり毛深い。

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枝先で静止するミヤマセセリ♂ (3月29日、甲府市)

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A male of Spring flat resting on the top of branch.
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO,外部ストロボ)


目の前に静止したミヤマセセリは、翅に良く目立つ大きな白い紋があった。
今年初めてお目にかかるメスだ。

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ミヤマセセリ♀ (3月29日、甲府市)

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A female of Spring flat resting on the top of branch with the wings opened.
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


蝶の多くではメスは地味な色彩でオスの方が派手で美しい。しかし、中にはオスよりもメスの方が美しい種類もある。ミヤマセセリもそんな蝶の一つだろう。

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ミヤマセセリ♀ (3月29日、甲府市)

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A female of Spring flat
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


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ジュウニヒトエの花で吸蜜するミヤマセセリ♀ (3月29日、甲府市)

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A female of Spring flat feeding on the flower
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)

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ジュウニヒトエの花で吸蜜するミヤマセセリ♂ (3月29日、甲府市)

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A male of Spring flat feeding on the flower
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO、外部ストロボ)


ミヤマセセリの飛翔写真は難しい。黒っぽくて小さい上に、飛び方が非常に不規則で動きを予測しがたいからだ。撮影には外部ストロボを併用した。

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ミヤマセセリの求愛飛翔 (3月29日、甲府市)

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Courtship flight of Spring flats
(Olympus E-410, ZD8mm + EC-14,外部ストロボ、外部ストロボ、トリミング)

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ミヤマセセリの求愛飛翔 (3月29日、甲府市)

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Courtship flight of Spring flats
(Olympus E-410, ZD8mm + EC-14,外部ストロボ、トリミング)

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ミヤマセセリの飛翔 (3月29日、甲府市)

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Courtship flight of Spring flats
(Olympus E-410, ZD8mm + EC-14,外部ストロボ、トリミング)

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§ Afterword §

今週も武田の杜を散歩した。

チョウの撮影では、翅をいかに開かせるかを工夫することが多い。今回はそれとは逆で、翅を閉じた状態の撮影が課題になった。何とか撮影でき、今回の目的を達する事ができたが、翅裏撮影の難易度はミヤマセセリよりもダイミョウセセリの方が高そうだ。


ウーム、今年もそろそろギフチョウに会いたくなった。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-03-29 23:25 | Comments(26)

20090321 武田の杜のミヤマセセリ (山梨県)

Nature Diary #0244
Date: May 21st (Sunday), 2009
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather:fair



§ Diary §

昨日(20日)の午前中はかなり雨が降ったが、午後から日が差して、気温が23.4℃まであがった。また、甲府市の「桜の開花宣言」が突然出されたのには驚いた(観測史上3番目の早さ)。

本日(21日)は朝から晴れているが、少し肌寒い。県南部で春チョウを探そうかとも考えたが、先週、ミヤマセセリを初見した武田の杜を再訪した。

武田の杜のヒルトップにある駐車場からは甲府市街と富士山が一望できる。

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甲府市街と富士山 (3月21日、甲府市)

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A morning landscape from the hill top of Tekdanomori
(Olympus E-3, ZD8mm + EC-14)



マメザクラ(フジザクラ); Spring flat

武田の杜の小径を散歩すると、先週までは息をひそめていたスミレ類やイカリソウ、コブシやマメザクラの花たちがあちらこちらで咲いていた。

マメサクラは富士周辺にその数が多いことからフジサクラともいう。山梨県の県花だ。そういえば、昔、「富士桜」という四股名の関取がいたことを思い出す。富士桜関は山梨県の甲府市出身の力士で、あだ名を“突貫小僧”と呼ばれていた。とにかく、小兵ながら真っ向から勝負する取り口はとても素晴らしかったことを覚えている。

マメサクラ(フジサクラ)の花はソメイヨシノなどの花に比べて小ぶりで、下を向いて咲く。

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マメザクラの花 (3月21日、甲府市)

