NATURE DIARY

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20120526 バリ島の散歩道(2):オライアカザリシロチョウ

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Nature Diary 7(27):#452

<バリ島のデリアス>
バリ島というと海辺のリゾート地が有名ですが、実は北部を東西に火山脈が走り、アグン山(標高3,142メートル)やバトゥール山(標高 1,717 m)などの火山や温泉、湖などもあります。そんな山地の様子はどことなく日本にも似ているように思います。バリ島には5種類ものデリアス Delias (カザリシロチョウ)が棲息し、そのうち4種類がバリ島独特の亜種になっているそうです。とにかく、美しいバリ島色のデリアスたちを撮影してみたいな。

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学会終了後の土曜日は一日だけフリー(他の参加者はエクカーション)。そこで、土曜日の朝、車をチャーターして、カチュ山 Mt. Catur(2096m)や ブラタン山 Mt. Bratan (1832m) の西側の湖が点在する高原に向かいました。

市街地から少し郊外にでるとそこには田園や素朴な村の光景がひろがりました。

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田園風景

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Rural landscape
Canon 7D, EF 100mm Macro, ISO400 (2012-May-26, Bali in Indonesia)


山側にしばらく進むと、斜面には小さな水田が幾重にもかさなる棚田(ライステラス)が見えてきました。この棚田は上から見ると、ステンドグラス模様に見えますね。車を止めてバリ島の風物詩である棚田を撮影しました。

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棚田

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Rice terace
Canon 7D, EF 100mm Macro, ISO400 (2012-May-26, Bali in Indonesia)


途中で立ち寄った公園では樹高40メートル以上はあろうかというガジュマルの木。

これまでも太いガジュマルの木は何度か見たことがありますが、この木のように樹高が高く、気根がまるで柱のように長いのは初めてです。ちなみに、下に人が立っていますが(オーストラリアの観光客)、この人の背丈と比べて、気根の長さが15m以上あるのがわかります。

こんな大きなガジュマルを見ていると、ただただその大きさに圧倒されてしまい、そのただならぬ「生命力」に畏怖の念を持ってしまいます。巨木に対する自然崇拝(アニミズム)というものが何となく理解できますね。

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巨大なガジュマル

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Giant banyan tree
Ricoh GXR, ISO100 (2012-May-26, Bali in Indonesia)



ヘレナキシタアゲハ; Troides helena

山の稜線から暗いジャングルの中を抜けて湖のそばまで降りると、突然開けて小さな建物(寺院?)がある広場に出ました。その広場からは、今くだってきた斜面の林が一望に見渡せます。とりあえず、屋根の下の日陰に座って汗を拭きながら一休みしました。

思えば遠くに来たものだ---どこかで聞いたフレーズ。

ペットボトルの水を飲みながら、目を細めて斜面の樹林を見渡すと、大きなキシタアゲハ(ヘレナキシタアゲハ?)がグライダーのように滑空していました。

森の王者の風格です。

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飛翔するキシタアゲハ

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A bird-wing flying in the sky.
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-26, Bali in Indonesia)



オライアカザリシロチョウバリ島亜種; Delias oraia bratana

山地性のデリアスであるオライアカザリシロチョウもしばしば姿を見せてくれましたが、高い所を飛翔しているだけで、なかなか撮影可能な距離に降りてきてくれませんでした。そこで、林の中のランタナの花が咲く場所に移動して、オライアの飛来を待ってみたところ、何とか吸蜜シーンを撮影することができました。

オライアは飛んでいる時は純白に見えますが、静止すると翅裏の黄色が鮮やかです。

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飛翔するオライアカザリシロチョウ♂

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A male of Delias oraia bratana flying over the tree.
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-26, Bali in Indonesia)

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ランタナの花で吸蜜するオライアカザリシロチョウ♂

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A male of Delias oraia bratana feeding on the flowers of Lantana
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-26, Bali in Indonesia)

