NATURE DIARY

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20110529 雨の日曜日:アカガネサルハムシなど

Nature Diary #391

土曜日は父の誕生パーティ(92歳)と高校時代のクラス会で、久しぶりに生まれ育った神奈川県の海辺の街に行ってきました。相変わらずのんびり走る江ノ電に乗ったり、おなかが出て髪の毛も薄くなった同級生たちと会話したりすると、楽しかった昔がフラッシュバックしてきました。

明けて日曜日も台風2号の影響で朝から生憎の雨-----雨の日曜日くらいは家でゆっくりしよう。

考えてみると、今まで思索の時間というものがあまりにも少なかったような気がする。コーヒーを飲みながらほっこりと最近の写真を整理していたら、いくつか気に入ったものが出てきた。ウーム、せっかくなので今週の Nature Diary (ND) に掲載してみることにした。


» テイカズラ;

昼近くになって庭に出てみると、隣との境界の垣根に這わせている 「テイカズラ」 がいつのまにか満開で、周囲にあまい香りを漂わせていました。我が家のテイカズラの増殖はかなりすごくて、垣根とともに電信柱にも絡んでいましたが、実は電力会社からクレームがついてしまい、泣く泣く電信柱に絡まった部分は切ってしまいました。

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雨に濡れるテイカズラの花 (甲府市)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



» ダイミョウセセリ; Acrothinium gaschkevitchi

チャマダラ亜科のセセリチョウたちでは、チャマダラセセリやヒメチャマダラセセリは数が少なくて珍重され、ミヤマセセリも春の訪れを示すスプリングエフェメラルとして多くの蝶好きに愛される。でも、この亜科に属する近縁のダイミョウセセリは年に3化もして、どこでも普通に見られる上に色彩も黒っぽいために注目されない不幸なチョウといえるだろう-----注目されないことが蝶にとって不幸とは思えないけどね。

ダイミョウセセリに限らず、チャマダラ亜科の蝶たちは翅を開いて静止する習性がある。そんな姿はまるで蛾のようだ。ヨーロッパでは蝶と蛾をあまり区別しないようだが、さもありなんと思う。

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吸蜜するダイミョウセセリ (甲府市)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» アカガネサルハムシ; Acrothinium gaschkevitchi

道の脇のキレハノブドウの新葉に何頭ものアカガネサルハムシが認められた。このハムシは緑色にその補色の赤色が映え、表面の光沢も強くてなかなか美しい甲虫である(多分、日本のハムシの中で1番美しいかも)。普通種とはいえど、見つけると必ずカメラを向けてしまう。

いわゆる 「フォトジェニック」 な甲虫だな。

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アカガネサルハムシ(甲府市)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» キイロクビナガハムシ; Lilloceris rugata

キイロクビナガハムシはキイロという名前だが、鞘翅の色は実に鮮やかな赤色だ。むしろベニイロクビナガハムシとでも呼びたくなってしまうな。

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キイロクビナガハムシ (甲府市)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



» カタモンコガネ; Blitopertha conspurcata

ヤブウツギの花を覗いたら何かが潜り込んでいた。そこで、花弁を一部むしり取ってみたところ、カタモンコガネが現れた。花粉を食べにやってきたのだろう。

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ヤブウツギの花に来たカタモンコガネ (甲府市)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



§ Afterword §

今週は雨のためにフィールド散歩に出かけることが出来なかった。でも、先週まで学会の準備や雑事で忙しかったので、雨の日曜日くらいは本を読んだり、家内の買い物に付き合ったり、色々なことに思いを巡らしたりして、ひたすらぼんやりしたりするのも悪くないなと思います。どうも、生来のせっかちな性格のせいか落ち着きが無い。

もうすぐ6月だ。梅雨の時期でもある6月は一年中で最も自然界が賑やかな月だろう。
来週はフィールド散歩を楽しもう。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-05-29 14:28 | Comments(8)

台湾散歩2:ウラフチベニシジミなど

Nature Diary #390

台湾はすでに梅雨入りしてしまった。まあ、訪台の目的が蝶の撮影ではないので、雨が降ってもあまり気にならない(ウソをつけ)。そんな雨模様でも、曇り空の下であれば何とか蝶を見ることができた。


» ウラフチベニシジミ; Heliophorus epicles

ウラフチベニシジミは東南アジアに広く分布し、ここ台湾でもどこでも見ることができるシジミチョウだ。この蝶は普通種だが、翅裏が紅色に縁どられた明るい黄色(黄金色?)でとてもグッドルッキングだ。この蝶は以前に何度も出会っているのだが、出会うたびにその美しさに胸がときめく。

ウラフチベニシジミはその名前が示すようにベニシジミ亜科に属しているが、尾状突起も長くて日本のベニシジミとはずいぶんと雰囲気が違う。さらに日本のベニシジミは♂と♀の色彩が良く似ているが、ウラフチベニではまるでゼフィルスのように♂♀の斑紋が異なる。ベニシジミの仲間は意外に奥が深そうだな。

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占有行動を示すウラフチベニシジミ (福山部落、5月22日)
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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400

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ウラフチベニシジミ♂ (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400

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ウラフチベニシジミ♀ (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400