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Prunus incisa
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)



ミヤマセセリ; Spring flat

<日光浴>

朝の小径をゆっくりとたどると、気温の上昇とともに先週は3頭しか見かけなかったミヤマセセリが次々と飛び出してきた。この時期の撮影は光と陰のコントラストが強すぎるので、外部ストロボを用いて撮影してみた。

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枯葉で日光浴をするミヤマセセリ♂ (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat basking on the dry leaf.
(Olympus E-3, ZD8mm + EC-14、ストロボ)

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枯葉で日光浴をするミヤマセセリ♂ (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat basking on the dry leaf.
(Olympus E-3, ZD8mm + EC-14、ストロボ)


ミヤマセセリは地味な配色で、昆虫を知らない人たちがこのチョウに初めて会うと必ず蛾だと思うだろう。しかし、チョウ屋にはこの渋い配色がワビやサビの魅力に満ちているのだ。

ミヤマセセリは歩いて行く少し前の地面から飛び出し、目で追っていると道に堆積した枯葉の上で静止する。静止した場所をしっかりと認識しておかないと、このチョウは巧みな保護色なので見つけるのがとても厄介だ。絵本の「ウォーリーを探せ」のように地面で目を凝らして存在を探さなければならない。

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枯葉で日光浴をするミヤマセセリ♂ (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat basking on the dry leaf.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)


ミヤマセセリの正面からの写真を撮影して見た。前から見ると、黒い点(複眼かな?)が二つ並んで目のようにみえ、まるで、「オランウータン」の顔も持ったチョウにも見える。

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ミヤマセセリ正面 (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat basking on the dry leaf.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro、ストロボ)


<吸水>

昨日の雨でぬれた地面から塩類を摂っているミヤマセセリを見つけた。ミヤマセセリはこの場をなかなか離れようとせず飛び去っても戻ってきた。ミヤマセセリは花の少ないこの時期に、時々給水している姿をみることがある。

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湿った地面から塩類を摂るミヤマセセリ♂ (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat feeding on the salts in moist ground.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)


<吸蜜>

正午を過ぎるとミヤマセセリは探雌飛行を繰り返して静止することが少なくなったが、花での吸蜜シーンがしばしば見ることができた。吸蜜植物は、タンポポ、オオイヌフグリなどの草の花の他に、マメザクラやチョウジサクラなどの木の花でも吸蜜していた。

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オオイヌノフグリの花で吸蜜するミヤマセセリ♂ (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat nectaring on the flower
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)

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タンポポの花で吸蜜するミヤマセセリ♂ (3月15日、甲府市)

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A male of Spring flat nectaring on the flower of dandelion.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)


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§ Afterword §

今年はギフチョウ出現の便りもすでに聞こえてきている。

過日の日本チョウ類保全協会のフィールド図鑑の打ち合わせで、よせば良いのに「ミヤマセセリの写真はまかせろ」と大見えをきってしまったので、先週に引き続き今週もミヤマセセリの撮影を優先させた。

ミヤマセセリは先週とは比べ物にならぬほど多くの個体が出現して虫林を楽しませてくれた。まだ発生初期のために、出現したミヤマセセリはすべてオスだった。これからは、徐々にメスも出現してくるのが楽しみである。

目撃した虫:ミヤマセセリ♂(多)、テングチョウ(10)、スジボソヤマキチョウ(3)、ルリタテハ(3)、ヒオドシチョウ(2)、アカタテハ(1)、クジャクチョウ(2)、ルリシジミ(1)、ツバメシジミ(1)、センチコガネ(1)



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-03-22 18:39 | Comments(15)

20090315 武田の杜の春告蝶:ミヤマセセリ (山梨県)

Nature Diary #0243
Date: May 15th (Sunday), 2009
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather:fair



§ Diary §

本日は晴れ渡り、空には雲ひとつない。でもこんな日には花粉が------わが花粉症は今年も結構しんどい。クシャミと鼻水、目の痒みもわずらわしい。せっかくの良い季節なのに--------。

