NATURE DIARY

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20120929 秋の散歩道:彼岸花と蝶たち

Nature Diary #474
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虫の目レンズ

「虫の目レンズ」は超広角で、ほとんど接するほど近づいても全体にピントが合う超深度接写レンズです。それにしても、虫の目レンズとは面白い名前をつけたものだ。そもそも、単眼と複眼を持つ昆虫は、人に比べて視野は広いものの、視力そのものはあまり良さそうに思えない。また色の見え方もかなり異なるようだ。となれば、「虫の目レンズ」の虫の目とは、「目の機能」を表すものではなくて「虫の目線」を意味するものなのだろう。いうなれば、虫の目レンズと呼ぶのが正しいのかもしれないな。
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Diary
朝晩はだいぶ涼しくなったが、今週末は台風17号の進路が気になるところだ(予定では首都圏直撃)。
本日(土曜日)はまだ雨の心配もなさそうなので、県南を散歩してみた。

ヒガンバナとチョウ; Red spider lily and Butterflies

この時期、県南の道路脇や田畑の縁には真っ赤なヒガンバナ(彼岸花、曼珠沙華, Spider lily)が群生している。以前はこれほど沢山のヒガンバナを見た記憶が無いので、ここ数年で増えたのだろう。見ると大きなモンキアゲハの♀が訪花していた。

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彼岸花とモンキアゲハ♀

September-29-2012, Nanbu-cho, Yamanashi


モンキアゲハという蝶にはある種の思い入れがある。というのも、子供(小学生)のころには虫林の住む町ではこのモンキアゲハは見ることができなかった。そこで、このチョウに会うために、わざわざ電車に乗って鎌倉まで遠征したものだ。

大きな白い紋を点滅させながら飛ぶ本種をみると、今でもその当時の感動がよみがえってくる。

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ヒガンバナとモンキアゲハ♀

September-29-2012, Nanbu-cho, Yamanashi


真っ赤なおどろおどろしいヒガンバナにキチョウを見つけた。
赤と黄色のコントラスは遠くからでも認識できる。

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ヒガンバナとキチョウ

September-29-2012, Nanbu-cho, Yamanashi



その他; Miscellaneous

ツマグロキチョウの河原で、Daronさんとお会いした。そこで、ご一緒してツマグロキチョウを探したが、どういうわけか見つけることができなかった。でも、秋型のキタテハ、ウラギンシジミ、チャバネセセリの交尾、クロツバメシジミなどを撮影した。

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キタテハ The Chinese Comma

September-29-2012, Nanbu-cho, Yamanashi

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ウラギンシジミ The Angled Sunbeam

September-29-2012, Nanbu-cho, Yamanashi


夏に樹液が出ていたクヌギの木の下で、メスのカブトムシが死んでいた。
夏の終わりの象徴のような気がしてカメラをむけた。

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カブトムシの死骸(夏の終わり) A dead body of the beetle as the symbol of summer-end.

September-29-2012, Nanbu-cho, Yamanashi



虫の目イメージ; Insect-eye images

先週から虫の目レンズ「魚露目8」を再導入。
下の写真の右側が虫の目レンズで撮影したイメージだ。

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チャバネセセリ交尾(上)とオオムラサキ幼虫(下) The Small Branded Swift and the Great Purple

September-29-2012, Nanbu-cho, Yamanashi

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ベニシジミとゾウムシ The Small copper and the Elephant beetle

September-29-2012, Nanbu-cho, Yamanashi



Afterword

県南では偶然に出会った Daron さんと一緒にツマグロキチョウを探したが、見つけることが出来なかった。そこは以前からツマグロキチョウを撮影している場所だが、今年はどういうわけか今まで見つけることができない。発生の端境期かもしれないので、10月にも訪れてみようと思っている。

これからも週末には出来るだけフィールド散歩をしたいと思っているが、10月からは学会出張などで忙しくなる。
どうなる事やら-----。

以上、by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2012-09-30 19:43 | Comments(10)

20120922 初秋の散歩道:河原のチョウたち

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【虫の目コラム】 良いカメラとは

今年の秋は各メーカーの新型カメララッシュで百花繚乱。

虫林のようなアマチュア昆虫写真家にとって、「良いカメラ」とはいったいどんなカメラなのだろうか?----それは「撮る意欲を与えてくれるカメラ」 だと思う。良いカメラに巡り会うことはとても素晴らしいことだ。でも、それ以上に素晴らしいことは、心から撮りたいと思う被写体(虫)に出会うことなのだ。写真をやっていて良かったなと思える日は、カメラを買った日ではなく、良い被写体に出会えた日なのだから。
 
