NATURE DIARY

tyurin.exblog.jp

<   2010年 09月 ( 4 )   > この月の画像一覧

20100926 駿河の国散歩:カバマダラの異常発生

Nature Diary #0351
Date: September 26 (Sunday), 2010
Place: Shizuoka
Weather: Fine and Cloudy




<静岡県でカバマダラ?>

最近、静岡新聞などで 「南国の蝶カバマダラが静岡県で異常発生」 の報道が流れた。

不覚にも虫林はそのニュースを知らなかったが、蝶友 theclaさん のブログ(フィールドノート)でその事実を目の当たりにして驚いた。さらにその異常発生がどうやら人為的なものでは無いということだから、空前絶後、驚天動地の稀有な出来事に違いない----少し大げさかな。



§ Diary §

そんなとき、ダンダラさん(小畔川日記)から 「カバマダラ撮影行」 のお誘いを受けた。

相変わらず仕事がたまっていたが、モノがモノだけに断れるはずもない------とか何とかいいながら、喜んでご一緒させて頂くことにした。さらに、今回はyoda-1さん(蝶鳥ウォッチング)ご夫妻も同行される。ウーム、楽しい一日になりそうだ。



クロコムラサキ; European Purple Emperor

カバマダラのポイントを探す前に、クロコムラサキを狙ってある川の河原を訪れた。

車を降りてヤナギが繁茂している川沿いの小道を歩いてみると、朝日に照らされた柳の木には、翅を開いて日光浴するコムラサキの姿が点々と認められた。

ほどなく、ダンダラさんがクロコムラサキを見つけてくれた。やはりこの辺りは個体数が多いようだ。しばらくすると、クロコムラサキが飛び立ったので、あわてて望遠マクロレンズのままでその飛翔を撮影した。

滑空するクロコムラサキと青い流れ、緑の柳----この流域の3点セットだ。

d0090322_23524648.jpg
#1: 飛翔するクロコムラサキ♂
A male of European Purple Emperor flying in the background of river.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-26, Shizuoka Pref.)




クロコムラサキは翅表が黒っぽい紫色になり、斑紋は逆に白くなるという美しい変種。

今回、観察できたコムラサキの中に黒化型(クロコムラサキ)が占める割合は、おおむね1割程度といった印象だ。このコムラサキの黒化という現象は、遺伝子で規定された多型であることが知られている(常染色体劣性遺伝)。

d0090322_23551040.jpg
#2: 日光浴をするクロコムラサキ♂

A male of European Purple Emperor basking on the willow leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400, Trimming (+)
(2010-September-26, Shizuoka Pref.)



クロコムラサキの翅の青い輝きはいわゆる構造色というやつで、見る方向で青色の出方が全く異なる。多くの場合、前方から見るとその輝きが最も強くなるようだ。

前方に回りこんで撮影してみたところ、やはり青色に輝く部分の面積が格段に増えた。

d0090322_23552618.jpg
#3: 日光浴をするクロコムラサキ♂

A male of European Purple Emperor basking on the willow leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400, Trimming (+)
(2010-September-26, Shizuoka Pref.)



メスはどの角度からでもまったく光らないが、それはそれで結構美しい。

d0090322_23554183.jpg
#4: 日光浴をするクロコムラサキ♀

A female of European Purple Emperor basking on the willow leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-26, Shizuoka Pref.)



「コムラサキ」は芸者にでもいそうな小粋な名前だ。

樹液に集まっているコムラサキをみると、「よ! コムラサキさん姐さん」と呼びかけたくなってしまう。でも、この蝶は腐った果実や糞も好きで、上高地などで獣糞に群がる多数の本種を見ると、百年の恋もいっぺんに冷めてしまうのだ-------勝手なことを言うな。

d0090322_2356041.jpg
#5: 樹液に集まった通常型(褐色型)コムラサキ

Several European Purple Emperors feeding the tree sap on the willow trunk.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-26, Shizuoka Pref.)




