NATURE DIARY

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20110110 マレーシア散歩:シジミチョウなど

Nature Diary #0369
Date: January 10 (Monday), 2011
Place: Petaling Jaya in Malaysia
Weather: Cloudy




正月明けのマレーシア散歩日記もこれが3回目。

マレーシアでは、まともに散歩できたのは滞在最終日のわずか1日だけだったが、思いの他色々な蝶に出会うことができた。それは、マレーシアという国の自然力 を意味するのだろう。熱帯アジアには訪れれば訪れるほどの魅力というか魔力がある。気をつけないと、その魔力の虜になってしまう----すでに手遅れだね。



§ Diary §

ホテル近くで、ちょっと怪しげな カレーレストラン「Syed」 を見つけた。マレーシア料理も悪くないが、たまにはパンチが効いた食事がしたくなる-----カレーだね。

ここのチキンカレーは辛くて大汗をかいたが、味そのものはOK。

店の中のお客さんをみると、やはりインド系の人が多かった。お客の一人から聞くところによれば、マレーシアは多民族国家で、民族間での人種差別問題(とくにインド系が差別)があるとのことだ。ちなみに、人口比では、マレー系(約65%)、華人系(約25%)、インド系(印僑)(約7%)の順で多い。

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>>カレー屋

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Curry-restaurant, Syed, near the hotel.
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Olympus E-620, ZD12-60mm,  ASA800
(Petaling Jaya, Malaysia, Jan-10-2011)




ウツボカズラ; Nepenthes sp.

道の脇で長さ20㎝くらいはある大きなウツボカズラ(Tropical Pitcher Plant)を見つけた。

このウツボカズラは、葉が壺型に変形し、その中に虫を誘い込んで落とす食虫植物
この仲間はマレーシア(とくにボルネオ島高地)で繁栄しているが、野生種はワシントン条約で持ち出し禁止になっているらしい。

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>>ウツボカズラ

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Tropical pitcher plant
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Canon 7D, EF300mm, ASA400
(Petaling Jaya, Malaysia, Jan-10-2011)




キイチゴシジミの1種???; Sinthusa sp.

実はこのジジミチョウの同定には苦慮した。

Sinthusa malika amata は裏面の模様は良く似ているが、前翅裏上部はこの写真のような黒灰色ではなくて、もっとオレンジ色を帯びるようだ。日本では古来より、分けのわからない木のことを 「なんじゃもんじゃの木」 とよぶが、さしずめこの蝶は 「なんじゃもんじゃの蝶」 だな。

種の特定に確信が持てないので、ここではSinthusaに属するチョウとだけしておく。
この属のシジミチョウは、イチジクシジミとかキイチゴシジミなどと呼ばれているらしい。

(注:Celastrinaさんから、Sinthusa malika の♂とのご教示をいただきました。有難うございました。)

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>>キイチゴシジミの1種???

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Although this beautiful butterfly could be classified into Sinthusa, I have not determined yet to specify the scientific name.
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Canon 7D, EF300mm, ASA400
(Petaling Jaya, Malaysia, Jan-10-2011)



これは別な個体だ。
複数の個体が、素早く飛んで葉に静止し、翅を開いて日光浴をしていた。

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>>キイチゴシジミ???

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This butterfly perched on the leaf and tended to open the wings.
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Canon 7D, EF300mm, ASA400
(Petaling Jaya, Malaysia, Jan-10-2011)




コシロウラナミシジミ;
The Common Cerulean, Jamides celeno aelianus


このシジミチョウは飛翔すると、日本のウラクロシジミのように翅表の白が点滅してとても綺麗だ。個体数は少なくないようで、何頭も見ることができた。

東南アジアのウラナミシジミの仲間(Jamides)は、良く似ているで同定が難しいな。

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>>吸蜜するコシロウラナミシジミ

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A Common Cerulean feeding nectar on the flower.
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Canon 7D, EF300mm, ASA400
(Petaling Jaya, Malaysia, Jan-10-2011)