» ルリマダラ; Two-brand Crow, Euploea sylvester

少し標高が高い場所では、日本のヒヨドリバナのピンクの花が咲いていて、曇天にも関わらずルリマダラを初めとするマダラチョウの仲間が吸蜜に訪れていた。ルリマダラは迷蝶として沖縄でもときどき記録されているようだが、土着までには至っていないようだ。メキシコのオオカバマダラと同様に、このルリマダラの仲間は台湾南部で集団越冬するのが有名だ-----何時か見てみたいと思う。

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吸蜜するルリマダラ (陽明山、5月22日)
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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA400

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ルリマダラ飛翔 (陽明山、5月22日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA800

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ルリマダラ飛翔 (陽明山、5月22日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA800




» タイワンアサギマダラ; Parantica swinhoei

アサギマダラが沢山いた。でも、良く見ると日本でも見るアサギマダラとともにそれより小さくて、胴体の部分が橙色のタイワンアサギマダラが混在していた。初めは両種の区別が良くわからなかったが、慣れるとそれほど難しくない。

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タイワンアサギマダラ (福山部落、5月22日)
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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400

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タイワンアサギマダラ (陽明山、5月22日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA800




» アサギマダラ; Parantica sita

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アサギマダラ (陽明山、5月22日)
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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400




» 台北の街角;

現在の台北は101ビルなど大きな建物が並び、数年前(5年前かな?)に訪れた時に比較すると隔世の感がある。それでも、夜になると夜店が立ち並び、それを見ながら散歩する市民でにぎわっていた。この夜店を歩くと、臭豆腐の匂いが服について少し困った。

この時期の台湾では、夜になっても少し蒸し暑く(マレーシアほどではないが)、歩くと汗がにじみ出た。

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台北市 (5月22日)
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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA800



§ Afterword §

今回は雨も降ってしまったので、蝶の写真はあまり撮影できなかった。でも、梅雨時なのであまり贅沢をいっても仕方がないだろう。台湾は蝶もさることながら、そこに住む人々との交流が嬉しい。今回も学会関係以外に色々な方に親切にしていただいた。近い将来また訪れてみたいと思う。

まだ他にも撮影した蝶は少しあるが、機会があれば(気が向けば)供覧したいと思います。
台湾散歩は一応終了。


以上、 by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2011-05-27 23:05 | Comments(6)

台湾散歩:福山 (Fushan) にて

Nature Diary #389

学会出張で台北市を訪れた。台湾を訪れるのはこれで4度目になるが、この時期に訪れるのは初めてだ。この国では訪れる度に「人々の優しさ」や「豊かな自然」に触れることができる。

学会での発表が終了した翌日(日曜日)、学会主催の excursion に出席せずに、台湾の知人(リュウさん)に案内していただき、台北市の南にある フーシャン(福山) という村を訪れた。フーシャンというところは、温泉地として有名な ウーライ(烏来)のさらに奥にある小さな部落で、台湾にもともと住んでいる原住民族の「高砂族(タイヤル族)」の居住地ということだ。

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フーシャン部落入り口 (台北市、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



かなり山奥という表現が当てはまるような場所だが、そこにある小学校(?)の校庭には(不釣り合いなほど)立派な運動場があった。さらに時刻と温度を知らせる電光掲示板も設置されていて、見ると現在の温度が摂氏30℃を越えていた----暑いはずだ。僕の推測では、ここは小学校の校庭というよりもこの村全体の運動場として建設されたと思われる。

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フーシャンの学校 (福山部落、5月22日)

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Olympus EP-1, MZD 14-42mm f3.5-5.6, ASA400



この村には放し飼いの犬がやけに多い。下の写真の犬は道の真ん中にいつも陣取っていて、虫林が通ろうとすると「ウー」と唸った------可愛くない犬だ。この道の先に良さそうな林があったのだが、別に犬に吠えられてまでそこを通ることも無かったので、すごすごと引き下がった。
ウーム、今考えると少し残念だったな-----イーヌーめ~。

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道に居座る犬 (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, , Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA400



この平和な部落の中を歩いていると、いわゆる「ほっとする光景」にしばしば出会った。それは何とも具体的には表現できないもので、我々が見て心癒されるといえる光景である。つまり、ほっとするのはかなり主観的なものなので、下のバイクの写真に僕はほっとするのだが、他の人がほっとするかどうかはわからないな。

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バイクに乗る青年と犬 (福山部落、5月22日)

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Olympus EP-1, MZD 14-42mm f3.5-5.6, ASA400



初めてバナナの花というものを見た。バナナの実の方は良く知っているが、バナナの花というものに今までお目にかかったことが無かった。とても大きくて美しい。

そういえば、虫林が子供の頃には台湾バナナは高級品で、そう簡単に口に入るものではなかった。今でも台湾バナナはフィリピンバナナよりも品質が良いらしい。それはちゃんとした根拠があって、フィリピンやエクアドルのバナナは実が出来るまで8-9ヶ月で、台湾バナナでは12カ月もかかる。この時間的な違いが、バナナの味に影響するらしい。

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バナナの花 (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



満開の龍眼(リュウガン)の木を見上げたら、沢山のコモンアサギマダラやリュウキュウアサギマダラなどのマダラチョウが飛び交っていた。その数100頭は下るまいと思われる。もちろん喜んで撮影したが、その群飛の様子がなかなかうまい具合に表現できなかったな。

