NATURE DIARY

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20091123 八ヶ岳のミヤマシロチョウ越冬巣調査隊

Nature Diary #0290
Date: November 23rd (Monday), 2009
Place: Mt. Yatsugatake, Yamanashi Pref.
Weather:Fine



<八ヶ岳のミヤマシロチョウ>

ミヤマシロチョウは中部山岳地域のみに棲息する高山蝶の1種である。八ヶ岳山麓ではミヤマシロチョウが以前には豊産し、林道を歩けば多数の本種がクガイソウやフウロソウなどの花で吸蜜するシーンがみられ、また雨上がりにはしばしば大きな吸水集団も認められた-------と聞く。

しかし、現在の八ヶ岳ではミヤマシロチョウの棲息地は極限され、とくに山梨県側では絶滅の危機 に瀕している (準絶滅危惧種)。そこで、山梨県側にわずかに残されているミヤマシロチョウの棲息地の保全活動が日本チョウ類保全協会と数人の有志で4年前にスタートした。



§ Diary §

朝、中村康弘氏(日本チョウ類保全協会) を甲府駅でピックアップして、一緒に八ヶ岳の集合場所に向かった。現地に到着すると、北杜市オオムラサキセンターの長谷川氏と伊藤氏、静岡の石川氏、東京のO氏がすでに到着して我々を待っていてくれた。

結局、虫林を含めて参加者は6人。うーむ、今回は虫林が顧問している大学山岳部の学生君に連絡する機会を逸したのが残念だ(何しろ今まで多忙だったので---言い訳)。


八ヶ岳山中の保全ポイントまではカラマツ林の中の足場の悪い道をしばらく歩かなければならない。今まで何度この頼りない杣道を歩いただろうか------。


途中の森の中で動物の頭蓋骨を見つけた。
歯をみると犬歯は無く、肉食よりも草食動物のようだ。多分、鹿だと思うが----。虫林は軟弱で歩くのが遅いくせに変なものに興味を持ってしまい、しばらく皆の足を止めてしまう。

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何とか汗をかきかき保全ポイントに無事到着することができた。

今回は重いオリンパス E-3 を家に置いて、軽いペン EP-1 だけを持ってきた。EP-1 にフォーサーズアダプター(MMF-1) を介して ZD35mmマクロレンズ を装着してみると、レンズ自体は小さくて軽いのであまり違和感はないが、オートフォーカスの合焦速度は-----残念。

斜面に腰を降ろして見渡すと、朝の寒さのためにモヤがかかった南アルプスの山々の青いシルエットがとても美しい。

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八ヶ岳から見る南アルプス (山梨県北杜市、11月23日)

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A landscape of South Alps from Mt. Yatsugatake
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm, ASA200



この場所までくるといつも、暗色の針葉樹と葉が落ちて白い幹や枝を見せるダケカンバの木がつくる美しいコントラストに見入ってしまう。

いつかダケカンバが黄葉している時期に来たいと思うが------。

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ダケカンバの林 (山梨県北杜市、11月23日)

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Betula ermanii
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm, ASA200



保全作業; Conservation work

作業はミヤマシロの食樹であるヒロハノヘビロボラズの木にタグを付けてモニタリングを行う。写真は木の高さを測る中村氏、石川氏、記録する長谷川氏、撮影するO氏。

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作業するミヤマシロ保全調査隊 (山梨県北杜市、11月23日)

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Conservation of Betula ermanii
Olympus EP-1, MZD17mm, ASA200

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作業するミヤマシロ保全調査隊 (山梨県北杜市、11月23日)

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Conservation of Betula ermanii
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm, ASA200


ヒロハノヘビノボラズは名前のごとく、蛇も登らないほど長い刺を有する植物だ。トゲトゲの幹にタグを付ける時には注意しなければならない。

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作業するミヤマシロ保全調査隊 (山梨県北杜市、11月23日)

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Conservation of Betula ermanii
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm, ASA200