ヒイロシジミ;
The Cornelian、Deudorix epijarbas epijarbas


綺麗なヒイロシジミを見つけた。

台湾以南に産するが、沖縄でも偶産蝶として記録されているようだ。本種の幼虫は、リュウガン、レイシ、ムクロジ、ランブータンなどの果物の葉を食するグルメだ。

いかにも翅を開きそうだったので、待ってみたが、とうとう開翅せず。
開くと翅表は緋色で美しい。

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>>葉上に静止するヒイロシジミ

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A Cornelian perching on the leaf.
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Canon 7D, EF300mm, ASA400
(Petaling Jaya, Malaysia, Jan-10-2011)




エリルスフタオルリシジミ;
The Common Tit, Hypolycaena erylus


エリルスフタオルリシジミは、その名前のように長い尾状突起が、左右で2本ずつある。
残念ながら、この個体は少し古いようで、尾状突起が欠けていた。

東南アジアを訪問された多くの方が撮影されているので、普通種だと思うが、蝶そのものはなかなか立派で、はじめて撮影する虫林にとっては嬉しいものだ。

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>>エリルスフタオルリシジミ

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The Common Tit
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Canon 7D, EF300mm, ASA400
(Petaling Jaya, Malaysia, Jan-10-2011)




リュウキュウウラボシシジミ;
The Hedge Cupid, Pithecops corvus correctus


名前のように、沖縄にも産する種類と同じものだろう。

沖縄での生息地では、沢筋にいるらしいが、確かにこのチョウを発見した場所も沢筋でやや薄暗いような場所だった。沖縄では少ないようだが、マレーシアでは個体数が多いようだ。

思いの他、小さくて、弱弱しくて楚々としているチョウ。

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>>吸蜜するリュウキュウウラボシシジミ

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A Hedge Cupid feeding nectar on the flower.
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Canon 7D, EF300mm, ASA400
(Petaling Jaya, Malaysia, Jan-10-2011)




ムラサキサカハチシジミ;
The Blue Pierrot, Discolampa ethion thalimar


この蝶は、昨年インド南部の Cochin でも出会った。
東南アジアに広く分布するのだろう。

ここでは、結局、1頭だけだった。

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>>吸蜜するムラサキサカハチシジミ

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The Blue Pierrot
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Canon 7D, EF300mm, ASA400
(Petaling Jaya, Malaysia, Jan-10-2011)



メラニップスカバマダラ(コウトウマダラ);
Black Veined Tiger, Danaus Melanippus Hegesippus


スジグロカバマダラに似ているが、色彩はより艶やか。

南国ではランタナの花に蝶が集まることが多いが、ここではあまり蝶が集まらないかった。しかし、メラニップスはランタナの花で吸蜜していた。

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>>メラニップスカバマダラ

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A Black Veined Tiger feeding nectar on the flower.
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Canon 7D, EF300mm, ASA400
(Petaling Jaya, Malaysia, Jan-10-2011)



開けた場所では、個体数は少なくない。

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>>メラニップスカバマダラ

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A Black Veined Tiger feeding nectar on the flower.
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Canon 7D, EF300mm, ASA400
(Petaling Jaya, Malaysia, Jan-10-2011)




キイロアサギマダラ;
The Yellow Glassy Tiger, Parantica aspasia aspasia


飛んでいるときは、アゲハかと思ったが、花で吸蜜するところを観察したら、明らかにマダラチョウだった。マダラチョウにしては黄色の後翅が良く目立ちとても美しい。

この蝶はゆっくり飛ぶので、飛翔写真の撮影を試みたが、残念ながら失敗した。

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>>吸蜜するキイロアサギマダラ

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A Yellow Glassy Tiger feeding nectar on the flower.
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Canon 7D, EF300mm, ASA400
(Petaling Jaya, Malaysia, Jan-10-2011)



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§ Afterword §

マレーシアのジャングルでは、道に迷ってしまった。
まあ、森は市街地にも近いので、迷ってもそれほど心配はしなかった(ウソつけ)。その時、ペットボトルの水を2本持参していたが、暑さのためにすぐに飲んでしまい、水分の補給で心細い思いをした。熱帯でのトレッキングはとにかく水が大事だね。

何とかジャングルからは抜け出ることができたが、抜け出た先がスラムとまではいえないが、かなりひどい場所だった。そこをカメラを提げながら通り抜けるのには、正直キモを冷やした。


虫林は海外でも単独行が多いので、安全管理をしっかりしなければいけないな。
-----と、そんなことを思いながら、マレーシアのチョウの写真を整理している。


次回で最終回かな。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-01-30 12:38 | Comments(17)