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(上) 龍眼の花に集まったマダラチョウ(下)コモンアサギマダラ (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



センダングサが大きな群落をつくっている草原を歩いていたら、目にも止まらぬ速さで飛ぶシジミチョウを見つけた。やっと花に静止したので見たらタイワンフタオツバメ(ロヒタキマダラルリツバメ Spindasis lohita)だった。台湾にはキマルリが3種類も産するらしいが、このチョウの翅裏のトラ模様を見るとどの種類でも胸が高鳴ってしまうのだ。

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センダングサの花上のタイワンフタオツバメ (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



チラチラと青い翅表をちらつかせながら飛ぶホリシャルリシジミ(Celastrina limbata himelcon)を見つけた。新鮮な個体で地色の白さが際立っていて、とても美しかった。

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ホリシャルリシジミ (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



リュウガンの花には、しばしばミカドアゲハ(Graphium doson postianus)も訪れた。ミカドアゲハやアオスジアゲハの飛ぶ姿はあちらこちらで見かけたが、ついぞ下の花では吸蜜してくれなかった。

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ミカドアゲハ (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



チョウの幼虫を見つけた。一つはどうやらイシガケチョウの終齢幼虫で、もう一つはアゲハ類の若齢幼虫のようだが発見した葉がオガタマノキに似ているのでミカドアゲハの可能性が高いかな。虫林はどうも幼虫が苦手なので、あまり真面目に探したりしないが、見つけるとそれはそれで嬉しいものである。

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イシガケチョウとミカドアゲハの幼虫 (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



正午過ぎに突然雨が降ってきた。本日の天気予報はもともと雨だったので、雨は覚悟の上のフィールド散歩だったのだ。聞くところによると、台湾はそろそろ梅雨入り(?)するとのことだ。とにかく、学会出張で時間を見つけてフィールド散歩なので、雨に降られると残念だ。

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雨 (烏来、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



烏来はいわゆる温泉地で、温泉宿やお土産屋さんが立ち並ぶ。日曜日ということもあって、温泉客で目抜き通りはとても賑わっていた。どうせ雨になったので、台湾の温泉地というものを色々と見ながら散歩することにした。お土産屋さんの店先には、烏来特有の食材などが並べられていて、見ていて飽きない。

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雨 (烏来、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



台湾の温泉の入り方は、基本的には水着着用である。温泉宿の入浴料を見ると500-700NTなので、日本円にすると1500円から2000円といったところでかなり高額だ。下の写真は「水浴び」をしているのではなくて、川の端に湧き出る温泉に入る人たちである。なかなか楽しそうだ。

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烏来の温泉 (烏来、5月22日)

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Olympus EP-1, MZD 14-42mm f3.5-5.6, ASA400



§ Afterword §

台湾も梅雨入りしたみたいで、天気はあまり良くなかった。でも、それなりにいくつかのチョウの撮影もできたし、何よりも素晴らしい方たちとご一緒できたことが良かったと思います。

台湾を旅すると、いつも人々のやさしい心遣いに心を打たれます。本日はリュウさんご夫婦に一日お付き合いいただき、さらにご家族とご一緒に夕食まで頂くことになった。お二人ともとても素晴らしい人柄で、感銘を受けました。日本には今まで何回もこられているようですが、次回に来日する時は是非ともご一緒しましょう。また、テイさんご夫妻にもお付き合いいただき感謝します。




以上、 by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2011-05-24 18:41 | Comments(14)

20110515 新緑の散歩道:ハンミョウ緑型

Nature Diary #388

本日も天気が良いので、甲府市北にある林道を散歩した。ミヤマカラスでもいないかなと思いながら歩いていると足元からハンミョウが飛び出して少し前の地面に静止した。この美しいインセクトハンターは県南には普通だが、甲府市内では今まであまり見かけたことがなかった。

ナミハンミョウはかなりの個体数がいて歩くたびに飛びたったが、その中にやけに緑色が強い個体を見つけた。そこで、近づいてゆっくり観察してみると、鞘翅や前胸背の赤色が欠失して緑色になった変異種だった。このような変異種(ab. viridissima)があることは図鑑で見て知ってはいたが、実際に見るのはこれが初めてだったので何となく嬉しくなった。

下の写真の円内は通常型のハンミョウ。

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ハンミョウ 緑化変異 (甲府市、5月15日)
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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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ハンミョウ 緑化変異 (甲府市、5月15日)
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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



2週間ほど前にハンノキカミキリを見つけたヒメヤシャブシの低木を見に行った。注意深く探したのだが、今回は1頭だけしか見つけることができなかった。このカミキリは発生時期が短くて、すでに時期が過ぎてしまったのかもしれないな。多分、ここでは4月下旬から5月の上旬が良さそうだ。ハンノキカミキリはいつも偶然に見つけていたので、毎年観察できる場所は大事だ。

ハンノキカミキリは葉脈に沿って葉を後食する(写真下)。

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ヒメヤシャブシの葉を後食するハンノキカミキリ (甲府市、5月15日)
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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



