NATURE DIARY

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20120825 晩夏の散歩道:ミカドミンミン

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蝉時雨
暑い!本日の気温ランキング速報(最近、ネットでこんなこともわかる)を見ると、全国一位の暑さは山梨県の勝沼市(37.4℃)。甲府市も勝沼市ほどではないが、35℃を越えた。心頭滅却すれば火もまた涼し---などと強がってみたものの、英国旅行のための時差ボケに夏バテが重なって調子があまり良くない。ヒョウモンチョウのようにこの暑い時期は「夏眠」するのが一番だな。

ちょうど、急ぎの仕事も溜まっているので、今週末は遠出をしないで、大学の研究室に蟄居して仕事をすることにした。まるで夏休みの終わりに慌てて宿題をやる小学生のような気分。静かな研究室の部屋で一人仕事をしていると、窓からやかましいほどのセミ時雨が聞こえる。そうだ、ミカドミンミンを探して構内を散歩してみよう----結局、散歩かい?。

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ムギワラトンボ; Orthetrum albistylum speciosum

ムギワラトンボはシオカラトンボの♀のこと。

でも、なかにはシオカラトンボ型(オス型)のメスもいるみたいだし、未熟なオスはムギワラトンボに似ているからややこしい。そういえば、人間サマでも男性のように見える女性もいれば、女性に見える男性もいる----これとは違うか。男女の間はややこしいのが面白い。

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A immature male of dragon fly (Orthetrum albistylum speciosum) resting on the leaf.

Ricoh GR IV, ISO100 (2012-August-25, Chuo-shi, Yamanashi




ミンミンゼミ; Hyalessa maculaticollis

大学構内を蝉の声を頼りにして見回ると、体の黒味が消失した緑化型ミンミンゼミ(ミカドミンミン)をそれほどの苦労もなく見つけることができる。今では見慣れてしまって感激は薄いが、この緑化型ミンミンは他の地域では稀にしか見られない貴重な変異種なのだよ。ちなみに、山梨県のレッドリストで「要注目地域個体群」の指定を受けている。

大学構内のミンミンゼミでは、約30%くらいが緑化型かな。しかし、緑化の程度は種々で、完全に黒色が消失した個体のみをミカドミンミンとするのであれば、その出現率はかなり低くなる。

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A green type of Hyalessa maculaticollis (Mikado Min Min) resting on the tree trunk.

Ricoh GR IV, ISO100 (2012-August-25, Chuo-shi, Yamanashi



撮影した個体は盛んに鳴いていたが、カメラを向けても逃げようとしなかった。そこで、正面からのドアップを撮影してみた。以前にウルトラマンというテレビ番組にバルタン星人という怪物が登場したが、バルタン星人の顔は明らかにセミからヒントを得たものだろう。

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A front-close-up view of the green type of Hyalessa maculaticollis

Ricoh GR IV, ISO100 (2012-August-25, Chuo-shi, Yamanashi



通常型のミンミンゼミもいるので、対照として撮影した。

撮影した時にはかなり黒く見えたが(少し黒化?)、緑化型を見た後だったせいなのかも知れない。ミンミンゼミには黒化型というのもあるそうだが、そちらは北海道など北に多いそうだ。いつか見てみたいなと思うが、北海道だとミンミンゼミそのものがかなり少なそうだ。

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A usual type of Hyalessa maculaticollis

Ricoh GR IV, ISO100 (2012-August-25, Chuo-shi, Yamanashi



ツクツクホウシ; Meimuna opalifera

ツクツクホウシの声を聞くと、夏も終わりだなと思う。虫屋の虫林にとってはツクツクホウシは夏の終わりを告げる声で、どこかうら寂しく感じてしまう。このセミは樹皮に擬態しているので、見つけるのに少し苦労した。

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Meimuna opalifera

Olympus E-5, ZD8mm Fisheye, ISO400 (2012-August-25, Chuo-shi, Yamanashi



アブラゼミ; Graptopsaltria nigrofuscata

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Graptopsaltria nigrofuscata

Ricoh GR IV, ISO100 (2012-August-25, Chuo-shi, Yamanashi



Afterword

セミ時雨の季節-----夏も終盤だ。

毎年この時期になると暑さがこたえる。日本の夏は8月の終わりから9月の初めにかけてピークがくるように思うが、だいたいどこでも8月いっぱいで夏休みが終わってしまうのが不思議だ。もう少し夏休みを後にずらした方が良いかも知れないな。今年は電力不足が叫ばれていて、クーラーも控えているが、実際のところ電力不足がどの程度のものなのか電力会社は報告すべきだね。値上げもしたことだし----。

