NATURE DIARY

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20090725 雨の南アルプス散歩: Mission Impossible

Nature Diary #0268
Date: July 25th (Saturday), 2009
Place: South-Alps, Yamanashi Pref.
Weather: Cloud and Rain



<Mission:Impossible>

日本チョウ類保全協会の中村康弘氏から高山蝶タカネキマダラセセリ(以下、タカネキ)南アルプス亜種の生息調査の依頼(指令)を受けた------ウーム、これは何となく昔(ウン十年前)テレビで観た スパイ大作戦 “Mission:Impossible” みたいだ。ちなみに、指令は10秒後に消失せずに、今でもメールボックスに残っている。

南アルプスのタカネキは、近年著しく個体数が減り、見ることすらかなり困難な蝶。

この難しいミッションの相棒には、山梨百名山を踏破している友人のヨッシーさんにお願いした。ヨッシーさんは甲府市内の病院に勤める友人で、山梨百名山からみる風景という素晴らしいホームページを管理している。


§ Diary §

朝、ヨッシーさんと芦安村の市営駐車場で合流し、彼の知り合いの車でタカネキの棲む峪の入口まで送って頂いた。l車を降りると生憎の小雨模様で、行く先にも厚い雲がかかっている。

これでは高山蝶のタカネキを見る可能性は低いが、棲息地の様子だけでもしっかり観察しておきたいので、このミッションを雨天決行することにした。とにかく、本日は山に詳しいヨッシーさんと一緒なのでとても心強い。


明るく開けた峪の斜面を ルートファインディング しながらゆっくりと進むが、足場が悪くて歩きにくいので、虫林はしばしば転んでしまう。注意しているつもりなのだが、どうしても転んでしまうのだ------もう少し足腰を鍛えてから来るべきだった。

さらに、雨は降ったり止んだりだが、時々ゲリラ豪雨のように本降りになったのには少し肝を冷やした。

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南アルプスの峪

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A landscape of valley of southern Alps.
Olympus E-3, ZD 8mm, EC-14


通常の撮影では、よほどの土砂降りでないと雨の様子がわからない。
そこで、ストロボを用いて雨を強調してみたところ何とかわかる程度に写す事ができた。

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雨の景色

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A rainy landscape
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14、外部ストロボ


しばらく峪を遡行していくと残雪が大きなスノーブリッジを形成していた。このブリッジは中を人が通れるぐらい大きい。洞は2つあって、中間の柱で支えられている。

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スノーブリッジ

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Snow Bridge
Olympus E-3, ZD 8mm, EC-14、外部ストロボ



タカネコウリンカ; Senecio takedanus

悪天候の中をさらに進むとカカネコウリンカの大群落をみつけた。

タカネコウリンカは日本固有種で、中部地方の亜高山から高山にかけて生育する。この植物の種名 takedanus は登山家の武田久吉のことで、彼は日本山岳会を創設し、高山植物の研究者としても知られている。

いままでもタカネコウリンカを見たことはあるが、これほどの大群落は初めてだ。苦労してここまで登ってきた甲斐があった。

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タカネコウリンカの大群落

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A large colony of Senecio takedanus
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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タカネコウリンカの大群落

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A large colony of Senecio takedanus
Olympus E-3, ZD 8mm, EC-14



ヤマガラシ; Barbarea arthoceras

さらに道無き急坂を喘ぎ喘ぎ登っていくと、沢すじに黄色い絨毯のように広がるヤマガラシの群落にであった。よく見ると、このヤブカラシの間にはクモマツマキチョウの食草のハタザオも多数認められた。

ウーム、こんな場所でクモツキが飛んでいたらさぞや気持ちが良いだろうと思う。来年はぜひともクモツキの時期に訪れてみたい。

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ヤマガラシの大群落

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Barbarea arthoceras
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



その他; Miscellaneous

クモマベニヒカゲと思ったらベニヒカゲ、それもスレたメスだった。

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ベニヒカゲ♀

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A female of Japanese Argus resting on the leaf
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


足もとの細い枝に褐色の蛹を見つけた。形からするとヒョウモンチョウの仲間のものだろうか。わかる方がいたら教えていただきたい。

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ヒョウモン類の蛹?

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Pupa
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


ヒメキシタヒトリは昼間に飛ぶ高山性の蛾の一種だ。この峪にはかなり個体数が多いようで、雨でもしばしば見ることができた。

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ヒメキシタヒトリ赤石山脈亜種

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Parasemia plantaginus melanissima
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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キバネモンヒトリ

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Spilarctia lutea japonica
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


足もとでミヤマハンミョウを何頭か見たが、この個体はいやに黒化していた。

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黒化したミヤマハンミョウ

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Cicindela sachalinensis
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


綺麗なヤナギハムシを見つけた。
この虫はオレンジ色になるものもあるが、この個体は黄色いかった。

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ヤナギハムシ

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Chrysomela vigintipunctata
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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ラッパのような形のコケ

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Chrysomela vigintipunctata
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


