NATURE DIARY

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20090830 夏の終わりに:ブドウトラカミキリなど

Nature Diary #0278
Date: August 30th (Sunday), 2009
Place: Hokuto-shi, Yamanashi Pref.
Weather: Cloud and fine




§ Diary §

世の中は衆院選で何かと騒がしいが、虫林は昨日(土曜日)の夕方に家内と一緒に市役所に行き、「期日前投票」を済ませていたので、本日は朝から安気なものなのだ。

外に出ると、台風11号接近の影響で、少し風が強くて空には雲が多い。

朝遅く起きてしまったので、午前10時すぎから里山の小道を散歩することにした。先週は南インドのジャングルを忙しく歩いて来たので、今回は「夏の終わりの里山」をノンビリと楽しみたいのだ。

夏の終りと秋の始まりが入り混じるこの時期は、まだ蒸し暑いのにどこか裏寂しい。


昨日、初期不良のためにドック入りしていたコンデジ Panasonic LX3 が1ヶ月ぶりに戻ってきた。このコンデジは純正ワイコンのLW46を装着すると超広角18mmになるのが良い。さらにこのカメラには16:9 というパノラマ様な画角で撮影できるのも好ましいと思う(上下をカットしただけかも)。今回のフィールド散歩はこのカメラの動作確認の意味もある。

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夏の終わり(北杜市、8月30日)

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A landscape of post-summer letdown
Panasonic DMC LX3, DMW-LW46, f2.8, 1/2000, EV-0.3, ISO100



ブドウトラカミキリ; Xylotrechus pyrrhoderus

林道脇のススキの葉上で、ブドウトラカミキリを見つけた。

このブドウトラは名前のごとくブドウを食するカミキリムシで、ブドウやワインを名産とする山梨県では比較的目にすること多いが、全国的には多いものではない。

ツクツクホーシと同様に、このカミキリの出現は「夏の終わり」を意味する。

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ススキ葉上のブドウトラカミキリ(北杜市、8月30日)

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Xylotrechus pyrrhoderus
Panasonic DMC LX3, DMW-LW46, f2.8, 1/320, EV-0.3, ISO100


クビアカトラカミキリに似て、このトラカミキリも前胸背が赤い。この両種は、「ムネアカオオアリ」に擬態しているのかな。

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ススキ葉上のブドウトラカミキリ(北杜市、8月30日)

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Xylotrechus pyrrhoderus
Panasonic DMC LX3, DMW-LW46, f2.8, 1/320, EV-3.2, ISO100, トリミング

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虫の目像:ススキ葉上のブドウトラカミキリ(北杜市、8月30日)

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Xylotrechus pyrrhoderus
Olympus E-3, ZD50mm F2.0 + EC-14 + Gyorome-8, f32, 1/160,EV-1.7, ISO400, 内蔵ストロボ



空中に浮くヤマトタマムシ;

一見、ヤマトタマムシが空中に浮いているように見えるが、クモの細い糸に吊り下げられているのだ。
これはSigma 150mm (実質300mm)による効果だろう。

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クモの糸にかかったヤマトタマムシ(甲府市、8月30日)

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A dead jewel beetle is trapped in a spider's web
Olympus E-3, Sigma 150mm F2.8 APO MACRO DG HSM, f4.5, 1/160, EV-0.7, ISO400



ミンミンゼミ(ミカド型);

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ミンミンゼミ・ミカド型(甲府市、8月30日)

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A cicada (Min Min Zemi) on the tree trunk.
Olympus E-3, Sigma 150mm F2.8 APO MACRO DG HSM, ISO400,外部ストロボFL-36R



クロカナブン; Rhomborrhina polita

本州のカナブン御三家(カナブン、アオカナブン、クロカナブン)の中で、クロカナブンは最も大きく力強い。このクロカナブンはやや遅く出現し、この時期には良く見られる。

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クヌギ樹液のクロカナブン(甲府市、8月30日)

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Rhomborrhina polita
Olympus E-510, ZD8mm, EC-14, f4.9, 1/640, EV0.0, ISO400,外部ストロボFL-36R



サトキマダラヒカゲ; Goschkevitschi’s Labyrinth

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クヌギ樹液に来集したサトキマダラヒカゲ(甲府市、8月30日)

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Goschkevitschi’s Labyrinth feeding tree juice on sawtooth oak
Olympus E-510, ZD8mm, EC-14, f13.0, 1/30, EV0.0, ISO400,外部ストロボFL-36R




チャバネセセリ; Small Branded Swift

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葉上に静止したチャバネセセリ(甲府市、8月30日)

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A Small Branded Swift resting on the leaf.
Panasonic DMC LX3, f2.8, 1/250, EV-1.0. ISO100



コオニヤンマ; Sieboldius albardae

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静止するコオニヤンマ(甲府市、8月30日)

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Sieboldius albardae
Olympus E-3, Sigma 150mm F2.8 APO MACRO DG HSM, f5.6, 1/500, EV-0.7, ISO400, トリミング


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§ Afterword §

先週の海外訪問(インド)では、ジャングル散歩から直接空港に乗りつけて日本に帰国したので、帰国後数日は疲れていたが今は体力気力ともに回復した。

本日の散歩では晩夏に出現するブドウトラカミキリを見つけることができたが、実は大本命と思っていたのはアカジマトラカミキリというカミキリだったのだ。

このカミキリは初秋に大きなケヤキの木に出現するといわれているので、とにかく甲府市内の自宅からほど近い大きなケヤキ林(数百本が林立する)を訪れた。しかし、ここで発生していないのか、探しかただ悪いのか、虫林の性格が悪いためなのか、残念ながらアカジマトラを見つけることが出来なかった。

これからの宿題かな?



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-08-31 06:40 | Comments(20)

20090823 インド南部(ケララ)の蝶:その他

Nature Diary #0277
Date: August 23rd (Sunday), 2009
Place: Cochin, India
Weather: Cloud and Rain



§ Diary §

熱帯雨林 (tropical rainforest) は、大気中に含まれる酸素の40%を供給しているといわれている。この 南インドの Western Ghat 山地に広がる森林(ジャングル)も、多くの動植物の棲み処であるとともに大切な酸素の供給減となっているのだろう。そういわれれば、この樹林中は呼吸が楽だった(ウソ?)。

雨季のせいで、樹林内は非常に蒸し暑く、メガネやカメラのレンズがすぐに曇ってしまう。持参したカメラが防水、防塵仕様のオリンパスE-3で良かった。

下の写真の樹林の奥に見える岩山の上まで歩いて登った。

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熱帯雨林と岩山 (8月23日、Cochi)

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Tropical rainforest




完璧な擬態; Perfect mimicry

樹林内の小道を歩いていると、Blue tiger やGlassy tiger などのマダラチョウ科のチョウがしばしば出現してくれた。

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Blue tiger

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A Blue tiger feeding on the flower
Olympus E-3, Sigma 150mm


マダラチョウに擬態する蝶や蛾がいる

この擬態は、マダラチョウ科に属するチョウはいずれも体内に毒を持っているために、鳥やトカゲなどの他の生物はこのチョウを食べないためだといわれている。

下の写真は花で吸蜜するマダラチョウのGlassy tiger。
円内は、このGlassy tiger に擬態している蛾-----完璧な擬態で良く見ないとだまされる。

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Glassy tigerと擬態した蛾(円内)

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A Glassy tiger feeding on the flower and a moth mimicking Glassy tiger
Olympus E-3, Sigma 150mm



Common Inperial と蟻の攻撃; Cheritra freja

尾の長い優雅なシジミチョウ(Common Inperial)が葉に止まったので、あわてて走り寄っていつものようにまずは証拠写真を撮影した(下の写真)。

しかし、悲劇はその直後にやってきた。

もっと近寄って、別な角度から撮影しようと位置を移動した時に、背後の枝に触れた首筋に痛みが走った!----------振り向くと、その枝には多数のアリが集まっていたのだ。

ウワァ、首筋の痛みはアリが噛みついていたためだった!