ミヤマシロチョウの越冬巣; Wintering nest of Oriental Black-veined White

葉を糸で紡いだ独特な形態のミヤマシロチョウの越冬巣を探した。越冬巣はこの斜面の中でも見つかる場所が決まっているようで、そのような場所では毎年見つけることができる。

今年はというと、見つけた越冬巣の数は非常に少なく、また不完全なものが多かった。

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ミヤマシロチョウの越冬巣 (山梨県北杜市、11月23日)

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Wintering nest of Oriental Black-veined White
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm, ASA200

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ミヤマシロチョウの越冬巣 (山梨県北杜市、11月23日)

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Wintering nest of Oriental Black-veined White
Olympus EP-1, MMF-1, ZD35mm, ASA200


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§ Afterword §

本日の作業は天気も良好で、和気藹藹の雰囲気の中で順調に進められた。これで、この保全地域のほとんどの食樹に番号のタグをつけることができたと思う----まだかな?

それにしても、ミヤマシロチョウの越冬巣の少なさは心配だ。


作業が終了して、西日を受けながら今回の八ヶ岳ミヤマシロ保全調査隊の記念撮影。左からオオムラサキセンターの伊藤氏、日本蝶類保全協会の中村氏、東京のO氏、オオムラサキセンターの長谷川氏、静岡の石川氏、そして虫林(加藤)。

皆さん、ご苦労様でした。

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来年も同様の作業を行いますので、他の方の参加も歓迎します!




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-11-25 00:21 | Comments(22)

20091107 続々中国南部の散歩:黄昏迫る香港のチョウ

Nature Diary #0289
Date: November 7th (Saturday), 2009
Place: Hong Kong in China
Weather:Fine



§ Diary §

土曜日(7日)は、南寧から杭州経由で正午すぎに香港に到着。

ホテルにチェックインした後、本場「飲茶」の昼食を摂った。昼食後に時計をみると、すでに午後3時をまわっているではないか----ウーム、あと数時間で陽が落ちてしまう。

なにはともあれ、「探蝶逍遥記」fanseab さんから教えて頂いたポイントに直行。

山上のトレイルに到着して周囲を見渡すと、午後の日に照らされた香港の山々が輝いていた。山々を覆う樹木は亜熱帯特有の大きな葉をもったものが多い。香港は以前(12年前まで)に自然保護の意識が高いイギリス領だったためか、自然環境の破壊も少ないようだ。

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西日に照らされた香港の樹林 (香港特別行政区香港島、11月7日)

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A afternoon landscape from the hill top showing subtropical florae.
Olympus EP-1, ZD17mm, ASA200



ホシシジミタテハ; Zemeros flegyas flegyas

次第に弱くなっていく日の光に促されるように小道を急いで辿った。

林が切れて開けた場所に差し掛かると、陽が当たった灌木の周りでチラチラ飛んでは葉上に静止するゼフィルスくらいの大きさのチョウを見つけた。当初は撮影困難な高い場所でテリを張っていたが、しばらく待っているとうまい具合に下に降りてきてくれた。

そっと近づいてファインダーからチョウを見ると、シジミチョウではなくてタテハチョウだったので驚いた。こんな小さなタテハチョウを見るのは初めてだ。

調べてみると香港を代表するチョウの一つである ホシシジミタテハ らしい。

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葉上に静止したホシシジミタテハ (香港特別行政区香港島、11月7日)

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A strange butterfly of Zemeros flegyas flegyas perching on the leaf with the wings semi-opened.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400


道の脇の目の高さの葉上に静止したホシシジミタテハを撮影していたら、トレッカーが通り過ぎる時の音に驚いて飛び去ってしまった-----残念。まあ、土曜日はヒトが多いのが難点といえば難点だが、同じ問題は日本にもあるね。


シジミタテハというチョウの仲間は、名前が示すごとく、シジミチョウとタテハチョウの中間的特徴も持つという。つまり、シジミチョウでもなく、タテハチョウでもなく、シロチョウでもないヘンテコリンで摩訶不思議で魅力的な蝶なのだ。

