NATURE DIARY

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201100625 クリの花咲く頃: ヒメシジミほか

Nature Diary #397

エゾハルゼミの鳴き声が響く森の小道。

この時期、クリの花が満開で、草いきれと花の匂いに少し息苦くなるような気さえします。本日(25日)の目的は、アイノやメスアカなどの金緑色に輝くクリソゼフィルスですが、どういうわけかその姿を見ることができませんでした。そこで、ウラクロポイントを覗いてみると、何人かの同好者にお会いできました。

少しご一緒した後、一人で近くの高原に移動しました。しばらく草原の中をうらうらと歩いて行くと、新鮮なヒメシジミを数頭発見しました。広角レンズで追いかけ、何とか富士山をバックにヒメシジミの撮影ができました。でも、枯れススキが邪魔なのと富士山に雲がかかっているのが残念です。

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ヒメシジミと富士山 (富士河口湖町、6月25日)

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Canon EOS 60D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro, ASA400, Trimming (+)



この時期の高原には、蝶の姿をあまり見かけませんでしたが、ギンイチモンジセセリやアサマイチモンジが時々現れて虫林を喜ばせてくれました。それにしても日陰が無い草原は暑いですね。

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キンポウゲの花で吸蜜するギンイチモンジセセリ (富士河口湖町、6月25日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



この高原には新鮮なアサマイチモンジが多いようでした。

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アサマイチモンジ (富士河口湖町、6月25日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



クリの花には蝶だけではなくて、色々なカミキリムシが訪れていました。キマダラカミキリは枯れ枝にいそうなカミキリムシですがクリの花に良く集まります。

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クリの花に来たキマダラカミキリ (富士河口湖町、6月25日)

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Canon EOS 60D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro, ASA400



クスベニカミキリは稀なカミキリではありませんが、かといって簡単に見ることができるものでもありません。この虫の赤色は光沢があって、なかなか味わい深い美しさを感じます。

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クリの花に来たクスベニカミキリ (富士河口湖町、6月25日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



立てかけた竹にベニカミキリが集まっていました。

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ベニカミキリ (富士河口湖町、6月25日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



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リンゴカミキリ (富士河口湖町、6月25日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



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チチブニセリンゴカミキリ (富士河口湖町、6月25日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400


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ヒメアトスカシバ (富士河口湖町、6月25日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400


§ Afterword §

クリの花が咲く頃は、昆虫たちが活発に活動する時期でもあります。チョウに加えてカミキリムシも多く出ているので、目移りして困ります。

実は週末は山梨県のキマルリを撮影しようと午後からそのポイントに行きましたが、天気が笹子トンネルを越えたとたんにドン曇りで、結局キマルリは現れてくれませんでした。来年以降の宿題ですかね。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-06-30 23:09 | Comments(14)

201100619 みちのく散歩:岩手山とウスバシロチョウほか

Nature Diary #396

日曜日(18日)は午後から知人の退職記念パーティ(ホテルオークラ東京)に出席した後、東京駅から夜行バスで岩手県盛岡市へ行きました。大学の学生講義を依頼されての出張です。

朝、到着してみると、幸いにして盛岡市内は昨年と変わらず穏やかな街並みで虫林を迎えてくれました----少しほっとしました。沿岸の被災地はいったいどうなっているのか心配です。



» ウスバシロチョウと岩手山(南部富士); The Eversmann’s Parnassius

林の縁に沿ってチョウを探しながら歩いていたら、草原となっている休耕田にウスバシロチョウが何頭も飛んでいました。すでに6月も下旬だというのに、まだ多くのウスバシロチョウが飛んでいるとは少し驚きです。やはり、こちらもチョウの発生が遅れているようです。

その休耕田からは遮るものも無く岩手山(南部富士ともいわれる)が綺麗に見えました。そこで、この南部富士を背景にしてウスバシロチョウの飛翔写真を撮影してみることにしました。

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飛翔するウスバイロチョウと岩手山 (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 7D, Sigma 10mm Fisheye, Kenko X1.4, ASA400, Trimming (+)

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飛翔するウスバイロチョウと岩手山 (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 7D, Sigma 10mm Fisheye, Kenko X1.4, ASA400, Trimming (+)