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Diary

本日(土曜日)は朝起きたら曇。午前中だけ時間が空いた。
そうだ、シルビアシジミの土手を歩いてみることにしよう。日中はとにかく暑いのでNGだが、朝であればOK。

河原のチョウたち; Butterflies in the river bed

足元からヤマトシジミよりも色が濃く、やや小型のシジミチョウが飛び出し、少し先の葉の上に静止した。シルビアかも知れないなと思いそっと近づいてみたところ、ツバメシジミの♂だった。飛翔するツバメシジミはシルビアシジミに酷似している。

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葉上に静止するツバメシジミ♂  The Short Tailed Blue
September-22-2012, Minami-Alps -shi, Yamanashi


この時期のベニシジミはまだ夏型で、まるで日焼けしたみたいに黒っぽい。
春に発生する明るい個体も綺麗だが、夏型は夏型でなかなか良い。

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ベニシジミ夏型  The Small Copper, summer type

September-22-2012, Minami-Alps -shi, Yamanashi


この時期の河原には、上記ベニシジミ、ツバメシジミの他に、キアゲハ、モンキチョウ、ウラナミシジミ、さらにはキマダラセセリも見かけた。なかなかシルビアシジミが見つからないので、そんな庶民的なチョウたちをゆっくりと撮影した。

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ウラナミシジミ、キマダラセセリ The Pea Blue, The Japanese Dart

September-22-2012, Minami-Alps -shi, Yamanashi



シルビアシジミ; The Lesser Grass Blue

昨年まで観察できた場所を歩いても、シルビアを発見できなかった。

後から来られたご夫婦とお会いした。旦那さんは虫林の事をご存じで、時々「Nature Diary」を見て頂いているとのことだった。最近、想起力が衰えていて、すぐには思い出さなかったが、お二人には春に県南の(温泉がある)林道でお会いしたことがある。失礼しました。

シルビアの場所を教えていただき、古い♀個体だが数頭を撮影できた----感謝。

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静止 Resting on the leaf.

September-22-2012, Minami-Alps -shi, Yamanashi


シルビアシジミを観察していると、しばしば食草のミヤコグサに産卵した。
手前の草が邪魔になって、なかなか良い写真は撮れなかったが、卵まで観察できた。

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産卵 Egg-lying

September-22-2012, Minami-Alps -shi, Yamanashi


開翅も撮影できたが、残念ながらかなり古い個体だった。

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開翅 Opening the wings.

September-22-2012, Minami-Alps -shi, Yamanashi



Afterword

午前中だけの散歩だったが、現地でお会いした kontyさんと一緒に、何とか目的のシルビアシジミを撮影できた。なお、今回は久しぶりに虫の目レンズ「Gyorome 8」を持ち出して撮影してみた。以前にはこのレンズをかなり使用していたが、画質が悪いのでしばらく封印していたのだ(僕のレンズだけかも)。でも、このレンズの独特の表現力は捨てがたいなとあらためて思う。次回はもう少し撮影してみたい。

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栗林 慧風「バッタ(虫の目写真)」


暑い暑いと思っていたら、いつの間にか9月も下旬になっていた。
これから夜の時間が昼よりも長くなっていく。

以上、by 虫林花山
Nature Diary vol.7(51): #473



by tyu-rinkazan | 2012-09-23 14:38 | Comments(19)

20120916 初秋の散歩道:青蜂(セイボウ)の青

虫の目コラム:ルリボシカミキリの青
「ルリボシカミキリの青」という面白いタイトルの本がある。本の著者は生物学者の福岡伸一氏だが、子供の時にルリボシカミキリの青に震えた感触が彼のセンス・オブ・ワンダーで、それが生物学者になる原点になったということが書かれていた。虫林もルリボシカミキリの青には瞠目した一人である。でも、美しい青色をまとった昆虫はルリボシカミキリの他にもいる。例えば、セイボウ(青蜂)というハチは、メタリックブルーの体を持ち、その表面の細かい凹凸がまるでスパンコールのように輝いて美しい。次は「青蜂(セイボウ)の青」?-----ダメか。
 