20110123 真冬の散歩道:大きな氷柱など

Nature Diary #0368
Date: January 23 (Sunday), 2011
Place: Kofu and Nirasaki, Yamanashi
Weather: Fine




§ Diary §

大寒の候。

この大寒の時期に、剣道や柔道などでは好んで寒稽古をやる。寒中水泳をやる人もいる
----ウー、考えただけでも寒い。

それならば、虫林の場合は「寒フィールド散歩」をやらなければなるまい----意味がよく良くわからない。とにかく、レイジーな虫林は、この寒い時期に外を歩くのが億劫なので、何か理由を付けなければならないのだ。

ということで、今週は久しぶりにフィールドに出ることにした。



梅の花;  Japanese apricot

甲府市および周辺には梅林が多い(甲州小梅が名産)。

丘の上にある梅林に寄ってみた。そこは、毎年梅の開花が他の場所に比べて早い。案の定、蕾がかなり膨らんで、まだ少しだけだがすでに花もほころんでいた。ここは高台なので、甲府市街から御坂山地や富士山が一望できる。

梅一輪、一輪ほどの暖かさ (by 服部嵐雪)

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>> 梅一輪開花

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I found the flowers on the Japanese apricot trees coaxed into blooming.
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Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA200
(Kofu, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)



驚異の氷柱(つらら);  Spectacular Icicles

道路の脇の日陰で、大きな氷柱を発見。

近づいてみると、崖からしみ出た水分がゆっくりと凍って成長したようだ。それにしてもずいぶんと伸びたものだ。今まで見た自然の氷柱では最も大きいかもしれないな。崖の上までは10mくらいはあるので、氷柱は長さ5mを越えている。

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>> 長い氷柱(つらら)の崖

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The spectacular icicles developed on the clif.
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Olympus E-3, ZD12-60mm,  ASA200
(Kofu, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)



普通に撮影すると、氷柱の実際の大きさが分からない。

そこで、三脚を設置してカメラを固定し、氷柱の横に自分を入れて撮影することにした。セルフタイマー12秒で撮影したが、氷柱のある場所まではかなり足場が悪いので、何度か転んで失敗してしまった。でも、何とか撮影できた。上から氷柱が落ちてきたら危険だったかもしれないな。

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>> 氷柱(つらら)

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The icicles, up to 5m in length, developed on the clif.
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Olympus E-3, ZD12-60mm,  ASA200
(Kofu, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)




オサ掘り;  Digging banks

この時期、昆虫の姿を発見するのは容易ではない。

そこで、韮崎市の山林でオサ掘りをすることにした。オサ掘りとは、冬に土手を崩して、地中で越冬しているオサムシなどを見つけることだ。

準備して林に入ろうとしたその時、「そちらは入っては危険だよ」と声をかけられた。声のした方をみると、ライフル銃をもった人たちが数人集まっていた。早速、その訳を聞いてみると、虫林が入ろうとした斜面では、イノシシやシカの猟をしているとのことだった。まあ、彼らの山でもないので、そこに入っても問題はない。でも、本日はツキノワグマ風衣装?(黒い服に白い帽子)なので、万が一クマと間違われて撃たれても困るので、遠慮しとくに越したことはない。
とにかく反対側の斜面に入った。


この時期のオサムシは、道の脇の土手や斜面の土中で越冬しているが、どこにでもいるわけではなくて、土質、湿度などが越冬するのに適度な場所にいる。

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>> 細い林道脇の土手

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I spaded banks to see the carabid beetles
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Olympus E-3, ZD12-60mm,  ASA200
(Nirasaki, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)



まず出てきたのは、クロナガオサムシだった。

虫を傷つけずにうまく崩せると、オサムシが越冬している状態がわかる。オサ掘りでは、クロナガオサの仲間は、翅の表面にすぐに土がついてしまうのが残念だ。

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>> 土手で越冬していたクロナガオサムシ(黒長歩行虫)

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A carabid beetle、Carabus procerulus, came out from the bank,
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Upper: Olympus E-3, ZD12-60mm,  ASA200
Lower: Olympus E-3, ZD8mm, EC-14, ASA200

(Nirasaki, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)