» アカシジミ; The Orange Hairstreak

時期的に少し早いためか、アカシジミ以外にはチョウを見ることが出来ませんでした。

ただアカシジミはとても個体数が多くて驚きました(今年は山梨県ではアカシジミが少なかった)。観察したアカシジミの多くは、新鮮でオレンジ色がとても濃くて綺麗でした。

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アカシジミ (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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アカシジミ (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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飛翔するアカシジミ (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 60D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro, ASA400



カシワの枝を叩いたら、オレンジ色のチョウが飛び立ちました。慌てて追いかけて草に静止したそのチョウを撮影しました。ここにはアカシジミにそっくりで、カシワを食樹にしているキタ(カシワ)アカシジミが棲息しています。アカシジミとキタアカシジミはとても良く似ていて、幼虫でなら区別がつくようですが、成虫の鑑別は難しいようです(図鑑では両者の区別点が示されていますが)。

一応、カシワ(から飛び出した)アカシジミとでもしておきます。

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カシワ(から飛び出した)アカシジミ (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» イチモンジチョウ; The White Admiral

白帯がやけに広いイチモンジチョウを見つけました。でも、イチモンジチョウには地域的な変異はあまりなさそうなので、個体変異の範囲のものみたいです。

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イチモンジチョウ (滝沢村、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» ミチノクケマダラカミキリ;

道端のハンゴンソウやヨモギの一種の葉にミチノクケマダラカミキリを見つけることができました。ミチノクケマダラカミキリは、北海道に産するケマダラカミキリの近縁種です。

時期的なものなのでしょうか、このカミキリムシを色々な場所で見ることができました。

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ミチノクケマダラカミキリ (盛岡市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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飛翔するミチノクケマダラカミキリ (盛岡市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



交尾する個体も発見できました。

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交尾するミチノクケマダラカミキリ (盛岡市、6月19日)

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Canon EOS 60D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro, ASA400

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交尾するミチノクケマダラカミキリ (盛岡市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» モモグロハナカミキリ;

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モモグロハナカミキリ (盛岡市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



§ Afterword §

岩手県といえば、今年3月の 大地震と津波 で、沿岸部を中心に大きな被害を蒙りました。かつての美しかった海岸線や漁村の風景の全てが今は消失し、そこに住む人々から笑顔が奪われてしまいました。滞在中、何度も被災地を見に行こうと思いました。でも、結局、行くことができませんでした。やはり、近くに来たのですから被災地に出向いて、しっかりと自分の目でその被災状況や人々の様子を見てくるべきでした。

岩手県以外の地域も含めて、いったい復旧にはどれほどの時間がかかるのかさえも推測困難な状態が続いています。あらためて被災された方々には心よりのお見舞いを申し上げる次第です。

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姫神山 (滝沢村、6月19日)


田園の向こうに優しくそびえる姫神山はいつもと変わらず美しい。
ふるさとの山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな (石川啄木)


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-06-27 06:13 | ▣ウスバシロ | Comments(18)

201100618 クヌギ林散歩:ダイセンシジミほか

=虫屋の暦=
待ちわびた春のギフチョウ(ヒメギフチョウ)に歓喜し、初夏の峪間を飛ぶクモマツマキチョウに心奪われていたら、いつの間にかもうゼフィルス(以下ゼフ)のシーズンになってしまいました。虫林の暦では、「ゼフ」は夏になったことを示す季語なのです。いよいよ今年もゼフの暑い夏が始まりました。


Nature Diary #395

土(18日)、日(19日)はクロミドリシジミに加えて、ダイセンシジミをはじめとしていくつかのチョウを撮影することができました。今回のNDではそのチョウたちを少し供覧したいと思います。


» ダイセンシジミ; The Alphabetical Hairstreak

ウラミスジシジミを5回連続でいうと、ウラミシュジシュジミになってしまいます(早口言葉にできそう)。ですから、虫林はダイセンシジミという名称の方を好んで使っています。

この雑木林ではダイセンシジミは決して稀ではありません。他のゼフに比較して小型で可憐なダイセンシジミが飛び出して灌木の葉上に静止しました。少し目線より高い場所だったので、ライブビューモードにして手を伸ばして撮影してみました。こんな時にはバリアングルファインダーの有難さが実感できますね。

