NATURE DIARY

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20090426 武田の杜散歩:春型アゲハなど(山梨県)

Nature Diary #0249
Date: April 26th (Sunday), 2009
Place: Kofu, Yamanashi Pref.
Weather:Cloudy and Fine




§ Diary §

午前中は雲が多かったが、昼近くになると綺麗に晴れた。しかし、風が非常に強く、日差しのわりに気温は高くない(今日は東北や北海道では雪が降ったというのだから驚いた)。

武田の杜の駐車場脇の展望台から、甲府市街と雲の帽子をかぶった富士山を撮影した。ここからは写真のように、富士の裾野の下の部分が前衛の御坂山塊によって隠されてしまう。
-----少し残念だ。

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富士山 (4月26日、甲府市)

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Mt. Fuji
Olympus E-3, ZD12-60mm



ヒゲコメツキ; Pectocera fortunei

新緑の林の中を散歩していると、体長 3cm くらいはあろうかという非常に大きなコメツキムシを見つけた。鞘翅の模様からはじめはシモフリコメツキかとも思ったが、それにしても大きすぎる。
ウーム、大きさや色彩はヒゲコメツキだ。

このヒゲコメツキのオスは以前にも撮影したことがあるが、触角が櫛状でとても立派だ(この虫の名前にもなっている)。今回発見した虫は触角が普通なのでメスなのだろう。

昨年の観察が6月だったので、4月の発生はかなり早いと思う。

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ヒゲコメツキ♀ (4月26日、甲府市)

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Pectocera fortunei
Olympus E-3, ZD8mm + EC-14


今年は今まで虫の目レンズのGyoromeを使用する機会がなかった。そこで、リュックからしばらくぶりにGyoromeレンズを出して拡大撮影を行った。

顔をアップして見ると、この目がなかなか可愛い。

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ヒゲコメツキ♀ (4月26日、甲府市)

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Pectocera fortunei
Olympus E-3, ZD50mm + EC-14 + Gyorome, 内臓ストロボ



ルイスアシナガオトシブミ; Henicolabus lewisii

コナラなどの葉の上をゆっくり見ながら歩いて行くと、赤いオトシブミが静止していた。どうやら葉を後食していたらしいが、気配に気づいて動き出してしまった。

この虫の透明感のある赤色はとても綺麗だ。

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ルイスアシナガオトシブミ (4月26日、甲府市)

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Henicolabus lewisii
Olympus E-3, ZD50mm + EC-14 + Gyorome, 内臓ストロボ



コミスジ; Common Sailer

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コミスジ (4月26日、甲府市)

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Common Sailer
Olympus E-3, ZD50mm + EC14



サカハチチョウ; Large Map Butterfly

タンポポで吸蜜している春型のサカハシチョウを見つけた。

しばらくは大丈夫だろうと思い、のんびりとレンズを交換していたところ、あに図らんや、シャッターを数枚きったところで飛び去ってしまった。

裏面には金色のスジが入り、何となくゴージャスにみえるじゃないか。

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サカハチチョウ (4月26日、甲府市)

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A Large Map Butterfly feeding on the flowers
Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO



ツマキチョウ; Yellow Tip

ツマキチョウの多い小径を見つけた。

とても小型で弱々しく飛ぶが、意外に静止してくれない。見ていると、オスがメスに求愛を行った。残念ながら交尾までには至らなかったが、求愛の飛翔写真は何とか撮影できた。

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ツマキチョウの求愛 (4月26日、甲府市)

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Courtship flight of Yellow Tips
Olympus E-3, ZD8mm + EC-14



キアゲハ; Swallowtail

丘の上部にある公園に植栽されているツツジの花に、多くのアゲハ類が訪れていた。ツツジの群落はコンクリートの階段の脇なので、座ってアゲハたちが飛来するのを待てば良い。------ウーム、すこぶる楽。

ここには赤紫、白、オレンジなど数種類の色のツツジの花があるが、アゲハたちは決まってオレンジ色のキリシマツツジの花を好んで吸蜜していた。

アゲハはオレンジ色がお好き?

