NATURE DIARY

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20100727 北アルプス散歩

Nature Diary #0338
Date: July 27 (Tuesday), 2010
Place: Nagano
Weather: Fine




§ Diary §

本日(火曜日)は一日夏休みをとり、ダンダラさん と北アルプスに行くことにしました。
毎年訪れる場所でも、その度に新たな発見があって楽しいものですね。



オオイチモンジ; Poplar Admiral

現地の人の話では、昨日は雨だったということですが、オオイチが集まる道路には水たまりも無く、カラカラに乾燥していました。せめてもの抵抗に、ペットボトルに川の水を入れて、地面に振りまきましたが、文字どおりの「焼け石に水」でした。

結局、ここではダンダラさんがオオイチのオス1頭を見つけて呼んでくれましたが、あまり近接撮影もできないままにいなくなってしまいました。写真はこれでもトリミングしています。

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#1: オオイチモンジ♂

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A male of Poplar Ademiral feeding minerals from the ground.
Olympus E-3, ZD50mm Macro,EC-14, ASA200、Trimming (+)
(2010-July-27, Nagano)



本命のメスが一回だけ下に降りてきましたが、すぐに木の梢に飛び去ってしまいました。

ドロノキやヤナギなどの樹木の梢を悠々と滑空するオオイチモンジの♀の姿はいつ見ても、何度見ても、何歳になっても、胸がドキドキしてしまいます。

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#2: ドロノキの梢を滑空するオオイチモンジ♀

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A female of Poplar Ademiral flying in the treetops.
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14, ASA200、Trimming (+)
(2010-July-27, Nagano)




ツマジロウラジャノメ; White-tipped Woodland Brown

クガイソウの花にツマジロウラジャノメが吸蜜に訪れていました。

ツマジロウラジャノメでは、吸蜜に来るのはメスが多いと思っていましたが、オスもやはり吸蜜にくるみたいです。認識を改めました。

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#3: クガイソウの花で吸蜜するツマジロウラジャノメ♂

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A male of White-tipped Woodland Brown feeding on the flower.
Olympus E-3, ZD50mm Macro,EC-14, ASA200
(2010-July-27, Nagano)



ツマジロウラジャノメは崖のある林道では、しばしば見ることができました。

見ていると、ユラユラと崖に沿って飛んで、なかなか静止してくれません。しばらく見ているとやっと道路上に止ってくれました。日光浴なのか地面のミネラルを摂っているのかは良く分かりませんでした。

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#4: ツマジロウラジャノメ♂

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A male of White-tipped Woodland Brown basking on the ground.
Olympus E-3, ZD50mm Macro,EC-14, ASA200
(2010-July-27, Nagano)




アサマ(ヤリガタケ)シジミ; Lycaeides subsolana

北アルプス梓川沿いのアサマシジミはヤリガタケシジミという名前で呼ばれます。以前は高山蝶に含まれていて、通常のアサマシジミとは別種として扱われていたというエピソードが知られていますね。


何度か休みながら、ポイントに到着すると、ほどなくタイツリオウギの花の周りで、独特の色合いのブルーを見つけることができました。

今年も元気な姿を見ることができました----嬉しい。

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#5: タイツリオウギで吸蜜するヤリガタケシジミ♂

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A male of Sky Blue nectering on the flower of feeding plant, Taitsuriougi.
Olympus E-3, ZD50mm Macro,EC-14, ASA200
(2010-July-27, Nagano)

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#6: タイツリオウギで吸蜜するヤリガタケシジミ♂

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A male of Sky Blue nectering on the flower of feeding plant, Taitsuriougi.
Olympus E-3, ZD50mm Macro,EC-14, ASA200
(2010-July-27, Nagano)

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#7: タイツリオウギで吸蜜するヤリガタケシジミ♂

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A male of Sky Blue nectering on the flower of feeding plant, Taitsuriougi.
Olympus E-3, ZD50mm Macro,EC-14, ASA200
(2010-July-27, Nagano)

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#8: タイツリオウギで吸蜜するヤリガタケシジミ♂

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A male of Sky Blue nectering on the flower of feeding plant, Taitsuriougi.
Olympus E-3, ZD50mm Macro,EC-14, ASA200
(2010-July-27, Nagano)




今までオスは何度か撮影しましたが、メスは未撮影でした。そこで、今回是非ともメスを撮影したいと思っていましたが、幸いなことに、何頭かの♀も見つけることができました。

オスに比べると茶色でかなり地味な印象です。

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#9: タイツリオウギで吸蜜するヤリガタケシジミ♀

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A female of Sky Blue nectering on the flower of feeding plant, Taitsuriougi.
Olympus E-3, ZD50mm Macro,EC-14, ASA200
(2010-July-27, Nagano)

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#10: タイツリオウギで吸蜜するヤリガタケシジミ♀

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A female of Sky Blue nectering on the flower of feeding plant, Taitsuriougi.
Olympus E-3, ZD50mm Macro,EC-14, ASA200
(2010-July-27, Nagano)




カラスアゲハ♀; Bianor Peacock


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#11: アザミで吸蜜するカラスアゲハ♀

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A female of Bianor Peacock nectering on the flower of thistle.
Olympus E-3, ZD50mm Macro,EC-14, ASA200
(2010-July-27, Nagano)

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#12: カラスアゲハ♀

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A female of Bianor Peacock nectering on the flower of thistle
Olympus E-3, ZD50mm Macro,EC-14, ASA200
(2010-July-27, Nagano)

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#13: カラスアゲハ♀

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A female of Bianor Peacock nectering on the flower of thistle
Olympus E-3, ZD50mm Macro,EC-14, ASA200
(2010-July-27, Nagano)



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§ Afterword §

今回、オオイチモンジの♀の撮影が第一の目的でしたが、証拠写真程度に終わってしまいました。でも、発生は確認できたので機会があればまた訪れてみたいと思っています。

やはり、オオイチのメスの飛ぶ姿は、いつ見ても興奮してしまいます。



今回はヤリガタケシジミも撮影できましたが、このチョウは棲息場所は非常に限られています。
したがって、棲息ポイントについてのお尋ねにはお答えできません





以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-07-30 06:24 | Comments(24)