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Diary
久しぶりに蝶友のダンダラさん(小畦川日記)との撮影行。また、本日はkontyさん(蝶超天国)もご一緒していただけるということでさらに楽しみだ。夏の衣装と秋の衣装のチョウたちが混ざる時期なので、そんな虫たちを追って県南を散歩してみることにした。

オオセイボウ; Stilbum cyanurum pacificum

ママコノシリヌグイ というユニークな名前のピンクの花に、オオセイボウが訪れていた。

大きさは1㎝ほどだが(セイボウの仲間としては大きい)、その緑色を帯びた青い輝き(ターコイズブルー)は、少し離れたところからもよくわかる。その様は貴金属(宝石)的でもあるが、 宝石以上の美しさを放っている。

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ママコノシリヌグイの花を訪れたオオセイボウ  Feeding on the pink-flower
September-16-2012, Nanbu-cho, Yamanashi


オオセイボウは自分で巣をつくらず、ハチに寄生するハチ。すなわち、スズバチなどの別のハチがつくった泥の巣に穴を空け、その中にいるスズバチの幼虫に卵を産み付け、羽化した幼虫は、スズバチの幼虫やスズバチがとらえてきた蛾の幼虫を食べて成長する。

人間社会の道徳観からすれば、オオセイボウの育児は何とも非道な方法である。
しかし、自然界の生態を擬人的観点からのみ判断することは、人間の思い上がりというものだろう。

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ママコノシリヌグイの花を訪れたオオセイボウ  Feeding on the pink-flower

September-16-2012, Nanbu-cho, Yamanashi



クロツバメシジミ; The Black Cupid

クロツバメシジミのポイントに立ち寄ってみた。
この時期だとまだ食草のツメレンゲの花茎がのびていない。
石壁の上に静止。

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石壁に静止  Resting on the stone wall.

September-16-2012, Minobu-cho, Yamanashi



キタキチョウ; The Common Grass Yellow

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産卵  Egg-lying

September-16-2012, Minobu-cho, Yamanashi



Afterword
本日はツマグロキチョウをのポイントを訪れたが、どういうわけかその姿を見ることができなかった。昨年はほとんど同時期に多くの個体を観察できたのに(ND 20110918)----。そもそも県南で個体数が多いウラギンシジミの姿も無かったのはさらにおかしい。多分、このところの観測史上最長の連続夏日とそれによる乾燥のために、いつもの年とはかなり勝手が違うように思える。しかし、フィールド散歩ではこのようなことも稀ではないのも事実なのだ。ネバーマインド!冷静に様子を見たいと思う。

久しぶりにダンダラさんやkontyさんとご一緒して、とても楽しい一日だった。
ダンダラさん、kontyさん、お疲れさまでした。また機会があればご一緒しましょう。

以上、by 虫林花山




Nature Diary vol.7(50): #472

by tyu-rinkazan | 2012-09-18 03:09 | Comments(18)

20120915 初秋の散歩道:南アルプスにて

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全国気温ランキング
今年の4月から現在まで、真夏日(最高気温30℃以上)が多いのはやはり沖縄県の各地域。しかし、猛暑日(最高気温35℃以上)が多いのは群馬県館林市がトップで、次が埼玉県熊谷市など圧倒的に本州の内陸の市町村名が並ぶのだ。虫林が住む山梨県甲府市はというと、猛暑日の数では、全国では17位に位置しているが、今年の真夏日連続日数が統計史上最長(55日)になった------暑いはずだ。
 
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Diary

この週末は祝日「敬老の日」で3連休。
本日は午前中だけ南アルプス前衛の山を散歩した。

ソバ畑; Soba field

何を隠そう虫林は「麺食い」を自認している。若い頃はソバよりも圧倒的にラーメンが好きだったが、最近はやはりソバの方が良い---ソバは大人の食べ物なのかな?さらに、ソバ食いが高じて、各地のソバ粉を取り寄せて、自分でソバを打っていた時期もある(今では食べるだけ)。実際に各地のソバ粉で打ってみると、確かに地域によってソバ粉の味が違うのだ。以来、ソバ畑をみるとどうも落ち着かない。

南アルプス前衛の山に向かう途中で、道路脇に満開のソバ畑を見つけた。
車を止めて見渡してみると、何頭ものキタテハやヒメアカタテハなどの秋のチョウたちが訪花していた。

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満開のソバ畑とチョウたち  Soba field and butterflies