この時期に出現する春型のキアゲハは小型で、翅は明るいクリーム色の地に黒い線がくっきりと入ってとても美しい。ツツジの花は蜜の量が少ないためだろうか、一つの花での吸蜜時間(数秒)が短くて落ち着きが無い---------撮影は意外に難しかった。

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吸蜜するキアゲハ (4月26日、甲府市)

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A Swallowtail showing spring type feeding on the orange colored flowers of azalea in the mountain park.
Olympus E-3, ZD12-60mm


今まで蝶の飛翔写真には8mm魚眼にX1.4のテレコンバーターを装着して撮影していたが、今回は12-60mmのズームレンズを使用して見ることにした。

このレンズは広角側でF2.8と明るく、最短撮影距離が25cmなので、アゲハくらいの大きさの蝶の飛翔写真には適している。

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飛翔するキアゲハ (4月26日、甲府市)

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A flying feature of Swallowtail
Olympus E-3, ZD12-60mm, Trimming (+)



アゲハ; Chinese Yellow Swallowtail

欧米でSwallowtail(アゲハチョウ)はキアゲハをさす。一方、ナミアゲハの英名はChinese Swallowtailというらしい。すると、キアゲハが本来アゲハと呼ばれるに相応しいことになるのかも知れないね。

そういえば、アゲハは中国を中心に東アジアに分布する。数年前の4月に所用で中国の武漢市(Wuhan)を訪れた時、散歩で訪れた丘の稜線で多数のナミアゲハを見かけ、そこが中国であることに不思議な気持になった。

アゲハの春型は「色白美人」だ。
飛翔も比較的穏やかで、楚々とした雰囲気を持っている。

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ツツジの花で吸蜜するアゲハ (4月26日、甲府市)

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A Chinese Yellow Swallowtail feeding on the flowers of azalea
Olympus E-3, ZD12-60mm

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飛翔するアゲハ (4月26日、甲府市)

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Flying feature of Chinese Yellow Swallowtail
Olympus E-3, ZD12-60mm



クロアゲハ; Spangle

アゲハやキアゲハとともに時々クロアゲハもツツジの花に飛来した。

黒いアゲハの仲間を総称してカマクラアゲハと呼ぶことがあるらしいが、何でカマクラという名前なのかは知らない。虫林は鎌倉の傍で育ったが、当時はモンキアゲハを見るには鎌倉まで行かなければならなかったので、虫林にとってカマクラアゲハはモンキアゲハだ。

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クロアゲハ (4月26日、甲府市)

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A Spangle feeding on the flowers of azalea
Olympus E-3, ZD12-60mm

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飛翔するクロアゲハ (4月26日、甲府市)

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A flying feature of a Spangle
Olympus E-3, ZD12-60mm, Trimming (+)

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飛翔するクロアゲハ (4月26日、甲府市)

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A flying feature of a Spangle
Olympus E-3, ZD12-60mm, Trimming (+)



カラスアゲハ; Bianor Peacock

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カラスアゲハ (4月26日、甲府市)

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A Bianor Peacock feeding on the flowers of azalea
Olympus E-3, ZD12-60mm


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§ Afterword §

午前中は雲が多く、不安定な天気に思えたので、遠出はしないで近場を散歩した。

近場にアゲハ類が集まる公園を見つけたことは嬉しい。その公園で観察できたアゲハの仲間は、ナミアゲハ、キアゲハ、カラスアゲハ、クロアゲハ、アオスジアゲハだ。すると、低山で撮影できるオナガアゲハ、ミヤマカラス、ジャコウアゲハ以外は撮影できることになる。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-04-26 22:34 | Comments(18)

20090419 白馬散歩:サクラとヒメギフ (長野県)

Nature Diary #0248
Date: April 18th (Sunday), 2009
Place: Hakuba-mura, Nagano Pref.
Weather:Fine