20100725 富士山麓散歩:スミナガシほか

Nature Diary #0337
Date: July 25 (Sunday), 2010
Place: Place: Mt.Fuji in Yamanashi
Weather: Fine



<Pomera DM20>

最近、ポメラ Pomera という名前の小さくて安価な機器を衝動買いしました。これはワープロ機能だけのデバイスで、大きさが電子辞書程度ですから持ち運びが全く苦になりません。

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Pomera DM20 (バックは通常のパソコンのキーボード)

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目的は空いた時間に文章を書くことで、とくにブログの下書きに使用しようと考えています。また、カレンダーにタイムスタンプ機能が付いているので、登山やフィールド散歩の時の記録などに利用できそうです。



§ Diary §

最近、少々夏バテ気味。

朝はゆっくりと起きて、食事をしながら本日の散歩先をうらうらと考えました(このうらうら時間が虫林には何とも贅沢に思えて好きです)。結局、遠出は止めて昨日訪れて様子がわかっている富士山麓に再び出かけることにしました。


スミナガシ; Constable

駐車スペースに車を止め、草原に向かう林の中の小径を歩いていると、黒っぽいタテハチョウが足下から飛び立ちました。かなりのスピードで旋回飛翔する姿を必死で目で追っていると地面に静止してくれました。

どうやら地面に残された動物の落とし物(獣糞)で吸汁しているようです。そこで、ゆっくりと近づいてその蝶を観察してみるとスミナガシでした。たしか、数年前にここで papilabo さんがスミナガシを撮影されているので、いても不思議ではありません。

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#1: 地面に静止するスミナガシ

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A male of Constable feeding on the animal scat.
Olympus E-620, ZD8mm FISHEYE,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)



リュックの中を探したら、幸いにして虫の目セット(Gyorme-8、ディフューザーなど)がしっかり入っていましたので、久しぶりに「虫の目撮影」をしてみようと思い立ちました。

虫の目で撮影すると、スミナガシのストローが赤くて太いのには驚きます。 

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#2: 動物の糞で吸汁するスミナガシ

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Insect eye image of a male of Constable feeding on the animal scat.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, gyorome-8, ASA200, Strobe(+)
(2010-July-25, Yamanashi)



スミナガシが静止した場所を、木漏れ日がスポットライトのように照らして、何とも怪しげな雰囲気を醸し出していました

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#3: 葉上に静止するスミナガシ

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A Constable resting on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)




ミヤマカラスシジミ; Mera Black Hairstreak

友人のポンポコ山本さんによれば、富士山麓のミヤマカラスシジミはクロツバラを食べるので、他の地域のものよりも大きい個体が多いそうです。なるほど、言われてみれば、確かに富士山麓のミヤマカラスシジミは他で見る個体よりも有意に大きいと思いました。

蝶を強調するためにストロボ発光しました。

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#4: クロツバラの葉に静止するミヤマカラスシジミ

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A Mera Black Hairstreak resting on the leaf of feeding plant, Kurotsubara.
Olympus E-620, ZD12-60mm, ASA200, Strobe (+)
(2010-July-25, Yamanashi)



新鮮なミヤマカラスシジミは美しい。

ところで、樹上性であるカラスシジミやミヤマカラスシジミは、どうしてゼフィルス Zephyrus の仲間に入れてもらえなかったのかな?

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#5: クロツバラの葉に静止するミヤマカラスシジミ

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A Mera Black Hairstreak resting on the leaf of feeding plant, Kurotsubara.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)



メスが動き出したので、おかしいなと思っていたら、案の定、おもむろに腹部を曲げて産卵行動を始めました。

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#6: クロツバラの枝に産卵するミヤマカラスシジミ

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A female of Mera Black Hairstreak egg-lying on the leaf of feeding plant, Kurotsubara.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)




ホシチャバネセセリ; Japanese Scrub Hopper

泥状の地面に蝶たちが吸水に集まっていました。

集合メンバーは、キチョウ、スジグロシロチョウ、ホソバセセリなどで、さらに小さなホシチャバネセセリも2頭吸水に来ていました。

しばらくすると、ホシチャが近くの葉上に移りました。

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#7: 葉上に静止するホシチャバネセセリ

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A Japanese Scrub Hopper perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD8mm FISHEYE,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)

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#8: ススキの葉上に静止するホシチャバネセセリ

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A Japanese Scrub Hopper perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)




クロシジミ; Gray-pointed Pierrot

昨日の標高が低い場所では、クロシジミはすでに古くなっているようでした。しかし、この高原では、まだまだ新鮮な個体をみることができました。

クロシジミは行動がゆっくりなイメージがありますが、どうしてどうして、飛翔はむしろゼフィルス類よりも速いかもしれません。すでに日が高いので、クロシジミのオスの占有(テリトリー)行動があちらこちらで繰り広げられていました。

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#9: 枝先でテリトリーを張るクロシジミ♂

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A male of Gray-pointed Pierrot perching on the branch
Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)

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#10: ススキの葉上に静止するクロシジミ♂

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A male of Gray-pointed Pierrot perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)



メスの裏面はなかなか模様が面白く、個体によって違いがみられるようです。

d0090322_20565354.jpg
#11: クロシジミ♀

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A male of Gray-pointed Pierrot perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)

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#12: クロシジミ♀

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A male of Gray-pointed Pierrot perching on the leaf.
Olympus E-3, ZD50mm MACRO,EC-14, ASA200
(2010-July-25, Yamanashi)



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§ Afterword §

今回は昨日の再訪で、撮影した蝶の種類が一緒ということもあり、こちらで蝶を供覧することにしました。この時期の高原はなかなか蝶の個体数が多くて散歩にはなかなか良いことを再認識した次第です。

富士山麓の草原を歩いていたら、 C大学の H氏 とお会いすることができました。虫林の駐車していた車があったので、きてくれたそうですが、3年ぶりの再会でとても懐かしかったです。


このブログは購入した Pomera で下書きしてみましたが、小さい割にあまりストレスなく文章が書けました。なかなか優れもののようです。






以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-07-28 21:09 | Comments(11)

