NATURE DIARY

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20120325 春の散歩道:ミヤマセセリ初見など

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Nature Diary 7(15):#440

3日前にカナダのバンクーバーから帰国し、まだ時差ボケ (jet lag) が抜けないままに昨日(土曜日)は横浜でのカンファレンスに出席して夜遅くに帰宅した-----少し疲れている。

日曜日の朝は目覚めて時計を見るとすでに午前9時をまわっていた。それでも、ゆっくりと朝食を食べてから近くの丘陵(武田の杜)にフィールド散歩に出掛けることにした。とにかく、春のチョウたちの出勤時間は遅いはずなので急ぐ必要はないのだ。基本的に朝寝坊の虫林には嬉しいことだ。

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コナラ林の小道にて

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そろそろミヤマセセリが羽化しているはずだが------。
Ricoh GXR, S10, ISO 100 (2012-March-25, Kofu)



テングチョウ; The European Beak

本日は午後から所用があって午前中しか散歩できない。でも、雲が多くて日差しが無く、これでは春のチョウはノーチャンスだ。しかし、嬉しいことに、10時を過ぎる頃には太陽も顔を出して気温も上昇してきた。太陽の光の温かみがダイレクトに感じることができる。

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日光浴するテングチョウ

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これならチョウも少しは期待が持てるかなと思いながら歩いて行くと、ほどなく足元から越冬明けのテングチョウが飛び立った。テングチョウが出てくれば-----。
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-March-25, Kofu)

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日光浴するテングチョウ

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Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-March-25, Kofu)

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2頭のテングチョウ

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2頭のテングチョウがもつれ合って地面に静止した。他のチョウでも求愛行動の後にこのようなことを今までも経験している。一見、中が良さそうに見えるが、実は2頭の間には何とも言えない変な緊張感が漂っているようにみえる---気のせいかな?
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-March-25, Kofu)



ミヤマセセリ; The Spring Flat

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石の上で日光浴するミヤマセセリ

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テングチョウが出始めたので、期待しながらゆっくりと歩を進めていくと、少し前の地面にやや黒っぽいチョウが静止した。早速、注意深く近づいてみると、本命のミヤマセセリだった。
Ricoh GXR S10, ISO100 (2012-March-25, Kofu)

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日光浴するミヤマセセリ♂

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ミヤマセセリは地面に翅を開いて静止するので広角近接撮影がしにくい。でも、リコーGXR S10の広角24㎜で日光浴をするミヤマセセリを撮影してみた。最近、S10用のワイコンを購入したので(24mm→17mm)、早速、春のフィールドで試してみたかったのだが、家に忘れてきてしまった-----ドジ。
Ricoh GXR S10, ISO100 (2012-March-25, Kofu)

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日光浴するミヤマセセリ

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ミヤマセセリの仲間は世界中に分布していて、昨年の3月にテキサス州サンアントニオの植物園でそっくりさんを見かけて驚いた。でも、チョウも人も見かけではなく、中身なのだ---意味不明。
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-March-25, Kofu)

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日光浴するミヤマセセリ

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ミヤマセセリをチョウに興味がない人(特に女性)に見せると、十中八九が「これ蛾でしょ! ちょっと気持ち悪い」と言われてしまうのがおちだ。でも、このセセリチョウはれっきとしたスプリングエフェメラルで、虫屋にとっては春を感じることができるとても愛おしいチョウなのだ。
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-March-25, Kofu)


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タチツボスミレとビロードアブ

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少ないながらもタチツボスミレの花も咲いていたが、その近くに日光浴するビロードアブを見つけた。ビロードアブはこの時期の常連さんだが、いつみてもまるで「子犬のぬいぐるみ」にように可愛い。ビロードアブは長い注射針のような口吻を少し曲げたりしていた。
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-March-25, Kofu)

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シュンランの花

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日なたの斜面の林床に目をやると、すでにシュンランが花をつけていた。ウーム、確実に春が進んでいるな。
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-March-25, Kofu)


§ Afterword §

フィールド散歩は2週間ぶりということになる。散歩当初は曇っていて気温も低かったので気をもんだが、昼近くになって陽が差してくると、気温も上がってチョウたちも出てきてくれた。何とか2頭のミヤマセセリに出会うことができたのは良かったと思う。