タカネキの棲息地は十分に観察できたので、午後早々に山を降りることにした。

途中、強い雨で沢の水が増えて来たので、あわてて渡渉点を見つけて沢を渡った。何度か転び、2mくらいの滑落もしたが、なんとか無事に元の林道に戻ることができた。

林道ではヨッシーさんの知人の車が待っていてくれて有難かった。


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§ Afterword §


悪天候のためにタカネキマダラセセリは見ることができなかったので、このミッションは失敗に終わってしまった。しかし、タカネコウリンカやヤブカラシの大群落は今回の収穫で、そんな「秘密のお花畑」の中で天気の良いときに撮影してみたいと思った。

来年以降にまたヨッシーさんと挑戦してみようと思う。

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雨の中、ご一緒していただいたヨッシーさんに感謝します。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-07-28 02:09 | Comments(12)

20090720 上高地散歩:ハンノキカミキリと高山蝶 (長野県)

Nature Diary #0267
Date: July 20th (Monday), 2009
Place: Kamikochi, Matsumoto-shi, Nagano Pref.
Weather: Cloud and Fine



§ Diary §

まだ時差ボケで昼間ボンヤリ、夜眠れない------ヨーロッパ旅行は、帰国後がいつもきつい。

この3連休の初日、2日目とも天気が悪く(おいおい、梅雨明けじゃなかったの?)、時差ボケ虫林は家の中でのんびりとソファに横になって牛のように過ごした

連休最終日は待望の晴天-------はてさてどこに行こうかな。

この時期、平地は蒸し暑いのでパス、かといって高い山も体力を消耗するのでパス、残るは暑くも無く体力消耗も少ない上高地散歩だ (打算的決定は虫林の得意とするところ)。


上高地はバスセンターから河童橋までは都会の喧騒を思わせる賑わい(ゴッタガエシ)があるが、少しあるいて明神を越えると途端に静かな散策ができる。虫林のお気に入りの散歩道で、昨年は何度もこの時期に高山蝶の撮影に通った。

今年はこれが初めて上高地散歩だ。

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上高地の風景(河原を歩いているのはcactussさん) (7月20日、長野県)

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A landscape of Kamikochi, Nagano Pref.
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



ハンノキカミキリ; Cagosima sanguinolenta

沢渡の駐車場からは他の登山者と乗り合わせてタクシーで上高地のバスセンターに着いた。
まだ、午前5時30分だというのにすでにお店が開いていたので暖かいお茶を購入して、おにぎりの朝食を摂った。その後、身支度をしてオオイチモンジのポイントに向けて出発した。

すでに勝手知ったる散歩道なので、気楽に歩けるのが良い。

途中、明神橋のたもとで、美しいハンノキカミキリを発見した。このカミキリは名前のようにハンノキ類やヤシャブシ類の葉を後食するが、意外に発見するのが簡単ではない。通常は5-6月のカミキリだが、上高地はさすがに標高が高いのでこの時期に見られたのだろう。

ハンノキカミキリは以前から撮影したかった美麗種だ

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道の脇のハンノキの葉に静止するハンノキカミキリ (7月20日、長野県)

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A beautiful longihorm beetle, Cagosima sanguinolenta , perching on the leaf of feeding plant, Yamahannoki, by the road. Please note the Myoujin bridge in the background.
Olympus E-3, ZD8mm FIAHEYE, EC-14

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美麗種:ハンノキカミキリ (7月20日、長野県)

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A photograph of longihorn beetle, Cagosima sanguinolent, resting on the leaf, was taken with flash.
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14、(FL-36)



オオイチモンジ; Popular Admiral

オオイチモンジのポイントに到着してのんびりと飛来を待っていると、theclaさんと霧島緑さんが笑顔でやってきた。その後、しばらくして cactussさんも合流した。

ポイントではオオイチのオスが少数飛来したが、破損個体が多い。

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石の上でミネラルを吸うオオイチモンジ♂ (7月20日、長野県)

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A male of Popular Adminal basking and feeding minerals on the stone with the wings opened.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro

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やや下方から撮影したオオイチモンジ♂ (7月20日、長野県)

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A male of Popular Adminal resting on the stone.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro


オオイチポイントは早々に切り上げて、距離的に少し離れたポイントのヤリガタケシジミを見に行くことにしたが、thecla さんと cactuss さんが同行を希望されたのでご一緒することにした。霧島緑さんは別な場所での タカネキマダラセセリ の撮影のためにここで一旦別れた。

道すがら、一頭のオオイチモンジ♂を発見した。

とてもフレンドリーな奴で、靴やザックなどで吸水をしてくれた。下の写真は、ザックで吸水しているオオイチモンジを広角で下から撮影したものだが、theclaさんが偶然(?)に良い位置に写っていて、さらに程よくぼけている。お気に入りの写真になった。

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ザックで吸水するオオイチモンジ♂(背景はthecla氏) (7月20日、長野県)

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A male of Popular Adminal feeding minerals on the sac.
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14

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靴で吸水するオオイチモンジ♂ (7月20日、長野県)

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A male of Popular Adminal feeding minerals on the hiking shoe.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro


<<飛翔>>

少しだけ飛翔写真も撮影した。

上高地の開けた河原を背景にしたオオイチモンジの飛翔写真をイメージして撮影してみたが、なかなかそんなうまい具合にオオイチ君は飛んでくれない。しかし、しつこく狙っていると、河原側に飛来した1頭を何とか背景を入れて撮影できた。