こんなに暑い時は、高い山の上のお花畑でベニヒカゲたちとほっこりと戯れたいものだが、仕事の関係で今週末はこもってしまった。でも、優先順位を考えれば、仕事が優先なので仕方がないかなと思う。来週末はどこかを散歩したい。

by 虫林花山



Nature Diary vol.7(44): #469
by tyu-rinkazan | 2012-08-25 21:23 | Comments(11)

20120819 英国の散歩道;チョークヒルブルーなど

Nature Diary vol.7(43): #468

<書店 Hatchard>
ロンドンには大きな書店が多い。中でもチャリングクロスロードの Foyles や Waterstones などはつとに有名だ。しかし、こと花、虫、鳥などの Natural History に関しては、これらの有名店よりもピカデリーの Hatchard がより充実している。ちなみに、日本チョウ類保全協会事務局長の中村康弘氏から推薦された Discover Butterfly in Britain という本 (観察ポイントが地図付で紹介されている) は Hatchard で見つけた。

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書店 Hatchard 店内と Discover Butterfly in Britain






<英国チョウ類保全協会 Butterfly Conservation>


この Discover Butterfly in Britain にも英国チョウ類保全協会のロゴマークがついている。みると、最近英国で発刊されたチョウの本には、そのロゴマークが付けられているようだ。英国チョウ類保全協会 (Butterfly Conservation) は1968年に設立され、会員数が現在では16000人を超え、30以上の支部が出来ているというから驚きだ。

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英国チョウ類保全協会 http://www.butterfly-conservation.org/


ひるがえって、日本では日本チョウ類保全協会(Japan Butterfly Conservation Society)が2006年に発足。本邦ではこの JBCS を中心に活発な保全活動が展開されているが、チョウの保全に関する一般的な意識は、残念ながら英国に比べてまだまだ低いように思う。不肖虫林も日本チョウ類保全協会の活動に少しでもお役に立ちたいと思う。




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チョークヒルブルー; Chalkhill Blue

本日は宿泊したマーロー(Marlow)からオックスフォードを通って、友人が住むウェールズのカーディフ(Cardiff)までドライブする予定。前述のガイドブック Discover Butterfly in Britain をみると、オックスフォード州の Aston Rowantには美しいチョークヒルブルーが棲息していると記載されている。チョークヒルブルーはその名前のように石灰岩質の丘に棲息するシジミチョウでその分布は局所的。

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チョークヒルブルーが棲息する丘

The habitat of Chalkhill Blue
Olympus E-5, ZD12-60mm, ISO400 (2012-August-17, Aston Rowant, UK)



チョークヒルブルーは英国で絶滅が危惧されている蝶(56種類)のひとつだ。このチョウの数が減った原因は、棲息する石灰岩の低い丘が自然破壊にさらされやすいためといわれている。でも、近年は保全活動の効果もあって、チョークヒルブルーの数は増してきたということだ。実際、Aston Rowantの牧草地にはこのチョウが極めて多い。

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吸蜜するチョークヒルブルー

A male of Chalkhill Blue feeding nectar on the flower
Olympus E-5, ZD12-60mm, ISO400 (2012-August-17, Aston Rowant, UK)

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求愛するチョークヒルブルー

A pair of Chalkhill Blue showing a courtship behaviour.
Olympus E-5, ZD12-60mm, ISO400 (2012-August-17, Aston Rowant, UK)





その他; Miscellaneous

チョークヒルブルーはゴマシジミほどの大きさがあるが、それに比べると約半分ほどの大きさでちらちら飛ぶシジミチョウがいた。翅の模様からメスかなと思ったのだが、良く見ると翅表面の輝きは♂。

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ブラウンアーグス

Brown Argus
Olympus E-5, ZD12-60mm, ISO400 (2012-August-17, Aston Rowant, UK)



シルバースポッテッドスキッパーは英国では非常に局所的で、南イングランドの一部に少数棲息するにすぎない。
今回、撮影できたので非常に驚いた。

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シルバースポッテッドスキッパー

Silver-spotted Skipper
Olympus E-5, ZD12-60mm, ISO400 (2012-August-17, Aston Rowant, UK)



