NATURE DIARY

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20120128 コンデジ内蔵ストロボ用ディフューザー

Nature Diary #432

寒い時には来るシーズンの準備も楽しい。

これまで、昆虫撮影のために導入したGRデジタル(初代)は、すでに発売から5年が経過し、さすがに機械的にも機能的にも古くなった。そこで、2週間前に中野にあるカメラ店「フジヤカメラ」に立ち寄った時に、手ブレ補正機能が加わったという4代目(GRD IV)を思い切って購入した。

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リコー社GRデジタルⅣとGXR+S10  GRD IV and GXR (Ricoh Ltd.)



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<コンデジ内蔵ストロボ用ディフューザー>
小さな昆虫を撮影する場合、ストロボによる補助光が必要になる場面が多い。しかし、最短撮影距離(GRDは1cm)で内蔵ストロボを使用するとレンズの影ができてしまう。両機種とも外部ストロボ用のホットシューがあるので、専用の外部ストロボをチョイスできるのだが、この外部ストロボを装着すると、頭でっかちになってバランスが悪いうえに、物々しくて格好も良いとはいえない(リコーさん失礼)。

そこで、内蔵ストロボ用のディフューザーをつくることにした。

ネットで調べてみたところ、「デジカメのツボ.JP」というサイトに、「フィルムケースを用いた手作りディフューザー」の記事があった。そのサイトの管理人さんは昆虫愛好家では無さそうだが、このディフューザーは使えそうだ。虫林がアレンジした点は、円形のフィルムケースの接着面積を増やすために、マジックテープ(ベルクロテープ)を張ったプラスチック板の小片を瞬間接着剤でケースに固定したことだ。

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空のフィルムケースディフューザー 




フィルムケースは、水平につける必要はなく、やや斜めに装着した。正面から見ると、カメラがまるで「敬礼」しているみたいにも見えるので少し笑える。内蔵ストロボの位置が正面ではないので、ディフューザーをつけてもストロボ光が偏る傾向は残るが、実際の使用時にはほとんど気にならないだろう。

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フィルムケースディフューザーを装着したGRD IV 


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フィルムケースディフューザーを装着したGXR/S10 




さらに、フィルムケースディフューザーはとても軽いので、使用しない時にはマジックテープでケースの横(写真)かザックのどこかにでも取り付けておけば良い。

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カメラケースの横に付けたディフューザー 




<使用例>
今週末に出張した浜松市内で、柳の幹で フユシャク♀ (クロバネフユシャク?) を発見できたので、内蔵ストロボディフューザーを試してみることにした。GRD、GXRともに、内蔵ストロボの発光量がフルから1/64まで調整でき、さらに調光補正もできる(さすがリコーさんだね)。

そこで、ストロボ発光による不自然さを考慮して、発光量を1/64、調光補正をマイナス1.0で撮影してみたところ、なかなか良い結果だった。

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樹幹のフユシャク♀ Winter moth

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Ricoh GXR,/S10, ASA100、内蔵ストロボ使用 (静岡県浜松市、1月28日)



§ Afterword §

今週末は土曜日は浜松出張、日曜日は友人の記念パーティで東京に出掛けたので、ほとんどフィールドに出ることがなかった。でも、一年で最も寒いこの時期には、これから春のハイシーズンのフィールド散歩を夢見ながら、色々と撮影準備にいそしむのも楽しいものである。

フィルムケースのディフューザーなんて大したことないように思えるが、小さな昆虫をコンデジの内臓ストロボを使用して撮影する際には、とても簡単で便利かつ実用的なグッズだろうと思う。我田引水、自画自賛かな? まあ、これも昆虫撮影の楽しみなので----。

来週末は2月に入り、まだしばらくは寒い日が続く。
もう少し準備を楽しむのも悪くないな。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2012-01-29 19:08 | Comments(14)