20100724 災い転じて福 :アサカミキリ

Nature Diary #0336
Date: July 24 (Saturday), 2010
Place: Kanagawa
Weather: Fine




§ Diary §

今回、Banyanさん、ダンダラさん、ヘムレンさんとご一緒して、まだ未撮影のキリシマミドリシジミに挑戦することになりました。今までキリシマミドリはトライすることもなかった高嶺の花(蝶?)ですので、いそいそと待ち合わせ場所の H に馳せ参じた次第です。



アサカミキリ; Thyestilla gebleri

日本では大麻取締法が昭和23年に制定され、大麻の所持、栽培、譲渡などが禁止されました。それに伴って、日本国内から麻(大麻)が消え、麻を主な食草としているアサカミキリも激減してしまいました。今では環境省のレッドデータブックで準絶滅危惧種(神奈川県版では絶滅危惧種I類)となっています。


神奈川県の H にはアサカミキリが棲息していることを、以前に記事で読んだことがあります。

せっかく H で待ち合わせということなので、少し早めに現地に到着して、適当な場所で今まで見たことがないアサカミキリを探してみることにしました。

待ち合わせ場所から程近い草原を1時間ほど歩いてみましたが、案の定、アサカミキリは見つけることができませんでした(世の中そんなに甘くはありませんね)。とにかく、本日の本来の目的はアサカミキリではないので(キリシマミドリシジミ)、ここは潔く諦めて、待ち合わせ場所に向かおうとした時、Banyanさんから電話がはいり、「東名で事故渋滞のために待ち合わせ時間にはかなり遅れる」とのことでした。

「やれやれ事故渋滞とは可哀そうに」と思いながら、一方では、ウーム、これでもう一度ゆっくりとアサカミキリを探すことができる-----ラッキー、Thanks Banyan!

さらに、しばらく探すと1頭の黒っぽいカミキリムシがヨモギの葉上に静止していました。
それはまさしく目的のアサカミキリでした!

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#1: ヨモギ葉上のアサカミキリ

A long-horned beetle, Thyestilla gebleri , resting on the leaf.
Olympus E-3, ZD70-300mm, ASA400
(2010-July-24, Kanagwa)



アサカミキリは黒地に白い線が走り、なかなかノーブルな感じがします。

ここのアサカミキリは、食草を麻からアザミ、ヨモギに変えて生き延びたと思われますが、やはり個体数はかなり少ないようでした。

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#2: ススキ葉上のアサカミキリ

A long-horned beetle, Thyestilla gebleri , resting on the leaf.
Olympus E-3, ZD70-300mm, ASA400
(2010-July-24, Kanagawa)



結局、Banyanさんとダンダラさんは東名高速の事故渋滞のためにかなり遅れるということで、キリシマミドリシジミのポイントには、虫林が一人で先に行くことになりました。

ポイントでは神奈川の撮影者の方とお会いして色々と話しながら時間をつぶしました。しばらくしてbanyanさんとダンダラさんもやっと無事合流して一緒に探しましたが、キリシマミドリシジミの姿は1度も見つけることができませんでした。

ポイントの近くの道路で綺麗なヤマユリを見たことがせめても慰めかな。

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#3: ヤマユリ

Mountain lily
Olympus E-620, ZD12-60mm, ASA200
(2010-July-24, Kanagawa)




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§ Afterword §

結局、本日はキリシマミドリの撮影は諦めした。

キリシマミドリを見ることが出来なかった理由は、今年の発生が例年に比べてかなり遅れているためと思われました。

キリシマミドリのポイント後にして、別な場所で待機していたヘムレンさんをピックアップし、クロシジミポイントに少し立ち寄った後、ホシチャバネセセリとミヤマカラスシジミを撮影しました(結果は同行した方のブログを見てください)。



「チョウの撮影は時の運」です。
Banyanさん、ダンダラさん、ヘムレンさん、本日はご苦労様でした。






以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-07-26 12:13 | ■カミキリムシ | Comments(18)

20100718 北アルプス散歩:ハイマツ仙人と山のムスメ

Nature Diary #0335
Date: July 18 (Sunday), 2010
Place: Nagano
Weather: Fine




<蝶の道>
希代のナチュラリスト 故・田淵行男 が愛した一の沢から常念乗越への道。

次から次へと 色とりどりの蝶に出迎えられ見送られて
心も弾む常念一の沢 朝の道
装いを競い 模様を凝らして蝶の飾る希望の夏山 蝶の道


(田淵行男著 安曇野の蝶より)


虫林が初めて「蝶の道」を辿ったのは4年前(2006年)の8月初旬でした。以後、なかなか訪れる機会に恵まれませんでしたが、今年は天気も良さそうなので意を決してもう一度チャレンジしてみることにしました。ちなみに田淵はその生涯で 206回 もこの道を辿ったとのことです-----驚きますね。

登山口から稜線までは、それなりに時間がかかってしまいましたが(虫林の足では5時間以上)、故・田淵行男をして「地史の落とし子たち」と表現された北アルプスの高山蝶たちに会うためだったら、このくらいの苦労は全く気にもなりません。屁の河童です(ウソ?)。

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§ Diary §

登山口から稜線まで、雪渓歩きや沢歩きを楽しみながら一人でゆっくりと登りました。何とかお昼頃には高山蝶が棲む稜線に出ましたが、暑さと疲れのために重いカメラを持って活動する気にもなれず、無理をせずに山小屋で一休みして体力回復を待ちました。

午後になって体力が回復し、いざ出陣と思ったら突然の雷雨-----ジエンド。


明けて翌朝は梅雨明けを思わせる素晴らしい天気になりました。

朝食後、蝶が飛ぶまでしばらく時間があったので、周囲の環境を見るために散歩することにしました。20分ほど登ったところで森林が突然切れて周囲が開けたので振り返ってみると、眼下に小屋とJ岳がまるで手に取るように一望できました。

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#1: 山小屋

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A (mountain) cottage in North Alps
Olympus E-620, ZD12-60mm, ASA200
(2010-July-18, Azumino-shi)