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葉上に静止したダイセンシジミ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 60D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro, ASA400

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ダイセンシジミ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» ミズイロオナガシジミ; The Black-banded Hairstreak

目の前の葉上に静止するミズイロオナガシジミを見つけました。

半開翅した後翅表面には白い紋が発達していました。是非とも全開翅の写真が撮影したいとおもって数分のあいだじっと粘ってみましたが、結局それ以上には開くことなく木の上に飛び去ってしまいました。

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ミズイロオナガシジミ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» オオミドリシジミ; The Oriental Hairstreak

タイトルトップの写真は枝先でテリトリー(占有)行動を示すオオミドリシジミを下から撮影したものです。

このクヌギ林でもオオミドリシジミをしばしば見かけましたが、テリトリーは比較的高い場所で行われるので、なかなか良い写真が撮影できませんでした。

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オオミドリシジミ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» アサマシジミ;

芦川方面に移動してアサマシジミのポイントに到着すると、ほどなくIさんが♂を見つけてくれました。Iさんの後をついて行くと、ちらちらと何頭ものアサマシジミが飛んでいたのでゆっくりと撮影することができました。ここのアサマシジミは比較的青鱗の発達が良いようです。

まだ出始めのようで、メスは出ていませんでした。

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アサマシジミ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 60D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro, ASA400

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アサマシジミ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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アサマシジミ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



アサマシジミの飛翔は遅いので、24㎜での飛翔写真撮影の練習をしました。

飛翔には今まで10㎜の魚眼を使用していましたが、10㎜と24㎜(実質36㎜)では勝手がかなり違います。24㎜でうまく撮影出来れば、バックをややぼかした飛翔が可能になるので面白い絵が期待できますね。

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アサマシジミ飛翔 (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 60D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro, ASA800




» ヒオドシチョウ; The Large Tortoisshell

今年羽化したヒオドシチョウを見つけました。

この時期には新鮮なヒオドシチョウが各所で見ることが出来ます。しばらくすると彼らは夏眠に入ってしまいますので、今のうちに良い写真を撮影したいものですね。

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ヒオドシチョウ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400

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ヒオドシチョウ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» オオミスジ; The Large Sailer

Iさんにオオミスジがいる場所を教えていただいた。

そこには小さな梅の木が数本あって、明らかにそこからオオミスジが発生しているようでした。これだけ発生していれば、冬の間にオオミスジの幼虫を観察できるかもしれないな。

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オオミスジ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 60D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro, ASA400




» ゴマダラチョウ; The Japanese Circe

橋の上にある動物の糞にゴマダラチョウが訪れていた。

ゴマダラチョウは糞から吸汁し始めるとカメラを全く恐れなくなってしまいました。そこで、24㎜や100㎜マクロでかなり近接して撮影することができました。

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ゴマダラチョウ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 60D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro, ASA400

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ゴマダラチョウ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




§ Afterword §

これで先週末のチョウは終了です。

ゼフに限らず色々な蝶たちが出現していて楽しい季節になりました。見つけたチョウたちカメラで撮影することは「記憶を記録にすること」なのです。今年はこれからどこまで記憶を記録にできるかが楽しみです。

最近、Canon 7Dの調子があまり良くありません。僕の使用が荒すぎるのかもね。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-06-25 01:27 | ▣ダイセンシジミ | Comments(8)

201100618 クヌギ林散歩:クロミドリシジミ♂開翅

=歯痛=
最近、左上の奥歯のあたりが痛い。おかかえの歯科医(家内)に診てもらったところ、「歯槽膿漏」かもしれないということでした。そこで、近くの歯科医院を受診して治療を受け、痛みはかなり軽減したのでほっとしました。とにかく、6月と7月は仕事もさることながら、週末のフィールド散歩の方も忙しいので、歯が痛いのはとても困ります。これから歯磨き+歯間ブラシ+うがい+禁甘物 を心がけよう-----無理かな?