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河原をバックに飛翔するオオイチモンジ♂ (7月20日、長野県)

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Flying feature of a male of Popular Adminal..
Olympus E-3,ZD 8mm Fisheye, EC-14、外部ストロボ(FL-36)、トリミング

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飛翔するオオイチモンジ♂ (7月20日、長野県)

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Flying feature of a male of Popular Adminal..
Olympus E-3,ZD 8mm Fisheye, EC-14、外部ストロボ(FL-36)、トリミング


<<産卵>>

帰路の途中で、ヤリガタケシジミの食草のタイツリオウギの群落があると聞いている別の場所にご案内した。ここはオオイチの産卵場所でもあるので、ついでにオオイチの蛹でも見れないかと探したが残念ながら見つからなかった。

成虫の姿は見ることができなかったが、タイツリオウギの群落はよく見るとそこそこあったので、満足して引き上げようとした時に thecla さんがドロノキに絡んだオオイチのメスを発見した。どうやら産卵らしい。

さらに cactuss さんがオオイチが静止した葉で卵を確認してくれた。

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ドロノキの葉で産卵するオオイチモンジ♀(円内は卵) (7月20日、長野県)

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A female of Popular Adminal egg-lying on the leaf of feeding plant..
Olympus E-3,ZD 8mm Fisheye, EC-14、トリミング



ヤリガタケシジミ; The Sky Blue

昨年撮影したポイントで、ヤリガタケシジミを探すがなかなか見つからない。
時期的には問題ないと思うのだが------。

かるく食事をした後、再度探してみると怪しいシジミを見つけた。

なかなか裏面だけからはヤリガタケかどうかの確認がしにくいが、わずかに開いた翅から見えた表の色合いは間違いなくヤリガタケのものだった。皆に声をかけてこの1頭を撮影した。

英名が SKY BLUE というだけあって、ヤリガタケシジミの明るい青は何時見てもよいものだ。

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葉上で日光浴するヤリガタケシジミ♂ (7月20日、長野県)

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A male of Sky Blue resting on the leaf with the wings opened..
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14


それにしても、この場所で見られたヤリガタケシジミは、個体数がかなり少ないようなので心配である。来年も元気な姿を見ることができればよいのだが。

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タイツリオウギの花に止まったヤリガタケシジミ (7月20日、長野県)

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A male of Sky Blue resting on the leaf with the wings opened..
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14

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ヤリガタケシジミ (7月20日、長野県)

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A male of Sky Blue resting on the leaf with the wings opened..
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14



カラスシジミ; The White Letter Hairstreak

道路上にカラスシジミが静止しているのを見つけた。

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道路上で吸水するカラスシジミ (7月20日、長野県)

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A White Letter Hairstreak resting on the road.
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14


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§ Afterword §

今回の上高地行の目的は、ヤリガタケシジミとオオイチモンジのメスの撮影だった。

ヤリガタケシジミのポイントは昨年、Sさんに教えていただいた場所だ。
現在では、この場所でのヤリガタケシジミは個体数そのものがかなり少ないように思われる。見つけたのは翅にバイトマークのある1個体だけであったが、このシジミチョウの存続がかなり危ない状態だ。

オオイチのメスの産卵は、昨年かなり撮影したが、おおむね午後に行われるようだ。今回も午後にドロノキの幼木がある場所で発見できたが、発生初期のようで数はまだ少ないようだった。

現地で偶然に合流し一緒に撮影させていただいた theclaさん、霧島緑さん、cactussさんご苦労様でした。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-07-21 06:51 | Comments(28)

20090711 英国のチョウ散歩:Common Blue など

ミヤマシロチョウ観察会・撮影会(原村)

7月18日、19日、20日(土、日、月) 八ヶ岳舟山十字路 9:00集合
  主催 八ヶ岳・原村ミヤマシロチョウの会 
  事前申込みが必要です。1日20人限定。申込みは、下記まで

  原村役場 村づくり戦略推進室 
  TEL 0266-79-2111(代表)
  E-mail  muradukuri11@vill.hara.nagano.jp

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Nature Diary #0266
Date: July 12th (Sunday), 2009
Place: United Kingdom
Weather: fine



日本チョウ類保全協会の中村康弘氏の一押しチョウ観察ポイントは、イングランドの南西部のドーセット(Doset) 州にある Cerne Giant Hill と呼ばれる巨大な石灰岩の丘だった。ドーセット州には Butterfly Conservation の本部がある。

当初は Cerne Giant Hill を訪れるつもりだったが、ドーセットの海岸を見たいのと(ジュラ紀の化石が極めて多い)、同行の家内へのサービスも考慮して、同じドーセット州ではあるが海岸線が世界遺産に指定されている Darlston Country Park に行くことにした。


§ Diary §

Marlow を朝に出発したが、途中で道を間違えながら運転したので(こちらのレンタカーにはカーナビが付いていない)、 Darlston Country Park に到着したのは午後1時過ぎなってしまった。