しばらくオサ掘りをしていると、別なオサムシが転げ落ちてきた。
アオオサよりも一回り大きくて、黒っぽい。オオオサだ。

この辺りはオオオサの分布境界域なのかな。

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>> オオオサムシ(大歩行虫)

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A carabid beetle, Carabus dehaanii, came out from the bank,
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Upper: Olympus E-3, ZD12-60mm,  ASA200
Lower: Canon 7D, ED100mm Macro, ASA400

(Nirasaki, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)



カシアシナガゾウムシ; Mecysclobus piceus

今年はアカコブコブゾウムシ、ホオジロアシナガゾウムシは撮影できたか、カシアシナガゾウムシはまだだった。そもそも、カシアシナガが最も数が多いように思えるので、見つからないのが不思議だった。

ナラの枝先の分岐部にカシアシナガゾウムシを発見。

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>> カシアシナガゾウムシ(樫足長象虫)

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A winterpassing elephant beetle, Mecysclobus piceus, tightly holding the small branch with the long legs.
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Canon 7D, ED100mm Macro, ASA400
(Nirasaki, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)



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§ Afterword §

今まで「虫が面白いから、花が美しいから、風景が感動的だから」というだけで、何も考えずに撮影してきた。でも、最近、ふと振り返ってみると、それぞれの写真には紛れもなく、その時の自分がそこにいる。つまり、写真とは自分の記録に他ならないのだ。

すでに梅の花がほころんで、春はもうすぐだ。

今回見つけた大きな氷柱は、今まで見たことが無かった。今年の冬の気温は例年よりも低いので、このように大きな氷柱が出来たのかも知れないな。驚いた。

マレーシアのチョウは名前が判明してからまたアップしてみたいと思っている。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-01-23 22:40 | Comments(8)

20110110 マレーシア散歩:キマルリに似た蝶など

Nature Diary #0367
Date: January 10 (Monday), 2011
Place: Petaling Jaya, Malaysia
Weather: Cloudy




§ Diary §

小学生の頃には、熱帯のジャングルには極彩色の鳥や蝶が飛び、巨大なカブトムシやナナフシなどが樹幹を這っていると信じていた。しかし、現実はそう簡単に昆虫たちを発見できるところではなかった。それでもなお、ジャングルへの憧憬を消し去ることができない。

また、マレーシアの森を歩いた。


キノコムシ;  Fungus beetle

熱帯雨林の内部は、とても蒸し暑くて、しばらく歩くと参ってしまう。
道の脇の倒木に荷物を降ろして、ペットボトルの水を一息に飲んだ。ジャングルの中とはいっても、渓流のような小川に沿った小路なので、これでも涼しいのかもしれない。

見ると、目の前の大きな木の幹にサルノコシカケのようなキノコ発見。

そういえば、マレーシアにはバイオリンムシというケッタイな形の甲虫がいて、それが大きなキノコの下についていると聞いたことがある。そこで、もしかして-----と半信半疑で覗いたところ、そこにいたのは Fungus beetle と呼ばれている美しいキノコムシの一種だった。

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サルノコシカケの下に静止する 'キノコムシ'

..
There were two fungus beetles under the large whitish mushroom on the tree trunk. (Gasing hill in Petaling Jaya, Malaysia)
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Upper: Olympus E-620, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA400
Lower: Canon 7D, ED100mm Macro, ASA400

(Jan-10-2011)




見つけたFungus beetleは体長が1.5㎝くらいで、黒い地色の鞘翅に4つの黄色い丸い紋が目立つ。鞘翅の縁がまるで麦わら帽子のツバのように水平に広がっているのが面白い。

虫林は以前にカミキリ屋だったが、他の甲虫もそれなりに大好きだ。

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キノコムシ

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A fungus beetle having four orange spots on the wings with the extremely expanded edge. (Gasing hill in Petaling Jaya, Malaysia)
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Canon 7D, EF100mmf2.8L-Macro-IS-USM, ASA400, Speed-light 430 EXII
(Jan-10-2011)




キマダラルリツバメに似たチョウ; Siverlines

樹林を抜けて、市街地に続く道脇にはセンダングサの群落。
チョウの姿は無いので、立ち去ろうとしたその時、センダングサで Silverlineを見つけた。

注) はじめはこのチョウは、Spindasis syama (ミツモンフタオシジミ)と思ったが、翅裏基部の紋が分かれていないので、 S. lohita (ロヒタキマダラルリツバメ)であるとみなされた。
同定していただいたze_ph さん有難うございます。