§ Afterword §

何年かぶりのイギリスは、見るものが全て懐かしく、また友人たちと旧交を温めることができた。

実はウェールズのカーディフでは、アームズパークラグビー場の元グランドマンで勲章を受けた Bill Hardyman のお墓参りもすることができた。彼には生前、ラクビーだけでなく個人的にもとてもお世話になった。ことに家内などはまるで実の娘のように可愛がってもらった。
ウェールズの人は情に厚い。

これで英国の散歩道シリーズは終了とします。




Written by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2012-08-22 07:03 | ● United Kingdom | Comments(12)

20120817 英国の散歩道:ケンブリッジにて

Nature Diary vol.7(42):#467
 

下の写真の背景のように記憶は歳月とともにぼやける(特に僕の記憶はボケやすいかも---望遠レンズ並み?)。記憶の多くは大脳の中にある長期記憶保存庫にストックされ、何かのきっかけで想起される。そんな昔の記憶を想起させる旅(ノスタルジックジャーニー)など若い頃には考えもしなかったと思う。今回、僕の還暦にあたりそんな旅を家内が計画してくれた。

虫林よ年とったか?

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------The memory

------Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Cambridge, UK)



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►ケンブリッジにて; Landscapes of Cambridge

ロンドンのキングスクロス駅から特急(直通)に乗ってケンブリッジ駅に到着。駅では昔お世話になったウィリアムス教授が以前と変わらぬ笑顔で出迎えてくれた。彼はだいぶ前にケンブリッジ大学を定年になったはずだが、自分で研究所を作り、まだまだ研究への情熱を失っていない--------深くインスパイアーされた。

夜はパブで夕食を摂りながら、これまでの積もる話をした。彼と話すと僕は過去に帰れる。 
Back to the past!

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------The university of Cambridge

------Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Cambridge, UK)


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------The university of Cambridg

------Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Cambridge, UK)


レンタカーを借りて、当時間借りして住んでいた家まで行った。m
そこはケンブリッジ郊外のハーストンという村にある大きな家 (Harston House)。

もともとケンブリッジ大のスコット(北極探検隊)研究所の所長の持ち家で、当主が亡くなった後は、アイリスさんという名前の老婦人(+犬のカーラ)が管理していた。残念ながらアイリスさんも今はいない。生憎、現在のこの家の主は不在のようだったが、門の中に入って少し見せていただいた。嬉しいことに、昔と変わった所はなにもない。

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------Harston House

------Canon PowerShot S100 (2012-August-17, Cambridge, UK)



►ダンスタブルダウンスの風景; Landscapes of Dunstable Downs

車でダンスタブルの丘まで足を伸ばしてみることにした。

どこまでも広い空の下に緩やかな起伏の丘。
英国は今が麦秋だ。

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------Landscape of Dunstable Hill

------Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------Landscape of Dunstable Hill

------Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------Landscape of Dunstable Hill

------ Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------Landscape of Dunstable Hill

------ Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------Rabbits like Peter on Dunstable Hill

------ Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------Speckled Wood

------Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------A pair of Gate Keeper showing a courtship behavior.

------ Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------A female of Brimstone resting under the leaf

------ Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)




§ Afterword §

英国人(僕の知る限りでは)は本当に散歩が好きだ。公有地はもちろんのこと私有地までも沢山の散歩道(foot path)がつくられている。ちなみに、このブログの本体ホームページの名前は「虫林花山の散歩道」というが、その名前を付けたのはそんな意識も少なからず働いたように思う。ところで、今回は完全な虫禁にしようと思ったのだが、やはり英国の自然の中を散歩すると虫屋の血が騒ぎだした。虫屋は死ななければ治らない?

英国の散歩はもう少しだけ続く。


Written by 虫林花山







by tyu-rinkazan | 2012-08-20 14:35 | ● United Kingdom | Comments(4)

20120814 英国ロンドンの散歩道

Nature Diary vol.7(41):#466

<Nostalgic Journey: 追憶旅行>
(ロンドンからブログ更新)
夏休みをとって英国を1週間ほど家内と一緒に旅行。今回の英国行の目的は、以前に滞在(留学)したことがある英国のウェールズやイングランドの町を訪ね、その時にお世話になった方々とお会いすることだ。すなわち、灰色の脳細胞に埋もれた記憶の断片をひとつひとつリトリーブして組み合わせる「ノスタルジックジャーニー Nostalgic Journey」。恥ずかしながら、虫林の還暦旅行の意味も含まれる。それにしても、仕事無しで妻と旅行するのは久しぶり。今回は虫禁で、妻の後ろを子犬のように付いていく(え〜本当かいな?笑)。