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オライアカザリシロチョウ♂

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Delias oraia bratana
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-26, Bali in Indonesia)

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葉上に静止するオライアカザリシロチョウ♀

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A female of Delias oraia bratana resting on the leaf
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-26, Bali in Indonesia)



イウディスマルバネシロチョウ; Cepora iudith iudith

後翅が黄色くてオライアカザリシロチョウにちょっと雰囲気は似ていますが、オライアに比べると明らかに小型のシロチョウもこのランタナの花を訪れてくれました。。

イウディスマルバネシロチョウ(キシタシロチョウ)です。

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イウディスマルバネシロチョウ (キシタシロチョウ)

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Cepora iudith iudith
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-26, Bali in Indonesia)



その他; Miscellaneous

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ホソチョウバリ島亜種

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Acraea issoria malleolus
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-26, Bali in Indonesia)

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シロウラナミシジミの仲間

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Jamidas
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-26, Bali in Indonesia)


胴体よりも翅が長くてちょっと面白い形の小さなトンボがたくさん飛んでいました。どうやら日本の沖縄などで天然記念物に指定されているハネダカトンボの仲間のようです。

色が異なるのは(下の写真)、雌雄の違いなのかな?

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ハナダカトンボの一種

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Rhinocypha fenestrate corneli
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-26, Bali in Indonesia)


§ Afterword §

お昼近くになると日が陰ってきてカザリシロチョウも飛ばなくなってしまいました。結局、この場所では、オライアカザリシロチョウは撮影できたのですが、サンバワナカザリシロチョウは撮影できませんでした(姿は見かけました)。少し残念ですが、自然相手ですから仕方がありません。そこで、サンバワナは諦めて、少し低い場所に移動することにしました。とにかく、雲は山にだけかかっているので、下に行けば陽が差しているはずです。

その写真は次回に供覧したいと思います。




以上、 by 虫林花山






by tyu-rinkazan | 2012-05-31 21:40 | ▣シロウラナミシジミ | Comments(12)

20120525 バリ島の散歩道(1):ヒパレーテカザリシロチョウ

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Nature Diary 7(25):#450

このところ忙しさに加えて、色々なことが重なってしまい、ブログの更新はしばらくぶりになりました。今回は先週のバリ島行の記事を載せてみようと思います。

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インドネシアのバリ島を訪問しました。

バリ島は「インド洋に浮かぶ神々の島」です。そういえば、日本を「神の国」といって顰蹙をかった大物政治家がいましたな(関係ないか)。今回は学会終了後の土曜日が一日フリーになったのでフィールド散歩が楽しみです。

下の写真は「細い路地を颯爽と歩くオッチャンの後ろ姿」。
彼の背中にバリ人生を感じるな。

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路地を歩く人

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A back shot of Balinese man walking along the street.
Canon 7D, EF 100mm Macro, ISO400 (2012-May-25, Bali in Indonesia)


門の中を何気なく覗いてみると、そこにはインドの神様「ガネーシャ」がいました。

ガネーシャは太鼓腹の人間の身体に 片方の牙の折れた象の頭をもった神で、4本の腕をもつ。障害を取り去り、また財産をもたらすと言われ、商業の神・学問の神とされています。虫林は科学者ではあるが、神様にはめっぽう弱い。とりあえず合掌しておこう。

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ガネーシャ

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gaNeza
Canon 7D, EF 100mm Macro, ISO400 (2012-May-25, Bali in Indonesia)

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動物の彫刻

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Animal carving in stone
Ricoh GXR, ISO100 (2012-May-25, Bali in Indonesia)

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お寺での集会

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Ceremony in the temple
Ricoh GXR, ISO100 (2012-May-25, Bali in Indonesia)




バリ島のチョウたち

学会の会場はサヌールという町にあるホテルでした。

ホテルの庭や近場の林を歩いてみましたが、ツマベニチョウをはじめとするいくつかチョウたちを見ることができました。この時期のバリは乾季で過ごしやすいとはいえ、やはり暑い。