道路脇のヨモギでキクスイカミキリを見つけた。このカミキリは前胸背に赤い点があってなかなかオシャレにみえる。以前は良く見かけたカミキリだが、しばらく見ていなかった。チョウの撮影をしていると、ヨモギの葉などに目もくれないので、いても見ていなかったのだろう。人間の視力とはそういうものだ。

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ヨモギ葉上のキクスイカミキリ(甲府市、5月15日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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キクスイカミキリ(甲府市、5月15日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



ヘリグロベニカミキリが白い花を訪れていた。実はこのカミキリに会うといつもドキッとするのだ。というのも、同じベニカミキリの仲間にムモンベニカミキリという種類があって、こちらは大珍品である。昔、友人が目の前でこのムモンベニを採集したのを見て以来、ヘリグロベニを見る度にもしかしてムモンベニかもと思いドキドキするようになってしまったのだ。よほど、その時の状況が僕にはショックだったのだろうか。

下の写真で、同時に写っている甲虫はトゲヒゲトラカミキリ。

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ヘリグロベニカミキリ (甲府市、5月15日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400,外部ストロボ



葉上でイチモンジカメノコハムシを見つけた。この仲間はまるでヘルメットみたいなユニークな形をしているので、見つけるとカメラを向けてしまう。このハムシのヘルメットの端は透明なので、ヘルメットを通して周囲を見ているのかと思っていた時期があったが、その後拡大してみてみると、どうやらヘルメットの下から覗いているようだ。

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イチモンジカメノコハムシ (甲府市、5月15日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



綺麗なヤツボシツツハムシを見つけたので、改造レンズで撮影した。

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ヤツボシツツハムシ(甲府市、5月15日)

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Olympus EP-1, 改造レンズ, ASA400



ニシカワトンボだろうか、綺麗なカワトンボが渓流を背景にした草の上で日光浴していた。背景の水の流れを意識しながら撮影したつもりだが----難しい。

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カワトンボ (甲府市、5月15日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



道の脇に綺麗なキンランを見つけた。今までもキンランは何度か見たことがあるが、どういうわけかちゃんと開花しているのにお目にかかったことがなかった。蘭好きの僕にとっては嬉しい花である。

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キンラン (甲府市、5月15日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



§ Afterword §

昨日は白馬だったので、本日は休養日にするはずだったが、天気が良いので渓流沿いの小路を少しだけ歩いてみた。チョウも良いのだが、甲虫や花に目を向けながら散歩するのも大好きだ。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-05-18 07:32 | Comments(16)

20110514 白馬の散歩道:ギフチョウ (バンド)

=Yellow Band=
イエローバンドといっても、ロックグループの名前ではない。ギフチョウのイエローバンドのことで、縁毛が全て黄白色になった変異種を意味する。長野県の白馬村のギフチョウにはこの美しい変異が比較的多く出現するといわれているが、高率といっても通常型の1/10程度の出現頻度なので(常染色体劣性遺伝形式らしい)、そう簡単にはお目にかかれるわけではない。昔、「幸せの黄色いハンカチ」という山田洋二監督(武田鉄也主演)の映画があったが、僕にとってギフチョウのイエローバンドは「幸せの黄色いバンド」なのだ。

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Nature Diary #387

春先の低温(雪?)のために、連休をすぎた5月も中旬になって、やっと白馬ギフが数を増しているという連絡が入った。さらに昨年は超不振だったイエローバンドも出ているらしい。ウーム、こりゃあ出陣じゃ。

白馬村は空気が清涼ですがすがしく、どこかヨーロッパのチロル地方に似ている。

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白馬村 (5月14日)

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Canon 60D, Sigma 17-70mm f2.8-4 Macro, HAM, ASA400



» 吸蜜 ; Sucking nectar

飛び回るギフチョウは道路脇のシバサクラの花で吸蜜はじめた。考えてみれば、「庭の花」のシバザクラで吸蜜するギフチョウは白馬らしいかもしれないな(別荘地内)。

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シバザクラで吸蜜するギフチョウ (長野県白馬村, 5月14日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



カタクリの花がわずかに残っている場所で待っていると、1本だけの白花の横で吸蜜し始めた。ギフチョウは裏面しか見えないが、白花との対比が面白い。

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カタクリで吸蜜するギフチョウ (長野県白馬村, 5月14日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



林の中にはタチツボスミレの群落があちこちにあって、そこにギフチョウたちが三々五々に訪れていた。タチツボスミレでは吸蜜時間が短いのが普通だが、今回は時にゆっくりと吸蜜してくれたので、広角レンズでも撮影できた。もう少し寄れば良かったが、周囲の雰囲気はこのくらいの方がわかるかもね。

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タチツボスミレで吸蜜するギフチョウ (長野県白馬村, 5月14日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA400, Speedlite 430EXII

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スミレで吸蜜するギフチョウ (長野県白馬村, 5月14日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM




» 飛翔 ; Flight

最近は飛翔写真をあまり撮影していなかったので、今回は少し頑張って撮影してみることにした。

いつもだと、飛翔用には10㎜広角レンズに1.4倍テレコンを併用するが、今回はテレコンを付けずに広角魚眼レンズだけで撮影した。トリミングするのであれば、意外にこの方が楽に撮影できるような気がする。