タカネヒカゲ; Asamana Arctic

タカネヒカゲは我が国の高山蝶の中で、その高地性は筆頭の座につく真の高山蝶です。

ちょうどこの時期、タカネヒカゲは発生の最盛期から少し終盤にかかったあたりのようで、オスもメスも盛んにハイマツの上を飛び回り、求愛飛翔などを繰り返していました。また、歩くとしばしば足下から突然飛び出して驚かされました。


一頭のメスが撮影にちょうど良さそうな石の上に静止しました。

「そのまま、そのまま、フリーズ、ドントムーブ」などと適当な言葉を呟きながら、E-620のバリアングルファインダーを駆使して広角撮影をしてみました。

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#2: 石の上に静止するタカネヒカゲ♀

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A female of Asamana Arctic resting on the stone in the background of Yarigatake.
Olympus E-620, ZD12-60mm, ASA200
(2010-July-18, Azumino-shi)



縦位置での槍ヶ岳バックのタカネヒカゲもゲットしました。

なかなかイメージ通りの写真というものは撮影できないことが多いのですが、撮影できた時にはとても嬉しいものです。(この写真は今年の虫林大賞候補かな)

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#3: 槍ヶ岳バックのタカネヒカゲ♀

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A female of Asamana Arctic resting on the stone
Olympus E-620, ZD12-60mm, ASA200
(2010-July-18, Azumino-shi)




日が高くなると、タカネヒカゲはハイマツの上をまるで遊んでいるかのように活発に飛び交っていました。田淵をしてハイマツ仙人 と呼ばれる意味が理解できますね。

この個体は紋がメスのようですが、翅の形は明らかにオスでした。

d0090322_222046.jpg
#4: ハイマツに静止するタカネヒカゲ♂

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A male of Asamana Arctic resting on dwarf stone pine.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA200
(2010-July-18, Azumino-shi)



コケが付いた石の上に静止すると、タカネヒカゲの翅裏は石の模様に完全に溶け込んでしまいます。「仙人」というだけあってカモフラージュの技に長けているようです。

「石化けの術」ですかね。


前述の田淵はタカネヒカゲの翅の模様がライチョウのものと良く似ていると指摘していますが、確かにそう言われてみると似ているような気がしてきます。このような環境でのカモフラージュという目的が翅の模様に反映されるのかも知れません。

d0090322_2561.jpg
#5: 石の上に静止するタカネヒカゲ

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A male of Asamana Arctic resting on the stone/.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA200
(2010-July-18, Azumino-shi)



高山蝶は晴れると敏捷に飛び回って、なかなか近接撮影をさせてくれません。本日は晴れている上に気温も高いので、蝶たちの活性は非常に高かったようです。

しかし、フレンドリーかつジェントルな蝶もいて、クローズアップ撮影を許してくれました。

d0090322_252223.jpg
#6: 石の上に静止するタカネヒカゲ

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A male of Asamana Arctic resting on the stone/.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA200
(2010-July-18, Azumino-shi)




ミヤマ(アルプス)モンキチョウ; Alpine Clouded Yellow

石の上に腰かけて常念小屋社長の山田恒男さんと話をしていた時に、一頭のミヤマモンキが飛んできて近くのミヤマダイコンソウの黄色い花で吸蜜を始めました。

d0090322_25381.jpg
#7: ミヤマダイコンソウの花で吸蜜するアルプスモンキチョウ♂

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A male of Alpine Clouded Yellow feeding on the flower in the background of North Alps.
Olympus E-620, ZD12-60mm, ASA200
(2010-July-18, Azumino-shi)



穂高連峰が一望できる場所まで登ってみると、ここでもアルプスモンキチョウが吸蜜に訪れていました。この時期にはミヤマダイコンソウの花が良い吸蜜源になっているようです。

その他、アルプスモンキチョウはコマクサやキバナシャクナゲなどの花でも吸蜜しましたが、これらの花での吸蜜時間は短すぎて撮影できませんでした---ウーム、残念。

d0090322_255397.jpg
#8: ミヤマダイコンソウの花で吸蜜するアルプスモンキチョウ♂

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A male of Alpine Clouded Yellow feeding on the flower in the background of North Alps.
Olympus E-620, ZD12-60mm, ASA200
(2010-July-18, Azumino-shi)




高山蝶は空が曇ると地面に静止します。その時はあまり敏感に飛び立たないのでゆっくりとクローズアップの写真を撮影出来ました。

このアルプスモンキチョウはピンクというよりも深紅の縁どり(縁毛)が何と言ってもチャームポイントです。この縁毛は飛び回っているうちに擦り切れてしまうので、蝶の鮮度がこの縁毛の状態で推し量ることが出来ますね。

d0090322_26841.jpg
#9: 地面に静止するアルプスモンキチョウ♂

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A male of Alpine Clouded Yellow resting on the ground.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA200
(2010-July-18, Azumino-shi)




崖の下にシナノキンバイの小群落を見つけて降りてみました。

滑りやすい斜面だったので、何度も転んでしまいましたが、苦労の甲斐があって、花が鮮やかな黄色のシナノキンバイでの吸蜜写真を撮影出来ました。

d0090322_263053.jpg
#10: シナノキンバイの花で吸蜜するアルプスモンキチョウ♂

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A male of Alpine Clouded Yellow feeding on the flower.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA200
(2010-July-18, Azumino-shi)




<モンキチョウ♂とアルプスモンキチョウ♀の求愛飛翔>

突然、2頭が求愛飛翔を始めたので、広角レンズに換えて飛翔写真を撮影しました。

撮影した時にはわかりませんでしたが、オスのアルプスモンキチョウと思っていたのはモンキチョウでした。この異種間求愛飛翔は、cactuss さんや海野和夫さんも以前に撮影されていますので、それほど珍しいことではなさそうです。。


アルプスモンキの場合は生息場所の標高が高いので、モンキチョウとの求愛飛翔は意外でした。分類学上では両種は近いので、ハイブリッドが出現する可能性があるかもしれないな----変に心配になってしまいました。