Nature Diary #394

先週末はクロミドリシジミの出現を見なかったが(例年よりも遅れている)、そろそろ今週末あたりが新鮮な個体が期待できるはずです。そこで、あまり思わしくない梅雨時の天気予報にもかかわらず、近く(車で10分ほど)のポイントに クロミドリ早朝散歩 に行きました。今回は横浜のIさんと一緒です。

クヌギの枝を長サオでペシペシ叩いてみると、それらしきシジミチョウが数頭飛び出しましたが、朝の気温が高いせいか(虫林の行ないが悪いせいか?)、せっかく出てきても撮影可能な場所に静止してくれませんでした。そろそろ諦めて引き揚げようとした時に、目の前のクズの葉に静止するシジミチョウを見つけました。

そのチョウは黒っぽい地に赤い紋が良く目立ち、まさしく目的のクロミドリでした。

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クロミドリシジミ♂翅裏 (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400

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クロミドリシジミ♂翅裏 (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



しばらくすると、クロミドリは翅を微妙にスリスリしたかと思うと、おもむろにゆっくりと半開翅しました。今シーズンはクロミドリ♂の開翅写真を一つの目標にしていたので、緊張の一瞬でした。

とにかく、クロミドリはFavoniusの仲間なのに、翅表が黒銅色というヘンテコリンなシジミチョウですが、この黒銅色がヒカゲチョウの色とも異なり、怪しく魅惑的な色合いを持っています。したがって、オスとメスでは翅表の色合いも微妙に異なるのがまた面白いですね。

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クロミドリシジミ♂半開翅 (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



その後、期待通りに全開翅に至りましたが、半開翅から全開翅に至るまでを時系列で組み写真にしてみました。こういう時にカメラの「動画機能」を使って撮影すればとても面白いなと思います。

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クロミドリシジミの開翅 (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



今回はSigmaの24㎜を持参したので、それを装着してみました。

24㎜といっても実際には36㎜なので、やや広角常用レンズ域のレンズです。かなり寄れるので、マクロ的な撮影も可能なのが気にいっています。さらに、このレンズのF値(明るさ)は1.8と明るいので、少し光が乏しいような曇り空の下の撮影やもしかしたら飛翔写真にも使用できるかもしれないと密かに期待しています。

虫林のカメラの標準レンズにしておこうと思う。

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クロミドリシジミ♂開翅 (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, Sigma 24mm, ASA200



クロミドリのように翅表が一様に暗色のチョウは、細かい傷でも目立ってしまいます。

今回、全開翅したクロミドリの♂個体は、ほぼ無傷といえる翅表でした(多分、羽化して間もないのでしょう)。それにしても、翅の表面はまるで上質のベルベットの生地ように滑らかで上品な雰囲気を有しています。また、この色合いには、「明るい曇り空」も幸いしたのだと思われます。

こういう好機には、横位置や縦位置など被写体を色々な方法で撮影することにしています。

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全開翅するクロミドリシジミ♂ (甲府市、6月18日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400




明けて日曜日(19日)は、Iさんに加えて、banyanさん、hemlenさん、yodaさんとご一緒しました。クロミドリの撮影では、叩き出された蝶が静止する場所を確認するためには複数の方が有利ですね。

初めのポイントでは、クロミドリは出てくれるものの、残念ながらことごとく飛び去ってしまいました。そこで、別のポイントに移動して探索してみると、嬉しいことにそれほどの苦労せずに目の前のクズの葉に静止しているクロミドリを見つけることができました--------移動正解でした。

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クロミドリシジミ♂翅裏 (甲府市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



ここでもクロミドリ♂の全開翅を撮影できました。

下の写真はSigma 10㎜Fisheyeで撮影したものですが、蝶とレンズの距離は前数センチです。クロミドリでこんな広角撮影は想定外でしたね。笑えるのは、虫林の三脚などが視野の中に入ってしまったことですが、取り除いてからもう一度やり直すのは飛んでしまう危険が大きいので、そのままで撮影続行しました。

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クロミドリシジミ♂ (甲府市、6月19日)

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Canon EOS 7D, Sigma 10mm Fisheye, Kenko X1.4, ASA400



今までクロミドリ♂の全開翅のチャンスはなかなか無かったのに、今年は2日間連続で撮影できるなんてとてもラッキーなことに違いありません。とにかく、せっかくの良いチャンスなのですから、可能な限り手を変え品を変えて(カメラを変え、レンズを変えて)楽しく撮影できました。