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スミレの群落の上を飛ぶギフチョウ (長野県白馬村, 5月14日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, , Speedlite 430EXII, Trimming (+)


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飛翔するギフチョウ (長野県白馬村, 5月14日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA800m, , Speedlite 430EXII, Trimming (+)



現地では虫林が日頃愛読している「ゼフィルスの森」の写真家:栗田貞多男氏にお会いした。

ここでは吸蜜に訪れたギフチョウは旋回してすぐには立ち去らないので、一緒にギフチョウの飛翔写真を撮影した。氏は本来は銀塩派だったようだが(こだわりがあるみたい)、飛翔写真はデジタルにしたようだ。この写真はわざと露出をアンダーにしている。

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栗田氏の前を飛翔するギフチョウ (長野県白馬村, 5月14日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA800, , Speedlite 430EXII




» 休止 ; resting

本日羽化したような新鮮な個体を、kmkurobeさんと一緒に追跡していたら、低い枝の葉に静止した。かなり近づいてもおとなしくしているので、広角レンズで撮影した。

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葉上で休むギフチョウ (長野県白馬村, 5月14日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA400




» イエローバンド ; Yellow band

朝、kmkurobeさんにご一緒して上のポイントに到着し、歩き始めてすぐに日光浴するギフチョウを見つけた(この日は初めて見たギフチョウ)。何という幸運なのだろうか、その個体はまさしくイエローバンドだったのだ。イエローバンドは最初に見ることが多いと聞いていたが、その話はどうやら本当だった---不思議だな。

でも、このバンドは無情にもすぐに飛び去ってしまった。後で写真を確認すると、この個体は新鮮であるにもかかわらず、残念なことに左翅の尾状突起のあたりが欠損していた。

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イエローバンド (長野県白馬村, 5月14日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



その後、ここではギフチョウの個体数は見られたものの飛び回るだけであまり静止しなくなったので、下のポイントに移動した。下のポイントでしばらく待っていると、羽化直後の綺麗なバンドの♂を撮影できた。

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イエローバンド (長野県白馬村, 5月14日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400




§ Afterword §

昨年は白馬のギフチョウは発生した数がとても少なくて、バンドも撮影できなかったが、今年は新鮮なギフとともにいくつかのバンドまで撮影できたので良かったと思います(バンドリベンジ成功)。バンドは複数見かけましたが、あまり良い写真は撮影できなかったのが残念でした----贅沢。※実はタイトルの広角写真に写っている個体はバンドのように思われるが定かではありません。

また現地では、kmkurobeさんには今回も色々お世話になり、福井のSさんともギフチョウを待ちながら楽しい時間を過ごすことができました。両氏に感謝します。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-05-15 17:51 | Comments(18)

20110508 信濃の散歩道:クモマツマキチョウ

=散歩欠乏(散欠)状態=
今年の連休はあまりフィールドに出ることが出来ずに不完全燃焼のまま何となく過ぎてしまったようだ。
そこで、連休最後の日曜日(5月8日)くらいはどこかに遠征したいなと思っていたら好機到来。蝶友 kmkurobe さん安曇野の蝶と自然)と OさんネイチャーKENDAMAR の歳時記) にご一緒させていただき、渓間のオレンジ: クモマツマキチョウ (以下クモツキ)の撮影に行くことになった。ちなみにOさんとは、昨年の「山ゴマ」撮影の際にご一緒して以来だ-----ウーム、とても楽しみだな。

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Nature Diary #386

Oさんの車に同乗して向かった先は、大きな石(落石)が転がる山奥の林道だった。

現地に到着してみると、そこはまだ雪が残る急峻な谷で、標高は多分1000mは越えているだろう。谷の木々は少し芽吹いて、茶灰色の山肌に浅葱色から黄赤色の淡いアクセントを添えていた。

空を見上げると、雲は水が流れるような速度で動き、時折雲の切れ間から青空が顔を出した。

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急峻な谷 (長野県, 5月8日)

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Olympus EP-1, MZD14-42mm F3.5-5.6, ASA400




» クモマツマキチョウ ; Orange Tip

ぶらぶらと周囲を歩きながら待つことしばし、心躍る瞬間は突然訪れた。

雲の切れ間から陽の光が差してしばらくすると、「いたよ~」というkmkurobeさんの大きな声に慌てて駆け付けたところ、そこには目にも鮮やかな小さなオレンジが、斜面に沿ってひらひらと飛んでいた。「止まれ!」と心で念じながら、驚かさない様に少し離れてチョウを追跡すると、うまい具合に地面の枯れ草で静止した。

今年初めてのクモツキが、何と5月の連休最終日に見ることができた------来た甲斐があったな。

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枯れ草に静止したクモマツマキチョウ♂ (長野県, 5月8日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA800


見つけたクモツキは、枯草からすぐに飛び立って近くのフキノトウの花で吸蜜を始めた。

kmkurobeさんの観察によれば、蝶たちは谷の下から上がって来るようだという。今回、我々が待機した場所は標高1000mをかなり超えていて、木々もまだ芽吹いたばかりだった。また食草のハタザオも見ることが出来なかったので、クモツキたちはここで羽化したとは少し考え難い。つまり、クモツキたちはこの谷のかなり下方で羽化し、谷に沿って上がってきたのだろう。いつか谷の下方でハタザオを探してみたいものだ。