こうなれば、撮影どころではない。アリを慌てて手で払ったが、すでにシャツの中にまで入ってしまい、別な場所で皮膚に噛みついている。すぐにシャツを脱いで、裸になってアリをすべて取り除き、ガイドのスーデシュにも背中を見てもらった。

もちろん気が付いた時には、美しいCommon Inperial はどこかに飛び去っていた。

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Common Inperial

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A Common Inperial perching on the leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm


その後、Common Imperial は再び現れてくれたが、いかんせんボロかった。

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Common Inperial

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A Common Inperial perching on the leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm



森の伯爵 Grey Count; Tanaecia lepidea

Count というのは伯爵のことらしい。すなわち、Gray countとは灰色の伯爵だ。

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Grey Count

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A Grey Count resting on the leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm



リュウキュウムラサキ♀ Great Eggfly; Hypolimunas bolina

日本のリュウキュウムラサキと同じもの。写真はメスだが、日本のものとは少し異なるようだ。大陸亜種とよばれるタイプだろう。

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Great Eggfly

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A Great Eggfly resting on the leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm



青いコノハチョウ Blue Oakleaf; Hypolimunas bolina

南インド特産の青いコノハチョウ。

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Blue Oakleaf

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A Blue Oakleaf resting on the leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm

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Blue Oakleaf

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A Blue Oakleaf resting on the leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm



青いピエロ Banded Blue Pierrot; Hypolimunas bolina

この森では個体数が多かったシジミチョウ。
オスは飛んでいると明るいブルーに見えるので、是非とも翅表を撮影したかったが------残念。

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Banded Blue Pierrot

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A Banded Blue Pierrot resting on the leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm

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カニの死骸を訪れたBanded Blue Pierrot

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A Banded Blue Pierrot feeding on the dead crab
Olympus E-3, Sigma 150mm


インドのキマルリ Common Silverline; Spindasis vulcanus

キマダラルリツバメの仲間だが、尾羽打ち枯らしているのが残念だ。

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Common Silverline

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A Common Silverline resting on the leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm



雪を持ったセセリチョウSuffused Snow Flat; Tagiades gana

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Suffused Snow Flat

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A Suffused Snow Flat resting on the leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm



イナズマチョウの幼虫 Common Baron; Euthalia aconthea

非常にトゲが長い毛虫を見つけた。面白いので撮影していたが、後日インドのチョウの図鑑を見ていたら、どうやらイナズマチョウの仲間のものだということがわかった。

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Common Baron

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A Caterpillar of Common Baron
Olympus E-3, Sigma 150mm


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§ Afterword §

この散歩後には直接空港に行き、そのまま日本に帰国した。

サンクチュアリーから出てきた時は、すでに全身汗と雨とでずぶ濡れ状態だったので、ナジムの車に乗る前にトランクを開けて着替えた------後で家内に文句をいわれことは言うまでも無い。

南インド(ケララ)に行くチャンスはこれからはなかなか無さそうだが、この熱帯雨林の散歩道は虫林にとって良い思い出となった。今回、虫林の散歩をアレンジしてくれたアニタ、また実際に付き合ってくれたドライバーのナジムとガイドのスーデシュに感謝します。

これで、南インド編は終了します。


Namaste India !
Namaste Indian butterflies!







以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-08-28 12:25 | Comments(12)

20090823 インド南部(ケララ)の蝶:キシタアゲハ他

Nature Diary #0276
Date: August 23rd (Sunday), 2009
Place: Cochin, India
Weather: Cloud and Rain



§ Diary §

朝8時に、タクシー運転手のナジムが迎えに来てくれた。ナジムは学会主催者のAnitaが虫林のために手配してくれたドライバーだ。

ナジムの車で到着した先は、ホテルから2時間ほどの距離にある大きなバードサンクチュアリーだった。ここはまだ Cochin 市内ということだったが、 Western Ghat 山地の中に位置するようで、深い森がどこまでも続いている-------ウーム、なかなか良いところみたいだぞ。


このサンクチャリーでは、ガイドが付いてトレッキングする。虫林についてくれたガイドは、 スーデシュ という名前の精悍な顔つきの青年で、とても真面目で態度も良い。

スーデシュによれば、このサンクチャリーにはいろいろな毒蛇(インドコブラ、カーペットバイパーなど)が棲息していて、タイガーでさえも一家族が現れたことがあるということだった。ちなみに、インドでは毎年1万人程がインドコブラに噛まれているらしい。スーデシュも以前にカーペットバイパーに噛まれたことがあるといって、そのとき噛まれた指を見せてくれた-------ウー、蛇は怖いな。

歩き始めて30分もすると蒸し暑さのために体中が汗でビショビショになった。

軟弱な虫林は暑いとすぐに戦闘意欲が低下してしまうのだが、彼が前を歩いてチョウを見つけてくれるので楽チンだ。さらに、虫林のリュックまでも背負ってくれたのは有難かった。

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ネイチャーガイドのスーデシュ (8月23日、Cochi)

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Indian Nature guide




Southern Birdwing; Troides minos

突然、上空を見上げたスーデシュが、「Sir, Have a look! Birdwings coming !」と叫んだ。

指さす方向を見上げると、樹林の上を大きな キシタアゲハ がまるでジェット機のように飛んでいるではないか。体中のアドレナリンが一気に噴き出すのがわかった。

汗が目に入るのも構わず、しばらくキシタアゲハの滑空を呆然と見上げていた。

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飛翔するキシタアゲハ (8月23日、Cochi)

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Flying birdwings
Olympus E-3, Sigma 150mm


キシタアゲハは樹林の上を飛ぶことが多いが、時々降りてきて、我々の周りをまるでからかうように旋回した。大きなキシタが近くまでくると 「バサバサ」 という羽音が聞こえるくらいにその羽ばたきは力強い。

インドにはキシタアゲハの仲間は3種類が棲息しているが、ここのキシタアゲハは この地方(Ghat山地)独特の種類でSouthern Birdwing 、と呼ばれている。

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飛翔するキシタアゲハ (8月23日、Cochi)

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Flying birdwings
Olympus E-3, Sigma 150mm、トリミング


昨年6月末にマレーシアのペナン島でヘレナキシタアゲハを撮影したことがある(2008年06月28日のND #183へリンク)。その時の経験から、キシタの撮影には見晴らしの良い場所のランタナの花で吸蜜に訪れる彼らの来集を待てば良いことを知っていた。そこで、ランタナの花の前でしばらく待って見ることにした。


キシタアゲハ飛来を待つ間、ガイドのスーデシュとゆっくり会話した。彼の家族のこと。1歳と3か月の娘に大事にしていたカメラを壊されてしまったこと。彼の隣に住む住人は、全く働く気が無く、子供は学校にも行かないので嫌いだということ等々。


1時間以上も経過しただろうか、キシタアゲハ時々降りては来るが、なかなか吸蜜してくれない------ウーム、こりゃあ撮影は無理かなと思い始めたその時、突然降りてきた個体が我々の周りを旋回した後、オレンジ色の花(ランタナではない)で吸蜜を始めたではないか。

ファインダーを見ながら興奮して撮影したのはいうまでもないだろう。

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吸蜜するキシタアゲハ (8月23日、Cochi)

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A male of Southern Birdwing feeding on the flower
Olympus E-3, Sigma 150mm

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吸蜜するキシタアゲハ (8月23日、Cochi)

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A male of Southern Birdwing feeding on the flower
Olympus E-3, Sigma 150mm