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ツマベニチョウ♂

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Hebomoia glaucippe
Canon 7D, EF 100mm Macro, ISO400 (2012-May-25, Bali in Indonesia)


嬉しいことに、カザリシロチョウ(Delias)の仲間のヒパレーテカザリシロチョウ(ベニモンシロチョウ)もブーゲンビリアの花を訪れてくれました。このチョウには以前にマレーシアと中国南部の広西省で出会っています。初めて見たときは色彩の派手さに驚いたものです。

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ヒパレーテカザリシロチョウ

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Delias hyparete hyparete
Canon 7D, EF 100mm Macro, ISO400 (2012-May-25, Bali in Indonesia)


すばやく飛翔するタイワンシロチョウは比較的多く、エリルスフタオシジミ、イワサキタテハモドキなどを見ることができました。また、クラメりルリマダラ(Euploea crameri )も吸蜜にやってきました。このチョウはバリ島亜種になっているようです。(yoda-さん有難うございます。)

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タイワンシロチョウ、エリルスフタオルリシジミ、クラメリルリマダラ、イワサキタテハモドキ



シロスジカミキリの仲間のイチジクカミキリ♂をホテルの裏庭の葉上で見つけました。きっとホテルの明かりに飛んできたものでしょう。

このカミキリはシロスジカミキリと姿や形はそっくりさん(近似種)ですが、前胸背の紋がオレンジ色で何となく南国を感じさせてくれます。最近、東南アジアから沖縄に侵入して問題になっているカミキリです。
(kmkurobeさん、有難うございます)

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イチジクカミキリ♂

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Batocera rubus Linnaeus
Ricoh GXR, ISO100 (2012-May-25, Bali in Indonesia)


また、面白い模様の翅をもったベッコウトンボも見つけました。

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ベッコウトンボの仲間(グラピプテラチョウトンボ)

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Rhyothemis graphiptera
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-25, Bali in Indonesia)



§ Afterword §

バリ島行の5日前に父(92歳)が他界しました。安らかな最期だったのでよかったなと思います。バリ島への渡航は父の告別式の直後だったので、最初は出張を取りやめようかとも思いましたが、仕事人間だった父の事を考えて行くことの方を選択しました。場所が「神々の島バリ島」だったことも何かの縁を感じてしまいます。

今回はヒパレーテカザリシロチョウを撮影することができました。その他のデリアス(カザリシロチョウの仲間)に関しては、これからブログで紹介していくつもりです。バリ島でのデリアス情報は、横浜のS氏からご教示いただきました。彼は「さくちゃんの生き物便り」というホームページを運営しています。ご興味がおありの方は是非一度訪れてみてください。

次は、山地性のチョウ(デリアスを含む)について供覧する予定です。



以上、 by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2012-05-29 06:09 | Comments(12)

20120513 白馬の散歩道:クモツキとギフバンド

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Nature Diary 7(24):#449

日曜日の天気は晴れ。白馬を再訪。

早朝、蝶友のkmkurobeさん(安曇野の蝶と自然)とOさん(ネイチャーKendamarの歳時記)と待ち合わせ、相談の結果、急遽、バンド(ギフチョウのイエローバンド)の前にクモツキ(クモマツマキチョウ)にもチャレンジすることになった。考えてみれば、一日でクモツキとイエローバンドのダブル撮影とは何とも贅沢な話しだね。

ということで、本日は「オイオイちょっと贅沢撮影行」になった。

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クモマツマキチョウ; The Orange Tip

車は雪のために通れず、荒れた林道を徒歩でアプローチした。

でも、新緑の林道歩きはとにかく持ちよく、山菜採りの方たちともしばしばすれ違った。山を見上げると、切り立った黒褐色の岩壁の上部にうっすらと雪が積もっていた。気温が低いので、どうやら昨日は雪が降ったみたいだな。