§ Diary §

このところ何だかんだと忙しくてバタバタとしている。昨日(土曜日)もある学会の会議で京都をとんぼ返りしたので、帰宅したのは深夜になってしまった。最近、とみに体力の無さを自覚し始めた虫林は、この忙しさのためにほとんど「虫の息」状態なのだ-----情けない。

虫屋が「虫の息」になってはシャレにもならないのだ

それでも、日曜日の早朝、虫友のkmkurobeさんからのお誘いで、theclaさん、cactussさん、そして昆虫写真家の栗田さんもご一緒してギフ(ヒメギフ)チョウの撮影を行った。

今年初めての県外遠征。


ヒメギフチョウ; Small Luehdorfia

虫林がギフチョウと初めて出会ったのは中学生の時で(すでに何十年も前になるが)、友人のI君と一緒に訪れた丹沢山中(現在は絶滅)だった。ちょうど桜が満開で、ギフチョウたちは三々五々に桜の花に飛来していた。

以来、ギフチョウと桜のコンビネーションが脳裏に焼き付いていた。


この時期の小谷村では山桜がほぼ満開だった。

現地に到着してしばらく散策した後、ヒメギフチョウとギフチョウの蝶道にある満開の山桜の木の下で粘ってみることにした。すると、何頭かのギフ、ヒメギフが吸蜜に訪れてくれた。

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山桜とヒメギフチョウ (4月19日、小谷村)

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Mountain cherry flowers and small Luehdorfia
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, Trimming)


<吸蜜>
午後からは白馬村のポイントに移動した。ここでは、ヒメギフは桜の花(ピンク色の濃いサトサクラ)にポツポツと飛来してくれた。

ヒメギフの撮影角度が難しいので、少し斜面を登って上から撮影してみた。

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サトサクラとヒメギフチョウ (4月19日、白馬村)

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Cherry flowers and small Luehdorfia
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, Trimming)

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サトサクラとヒメギフチョウ (4月19日、白馬村)

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Cherry flowers and small Luehdorfia
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, Trimming)

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サトサクラとヒメギフチョウ (4月19日、白馬村)

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Cherry flowers and small Luehdorfia
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, Trimming)


<飛翔>
飛来したヒメギフチョウはなかなか適当な場所に静止してくれないので、150mmマクロ(実質300mm)で飛翔写真を撮影してみた。

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ヒメギフチョウ飛翔 (4月19日、白馬村)

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Cherry flowers and small Luehdorfia
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, Trimming)

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ヒメギフチョウ飛翔 (4月19日、白馬村)

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Cherry flowers and small Luehdorfia
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, Trimming)


<交尾>
ヒメギフチョウの交尾が2ペアも見ることができた。

このペアでは、メスの翅色が黄色が濃いので初めは ギフX ヒメギフの雑交かと思って興奮して撮影したが、後でゆっくりチェックすると ヒメギフ X ヒメギフだった。

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ヒメギフチョウ交尾 (4月19日、小谷村)

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Mating behavior
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)


このペアはスギの木の高い枝先で交尾したので、下から板切れを投げて枝を揺らして下に落とした。ちょうど時期的にメスの発生時期に当たったようである。

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ヒメギフチョウ交尾 (4月19日、小谷村)

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Mating behavior
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)



<産卵>
cactussさんが追跡していたヒメギフの様子が少しおかしい。

どうやら産卵場所を探しているようだと皆で注視していると-----案の定、草原の中のウスバサイシンに産卵し始めた。あわてて皆で駆け寄り産卵シーンを撮影した。

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ヒメギフチョウの交尾 (4月19日、白馬村)

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Cherry flowers and Luehdorfia
(Olympus E-510, ZD8mm FISHEYE + EC-14)



ルリタテハ; Blue Admiral

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キブシの花で吸蜜するルリタテハ (4月19日、小谷村)

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A Blue Admiral feeding on the floweres
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)



ナガハシスミレ; Viola rostrata

昨年も撮影したが、小谷村のナガハシスミレ(別名テングスミレ)は距の部分に紅がのってとても綺麗だ。

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ナガハシスミレ (4月19日、小谷村)

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Viola rostrata
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)