20120121 大寒の散歩道;ウラギンシジミなど

Nature Diary #431

【GXR修理】
お気に入りの「リコーGXR」の液晶モニターがとても見難くなった(傷ついて、コーティングが剥がれたため)。そこで、家の近くのカメラ店 「キタムラ」 で修理をお願いしたところ、液晶モニター交換とバッテリールームの修理で、総額 「●万×千円」 という見積もり額がでた。少し高いかなと思ったので調べてみると、驚いたことに 「キタムラ」 では新品(本体のみ)を 「●万○千円」 で販売しているではないか。それなら修理するよりも新品を購入した方が断然安くて得だ------ウーム、危なく損するところだったな。

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本日は一年で最も寒い大寒。

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氷の表面の地図模様 Map-like pattern of the ice
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Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (山梨県甲府市、1月21日)



今年はウラギンシジミの越冬態をまだ発見できなかった。
そこで、本日の散歩のお目当ては越冬するウラギンシジミだ

公園内のカシやツバキ、クスニキなどの常緑広葉樹の葉を見て歩くが、なかなかその姿を発見できなかった。しばらくして、低い丘の上に植栽されたしょぼいツバキの葉裏で、やっと銀色の「とんがり帽子」ウラギンシジミを見つけることができた(写真上)。近づいてみると、翅には痛々しいバイトマークがあった(写真下)。

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ツバキの葉裏で越冬するウラギンシジミ An overwintering Angled Sunbeam

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Ricoh GRD IV, ASA100 (山梨県甲府市、1月21日)



少し先に歩を進めると、今度はアカガシの伸びたヒコバエでウラギンを発見。
こちらは横からは丸見えである。

「オイオイ、もう少し目立たない場所で越冬しないと危ないぞ!!」
と注意してやりたくなる。でも、これが彼らなりの擬態なのだから余計なお世話というものだ。

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アカガシの葉裏で越冬しているウラギンシジミ An overwintering Angled Sunbeam

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Ricoh GRD IV, ASA100 (山梨県甲府市、1月21日)



綺麗な別の個体を発見。
結局、ウラギンシジミは4個体を発見することができた。

いつも思うが、ウラギンシジミの翅裏は白色というよりも輝くような銀白色で、遠くからでもとてもめだつ。そんなに目立つ色彩ならば、たやすく鳥などの天敵に発見されるはずなのだが、おそらく、鳥たちにはその銀白色が蝶だと認識できにくいのだろう

でも、鳥は騙せても虫林はお見通しさ-----競り合ってどうする。

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ツバキの葉裏で越冬するウラギンシジミ An overwintering Angled Sunbeam

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Ricoh GRD IV, ASA100 (山梨県甲府市、1月21日)



何気なく目をやった桜の古木に、小さな翅の イチモンジフユエダシャク♀ を見つけた。

フユシャクと呼ばれる蛾は日本に35種ほどあって、成虫は寒い冬に出現する。多くのフユシャクのメスは、翅が極端に小さく飛ぶことは出来ないが、脚は長くて樹皮の上を歩きまわることができるのだ。

メスの翅が小さい蛾は、フユシャクの仲間以外にも何種類かある。例えば、「ミノムシ 蓑虫」として子供の頃から馴染みが深い「オオミノガ」では、メスは翅ばかりか脚も無い。すなわち、メスはその一生を蓑(ミノ)の中だけで過ごすということだから驚く他はない(それだけ蓑の中の方が安全なのだろう)。

下の写真の上は♀で、下は幹で死んでいた♂。

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桜の樹幹のイチモンジフユナミシャク ♀(上)、同♂(下) Operophtera rectipostmediana

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Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (山梨県甲府市、1月21日)



クヌギの小枝で越冬するアカホシテントウを見つけた。

このテントウムシはクヌギにつくカイガラムシを食べてくれる益虫と図鑑には載っている。この害虫、益虫という虫の色分けはあまりに人間側の都合が色濃く感じられて好きにはなれないが仕方がない。

テントウムシはイギリスでは Ladybird、アメリカでは Ladybug という。この Ladybird という名前はナナホシテントウにもともと由来するらしくて、聞くところによれば、赤い服を身にまとっていた聖母マリア様 (Our Lady) の7つの悲しみ (The seven sorrows) に由来するそうだ。

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コナラの枝分岐部で越冬するアカホシテントウ Ladybird