カバマダラ; Plain Tiger

優雅で華奢な 南国の蝶カバマダラ が海を越えてやってきて(台風の影響?)、たまたま観賞用に栽培されていた 「フウセントウワタ」 というアフリカ原産のけったいな植物の畑で自然繁殖した------ウーム、なんという 「自然界のいたずら」



theclaさん(フィールドノート)から電話で教えていただいたフウセントウワタという名前の植物の畑は、虫林一人だと見つけるのも困難に思える市街地の中の狭い場所だったが、幸いなことに車の中からyoda-1さんが難なく発見してくれた。

車を降りて畑に近づいてみると、確かにあちらこちらにカバマダラが飛んでいた。カバマダラの飛翔はふわふわと優雅に滑空するので、見ているだけで楽しくなる。

カバマダラは思ったよりも小型で、チャーミングな蝶だ。

d0090322_23561663.jpg
#6: 飛翔するカバマダラ

Flying feature of Plain Tiger
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA400
(2010-September-26, Shizuoka Pref.)



本日観察したカバマダラは好んで土の地面に静止していた。
知らずに歩くと、足元から多くの個体が飛び立つのに驚かされる。

近縁のアサギマダラが地面に静止する姿はあまり記憶にないので、この習性はカバマダラに特有なものなのかもしれないな。

d0090322_23563062.jpg
#7: 地面に静止するカバマダラ

Flying feature of Plain Tiger
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA400
(2010-September-26, Shizuoka Pref.)



カバマダラは今にも静止しそうにふわふわと飛ぶが、実際はなかなか静止してくれない。また、たまに静止しても近づくと意外に敏感に飛び立ってしまう。

でも、「念ずれば花開く」
最後にやっとまともな静止開翅写真が撮影できた。

d0090322_23564499.jpg
#8: カバマダラ

A Plain Tiger resting on the branch.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-26, Shizuoka Pref.)



カバマダラの交尾ペアを見つけた。
蝶の交尾シーンは撮影できると嬉しいものだ。

d0090322_2356565.jpg
#9: 交尾するカバマダラ

A pair of Plain Tiger mating on the branch.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-26, Shizuoka Pref.)



フウセントウワタの葉を見ると、幼虫が所々で発見できた。

カバマダラの幼虫は近縁のアサギマダラの幼虫に姿形が似てるが、突起の数がより多く、色調や模様も少し異なるようだ。

d0090322_23571051.jpg
#10: フウセントウワタの葉を後食するカバマダラの幼虫

A caterpillar of Plain Tiger
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA400
(2010-September-26, Shizuoka Pref.)



蛹も見つけることができた。
カバマダラの蛹は緑色に一筋の金色の帯が入ってとても綺麗だ。

d0090322_23574286.jpg
#11: フウセントウワタの実とカバマダラの蛹

A chrysalis of Plain Tiger
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-26, Shizuoka Pref.)



ダンダラさんが見つけてくれた蛹は羽化直前のようで、成虫の翅の色が透けて見える。
羽化するまでまとうかなと思ったが、お昼を食べるほうが優先。

d0090322_23575876.jpg
#11: 羽化直前のカバマダラの蛹

A chrysalis of Plain Tiger
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-26, Shizuoka Pref.)


**************************************************

§ Afterword §

静岡県の某所まではなかなか遠かったが、行くだけの価値は十分あったと思う。なんといっても、南国の蝶であるカバマダラが、市街地の畑をふわふわと飛んでいるのは不思議な感じだった。さらに、幼虫や蛹が確認できたのも嬉しいな。


このカバマダラたちは、来年以降も生き残るとは考え難いが注意して見守ろうと思う。


ダンダラさんには今回もお世話になりました。同行されたyodaさんご夫妻もご苦労様でした。
お陰さまで楽しく充実した1日になりました。

また、theclaさんには度々の電話にも親切に教えていただき感謝します。





以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-09-29 00:23 | ▣カバマダラ | Comments(16)

20100925 秋の河原散歩:ミヤマシジミ

Nature Diary #0350
Date: September 25 (Saturday), 2010
Place: Yamanashi
Weather: Cloudy and Fine




§ Diary §

朝から締切を過ぎた依頼原稿を執筆していたが、筆がなかなか走らないので昼から息抜きにミヤマシジミを見に行くことにした(虫林は作家ではない)。

ミヤマシジミといえば、昨年まで近所に発生地があった。そこは突然整地されかなり環境が変わったので、驚いてしまい勘違いのレポートをしてしまったことを思い出す。この場所のミヤマシジミ保全の関係者にご迷惑をかけたことをお詫びしたい