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センダングサの花で吸蜜する 'ロヒタキマダラルリツバメ'

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A wide view of S. lohita nectaring on the flower.
(Gasing hill in Petaling Jaya, Malaysia)

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Olympus E-620, ZD12-60㎜, ASA 200
(Jan-10-2011)



このシジミの名前はとにかく、翅裏がトラ模様で尾状突起を4本持つのは、日本のキマダラルリツバメにそっくりだな。ただ、日本のキマルリのように特別なアリと共生するのかどうかは、これから調べてみないとわからない。
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A small butterfly, S. lohita, nectaring on the flower.

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Upper: Canon 7D, EF300mm, ASA400
Middle: Canon 7D, EF100mm Macro, ASA400
Lower: Canon 7D, EF300mm, ASA400




しばらく観察していたら、おもむろに翅を広げてくれた。
みると、青い部分の面積は結構広そうだ。でも、キマルリの東北亜種よりは狭い。
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A butterfly of S. lohita nectaring on the flower with the winged semi-opened..

Canon 7D, EF300mm, ASA400


<追加掲載>
撮影した写真を見直してみたところ、実は少し紋が異なる キマルリ に似ているシジミを撮影していた。こちらは、少し紋が分かれていて、Spindasis syama (ミツモンフタオシジミ)のように見える。
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Upper: Olympus E-620, ZD12-60mm、ASA200
Lower: Canon 7D, EF300mm, ASA400




ベニモンシロチョウ; Delias hyparete indica

突然、カザリシロチョウが現れた。
カザリシロチョウの仲間は、できたら撮影したいと思っていた。

飛び去ってしまうかと思いきや、どういうわけか(虫林の心が読めるのか)また戻ってきてくれて、繁みの花で吸蜜しだした。
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A beautiful butterfly, Delias hyparete indica, nectaring on the flower.

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Canon 7D, EF300mm, ASA400




キチョウ;  Grass Yellow

キチョウの仲間は種類が多い。

日本と同じようなものも多いが、サリキチョウ(下の写真の上)は何となく特徴的なので、撮影してみた。また、タイワンキチョウ(下の写真の下)はサリキチョウと混棲していて、サリキチョウと思って撮影した。

注:タイワンキチョウ Eurema blanda snelleni (Three Spot Grass Yellow)は、Yoda-1さんに同定していただきました。Yoda-1さん有難うございます。
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Upper: Chocholate Grass Yellow, Eurema sari sodalis
Lower: Three Spot Grass Yellow, Eurema blanda snelleni

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Canon 7D, EF300mm, ASA400



; Nest

初めはスズメバチの巣に見えたが、近くで観察すると、どうやら土でできていそうに見える。でも、ハチなのかアリの巣なのかはわからなかった。
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A large nest on the tree..

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


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§ Afterword §

本日はとても寒い日で、雪が降ったところも多かったようだ。こんな時には、蒸し暑かったマレーシアの森を思い出して温まって見たいと思う。今回は、カザリシロチョウやキマルリのようなシジミを掲載したが、実はキノコムシがなかなかユニークで気に入っている。


次回もマレーシアのNDをアップしようと思います。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-01-16 19:17 | Comments(14)

20110110 マレーシア散歩:尾が長いシジミたち

Nature Diary #0365
Date: January 10 (Monday), 2011
Place: Petaling Jaya, Malaysia
Weather: Cloudy




<マレーシアにて>

新年早々、マレーシアの Petaling Jaya という都市に学会出張。マレーシアは数年前にも訪れたが、その時はペナン島だったので、マレー半島へはこれが初めての訪問になる。

学会が終了した翌日、 Gasing hill という場所を散歩した。そこは現地の学会参加者から聞いた場所だが、本来、チョウを撮影するのであれば、もう少し現地の様子を下調べして来れば良いのにといつも思う。しかし、訪問の目的自体が異なるので、フィールド散歩の方はいつも行き当たりばったりが多くなってしまうのだ----言い訳。