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#11: 求愛飛翔するアルプスモンキ♀とモンキ♂

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Courtship flight of Alpine Clouded Yellow Pale Clouded Yellow.
Olympus E-3, ZD8mm, EC-14, ASA400
(2010-July-18, Azumino-shi)


d0090322_272182.jpg
#12: 求愛飛翔するアルプスモンキ♀とモンキ♂

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Courtship flight of a female of Alpine Clouded Yellow and a male of Pale Clouded Yellow.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-July-18, Azumino-shi)

d0090322_2302011.jpg
#13: 飛翔するモンキ♂

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A male of Pale Clouded Yellow.
Olympus E-3, ZD8mm, EC-14, ASA400
(2010-July-18, Azumino-shi)




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§ Afterword §

撮影中に常念小屋2代目社長の山田恒男氏(77歳)に声をかけていただきました。ご主人は田淵行男のことを良くご存じで(206回も訪れているのだから当たり前ですね)、田淵に関する色々なお話をお聞きすることができました。

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常念小屋2代目社長の山田恒夫氏

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山田氏はとても親切で、本日(18日)泊るのであれば、山小屋はとても混んでいるので隣接する信州大学の診療所に泊まれるように話をするといってくれました。

お言葉に甘えて、よほどもう一泊しようかなとも思いましたが、お気持ちだけ有難く頂戴して昼前に山を降りました。

またいつかお会いしたいと思います。

注:山田氏の写真は掲載許可をいただいています。





以上、 by 虫林花山




by tyu-rinkazan | 2010-07-21 02:43 | Comments(38)

20100716 クヌギ林散歩:オオムラサキとルリタテハ

Nature Diary #0334
Date: July 16 (Friday), 2010
Place: Kofu, Yamanashi
Weather: Fine




§ Diary §

クヌギ林を散歩しました。
目的は国蝶のオオムラサキを見ることです。


オオムラサキ; Great Purple

<占有行動>
林に沿って少し歩いて行くと、ジェット機のように滑空して、枝先で縄張りを張るオオムラサキのオスが何頭も見ることができました。多くは高い木の枝先なので、撮影は不可能ですが、中には小さい木の枝で静止する変わり者(?)ものも見られました。

メタリックに輝くブルーの翅を誇らしげに広げたオオムラサキのオスは、王者としての風格満点で、このチョウが日本の国蝶に選ばれたことを納得してしまうオーラがあります。

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#1: 占有行動を示すオオムラサキ♂

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A male of Great Purple perching on the leaf with the wings opened, representing “territory behavior”.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA200
(2010-July-15, Kofu)

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#2: 枝先のオオムラサキ♂

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A male of Great Purple perching on the tip of branch.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA200
(2010-July-15, Kofu)



<♀:Female>

今年の発生はやはり少し遅れているようで、この時期でもオスは新しい個体が多く、メスの数はまだ少ないようでした。

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#3: コナラの樹液を訪れたオオムラサキ♀

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A female of Great Purple perching on the trunk of oak tree.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA200
(2010-July-15, Kofu)


雌の翅裏を今まであまり注意していませんでしたが、オスに比べてクリームの色調を帯びているようです。なかなか美しいな。

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#4: オオムラサキ♀の翅裏

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Backside of the wings of a fresh female of Great Purple
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA200
(2010-July-15, Kofu)



<スペアタイヤカバーに静止したオオムラサキ>

驚いたことに、突然飛来したオオムラサキが、道の脇に停車していた愛車(ジムニー)のスペアタイヤカバーの上で翅を広げて静止しました。

オオムラサキは赤がお好き?

カメラを上位置になるように腕をのばし、バリアングルモニターでチョウを確認しながらそっと撮影してみました。カバーの上のオオムラサキが車の後部ウィンドウに映ってミラーイメージの面白い像になりました。こんなときバリアングルモニターの有難さがわかります。

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#5: 車の窓ガラスに映るオオムラサキ♂(ミラーイメージ)

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A male of Great Purple window on the spare tire-cover reflecting on the car window. Please note the mirror image of the butterfly.
Olympus E-620, ZD 12-60mm, ASA200
(2010-July-15, Kofu)


モニターでチョウを確認しながらアップの写真を撮影しました。

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#6: スペアタイヤカバーの上に静止したオオムラサキ♂

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A male of Great Purple resting on the spare tire-cover with the wings opened.
Olympus E-620, ZD 12-60mm, ASA200
(2010-July-15, Kofu)



<クローズアップ>
オリンパスのZD12-60mmの望遠側(60mm:実質120mm相当)で、近接撮影をしてみました。あまりこのレンズのマクロ性能には期待していなかったのですが、ここまでクローズアップできるとは意外でした。さらに、背景の円形ボケもなかなか綺麗なので、チョウ撮影用のマクロレンズとして使用可能ですね----今まで使用しなかったのがおかしい。

下の写真はもちろんノートリミングです。

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#7: オオムラサキ♂頭部を前下方からクローズアップ

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A close-up image from anterior-lower side of a male of Great Purple resting on the spare tire-cover.
Olympus E-620, ZD 12-60mm, ASA200
(2010-July-15, Kofu)



<飛翔>

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#8: 樹液を訪れたオオムラサキ♂

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Flying feature of a male of Great Purple.
Olympus E-620, ZD 12-60mm, ASA400
(2010-July-15, Kofu)

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#9: 飛翔するオオムラサキ♂

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Flying feature of a male of Great Purple.
Olympus E-620, ZD 12-60mm, ASA400
(2010-July-15, Kofu)

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#10: 飛翔するオオムラサキ♂

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Flying feature of a male of Great Purple.
Olympus E-620, ZD 12-60mm, ASA400
(2010-July-15, Kofu)


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#11: 樹液を訪れたオオムラサキ♂

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Flying feature of a male of Great Purple.
Olympus E-620, ZD 12-60mm, ASA400
(2010-July-15, Kofu)



ルリタテハ; Blue Adminal

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#12: 樹液を訪れたルリタテハ

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A Blue Adminal feeding the tree sap.
Olympus E-620, ZD 12-60mm, ASA400
(2010-July-15, Kofu)

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#13: 樹液を訪れたルリタテハ

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A Blue Adminal feeding the tree sap.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA200
(2010-July-15, Kofu)

d0090322_2148521.jpg
#14: 静止したルリタテハ

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A Blue Adminal resting with the wings closed.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-July-15, Kofu)