Blue Mormon; Papilio mayo

Blue Mormon はインドで2番目に大きいアゲハチョウで(一番大きいのはSouthern Birdwing のメス)、青みを帯びた白い紋がとても鮮やかだ。具体的には日本で見るナガサキアゲハよりもかなり大きいと思う。

このすばらしく豪華で美しいチョウが樹林の中を飛んでいる姿を時々見て、是非とも今回撮影したいなと思っていた。そのチョウがキシタの訪花を待っていたランタナの花に何頭も訪れてくれたのだ------思いがけない幸運だった。

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Blue Mormon (8月23日、Cochi)

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A Blue Mormon feeding on the flower
Olympus E-3, Sigma 150mm

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Blue Mormon (8月23日、Cochi)

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A Blue Mormon feeding on the flower
Olympus E-3, Sigma 150mm

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Blue Mormon (8月23日、Cochi)

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A Blue Mormon feeding on the flower
Olympus E-3, Sigma 150mm



Malaber Raven; Papilio dravidarum

南インド特産の種類で、このサンクチュアリーではかなりの個体数を見ることができた。

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Malaber Raven (8月23日、Cochi)

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A Malaber Raven resting on the leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm

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Malaber Raven (8月23日、Cochi)

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A Malaber Raven feeding on the flower
Olympus E-3, Sigma 150mm



Malaber Rose; Atrophaneura pandiyana

ヒルトップ現象を期待して丘の上に登ってみたら、綺麗なアゲハが吸蜜していた。初めはCommon Roseかと思っていたが、後で図鑑で調べてみると、Common Roseではなくてこの地方特産のMalaber Roseという種類だった。

Malaber RoseはCommonRose に比べて、翅の白い紋が明らかに広くて美麗だ。

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Malaber Rose (8月23日、Cochi)

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A Malaber Rose feeding on the flower
Olympus E-3, Sigma 150mm

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Malaber Rose (8月23日、Cochi)

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A Malaber Rose feeding on the flower
Olympus E-3, Sigma 150mm



Common Jay; Graphium doson

湿地にはキチョウやMalabar LavenとともにCommon Jayが来ていた。

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Common Jay (8月23日、Cochi)

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A Common Jay feeding on the wet ground
Olympus E-3, Sigma 150mm


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§ Afterword §

今回はアゲハの仲間だけをアップしてみた。このアップした5種類のうち、南インド特産はSouthern Birdwing, Malaber Rose, Malaber Ravenの3種類も含まれていた。

アゲハの仲間はその他にもParis Peacock, Malabar Banded Swallowtail, Common Rose などを見ることができたが、残念ながら撮影するまでには至らなかった。とくに Paris Peacock は飛んでいる姿がとても綺麗だったので残念だ。

次回はアゲハ以外のチョウをアップしたい。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-08-26 08:30 | Comments(18)

20090822 南インドの町 Cochi にて:

Nature Diary #0275
Date: August 22nd
(Thursday), 2009

Place: Cochin, India
Weather: Cloud and fine



§ Diary §

インド南部の都市(Cochin あるはCochi)で行われる国際学会のシンポジウムに出席した。

20日の朝11時の飛行機(シンガポール航空)で成田を飛び立ち、シンガポールでトランジットし、21日の午前1時にコーチの飛行場に降り立った。結局、成田からは10時間以上を要したことになる-------結構遠い。

宿泊したホテルの Le Meridien Cochin には国際会議場が併設されていて、学会もそこで行われた。

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インド西南部の町コーチン(→)と Le Meridien Cochin (8月21日、Cochi)

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フロントがあるメインビルから宿泊部屋がある建物までは、何と川をボートで移動するのには少し驚いた。このボートは24時間運航されていて、いつでも乗ることができる。

川の上に浮いている水草は、昔、金魚鉢にいれて金魚と一緒に飼っていた「ホテイアオイ」みたいだ-------水は綺麗とはいえない。

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水草(ホテイアオイ)が浮く川

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River with water hyacinth
Olympus E-3, ZD12-60mm


この時期の南インドは雨季で、一日に一回は強い雨が降る。現地の人に「強い雨だね」といったら、「こんなのは中ぐらいだよ」という返事が返ってきた。この雨でも傘もささないで平然と歩いているのがすごい。

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強い雨

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Strong rain
Olympus E-3, Sigma 150mm F2.8 APO MACRO DG HSM, f7.1, 1/50, ASA800


何しろ人が多い。ほとんどの道路の道路脇にはいつもたくさんの人が歩いているし、車の中はいうに及ばす、車の外でさえも人がいっぱいなのだ。どうもほとんどの人は仕事をしているようには見えず、ただただ立っているようにも見えなくはない。

驚いたことに道路には信号はほとんどなく、車はクラクションを鳴らしながら走っている。つまり、運転にはかなりのテクニックと強心臓、気合いが必要で、軟弱な虫林にはここでの運転はまったく無理だと思われた。ちなみに、虫林が見た限りでは、女性のドライバーは滞在中に1度も見ることができなかった。そう、Cochiでの車の運転は命を張った「男の世界」「マンダム」なのである。

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コーチンの街角

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A landscape of Cochin
Olympus E-3, ZD12-60mm

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街角の風景

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Landscape of the town
Olympus E-3, ZD12-60mm


インドの男性は、腰巻を付けるのが伝統的で、女性の場合は民族衣装のサリーを着ている。(若い)女性が鮮やかな色のサリーを着ているととてもオシャレに見えるし美しい。

男女とも靴は履かずに、サンダル履きが一般的だ。ときどき裸足の人もいるが、ケガをしないだろうかと少し心配になってしまった。

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物を運ぶ男性と青いサリーの女性

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A young lady riding on bicycle.
Olympus E-3, ZD12-60mm, f4.5, 1/1600, ASA400


象が家畜として飼われているのは知ってはいたが、実際に道路の上を像が歩いているのを見ると、改めて感心してしまう。それほどゾウという動物は大きくて存在感があるのだ。

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道路を歩くゾウ

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An elephant walking on the road.
Olympus E-3, ZD12-60mm


大相撲の力士の土俵入りに見える大きな看板を見つけた。お相撲さんにしては、ハジマキをしているところが何となく笑える。

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街角の風景

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Landscape of the town
Olympus E-3, ZD12-60mm, f4.5, 1/1600, ASA400

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§ Afterword §

インド南部を旅するにあたり、マラリアと狂犬病に注意しろと本に書いてあったので、心配した家内が「虫よけ」を4種類も用意してくれた。しかし、学会の最中はほとんど室内にいるので、なかなか使う機会がなかった。

2日目の夜に、吐き気と下痢、頭痛に見舞われた。

コレラや赤痢では無さそうだが、体調を崩すとここには日本大使館も無いので心配だった。ちょうど次の日に2つのレクチャーが予定されていたので、キャンセルするかどうか迷ったが、朝にはだいぶ回復したので助かった。

インドは人が溢れている国だ。どこにいっても人、ヒト、ひと----がひしめいている-------そう、インドは人の国だった。

チョウの写真については、後日アップする事にする。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-08-25 05:22 | Comments(8)

20090815 Camberwellの美人:キベリタテハ

Nature Diary #0274
Date: August 15th (Saturday), 2009
Place: Kawakami-mura, Nagan Pref.
Weather: Cloud and fine


§ Diary §

キベリタテハは子供の頃からあこがれていたチョウで、当時は図鑑をみながら「はふー」とため息をついていた。今でも、日本のチョウの中で美しさでは5指に入ると思っている。

この週末は来週の学会の発表準備でせわしいが、数年前に偶然に見つけたキベリタテハのマイポイントを訪れてみることにした。


キベリタテハ; Camberwell Beauty

駐車場に車を止めて、歩いて河原に出てみると、昨年に比べてキベリタテハの姿が少ないようだ------それでも、何頭かは湿った砂で吸水しているので撮影した。多分、訪れる時期が少し早すぎたためだろうか。