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うっすらと雪が積もった険しい山の岩壁

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Steep mountain cliff with snow
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-13, Nagano)


さっそく、昨年撮影したポイントで期待しながら待機したが、クモツキは一頭も飛来せず----ウーム、やってもうた。泣く子とクモツキには勝てないな(意味不明)。

こりゃあ、潔くあきらめて白馬に撤退しよう。

ところが、車で戻る途中、別の沢との出会いで、なんと “オレンジ”が飛ぶ姿を発見した。さらに運が良いことに、この♂は地面で翅を広げて日光浴してくれたのだ。その後、別な♂も一頭現れたが、こちらは期待もむなしくそのまま飛び去ってしまった。

オレンジ(クモツキ♂)との出会いはいつも突然だ。

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日光浴するクモマツマキチョウ♂

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A male of the Orange Tip basking on the ground with the wings opened/
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-13, Nagano)



ギフチョウ; Luehdorfia japonica

白馬村にはお昼前に帰着したところ、すでに皆さんが集まって撮影していた。kenkenさんが手を振って「バンドだよ!」と教えてくれた。顔見知りの方が何人もいらしていたが、ご挨拶もそこそこにして(失礼!)イエローバンドの撮影に加わらせていただいた。

テリ張り旋回飛翔するギフチョウは、まぎれもなく“イエローバンド”。
飛翔写真で撮影するとまるで絵で描いたように見えるのがバンドの特徴かな。

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飛翔するギフチョウ♂(イエローバンド)

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A male of Luehdorfia japonica showing a circling flight over the field.
Canon 7D, Sigma 10mm, ISO800, 外部ストロボ (2012-May-13, Nagano)


驚いたことに、この場所にはイエローバンドは2頭いた。

バンド1はピンシャンで、水もしたたる美男蝶(図4)。一方、バンド2は翅表に細い線状のスリ傷がある(図5)。この2頭は時々入れ替わったりするので何とも紛らわしいが、一度特徴がわかってしまえば区別は容易だ。2頭のバンドレベルもまずまずだね。

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ギフチョウ♂(イエローバンド1)

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A male of Luehdorfia japonica with yellow bands (Band 1) basking on the ground with the wings opened .
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-13, Nagano)

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右の翅表面に線状のすり傷があるギフチョウ♂(イエローバンド2)

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A male of Luehdorfia japonica with yellow bands (Band 2) basking on the ground with the wings opened. Please note the linear scratch on the right wing surface.
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-13, Nagano)

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ギフチョウ♂(イエローバンド2)の吸蜜

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A male of Luehdorfia japonica with yellow bands (Band 2) nectaring on the violet flower.
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-13, Nagano)


怪しい動きをするギフ♀を見つけたので、追跡してみると案の定「産卵」を始めた。

大きな声でダンダラさんをよんで産卵シーンを一緒に接写した。僕の方からは草が邪魔で、あまり良い写真が撮影できそうもないので、場所を変えてカメラを近づけたら飛ばれてしまった。でも、何とか葉の卵まで撮っていた。バンドのメスではないのが残念(贅沢)

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ギフチョウの産卵

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A femal of Luehdorfia japonica egglying on the leaf of feeding plant.
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-13, Nagano)


その後、山の稜線を散歩したが、明らかに時期早尚のようで、残念ながらギフチョウはヌルだった。でも、ブナの森に囲まれた散歩道は気持ちがよくて、ギフチョウシーズンでなくとも夏のゼフシーズンにもう一度訪れてみたいところだった。



ヒメシロチョウ; Leptidea amurensis vibilia

午後は日差しが陰ってきたので、ヒメシロチョウのポイントに移動した。先週までは姿を見なかったということだが、今回は何頭かのヒメシロチョウの春型が飛び出した。ヒメシロチョウの春型はあまり撮影できていないのでありがたい。