すっかり気候は秋。魚眼効果を利用して、赤とんぼを撮影。

d0090322_0124441.jpg
#1: 赤とんぼの空

.
A Red Dragonfly and Sky
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, ASA400
(2010-September-25, Hokuto-shi, Yamanashi)



ミヤマシジミ; Argyrognomon Blue

訪れたのは少し遠いが北杜市の河原。

ここは何の変哲もない小さな河川敷だが、コマツナギが多くてミヤマシジミが発生している。
今回もポイントに到着して歩き出すと、すぐに明るいブルーが飛び出した。

d0090322_0125981.jpg
#2: 葉上に静止するミヤマシジミ♂

.
A male of Argyrognomon Blue resting on the grass leaf.
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA400
((2010-September-25, Hokuto-shi, Yamanashi))

d0090322_0131124.jpg
#2: ミヤマシジミ

.
A male of Argyrognomon Blue resting on the grass leaf.
Olympus E-3, ZD35mm Macro, ASA400
(2010-September-25, Hokuto-shi, Yamanashi)

d0090322_0132333.jpg
#2: 開翅するミヤマシジミ♂

.
A male of Argyrognomon Blue resting on the grass leaf with the wings opened.
Olympus E-3, ZD35mm Macro, ASA400
(2010-September-25, Hokuto-shi, Yamanashi)

d0090322_0133661.jpg
#2: 開翅するミヤマシジミ♀

.
A female of Argyrognomon Blue resting on the grass leaf with the wings opened.
Olympus E-3, ZD35mm Macro, ASA400
(2010-September-25, Hokuto-shi, Yamanashi)

d0090322_0135232.jpg
#2: ミヤマシジミ♂ color="#800000">

.
A male of Argyrognomon Blue resting on the grass leaf.
Olympus E-3, ZD35mm Macro, ASA400
(2010-September-25, Hokuto-shi, Yamanashi)

d0090322_014441.jpg
#2: 飛翔するミヤマシジミ♂

.
A flying male of Argyrognomon Blue
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14 ASA400, Trimming (+)
(2010-September-25, Hokuto-shi, Yamanashi)

d0090322_0141720.jpg
#2: 交尾するミヤマシジミ

.
A mating pair of Argyrognomon Blue resting on the grass leaf.
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye ASA400
(2010-September-25, Hokuto-shi, Yamanashi)

d0090322_0143064.jpg
#2: 交尾するミヤマシジミ

.
A mating pair of Argyrognomon Blue resting on the grass leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-25, Hokuto-shi, Yamanashi)

**************************************************

§ Afterword §

アサマシジミやヒメシジミなどに比べてミヤマシジミの青は明るく深い。夏にも発生しているが、本種の撮影だけに訪れることはしない。でも、秋になると会いたくなってしまう不思議な魅力がある蝶だ。

本日はメスも数頭見ることができたが、残念ながら青♀には出会わなかった。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-09-26 00:16 | ▣ミヤマシジミ | Comments(12)

20100919 県南の散歩道:ツマグロキチョウほか

Nature Diary #0349
Date: September 19 (Sunday), 2010
Place: Yamanashi
Weather: Cloudy and Fine



<馬肥える秋、収穫の秋>

この時期は生理的に食欲が増すので「天高く、馬肥える秋」と言われているが、馬の代わりに「虫林肥える秋」ではいただけない.ウーム、このところ会食が続いているので、フィールド散歩でもしなければ------ということで、今週末もフィールドへ(言い訳がましいな)。


ところどころで「稲刈り」を見かける。

家族で行う稲刈りの風景は、どこか平和で、どこか豊かで、見ていると何故か幸せな気分になる。写真の中の一人はマネキン人形で多分、案山子の役割なのだろうだ。

収穫(Harvest)の秋、日本の秋。

d0090322_18233248.jpg
#1: 収穫の季節
Harvest season

**************************************************



§ Diary §

虫林は秋型(低温型)のツマグロキチョウが好きで、毎年、この時期になるとツマグロキチョウに会いに出かける。

そういえば、そろそろ秋型のツマグロキチョウが出現しているはずだ。
この蝶は県南の河原に多いので、本日は一路南下してみよう。



ツマグロキチョウ; Eurema laeta, Angulated Grass Yellow

食草のカワラケツメイが多い河原に到着すると、早速、ゆっくりと飛翔する本種が出迎えてくれた。慣れてくると、飛翔していても本種であることがわかる。

d0090322_18234669.jpg
#2: 飛翔するツマグロキチョウ

.
A flying feature of Angulated Grass Yellow
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA400
(2010-September-19, Nanbu-cho, Yamanashi)