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奇妙な蝶:ホシシジミタテハ (香港特別行政区香港島、11月7日)

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Close-up view of Zemeros flegyas flegyas.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400



マネアトラフシジミ; Rapala manea

道路脇の灌木の梢で、すごいスピードで飛ぶシジミチョウを見つけた。

静止したので、一応撮影して調べてみると、 マネアシジミ あるいは マネアトラフシジミ と呼ばれるシジミチョウらしいが、自信がない(自信があるわけが無い)。

葉の上で開翅したチョウ(円内)をみると、翅表全体が青いのがわかる----オスだ。

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マネアトラフシジミ (香港特別行政区香港島、11月7日)

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Insert showing a male of Rapala manea resting on the leaf with the wings opened.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400



オジロイナズマ; Euthalia phemius seitzi

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オジロイナズマ♀ (香港特別行政区香港島、11月7日)

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A female of Euthalia phemius seitzi busking on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400



スジグロカバマダラ; Orange Tiger, Salatura genutia

歩いているとだんだん薄暗くなって、チョウが飛ぶ姿も見られなくなってしまった。こりゃあこれでジエンドかなと思い、ベンチに座ってボ~としていると、斜面の上部の林の縁でスジグロカバマダラが何頭もひらひら飛んでいた。

そこで、その斜面を登ってみると、驚いたことに10頭以上のスジグロカバマダラがふらふら飛んでいた。なるほど、この沢山のスジグロカバマダラたちは塒(ネグラ)を探しているのだ。

時間の経過とともに、スジグロカバマダラは細い枝などにぶら下がるようにして休止した。

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塒の枝に休むスジグロカバマダラ (香港特別行政区香港島、11月7日)

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Two Orange Tigers sleeping on the branch in the evening.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400

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スジグロカバマダラ (香港特別行政区香港島、11月7日)

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Orange Tiger
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400

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スジグロカバマダラ (香港特別行政区香港島、11月7日)

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Close-up view of Orange Tiger
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400



香港の風景; Landscapes of Hong Kong

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黄昏 (香港特別行政区香港島、11月7日)

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Twilight time of Hong Kong
Olympus EP-1, ZD17mm, ASA200


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夜景 (香港特別行政区香港島、11月7日)

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Night view of Hong Kong
Olympus EP-1, ZD17mm, ASA200


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水上レストラン"Jumbo" (香港特別行政区香港島、11月7日)

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Restaurant “Jumbo”
Olympus EP-1, ZD17mm, ASA200


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§ Afterword §

今回のフィールド散歩は数時間のみで、夕日との競争になってしまった。でも、陽が落ちても山の散歩道はとても安全で、土曜日とあって沢山の家族連れやカップルなどがいつまでも散歩を楽しんでいたのがとても優雅に見えたし印象的でもあった。

香港にはトレッキングコースが沢山あるので、いつかゆっくりと散策してみたいものである。


香港がイギリスから中国に返還され、中国の1部となってから12年も経つが、今でも中国から香港に入るには入国手続きが必要だし、欧米人の数も非常に多い、そして通貨も香港ドルのままである。虫林は返還前に1度訪れているが、その時の雰囲気とはやはり異なるものの、中国、中国という雰囲気とはかけ離れている。香港は今でも超一級の国際都市だ


これで、中国散歩は終了


なお、中国への出発直前(2日前)に、香港のポイントについて突然お尋ねしたにもかかわらず、快く情報をご教示していただいたfanseabさんに御礼申し上げます。この情報が無ければ、香港では食べて終わりでした。

-----う~、留守中に仕事がたまっているぞ~。 Never mind!