駐車場に車を停車させて、ゆっくりと外に出てみると驚いた。
そこには石灰岩の崖が白く光るドーセットの海岸線が続いていたのだ------言葉は必要ない。

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ドーセットの海岸線

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Coastline of Dorset
Olympus E-3, ZD16-90mm



Darlston Country Park ;

「Discover Butterflies in Britain」には、Darlston Country Park は英国内でも最も良いチョウ観察ポイントの1つと紹介されていた。ここはNational Trustが土地を所有する特別保護区で、ドーセット州政府(Dorset Country Council)がその管理運営を行っている。

駐車場から近いビジターセンターにはレンジャーのご夫婦(?)が常駐していて、遠来のビジターである虫林に親切に説明してくれた。

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Darlston Country Parkのビジターセンター

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Visitor center of Darlston Country Park
Olympus E-3, ZD16-90mm


ビジターセンターの入り口にはインフォメーションボードがあり、センターの活動などが細かく書かれていた(下写真左)。

さらに、センターの内部の壁に貼ってあった紙には、Parkで観察されたチョウの種類や個体数などが日にちごとに記されていた(下の写真右)。これなら訪れた人たちは容易にup-to-date のチョウ情報を得ることができるので便利だ。

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インフォメーションボード(左)と蝶観察記録(右)

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Visitor center of Darlston Country Park
Olympus E-3, ZD16-90mm


海に面した丘は草原状で広く、チョウや花を見ながら散歩するには最高だ。草地の中の小径(Path)には所々に木のゲートが設けられていて、それを手で開けて先に進む。

海に面した小さな白い建物はAnvil Point Lighthouse 。

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Darlston Country ParkのAnvil Point Lighthouse

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Anvil Point Lighthouse in Darlston Country Park
Olympus E-3, ZD16-90mm


牧草地(Meadow)には、アザミや蘭の仲間など無数の花々が咲き誇り自然のお花畑になっている。こんなお花畑は日本ではなかなか見ることができない。

風に吹かれながらこんなお花畑を散歩すると、あくせくとチョウを探すことがバカバカしくなってしまうから不思議だ。とにかく気持ちが良い。

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Darlston Country Park の草地

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Grassland in Darlston Country Park
Olympus E-3, ZD16-90mm



Common Blue; Polyommatus icarus

草原の中でテリトリーを形成する明るいブルーのシジミチョウを見つけた。飛翔速度がなかなか早く、またゆっくりと止まってくれない。でも、しぶとく目でチョウの飛ぶ軌跡を追っていると、まだアザミの花の蕾に静止して翅を開いてくれた。

この輝くようなブルーは、昨年、ポーランドのグダニスクの牧草地で見かけたものと同じだろう。Common Blue だ。

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Common Blue

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A male of Common Blue resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


Common Blue は最も広く分布するブルーで、英国ではその分布は全土にわたっている。しかし、日本のヤマトシジミのように道端にちらちらと飛ぶシジミでもない。

この草原でも見かけたCommon Blue は数頭のみで、決して個体数は多くなかった。

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Common Blue

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A male of Common Blue resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


Common Blue は翅表も美しいが、翅裏もなかなか綺麗だ。

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Common Blue

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A male of Common Blue resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



Adonis Blue; Polyommatus bellargus

くぼ地のようになっている場所の草地で深いブルーのシジミチョウが開翅していた。
どうやら Adonis Blue のようだ-----がかなりスレている。

Adonis Blueは Chalkhill Blue とともに石灰岩や大理石のdownと呼ばれる小高い草原で発生するので、その分布は重なっていることが多い。ただ発生時期が Adonis は早く、Chalkhill は遅い。この時期だと Adonis を見るには遅く、Chalkhill を見るには早いみたいだ-----贅沢をいっちゃいけないね。

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Adonis Blue

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A male of Adonis Blue resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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Adonis Blue

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A male of Adonis Blue Adonis Blue resting on the grass leaf with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



Small Copper; Lycaena phlaeas

小道の脇のシロツメクサの花にベニシジミを見つけた。見たところ日本のベニシジミとほとんど変わりはないようだ。

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Small Copper

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A Small Copper resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



Lulworth Skipper; Thymelicus acteon

日本のヘリグロチャバネセセリやスジグロチャバネセセリに似るセセリが英国には多い

Lulworth Skipper は英国の中ではドーセットの海岸だけに棲息するセセリチョウだ。このParkでは結構多く見られた。

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Lulworth Skipper

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A Lulworth Skipper e resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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Lulworth Skipper

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A Lulworth Skipper e resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



ウェールズの友人; A friend of Wales


なお、ドーセットの後は、ウェールズの Cardiff を訪れた。

Cardiff には虫林家族が昔お世話になった友人がいる。最近、この友人が体調を崩しているという便りを頂いたので、お見舞いに訪れたのだ。彼は長い間、Cardiff の Arms Park ラグビー場 に勤務して、その功績で女王陛下から勲章を授かったという人物だ。写真右から2人目

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久しぶりに会った彼は、昔と同じ笑顔で出迎えてくれて、とくに家内に再会できた事を涙を浮かべながら喜んでくれた。英国旅行の最後に、彼とお会いできてとても嬉しかった。
有難う Bill !