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►ロンドンの街角風景; Street scenes of London

ロンドンは活気があって何度訪れても楽しい町だ。
僕にとってのワンダーランド(不思議の国)。

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パブの窓からのロンドン----- 不思議の国の虫林

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The street scene of London looked from the window of Pub on the corner. Tyurin in wonderland
Canon PowerShot S100, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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ロンドンタクシー

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The London Taxi
Olympus E-5, ZD50-200mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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イングリッシュブレックファースト(英国式朝食)

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English Breakfast
Olympus E-5, ZD50-200mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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フィッシュアンドチップス

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Fish and Chips
Olympus E-5, ZD50-200mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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窓のギター

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Guitar of the window
Olympus E-5, ZD50--200mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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突然の雨とミュージカルの傘のデコ

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Sudden shower and musical decoration
Olympus E-5, ZD50-200mm, ISO400 (2012-August-15, London in UK)



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ロンドンの電話ボックス

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Telephone Box
Olympus E-5, ZD50-200mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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自転車の乗る人

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Street scene of London
Olympus E-5, ZD50--200mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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ベンチに座る人(靴はどこ?)

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A man sitting on the bench
Olympus E-5, ZD16-60mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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走る人

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A running man
Olympus E-5, ZD16-60mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)




§ Afterword §

今回の ND では、ロンドンの街角の様子を撮影してみた。
ロンドンはとにかく活気があって楽しい町だ。夜はミュージカル「マンマミーヤ」を楽しんだ。
明日からケンブリッジに移動する。

最後に地下鉄のホームで長いエスカレーターに乗っていたら、壁にナイキ・フットボールの新 CM、「MY TIME IS NOW / そのジブン切りひらけ」が映し出された。僕はナイキの回し者ではそのCMはいけていた。
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英国の旅行はもう少し続く。






<注>
蝶のブログの蝶調さんがウスイロコノマチョウの幼虫の里親を探しています。
ご希望の方は是非とも蝶調さんまで連絡してください。
ブログ:曜日のない暮らし:http://blog.goo.ne.jp/kagyuenmoli
飼育記録:http://blog.goo.ne.jp/kagyuenmoli/d/20120725


by tyu-rinkazan | 2012-08-16 10:32 | ● United Kingdom | Comments(8)

20120811 真夏の散歩道:ルリボシカミキリほか

Nature Diary vol.7(40):#465


朝起きると、すでに8時を過ぎていた----ウーム、ロンドンオリンピック観戦で朝寝坊。

本日(土曜日)は南アルプスか北アルプスに高山蝶のベニヒカゲでも見に行こうかなと思っていたが、天気がどうも怪しいうえに(雷注意報)、高速道路はお盆の帰省ラッシュでひどく混んでいる。また、来週にはプライベートの旅行が控えているので、あまり無理はしたくない。ということで、アルプスは諦めて、近くの山を歩いてみることにした。

撮影対象を絞らずに、カメラ片手にのんびりと散歩----レイジーな虫林が好む散歩スタイル。


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► ミヤマクワガタ; Lucanus maculifemoratus, Miyama Stag Beetle

ミヤマカラスアゲハの集団を見たことがある沢に沿った小道を歩いて行くと、目の前をスミナガシが横切った。
このスミナガシはブッシュの中のコナラの木の周りに絡んでいる----どうやら樹液がでているようだ。

そのコナラの枝に大きな長歯型のミヤマクワガタの♂を見つけた。


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§ コナラの枝の樹液に来たミヤマクワガタ♂

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A male of Miyama Stag Beetle resting on the branch of Common Oak tree.
Canon 7D, Sigma10mm Fisheye, ISO400、外部ストロボ (2012-August-11, Hokuto-shi)



オスは大顎の形から エゾ型・ヤマ型(基本型)・サト型(フジ型) の3型がある。

この個体は大顎の第一内歯が第三内歯より長い(と言うことは第一歯が一番長い)。また、先端のフタマタは小さくはっきりしていないなどの特徴から サト型 のようだ。サト型は富士山の周辺に多いので、フジ型 ともいわれている。

自慢の大あごを上げて威嚇する。


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§ 大顎を上げて威嚇するミヤマクワガタ♂ (フジ型?)