以上、 by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2009-11-15 16:57 | Comments(16)

20091106 続中国南部の散歩:ランタナの花に舞う妖婦たち

Nature Diary #0288
Date: November 6th (Friday), 2009
Place: Nanning in China
Weather:Fine



<夢と現実の狭間>

子供の頃、図鑑を眺めながら奇怪な形の甲虫や極彩色の南国のチョウたちに出会うことをいつも夢想していた。時は過ぎ、中国の最南部、ベトナムとの国境に近いここ南寧市の郊外の山で、美しい南国のチョウたちが飛び回る姿を実際に見ることができた。

しかし、人間の記憶とははかなくも頼りないもので、目の前で見ている光景も、やがて山が霧に包まれるように次第に忘れていくことになるのだろう。そうだ、今のうちにこのささやかな現実の断片だけでも拙ブログNature Diary (ND) に書き留めておこう。



§ Diary §

ガジュマル; Chinese banyan

青秀山では所々でガジュマルの木を見かけた。

ガジュマルという名はてっきり英名かと思っていたら、本来は沖縄の地方名らしい。この木の正式な英名は banyan という----ん! どこかで聞いた名だね。

11月とはいえ、じっとしていると汗が額からにじみ出てくる。照りつける午後の日差しを避けるために、ガジュマルの木がつくるわずかな木陰に隠れるように佇み、タオルで顔の汗を拭きながら、少し離れた場所にあるランタナやブーゲンビリアの花に飛来する南国のチョウたちを待った。ウーム、ここはやはり南国。

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ガジュマルの木陰 (広西チワン族自治区南寧市青秀山、11月6日)

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I took some rest in the shade of this Chinese banyan tree. and watched the butterflies coming over to the flowers of Lantana.
Olympus EP-1, ZD17mm, f3.2, 1/320, ASA200



妖婦アカネシロチョウ; Red-base Jezebel, Delias pasithoe curasena

灌木の周りをヒラヒラと蛾のように飛ぶシロチョウが少し先の葉上に静止したので、あわてて駆け寄った。見ると鮮やかな赤と黄色のツートン模様の翅裏が目に飛び込んできた。

東南アジアに広く分布するカザリシロチョウの仲間のアカネシロチョウだった。

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葉上で休むアカネシロチョウ (広西チワン族自治区南寧市青秀山、11月6日)

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A Red-base Jezebel resting on the leaf with the wings closed.
Olympus E-3, Sigma 150mm, f3.5, 1/320, EV-0.7, ASA400


カザリシロチョウの属名の Delias とは“妖婦”を表す言葉で、妖しいまでの美しさをもち、男を惑わす女性あるいは魔女を意味する。すなわち彼女(カザリシロチョウ)たちは、その美しさで純心なチョウの愛好家を惑わしてしまうのだろう。

虫林などは、この妖婦にかかればイチコロのコロだね。

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ランタナで吸蜜するアカネシロチョウ (広西チワン族自治区南寧市青秀山、11月6日)

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A Red-base Jezebel feeding on the flowers of Lantana
Olympus EP-1


アカネシロチョウの翅表は意外に地味というかシンプルであまり面白みはない。しかし、翅裏は鮮やかな赤や黄色が配されて、悪くいえば厚化粧、良くいえばピカソの油絵でも連想するようなあでやかさがある。

このチョウは鳥があまり食べないと聞くが、真偽のほどは定かではない。

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葉上で休むアカネシロチョウ (広西チワン族自治区南寧市青秀山、11月6日)

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Close-up view of Red-base Jezebel resting on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm, f3.5, 1/320, EV-0.7, ASA400



ベニモンシロチョウ; Delias hyporata heirte

しばらく他の場所を散策してから戻ってみると、前述のアカネシロチョウに負けず劣らず派手なシロチョウがランタナの花に吸蜜にやってきた。このチョウの色合いはアカネシロに似てなくもないが、模様は全く異なるので別種とすぐにわかる。

後で調べてみると、このチョウはベニモンシロチョウという名前で、東南アジアを中心に分布するようだ。やはりアカネシロと同様に Delias に属する 妖婦 の仲間だった。

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吸蜜するベニモンシロチョウ (広西チワン族自治区南寧市青秀山、11月6日)

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A butterfly named Delias hyporata heirte feeding on the flowers of Lantana.
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