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Ricoh GRD IV, ASA100 (山梨県甲府市、1月21日)



一見、ドングリのように見えるが、これは「虫こぶ」の一種で、ナラメイガフシという。

このナラメイガフシという虫こぶは、ナラメイガタマバチ というハチが卵を産んだ場所が異常に肥大してできたものだ。穴があいているので、成虫がすでに出てしまった古いものかも知れないな。

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コナラの枝の虫こぶ(ナラメイガフシ) Andricus tmukaigawae

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Ricoh GRD IV, ASA100 (山梨県甲府市、1月22日)



冬枯れた景色の中に咲く白い花。
近づいて観察すると花ではなくて綿毛だった。

もともと虫林は、スミレやランの花が好きだ。しかし、近年のNature Diaryでは昆虫写真ばかりで花(植物)の写真を掲載することが少なくなってしまった。今年は虫ばかりではなく、花も意識して撮影していくことにしよう。曰く、 虫を知るには花(植物)を知れ!(虫林の格言----生意気)

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冬の偽花(円内は拡大:綿毛)Pseudo- flower in winter (floss)

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Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (山梨県甲府市、1月21日)



§ Afterword §

本日はフィールド散歩した午前中は曇りだったが、お昼近くになって雨が降ってきたのでそうそうに引き上げた。週末の天気が悪いと少し残念だ。でも、目的のウラギンシジミが4頭も発見できたのだから良かったと思う。何しろ、今年はどういうわけかいつも見ることができる場所でウラギンシジミが発見できずにいたのだ。

今回散歩した場所(公園)は少し整備され過ぎている印象ではあるが、多分、毎年越冬ウラギンの観察が安定して楽しめそうに思う。もう少し早い時期にムラシやムラツも探してみたいところだ。

冬のウラギン散歩道として虫林のファイルに記憶しておこう。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2012-01-22 10:56 | Comments(14)

20120115 寒い冬に虫屋が見る夢は;チョウの飛翔流し撮り

Nature Diary #430

今週は完全休養日。

公園をのんびりと歩いた。
道にうつる木の陰と犬を連れて歩く人---冬の散歩道。

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冬の公園 Winter landscape of the park

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Ricoh GRD IV, ASA100 (山梨県甲府市、1月15日)



喫茶店 「カフェリ」 でくつろぐ。
コーヒーを飲みながら、ついでに Nature Diary の記事を書く。

最近はスタバをはじめ外資系のコーヒーショップが多いが、虫林は昔ながらの喫茶店が良い。
外資系コーヒーショップとドメスティック喫茶店は似ていてもまったく異なものだと思う。

最近は落ち着いて長居できるお店も少なくなった。

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喫茶店 「カフェリ」 のコーヒー Coffee

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Ricoh GRD IV, ASA100 (山梨県甲府市、1月15日)



ということで、本日はフィールドに出なかったので、別なことで記事を書いてみよう。

下の写真は雑誌「モダンメディア Modern Media」11月号の表紙写真。

この11月号に載せた表紙写真は、6年前(2006年7月29日))に訪れた長崎県の島原半島の小さな公園で、たまたま遭遇した偶産蝶リュウキュウムラサキの飛翔を 、「流し撮り技法」 で撮影したものだ。

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「流し撮り技法」 とはスローシャッターで背景を流して被写体だけを止める撮影テクで、すごいスピードで動く被写体の動的迫力を写真表現するために用いられる。レーシングカーやオートバイのレースなどでよくみかけるが、チョウの飛翔では、今までに見た記憶が乏しい(実際は少しあるかも)。

下の写真は、カラスアゲハの飛翔の流し撮り写真だが、こちらは残念ながら被写体が少しブレている。でもこのくらい被写体が止まっていれば良いほうだろうと思う。

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カラスアゲハの飛翔流し撮り 



チョウの飛翔写真だけでも結構しんどいのに、飛翔流し撮りとなるとね。
そこは 本気、元気、根気  (近くの小学校の標語をパクった)で、ひたすらシャッターを切ればよい。今年は 「飛翔流し撮り」 にまたチャレンジしてみよう---楽しみだ。