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ナガハシスミレ (4月19日、小谷村)

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Viola rostrata
(Olympus E-3, Sigma 150mm Macro)


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§ Afterword §


今回訪れた白馬村、小谷村は桜の花が満開で、久しぶりに往時を思い出しながら桜の花に飛来するヒメギフチョウを撮影することができた-------とても嬉しかった。

ご案内いただいたkmkurobeさん、そしてご一緒したtheclaさん、cactussさん、現地でお会いした栗田さん、ご苦労様でした。また機会がありましたらご一緒したいと思います。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-04-21 06:14 | Comments(26)

20090411 富士川流域のギフチョウとスギタニルリシジミ (山梨県、静岡県)

Nature Diary #0247
Date: April 11th (Saturday), 2009
Place: Nanbu-cho, Yamanashi Pref.
Weather:Fine



<春景色>

春になると自然界が急に賑やかになる。

木々の新芽はいつの間にか若葉となり、そのパステルグリーンと山桜の花の薄桃色が複雑に溶け合ってなんともいえない山肌の模様を形成する。また、路傍にはスミレやタンポポの花々があふれ、多くの昆虫達も出現して、まるで、林全体が生命の歓喜に踊っているようだ。

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春景色 (4月11日、南部町)

Season of new green leaves
(Olympus E-510, ZD16-60mm)




§ Diary §


本日は「春の女神;ギフチョウ」に会うために勇躍国道52号を南下した。実は先週も富士川流域の生息地の一つを訪れたのだが、不安定な天気と低気温に加え、虫林の日頃の行いの悪さも相まって、春の女神は微笑んでくれなかったのだ。


ギフチョウ; Luehdorfia

毎年訪れるギフチョウポイントに到着して、準備をしながら周りを見回すと虫林のほかに人はいない。本日は天気も良く、気温も高いので期待しながらいつもの場所に腰をおろしてギフチョウの飛来を待つことにした。

待つこと約1時間、午前10時を過ぎる頃に、どこからともなく憧れの春の女神が舞い降りてきた。ギフチョウはタチツボスミレなどで吸蜜した後、アオキの新芽で静止した。

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アオキの新芽に静止したギフチョウ♀ (4月11日、南部町)

A female of Luehdorfia resting on the new leaves
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


昨年まで何度もギフチョウを撮影してきたが、目の前にギフチョウが現れると、有名な条件反射モデルの「パブロフの犬」のように涎が流れ、動悸と頻脈とともに血圧が上昇してしまう。

このチョウに対する強い憧憬は、幾つになっても消えない----虫屋の魂百まで。

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枝先に静止したギフチョウ♂ (4月11日、南部町)

A male of Luehdorfia resting on the new leaves
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


山梨県でのギフチョウの棲息地は。南部町、身延町など富士川流域に限られているが、いずれの生息地でも個体数が少なく、その存続が危ぶまれているといえるだろう。

ギフチョウの新鮮なメスは、実に美しい。

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地面に静止したギフチョウ♀(4月11日、南部町)

A female of Luehdorfia resting on the ground
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


イチリンソウの花が、蝶の重みで垂れてしまった。
何となくユーモラスで、ほほえましい。

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イチリンソウで吸蜜するギフチョウ♀(4月11日、南部町)

A female of Luehdorfia feeding on the flowers
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


翌12日(日曜日)に前日と同じギフポイントを訪れてみると、すでに横浜のE氏、フィールドノートのTheclaさん、Nature WorldのW氏、山梨のS氏が撮影されていた。

様子を聞いてみると、ギフチョウの飛来はかなり少ないとのことだった。
そこで、E氏とThecla氏が知る別なギフポイントに案内していただくことになった。

そのポイントでは、しばらくギフチョウの飛翔などを楽しんだが、お昼頃からは、食草であるカンアオイの多い場所でギフチョウの産卵シーンの撮影に挑戦した。葉裏をみると、白というよりはやや青みがかったギフチョウの卵が産み付けられていた。