こちらの妖婦もチョウの愛好者を惑わす魅力を十二分に持っているようだ。写真家にとってはPhotogenicなシロチョウといえるだろう。

動きが遅いので撮影は楽だが、なかなかポーズが決まらなかった。

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ベニモンシロチョウ (広西チワン族自治区南寧市青秀山、11月6日)

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A close-up view of Delias hyporata feeding on the flowers of Lantana.
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



リュウキュウムラサキ; Varied Eggfly, Hypolimnas bolina

リュウキュウムラサキのメスが吸蜜にやってきた。

一般的にチョウのオスとメスの数はほぼ同じかオスの方が多いのが通常だが、このリュウキュウムラサキはオスよりもメスが圧倒的に多いといわれている。メスが多ければ、オスがメスをた易く見つけることができるので楽だろうな。

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吸蜜するリュウキュウムラサキ♀ (広西チワン族自治区南寧市青秀山、11月6日)

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A female of Varied Eggfly feeding on the flowers of Lantana.
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


少し吸蜜した後、近くの木の葉上で翅を開いて日光浴(?)を始めた。なかなかフレンドリーな個体なので、近づいて閉翅ポーズを撮影した。

リュウキュウムラサキのメスの色彩は個体変異が非常に多いことが知られている。虫林はあまり派手なものよりもこのくらいの雰囲気のある色彩が好ましいと思う。

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葉上で休むリュウキュウムラサキ♀ (広西チワン族自治区南寧市青秀山、11月6日)

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A female of Varied Eggfly resting on the leaf with the wings opened.
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



アオスジアゲハ; Common Blue Bottlel, Graphium sarpedon

センダングサの花にアオスジアゲハが吸蜜に訪れた。

この地のアオスジアゲハは亜種になるのだろうか。色彩の違いを少し期待したが、日本で見る個体とほとんど差がないように見える。

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アオスジアゲハ (広西チワン族自治区南寧市青秀山、11月6日)

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A Common Blue Bottlel which is not different with Japanese one in macroscopic findings feeding on the flowers.
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



ルリモンジャノメ; Elymnias hypermrestra hainana

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ルリモンジャノメ (広西チワン族自治区南寧市青秀山、11月6日)

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A Elymnias hypermrestra hainana resting on the leaf
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



ヒメシルビアシジミ; Elymnias hypermrestra hainana

何の変哲もない草地で小型のシジミチョウを撮影した。当初はヤマトシジミかと思ったが、後で写真を見るとシルビアシジミの斑紋にそっくりだ。でも、撮影した場所にはシルビアシジミの食草であるミヤコグサなどは無かったように思う。

南国のシルビアは現在では別種になり、ヒメシルビアシジミとされている。

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ヒメシルビアシジミ (広西チワン族自治区南寧市青秀山、11月6日)

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A small blue named Elymnias hypermrestra hainana recently recognized as a different species.
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



アカギカメムシ; Cantao ocellatus

美しい色彩のアカギカメムシの集団を葉裏で見つけた。このカメムシは奄美大島以南に分布する南国の虫なので、ここ南寧で見つけても不思議はない。

よく見るとこの木の葉には所々でこのカメムシが集まっているのがわかった。

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アカギカメムシ (広西チワン族自治区南寧市青秀山、11月6日)

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A Cantao ocellatus resting on the leaf in group.
Olympus EP-1


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§ Afterword §

午後4時過ぎに始まるだろう夕方の吸蜜タイムまで粘ろうと思っていたが、少し疲れたので、軟弱な虫林はホテルに戻ることにした。考えてみれば、南寧は観光地としては日本で知られていないので、特別な用事でもなければ将来的に訪れることはないだろう。

でも、次回に訪れた時には、是非ともベトナムの近くの山岳地帯でゆっくりとチョウの撮影にいそしんでみたいものである。


中国最後は香港に移動した。あまり蝶は撮影できなかったが、気力があれば後日アップする。



以上、 by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2009-11-14 00:16 | Comments(16)

20091106 中国南部の散歩:ランタナが咲く山、ルリモンアゲハ

Nature Diary #0287
Date: November 6th (Friday), 2009
Place: Nanning in China
Weather:Fine