花粉症の薬は抗ヒスタミン剤(アレルギー反応によってマスト細胞から放出されるヒスタミンを抑える)が主流だが、これは根本的な治療法ではなくて症状だけを抑えるいわゆる対症療法というやつだ。ならば根本的な治療法はというと、薄めた花粉を少しずつ注射して免疫寛容を獲得させる減感作療法がある。しかし、この場合は長期間にわたって注射を受けなくてはならない。ウーム、長期の注射もいやだ。

かくして、森の中でくしゃみをしながら、マスクをして本日も散歩することになった。

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花粉症の虫屋 (3月15日、甲府市)

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A naturarist suffering pollen allergy
(Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE + EC-14)



ミヤマセセリ; Spring flat

虫屋は季節の歩みを昆虫の出現で知ることができる。

平地では、春先に羽化するチョウの1番バッターはモンキチョウで、モンシロチョウ、ベニシジミなどがそれに続く。しかし、虫林が春の訪れを最も感じるチョウはミヤマセセリだ。というのも、このチョウの出現は「里山の春」を意味するからだ。

そう、ミヤマセセリは里山の春告蝶なのだ。

この時期であればミヤマセセリはすでに羽化しているはずなのだが、本日はなかなかその姿を虫林の前に現してくれなかった。お昼も過ぎてそろそろ諦めて帰ろうという気分になった時、1頭の黒っぽいセセリチョウが足もとから飛んで少し先の地面に舞い降りた。

今年もやっと君に会えた------ミヤマセセリ。

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日光浴をするミヤマセセリ♂ (3月15日、甲府市)

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This is my first look of Spring flat of this season.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)



ヒオドシチョウ; Large Tortoiseshell

越冬明けのヒオドシチョウが伐採された丸太上で翅を開いて日光浴をしていた。ヒオドシはこの場所に強い執着心がある様で、驚いて飛び去っても必ず戻ってくる。

まるでブーメランだ。

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日光浴をするヒオドシチョウ (3月15日、甲府市)

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A Large Tortoiseshell basking on the log.
(Olympus E-510, ZD8mm FISHEYE + EC-14)

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日光浴をするヒオドシチョウ (3月15日、甲府市)

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A Large Tortoiseshell basking on the ground.
(Olympus E-510, ZD8mm FISHEYE + EC-14)

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飛翔するヒオドシチョウ (3月15日、甲府市)

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Flying feature of a Large Tortoiseshell.
(Olympus E-510, ZD8mm FISHEYE + EC-14、トリミング)



テングチョウ; European Beak

武田の杜の小径ではテングチョウが多い。本日見かけただけでも15頭は超えていたと思う。小枝に静止して翅を開いた逆光のテングチョウを撮影してみた。

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逆光のテングチョウ (3月15日、甲府市)

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An European Beak against the sun
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)


テングチョウのオスとメスは、翅表であれば紋の大きさや形などで知ることができるが、翅裏でもわかる。この写真(左)のように地の色が白っぽく灰白色で雲状紋が発達しているのがオス。地が褐色で、雲状紋が乏しいのがメスだ(右)。

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テングチョウのオス(左)とメス(右) (3月15日、甲府市)

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Male (left) and female (right)
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro、ストロボ)


テリを張っている♂の場所に別のオスが侵入したので、スクランブル発進した。

写真では1頭のように見えるが実は2頭が重なっているのだ。かなり激しい戦闘を繰り広げているのだろうか、それとも遊んでいるのかな。

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テングチョウの戦い (3月15日、甲府市)

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Flying feature of European Beak
(Olympus E-510, ZD8mm FISHEYE + EC-14)



シータテハ; Comma

歩いていたら足もとから飛び立って近くに静止した。飛翔した時には初めはキタテハかとも思ったが、キタテハに比べて少し小さく、色もより濃く見えた。写真はストロボを用いているが、このチョウの名前ともなっているCの文字が綺麗にでた。