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A male of Miyama Stag Beetle (Lucanus maculifemoratus) showing a threatening attitude.
Canon PowerShot S100 (2012-August-11, Hokuto-shi)





► ルリボシカミキリ; Rosalia batesi

ルリボシカミキリの属名はロザリア(Rosalia)というが、ロザリアはヨーロッパ系女性の名前で、この名前の響きからすると、山に住むとても綺麗な娘さんを連想する----アホ、考えすぎ。。

♪♪山の娘ロザリア、い〜つ〜も一人歌うよ♪♪

日本に棲息するルリボシカミキリ以外のロザリア(ベニボシカミキリ、フェリエベニボシカミキリ)は南方系で、いずれも美しい上に稀な種類だ。そういえば、今年の6月、山形在住の昆虫写真家でブナの森研究家の永幡嘉之さん(世界のブナの森とお会いしたが、その時の会話の中で極東ロシアのロザリアについて話が及んだのを記憶している。彼の地のロザリア(コエレステスルリボシカミキリは日本のルリボシに色彩が似ているがとても大きくて立派(月刊むし417号)。さらに原生林にひっそりと暮らす極めて稀な虫なのだそうだ。彼はコエレステスルリボシを見るのに10年の歳月を要したというから驚きだ。

ルリボシカミキリは美しいフォトジェニックな昆虫の代表選手。
けっして稀な種ではないが、見つけるとカメラを向けてしまう。


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§ ルリボシカミキリ

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A male of Longhorn beetle (Rosalia batesi) resting on the timber.
Canon PowerShot S100 (2012-August-11, Hokuto-shi)



ルリボシカミリはかなりの数がナラの材木に来集していたが、大きさには個体間での差が著しい。
最も小さな個体と大きな個体では5倍以上の差があり同じ種とは思えないほどだ。

突然、大型の♂同士(同じくらいの大きさ)が戦いを始めた。お互いに大あごで噛みあい、戦いは数分続いた。カミキリムシにも占有行動というものがあるのだろうか。戦いに負けた個体は下に落とされた。


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§ ルリボシカミキリの戦い

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Rosalia batesi
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-11, Hokuto-shi)





► その他; Miscellaneous

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§ 吸蜜するアカタテハ

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The Indian Red Admiral
Olympus E-5, ZD50-200mm, ISO400 (2012-August-11, Hokuto-shi)

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§ エルタテハ

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The Large Comma
upper: Olympus E-5, ZD50-200mm, lower: Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-11, Hokuto-shi)

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§ ルリタテハ

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The Blue Admiral
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-11, Hokuto-shi)

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§ ツノトンボ

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Hybris subjacens
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-11, Hokuto-shi)



道の横の葉の上でカケス(多分)の羽を見つけた。まるで 「森からの贈り物」 のように見えた。
青色のグラジュエーションが洒落ている。


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§ カケスの翅

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Garrulus glandarius
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-11, Hokuto-shi)





§ Afterword §

今回は近くの山をブラブラと歩いてみた。盛夏の昆虫たちがそこそこに出てきてくれたので、それはそれで楽しく歩くことができたといえる。とくにミヤマクワガタのオスは久しぶりだったので、見つけた時はとても嬉しかった。また、ルリボシカミキリも年に一度は撮影したい美しい甲虫だ。両種とも子供のころから好きな昆虫で、そのイメージは大人になっても変わらずに残っているようだ。

「三つ子の魂百まで」---違うか。


P.S. このブログのスキンを新しくした。
別に以前のスキンに不都合があったわけではなくて、気分転換といったところだ。
供覧する写真の大きさが大きくなったのでアラが目立ってしまうかも----(汗)。



<注>
蝶のブログの蝶調さんがウスイロコノマチョウの幼虫の里親を探しています。
ご希望の方は是非とも蝶調さんまで連絡してください。
ブログ:曜日のない暮らし:http://blog.goo.ne.jp/kagyuenmoli
飼育記録:http://blog.goo.ne.jp/kagyuenmoli/d/20120725



以上、 by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2012-08-12 00:06 | Comments(20)

20120804 駿河のキリシマミドリと富士のホシチャバネ

Nature Diary vol.7(39):#464


<ロンドンオリンピック>
ロンドンオリンピックの熱戦が連日深夜にライブ放送されている。僕はもともと「宵っ張り」で寝る時間が少ない方だが、それにしても睡眠時間がさらに少なくなり、いまや慢性的な寝不足状態になっている。でも、鍛えあげた世界のアスリートたちが見せる素晴らしいパフォーマンスは、日本という国の枠を思わず忘れて応援してしまうのだ-----といいながら、心の中でゴーゴー、ニッポン!と叫んでいる(島国根性かな?)。

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今週末(土曜日)は天気が良い。
そこで、駿河の国にキリシマミドリシジミ(以下キリシマミドリ)を見に行くことにした。



キリシマミドリシジミ; The Wonderful Green Hairstreak

ポイントで飛来を待っていると♂が突然現れて、アカガシの葉の上に静止。
相変わらず翅裏の白さが目にしみる。

キリシマミドリは美しいだけでなく飛翔スピードもピカイチ。
ゼフィルスの ウサイン・ボルト選手 (男子陸上100m、200mで金メダル)----かな?