<モダンメディアについて>
モダンメディアは、栄研化学社 が出版している医療検査系のれっきとした月刊誌だ。恥ずかしながら虫林は2年前からこの雑誌の表紙写真とそれに関するエッセイを連載してきた。本来の仕事も忙しいので、原稿はいつも締切りギリギリになってしまい(少し遅れたかも)、編集子のO女史には毎回ご迷惑をおかけした気がする。とにもかくにも、現在、担当する最後の原稿(12月号)を脱稿してほっとしている次第だ。長かったけれど短かった2年間だったな。モダンメディアの関係諸氏に感謝いたします。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2012-01-15 18:42 | Comments(14)

20120108 湘南の散歩道:ムラサキツバメなど

Nature Diary #429

「成人の日」は、実家のある神奈川県の海辺の町に向かった。

下の写真は「烏帽子岩」。

子供の頃、いつか烏帽子岩にわたってやろうと思っていた。中学生になった夏のある日、友達と一緒にゴムボートでやっとその岩に上陸することができた。ところが、帰りは潮の流れが意外に速くて、ボートが流されてしまい、なかなか岸に戻ってくることができずに難儀した。今思えば、バカなことばかりしていたよな。

もちろん、当時もそれなりに悩みはあったけれど幸せな日々だった。

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凧上げする少女と烏帽子岩 Landscape of seashore in Shonan

Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (神奈川県、1月9日)



神奈川の Daron さんから実家の近くのムラサキツバメのポイントを教えて頂いた。

残念ながら、ピンポイントではその場所を絞り込むことができなかった。でも、ムラサキツバメはこの辺りで広く棲息しているはずなので、とにかくマテバジイが混在する雑木林を探索してみることにした。

嬉しいことに、探し始めて間もなく枯葉の傍で静止しているムラサキツバメを見つけることができた。

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枯葉に静止するムラサキツバメ♀  The Powdered Oakblue

Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (神奈川県、1月9日)



風が無い陽だまりでは、一頭のムラサキツバメが飛び回っていた。

何とか見失わないようにしっかりと目で追っていると、シュロの幼木の葉上に静止して翅を開いた。色彩からは♀であることがわかる。多くのチョウでは、メスはオスよりも地味な配色だが、ムラサキツバメのメスは適度な大きさの青紋を配し、艶やかでチャーミングにみえる。

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開翅するムラサキツバメ♀  The Powdered Oakblue

Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (神奈川県、1月9日)



写真を見ると、翅の両端に青い小さな紋(矢印)がみえる。これまで撮影したムラツのメスの写真をみても、このような紋はお目にかかったことは無い。この個体だけの特徴なのだろうか?

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開翅するムラサキツバメ♀  The Powdered Oakblue

Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (神奈川県、1月9日)



さらに、もう一頭のムラサキツバメが物陰から飛び出して廃木に静止。
こちらはまだ新鮮で尾状突起も長くしっかりしている。

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静止するムラサキツバメ  The Powdered Oakblue

Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (神奈川県、1月9日)

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静止するムラサキツバメ  The Powdered Oakblue

Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (神奈川県、1月9日)



帰りは、相模湖から中央道にのって甲府の家に帰宅した。

このコースを通るときには、必ずといってよいほど相模湖近くのイタリアレストラン「ドリームファーム」に立ち寄ることにしている。とにかく、このレストランのピザ(マルゲリータ)は美味だ。

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イタリアレストラン「ドリームファーム」  Dream Farm

Ricoh GXR, S10, ASA100 (神奈川県、1月8日)



§ Afterword §

蝶の成虫撮影には厳しい季節になりました。

でも、、神奈川の海辺に近い場所ではまだムラサキツバメが飛び回っていたのには少し驚きました。これからは月に一度くらいの頻度で高齢の両親の顔を見に行く予定だが、その時には、近くでチョウの撮影もできたらうれしいなと思う。

ムラツポイントをご教示いただいたDaronさんに感謝します。





以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2012-01-11 00:24 | ▣ムラサキツバメ | Comments(18)