全開翅した♂の翅表の写真を後で確認してみると、とても惜しいことに表面にわずかなスレが散在していました。でも、そのスレは小さくて気にするほどのものではありませんので、完全個体を100点満点にすれば、90点くらいに相当するレベルでしょう(ちょっと辛いかな?)。

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クロミドリシジミ♂全開翅 (甲府市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



前方から見ると、クロミの複眼はとても大きい。まるでゴーグルでもかけているかのように見える。この複眼であれば、ほぼ360℃の視野で見ることが出来るかもしれないな。クロミは目が良いのかな?

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クロミドリシジミ♂ (甲府市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



側面から見ると、クロミの尾状突起はとても長くて、上方に跳ね上がっています。

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クロミドリシジミ♂ (甲府市、6月19日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200



§ Afterword §

今年は♂の開翅をちゃんと撮影したいと考えていたので、今週末は土日ともクロミドリシジミの新鮮な♂個体の撮影に行きました。一応、その課題がクリアーできて良かったなと思います。

クロミドリは夜明け前直前に乱舞する性質があるそうですが(虫林はまだ見ていない)、その乱舞する様子を撮影しようと思いIさんと一緒に日曜日の朝暗いうちからクヌギ林で待ちました。しかし、いかんせん発生初期では個体数が少なすぎたようです。これからチャンスがあれば、薄暗い中でのクロミドリの飛翔写真に再チャレンジしてみたいと思っています。できるかな?

今回の撮影でご一緒した皆さん(横浜のIさん、banyanさん、hemlenさん、yodaさん)ご苦労様でした。お蔭さまで楽しく有意義な時間が過ごせました。



次のNDでは、クロミドリ以外の蝶たちを供覧します。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-06-23 00:09 | ▣クロミドリシジミ | Comments(16)

201100612 クヌギ林散歩:ウラナミアカシジミなど

=ゼフィルスの季節=
ひと雨ごとに草木が伸び、緑もいつの間にか濃くなった。虫屋にとっては最もワクワクする季節の到来です。近くの林でもそろそろゼフィルス(ゼフ)が出始めたので、これからは早起きしてゼフたちに会うのがとても楽しみです。 「早起きは三文の得」ではなくて、「早起きはゼフの得」 ですな。


Nature Diary #393

土曜日は東京出張から夜遅く帰宅したので、朝起きるのが遅れてしまいました---失敗。さらに、「地域の草刈り」にも参加しなければならなかったので、結局、フリーになったのは午前10時を回っていました。ということで、散歩開始が少し遅くなりましたが、せっかくの日曜日なので、今年のゼフの発生状況などを調べながら近くの雑木林を歩いてみることにしました。



» ウラナミアカシジミ; Japonica saepestriata

長サオで少したたくと、何頭かのオレンジ色の蝶が飛び立ちました----ウラナミアカシジミ。
今年のゼフィルス(ゼフ)初見です。

昨年までは、アカシジミも同時に見ることができましたが、どういうわけか本日出てきたオレンジ蝶(10頭ほど)は、全てウラナミアカでした。雑木林の伐採との関係でもあるのかな?

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クヌギの葉上に休むウラナミアカシジミ (甲府市、6月12日)

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» ミズイロオナガシジミ; Antigius attilia attilia

葉に静止したミズイロオナガシジミを見ていたら、翅を半開翅しました。
そこでさらなる開翅を期待してしばらく待ちましたが、残念ながらそれ以上は開きませんでした。

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ミズイロオナガシジミ (甲府市、6月12日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200




» ウラゴマダラ; Artopoetes pryeri

飛んできた白い蝶をみるとウラゴマダラシジミでした。
近くに食樹のイボタは無さそうなので、どこで発生したのかな。

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ウラゴマダラシジミ (甲府市、6月12日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200




» イタヤカミキリ; Mecynippus pubicornis

カミキリ特有の飛翔姿で飛んできた----イタヤカミキリ。

このカミキリは日本全国に分布し、イタヤカエデやヤマハンノキ、ヤナギ類を食するので、これからそれらの木の枝(生木の枝)を注意して観察すれば、さらに発見できるかもしれないな。