2時間ほども待っただろうか、その間、数頭の産卵しそうなメス(タッチングしていた)は訪れたものの、残念ながら、産卵行動までには至らなかった。

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食草のカンアオイと卵 (4月12日、芝川町)

Eggs of Luehdorfia on the feeding plant “Kan-aoi”
(Olympus E-510, ZD12-60mm)




スギタニルリシジミ; Sugitani’s Hedge Blue

ギフチョウポイントから昨年見つけたスギタニルリシジミのポイントにTheclaさんと一緒に移動した。目的はスギタニルリのメスの開翅写真撮影だ。

スギタニルリの集まる水場は崖の下にあるが、恐ろしいことに崖の上からの落石が頻繁に起こっていた。かなり大きな石まで落ちてくるので危険なことこの上無い。それでも常に上に注意しながら落石が当たらない場所でスギタニルリの撮影を行った。

ちなみに写真の後ろに立っている人物はTheclaさんだ。

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スギタニルリシジミ♂の吸水 (4月12日、南部町)

Sugitani’s Hedge Blue
(Olympus E-510, ZD8mm + EC-14、外部ストロボ)


スギタニルリのオスは吸水に来るので観察する事は難しくないが、メスは樹上生活すると考えられていて、なかなかその姿を見せてくれない。

少し日が傾いて気温が下がってきた午後3時過ぎ。二人でメスかもしれないスギタニルリを見ていたところ、Theclaさんの推察通り、静止した後におもむろに開翅をしてくれた。

ルリシジミ♀の春型との鑑別が問題になるが、スギタニルリのメスの翅表では、色がより暗色調で、前翅、後翅とも黒い縁取りが等幅であることで区別できる。この個体はまさしくスギタニだ。


スギタニルリのメスの開翅は初めてなのでとても嬉しかった。

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スギタニルリシジミ♀開翅 (4月12日、南部町)

Sugitani’s Hedge Blue
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


バリアングルモニターを駆使して、吸水している雄の翅裏アップを撮影した。

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スギタニルリシジミ♂ (4月12日、南部町)

Sugitani’s Hedge Blue
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)

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スギタニルリシジミ♀ (4月12日、南部町)

Sugitani’s Hedge Blue
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


スギタニルリの飛翔をしばらく観察しているとハクウンボクの花で吸蜜を始めた。

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スギタニルリシジミの吸蜜 (4月12日、南部町)

Sugitani’s Hedge Blue
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO、トリミング)


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§ Afterword §

先週は低気温のためにギフチョウが出現しなかったので、今回が今年初めてのギフチョウ撮影となった。やはりこの時期にはギフチョウを撮影しないと何となく落ち着かないのだ。それにしても、ギフチョウの環境は放置すると必ず悪化してしまう。それ故、ギフチョウの保護は彼らの生息環境の維持が最も大事になってくるのだ。ギフチョウを保護している方々の努力には頭が下がる次第だ。

スギタニルリのメスの開翅撮影は、諦めの早い虫林一人では困難だったと思う----とても嬉しかった。


最後に、色々と教えていただいた横浜のEさん、Theclaさん、Wさん(アッキーさん)、Sさんに感謝します。また何時かお会いしましょう。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-04-12 23:17 | ▣ギフ | Comments(27)

20090404 春雨とキスミレ (山梨県、静岡県)

Nature Diary #0246
Date: April 4th (Saturday), 2009
Place: Asagiri Highland, Shizuoka Pref.
Weather:cloudy and rain



§ Diary §

本日(土曜日)はギフチョウに会うために、いそいそと県南部のポイント(富士川流域)を訪れた。しかし、天気は朝から曇りがちで昼近くになって少し日が差したものの気温が上がらない。

どうやら僕は選択を誤ったようだ----------ウーム、これではいくら待ってもギフチョウは飛ばない。not my day。



春景; Spring Landscape

あちらこちらの山では、桜や桃などの花々が山肌を飾るように咲き誇っている。
一年中で最も美しい----桜花爛漫

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桜花爛漫(4月4日、笛吹市)

Cherry blossoms in full bloom
(Olympus E-3, ZD16-60mm)