ツマグロキチョウはすぐに静止してくれるので、キチョウよりも撮影が楽だ。

ツマグロキチョウはキタキチョウに比べて少し内向的な性格なのだろうか、なかなかオープンスペースで出てこないで、繁みの中や葉の裏に静止することが多い。そういえば枯葉にも好んで止まるようだ。

d0090322_1824068.jpg
#3: 葉上に静止するツマグロキチョウ

.
An Angulated Grass Yellow resting on the leaf.
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA400
(2010-September-19, Nanbu-cho, Yamanashi)



ツマグロキチョウに限らず、黄色いチョウは逆光で撮影するのが好きだ。とくにツマグロキチョウでは、少しだけ褐色を帯びた黄色い翅フィルターの透過光がとても優しく美しい。

逆光効果の強さは、太陽の位置と翅の向きとの関係によって決まる。

d0090322_18241331.jpg
#4: ツマグロキチョウ

.
An Angulated Grass Yellow resting on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-19, Nanbu-cho, Yamanashi)



カワラケツメイの黄色い花が咲いていたので、食草での吸蜜を期待したのだが、ツマグロキチョウはカワラケツメイの花には関心が無く、おもにメドハギやクズの花で吸蜜していた。

下の写真は、クズの花で吸蜜するツマグロキチョウのアップ。

クズの花の花弁はあたかも赤い日傘のようで、花弁を通過した陽の光が、一心不乱に吸蜜している蝶の頭部をほのかに赤く染めているのが面白い

d0090322_18242865.jpg
#5: 花弁の日傘とツマグロキチョウ

.
An Angulated Grass Yellow feeding nectar from the follower.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-19, Nanbu-cho, Yamanashi)



ウラナミシジミ; Lampides boeticus, Pea Blue

いつの間にか、旅蝶ウラナミシジミの数が増えたようだ。

ミカン類の葉の上に静止しているウラナミシジミを見ると、とても元気に見えるが、ここでは越冬できなくて死滅してしまう運命なのだ。

d0090322_18244142.jpg
#6: ミカンの葉上に静止するウラナミシジミ

.
A female of Pea Blue resting on the orange leaf.
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA400
(2010-September-19, Nanbu-cho, Yamanashi)



この蝶たちは、温暖な地から世代を重ねながら北上していく。
たぶん本籍(生まれた場所:土着地)は伊豆半島あたりだろうか。

d0090322_18245484.jpg
#7: ウラナミシジミ

.
A female of Pea Blue resting on the orange leaf.
Olympus E-620, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-19, Nanbu-cho, Yamanashi)



ウラギンシジミ; Curetis acuta, Angled Sunbeam

林道を歩くと、しばしばウラギンシジミが足元から飛び出した。

飛び出した彼らは、銀白色の翅裏を点滅させながら旋回し、また元の場所に戻る。今年、初めてキリシマミドリシジミを見ることができたが、キリシマミドリが飛翔している姿は、大きさといい、銀白色の点滅といい、跳ぶスピードさえも本種と似ているように思えた。

d0090322_1825986.jpg
#8: ウラギンシジミ

.
A male of Angled Sunbeam resting on the leaf with the wings opened.
Olympus E-620, ZD8mm Fisheye, ASA400
(2010-September-19, Nanbu-cho, Yamanashi)



新鮮なオスが葉上に静止たかと思うとおもむろに翅をひろげた。
大きなオレンジ紋が美しい。

d0090322_18252263.jpg
#9: ウラギンシジミ

.
A male of Angled Sunbeam resting on the leaf with the wings opened.
Olympus E-620, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-19, Nanbu-cho, Yamanashi)