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§ Afterword §

ここ数年オオムラサキを撮影していなかったので、今回はオオムラサキを中心に撮影してみました。時期的には今年は最盛期の少し手前で、まだメスの個体数が多くはなかったが、まだオスが新鮮だったので良かったと思います。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-07-18 21:51 | Comments(17)

2010710 梅雨空の下のゼフ散歩:クロミドリほか

Nature Diary #0333
Date: July 10 (Saturday), 2010
Place: Kofu, Yamanashi
Weather: Fine



§ Diary §

この時期、水田の縁や土手などにオレンジ色のヤブカンゾウの花が目立ちます。同じ仲間のニッコウキスゲは夏の青空にマッチしますが、ヤブカンゾウの花は梅雨空の下で雨にしっとりと濡れて咲くイメージがあります。梅雨の花ですかね。


ヤブカンゾウは別名 「忘れ草」 といいます。これはこの美しい花を見ていると物も忘れると言う故事から昔の人が名付けたものと思います。

忘れ草 吾が下紐につけたれど 醜の醜草 言にしありけり : 大伴家持

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#1: 忘れ草(ヤブカンゾウ)

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Flowers of daylily soaked in the rain.
Olympus E620, ZD12-60mm ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)



クロミドリシジミ; Copper Hairstreak

早朝に近くのクヌギ林を訪れました。

到着後、さっそく長竿でクヌギの木の枝を叩いてみると、すぐにゼフが1頭飛び出して下草に降りました。草の上に静止したそのチョウを刺激しないようにそっと近づいてみると、目的のクロミドリシジミ(通称クロミ)でした。翅の形がやや丸いのと地色が薄いのでどうやらメスのようです。

クロミは尾が長く、翅裏の赤紋が大きい「翅裏ベッピンさん」ですね。

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#2: クロミドリシジミ♀

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A female of Copper Hairstreak perching on the grass leaf.
Olympus E3, Sigma150mm ASA200
(2010-July-10, Kofu, Yamanashi)



しばらく待って、朝日が雲の上から顔を出して葉を照らし出しました。

すると、それまでじっとしていたクロミは少しモジモジとしたかと思うとゆっくりと翅を開いてくれました。朝の叩き出しでの撮影の場合、この瞬間が最もワクワクしますね。

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#3: クロミドリシジミ♀

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A female of Copper Hairstreak perching on the grass leaf.
Olympus E3, Sigma150mm ASA200
(2010-July-10, Kofu, Yamanashi)



さらに、全開状態まで翅を開いてくれたので、ゆっくりとその姿を撮影することができました。
羽化直のフレッシュな個体とは言えないまでも、この時期にしてはまあまあ綺麗でした。

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#4: クロミドリシジミ♀の開翅

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A female of Copper Hairstreak perching with the wings opened.
Olympus E3, Sigma150mm Macro, ASA200
(2010-July-10, Kofu, Yamanashi)




トラフシジミ; Japanese Flash

ヒメジオンの花に新鮮なトラフシジミの夏型が吸蜜に訪れていました。

夏型の地色は褐色で、白地の春型とは一見して区別できます。どういうわけか、今までトラフシジミの夏型はいつもボロで、新鮮な個体での撮影が記憶にありません。

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#5: トラフシジミ

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A Japanese Flash feeding on the followers.
Olympus E620, ZD12-60mm ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)

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#6: トラフシジミ

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A Japanese Flash feeding on the followers.
Olympus E3, Sigma150mm Macro, ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)



アイノミドリシジミ; Brilliant Hairstreak

クロミドリの撮影後、山の上のアイノミドリのポイントにも立ち寄りました。

ちょうど、テリ張りが始まったところで、あちらこちらでメタリックな輝きを持つアイノミドリが活発に活動していました。なかなか低い位置まで降りてきてくれませんでしたが、何とか半開翅のオスを撮影できました。

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#7: アイノミドリシジミ

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A male of Brilliant Hairstreak perching on the leaf with the wings semi-opened.
Olympus E3, Sigma150mm Macro, ASA200
(2010-July-10, Kofu, Yamanashi)



オオムラサキ; Great Purple

天気が悪いせいなのか目的のオオムラサキはあまり見ることができませんでした。
でも、樹液が出ている木と場所は数か所確認できましたので、次回の訪問が楽しみです。

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#8: オオムラサキ

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A male of Great Purple feeding tree sap on the trunk.
Olympus E620, ZD12-60mm ASA200
(2010-July-11, Nirasaki, Yamanashi)



クロヒカゲモドキ; Marginalis Treebrown

雨が降る中で、傘をさしながら樹液を出しているクヌギの木を探してした時に、足下からヒカゲチョウの仲間が飛び立ち、近くの草に静止しました。ゆっくりと近づいて前翅の裏の紋を確認すると、ほとんど同じ大きさのジャノメ紋が3個並んでいました----クロヒカゲモドキです。

残念なことに、後翅の一部が欠損していました。

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#9: クロヒカゲモドキ

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A Marginalis Treebrown perching on the grass leaf.
Olympus E3, Sigma150mm Macro, ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)



その他; Miscellaneous

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#10: 産卵するルリシジミ♀

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A female of Holly Blue egg-lying on the leaf.
Olympus E620, ZD12-60mm ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)


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#11: カブトムシ

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Two males of rhinoceros beetle feeding tree sap on the trunk.
Olympus E3, Sigma150mm Macro, ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)

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#12: オオセンチコガネ

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An Earth-boring dung beetle perching on the grass leaf.
Olympus E3, Sigma150mm Macro, ASA200
(2010-July-11, Kofu, Yamanashi)


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§ Afterword §

今週も近場のフィールド散歩に終始しました。
とにかく天気が悪いのと仕事が忙しいことが遠征出来ない理由です。

クロミドリはすでに最盛期を過ぎてしまったようですが、何とかメスの開翅は撮影できました。一方、今回調べた限りでは、オオムラサキの個体数が極端に少ないのには驚きました。来週あたりもう少し調べてみたいと思います。

でも、そろそろ山の上に登って高山蝶を撮影したくなります。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-07-13 02:11 | Comments(14)

20100703 梅雨空の散歩道:ウラジャノメほか

Nature Diary #0332
Date: July 3rd and 4th (Saturday and Sunday), 2010
Place: Yamanashi and Shizuoka
Weather: Cloudy with intermittent rain



<梅雨の候>

梅雨の時期に雨を気にしても仕方が無い。

この時期、大雨はノーチャンスだが、小雨であれば昆虫の観察も何とかなることが多い----雨など気にせずに雨対策をしてフィールドに出ることにしよう。虫林はピーカンよりも、曇り時々晴れのち雨といった変化の多い天気が好きだ。

♪♪ 雨雨降れ降れ、ちょっと降れ、私のいい虫つれて来い ♪♪---かな?