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§ Afterword §

7月中旬の英国は気候も良くてとても気持ちが良かった。

もともと蝶相に関しては少ない国だが(60種)、保全意識がに高くて、以前に減少した種類も現在では少しずつ増えいてきていると聞いた。昆虫などの保全はただではできない事業なので、一般の人の理解とともに、寄付(Donation)が重要なポイントになるのであろう。

今回の英国行では数種類の蝶と出会う事ができたが、多くの種類を観察するのなら、6月の初旬あたりが最も良いかも知れない。いつかその時期に再訪してみたいと思う。今回の英国でのチョウの観察については、日本チョウ類保全協会の中村康弘氏に色々とご教示しただいた。おかげで短時間ではあるが充実した散歩ができたように思います。有難うございました。

英国散歩の日記はこれで終了します。



以上、 by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2009-07-18 17:30 | Comments(4)

20090711 英国のチョウ散歩:Chalkhill Blue など

Nature Diary #0265
Date: July 11th (Saturday), 2009
Place: United Kingdom
Weather: Cloud and fine



§ Diary §

ケンブリッジにて;

虫林がケンブリッジ大学(Addenbrooks Hospital)に滞在したのはすでに10年以上も前になってしまった。月並みな言葉だが、虫林 老い易く、学成り難しである。

留学時にお世話になったウィリアムス先生(ケンブリッジ大学名誉教授)が主宰されるパーティがChrist Collegeで開かれたが、このパーティには各界のお歴々が招待されていた。不肖虫林も家内と一緒に参加させていただいた。

とにかく、すべてが英国(イングランド)式のパーティで、虫林の好きなミスマープルの世界だった。もちろん、殺人事件は起きなかったけどね。

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左:ケンブリッジ大学の数学橋、        右:Christ Collegeでのパーティ

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Cambridge
Canon G10


地獄にTrifty ;

ケンブリッジでのパーティは金曜日に開かれたので、土、日曜日はレンタカーを借りてイングランドの南西部の田舎をまわり、日曜日の夜に友人の住むウェールズの Cardiff に入ることにした。

ところが、問題はレンタカー。

ホテルのコンシェルジュによれば、週末でどのレンタカー会社にも車は全く無いとのことだ-----ウーム、これには虫林もさすがに困った。

そこで、レンタカー会社の住所リストをネットで出してもらい、ダメ元で会社窓口を直接訪れてみた。案の定、大手の Hertz Budget などはにべもなく断られたが、5番目に訪れた Trifty という会社で何とか小型車を1台借りることができた。

地獄に仏、否、地獄にTriftyである。

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左:ダーウィンのレリーフ、              右:レンタカー

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Cambridge
Canon G10



Aston Rowantにて ;

ロンドンで購入した本「Discover Butterflies in Britain」によれば、オックスフォード州(oxfordshire)に Aston Rowant という場所があり、そこには今回のい旅で最も見てみたい青いシジミチョウ(Blues)の1種 Chalkhill Blue がいるという。

ケンブリッジからもそれほど遠くないので、まずはAston Rowant を訪れる事にした。。

車窓から見えるオックスフォード州(oxfordshire)のなだらかな起伏の牧草地は、典型的な英国の田舎の風景だろう。この風景をみると、英国に来た事が実感できるのだ。

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オックスフォード州の広くなだらか丘

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A landcape of British counry side
Olympus E-3, ZA16-90mm


Aston Rowantは高速道路の両側に広がるChalk hill(石灰岩の白い丘)だ。

広い草原にはけもの道のような小径(Path)がついているものの、自由に歩いて蝶や花々を観察できる。こんな場所を風に吹かれながら歩くのは、ナチュラリストを自称する虫林にはとても貴重で贅沢な時間に思える。

Aston Rowant は National Nature Reserve (国立自然保護地域)になっている。

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オックスフォード州のAston Rowant

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Chalkhill with a path
Olympus E-3, ZA16-90mm



Chalkhill Blue; Polyommatus coridona

茫洋としてポイントを絞り切れ無い草原をすでに1時間ほども歩いただろうか。目的のブルーの姿はまだ見ることができない。Chalkhill Blueは7月の中旬以降に発生する盛夏のチョウなので、この時期だとまだ未発生なのかもしれない。もしかしてフライング?

少しあきらめ気分で足を速めて歩いて行くと、窪んで谷状になっている場所に差し掛かった時に、足もとから1頭の白っぽいブルーが飛び出した。

まさしく、お目当てのChalkhill Blueだ!

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出現した Chalkhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


静止したChalkhill Blueを見ると、意外に大きくて、日本の蝶に例えればゴマシジミほどもあった。翅表は何とも言えない白色調を帯びた淡いブルーで、このチョウが英国で人気のあるのが良くわかる。

極めて新鮮な個体のようでとても美しい。

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Challhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


Chalkhill Blueは石灰岩地帯の草原だけに棲息するシジミチョウで、イングランドの西南部を中心にそのポイントが散在している。一時期は英国国内でもっと広く分布していたみたいだが、現在に分布地は近年のAdnis Blueと同様にかなり限局されているようだ。

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Chalkhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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Chalkhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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Chalkhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings closed
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