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フキノトウの花で吸蜜するクモマツマキチョウ♂ (長野県, 5月8日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA800


開翅したクモツキのオスは息を飲むほど美しい。

昨年は英国スコットランドのエジンバラ市郊外にある岩山の間の湿地帯で Orange tip に出会ったが、その時に撮影した写真を比較すると、日本のクモツキはヨーロッパのOrange tipよりも前翅表のオレンジの範囲がより広くて美しい

多分、日本のクモツキは、世界一美しいOrange tip------かも知れない(手前味噌)。

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フキノトウに静止したクモマツマキチョウ♂ (長野県, 5月8日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA800


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フキノトウに静止したクモマツマキチョウ♂ (長野県, 5月8日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400


日が陰るとクモツキは翅を閉じて静止したまま全く動かなくなった。

こうなると、かなり大胆に撮影しても飛び去る危険は無くなる。そこで、広角レンズで背景の山を意識しながら撮影してみた。ここではシボリを開けてバックを適度にぼかした写真を掲載する。

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クモマツマキチョウ♂ (長野県, 5月8日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, Kenko C-AF 1.4X Teleplus MC4, ASA400


突然陽が差してきた。

暖かな五月の陽がオレンジの紋を透かしてとても綺麗だった。見ると陽に照らし出されたクモツキはゆっくりと翅を開き始めた。高山蝶の1種であるクモツキは、陽の光にはとても敏感なようだな。

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クモマツマキチョウ♂ (長野県, 5月8日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400


しばらくすると、メスも現れて渓流脇のフキノトウに静止した。すぐに陽が陰ってしまい、雨まで降ってきたが静止したクモツキは動こうともしない。

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クモマツマキチョウ♀ (長野県, 5月8日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA400


翅裏をじっくりと拡大撮影してみた。

みると、体を覆う長い毛が濡れそぼっているのが少し哀れにみえる。これでは大雨になったら困るに違いないが、自然界の中でたくましく生きる彼らは多分平気なのだろう。

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クモマツマキチョウ♀ (長野県, 5月8日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400


陽が差して半開翅した♀を撮影した。

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クモマツマキチョウ♀ (長野県, 5月8日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400


» ヒメギフチョウ ; Luehdorfia japonica

その後、近くのヒメギフチョウのポイントに少しだけ立ち寄ってみた。天気は少し回復したものの、風がとても強くてヒメギフはあまり飛ばなかったが、それでも2頭ほど姿を見ることができた。

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ヒメギフチョウ (長野県, 5月8日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



§ Afterword §

昼を過ぎると風が強くなってきたので、早々に引き揚げた。

それにしても、5月の連休にクモツキ撮影は想定外だったので、実際に撮影できたときにはとても嬉しかった。さらにメスまで出現したのには驚く他はない。ご案内いただいたOさん、いつもご一緒させていただいている kmkurobeさんに感謝します(下の写真は、広角接写する kmkurobe さん)。

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楽しくエキサイティングな一日でした。



今シーズンから取り組んできたブログのスタイル変更もやっと落ち着いてきました。何となくほっとしています。これで当分の間このままで行こうかなと思っています。今後ともどうぞ宜しくお願いします。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-05-10 20:07 | ▣クモマツマキチョウ | Comments(40)

20110504 新緑の散歩道:ハンノキカミキリなど

Nature Diary #386

朝起きて食事しながらNHKの連ドラ「おひさま」を見た後、コーヒーを飲みながら窓の外を見るととても天気が良い。本日は完全休養日にしようと思っていたのだが(昨日は白馬村行だったので)、この素晴らしい天気では落ち着いてもいられない。結局、近くの里山にフィールド散歩に出かけることにした。

風薫る五月の山は青々とした若葉の緑(新樹)に包まれ、耳を澄ませばすでにハルゼミの声も聞こえる。-



» ハンノキカミキリ ; Cagosima sanguinolenta

蝶の姿が無いので、葉上の昆虫に注意しながら歩いていると、ヒメヤシャブシと思われる低木の葉でハンノキカミキリを見つけた。このカミキリは虫林が好きなフトカミキリ亜科トホシカミキリ族で、北海道から九州まで広く分布する。属名が Cagosima となっているが、これは 鹿児島県 の意味だろうか?

とにかく黒地に赤い縁取りがとても美しいフォトジェニックな甲虫だ。

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ヒメヤシャブシ葉上のハンノキカミキリ♂ (甲府市, 5月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400, 外部フラッシュ(Canon Speedlight 430EXII)


このカミキリは名前のようにハンノキ類やヤシャブシ類の木の葉を葉脈に沿って後食する。発生する期間が短いので意外に目にすることが少ないが、それほど稀な種類ではない。

1頭見つけたので、周囲のヒメヤシャブシの木を少しゆっくりと調べてみた。すると他の木からも数頭(4頭)の個体を発見することができた。良く見ると、このカミキリの食樹であるハンノキやヤシャブシは周囲に沢山あった。でも、ハンノキカミキリはごく一部の木にだけ観察できた。