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ヒメシロチョウ

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Leptidea amurensis vibilia
Canon 7D, EF 300mm F4L IS USM, ISO400 (2012-May-13, Nagano)

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ヒメシロチョウ

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Leptidea amurensis vibilia
Canon 7D, Sigma 10mm, ISO400, 外部ストロボ (2012-May-13, Nagano)



§ Afterword §

今回もkmkurobeさんやOさんのおかげで、無事にクモツキもバンドもダブル撮影することができました。また、白馬のバンドポイントでは、多くの顔見知りの撮影仲間にお会いできてとてもうれしかったです。本当に楽しい一日でした。

来週からかなりスケジュールが立て込んでいる。
でも、何とかこの時期はフィールド散歩がしてみたいな。

以上、 by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2012-05-15 21:05 | Comments(31)

20120506 菜の花の散歩道:ウスバシロチョウとハンノキカミキリ

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Nature Diary 7(23):#448


ゴールデンウィーク最終日(日曜日)。

今年は当初遅れていた季節の歩みがここにきて急に例年並みに追いついてしまった。この時期、山は新緑に包まれ、フジ、タニウツギ、ヤマボウシなどの花々がアクセントを添えている。一年中でも最も美しく、活気に満ちた季節に入ったな。本日は天気が不安定だが、少しだけ里山を歩いてみた。


ウスバシロチョウ; The Glocial Parnaassius

車で山側の道を流していると、満開の「菜の花畑」を見つけた。早速、降りて歩いてみると、ほどなく足下からウスバシロチョウが飛び出した。

ウスバシロは今年の初見。

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菜の花畑を飛ぶウスバシロチョウ

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A butterfly, the Glocial parnaassius, flying in the rape blossom field
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (2012-May-06, Kofu-shi, Yamanashi)


ウスバシロチョウと菜の花のコンビネーション。

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菜の花に止まるウスバシロチョウ

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A butterfly, the Glocial parnassius, resting on the rape blossoms
Canon 7D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Macro ISO200 (2012-May-06, Kofu-shi, Yamanashi)


このチョウの翅はスリガラスのように半透明なので、菜の花の黄色が翅から透けて見える。
晴れていると翅表面の反射で、透過性は乏しい。曇って日が陰ったのが幸いした。

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菜の花に止まるウスバシロチョウ

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A butterfly, the Glocial parnassius, resting on the rape blossoms
Canon 7D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Macro ISO200 (2012-May-06, Kofu-shi, Yamanashi)




ハンノキカミキリ; Cagosima sanguinolenta

ハンノキカミキリは、赤い縁取りの黒いタキシードをまとっている。

昨年、偶然に本種の発生木を見つけた。今年も注意深くハンノキの葉を見たが、このカミキリに特徴的な葉脈にそった後食跡(食痕)を見つけることができなかった。ウーム、今年は発生していないのかなと思い帰ろうとしたときに、幸運にも葉上に一頭のオスを見つけることができた。

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ハンノカミキリ♂

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Cagosima sanguinolenta
Canon 7D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Macro ISO200 (2012-May-06, Kofu-shi, Yamanashi)

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ハンノカミキリ♂

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Cagosima sanguinolenta
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (2012-May-06, Kofu-shi, Yamanashi)




ハンミョウ; Tiger beetle

ハンミョウは「美虫ベスト10」には入るかな?
でも、この美しい甲虫は獰猛なハンターで、英語では Tiger beetle と呼ばれている。

とにかく敏感でなかなか近づかせてくれない。本日は曇って、気温が下がったことも関係したのだろうか、かなり近接してゆっくりと撮影させてくれた。

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ハンミョウ

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Tiger beetle
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (2012-May-06, Kofu-shi, Yamanashi)


カメラを地面につけて這いつくばって撮影。
今まで正面からこんなに近接して撮影したことは無かった。

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ハンミョウ

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Tiger beetle
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (2012-May-06, Kofu-shi, Yamanashi)