§ Diary §

Gasing hill は虫林が宿泊したホテルからタクシーで15分ほどの熱帯雨林で、トレッキングコースがある。せっかくの散歩なのに、空は朝からどんよりと曇り(マレーシアは現在雨季)、湿度が高くてすごく蒸し暑い。厳寒の日本からいきなり常夏の国マレーシアを訪れたのだから、余計に蒸し暑く感じるのだろう。

ホエザルやセミの鳴き声を聞きながらジャングルの中を歩くと、体中から汗が噴き出して来るのがわかる。歩き出してしばらくは、カメラのレンズが曇って使用不可になった。

とにかく丘の上まで登ってみると、ジャングルの向こうにPetaling Jayaの市街地が見えた。
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It was cloudy and humid since Malyasia is now in rainy season. Dispite this difficult wether, I made a visit to Gasing hill near the city of Petaling Jaya with the intention of watching butterflies.

This is a landscape of Petaling Jaya from the top of Gasing hill.

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Olympus E-620, ZD12-60㎜, ASA 200




トカゲ; Lizard

樹林内の小径脇の小枝に大きさは20㎝くらいのトカゲを見つけた。
イグアナの仲間かな?

そのトカゲは虫林の存在に気づいているはずなのに、のんびりとして逃げようともしない。
でも、こうしてみると、トカゲの目は眠そうでなかなか可愛い。
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A faint brown lizard, about 20cm in long, was found by the path. He had the drowsy eyes and seemed to be resting and/or basking on the branch of the bush

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Canon D7, EF300mm, ASA400




Branded imperial; Eooxylides tharis distanti

突然、樹林内でオレンジ色のシジミチョウが飛んだ。

少し前の葉に静止したので、さっそく、走り寄って観察してみると、やけに長くて白い尾(尾状突起)を持っている-----美しいシジミチョウだった。

まるで、「羽衣を靡かせた天女」のように見えた。
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A branded imperial with a pair of long-tail resting on the leaf.
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Olympus E-620, ZD12-60㎜, ASA 200



このチョウは意外に敏感で、近づくとすぐに飛んでしまう。
そんな場面では、最近購入したキャノンのEF300㎜がとても有用だった。

このレンズはひ弱な虫林には少し重すぎて、あまり長時間は使用できないが、レンズとしての切れ味は抜群(100㎜マクロとほぼ同等に思う)なので安心して使えるのが有難い。とにかく、実質480㎜相当のレンズが、三脚なしの手持ち撮影できるのだから、有難いことである。
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A branded imperial resting on the leaf.
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Canon D7, EF300mm, ASA400




Branded imperial は稀なものではないが、やや局地的な分布する。ここでは、かなり多くの個体が見られたが、樹林内や日陰の道脇に限られていて、決して日向には出てこない。多分、森林性のチョウなのだろう。

皇族(imperial)という名の通り、どことなく高貴な優雅さがある。
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A branded imperial resting on the leaf.
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Canon D7, EF100mm MacroL, ASA400




Common imperial; Cheritra freja frigga

このチョウも尾が長いが、残念ながら少し色が褪せている。

色調や紋の形態から Common imperial のようだ。
尾が異常に長いチョウは、尾を下にして上下にジャンプするような変わった飛び方をする。
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A common imperial resting on the leaf.
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Canon D7, EF300mm, ASA400




Yamfly; Loxura atymnus fuconius

Branded imperialをしつこく追っていたら、別な種類のオレンジ色のシジミチョウを見つけた。Yamflyという名前のシジミチョウで、東南アジアには広く分布する種類みたいだ。

やはりこちらも長い尾を持つ。
熱帯雨林ではどうしてこのように不必要に尾が長いチョウがいるのだろう?
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A Yamfly resting on the ground.
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Olympus E-620, ZD12-60㎜, ASA 200



この個体は、傷一つない完璧なもので、尾状突起は完全だ。

それにしても、このチョウの色合いは、まったりとしたオレンジで、日本のチョウでいえば、ムモンアカシジミの色合い、質感に似ているように思う。オナガムモンアカシジミといったところかな。

顔の三角形の突起(吻)がユニークだ。
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A Yamfly resting on the leaf.
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Upper: Canon D7, EF300mm, ASA400
Lower: Canon D7, EF100m Macro, ASA200




古い個体であるが、開翅してくれた。
翅表はアカシジミに似ている。
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A Yamfly resting on the leaf with the wings opened.
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Canon D7, EF300mm, ASA400