この写真をみると、足が4本のようにみえるが、前足は折りたたんでいるのだろう。

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シータテハ (3月15日、甲府市)

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A comma resting on the ground with the wings closed.
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro、ストロボ)


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§ Afterword §

今年は例年よりも暖冬で、桜の開花も約1週間から10日ほど早いようである。ところが、ミヤマセセリの初見は、昨年よりも遅く、一昨年とほぼ同じであった。チョウの方は今年が特別早いとは言い難い。

ミヤマセセリはまだ個体数が少ないようで、3頭見ただけである。これからさらに増えていくことだろう。
本日観察したチョウ; ミヤマセセリ(3)、ヒオドシチョウ(3)、テングチョウ(15)、シータテハ(1)、スジボソヤマキチョウ(3)


ミヤマセセリがでると春も本番で、これからが楽しみだ。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-03-16 03:09 | Comments(18)

20090307 武田の杜のテングチョウ (山梨県)

Nature Diary #0242
Date: May 7th (Saturday), 2009
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather:fair



<三つ目がとおる>
カメラを持ってフィールドを歩くと、今まで気づかなかった多くのものが見えてくる。つまり、カメラを持って歩くことは、「本来持っている目とは異なる別な目」を持つということになるのだろう。

有名なマンガ家で虫屋でもあった故手塚治虫氏の作品の一つに「三つ目が通る」がある。前額部に特別な力を持つ目(第三の目)を有する主人公の自称「悪魔のプリンス」写楽保介が様々な事件を解決する物語だが、カメラを持つ虫屋はまさしく「三つ目」になることができるのだ。


§ Diary §

金曜日は淡路島での研究会から夜遅くに帰宅したため、本日(土曜日)の朝はゆっくり起きて、コーヒーを飲みながらNHKの連ドラ「だんだん」を家族と一緒に楽しんだ。

外は晴れているが、風が強くて気温も低く、また昨日の疲れもあってレイジーな虫林はテレビでも見ながら日がな一日のんびり、ゆっくり、ほっこりとしてみたいと思った----------が、やはり近くの武田の杜を散歩することにした。虫屋の性には逆らえないのだ。

そういえば、ちょうど今は虫たちが土から出て活動を始める「啓蟄」の時期だ。土中から虫たちが出てくるように虫林も家から外に出て活動開始しよう。
虫屋の啓蟄だ!

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虫屋の啓蟄 (3月7日、甲府市)

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Today was almost butterfly weather (warm, bright, and not too windy). A short visit this early afternoon to my favorite place“Takedanomori”produced my first looking of European Beaks of the season
(Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE + EC-14)



テングチョウ; European Beak

武田の杜の小径を歩くと、所々で冬眠からさめたテングチョウが足下から飛び立つ。テングチョウの他にはキタテハやルリタテハも見かけたが、彼らはより開けた場所で出会うことが多く、テングチョウは森の中の小径にその姿を多く見た。

彼らは飛び立つのでその存在を知ることができるが、もしも飛びたたなければ、目に自信が無い虫林にはとうてい発見できないだろうと思う。

下の写真の落ち葉の上で休むテングチョウをすぐに発見できるかな?
昆虫版の「ウォーリーを探せ」

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地面の枯葉で休むテングチョウ (3月7日、甲府市)

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I had seen more than 10 European Beaks in the path of the forest. This photo is showing an European Beak resting with the wings closed on the ground. Please try to find a camouflaged butterfly.
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)


テングチョウはしばらく旋回するように飛ぶと元の笹の葉上で静止して翅を開いた。そこで、そっと近づいて広角レンズで撮影した。こんな時にはバリアングルモニターは便利だと思う。

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日光浴するテングチョウ (3月7日、甲府市)

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This photo is a wide-angle view of a male of European Beak perching on the bamboo leaf with the wings opened
(Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE + EC-14)