これからさらに春めいてくると、色々なチョウたちに会えるので楽しくなるな。


以上、 by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2012-03-28 20:08 | Comments(20)

20120318 カナダの散歩道:バンクーバーにて

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Nature Diary vol.7(14), #439

<自然への憧れ>
カナダという土地には子供の頃から「自然への憧れ」があった。ヘラジカ や グリズリーベアー、ジャコウウシ、ハクトウワシ などのフィールドでみたら感激してしまうに違いない役者たちがずらりと揃っているのだからたまらない。そんな千両役者はさておいても、桜の花もまだ咲かないこの時期には、チョウはおろか他の昆虫たちの観察さえもおぼつかないのが残念だ(それが渡航の目的ではないので仕方がないけどね)。

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カナダのバンクーバー (Vancouver)にやっと渡航できた。やっとという意味は、8年前にも訪れる機会があったのだが、ある事情で渡航を断念せざるを得なかったからだ。僕にとっては因縁のバンクーバーなのだ

学会会場となった 「バンクーバー国際会議場」 から外に出てみると、波がほとんど無い入江(Burrard Inlet )を挟んで対岸には山肌に白く雪を残す ライチョウ山 (Grouse Mountain) が姿を見せていた。ウォーターフロントのこの辺りにはホテルや洒落たレストランも多い。

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バンクーバーの光景

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A landscape of Vancouver in Canada
Ricoh GRD IV, ISO200 (2012-March-17, Vancouver in Canada)


<バンクーバーの街角>

滞在中は、ほとんど連日の悪天候。厚い雲が空を覆い、時には霙(みぞれ)混じりの雨や雹(ひょう)までも降った。朝晩は結構寒く、街行く人の多くは厚手の上着を羽織っている。あまりダウンタウンには足を伸ばさなかったが、町は比較的安全に思えた。

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街の風景

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A landscape of Vancouver
Ricoh GRD IV, ISO200 (2012-March-18, Vancouver in Canada)

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街の風景

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A landscape of Vancouver
Ricoh GRD IV, ISO200 (2012-March-18, Vancouver in Canada)


3月17日はちょうどアイルランドの祝日 「St Patrick's Day」。聖パトリックはアイルランドにキリスト教を広めた人で、その命日が3月17日なのだそうだ。その日は シャムロック (クローバー) を身に着けてお祝いするのがアイルランド人の習慣で、別名 「緑の祭日」 とも呼ばれている。

街の所々でアイルランド系移民の人々が昼間から飲んで騒いでいる。ちょうど通りかかった若者に「ちょっと写真を撮らせて!」と言うと、2人の女性とともに「Welcome to Vancouver!」と笑顔で叫んでポーズをとってくれた。こんな笑顔に出会うとこちらまでその日一日が幸せになれるものだ。

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St Patrick's Day を祝うアイルランド系の人

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Breezy Irishman
Canon 60D, Sigma 17-70mm, ISO400 (2012-March-18, Vancouver in Canada)




バンドューセン植物園; VanDusen Botanical Garden

ホテルのコンシャルジェに紹介されたバンドューセン植物園(VanDusen Botanical Garden)は、タクシーでも15分ほどの至近距離で、ここに行けばこの時期のカナダの自然がある程度評価できると思った。

日曜日の午前中は時間が空いたので、さっそくこのバンドューセン植物園を訪れてみた。綺麗なビジターセンターの建物から入って、内部をぶらぶらと歩いてみると、そこそこの広さがある。残念ながら、この時期では桜はまだ蕾で、他の花もあまり咲いていなかった。家族連れで散歩する人がちらほら見かけた。

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バンドューセン植物園

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A landscape of VanDusen Botanical Garden.
Canon 60D, Sigma 17-70mm, ISO400 (2012-March-18, Vancouver in Canada)


公園の池にはカナダガン (Canada Goose)のペアがのんびりと浮いていた。この鳥はカナダという名前が付いていて、いかにもご当地鳥のように思えるが、実際には結構広く分布していて、日本では他のガンの群れに混ざって少数が飛来し、渡りの群れのモニタリングの指標になっている。

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カナダガン

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Canada Goose
Canon 60D, Sigma 17-70mm, ISO400 (2012-March-18, Vancouver in Canada)


園内には クロッカス などの早春の花や赤や桃色の シャクナゲの花が所々で咲いていた。

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春の花

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Spring flowers
Ricoh GRD IV, ISO200 (2012-March-17, Vancouver in Canada)