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§ Afterword §

キャメロンハイランドはPetaling Jaya からかなり遠く、車で片道5時間もかかるということだった。そんな遠くまでの日帰り撮影行は、時間が無い虫林には無理なので、車で15分の近場のジャングルでトレッキングした。東南アジアでは、キャメロンハイランドのような1000mを超える高地では、涼しくて快適な気候だろうと思うが、低地では冬でも極めて蒸し暑い。

そこで、トレッキングの際には水分補給がキーポイントになる。今回はペットボトルを2本持って歩いたが、暑すぎて2本ともすぐに空になってしまい困った。脱水症は時に命取りになるからね。



次回は、その他のシジミチョウ、とくにキマルリのようなチョウを供覧する。





以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-01-12 22:34 | Comments(14)

20110102 初散歩:オオムラサキの越冬幼虫など

Nature Diary #0365
Date: January 2nd (Sunday), 2011
Place: Kofu, Yamanashi Pref.
Weather: fine




<お正月と寅さん>
このところの不景気のせいなのか、テレビ番組の軽佻浮薄は目を覆うばかりです。もしも番組製作費が不十分なのであれば、いっそのことお正月期間中には 「男はつらいよ」 シリーズを片っ端から流してほしいと思います----本当は自分が見たいだけ?

やはり日本のお正月はフーテンの寅さんですよね。




§ Diary §

お正月2日の午前中は、ある山岳用品専門店の福袋を1個購入するのが恒例になっていましたが、今年はどういうわけかお店の福袋企画がありませんでした。そこで、近くの散歩道のひとつである 「武田の杜」 に初散歩(散歩始め)に行くことにしました。

本日は天気が良いので、遠くの山々がとても綺麗に見えました。よく訪れる「クリの小径」から南方に目をやると、甲府市街地と御坂の山々そして富士山が見はるかされました。
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武田の杜から甲府市街を望む

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It was chilly but fine in the morning. I visited my favorite point, Takeda forest, to see some overwintering insects. From the hill-top point, I noticed a beautiful landscape of Mt. Fuji behind the Kofu city.
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Olympus E-3, ZD8mm, ASA 200



オオムラサキの幼虫; Caterpillar of the Great Purple

エノキの大木の下の枯葉を少しめくってオオムラサキの越冬幼虫を探してみました。ここは毎年幼虫を見つけている場所なので、数分もあればその姿を見ることができます。基本的にオオムラサキの幼虫は、エノキの木の北側で多く、木に近いほど密度が濃いようです。

落ち葉(エノキ)にひっそりとくっついてる幼虫を撮影。
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越冬するオオムラサキの幼虫

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A caterpillar of the Great Purple overwintering on the dry leaf.
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Olympus E-P1, MZD14-42㎜, ASA 200



30分ほどの間に5頭ほどの幼虫が見つかりました。
幼虫を集めて集合写真を撮影しても仕方がないけどせっかくだからハイチーズ。

何度見ても背中の4対のでっぱりがクールだな。
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越冬するオオムラサキの幼虫

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Caterpillars of the Great Purple overwintering on the dry leaf.
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Canon D7, EF100mm-2.8L-Macro-IS-USM, ASA 200, Speedlight 430EX II



ゴマダラチョウの幼虫; Caterpillar of the Japanese Circe

同時にゴマダラチョウの幼虫も見つかりましたが、こちらはオオムラサキに比べて数が少ないようでした。成虫は明らかにオオムラサキの方が大きいですが、幼虫の大きさはゴマダラチョウの方が大きいみたいです。

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越冬するゴマダラチョウの幼虫

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A overwintering caterpillar of the Japanese Circe
Canon D7, EF100mm-2.8L-Macro-IS-USM, ASA 200, Speedlight 430EX II



ホオジロアシナガゾウムシ; Mecysclobus erro

昨年最後のNature Diary (ND)で、アカコブコブゾウムシという森のダッコちゃんをご紹介しましたが、今回は別のダッコちゃんであるホオジロアシナガゾウムシを見つけました。この仲間にはカシアシナガゾウムシもいますが、虫林の経験ではこのホオジロアシナガゾウムシが他種よりも少ないように感じています。