§ Diary §

学会の最終日は、すべてのセッションが午前中で終了し、午後からは excursion の予定。

そこで同行のK君とNa君が発表する午前中のセッションが終了後、虫林単独でフィールド散歩に出ることにした。時間的にかなりタイトなので遠い場所に行くことはできないが、とにかく近場で林があれば何とか蝶の撮影ができるだろう--------気楽。


<青秀山にて>
学会場の広西医科大学からタクシーで20分ほどの距離にある 青秀山 を訪れた。この山は山全体が公園化してかなり人の手が加わっているが、現地案内のNさんによれば、自然の亜熱帯雨林も少しは残っているとのことだった。

青秀山の入り口でタクシーから降り、バスに乗り換えて公園内の良さそうな場所で降りた(ここのバスは好きな場所でおりて、好きな場所で乗れるのでとても便利だった)。

鬱蒼とした亜熱帯林の中の長い階段を汗をかきながら登っていくと、突然目の前が開けてお寺の裏に出た。さっそく、入り口に周ってみると、このお寺は 観音禅寺 という名前で、900年前の宋の時代に建てられた由緒あるものらしい。

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観音禅寺(南寧市青秀山、11月5日)

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A temple of Zen in Nanning.
Olympus EP-1

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観音禅寺(南寧市青秀山、11月5日)

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A temple of Zen in Nanning.
Olympus EP-1


この寺の周りは亜熱帯雨林といえるような南国の植物が多く、奇怪な形のガジュマルの木や美しいブーゲンビリアの赤い花などが目立つ。

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ブーゲンビリアの花(青秀山、11月6日)

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Tropical flower “Bougainvillea”
Olympus EP-1



ツマベニチョウ; Great Orange

大きなブーゲンビリアの花を見上げていると、しばしばツマベニチョウが樹上に飛来した。

しかし、彼らは 韋駄天 のような速さで飛びまわるだけで、決して花に立ち寄って吸蜜することはなかった。すでにお昼近くなので、花で吸蜜するよりも探雌飛翔あるいは別のことに興味が移ってしまったのかもしれない。

この素晴らしい Great Orange が目の前に何度も飛んでくれば、虫林の心臓は高鳴り、血圧が上昇し、髪の毛が逆立ってしまう。何とか撮影したいと思い、満開のブーゲンビリアの花の前でしばらく粘ってはみたが無駄だった。

飛来しては飛び去る彼らをただただ見上げていた------。

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ツマベニチョウ Great Orange
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何度もブーゲンビリアの花上に飛来するが、吸蜜すること無飛び去った (青秀山、11月6日)

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A Great Orange flying over the flower of Bougainvillea
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



ルリモンアゲハ; Paris Peacock、Papilio paris

大きなブーゲンビリアの傍で運良く満開のランタナの花を見つけた。注意深く探してみると小規模ながらもランタナの群落が他にも数か所あったので、ブーゲンビリアとランタナの群落を交互に見まわりながら蝶が飛来するのを待ってみた。

待つこと15分、突然、後翅表面の大きな青紋を点滅させながらルリモンアゲハが訪れてくれた。今回、ルリモンアゲハを撮影したかったので、心の中で小さくガッツポーズ。

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ルリモンアゲハ Paris Peacock
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青い紋を点滅させて美しいルリモンアゲハが吸蜜に訪れてくれた (南寧市青秀山、11月6日)

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A Paris Peacock feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


ルリモンアゲハは東南アジアに広く分布する種類のようであるが、地域によりその斑紋や色に違い(地域変異)があることが知られている。

以前に台湾で撮影した個体は、今回のものと比較して紋の形や色が異なるようにみえる (台湾産は後翅表面の紋がここのものよりも緑っぽいかな?)(NDの台湾の記事にジャンプ)。

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ランタナの花で吸蜜するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A Paris Peacock feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


ランタナの花は蝶(とくにアゲハ類)が好んで集まるのだ(以前に訪れた南米でもペナン島でも、南インドでもこの花を見つけて良い思いをしている)。そういえば、ランタナはもともと南米や南欧州が原産らしいが、東南アジアでも雑草化して分布を広げているらしい。