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イタヤカミキリ (甲府市、6月12日)

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Canon EOS 7D, Sigma 10mm Fisheye, Kenko X1.4, ASA400




» ヒゲコメツキ; Pectocera fortunei

ヒゲコメツキのオスは触角が大きく長く、立派な櫛毛があるので、見つけると嬉しい虫の一つです。
この雑木林では、このコメツキが多いようで、毎年この時期になると何度か見ることができます。

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ヒゲコメツキ♂ (甲府市、6月12日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200



あまり動く様子が無かったので、改造レンズで撮影してみました。

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ヒゲコメツキ♂ (甲府市、6月12日)

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Olympus EP-1, 改造レンズ, ASA200, 外部フラッシュ



» その他; Miscellaneous

目の前の枝に新鮮なテングチョウが静止していました。
今年羽化した新成虫は、しばらくすると来年の春までの長い眠りに入ってしまいます。

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テングチョウ (甲府市、6月12日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



目の前の葉で、ヘンテコリンな虫を見つけた。たしかこれはクサカゲロウの幼虫だろう。以前に南米でゴミを背負ったような昆虫を見つけたことがあるが、それをブログに出したところ、コメントで「蘭丸さん」から日本のクサカゲロウの幼虫が似ていることをご指摘いただいた。

日本のものは真っ白で、あたかも塩(あるいは綿)でも背負っているようにみえる。

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ヘンテコリンな虫 (甲府市、6月12日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200



「赤とんぼの歌」の一節---- ♪♪ 山の畑で桑の実を小籠につんだは幻か ♪♪ -----を思い出す。

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桑の実 mulberry (甲府市、6月12日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA200



§ Afterword §

やっとこちらもゼフのシーズンインになりました。

今年のゼフの発生はやはり少し遅れているようで、本日の目的だったクロミドリの姿は見ることはできませんでした(それらしい姿はあったが)。でも、来週あたりは羽化してくるだろう-----楽しみだ。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-06-12 20:48 | ▣ウラナミアカシジミ | Comments(12)

201100604 南アルプス散歩:クモマツマキチョウ♂など

Nature Diary #392

とうとう梅雨入りしました。でも、今週末は天気が良さそうなので、「南アルプスの峪」を訪れることにしました。目的はクモマツマキチョウ(以下クモツキ)に会うためです。ここ数年、北アルプスのクモツキに熱を上げていたので、南アルプスのクモツキ撮影行は、何と5年ぶりになります(2006年の6月以来)。

この時期の南アルプスは、目に眩しい新緑と青黒く流れる清冽な流れが、明るい峪を彩ってとても気持ちが良い。こんな美しい新緑に包まれた気持ちの良い林道をクモツキがどこかに飛んでいないかと、上をみたり、下をみたりしながらゆっくりと歩くことは 「虫屋冥利」 というものですな。

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南アルプスの峪 (山梨県南アルプス、6月4日)

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Canon EOS 7D, Sigma 17-70mm , ASA200




» クモマツマキチョウ; Anthocharis cardamines

ひたすら歩いてクモツキのポイントに到着。歩き始めてからすでに3時間以上が経過していました。こんなに歩くのは昨年の常念岳以来ですが、日頃の不摂生を反省する良い機会になりました。

ペットボトルの水を飲んで、一息入れてからおもむろに斜面を見渡すと、何頭ものモンキチョウやスジグロシロチョウとともに、遠目にも色鮮やかなオレンジ(クモツキ♂)が飛んでいました。でも、天気が良すぎるので、オレンジたちはまったく静止することなく斜面を縦横無尽に飛び回り、時折、モンキチョウやスジグロシロチョウとチェイス(下の写真の上)しあっていました(遊んでいるようにしか見えないな)。

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飛び回るクモマツマキチョウ♂ (山梨県南アルプス、6月4日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400, Trimming (+)



クモツキたちを観察していると、一定の行動パターンが見えてきました。すなわち、斜面の草付を飛び回った後に林道に沿って50mほど飛び、そこにあるスミレの群落で吸蜜----という動作を繰り返していました。