とにかく、虫が少ないこの時期に、細い枝先でじっと冬が明けるのを待っているダッカチャンたちはとても健気に見えるばかりでなく、たくましくも見えますね。
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ホオジロアシナガゾウムシ

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A winterpassing elephant beetle, Mecysclobus erro, tightly holding the small branch with the long legs.
Canon D7, EF100mm-2.8L-Macro-IS-USM, ASA 200, Speedlight 430EX II



キイロテントウムシ; Illeis koebelei

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キイロテントウムシ

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A yellow ladybird overpassing on the dry leaf
Canon D7, EF100mm-2.8L-Macro-IS-USM, ASA 200, Speedlight 430EX II



ヒメスズメバチ; Vespa ducalis, hornet

土手を少し崩したら、土の中で越冬しているヒメスズメバチを見つけました。

ハタラキ蜂やオス蜂は冬の前に死んでしまうので、越冬しているのは「新女王」のはずです。
見つけた女王様は意外に綺麗でカラフルでした。

*Dragonbutterさんからのご教示を頂きました。有難うございました。
ヒメスズメバチはオオスズメバチに次ぐ大きさで、腹端が黒いのが特徴です(この写真では良く分かりません)


それにしても、怖い顔ですね。

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ヒメスズメバチ

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I found a overwintering hornet in the ground.
Canon D7, EF100mm-2.8L-Macro-IS-USM, ASA 200, Speedlight 430EX II



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§ Afterword §

本日は天気も良かったので、初詣ならぬ「初散歩」をしました。

今年一年のフィールド散歩がまた始まりましたが、とにかく、健康維持のためにもできるだけ歩きたいものだと思っています。また、日本国内だけでなく、今年もまたいくつかの海外出張がすでに決まっていますので、何とか海外でもフィールドに出てみたいなと思っています。

虫林のモットー: 「虫を楽しみ、花を楽しみ、自然を楽しみ、そして人生を楽しむ」 のように今年も生きたいと思います。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-01-02 19:33 | Comments(24)

20110101 謹賀新年 (第5回虫林大賞発表:ハイマツ仙人)

Nature Diary #0364
Date: January 1st (Saturday), 2011
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather:Fine



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昨年中は拙写真と駄文にお付き合いいただき真に有難うございました。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


それでは、さっそく恒例になりました虫林大賞を発表します。

一人だけの審査員(虫林自身)による厳正かつ慎重なる審査の結果、本年度の虫林大賞(第5回)受賞作は槍ヶ岳バックのハイマツ仙人(タカネヒカゲ)に決定しました。エーこんな写真が大賞なんですか?----と思われるかもしれませんが、とにかく自分自身の写真の中から自分で選んでいるのですからご容赦くださいませ。

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槍ヶ岳バックのハイマツ仙人(タカネヒカゲ)



<選考理由>
そもそも槍ヶ岳バックのハイマツ仙人(タカネヒカゲ)を撮影しようと思ったのは、banyanさん撮影の飛翔写真の背景に槍ヶ岳が写っていたのを見てからです。そこで昨年は、梅雨が明けるのを今か今かと待って一人で常念に登りました。常念乗越では目的の写真が運よく撮影できましたが、その上、幸運なことに常念小屋2代目社長の 山田恒男氏 とお会いして 希代のナチュラリスト 故・田淵行男 に関する色々なお話を聞くことが出来たことも良い思い出になりました。

ちなみに、第5回大賞にノミネートされた候補は以下の通りです。
槍ヶ岳バックのハイマツ仙人(タカネヒカゲ)岩手(陸中)のキマダラルリツバメ北アルプスのヤリガタケシジミ中国福建省のキマルリそっくりさんスコットランドのクモマツマ、チョウ南米ブラジル・イグアスのチョウ


中でも、陸中キマルリは何年もの間探していたので、発見した時には興奮しました。
虫林大賞の選考では最後まで迷いました。
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過去の虫林大賞 (The best shot of the year by Tyurin)

第一回 (2006):オオイチモンジの集団吸水
第二回 (2007):アリに攻撃される岩手のチョウセンアカシジミ
第三回 (2008):カタクリで吸蜜する白馬のギフチョウ(イエローバンド)
第四回 (2009):福島のキマダラルリシジミ♂開翅



それでは、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

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以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-01-01 00:16 | Comments(54)