その他; Miscellaneous

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フタオビアラゲカミキリ

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Rhopaloscelis bifasciatus
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (2012-May-06, Kofu-shi, Yamanashi)

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ヒゲナガオトシブミ♀

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Paratrachelophorus longicornis
Ricoh GRD IV(2012-May-06, Kofu-shi, Yamanashi)

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キバネツノトンボ

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Ascalaphus ramburi
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400 (2012-May-06, Kofu-shi, Yamanashi)




§ Afterword §

いつの間にか5月になってしまった。

本日は朝から晴れたり曇ったりで、昼近くには時々雷を伴った強い雨が降ったりもした。何となく不安定で不気味な天気だった。そういえば、茨城県のつくば市では竜巻が発生し、大きな被害がでたことが報道された。被災された方々には心からのお見舞い申し上げます。

5月もいろいろと忙しいが、可能な限りフィールドを散歩したいものだ。




以上、 by 虫林花山


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by tyu-rinkazan | 2012-05-11 06:08 | Comments(18)

20120504 Guamの散歩道(2):マルバネルリマダラの乱舞など

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Nature Diary 7(22):#447

グアムはこの時期雨期で、午後になると強い雨が降る。でも、南国の雨は一時的でしばらくするとあがるので、現地の人は傘など持っていないという。少しの雨を気にして傘をさすのは日本人だけかもしれないな。

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雨期

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Rainy season
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)



マルバネルリマダラ; Euploea eunice

一頭の黒っぽいマダラチョウが葉の上に静止して、少し翅を開いてくれた。見ると前翅に丸い青い紋が目立つ。マルバネルリマダラだ。

マルバネルリマダラとは台湾以来の出会いはだが、このチョウを見ると南国を感じる。ここでは個体数はかなり多いみたいで、良く飛翔する姿を目にする。日本の沖縄でも近年は毎年見かけることができるらしいが、まだまだ少ない蝶らしい。

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葉上に静止するマルバネルリマダラ

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A butterfly, Euploea Eunice, resting on the leaf with the wings semi-opened.
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-04, Guam, US)


海に面した公園(パセオ公園)。

家族と一緒にのんびりと公園内を歩いていると、ヤシの木の向こうにある何の変哲もない小さなショボイ木の周りを何頭もの黒っぽいチョウが飛んでいるのを発見。

♪♪この木なんの木 気になる木 蝶々が集まる木ですから〜♪♪

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気になる木

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Strange tree
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-04, Guam, US)


木に近づくと、20頭ほどのマルバネルリマダラが飛び立って、周りを乱舞し始めた。そうなると虫林はのんびりと散歩どころではなくなる(虫屋の性かな)。背後から感じる家族の嘲笑の気配など気にもしないで、すぐに駆け寄ってみたのはいうまでもない。

マダラチョウ科のチョウたちはよく集団で行動したりするらしいが、僕にとってはマルバネルリマダラの乱舞は初めての経験で、胸のときめきを禁じ得ないのだ。

しばらくすると枝のあちらこちらに静止した(写真下)。

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マルバネルリマダラの乱舞

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Flying butterflies, Euploea Eunice, in a disorderly manner
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-04, Guam, US)


マルバネルリマダラの「てんこ盛り」。

午後4時を過ぎているので、この木を「ネグラ」として集合したとも考えたが、よく見ると彼らはストローを出してそれぞれ吸蜜しているではないか。マルバネルリマダラが「てんこ盛り」になるこのとても地味な花の木はいったい何者?