キスミレ; Viola orientalis

キスミレの自生地に到着して間もなく危惧していた雨が降り出してしまった。まあ、雨が降っても花の撮影は可能なので(むしろ良い場合もある)、傘をさして林の中をゆっくりと探索して見た。春雨の中の散歩も風情があって良いものだ。

どういうわけは当初はなかなか見つけることが出来なかったが、しばらくすると枯葉の堆積した林床にポツポツと黄色い花の小さなスミレが可憐な姿を見せてくれた。

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キスミレ (4月4日、富士宮市)

Viola orientalis
(Olympus E-510, ZD8mm + EC-14)


群生することなく孤立性に咲くキスミレの花はどこか頼り無げで、どこか愛らしくて、どこか楚々としていて愛おしく感じる。

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キスミレ (4月4日、富士宮市)

Viola orientalis
(Olympus E-510, ZD8mm + EC-14)


キスミレは現在ではその数が著しく減少し、多くの県で絶滅危惧種の指定を受けている。幸いなことに富士山周辺では局所的ではあるがまだ見ることができるのが嬉しい。

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キスミレ (4月4日、富士宮市)

Viola orientalis
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)

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キスミレ (4月4日、富士宮市)

Viola orientalis
(Olympus E-3, 150mm MACRO)



フモトスミレ; Viola sieboldii

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フモトスミレ (4月4日、富士宮市)

Viola sieboldii
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)



ナガバノスミレサイシン; Viola bissetii

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ナガバノスミレサイシン (4月4日、富士宮市)

Viola bissetii
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)



ミヤマセセリ; Spring flat

日曜日は所用があって遠出はできず、用が終わった午後3時過ぎから再びミヤマセセリの小径を散歩した。目的はミヤマセセリのメスの翅裏撮影である(オスは先週に撮影成功)。

そろそろ日が傾く時間帯だというのに多くのミヤマセセリが姿を見せてくれた。

メスが飛び出したので、その後を追っていると、突然、オスが飛んできてメスに求愛を迫ってきた。2頭はしばらく同じ石の上に静止していたが、メスにその気がないことを悟ったオスは諦めたように飛び去っていった。

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ミヤマセセリの求愛行動 (4月5日、甲府市)

A courtship behavior of Spring Flats
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


ススキの枯葉に静止したメスのミヤマセセリを逆光で裏側から撮影してみた。

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ミヤマセセリ♀の翅裏 (4月5日、甲府市)

A female of Spring Flat resting on the dry leaf.
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO)


翅裏撮影はメスの方がオスより難易度が高いようだ。

何頭ものメスを追ってみたがなかなか翅裏撮影はできなかった。とにかく、メスは地面に静止してもすぐに翅を開いてしまい閉じることがないのだ。

諦めかけていた時、少し離れた前方に静止したメスを見ると、何と翅を閉じていた。すわ、千載一遇のチャンス到来とばかりに慌てて数枚を撮影した。さらなる近接撮影はできなかったが、一応、メスの裏面を撮影できた。

しかし、まだまだ満足できるレベルではない。この写真はトリミングして掲載している。


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ミヤマセセリ♀の翅裏 (4月5日、甲府市)

A female of Spring Flat resting on the dry leaf with the wings closed
(Olympus E-3, Sigma 150mm MACRO、トリミング)

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§ Afterword §

今年はまだギフチョウに会っていない。

ギフチョウの撮影のために勇躍県南部のポイントを訪れたが、はっきりしない天気と低気温のためだろうかその姿を見ることができなかった。残念であるが、虫屋は「泣く子と天気には勝てない」のだ。そういえば、昨年はこの場所に来る途中で、車の底を打ってしまい、レッカー車で運ばれたことを思い出す。その後に購入した車はダートに強いので安心だ。

キスミレは数が年々減っているように思える。この場所でも以前に多くの株を見ることができた斜面では絶滅してしまったようだ。少し心配である。

この時期はフィールドを歩けるだけでワクワクする。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-04-05 22:20 | ■野花 | Comments(16)