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アカガシの葉に静止するキリシマミドリシジミ♂

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A male of the Wonderful Green Hairstreak resting on the oak leaf.
Canon 7D, EF300mm, ISO800 (2012-August-04, Shizuoka)


キリシマミドリは見ることはできても、撮影は困難

静止したキリシマミドリはしばしば翅を開いてくれた。

下の写真は300mmの望遠レンズで撮影したが、いずれもトリミングしている。
今回、望遠飛翔撮影も試みたが光量不足でダメ。

このチョウの撮影には、一工夫、二工夫が必要だな----。

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半開翅するキリシマミドリシジミ♂

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A male of the Wonderful Green Hairstreak resting with the wings semi-opened.
Canon 7D, EF300mm, ISO800 (2012-August-04, Shizuoka)




ホシチャバネセセリ; The Japanese Scrub Hopper

キリシマミドリを撮影後、富士山麓の高原にホシチャバネセセリ(以下ホシチャ)を見に行った。
ホシチャが棲息する高原は少し雲がかかり、吹く風も心地よい。

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ホシチャバネセセリの棲息地

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Habitat of the Japanese Scrub Hopper
Canon 7D, Sigma10mm + X1.4 Telecon, ISO800 (2012-August-04, Mt.Fuji)


草原の中の道をのんびりと歩いたが、ホシチャの姿がない。
どうしたのかな?と思っていたら、ススキの葉上にやっとその可愛い姿を見つけた。

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ホシチャバネセセリ

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The Japanese Scrub Hopper
Canon 7D, Sigma10mm + X1.4 Telecon, ISO800 (2012-August-04, Mt.Fuji)


とにかくホシチャは小さくて、飛んでいるとハエみたいにみえる。

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ホシチャバネセセリ

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The Japanese Scrub Hopper
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO800 (2012-August-04, Mt.Fuji)




ミヤマカラスシジミ; The Mera Black Hairstreak

ここにはミヤマカラスシジミがとても多い。
食樹のクロツバラの木が多いせいかな。

一般的に、山梨県ではカラスシジミよりもミヤマカラスシジミの方が多く、長野県では逆でカラスシジミの方がより多いように思う。

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ミヤマカラスシジミ

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The Mera Black Hairstreak
Canon 7D, Sigma10mm + X1.4 Telecon, ISO800 (2012-August-04, Mt.Fuji)

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ミヤマカラスシジミ

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The Mera Black Hairstreak
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-04, Mt.Fuji)


多数のミヤマカラスシジミがサンショの木の花に群がっていた。また、食樹のクロツバラの木ではしばしば産卵行動が見られた。

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吸蜜や産卵行動するミヤマカラスシジミ

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The Mera Black Hairstreak
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-04, Mt.Fuji)




その他; Miscellaneous

草原の小道の脇の花にクロシジミの♀が吸蜜に訪れていた。
これまで、国道を挟んでこちら側でクロシジミを見たのは初めてだろうと思う。

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吸蜜するクロシジミ♀

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The Gray-pointed Pierrot
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-04, Mt.Fuji)


オオウラギンスジヒョウモンの♂がサンショの花で吸蜜していた。

オオウラギンスジヒョウモンはヒョウモン類の中でも好きな種類だが、本種は後翅の翅裏が黒く塗りつぶされたようになるので遠くからでも認識しやすい。

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オオウラギンスジヒョウモン♂

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The Great Eastern Silverstripe
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-04, Mt.Fuji)




§ Afterword §

今年の夏は仕事や行事が立て込んでいて、ウィークデーに夏休みをとってのフィールド散歩はできそうにない。でも、フィールド散歩の後の写真整理やブログ記事を書くことを考えれば、週に一回くらいが僕の生活パターンに合っているように思う。

いつの間にか8月も過ぎてしまい、撮影対象も限られてきた。
来週のウィークエンドはどこに行こうかな?





以上、 by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2012-08-06 01:50 | ▣キリシマミドリシジミ | Comments(9)