でも、やはり雨が降ると外に出るのが億劫になるな。


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§ Diary §

今年はどういうわけか、この時期でもウスバシロチョウを見かけます。

先週の岩手でもまだ元気な個体が沢山ヒラヒラと飛んでいたし、ボロイながらもコツバメさえ見かけました。今週は信州の標高1000mほどの高原にいきましたが、そこでもウスバシロチョウを何頭も目撃しました------やはり、今年の季節推移は異常なのかもしれませんね。


ウスバシロチョウ; Glocial Parnaassius

下の写真は雨の中で濡れそぼって静止しているウスバシロチョウの姿です。

翅もヨレヨレで、これでは雨があがっても再び飛ぶこともできないかもしれません。
「濡れネズミ」ならぬ「濡れウスバ」ですな。

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#1: 雨に濡れるウスバシロチョウ

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A Glocial Parnaassius getting soaking wet.
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14, ASA400
(2010-July-3, Nagano)



ウラジャノメ; Woodland Brown

ウラジャノメは高原のジャノメチョウです。
土曜日に訪れたこの高原では、林縁を歩くとこのチョウが何度も飛び出してくれました。

少し離れた枝に静止したので、Nikon Coolpix P100の最高倍率(678mm相当)で手持ち撮影しました。やや薄暗い場所でしたが、何とか手振れせずに写っているのに驚きです。

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#2: ウラジャノメ

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A Woodland Brown resting on the leaf.
Nikon Coolpix P100
(2010-July-3, Nagano)



開翅するウラジャノメを久しぶりにじっくりと撮影できました。フィールド図鑑用のアングルで、少し絞りを入れて撮影しました。

d0090322_22582232.jpg
#3: ウラジャノメ

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A Woodland Brown resting on the leaf. with the wings opened.
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14, ASA400
(2010-July-3, Nagano)



ヒメシジミ; Silver-studded Blue

この高原では、ヒメシジミとアサマシジミが混在しています。

両者が混在すると、ヒメとアサマを区別しなければなりません。基本的には両者の区別は翅裏の黒い紋の形が決め手になりますが、もっと手っ取り早い区別点は翅の辺縁に並ぶ白い毛の長さですね(白い毛が長いのがヒメで、短いのがアサマ)。

アヤメの花に静止しているヒメシジミをCoolpix P100で撮影しました。

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#4: アヤメの花上のヒメシジミ♂

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A male of Silver-studded Blue resting on the flower of Iris sanguinea.
Nikon Coolpix P100
(2010-July-3, Nagano)


この写真だけを見ると、一見アサマシジミのようにも見えますが、縁毛の純白で長い毛をみると、やはりヒメシジミです(裏面確認済み)。

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#5: 葉上で開翅するヒメシジミ♂

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A male of Silver-studded Blue resting on the leaf with the wings opened..
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14, ASA400
(2010-July-3, Nagano)

d0090322_2259218.jpg
#6: 葉上で開翅するヒメシジミ♀

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A female of Silver-studded Blue resting on the leaf with the wings opened..
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14, ASA400
(2010-July-3, Nagano)




アイノミドリシジミ; Brilliant Hairstreak

明けて4日(日曜日)は朝8時過ぎに起床。

この時期にこんなに遅く起きてはゼフィリスト(ミドリシジミの仲間が好きなヒトのこと)としては完全に失格ですね---反省。

ゆっくりと食事をしていると、Banyanさんから電話が入り、甲府市北の山 (O山) の上にあるアイノミドリのテリ張りポイントに来ているとのことでした。そこで、早速、合流してみましたが、木が大きくなりすぎたため、アイノミドリの姿は下からのシルエットしか撮影できませんでした。

Nikon Coolpix P100の678mm相当の超望遠は、色味などは別にして使用可能です。

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#7: 樹上の葉でテリトリーを張るアイノミドリシジミ♂

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A male of Brilliant Hairstreak perching on the wood leaf.
Nikon Coolpix P100
(2010-July-4, Yamanashi)



ハヤシミドリシジミ; Hayashi Hairstreak

午後からはウラクロシジミの撮影に行きました。

現地では静岡のKさんも加わり、ウラクロを待ちながらチョウ談義で時間をつぶしました。残念ながら待てどもウラクロは見ることができず、午後3時を回ったところで諦めて、富士山麓のハヤシミドリのマイポイントにご案内しました。


ポイントに到着してしばらくすると、♂X♂2頭での巴卍飛翔が突然始まりました。

この巴卍飛翔は、もともとカシワの木の上の方で始まりましたが、次第に下に降りてきて地上50cmくらいの高さでかなり長い間クルクルと絡みながら持続していました。

広角レンズを車に忘れてきた虫林は、マクロレンズでその様子を撮影しましたが、banyanさんの足元やKさんが撮影するレンズのちょっと前で巴卍飛翔が行われている様子を撮影することが出来ました------ウーム、広角で撮影すべきだった。

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#8: Banyanさんの足元で巴卍飛翔するハヤシミドリ

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A pair of Hayashi Hairstreak flying in a tangle and Mr. Banyan.
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14, ASA400
(2010-July-4, Shizuoka)

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#9: 巴卍飛翔するハヤシミドリ

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A pair of Hayashi Hairstreak flying in a tangle.
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14, ASA400, Trimming (+)
(2010-July-4, Shizuoka)




ヒメリンゴカミキリ; Oberea hebescens

オトシブミがいる葉にヒメリンゴカミキリが静止しました。
2匹の虫がお互いに見合っているようにも見えますね。

未知との遭遇とは大げさかな?