Gate Keeper; Pyronia tithonus

門番(Gate Keeper)という面白い名前のチョウ。

このチョウはヒカゲチョウの仲間であるが、草原性で、日中に活発に飛びまわっていた。翅を開くと、鮮やかなライトブラウンの模様が目に飛び込んでくる。

個体数は少なくないが、意外に敏感なので撮影には苦慮した。

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Gate Keeper

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A male of Gate Keeper resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



Marbled White; Pyronia tithonus

この草原で最も個体数が多かったチョウは、このMarbled Whiteだ。ちょうど発生のピークだったのだろう。いたるところで、ひらひらと飛んで、花で吸蜜したり、メスに求愛したりする姿を見ることができた。

このチョウはヒカゲチョウの仲間である。

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Marbled White

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A Marbled White perching on the flower with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



The Complete Angler Hotel;

アイザックウォルトンの著した「釣魚大全」は、日本の釣り人(特にフライフィッシャーマン)にもとても人気のある本である。虫林も名前くらいは知っていたが、息子の知り合いが「釣魚大全」を和訳した方だと知って驚いた。

アイザックウォルトンが昔立ち寄ったといわれるホテルが Marlow という村にあり、The Complete Angler Hotel という。いかにも釣り人だけが泊まりそうなホテル名だが、このホテルは英国の伝統をまもった素晴らしい正統派ホテルだ。

このホテルに着くのが夕方になってしまい、宿泊は無理かなと思いながらも一応聞いてみると、なんと部屋が空いているという返事が返ってきた。本日の宿を決めていなかったので、このホテルに泊まることにした。

このホテルの朝食(English Breakfast)は最高だ!

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釣魚大全のホテル(The Complete Angler Hotel)

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The Complete Angler Hotel
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



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§ Afterword §

7月はイギリスが最も気候が良い時期だ。牧草地(Meadow)には花が咲き乱れ、蝶やトンボ類も飛び回っている。そんな時期に英国を旅行できて嬉しい。

今回撮影したChalkhill Blue は一時期かなりコロニーが減少してしまったが、その後の保全活動で、コロニーの数が回復してきた。英国ではその保全活動により、絶滅の危機が免れた蝶が何種類もいるみたいだ。


今回は英国でも減少が問題となっている草原性のチョウ、特にBluesに的を絞ってみたいと思う。さらに、英国のチョウの保全の在り方にも興味がある。

明日はいよいよドーセット州(Doset)だ。



以上、 by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2009-07-16 00:00 | Comments(16)

20090709 英国散歩:ロンドンと蝶の本

Nature Diary #0264
Date: July 9th (Thursday), 2009
Place: United Kingdom
Weather: Cloud and fine



(Nostalgic trip)

6月に入って恩師のウィリアムス先生(ケンブリッジ大学名誉教授)から突然の招待状が届いたが、いかんせん英国は日本からは遠く、さらにこのところバカバカしく仕事が立て込んでしまっていたので、渡英はほぼあきらめていた。。

結局、なんとか(強引に)仕事を調整して、家内と一緒に1週間の英国散歩に出かけることにした。灰色の脳細胞の中に埋もれた記憶の糸を、過去から現在にリトリーブする旅だ。



§ Diary §

我々が乗った飛行機(Virgin Atlantic航空)は、3時間遅れで成田空港を出発した。どうやら理由はロンドンでの天候不順にあったみたいだが、British Airwayが1時間遅れなのに、どうしてVirgin Atlantic は3時間遅れなのだろう。

でも、Virgin Atlanticの機内でのサービスや食事には満足したよ。

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Virgin Atlantic航空の飛行機の機体 (7月8日)

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A painted body of Virgin Atlantic
Canon G10



本を探してロンドン散歩;

渡英直前に英国の蝶事情に詳しい中村康弘氏(日本チョウ類保全協会)から1冊の本を推薦された。その本のタイトルは「Discover Butterflies in Britain」で、英国国内のチョウの生息地が地図付きで出ているということだ。

ケンブリッジに行く前に、1泊だけロンドンに宿をとったのでこの本を探した。

最初にチャリングクロス通りにあるロンドンで最も大きい本屋の ”Foyles” と道路をはさんでその向かいの ”Border ”をあたったが、残念ながたこの本は無く、半分あきらめ気分で入ったピカデリーの ”Hatchard ”という名前の本屋でやっと見つけることができた。

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見つけたDiscover Butterflies in Britain


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ピカデリーの本屋 "Hatchard"




ロンドンの街角風景;

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大きなおもちゃ屋の前


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夜のロンドン


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ビックベン


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朝のテムズ川





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§ Afterword §

英国のチョウは60種程度で、日本に比べるとその種類数は格段に少ない。しかし、英国には有名な鳥のRSPBという団体のように蝶を守る Butterfly Conservationという団体があり、チョウの保護活動についてはかんり活発に活動をしているようだ。


今回は結局3冊の本を衝動的に購入してしまった。以下に羅列するので、参考になれば幸いである。

Discover Butterflies in Britain
この本は、英国に旅行した際に蝶を観察するにはきわめて有用である。日本でもAmazonあたりからネットで購入できるので、手に入れておいて損は無い。

Wild Guides Britain’s Butterfly
Butterfly Conservationが出版している本で、成虫だけではなく、幼虫や蛹までの写真が1ページに収められていてなかなかよさそうだ。