20120107 冬の散歩道:オオオサムシなど

<亜種と人種>
飛ぶことができないオサムシは地域ごとにその形態が特化する-----亜種。

人間ではアフリカの黒人、アジアの黄色人種、ヨーロッパの白人、その他いろいろな人種があって、皮膚の色や種々の形態はそれぞれ違う。この違いは亜種以下のものだという研究者もいるし、亜種程度の違いという研究者もいる。つまるところ、生物において大切なのは、種の違いだけで、亜種の違いはあまり意味がないとも思える。ゴリラに似ている人はいるけれど、人とゴリラの間に子供が出来たという報告はないからね。

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Nature Diary #428

朝食後、車で30分ほどの北杜市の山林を訪れた。

そこは、里山の趣を残すナラ類主体の雑木林で、不思議に観察できる昆虫たちの種類が多い場所だ。夏にはゼフィルス狙いで何度か訪れるが、冬に訪れることは少ない。

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葉を落とした冬の木々たち Grove of the mixed trees
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Canon 60D, Sigma 10mm F2.8 DC Fisheye HSM, Kenko Teleplus MC4, ASA400 (山梨県北杜市、1月7日)



本日は昔とった杵柄というやつで、手クワで「おさぼり」をやることにした。

「おさぼり」とは、「仕事をさぼる」ことではなくて、晩秋から初春の間に、土中や朽木中で越冬中のオサムシを掘り出す方法のことで、「オサムシ堀り→オサ堀り」である。

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オサ堀り

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Canon 7D, Sigma 10mm Fisheye, Telecon X1.4, ASA400 (山梨県北杜市、1月7日)



何てことのない斜面を軽く崩してみると、とうとう中からオサムシ(黄色い破線)が出てきた。

採集と違って撮影目的の場合、オサムシが越冬する状態がわかるように掘り出す必要がある。すなわち、越冬する小部屋がわかるように、注意深く掘らなければならない。これは難しいことのように思えるかも知れないが、本日見つけた3頭のうち2頭でうまく見ることができた。

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越冬していたオオサムシ Overwintering ground beetle

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Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (山梨県北杜市、1月7日)



土から出てきたのは少し青みを帯びた黒色の大きなオサムシだった。
オオオサムシの中部亜種チュウブオオオサムシ。

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越冬していたチュウブオオオサムシ Carabus dehaanii punctatostriatus

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Ricoh GXR, S10, ASA100 (山梨県北杜市、1月7日)



小さなセミの幼虫も出た。
ここだと多分、コエゾゼミかエゾハルゼミの幼虫かな。

すぐに土の中に戻した。

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セミの幼虫

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Ricoh GXR, S10, ASA100 (山梨県北杜市、1月7日)



朽木を崩すと大きなスズメバチが越冬していた。
どうやら腹部が黒いので、ヒメスズメバチだ。

ヒメスズメバチはオオスズメバチの次に大きなスズメバチだが、こちらはオオスズメバチと異なり、とてもおとなしくて攻撃性はほとんどないといわれている。

こころ優しいスズメバチ。

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越冬するヒメスズメバチ Vespa ducalis

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Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (山梨県北杜市、1月7日)



§ Afterword §

本格的な冬になって昆虫たちの姿見ることが難しくなってきた。
寒くなると南の国で昆虫たちと戯れてみたくなる。でも、なかなかそう上手くいかないのが世の常だ。寒い中でも工夫して何とか昆虫たちを見てみたいと思う。今回はオサ掘りでオオオサムシを見ることができたが、このオサ掘りはとても楽しい(腕が疲れるけど----)。また、どこか他の地域でオサ掘りをやってみたいなと思う。






以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2012-01-09 07:29 | Comments(6)

20120103 初フィールド散歩:ムラサキシジミなど

Nature Diary #427

今年初めてのフィールド散歩。

照葉樹の林を訪れてみると、ムラサキシジミの姿。
少し刺激したら飛び出して翅を開いてくれた----この青色(今回は紫色)にはいつも魅せられる。

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開翅するムラサキシジミ The Japanese Oakblue

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Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (山梨県甲府市、1月3日)



コナラの小枝にアカコブコブゾウムシ。
分岐の窪みに頭をつっこんでいるのがいじらしい。

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越冬するアカコブコブゾウムシ Kobuzo rectirostris

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Ricoh GXR, S10, ASA100 (山梨県甲府市、1月3日)

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越冬するアカコブコブゾウムシ Kobuzo rectirostris

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Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (山梨県甲府市、1月3日)



コナラの枝にヨコバイの仲間のコミミズクの幼虫がぴったりと張り付いて越冬していた(黄色い点線)。成虫はカモノハシに似ているが、幼虫も平らべったくてとてもユニークだ。よくみると、あちらこちらで発見できた。ここは個体数が多いのかも?