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ランタナの花で吸蜜するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A Paris Peacock feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


ルリモンアゲハの裏面を見るとまさしくカラスアゲハとそっくりさんだ。ルリモンアゲハとカラスアゲハが同じ仲間であることが良く分かる。

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ランタナの花で吸蜜するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A Paris Peacock feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


吸蜜するルリモンアゲハの拡大写真を撮影してみた。

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ランタナの花で吸蜜するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A Paris Peacock feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


翅を完全に開くのは難しいので、吸蜜して翅を開いた瞬間をねらってシャッターを切った。翅表の両面がうまく撮影できたのはこの1枚だけだ。

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ランタナの花で吸蜜するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A Paris Peacock feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


<飛翔>
広角レンズでの飛翔写真はなかなか撮影できなかったが、150mmの望遠マクロで吸蜜している個体を撮影しようとねらっていると、飛翔の良いチャンスが何度かあった。

この写真は吸蜜に訪れたルリモンを撮影したが、花に静止して蜜を吸う前にすでにストローを伸ばしているのがわかる。多分、多くの蝶で同じなのだろう。

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飛翔するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A flying feature of Paris Peacock
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400

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飛翔するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A flying feature of Paris Peacock
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



シロオビアゲハ; Common Mormon、Papilio polytes

シロオビアゲハも時々ランタナの花で吸蜜してくれた。この個体は素晴らしく新鮮なので、ファインダーを見ながら唸ってしまった。

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シロオビアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A Common Mormon feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


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§ Afterword §

南寧市は以前のブログでも書いたように、ビルが立ち並ぶ大きな都市なので、大学のキャンパス内で蝶の写真など望むべきも無かった。実際に内部を歩いてみても蝶など1頭もみなかったのだ。そこで、おおむね半日の間ではあったが、少し郊外に位置する青秀山を訪れてみた。

散歩といっても、ポイント見つけて数種類の蝶の撮影ができればいいなくらいの気楽なものだったので、ランタナの花で何種類かを撮影できたときにはとても嬉しかったのだ。


次回はカザリシロチョウなどをアップしようと思います





以上、 by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2009-11-09 22:57 | Comments(18)

20091105 中国南部の散歩 (広西チワン族自治区南寧市)

Nature Diary #0286
Date: November 6th, 2009
Place: Nanning in China



§ Diary §

中国の広西チワン族自治区(Guangxi)の南寧市(Nanning)を訪れた。

成田空港から日本航空(JAL)で香港に行き、そこで中国南方航空に乗り換えてやっとこ南寧空港に到着したのは夜だった------やはり疲れた。そもそも九州の出張から帰宅したのが出発の2日前で、さらに出発前夜は発表の準備などでほとんど寝ていなかったのだから。

南寧空港に到着すると、さすがにベトナムに近い南部の町らしく、どことなくどんよりとして、かすかな匂いを含んだような生暖かい空気につつまれた。

♪♪ 思えば遠くに来たものだ ♪♪

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夜の南寧空港(南寧市、11月4日)

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Nanning airport
Olympus EP-1, ZD17mm, ASA200


もともと中国の地理とくに南部にはそれほど詳しいわけではないので、南寧市ばかりか広西チワン族自治区までも知らなかった-----無知。 そこで中国からの留学生のM君やN君に広西や南寧の様子を聞いてみたところ、暖かくて非常に美しい場所との返事がかえってきた。都合の良い空想癖がある虫林は、隣の雲南省の写真などで見る美しい田園や山々の風景をかってに思い描いていた。

しかし、あにはからんや実際に見る南寧市は大きなビルが立ち並ぶ近代的な都市だった。これではまるで上海や北京のようである。どうやら南寧市はベトナムへの玄関口として近年急速に発展したらしい。

「百聞は一見にしかず」とはまさしくこのことだ。

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ホテルの窓から見た南寧市の朝の風景(南寧市、11月5日)