何気なく目をやった花にマルハナバチ(Bunble bee)を見つけた。バンクーバーのマルハナバチはとても大きくてクマバチほどもある。体全体が長い毛で覆われていて、他の昆虫が飛ばない低気温の中でも活動することができるらしい。白黒ツートン模様が何となくオシャレだな。ここで観察できた唯一の昆虫だ。

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バンブルビー(マルハナバチ)

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Bunble bee
Ricoh GRD IV, ISO200 (2012-March-18, Vancouver in Canada)


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<かき料理のレストラン>
レストランではカナダのラガービール(写真上左)やクラムチャウダー(写真上右)などを楽しんだ。特筆すべきは、 「Oyster」 という名前のレストランで食べたカキ料理(写真下左右)だ。僕はもともと生ガキはあまり得意ではないのだが、こちらで白ワインと一緒に食べるととても美味しかったので驚いた。カキはいくつかの産地別に出され、日本のカキに比べて丸くてやや小ぶりだが、味が濃くてとても美味だった。

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カキレストラン Oyster

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Restaurant “Oyster”
Ricoh GRD IV, ISO200 (2012-March-18, Vancouver in Canada)


§ Afterword §

これまで、カナダのバンクーバー (Vancouver)には良いイメージを持っていなかった。それは、8年前の2月、バンクーバーへの渡航直前に突然の腹痛に襲われ、病院に運ばれて手術を受けたことによる。街そのものとは全く関係がないのはわかっていても、地名がその時の痛みとリンクして「苦手意識」となって現れているのだろう。今回の訪問では、その苦手意識を払拭できたように思う。

◎前回の記事を誤って削除してしまいました。その時にコメントいただいた 蝶調さん と kmkurobeさん には返事を書くことができませんでした。大変失礼しました。



以上、 by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2012-03-23 23:14 | Comments(7)

20120303 河川敷き散歩:モンキチョウ初見

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Nature Diary vol.7(12), #437


土曜日の3月3日は上巳節句(桃の節句)。

先週の水曜日(2月29日)には、市内でもかなりの雪が降った(下の写真の上)。このように春になってから降る雪のことを 「なごりの雪」 というらしい。僕にはイルカの名曲 「なごり雪」 と重なってどこかロマンティックに感じてしまう。でも、この雪のために交通が混乱したりして困ることも多かったな。

下の写真は雪が降った当初(上)と現在(下)。
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なごりの雪(上:水曜日)

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A landscape of spring snowing
GRD IV, ISO100 (2012-March-03, Kofu)



モンキチョウ; The Pale Clouded Yellow

拙宅裏の河川敷き散歩。

モンキチョウが河原の土手を周回飛翔していた。今年初めての新成虫-----。
羽化して間もないためだろうか、翅の黄色がとても濃くて綺麗だ。

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吸蜜するモンキチョウ♂

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A male of the Pale Clouded Yellow nectaring on the flower.
GRD IV, ISO100 (2012-March-03, Kofu)


モンキチョウはメスを探して飛びまわり、なかなか地面に静止してくれなかった。でも、時々オオイヌノフグリ、ホトケノザなどの花で吸蜜した。

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吸蜜するモンキチョウ♂

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A male of the Pale Clouded Yellow nectaring on the flower.
GRD IV, ISO100 (2012-March-03, Kofu)


下の写真の2頭の色の違いがわかるだろうか。

左は黄色がやや薄くて、右は濃い。この違いは個体差も考えられるが、羽化してから時間が大きいのだろう。すなわち、右側の色の濃いのは、羽化して間もないものなのかも知れないな。

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モンキチョウ♂の色の違い

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The Pale Clouded Yellow
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400  (2012-March-03, Kofu)



§ Afterword §

金曜日に東京での会議から帰宅すると、吐き気、下痢、悪心などのひどい腹部症状に襲われた。初めはインフルエンザかなと思ったが、あまり熱が上がらないので、どうやらノロウィルスにやられたようだ。そのため、今週末は体調不良でほとんどフィールドに出ることが出来なかった.それでも裏の河川敷きでモンキチョウが撮影できたのは嬉しかったな。


やはり新成虫はいいものだな-----馬鹿(虫屋)は死ななきゃ治らない。




以上、 by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2012-03-04 18:55 | Comments(13)