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キベリタテハ(2009年8月15日、川上村)

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A Camberwell Beauty feeding water on the moist ground.
Olympus E-3, Sigma150mm Macro


非常に敏感で近寄らせてくれないので、このチョウの撮影はなかなか難しかった。

でも、ファンダーで見るこのチョウの翅表の美しさには息を飲む。さすが、英名を“Camberwell Beauty” (ロンドンのCamberwell 地区の美人)というだけのことがあるな。

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キベリタテハ(2009年8月15日、川上村)

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A Camberwell Beauty perching on the rock.
Olympus E-3, Sigma150mm Macro


このチョウの撮影には新鮮な個体が良い。

特徴の前後翅の辺縁の帯は、個体が新鮮なうちはゴージャスな黄金色だが、古くなる白っぽくなる。また、活発に行動するので、翅の表面が傷つきやすいのだ。この写真の個体は、鮮度はまあまあだった。

キベリタテハの撮影では露出も難しい。もう少し具体的にいうと、チョコレート色を出すと、キベリタテハの特徴の黄金色の帯の色が飛んでしまう。逆に黄金色の帯に露出を合わせるとチョコレート色が黒くつぶれてしまうのだ。

綺麗な蝶は綺麗に撮影したいと思うのだが、難しいものである。

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キベリタテハ(2009年8月15日、川上村)

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A Camberwell Beauty perching on the rock.
Olympus E-3, Sigma150mm Macro


その他; Miscellaneous

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スジボソヤマキチョウ(2009年8月15日、川上村)

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A Lesser Brimstone feeding on the flowers..
Olympus E-3, Sigma150mm Macro

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ウラギンヒョウモン(2009年8月15日、川上村)

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A High Brown Fritillary feeding on the flowers..
Olympus E-3, Sigma150mm Macro


長野県の川上村から信州峠を越えて、増富を抜けて帰る途中で1箇所寄り道をしてみた。

目的のチョウは見つからなかったが、葉の上に黒いハチを見つけた----------と思ったら、コスカシバだった。なるほど確かにハチにそっくりだ。これくらい似ていれば鳥も騙される。

このコスカシバはモモなどの果樹の害虫として知られているようだ。

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コスカシバ(2009年8月15日、北杜市)

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Synanthedon hector.
Olympus E-3, Sigma150mm Macro


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コスカシバ(2009年8月15日、北杜市)

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Synanthedon hector.
Olympus E-3, Sigma150mm Macro

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§ Afterword §


今週末はお盆だが、来週の学会発表のためにせわしなくて、あまり、チョウの撮影にも出れなかった。それでも、なんとか目的のキベリタテハは撮影できたのでよかったと思う。

本日のポイントは、数年前にアカムネハナカミキリというカミキリムシの稀種を探して迷い込んだ場所で、白樺の木が多くて、キベリタテハが沢山見ることができる。さらに、この場所では、ヤマキチョウ、ミヤマカラスアゲハのメスも撮影できたが、今回は残念ながら見ることができなかった。


ある意味、ポイント情報ばかりを気にしないで、たまにはダメもとで、周囲の環境などをたよりに、新ポイントを探してみるのも面白いものだ。偶然に、別な虫の良いポイントが見つかったりもするからね。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-08-16 22:45 | Comments(22)

20090809 ありんこ「ポンス」と山のロザリア (山梨県)

Nature Diary #0273
Date: August 9th (Sunday), 2009
Place: Hokuto-shi, Yamanashi Pref.
Weather: Cloud



<天災>
お盆に入ってやっと夏らしい天候になってきた。
しかし、このところの日本は大雨、台風、地震と連チャンで天災にみまわれ、各地で被害が出ているようである。とにかく、被災された方々には、心からのお見舞いを申し上げたい。

「天災は忘れてなくてもやってくる」

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§ Diary §

虫林はチョウ以外の昆虫も好きなので、折を見ては撮影している。

しかしブログに掲載する写真枚数には限りがあるのとフィールド散歩はチョウを目的とすることが多いので、チョウ以外の昆虫が ND(Nature Diary) にアップされることは少ない。

本日(8月13日)は仕事で東京に出張した際に、往復の車中時間(片道1時間40分)を利用して、チョウ以外の昆虫に関するNDを作成した。



ムネアカオオアリとクロヤマアリの戦い; battle of ants

ありんこポンスの童話を御存じか?

この物語は知名度がイマイチなので知らない方も多いと思うが、ポンスという名前の小さくても勇敢なアリンコが、困難に立ち向かいながら世界中を旅する物語だ。

決まり文句は「2mmの虫にもでっかい魂、僕は負けないアリンコさ」


山の伐採現場でカミキリムシを探していたら、広葉樹の材の上でムネアカオオアリとクロヤマアリ(?)が戦っているのを見つけた。いつもなら、アリンコの戦いなどOut of 眼中の虫林なのだが、その時は何気なく見入ってしまった。

はじめはアリの大きさが違いすぎるので、この戦いは簡単に決着がつくと思っていた。しかし、あに図らんや、小さな方のクロヤマアリはなかなかしぶとく、ムネアカオオアリの触角を噛んで離さない-------触角は昆虫(アリ)の急所かな?

小さなクロヤマアリは、まるで童話の主人公の「ポンス」だ。

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ムネアカオオアリの触角を噛むクロヤマアリ(2009年8月7日、北杜市)

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The fight of ants.
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14, Gyorome, 内部ストロボ


小さなアリたちとはいえ、虫の眼レンズで超拡大してみると、彼らは驚くほどに生き生きして見えるから面白い。下の画像でも、小さなクロオオアリのポンスが仰向けになりながらも、ムネアカオオアリの触角を噛んでいるのがわかるだろう。

ちいさなポンスよ頑張れ!-------と心の中で祈ってしまった。

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ムネアカオオアリとクロヤマアリの戦い(2009年8月7日、北杜市)

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The battle of ants
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14, Gyorome-8, 内臓ストロボ


クロヤマアリもムネアカオオアリも基本的にはおとなしい性格だ。とくに、クロヤマアリなどは、ヘイタイアリに捕えられ、奴隷として働かされることが知られているくらいだ。

この戦いは一体何が目的なのだろうか?

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ムネアカオオアリとクロヤマアリの戦い(2009年8月7日、北杜市)

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The battle of ants
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14, Gyorome-8, 内臓ストロボ



蟻のような蜂:トゲムネアリバチ; Bischoffitilla ardescens

「ハチとアリはどこが違うの?」---------分類学上は、両者とも同じ膜翅目に入っていて、アリはハチの中の1分類群である。

しかし、一般的な観点から両者を分けるとすれば、ハチには翅あり、アリは通常翅をもたない----といえる。ところがどっこい、ハチの仲間でも翅が無いものもいるから困る。
そう、翅のないハチが アリバチ なのだ。

アリバチは、翅が無いのが♀で、♂には翅がある。

先日、富士山麓の草原を歩いていたら、下草の葉上に綺麗なアリバチを見つけた。アリバチは今まで見たことが無かったので喜んで撮影した。

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トゲムネアリバチ(2009年8月9日、富士山麓)

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A bee mimicking ant
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14



山のロザリア:ルリボシカミキリ; Rosalia batesi

北杜市の山間部を車で走っていたら、林道脇に材木が積まれているのを見つけた。

何気なく目をやってみると、そこにはルリボシカミキリが何頭もついていた。今年はどういうわけかルリボシカミキリを見る機会が例年になく多いみたいだ。

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林道脇の材木(2009年8月9日、北杜市)

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Woodpile by the road
Canon Power Shot G10


ルリボシカミキリの属名にはRosalia(ロザリア)という女性の名前が付いている。
ロザリア------ウーム、そうだ、これは虫林の大好きな歌 「山のロザリア」の乙女だ。