驚いたことに、写真のコミミズクの幼虫の下にミズイロオナガシジミの越冬卵(矢印)。

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越冬するコミミズクの幼虫 Petalocephala discolor とミズイロオナガシジミの越冬卵

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Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (山梨県甲府市、1月3日)



梅の小枝にはユニコーンのような姿の幼虫。
スズメガの仲間の幼虫だろうか。

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ユニコーンのようなスズメガの幼虫  Oxyambulyx ochracea

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Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (山梨県甲府市、1月3日)



§ Afterword §

寒くなってきた。でも、今年もまたフィールド散歩というかフィールド初詣をしてみた。
変わらず忙しいが、できるだけ1週間に一度は散歩を楽しみたいと願っている。


ブログトップのタイトル写真を変えた。

今回の写真はイグアスの滝(ブラジル)の近くの農家の裏で撮影した蝶の集団吸水だ。この時には100から200頭を越えるチョウの吸水集団が何か所も形成され、南米の自然力を思い知らされた。また、レンズの画像に写真の透過性を調節して張り付けると、まるで被写体がレンズに映ったように見えることがわかった------お正月の写真遊び。





以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2012-01-06 01:32 | Comments(4)

20120101 謹賀新年 (第6回虫林大賞発表:クロミドリシジミ♂開翅)

昨年中は拙写真と駄文にお付き合いいただき真に有難うございました。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

恒例になりました 虫林大賞 2012 を発表します。

とにかく、一人だけの審査員(虫林自身)による厳正かつ慎重なる審査の結果、本年度の虫林大賞(第6回)はクロミドリシジミ♂の開翅に決定しました。ええ~ちょっと地味すぎない?------という声がどこからか聞こえてきそうですが、「侘び寂び」がわかる諸兄であればご理解いただけるのではないかと拝察いたします。

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<選考理由>
このクロミドリシジミ(クロミ)というチョウは数年前まで憧れのチョウでした。でも探してみると意外に身近に見られることがわかりました。このチョウの♂は、活動が激しいために翅表に細かいキズが入りやすくて、翅表を撮影した時にそれが気になります。虫林大賞の写真の個体は白い縁毛もしっかりとしていて、表面にもキズがないとても新鮮な個体です。また、撮影時の陽射しも柔らかで良い色が出ています。そんなところが総合的に評価されて、虫林大賞に選出されたのでしょう。



ノミネートされたその他の大賞候補の写真は以下の通りです。

蕗の薹とクモマツマキチョウ
槍ヶ岳バックのミヤマモンキチョウ
下北のゴマシジミ
白馬のアサマシジミ


その中でも昨年5月に、信州の山中で撮影した「フキノトウとクモマツマキチョウ」はとても印象深いものだったので、虫林大賞の有力候補でした。

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<海外編>
昨年、海外で撮影した写真では、1月のマレーシアのプタリンジャヤで撮影したBranded imperial 、2月に米国サンアントニオで撮影したトラフアゲハなどは印象深いものでした。

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過去の虫林大賞 (The best shot of the year by Tyurin)
第一回 (2007):オオイチモンジの集団吸水
第二回 (2008):アリに攻撃される岩手のチョウセンアカシジミ
第三回 (2009):カタクリで吸蜜する白馬のギフチョウ(イエローバンド)
第四回 (2010):福島のキマダラルリシジミ♂開翅
第五回 (2011):槍ヶ岳バックのタカネヒカゲ


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それでは、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

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以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2012-01-01 00:14 | Comments(54)