一応、「マルバネの木」と名付けておこう。

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マルバネルリマダラのてんこ盛り

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Butterflies, Euploea Eunice, nectaring on the flowers
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-04, Guam, US)

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マルバネルリマダラの吸蜜

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Butterflies, Euploea Eunice, nectaring on the flowers
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-04, Guam, US)


葉の下にすごくカラフルな幼虫を見つけた。この色彩、形はどうやらマダラチョウ科のものみたいだ。幼虫はあまり得意でないが、マルバネルリマダラの終齢かな。

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マルバネルリマダラの幼虫

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A caterpillar of Euploea eunice
Ricoh GRD, ISO100 (2012-May-04, Guam, US)



リュウキュウムラサキ; The Great Eggfly

リュウキュウムラサキのオスが白い紋をチラつかせながら旋回していた。時々静止するが、占有行動(テリトリー)なので、見晴らしの高い枝先を選ぶ。小石を投げて飛び立たせることにしたが、何度もやっていると、リュウムラも馬鹿馬鹿しくなったようで、フイとどこかに行ってしまった。

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リュウキュウムラサキ♂

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A male of the Great Eggfly resting on the leaf.
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)

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リュウキュウムラサキ♀

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The Great Eggfly
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)


小道の脇にはリュウムラの♀をひらひらと舞っていた。

♂と違って比較的低い場所に静止してくれるので撮影はしやすかった。リュウムラのメスは後翅の白い紋の大きさに個体変異が顕著にみられるようだ。以前、蝶友ダンダラさん(小畦川日記)がサイパンで、美しいパラオ型のリュウムラ♀を撮影していたので、グアムでもと思ったが、そうは問屋がおろさなかったな。

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リュウキュウムラサキ♀

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A female of the Great Eggfly resting with the wings opened.
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)



その他; Miscellaneous

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ウスイロコノマチョウ

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The Common Evening Brown
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)


草地に入ると小さなシジミチョウが沢山舞っていた。あまりに小さいのでホリイコシジミかなと思ったが、多分、ヒメシルビアシジミだろう。

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ヒメシルビアシジミ

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Zizina otis
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)


§ Afterword §

一応これでフィールド散歩のグアム編は終了。

今回散策したのは、タモンビーチという超有名な海岸に面したホテルの周りだけなので、グアムの蝶相に関して語るのはおこがましい----でも厚顔無恥な虫林は語っちゃおう。

ホテルから連続した林の中の道を歩いてみると、シロオビアゲハの飛ぶ姿をしばしば見かける。リュウキュウムラサキやマルバネルリマダラも比較的容易に見ることができた。一度だけオオカバマダラも姿を見せ、思わず胸をときめかせたが飛去ってしまった。雨後にはウスイロコノマがひっそりと現れ、ヒメシルビアシジミは草地に沢山みられた。その他、キチョウの仲間はどこにでも多く、ウラナミシジミも何頭かでてきた。

もっとじっくりと探せばいろいろな蝶たちが観察できるに違いないと思う。
それにしても、グアムはのんびりとしていて、命の洗濯には良い場所だと思う。

また、いつの日にか訪れたい。


以上、 by 虫林花山

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by tyu-rinkazan | 2012-05-09 07:36 | Comments(10)

20120503 Guamの散歩道(1):砂浜のシロオビアゲハなど

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Nature Diary 7(21):#446

<グアムにて>
今年のゴールデンウィークは上の息子の慶事で、家族全員でグアム (Guam) に滞在した。日本からは飛行機で3時間ちょっとで行ける至近の「南海の孤島」だ。虫屋(虫好きの人)はだれでも「南海の孤島」、「灼熱のジャングル」などといったキーワードには、まるでパブロフの犬(反射の実験で有名)のように、とても敏感に反応するものだ。ちなみに不肖虫林も思わず涎が出てしまった(ウソ)。

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グアムってアメリカ合衆国なのはわかっていても、どこの州に属するの?