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ヒメヤシャブシ葉上のハンノキカミキリ♂ (甲府市, 5月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» ネジロカミキリ ; Pogonocherus seminiveus

タラノキを見るとネジロカミキリが静止していた。ネジロカミキリは成虫で越冬するので、冬期にも探してみたことがあるが、さすがに見つけることができなかった。やはり初夏に出てくるカミキリムシなのだろう。

山菜(タラの芽)を探しながら撮影できる甲虫だ。

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タラノキのネジロカミキリ (甲府市, 5月4日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, Kenko C-AF 1.4X Teleplus MC4, ASA400, 外部フラッシュ(Canon Speedlight 430EXII)



このカミキリムシはあまり動き回らないので、改造ズームレンズを用いて拡大撮影してみたところ、脚に大きなトゲトゲがあってなかなか面白い。

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タラノキのネジロカミキリ (甲府市, 5月4日)

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Olympus EP-1, MZD14-42mm F3.5-5.6 改造, ASA400、外部フラッシュ(Olympus FL-14)




» アシナガオトシブミ ; Phialodes rufipennis

コナラの葉を巻くアシナガオトシブミを見つけた。

このアシナガオトシブミは大型のオトシブミでは最も早く現れる。このオトシブミは葉の主脈を残し横一直線に切り、それを両側からたたんで上に向かって巻いていく(両裁型揺籃)。一生懸命に葉を巻く様子が面白くてしばらく見入ってしまった。

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コナラの葉を巻くアシナガオトシブミ♀ (甲府市, 5月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



揺籃作りがほぼ終了したら、突然♂がやってきて交尾した。

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交尾するアシナガオトシブミ♀ (甲府市, 5月4日)

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Olympus EP-1, MZD14-42mm F3.5-5.6 改造, ASA400、外部フラッシュ(Olympus FL-14)




» ドロハマキチョッキリ ; Byctiscus puberulus regalis

美しい金緑色に輝くドロハマキチョッキリを見つけた。本種の西日本型は紅色を帯びてベニホシハマキチョッキリともよばれている。今回見つけた個体はベニホシ型だ。

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(ベニホシ)ドロハマキチョッキリ (甲府市, 5月4日)

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Olympus EP-1, MZD14-42mm F3.5-5.6 改造, ASA400、外部フラッシュ(Olympus FL-14)




» ヒゲナガオトシブミ ; Paratrachelophorus longicornis

首がキリンのように長いヒゲナガオトジブミの♂も発見することができた。

このオトシブミは大きい上にとてもユニークな形態なのでいつも格好の撮影対象になる。この個体はかなり色が黄色いのでキイロクビナガオトシブミをよんでも矛盾しない。ヒゲナガオトシブミとキイロヒゲナガオトシブミは姿、形は良く似ているが別種とする意見も根強くあるようだ。

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ヒゲナガオトシブミ♂ (甲府市, 5月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400, 外部フラッシュ(Canon Speedlight 430EXII)



本種のメスは首が普通のオトシブミと同じくらいであまり特徴がない。

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ヒゲナガオトシブミ♀ (甲府市, 5月4日)

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Olympus EP-1, MZD14-42mm F3.5-5.6 改造, ASA400、外部フラッシュ(Olympus FL-14)




» キバネツノトンボ ; Ascalaphus ramburi

草原を歩いたら綺麗なキバネツノトンボを見つけた。

ツノトンボの幼虫はアリジゴク(ウスバカゲロウの幼虫)に似ているが、アリジゴクのように砂地にすり鉢状の窪みを作らず、石の下などに棲息して小昆虫などを捕食するらしい。数年前、閉鎖したゴルフ場の跡地で大発生して驚いたのを記憶している。

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キバネツノトンボ (甲府市, 5月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



トンボという名前の割には飛翔速度が遅いので、飛翔写真を撮影してみた。飛翔しているときは触角を伸ばし、頭部の毛が立って面白い恰好だ。以前に見かけた時はしばしば空中停止(ホバリング:hovering)をしていたが、今回はホバリングしなかった。

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飛翔するキバネツノトンボ (甲府市, 5月4日)

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Canon EOS 60D, Sigma DC 17-70mm F2.8-4 Macro HSM, ASA400, 外部フラッシュ(Canon Speedlight 430EXII)




§ Afterword §

あらかじめ目的の種を決めてピンポイントで発生地を訪れるのも良いが、種を特定せずにうらうらと気ままに散歩するのも好きだ(虫林はむしろこの方が多い)。今回は白馬行の後で完全休養日のつもりだったが、あまりに天気が良いので近くのフィールドに出かけてしまった。

残念ながら、蝶の姿はあまり見なかったが、甲虫はなかなか面白い種類を観察することができたと思う。これから季節はぐんぐん進んで、楽しい散歩道になっていくことだろう----楽しみだ。





以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-05-06 20:45 | Comments(4)

20110503 姫川流域のヒメギフチョウ

Nature Diary #384

GWの前半は横浜での学会で潰れたが、やっと虫林も休みになった。そこで、蝶写友のkmkurobeさん(安曇野の蝶と自然)とご一緒して姫川流域のギフ、ヒメギフ混生地に行くことにした。kmkurobeさんとは越中でのギフ撮影行以来だ。嬉しいことに、後からcactussさん(蝶の玉手箱)も合流した。

kmkurobeさんによれば、今年は明らかに季節の歩みが遅れているそうだ。確かにこの時期にまだ雪が残っているのには驚いた。でも、残雪の周りは沢山の食べ頃フキノトウが出ていたので、自分で毎年つくる「蕗味噌」の材料として少量をいただいた。ウーム、蕗味噌は春の味だね。