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#10: 未知との遭遇:オトシブミとヒメリンゴカミキリ

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Oberea hebescens
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14, ASA400
(2010-July-4, Yamanashi)

d0090322_23013100.jpg
#11: ヒメリンゴカミキリ

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Oberea hebescens
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14, ASA400, Flash (+)
(2010-July-4, Shizuoka)



ムネアカクロハナカミキリ; Leptura aethiops

ムネアカクロハナカミキリが小さな池の傍に咲くアザミの花を訪れていました。

前胸背の赤いムネアカクロハナカミキリでは、赤いのは♀だけで、♂はクロハナカミキリと同じで真っ黒くなります。クロハナカミキリの♀でもたまに前胸背が赤い個体が出現するのでとても紛らわしいですね。

この個体は、一応ムネアカクロハナカミキリとしておきます。

d0090322_2302816.jpg
#12: ムネアカクロハナカミキリ

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Leptura aethiops
Olympus E-3, ZD50mm Macro, EC-14, ASA400
(2010-July-3, Nagano)


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§ Afterword §

虫屋という人種は、見かけたチョウの種類、性、数などで季節の歩みを日単位で敏感に感じ取ることが出来ます。この感覚は虫屋が経験してきたチョウに関する長年のデータが脳にインプットされているためなのです。この時期にウスバシロチョウがまだ多く見られるのはやはり今年は普通ではなさそうです---何となく不安な気持ちになってしまいます。


今週末は別なチョウの撮影を予定していましたが、天気が悪くてあきらめざるを得ませんでした。
来年以降にその楽しみが延びたということで理解しましょう。


こう暑いと、来週あたりから山に登りたくなってしまいます。



Banyanさんお付き合いいただき有難うございました。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-07-05 23:04 | ▣ウラジャノメ | Comments(24)

2010626 みちのく陸中散歩(2):キンヘリタマムシと天牛

Nature Diary #0331
Date: June 26th (Saturday), 2010
Place: Iwate
Weather: Fine




§ Diary §

キマルリポイントを探索する途中で、小さな広葉樹の貯木場を見つけました。以前,カミキリ屋だった虫林には、このような林間の貯木場はとても魅力的に目に映ります。



キンヘリタマムシ; Poecilonota

貯木場に積まれている材木をゆっくりと見ていくと、ハルニレと思われる材木の上で金緑色に輝く体長1cmほどの小型のタマムシを何頭も見つけました。これはキンヘリタマムシという名前のタマムシです-----まるで森の宝石のよう。

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#1: 材木上のキンヘリタマムシ

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A jewel beetle resting on the timber
Nikon CoolPix P100
(2010-June-26, Iwate)



このタマムシは北方系のようで、ここ岩手県の陸中地方では稀ならず見られます。

タマムシの仲間は、日中には活発に動き回りますので、なかなかゆっくりと撮影させてくれません。でも、静止するときもあって、何とか近接撮影することに成功しました。

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#2: 材木上のキンヘリタマムシ

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A jewel beetle resting on the timber
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400, Trimming (+)
(2010-June-26, Iwate)




ヒゲナガシラホシカミキリ; Eumecocera argyrostica

白い紋がよく目立つヒゲナガシラホシカミキリのメスを見つけました。本種の雄は全体的に黒色で、鞘羽には白い紋がありません。

このカミキリもなかなか Good looking な昆虫だね。

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#3: ヒゲナガシラホシカミキリ♀

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A female of a long-horned beetle, Eumecocera argyrostica, resting on the timber..
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-June-26, Iwate)




ミチノクケマダラカミキリ; Agapanthia daurica sakai

道路脇のオオハナウド?の葉上にミチノクケマダラカミキリが静止していました。

ミチノクケマダラカミキリは北海道に産するケマダラカミキリとは別亜種となっており、岩手県、青森県、秋田県で産します(新潟県、群馬県でも記録があるようです)。しかし、岩手県を除く各県での記録は単発的なもののようです。

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#4: ミチノクケマダラカミキリ

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Agapanthia daurica sakai
Panasonic DMC-LX3, ASA100
(2010-June-26, Iwate)

d0090322_17374843.jpg
#5: ミチノクケマダラカミキリ

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Agapanthia daurica sakai
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-June-26, Iwate)



キモンカミキリ; Menesia sulphurata

目の前でシオヤアブが、飛翔中だったキモンカミキリを捕らえて材木上で静止しました。

見ていると、シオヤアブは何とかキモンカミキリを食べようとしているのだが、キモンカミキリの体は硬いみたいで、結局、シオヤアブはキモンカミキリを離してしまいました。

何となくホッとしました。

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#6: シオヤアブに襲われたキモンカミキリ

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A long-horned beetle, Menesia sulphurata, attacked by a horsefly
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-June-26, Iwate)

d0090322_17381735.jpg
#7: シオヤアブに襲われたキモンカミキリ

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A long-horned beetle, Menesia sulphurata, attacked by a horsefly
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-June-26, Iwate)




シナカミキリ; Eutetrapha sedecimpunctata

カミキリムシの中で、フトカミキリ科は虫林の好みです。

シナカミキリは良く見るカミキリムシですが、このフトカミキリ科に属していて、みると撮影してしまいます。動きが鈍いようですので、不用意にカメラを近づけると、ポロリと落ちてしまいます。意外に敏感なのです。

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#8: シナカミキリ

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A long-horned beetle, Eutetrapha sedecimpunctata, resting on the timber.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-June-26, Iwate)

d0090322_17385055.jpg
#9: シナカミキリ

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A long-horned beetle, Eutetrapha sedecimpunctata, resting on the timber.
Panasonic DMC-LX3, ASA100
(2010-June-26, Iwate)





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§ Afterword §

今回の日記では、陸中で見かけた甲虫たちをアップしてみました。

甲虫については目に付いた種類をただ撮影しただけなので少し後悔しています。時期的にはカンボクやゴトウズルといったカミキリムシが好む花が満開で、ネットで掬えばそれなりの種類が落ちてきたと思うが、カメラ撮影だと高い位置の花はノーチャンスになってしまうのが苦しいところです(仕方がないか)。

来年もこの時期に陸中を訪れることが出来れば嬉しいです。






以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-07-01 17:50 | Comments(14)