そこで、クモツキの吸蜜シーンを撮影するためには、蝶が斜面から林道に出た時に、蝶の後についてスミレの群落までの約50mを猛ダッシュしなければなりません。しかし、問題は50m全力ダッシュすると、動悸、息切れでゼイゼイしてしまい、しばらくのあいだ撮影困難に陥ってしまうことでした。学生時代は50m走で6秒台前半を記録し、短距離ダッシュにはいささか自信があった虫林ですが、今や飛翔速度が遅いクモツキにも負けそうです----ウーム、情けないな。

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スミレの花で吸蜜するクモマツマキチョウ♂ (山梨県南アルプス、6月4日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



今までクモツキの吸蜜シーンはハタザオの花で撮影することが多かったので、スミレでの吸蜜撮影はそれなりに嬉しいものでした。でも、絵になるのはやはりハタザオでの吸蜜シーンの方かな。

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スミレの花で吸蜜するクモマツマキチョウ♂ (山梨県南アルプス、6月4日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



飛び立った瞬間の飛翔写真が偶然に撮影することできました。

吸蜜している蝶を撮影していると、時々こんな 「ご褒美写真」 が撮影できることがありますね。本当は意図的にこのようなシーンを撮影出来れば良いのですがね-----。

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飛び立ったクモマツマキチョウ♂ (山梨県南アルプス、6月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400, Trimming (+)

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飛び立ったクモマツマキチョウ♂ (山梨県南アルプス、6月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400, Trimming (+)



広角レンズでの飛翔写真も撮影してみました。広角レンズで撮影すると、周囲の環境が入りますが、この写真では思いっきり林道脇のコンクリートの土手の様子がわかりますね。コンクリートの土手の脇の林道を、クモツキの後ろを必至で追いかけたのです-----疲れました。

できれば土手の上の斜面に上って撮影すれば良いのでしょうが、やはり斜面は危険なのであまり無理をしないで林道に出てきた蝶だけを撮影しました------今まで数々の失敗からの教訓。

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飛翔するクモマツマキチョウ♂ (山梨県南アルプス、6月4日)

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Canon EOS 7D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA800




» キベリタテハ; Nymphalis antiopa

越冬明けのキベリタテハを見かけました。やはり越冬明けということで、翅は少し破損し、色あせて、キベリというよりもむしろ「シロベリタテハ」という方がふさわしいような状態です。しかし、越冬明けの蝶の雰囲気が色濃く出ているので、丁寧に撮影することにしました。蝶の写真撮影のメリットはこんな時に感じます。その他、エルタテハも見ることができましたが、こちらは撮影に失敗しました。

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キベリタテハ (山梨県南アルプス、6月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» ハイイロハナカミキリ; Rhagium japonicum

触角が短いこの虫を見て、即座にこれがカミキリムシの仲間と看破できるヒトが何人いるでしょうか。この甲虫をカミキリムシに分類した方の洞察力に敬意を表したいと思います。また、このハイイロハナカミキリはハナカミキリという名前が一応ついていますがが、花に来ることはめったにありません。

ここでは、林道脇に積まれたツガやトドマツなどの針葉樹の材木上で沢山見ることができました。

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ハイイロハナカミキリ (山梨県南アルプス、6月4日)

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Canon EOS 7D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA200



このカミキリは、材上をかなり敏捷に歩きますので、意外に撮影には手間取りました。でも、ゴツゴツとした鞘翅やシブイ色彩は魅力があります。

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ハイイロハナカミキリ (山梨県南アルプス、6月4日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



§ Afterword §

今回は南アルプスでの撮影ポイントを探ることが目的でした。大体のところは把握できたつもりですので、その成果は来年以降に試してみたいなと思います-----楽しみ。

登山シーズン前ということで、宿泊した山小屋では広い部屋に数人という贅沢な状態でした。また、一緒に宿泊された大阪のYさんとは、蝶の話で楽しい時間を持つことができました。現在、虫屋の多くは高齢化していますので、是非ともYさんのような若い虫屋さんには頑張ってほしいものです。

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また、2日目(日曜日)は山を下りる途中で、何人もの虫屋さんとお会いしました。皆さん根っからの虫好きで、個性的な方も多く、話を聞いていると僕自身も色々と刺激を受けました。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-06-06 21:20 | Comments(20)