Philip’s Guide to Butterflies of Britain and Ireland
写真とともに絵を多用したポケットガイドで、鑑別が難しい点については絵を使って親切に説明されている。



現在、Marlowという田舎町にあるホテルから更新したが、あと数日は英国に滞在する予定だ。





以上、 by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2009-07-12 12:42 | Comments(12)

20090705 白馬にて;ウスイロオナガシジミほか (長野県)

Nature Diary #0263
Date: July 5th (Sunday), 2009
Place: Nagano Pref.
Weather: Cloud and fine




§ Diary §

蝶友のkmkurobeさんのご厚意で、梅雨の中日に長野県白馬村でゼフ撮影。

今回もダンダラさんと甲府市内で待ち合わせて白馬村に向かった。白馬村ではbanyanさん、ヘムレンさんにもお会いし、さらにcactussさんも後で合流した。皆さん何度もご一緒したことがある気のおけない仲間なので楽しい一日になった。

案内していただいたkmkurobeさんによれば、今年はゼフの発生が少し遅れ気味(特にカシワ系)とのことである。しかし、えてして発生の初期は個体数が少ないものの新鮮な個体が期待でき、意外に良い写真が撮影できたりもする。

チョウ撮影は万事 塞翁が馬 ----なのだ。



ウスイロオナガシジミ; Brown-banded Hairstreak

kmkurobeさんが仕事の前に立ち寄るという林でミズナラなどを叩いてみると、ほどなく小型のシジミチョウが飛び出して大きなカシワの葉に静止した。みると虫林が今回の白馬行で第一目標にしていた未撮影のウスイロオナガシジミだった。

静止した柏の葉が微妙に高い(地上2m)ので、banyanさんから脚立をお借りして撮影した。やや薄暗くシャッター速度を上げるためにASA感度を800にした。

最近のデジタルカメラの進歩は著しいが、最も嬉しいことは感度(ASA)を上げてもそれほどノイズが気にならなくなったことだろう。オリンパスはまだその点でニコンやキャノンの大手には後塵を拝してはいるものの、E-3であればASA400は常用できるし、ASA800くらいなら何とかなる。

銀塩時代も含めて、数年前までは考えられないことである。

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ウスイロオナガシジミ (7月4日、長野県)

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A Brown-banded Hairstreak resting on the oak leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro

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ウスイロオナガシジミ (7月4日、長野県)

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A Brown-banded Hairstreak resting on the oak leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro


しばらくすると、ウスイロオナガシジミは飛び立って、別の葉の上に静止した。そばにいたマメコガネがまるでお辞儀をしてウスイロオナガヲを出迎えているようにもみえる。

「ようこそいらっしゃいました、ご主人様」------マメコガエネ
「ウーム、苦しゅうない、マメどん、ちょっと休ませてもらうよ」------ウスイロオナガシジミ

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マメコガネとウスイロオナガシジミの遭遇 (7月4日、長野県)

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A Brown-banded Hairstreak resting on the oak leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro



ハヤシミドリシジミ; Hayashi Hairstreak

カシワ林では、ウラジロミドリシジミは未発生。

しかし、もう一方のカシワ林の住人のハヤシミドリシジミは数頭飛びだした。すでに日が高く柏の木から飛び出したハヤシミドリの多くは上にあがってしまったが、kmkurobeさんの「竿技」で数頭が下におりた。

メスも含まれていたので、発生してからしばらくたっているのだろう

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ハヤシミドリシジミ (7月4日、長野県)

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A Hayashi Hairstreak resting on the oak leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro、トリミング

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ハヤシミドリシジミ (7月4日、長野県)

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A Hayashi Hairstreak resting on the oak leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro



クロシジミ; Gray-pointed Pierrot

クロシジミのポイントにご案内頂いた。山梨県の富士山ではクロシジミは7月中旬以降のチョウのように認識していたので、この時期に発生しているとは奇異に感じる。

でも、草原のあちらこちらからクロシジミが飛び出した。

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半開翅したクロシジミ (7月4日、長野県)

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A Gray-pointed Pierrot resting on the leaf with the wings semi-opened.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro


クロシジミの翅裏の地色はかなり個体変異が多い.
この個体は白化が目立つ。

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クロシジミ (7月4日、長野県)

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A Gray-pointed Pierrot resting on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro



キマダラモドキ; Psudo-Labyrinth

キマダラモドキの翅裏はステンドグラスを見るようで面白い。とくに、メスは白い部分がくっきりとしていて美しいと思う。美しいメスが幹に静止して喜ばせてくれた。

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キマダラモドキ (7月4日、長野県)

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A Psudo-Labyrinth resting on the tree trunk.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro




その他; Miscellaneous

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エゾミドリシジミ (7月4日、長野県)

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A Jezo Green Hairstreak resting on the leaf.
Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE, EC-14

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ダイセンシジミ (7月4日、長野県)

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An Alphabetical Hairstreak resting on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro

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コヒョウモンモドキ (7月4日、長野県)

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An Ambigua Fritillary resting on the leaf.
Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE, EC-14