山のロザリア(歌を聞く方は左の歌名をクリックしてください。)

♪♪ 山の娘ロザリア いつも一人歌うよ-------------涙流し別れた 君の姿よ ♪♪


美しいブルーの翅を持ったルリボシカミキリは、決して少ない種類ではないが、いつ見ても、何度見ても心ときめく------それは山のロザリアだからかも。

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ルリボシカミキリ(2009年8月9日、北杜市)

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Rosalia batesi
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14


このロザリアの美しいブルーは死ぬと色を失う。

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ルリボシカミキリ(2009年8月9日、北杜市)

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Rosalia batesi
Canon Power Shot G10



処女生殖:トビナナフシ; Micadina phluctaenoides sperdina

本州のトビナナフシはほとんどがメスで、処女生殖で繁殖するらしい。

このように処女生殖する生物には昆虫の他にも魚類、鳥類などでも知られている。また、近年では哺乳類(マウス)でも、実験的に処女生殖に成功しているようだ。

処女生殖では卵子が受精すること無しに細胞分裂するので、子孫が全て同じ遺伝子を持つことになる(?)。つまり、同じ個体ができるということになるのだ-------将来、人間が処女生殖できるようになると、世の中は一体どうなるのだろう.
注:単為生殖fでも、子孫の遺伝子は微妙に異なるようです。

考えると恐ろしい気がする。

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トビナナフシ(2009年8月9日、北杜市)

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Micadina phluctaenoides sperdina
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



その他; Miscellaneous

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ウスイロトラカミキリ(2009年8月9日、北杜市)

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Xylotrechus cunepiennis
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14, Gyorome-8、内臓ストロボ

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トゲバカミキリ(2009年8月9日、北杜市)

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Eryssamena sperdina
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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味の良いタマゴタケ(2009年8月9日、北杜市)

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Amanita hemibapha

Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


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§ Afterword §

今年のお盆は、結局仕事で終わりそうだ。
来週に出張を控えているので、今はとても忙しいがしょうがない。

チョウの撮影も面白いが、他の昆虫も面白い。しかし、チョウを目的としてフィールド散歩を行うのが多いので、カミキリムシなどはどうしても中途半端になって欲求不満が消えない。以前、採集していたときには、ハナカミキリはネットでスィーピングし、枯れ枝は白い布でビーティングしていた。撮影ではルッキングだけなので、どうしても難しい場面が多いのが残念である。

これからもチョウ以外のNDもアップしていきたいと思う。





以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-08-13 22:26 | Comments(8)

20090809 クロシジミとゴマシジミ調査 (山梨県)

Nature Diary #0272
Date: August 9th (Sunday), 2009
Place: Hokuto-shi, Yamanashi Pref.
Weather: Cloud



<茅ヶ岳ゴマを救おう!>

茅ヶ岳周辺のゴマシジミの棲息地が急速に姿を消している。

そこで、本年より山梨県北杜市の1) 茅ヶ岳中腹2) 須玉町小尾・神戸地区 の棲息地がゴマシジミ保全区域に指定され、地券者、行政、日本チョウ類保全協会、北杜市オオムラサキセンターが協力して、活発な保護活動が実施されている。なお、指定区域には、連名で 「立て看板」 が設置され、チョウの成虫、幼虫、食草などの採集行為が禁止された。

是非とも、チョウ愛好者のご理解とご協力をお願いします。

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須玉町小尾 神戸地区のゴマシジミ保全区域の立て看板

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Conservation area
Canon Power Shot G10


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§ Diary §

朝、日本チョウ類保全協会事務局の中村康弘氏を甲府駅でピックアップして、クロシジミとゴマシジミの棲息地調査に出かけた。まあ、堅苦しく「調査」といっても、チョウの種類、個体数や生態などを観察してノートに記録するのはもっぱら中村氏で、虫林はといえば、ただ撮影のみをすれば宜しいという何とも気楽なものである------申し訳ない。

中村氏とご一緒するのは、「ゴマシジミ保全事業」のために、茅ヶ岳中腹での草刈の際にワレモコウをマーキングする作業をして以来だ。


クロシジミ; Gray-pointed Pierrot

県内唯一のクロシジミのポイントに到着して歩き始めると、間もなく目的のクロシジミが飛び出した。さすがに時期が少し遅めなので、出現するクロシジミはメスが多いようだ。

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クロシジミ♀(2009年8月9日、富士山麓)

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A female of Gray-pointed Pierrot perching on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro


以前はクロシジミは山梨県内に広く分布していたみたいだが、現在では富士山麓の限られた地域でしか見られない絶滅危惧種になってしまった。

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クロシジミ♀(2009年8月9日、富士山麓)

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A female of Gray-pointed Pierrot perching on the leaf/
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro


いろいろな枝や葉を見ていた中村氏が突然声を上げた。ブッシュの脇のススキの葉でとうとうクロシジミの卵を見つけたのだ。

成虫ばかり追いかけていた虫林には、卵などは視野の外(out of 眼中)にあったので驚いた。日本産蝶類標準図鑑によればクロシジミは数個の卵を産むと記されているが、見たところ葉に産み付けられた卵の数はもっと多いようである。

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ススキの葉の卵(2009年8月9日、富士山麓)

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Eggs of Gray-pointed Pierrot lining on the panpas leaf.
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14


クロシジミは孵化するとこのアブラムシの蜜を舐め、クロオオアリの巣の中に入って成長するのだ。そのため、クロシジミの卵が産み付けられた葉を観察すると、必ずクロオオアリが徘徊していて、さらにアブラムシをそこに見ることができた。

クロオオアリのメスはそのことを学習ではなくて本能的に知っているのだから凄い。たかがチョウとナメテはいけないのだ。

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クロオオアリとアブラムシ(2009年8月9日、富士山麓)

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Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14


クロシジミの卵は、ススキの他にもハギやクロマツでも見つかった。結局、クロシジミが卵を産むのに重要なのはアブラムシクロオオアリの存在のようである。

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萩に産み付けられた卵(2009年8月9日、富士山麓)

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Eggs of Gray-pointed Pierrot
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14


中村氏によれば、クロシジミの幼虫に寄生するヒメバチがあるという(クロシジミセアカヒメバチ)。

この写真のヒメバチは背が赤くないが、卵が付いていたススキの葉の周囲にじっとしていた。何という名前のヒメバチかはわからないが、とても怪しいハチである。

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ヒメバチの一種(2009年8月9日、富士山麓)

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A bee resting on the leaf
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14



ホシチャバネセセリ; Japanese Scrub Hopper

ホシチャバネセセリのポイントに移動したが、どういうわけかなかなか成虫を見つけることができなかった。不思議に思っていると、我々の前からネットを持った一人の採集者がやってきたではないか--------ウーム、なるほど、少ないわけだ。

それでも、何頭かのホシチャを見つけることができ、広角写真を撮影することが出来た。背景に偶然?写っている人物は同行の中村氏だ。

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ホシチャバネセセリ(2009年8月9日、富士山麓)

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A Japanese Scrub Hopper resting on the leaf.
Canon Power Shot G10

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ホシチャバネセセリ(2009年8月9日、富士山麓)

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A Japanese Scrub Hopper resting on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14



ミヤマカラスシジミ; Mera Black Hairstreak

この草原にはクロツバラの木が多く、ミヤマカラスシジミが非常に多い。このシジミチョウは比較的遅く出現するので、この時期でも新鮮な個体を見ることができた。

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吸蜜するミヤマカラスシジミ (2009年8月9日、富士山麓)

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A Mera Black Hairstreak feeding on the flower.
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14

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葉上で休むミヤマカラスシジミ (2009年8月9日、富士山麓)

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A Mera Black Hairstreak resting on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14

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産卵するミヤマカラスシジミ (2009年8月9日、富士山麓)