てっきりハワイ州かなと思っていたが、実はグァム準州で、法律はカルフォルニア州に準じるということらしい。これって小笠原が東京都というのと同じような感覚かね-----違うか。1時期は日本軍が統治。

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海岸線の風景

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Landscape of the seashore
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)


グアムには今でも素朴な雰囲気が残っている。

実際、20年前にグアムに移り住んだというタクシーの運転手さんに、
「20年前と今とではグアムもずいぶんとかわったでしょ?」----と聞いてみたら、
「なーんも変わらんよ」-----という返事が返ってきた。

ミクロネシアとはそんな場所なのだ。

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海岸線の風景

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Landscape of the seashore
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)


珊瑚の白い砂が透明な水に透けて、空の青と渾然と混ざり合った海の色を作り出す。

こんな景色を見ていると、虫林の脳はすっかり軟化融解してしまい、思考停止状態に陥ってしまうようだ。日本に帰ってからの仕事-----ウーム、考えたくない。

グアムでは全ての時間がゆっくりと過ぎていく。

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海岸線の風景

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Landscape of the seashore
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)


砂浜にサンゴ礁のかけら。
多分、子供が集めて遊んだ名残かもしれないな。

南国の楽しさがそこに凝縮されているようで、見ているだけで癒される気がする。そうだこの写真を虫林のノートパソコンの背景画面に貼付けてみようかな。

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サンゴのかけら

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Fragments of the coral
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)


部屋からはタモン湾が一望。

「夕陽評論家」を自称する虫林は(ウソつけ)、夕方、一人でベランダのデッキチェアーに腰掛けて、水面をオレンジ色に照らす夕陽が、次第にその輝きを失うまでの一部始終をゆっくりと眺めた。

雲の間からもれる夕陽の柱がいわゆる 「天使の階段」 を形作り、オレンジ色に輝く水面をゆっくりと一艘のカヌーが過ぎていった。思えば、何と贅沢で豊穣な時間なのだろうか。

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夕陽とカヌー

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The evening sun showing a so-called “Engel ladder”
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)



シロオビアゲハ; The Common Mormon

夕方、砂浜で吸水するシロオビアゲハを見つけた。

砂浜とチョウの吸水はやはり何となく違和感を覚える。というのも、人間の場合、海水を飲むとその塩分濃度が血液や細胞内の濃度よりもかなり高いために、浸透圧の関係で体内の水分がむしろ喪失して、かえって喉が乾いてしまうことになる。つまり、海水はそのままでは飲料水にはならいない。

チョウたちの血液(体液)のミネラル濃度はどうなのかな?

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砂浜で吸水するシロオビアゲハ

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A male of the Common Mormon feeding minerals on the beach.
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)


ブーゲンビリアの赤い花にシロオビアゲハが絡んでいた。
南国の写真にはしばしば出てくるステレオタイプの光景だ。

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ブーゲンビリアの花とシロオビアゲハ

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Gift from the sea
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)



その他; Miscellaneous

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金緑色のカメノコハムシ

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Golden-green coulored leaf beetle
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)

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怪しいハエ

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Funny fly
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)


カメレオンを発見した。

これまで南国には何度も訪問したが、カメレオンに出会ったことはなかった。海岸を散歩していたときに、砂浜に近い場所の葉の上にカメさんに会うことができた。下はカメレオンの顔を近接撮影したものだが、カメラを近づけても逃げようともしない。

いい度胸をしているのかそれともおバカなのか----多分、後者かな。

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カメレオン

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Green cameleon
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)


§ Afterword §

やはり南海の孤島なので蒸し暑いが、グアムの風土や生活のテンポは、毎日、あたふた、ドタバタ、せかせかと暮らしている虫林にとってはとても癒されるものだった。今回は息子の慶事がメインだったので、十分な探索は不可能だったが、全般的にグアムには昆虫はあまり多くはなさそうだ。息子夫婦はこの夏に日本を離れる予定なので、これからは家族全員が一同に顔を揃える機会もずいぶんと少なくなってしまうだろうな------。



次回はもう少しチョウの写真を中心にしてアップしようと思っている。




以上、 by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2012-05-07 08:18 | Comments(12)