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交尾するスジボソヤマキチョウ (7月4日、長野県)

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A couple of Lesser Brimstone mating under the leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro

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キボシカミキリ (7月4日、長野県)

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Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE, EC-14

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キイロゲンセイ (7月4日、長野県)

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Olympus E-3, Sigma 150mm Macro

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羽化したニイニイゼミ (7月4日、長野県)

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Olympus E-3, Sigma 150mm Macro



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§ Afterword §

白馬を訪れるのは、今年はこれで何度目になるのだろう。

これまで訪れるたびに美しいチョウたちに出会うことができたことが白馬行を重ねる理由の一つだ。しかし、それよりもkmkurobeさんや気のおけないチョウ仲間と一緒に撮影を楽しめたことが白馬行の大きな動機だと思う。

さらに、白馬村の雰囲気も虫林はとても好きだ。


写真はダイセンシジミの撮影のときのものだ。写真左のbanyanさん、kmkurobeさん、ヘムレンさんは長玉のレンズなので撮影距離が離れているが、写真右のダンダラさんは100mmマクロレンズで、被写体にかなり近い位置から撮影しているのがわかる。

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皆さん、楽しい一日をありがとう。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-07-07 10:04 | ▣ウスイロオナガシジミ | Comments(19)

20090704 ゴマ保全作業;マムシとジョウザンミドリ (山梨県)

Nature Diary #0262
Date: July 4th (Saturday), 2009
Place: Yamanashi Pref.
Weather: Cloud and fine after rain




§ Diary §

日本チョウ類保全協会の中村氏と北杜市オオムラサキセンターの長谷川氏とともにK岳に出かけた。本日はゴマシジミ棲息地で除草作業があるので、ゴマシジミの食草(ワレモコウ)を標識して保護するのが目的だった。

朝から雨が降っていたが、作業開始の午前8時30分過ぎにはあがって、時々雲が切れて日が差してきた。軟弱で根性無しの虫林には、ピーカンでの作業はきついので、このくらいの天気(曇り時々晴れ)の方が良い。

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標識されたワレモコウと日本チョウ類保全協会の中村氏 (7月4日、山梨県)

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Mr. Nakamura and feeding plants with indicator
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14

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除草作業をする中村氏と長谷川氏 (7月4日、山梨県)

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Mr. Nakamura and Mr. Hasegawa working in weedkilling
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14




ジョウザンミドリシジミ; Cognatus Green Hairstreak

ワレモコウを探して歩いてみると、草の上に数頭のジョウザンミドリシジミを見つけた。下草の上で開翅してテリ張しているようだ。

ジョウザンミドリのように翅が輝くゼフは、尾部の方から見ても翅に輝きは無く、ほとんど黒いだけだ。そこで、やや前方から撮影する必要があるのだが、前方に回り込むと飛ばれてしまうことが多い。そのあたりが難しいところだし、面白いところでもあるね。

何度かトライするうちに、じっくりと撮影させてくれた。

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開翅するジョウザンミドリシジミ (7月4日、山梨県)

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A male of Cognatus Green Hairstreak resting with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14

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開翅するジョウザンミドリシジミ (7月4日、山梨県)

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A male of Cognatus Green Hairstreak resting with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14

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ジョウザンミドリシジミ (7月4日、山梨県)

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A male of Cognatus Green Hairstreak
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14



アカシジミ; Orange Hairstreak

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アカシジミ (7月4日、山梨県)

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Orange Hairstreak
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14



ヒメシロチョウ; Eastern Wood White

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飛翔するヒメシロチョウ (7月4日、山梨県)

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Eastern Wood White
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14

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飛翔するヒメシロチョウ (7月4日、山梨県)

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Eastern Wood White
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14


マムシ; Pit viper

除草作業をしている方が、お昼休憩のときに枝に挟んだマムシを持ってきて見せてくれた。胴部は太く、その表面にはマムシの特徴である眼状紋が目立つ.。

虫林が生きたマムシを見るのは、これが三回目になる。

初めて見たのは虫林が高校生の頃で、高尾山の登山道の脇で「とぐろ」を巻いていた。近寄っても逃げようともしないので、石を投げて道を開けてもらった。2回目の出会いは数年前で、クロシジミを探して富士山に行った時に、足もとから逃げ去っていくマムシを見た。危なく噛まれるところだったのだ。

今までノーガードでこの草むらを歩きまわっていたが、マムシがいるとなると長靴くらいは履くべきなのだろうか。

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。。。。。。。マムシ (7月4日、山梨県)


。。。。。。。Pit viper
。。。。。。。Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14


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§ Afterword §

山梨県のゴマシジミは今、消えゆくチョウになってしまった。その原因としては、ゴマシジミが好きなワレモコウの咲く草原状環境が不安定で、しばしば数年で変化して消滅してしまうことが多いからだ。そのため、ゴマシジミの保全には除草作業などによる環境の維持が必須になってくる。

ゴマシジミは人気の高いチョウで、成虫の発生時期には採集者が数多く訪れる。
ゴマポイントを訪れる方々には、是非とも保全事業へのご理解とご協力をいただきたいと思う。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-07-05 21:29 | ▣ジョウザンミドリシジミ | Comments(14)