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A Mera Black Hairstreak egglying on the branch.
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14


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§ Afterword §

富士山麓でのクロシジミの観察の後、茅ヶ岳山麓にも足をのばして、保全区域の様子を見に行った。神戸地区の保全区域には「採集禁止」の立札が各道筋に立てられているにも関わらず、ネットを持たないが明らかに採集者とわかる人たちがコソコソと徘徊していたのには驚いた。同じ自然を愛するナチュラリストとして情けなくなる。

採集禁止区域での採集行為を、チョウの採集行為の是非に置き換えてよく話されるが、この両者はまったく異質なものであって比較にはならない。しかし、採集者の中には前者のようなことをする人がいることも事実なのは残念で仕方がない。さらに、ネットオークションで販売しているのを見ると憤りを禁じ得ないのだ。


良識あるナチュラリストとしてゴマの姿を楽しみましょう!
中村さん、本日はご苦労様でした。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-08-11 07:03 | Comments(16)

20090807 小雨の散歩道:クロモとミヤカラ (山梨県)

Nature Diary #0271
Date: August 7th (Friday), 2009
Place: Hokuto-shi, Yamanashi Pref.
Weather: Cloud and Rain



<立秋>
いつのまにか暦の上では秋になってしまった。

立秋は夏至と秋分のちょうど中間にあたり、秋の気配が現れてくる頃といわれている。この秋の気配とは、朝晩の涼しさや空の雲など人によって様々だろう-----ナチュラリスト虫林にとっては「ツクツクホーシの鳴き声」だ。

今、甲府市内はアブラゼミ、ミンミンゼミが盛んに鳴いているが、まだツクツクホーシの声は聞こえてこない。虫林の「立秋」はもう少し先のようだ。


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§ Diary §

週間天気予報では金曜日が晴れマークだったので、夏休み休暇を一日とることにした。このところ仕事がとても忙しくて「虫の息」 状態だった(笑えない)。標高の高い場所でゆっくりと撮影を楽しみたいと思ったいたのだ。

しかし、金曜日の朝起きて外をみたらなんと雨------ウーム、き~しょう~ちょう。


クロヒカゲモドキ; Marginalis Treebrown

林道に到着した時には小雨が降っていたが、雨傘をさしながら奥に向かって歩いた。この林道は以前は伐採された材木を運ぶ運搬用につくられたもののようで、伐採が既に終了した現在では、荒れてしまい、道の真ん中まで雑草が生えていて歩きにくい。

先週クロモを見つけた場所を過ぎて、明るい伐採地から暗い林に入る手前で、林道脇のブッシュから褐色のチョウが飛び出した。このチョウは短く飛んでは葉上に静止する。

慎重に近づいて、ススキの葉上のチョウを目で確認して見ると、クロモのオスだった。

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ススキの葉上に静止したクロヒカゲモドキ♂(2009年8月7日、北杜市)

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A male of Marginalis Treebrown perching on the pampas grass.
Canon Power Shot G10

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クロヒカゲモドキ♂(2009年8月7日、北杜市)

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A male of Marginalis Treebrown perching on the pampas grass. Please note three spots lining on the underside of forewing.
Olympus E-3, ZD 50mm Macro, EC-14


Canon Power Shot G10で下から超接近撮影した。

このG10はコンデジとしては異常に重く大きいので、最近は出番がめっきり少なくなった(何しろポケットに入らない)。かわってPanasonic DMC-LX3を使用していたが、このLX3が故障してドッグ入りしてしまったのだ。保証期間中修理とはいっても、お盆休みが間に入るので、LX3を再び手にするのは8月末になってしまうとのことだった。

久しぶりに使用するG10は起動時間が短く、フォーカス速度も速い。

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クロヒカゲモドキ♂(2009年8月7日、北杜市)

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A male of Marginalis Treebrown perching on the pampas grass.
Canon Power Shot G10


オスを発見した場所のすぐ傍で、もう1頭のクロモが飛び出し、比較的低い位置の木の葉の上に静止した。みると、オスよりも翅の形が丸いのでメスだ。

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葉上で静止したクロヒカゲモドキ♀(2009年8月7日、北杜市)

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A male of Marginalis Treebrown perching on the leaf.
Canon Power Shot G10

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葉上で静止したクロヒカゲモドキ♀(2009年8月7日、北杜市)

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A male of Marginalis Treebrown perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD 50mm Macro, EC-14


葉上に静止したメスを撮影していると、突然、雨脚が強くなってきた。ゲリラ豪雨ほどではないが、結構強い。しかし、クロモのメスはどこかの茂みに移動して雨宿りをするかも知れないと思ったが、雨の中でも一向に動く気配を見せない----チョウは雨に強いのだ。

本日はメスの開翅シーンをもう一度しっかりと撮影してみたかったので、傘をさしながら雨があがるのをじっと待つことにした。

幸いなことに雨は20分ほどであがり、さらにしばらくすると周囲が明るくなってきた。期待を込めて(念力を加えながら)見守っていると、翅を60度ほど開いた後に、ほぼ全開に近いように感じる130度くらいまで開いてくれたのだ。

残念ながら、先週の個体に比べて古いようである。

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開翅したクロヒカゲモドキ♀(2009年8月7日、北杜市)

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A male of Marginalis Treebrown perching on the leaf with the wings opened..
Canon Power Shot G10

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開翅したクロヒカゲモドキ♀(2009年8月7日、北杜市)

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A male of Marginalis Treebrown perching on the leaf with the wings opened..
Olympus E-3, ZD 50mm Macro, EC-14



ミヤマカラスアゲハ; Maackii Peacock

クロモポイントからの帰途、アゲハの仲間が集まるクサギの花が多い林道に入ってみた。クサギの花はちょうど咲き始めのようで、アゲハの来集は少なかった。しかし、雨後で濡れたコンクリートの壁には、吸水に訪れた数頭のミヤマカラスアゲハを見つけた。

この壁は通常は乾いているが、雨後で濡れたことが幸いしたようだ。同じような環境は他にもあるのだが、なぜここだけに集まったのかは説明しにくい。

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吸水するミヤマカラスアゲハ♂(2009年8月7日、北杜市)

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Two males of Maackii Peacock are attracted to a damp patch on the wall due to obtain moisture and minerals.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro


ミヤマカラスアゲハの分布は、カラスアゲハよりも山地にシフトしている。このあたりは、両種が混在してみられるが、今回吸水している個体は全てミヤマカラスのようだ。

吸水していた1頭が、翅を全開した。飛び去る気配が無いので、ゆっくりと撮影した。

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吸水するミヤマカラスアゲハ♂(2009年8月7日、北杜市)

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A male of Maackii Peacock feeding on the salt in wet wall.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro


全開したミヤマカラスの翅表は、青色から緑色へのグラジゥエーションを示し、前翅から後翅にかけて明るい青紫の線状紋がまるで天の川のように流れている。

ウーム、見事なまでに美しい。

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吸水するミヤマカラスアゲハ♂(2009年8月7日、北杜市)

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A male of Maackii Peacock feeding on the salt in wet wall.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro


近づいて良く見ると、ときどき腹端から放水していた。この生態は、以前に海野和夫氏の「小諸日記」の記事の中で何度か見たことがある。

そこで、この放水シーンを海野氏のように撮影しようと思ったが、これが意外に難しいのだ。虫林は20枚ほど撮影したのだが、満足いくショットは1枚も無かった。

下の写真はかろうじて腹端の水滴が写っている(矢印)。

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放水するミヤマカラスアゲハ♂(2009年8月7日、北杜市)

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A male of Maackii Peacock drainning water off from the tip of abdomen. Please note a water drop on the tip (arrow)
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro



オナガアゲハ; Long Tail Spangle

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オナガアゲハ♀(2009年8月7日、北杜市)