ナガサキアゲハ; Papilio memnon, Great Mormon

先週、アカジマトラカミキリの撮影に長野県を訪れた時に、下諏訪神社の境内でナガサキアゲハのメスを見た。諏訪湖のような内陸での本種との出会いはとても意外で驚いた(残念ながら証拠写真すら撮影できなかった)。

ここ山梨県南部では、すでに何年も前から連続してナガサキアゲハを見ている。

本日は道路脇に栽培されているキバナコスモスの花に三々五々に訪れていた。この花は蜜が少ないためか吸蜜時間は短く、また、花の大きさに比較してこの蝶の図体が大きいので、吸蜜すると花茎が曲がってしまい、あまり格好の良い写真が撮影できなかった。

d0090322_1825373.jpg
#10: キバナコスモスで吸蜜するナガサキアゲハ♀

.
A female of Great Mormon feeding nectar from the flower of cosmos.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-19, Nanbu-cho, Yamanashi)



ハンミョウ; Tiger Beetle

ハンミョウはとても美しい甲虫だ。
多分、甲虫の中ではベスト5には入る美しさだろう。

残念ながら、本種は甲府市内ではあまり見かけることができないが(知らないだけかも)、ここ県南部ではかなり普通に見ることができるのが嬉しい。

ハンミョウは狩猟性の肉食甲虫だけあって、その動きは結構俊敏だ。

d0090322_18255020.jpg
#11: ハンミョウ

.
Tiger Beetle
Olympus E-620, Sigma 150mm Macro, ASA400, Trimming (+)
(2010-September-19, Nanbu-cho, Yamanashi)



ハンミョウの仲間は警戒すると、地面に伏して低い姿勢をとるようだ。

通常は写真のように長い脚をもっと伸ばして活発に歩き回り、少し背伸びするように大きな目を駆使して獲物を探がすみたいだ。体は美しいが、牙が大きくて少し怖い。

d0090322_1826526.jpg
#12: ハンミョウ

.
Tiger Beetle
Olympus E-620, Sigma 150mm Macro, ASA400, Trimming (+)
(2010-September-19, Nanbu-cho, Yamanashi)


**************************************************

§ Afterword §

猛暑もさすがに一段落し、朝晩は過ごしやすくなってきた。

でも、日中はまだ夏の気配が色濃いが、ゆっくりとリラックスできるこの時期のフィールド散歩は精神衛生上とてもありがたいものだ。ちょうど、秋の蝶たちの数が一気に増したようで、どこにいってもゆく夏を惜しむかのように蝶たちの姿が目立った。

すでに、秋の主役たちは出そろった。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-09-20 18:33 | Comments(13)

20100912 信州の散歩道:アカジマトラカミキリ

Nature Diary #0348
Date: September 02 (Sunday), 2010
Place: Nagano
Weather: Cloudy and Fine




<忙中、閑あり>

このところとても忙しくて、なかなかフィールド散歩ができなかった。

そろそろ 酸素欠乏 ならぬ 散歩欠乏 症状が出ており、さらに肥満、高コレステロール血症、痛風、高血圧なども併発して今や「虫屋の虫の息」状態である。

ところで、「忙中、閑あり」 という言葉がある。

それは、忙しい忙しいと思っていても、冷静に見れば必ず閑な時間を見つけることが出来るというものだ。さらに言い換えれば、閑は自らが見つけ出すものだという意味にも解釈できる。この言葉はもともと中国から伝わったものだが、確かに真理を的確に言いえている。

ウーム、書を捨てて野にでよう---都合良く解釈して外に出ようとするのがミエミエだね。


**************************************************



§ Diary §

まだまだ暑い。
本日(日曜日)は甲府で気温37.2℃(全国2位)だった。

今週も土曜日はある講習会に参加し、日曜日(本日)は遅れている原稿の執筆。

でも、あまり部屋の中に閉じこもっているのも虫屋の精神衛生上良くないので、昼食がてら 「書を捨てて野に出る」 ことにした。この時期だと美麗稀種の アカジマトラカミキリ がそろそろ出現しているはずだ。



アカジマトラカミキリ; Anaglyptus (Akajimatora) bella


そこで、訪れたのは昨年のこの時期にアカジマトラを撮影した場所。

昼食後、アカジマトラを探して斜面を行ったり来たりしたが、結局、ここでは1頭も見つけることができなかった。やはり、 Spaticaさんの言うとおり神出鬼没な虫なのだ。