翅を閉じた状態でもテングチョウの♂♀を見分けることはそれほど困難ではないらしい。(赤みが無く、雲状紋が発達しているものが♂で、逆に赤みがあって雲状紋が不明瞭なのがメスだ)

地表の落ち葉に静止したテングチョウの裏面は、雲状紋が明瞭なのでオスと思う。

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地面の枯葉で休むテングチョウ (3月7日、甲府市)

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An European Beak resting on the ground with the wings closed
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)


テングチョウはこの時期には数がとても多くまるで「わが世の春」を謳歌しているようだ。

このチョウは形だけでなく、生活史もユニーク。

彼らは6月頃に新成虫になるとすぐに長い眠り(夏眠、秋眠、冬眠)に入り、翌年の春になってやっと目覚めてくるのだ。長生きといえば長生きな蝶ではあるが、人生いやチョウ生の大部分を物陰で眠っているのだ。



テングチョウのテングという名前は、テングの鼻のように頭部の先端が前方に長く伸びていることから来たのだろう。日本には想像上?の生物として、天狗の他に河童もあるが、カッパチョウという蝶がいなのが虫林には少し残念だ。

この長い鼻は正式には下唇鬚(labial palpus)というものが著しく発達した結果らしい。

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テングチョウの頭部拡大 (3月7日、甲府市)

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An European Beak
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ストロボ)



スジボソヤマキチョウ; Lesser Brimstone

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スジボソヤマキチョウ (3月7日、甲府市)

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A female of Lesser Brimstone resting on the ground
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)



キタテハ; Chinese Comma

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キタテハ (3月7日、甲府市)

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A Chinese Comma nectaring on the flower
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)


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§ Afterword §

啓蟄も過ぎて、昆虫達が現れる季節になった。

今回、武田の森を訪れた目的は、この春に羽化したミヤマセセリを見つけるためだった。昨年は3月の中旬に初見しているので、季節の歩みが速い今年なら見ることができるかも知れないと思ったからだ。

しかし、残念ながら、今回はミヤマセセリは見ることができなかった。
出現したのは、テングチョウ(10以上)、ルリタテハ(1)、キタテハ(4)、モンキチョウ(1)。

でも、来週あたりは元気なミヤマセセリに会いたいものである。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-03-08 09:59 | Comments(22)

20090303 寒い夜に虫屋の見る夢は----

Nature Diary #0241


雪の降る寒い夜に虫屋が見る夢は------。

昨年の6月、虫屋はマレーシアのペナン島にいた。

ぺナンでは日が落ちてからも昼間の蒸し暑さがまだ残り、エアコンが効いた部屋から外に出るとほどなく汗が流れ出てくる。夕食にマレーシアカレーでも食べようと思い、ふらりと立ち寄った海辺の小さなレストランでは、夜の帳の中でやや暗いライトが布をかぶった女性客を照らし出した。

ここはイスラム教の国。

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海辺のレストラン(ペナン島)

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Restaurant by the sea



キングコブラが住む森(ジャングル)には、憧れのキシタアゲハも生息する。

森を抜けた丘の上で、ランタナの花の周りを素晴らしいスピードで飛ぶ大きなアゲハに出会った。そのアゲハは黄と黒の鮮やかな色彩のコントラストからキシタアゲハである事は明らかだった。

はじめて見たキシタアゲハの飛翔は雄大で、その姿は華麗にして力強く、一般的な蝶の概念をはるかに越えたものに思えた。

虫屋は胸の鼓動を聞きながらカメラを構えた-----至福の瞬間が訪れた。

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ヘレナキシタアゲハ (ペナン島)

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ヘレナキシタアゲハ (ペナン島)

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寒い夜に虫屋が見る夢は------過ぎ去った過去の記憶の断片。

いつの日にかまた「キングコブラの森」を歩いてみたい。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-03-03 23:24 | Comments(14)