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A female of Long Tail Spangle perching on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro

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オナガアゲハ♀(2009年8月7日、北杜市)

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A female of Long Tail Spangle perching on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro

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§ Afterword §

せっかく夏休みをとったのに、一日中、雨が降ったり止んだりの生憎の天気だった。でも、この不安定な天気がクロヒカゲモドキの開翅やミヤマカラスアゲハの吸水の観察に幸いしたのかも知れない。フィールド観察では何が幸いするかわかないものだ。

クロヒカゲモドキは先週は新鮮なメスをみたが、今週は雌雄ともに古い個体で、時期的にはそろそろ限界かなと思う。反対にミヤマカラスアゲハの夏型はいずれも新鮮で美しいものばかりだったので、これからシーズンインといったところのようである。

甲虫も少し撮影したので、後日アップしたいと思うが-------。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-08-09 06:20 | Comments(8)

20090801 雑木林散歩:クロヒカゲモドキ開翅など (山梨県)

Nature Diary #0270
Date: August 1st (Saturday), 2009
Place: Hokuto-shi, Yamanashi Pref.
Weather: Cloud and Rain



<日陰者:ヒカゲモノ>

蝶屋の中で、ヒカゲチョウの仲間を特に好む方たちがいて、彼らのことを「日陰者」と呼ぶらしい。

たしかに、派手なチョウの中で、ヒカゲチョウやジャノメチョウの仲間は地味ではあるが、生態が面白く、またヒメヒカゲ、シロオビヒメヒカゲ、ツマジロウラジャノメなどははっとする美しさがある。

クロヒカゲモドキ は現在では少ない蝶であるが、チョウ愛好家(とくに日陰者)の間ではとても人気があるみたいだ。この蝶は渋い美しさがあり、虫林も「日陰者」達の気持ちが理解できる。


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§ Diary §

朝、NHKの連ドラ「つばさ」を見ながら、半田素麺 を食べた。

徳島名産の「半田素麺」は、麺の太さが冷麦ほどもあり、独特の腰と風味があってとても美味い。夏にはこの半田素麺か秋田の「稲庭うどん」が良い。


窓の外をみると、今日も天気がはっきりしない-----天気予報は午後から雨(降水確率60%)とのことで、遠くに行く気にもなれない。そこで、大きなクヌギの木(台場クヌギ)が混在する北杜市の雑木林で、クロヒカゲモドキの撮影にトライすることにした。


ポイントに到着して、台場クヌギの幹を見ながら歩いて行くと、ミヤマクワガタを見つけた。残念ながらこの個体は小歯型で小さかったが、腐ってもミヤマクワガタである。台場クヌギの幹にいるとそれなりの迫力と風格を感じる。

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台場クヌギ上のミヤマクワガタ♂(2009年8月1日、北杜市)

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A stag beetle, Lucanus maculifemoratus, on the trunk of sawtooth oak tree.
Panasonic DMC-LX3 + DMW-LW46



クロヒカゲモドキ; Marginalis Treebrown

雨後ということで、雑木林の下草が濡れていた。

靴やズボンが濡れてとにかく気持ちが悪いので(虫林は軟弱)、早々に林の中から林道に出た。しばらく歩をすすめると、林道脇の草上で褐色のチョウを見つけた。初めはコジャノメかなと高を括って近づいたが、前翅裏面に並ぶ3個の眼状紋が目に入った。

クロヒカゲモドキだ!

この3つの眼状紋こそ、このチョウがクロヒカゲモドキであることの証で、「水戸黄門様の印篭にある菊のご紋」のようなものだ。

みると、葉上のクロヒカゲモドキはおもむろに翅を開いて日光浴を始めたではないか。そっと近づいて、ファインダー越しに翅表をみると、滑らかな褐色の地に漆黒の眼状紋が並び、翅の辺縁はデリケートな白線で縁取られている。

地味ではあるが、怪しい魅力を持ったチョウだ。

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クロヒカゲモドキ♀開翅 (2009年8月1日、北杜市)

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A Marginalis Treebrown basking on the leaf with the wings opened.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro

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クロヒカゲモドキ♀開翅 (2009年8月1日、北杜市)

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A Marginalis Treebrown basking on the leaf with the wings opened.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro



オナガシジミ; Walnut Hairstreak

クルミの木はどこにでもあるが、オナガシジミの発生する木は意外に少ない。
このポイントでは数頭が姿を見せてくれた。

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クルミ葉上のオナガシジミ (2009年8月1日、北杜市)

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A Walnut Hairstreak resting on the leaf of walnut tree.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro

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オナガシジミ(2009年8月1日、北杜市)

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Walnut Hairstreak
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro



ミヤマカラスシジミ; Mera Black Hairstreak

小雨の後にススキの葉上でミヤマカラスシジミを見つけた。このチョウは地味な蝶であるが、渋い美しさがある。この辺には食樹のクロツバラかクロウメモドキがあるのだろうか。

とにかく、意外な場所で出会う神出鬼没な蝶である。

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ミヤマカラスシジミ(2009年8月1日、北杜市)

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A Mera Black Hairstreak resting on the leaf.
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14

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ミヤマカラスシジミ(2009年8月1日、北杜市)

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A Mera Black Hairstreak resting on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro



ホソバセセリ; Silver-spotted Skipper

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ホソバセセリ(2009年8月1日、北杜市)

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A Silver-spotted Skipper resting on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro



コカブトムシ; Eophileurus chinensis

コカブトムシは名前のごとくカブトムシに比較して小型だが、カブトムシの仲間であることを主張するようにオスの頭部には短いながらも角を有している。本種はもともと個体数が多くない種類なので、見つけるとカブトムシよりも数倍も嬉しい。

道路脇の大きなクヌギの幹に静止していたので、広角レンズで撮影して見た。

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コカブトムシ(2009年8月1日、北杜市)

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A beetle, Eophileurus chinensis, on the trunk of tree.
Olympus E-3, ZD8mm FIAHEYE, EC-14


この個体を近づいて良く見ると、頭部に角が無い-----メスだ

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コカブトムシ♀(2009年8月1日、北杜市)

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A beetle, Eophileurus chinensis, on the trunk of tree.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO, EC-14



ルリボシカミキリ; Rosalia batesi

伐採された木の枝にルリボシカミキリを見つけた。

ルリボシカミキリは決して少ない種ではないが、綺麗な色彩を有していて、被写体としてはとても嬉しい。いわゆる photogenic な昆虫のひとつだろう。

ただ、本種は意外に敏感で通常はなかなか近寄らせてもらえないが(近づくと飛ぶか落ちてしまう)、本日は小雨が降った後のせいか、ゆっくりとポーズをとって撮影させてくれた。

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ルリボシカミキリ♂(2009年8月1日、北杜市)

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A long-horned beetle, Rosalia batesi, on the trunk of tree.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO, EC-14

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クルミの伐採木上のルリボシカミキリ♀(2009年8月1日、北杜市)

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A long-horned beetle, Rosalia batesi, on the trunk of tree.
Panasonic DMC-LX3

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クルミの伐採木上のルリボシカミキリ♂(2009年8月1日、北杜市)

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A long-horned beetle, Rosalia batesi, on the trunk of tree.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO, EC-14



ヤンマの羽化;

オニヤンマなのだろうか?
大型のヤンマが畑の縁で羽化していた。

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ヤンマの羽化(2009年8月1日、北杜市)

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A newly-emerged dragon fly
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14


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§ Afterword §

今回目的としたクロヒカゲモドキは、新鮮なメス個体でしかも開翅してくれたのは嬉しい。クロヒカゲモドキのメスは実は本日別の場所でも出会ったが、その個体はかなり古くて翅もスレていたのでブログ掲載をためらった。、甲虫も好きな虫林にとって、今回掲載した昆虫の中ではコカブトムシ、ルリボシカミキリはとても嬉しかった。