秋になって数を増したウラギンシジミだけが虫林を慰めてくれた。

d0090322_5473511.jpg
#1: ウラギンシジミ

.
A male of Angled Sunbeam perching on the leaf with wings smi-opened.
Olympus E-620, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-12, Nagano)



本命ポイントでボウズだったので、帰る前に別な場所に立ち寄ってみることにした。

そこはアカジマトラの食樹であるケヤキの木が数本だけで、あまり良い環境には見えなかった。すでに午後3時を回っているうえに曇り空だったので、林内はやや薄暗く、目をこらしてケヤキの木を見まわった。

探し始めて間もなく、大きなケヤキの木の根本で赤っぽい虫の姿を見つけた。あわてて近づいてみると、みまごうことなきアカジマトラだった。

やっと今年も「赤と黒」の縞模様に会うことができた。

d0090322_6214333.jpg
#2: アカジマトラカミキリ

.
Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA400
(2010-September-12, Nagano)



アカジマトラの属名は Akajimatora という。

昆虫の学名で、種名や亜種名に日本人の名前や日本語がつくのは稀ではない。例えばクジャクチョウの東アジア亜種名は geisha (芸者)である。しかし、属名が日本語のローマ字表記される昆虫は少ない(少なくとも虫林は他には知らない)。

幹に移動したアカジマトラを下から広角レンズで撮影した。

d0090322_6355432.jpg
#3: アカジマトラカミキリ

.
Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, ASA400
(2010-September-12, Nagano)



アカジマトラの食樹はケヤキだが、ケヤキの木は神聖なものらしく神社仏閣に多い。

ちょうどお祭りなのだろうか、境内には縄が張られていて、そこに色とりどりの布が付けられていた。虫林が住む甲府では、近所の神社のお祭りの〆縄には、四手(して)と呼ばれる白い紙を挟むがこちらはカラフルな布らしい。

ところ変われば四手も変わるといったところなのかな。

d0090322_5482727.jpg
#4: アカジマトラカミキリ

.
Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA400
(2010-September-12, Nagano)



アカジマトラは、名前のごとく「赤と黒の縞模様」でとても綺麗だ。

まるで、ラクビーのタイガージャージを着ているようにも見える。この赤色は独特のもので、同じカミキリムシの仲間だとホシベニカミキリやベニボシカミキリの赤色に似ている。

鮮やかな赤は天敵である鳥たちが嫌う色なのだろうか?

d0090322_5484222.jpg
#5: アカジマトラカミキリ

.
Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD8mm, EC-14 ASA400
(2010-September-12, Nagano)

d0090322_5485772.jpg
#6: アカジマトラカミキリ

.
Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD8mm, EC-14 ASA400
(2010-September-12, Nagano)



アカジマトラカミキリの赤と黒の縞模様は、一見派手に見えるが、ケヤキの幹に静止していると保護色となるから意外だ。

オリンパスのズイコーデジタル35㎜マクロレンズは、安価で軽くて、等倍まで撮影できるとても良いレンズなので、もう少し人気が出てもよいように思う。とくに、同じ絞り(F値)で100㎜マクロよりも深い被写界深度が得られるので、甲虫のよう体に厚みのある虫の撮影にはとても便利なレンズだと思う。

d0090322_6335497.jpg
#7: アカジマトラカミキリ

.
Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD35mm, ASA400, Flash(+)
(2010-September-12, Nagano)



**************************************************

§ Afterword §

やっと今週は更新できました。

ルリボシカミキリがサファイアならば、アカジマトラカミキリは赤いルビーだろう。今回はこのルビーになかなか出会うことができなかったが、運よく別な場所で見つけることができた。とにかく神出鬼没な虫らしい。山梨県にもいるみたいなので、来年あたり是非とも地元のアカジマトラカミキリを撮影してみたいと思っている。とにかく探すのに時間と体力そして忍耐力が不可欠だね。


ウーム、これからさらに忙しくなるが、忙中閑ありでフィールドに出たいと思っている。
でも、しばらくND(Nature Diary)も不定期更新になってしまうかな-----。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-09-14 06:23 | Comments(10)