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残雪とフキノトウ (小谷村, 5月3日)

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Many butterbur sprouts around the remaining snow
Canon. EF300mm, ASA400


斜面には綺麗なショウジョウバカマの花を見つけた。

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ヒョウジョウバカマ (小谷村, 5月3日)

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Canon. EF300mm, ASA400



» ヒメギフチョウ ; The Small Luehdorfia

しばらく3人で蝶談義しながら飛来を待ったが、ギフ、ヒメギフとも飛んでくる気配が無い。そこで、歩いて探索してみることにした。うらうらと一人で歩いて行くと、畑仕事しているご夫婦の傍に1頭のヒメギフチョウが飛んだ。慌てて追いかけたところ、うまい具合に地面の枯れ葉に静止してくれた。

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枯葉に静止するヒメギフチョウ (小谷村, 5月3日)

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Canon. Sigma 10mm Fisheye, kenko X1.4, ASA400



このヒメギフチョウは翅を開くと後翅表面の外縁に赤い大きな紋が発達していた。これは以前にkmkurobeさんのブログで紹介されていた「赤上がり」というタイプの変異だろう。どちらかといえば、ギフチョウに比べてヒメギフチョウはアッサリ系の印象が強いが、赤上がりはとても艶やかに感じる。どことなく、「赤城ヒメ」にも似ているかもね。

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赤上がりのヒメギフチョウ♀ (小谷村, 5月3日)

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Canon 7D. EF300mm, ASA400



本日撮影したヒメギフチョウの紋を並べてみた。一番上から、「赤無しタイプ」、「ちょい赤タイプ:通常型」、「赤上がりタイプ」である(注:前2タイプの名前は適当につけた)。拡大してみると、赤い紋に黒い紋が接しているが、この黒い紋の発達も赤上がりタイプでははっきりしているようだ。

この「赤上がり」は、ヒメギフでは時々出るものらしい。

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ヒメギフチョウの赤紋変異 (小谷村, 5月3日)

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Canon 7D. EF300mm, ASA400



その後、別な混生地に移動した。

車を止めて急な斜面をハフハフしながらしばらく登ると(日頃の不摂生を反省)、カタクリやキクザキイチゲの花が一面に咲いた場所に到着した。そこでは日本海側に多いユキツバキ(雪椿)の花まで咲いていて、まるで別世界のようだった。昔、 秘密の花園 The Secret Garden という映画(バーネットの小説を映画化したもの)を見たことがあるが、どういうわけかそのタイトル名が頭をよぎった。

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秘密の花園 (糸魚川市, 5月3日)

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Canon 60D. Sigma 10mm Fisheye, kenko X1.4, ASA400



こんな場所でギフやヒメギフを撮影出来たら最高だなと思いながらしばらく散策したが、なかなか飛来してくれなかった。1時間ほど経ってモティベーションも維持できなくなってきた頃、昨年白馬でお会いした方と偶然再会し、彼と一緒に少し離れた地点に移動してみた。

そこではヒメギフチョウが三々五々に飛来してくれたが、すでに食事の時間は過ぎてしまったのだろうか一向にカタクリの花で吸蜜してくれない。でも、何とか下草に静止したところを撮影できた。

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開翅したヒメギフチョウ (糸魚川市, 5月3日)

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Canon 7D. EF300mm, ASA400

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翅を閉じたヒメギフチョウ (糸魚川市, 5月3日)

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Canon 7D. EF300mm, ASA400



一度だけカタクリで吸蜜してくれたが、手前の枝が邪魔をしてうまく撮影できなかった。

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カタクリで吸蜜するヒメギフチョウ (糸魚川市, 5月3日)

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Canon 7D. EF300mm, ASA400



» スギタニルリシジミ ; The Sugitani's Hedge Blue

こちらではスギタニルリシジミは多くないらしい。車を止め準備している時に、スギタニのメスを見つけたところ、静止した時に翅を少しだけ開いてくれた。

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スギタニルリシジミ♀半開翅 (糸魚川市, 5月3日)

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Canon 7D. EF300mm, ASA400



§ Afterword §

少し曇ってきたので、お昼過ぎには引き上げた。

なお、Secret Garden から降りてきて帰る準備をしている時に、中学生と思われるネットを持った2人組の採集者の姿を見かけた。彼らを見ると、中学時代に友人と一緒に採集旅行に行った時の自分をふと思い出した。その頃はもちろん車も無く、お小遣いをためての旅行だったが、とても充実した楽しい日々だったと思う。kmkurobeさんと顔を見合わせて「彼らは幸せだな」と呟いた。

今回も kmkurobe さんには色々とお世話になりました。撮影後のコーヒーとパンは美味しかったですね。また近いうちにご一緒しましょう。また、cactussさんともご一緒出来て本当に楽しい一日でした。感謝。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-05-04 18:56 | Comments(18)