それにしても、カラッとした夏の空の下で撮影したいものだ。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-08-03 22:02 | Comments(16)

20090729 徳島の海岸にて: ルイスハンミョウ (徳島県)

Nature Diary #0269
Date: July 29th (Thursday), 2009
Place: Tokushima-shi, Tokushima Pref.
Weather: Cloud and Fine



<梅雨明けではありませんでした宣言>

関東甲信越地方はとっくに「梅雨明け宣言」が出されているのだが、このところの甲府市内では毎日どんよりと雲が空を覆って蒸し暑く、しばしば雨も降っている(いかにも梅雨らしい天気)。7月ももう終わろうとしているのに、一体全体この天気はどうしたのだろう。

そろそろ気象庁には「梅雨明けではありませんでした宣言」を出していただきたいものだ。


§ Diary §

ある学会の講習会で徳島市を訪れた。

徳島市では有名な「阿波踊り」がもうすぐ(8月12日から)始まるので、夕方になると市内のいたるところから阿波踊りの練習のための鐘や太鼓の音が聞こえてきた。

徳島大学構内のレストランで開かれた講習会の懇親パーティでは、その余興に大学の学生君たちによる阿波踊りが披露された。笠を目深にかぶって浴衣姿で踊る女性の阿波踊りはとても優雅で良かったと思う-------日本の文化は良いね。

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懇親会での阿波踊り (7月28日)

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Awa folk dance in the party
Panasonic DMC-LX3



ルイスハンミョウ; Cicindela lewisi

講習会の翌日、虫林が乗る羽田行のJALは午後2時45分発なので、午前中はフリーな時間ができた。そこで、朝食後、吉野川河口の浜にルイスハンミョウを見に行くことにした。

ルイスハンミョウは環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種II類に入っている希少種だ。

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ルイスハンミョウが棲む浜 (7月29日、徳島市)

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Habitat of Cicindela lewisi, live
Panasonic DMC-LX3


浜をしばらく散策したが、なぜかルイスハンミョウは見つからなかった。

すでに1時間が経過し、歩き始めた時には曇っていた空もいつの間にか晴れて、夏の日差しが容赦なく虫林を照りつける。あまりに暑いので、立ち止まってペットボトルの水を飲んだ時、5メートルほど先の砂浜で何かが動いたような気配を感じた。

多分カニかも知れないと思ったが、目を凝らしてその辺りをみると、砂浜の上をツツツーツツツーといわゆる Stop and go で動く黒っぽいハンミョウを見つけた。

ルイスハンミョウだ!

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ルイスハンミョウ (7月29日、徳島市)

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A tiger beetle, Cicindela lewisi
Panasonic DMC-LX3


ルイスハンミョウは1頭を見つけた後、続けて何頭も観察できた。

ルイスハンミョウはなかなか立派で、黒味がかった鞘翅に白い紋がくっきりと浮かび、前胸背が金緑色にキラキラと輝いてとても美しかった。

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ルイスハンミョウ (7月29日、徳島市)

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A tiger beetle, Cicindela lewisi
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


ルイスハンミョウの体色は個体差があるようで、褐色系の個体も見られた。また、前胸背の輝きがある個体と無い個体があった。

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ルイスハンミョウ (7月29日、徳島市)

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A tiger beetle, Cicindela lewisi
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


追っていたルイスハンミョウが、突然、奇妙な行動を示した。後ずさりしながら砂に潜っていったのだ。砂の中に潜って隠れようとしているように見える。

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砂に潜るルイスハンミョウ (7月29日、徳島市)

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A tiger beetle, Cicindela lewisi
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


交尾している個体も観察することができた。

ハンミョウの交尾個体をみると、上に乗っている♂は、大きな白い両顎でメスの前胸背を両側がっちりと挟んでいる。これなら振り落とされることはないだろう。

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交尾するルイスハンミョウ (7月29日、徳島市)

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Mating tiger beetles, Cicindela lewisi
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



エリザ(ヒメ)ハンミョウ; Cicindela elisae

この海浜では多数のエリザハンミョウも見ることができた。

このハンミョウはルイスハンミョウに比較してかなり小型で、色も砂浜に近い淡い色調だ。さらにとても敏感でなかなか近寄らせてもらえない--------撮影するのはとても難しかった。長玉のレンズを自宅に置いてきたことが悔やまれた。

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エルザ(ヒメ)ハンミョウ (7月29日、徳島市)

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A tiger beetle, Cicindela elisae
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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エルザ(ヒメ)ハンミョウ (7月29日、徳島市)

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A tiger beetle, Cicindela elisae
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


エリザハンミョウの交尾も、ルイスと同様で、オスがメスの前胸背を大顎で挟んでいた。
この交尾姿勢はハンミョウの仲間全体に共通するのかな。

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交尾するエルザ(ヒメ)ハンミョウ (7月29日、徳島市)

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Mating tiger beetles, Cicindela elisae
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



シオマネキ; Fiddler crab

シオマネキは片方の手(鋏脚)が異常に大きく、ユニークな形態をしている。

砂浜ではこの大きな手(鋏脚)を上にあげて、「コッチコイ、コッチコイ」という動き(ウェービング: waving)を示す。ちなみにシオマネキを漢字で書くと「潮招」あるいは「望潮」になり、まるで潮を自分の方に招いているように見えるウェービングからその名が付いたと思われる。面白いことに大きいハサミ手(鋏脚)は個体により右左が異なっていた。


このカニはなかなか用心深くて、不用意に近づくと穴の中にすぐに隠れてしまう。そこで、彼らが隠れた穴の傍の砂浜に座って息を殺してじっと待っていると、穴から再び出てきて、横歩きをしながら「コッチコイ、コッチコイ」を始めてくれた。

実際にその見るその動きはとても可愛いいものだった。

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穴から出てきたシオマネキ (7月29日、徳島市)

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A fiddler crab
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


英語でシオマネキは Fiddler crab と呼ばれているが、この Fiddler とはバイオリン奏者のことで、この大きなハサミ手(鋏脚)がまるでバイオリン抱えたように見えることからその名前が付いたのだろうと思う。

シオマネキは海岸の干拓、埋め立てなどで生息地が減少し、分布域が各地で狭まっているのは残念だ。実際、徳島市のこの浜でも環境が変化して絶滅の危機が迫っているといえる。

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シオマネキ (7月29日、徳島市)

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A fiddler crab
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



砂浜をシャベルで掘ってカニ(名前はわからない)を捕っていた。

見ていると次々にカニを見つけてはバケツに放り込んでいる。多分、捕まえたカニはサワガニのように唐揚げして食べるのだと思うが、味はどうなのだろうか。
美味しいかも知れないね。

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カニ捕り (7月29日、徳島市)

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Catching crabs
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


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§ Afterword §

今回は時間的余裕が無かったが、目的のルイスハンミョウが撮影できたので嬉しい。

ルイスハンミョウが棲息する吉野川河口の浜は、マリンピアという企業誘致のための埋め立てで大部分が消失し、現在ではごく僅か(数100メートル)しか残っていない。そこで、行政は貴重なルイスハンミョウを守るために、億単位の資金を投じて人工海浜を作って保護することにした。この試みの結果は“時”が教えてくれるが、とにかくルイスハンミョウのための環境保全が行われていることが意義深いと感じる。

この先いつまでこの綺麗なハンミョウを見ることができるのかとても心配である。もちろん、同所的に見られるシオマネキやその他の生物にも同じことがいえるだろう。

もともとボケている虫林であるが、このところの暑さでさらにボーとしてしまい、
帰りのバスでPanasonicのコンデジを置き忘れそうになった-------ウーム、注意しなければ。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-08-01 05:10 | ■甲虫 | Comments(14)