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A morning landscape of Nanning from the window of hotel
Olympus EP-1, ZD17mm, ASA200


学会は広西医科大学(Guangxi Medical University)のキャンパス内の講堂で行われた。

中国の大学は一学年の学生数も日本に比べてとても多く、また学生はすべてキャンパス内の寮で生活する。したがって、大学キャンパスの大きさは日本の大学よりも一般に大きいといえるが、例にもれず広西医科大学のキャンパスもとても広くて綺麗だった。

講堂への入口にビニールの「赤いアーチ」があった。このアーチはたぶん御目出度いことを知らせる門あるいは広告看板のようなものと推察するが、実際の意味は虫林にはわからない。

学会会長のS教授(女性)とはお互いに再会を喜んだ。

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赤いアーチ(南寧市、11月5日)

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A red arch
Olympus EP-1, ZD17mm, ASA200


今の中国は経済不況などどこ吹く風で、どこにいっても建設ラッシュで元気が良い。しかし、車の増加や工場の煙などによる大気汚染はかなり厳しく、急速に発展した都市の空にはいつもスモッグがかかっている。

大学の部屋での会議室から外をみると、驚いたことに学生寮のビルの屋上に太陽発電のための黒い板が並べられていた-----なぜか少し意外な感じがした。

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学生寮(南寧市、11月5日)

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Student dormitories
Olympus EP-1, ZD17mm, ASA200


昼食は大学構内の食堂でバイキング。

とにかく、学生の数は非常に多い。彼らは一般に真面目で真剣に勉強しているようにみえる。食事の時に彼らの日常生活を聞いてみたところ、学生寮では一部屋に6人が同居し、部屋にはテレビなどの娯楽は無いそうだ。ましてテレビゲームなど無い。それでも、虫林には彼らが生き生きとして楽しそうに見える。

その国の将来は学生の姿を見ればわかると思う----日本は一体どうなるのだろうか?

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大学の食堂(南寧市、11月5日)
 
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University restrant
Olympus EP-1, ZD17mm, ASA200


大学構内を散策してみると、池と橋を見つけた。そこはこの大学の象徴ともいえる場所らしく良い雰囲気を出している。何となく英国のケンブリッジ大学あたりを模倣しているように見えなくもない。

しかし、水がどうしようもなく汚いのはいただけないね。

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大学構内の池と橋(南寧市、11月5日)
 
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A pond with bridge
Olympus EP-1, ZD17mm, ASA200


キャンパス内は広いので学生たちは自転車で移動する。最近、中国では自転車よりもバイクや電動自転車が急速に普及しているみたいだ。

最近、中国のどこの都市でも、以前のような自転車軍団を見ることが無かったので、大学構内での自転車の群れは何となく懐かしく感じてしまう。

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キャンパス内の自転車の群れ(南寧市、11月5日)
 
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A landscape of university campus
Olympus EP-1, ZD17mm, ASA200


中国の学会に出席すると、とにかく懇親会がやたら派手だ。ツワン族の衣装を着た女子学生たちの踊りや歌もなかなか見事だった。

椅子の脚以外の四足は何でも食べる中国なので、何が出されるのか楽しみでもあるし、少し不安でもある。今回はザリガニ(多分)が目を引いた。ザリガニは少し甘辛く味付けされていたが、食べてみるとあまり癖はなくて淡白な味がした。

でも、他においしいものが並んでいれば、好んでザリガニを食べようとは思わないが-----。

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ザリガニ(南寧市、11月5日)
 
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Cooked Crawfishes
Olympus EP-1, ZD17mm, ASA200


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§ Afterword §

このところの週末は非常に忙しくて、フィールド散歩も全くできずにブログも休止状態だった。まあ、この中国出張で一段落なので、これからゆっくり散歩するのが楽しみだ。

南寧では学会最終日のExcursion には参加しないで、南寧市郊外を少し散歩した。そこでチョウを数種類撮影できたので、次回にアップすることにする。



以上、 by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2009-11-08 21:10 | Comments(4)