September-15-2012, Nirasaki-shi, Yamanashi



タニグチコブヤハズカミキリ; Mesechthistatus taniguchi

虫林が昔カミキリ屋だった時には、タニグチコブヤハズカミキリといえば大珍品だった。しかし、コブ叩きと呼ばれる 「秋に枯葉を叩く採集法」が開発されてから、さすがの「高嶺の花」 ならぬ 「高嶺のコブ」 もぐっと身近になったように思う。習性を知ることはとても大事なのだ。

もちろん、虫林は 「コブ叩き」 ではなく、「枯れ葉のルッキング」 で見つける。

ゆっくりと大きな枯れ葉を見ていくと、その表面にコブヤハズカミキリが静止しているのを見つけた。鞘翅に左右一つずつの見まごうこと無き黒い紋があってタニグチコブヤハズに違いない。なにしろ、タニグチコブヤハズカミキリの鞘翅にある一対の黒い紋は水戸黄門の助さん角さんが最後にわざとらしく悪人に見せる印籠の「葵のご紋」 ようなものなのだ----意味不明。

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枯葉に静止する♂  A male resting on the dry leaf

September-15-2012, Nirasaki-shi, Yamanashi

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枯葉に静止する♂  A male resting on the dry leaf

September-15-2012, Nirasaki-shi, Yamanashi


落ちている枯れ葉を少しめくってみると、じっと静止している別個体を見つけた。
触角が短くて体が太いので、どうやらメスのようだ。
良く見ると、カミキリが静止している枯葉には食跡らしき欠損がある。タニグチが後食した跡かな。

このカミキリは葉の中で越冬する。

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落ち葉の中に静止する♀  A female resting in the dry leaf

September-15-2012, Nirasaki-shi, Yamanashi


さらに苔の上を歩く個体も発見できた-----今日は運が良い。

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林床を歩く  Walking on the ground

September-15-2012, Nirasaki-shi, Yamanashi



アカマダラコガネ; Poecilophilides rusticola

帰途、クヌギ林に立ち寄った。
先週、アカマダラコガネを見つけたが、同じ木で今週も見ることができた。

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クヌギの樹液で吸汁  Feeding on the tree

September-15-2012, Kofu-shi, Yamanashi

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拡大  High-power view

September-15-2012, Kofu-shi, Yamanashi




スジクワガタ; Dorcus striatipennis

アカマダラコガネを探していたら、クヌギの樹皮の間に大きなスジクワガタを見つけた。
これだけ大きなスジクワガタは久しぶりだ。

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樹皮の割れ目に潜む♂   Hiding under the tree bark

September-15-2012, Kofu-shi, Yamanashi



ミヤマシジミ; Reverdin's blue
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イタドリの花で吸蜜   Feeding on the flower

September-15-2012, Hokuto-shi, Yamanashi



Afterword

本日は午前中だけのんびりと南アルプスの前衛の山を歩いた。歩いたといっても車横付けで、林の中をブラブラと散策しただけなのだ。タニグチコブヤハズカミキリのような飛べない虫は行動半径が狭いので、新しい場所では見つけるのに苦労することが多い。今回は意外にあっさりと撮影できたのはうれしかったな。いつもこの調子だと良いのだがね-----。

九州に台風が来ているので天気が心配だったが、山梨では相変わらず雨が降らなかった。
毎日暑い日が続いているが、あと1週間の辛抱かなと思うが-----甘いか。

以上、by 虫林花山




Nature Diary vol.7(49): #471

by tyu-rinkazan | 2012-09-15 22:25 | Comments(6)

20120909 晩夏の散歩道:登山口の駐車場にて

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昨日は栃木に出張だったので、本日(日曜日)は遅く起きた。

朝食後、あわててカメラの準備をして出かけたが、途中で2台の一眼レフカメラのうちの1台にメモリーカードが入っていないことに気が付いた----オーマイガッ!またやってもうた。ネイチャーフォトグラファーたるものカメラのバッテリーのチェックとメディア装着の確認は基本中の基本だが(予備を持つべし)、経験を積んだ今でも疲れている時など時々やってしまうのだ-----情けない。


クヌギ林; Sawtooth Oak

まずは近くのクヌギ林に立ち寄った。
7,8月は賑やかだったクヌギ林も今はとても静かだ。

夏にオオムラサキなどが群れていた樹液を見ると、クロカナブンが吸汁に訪れていた。クロカナブンはカナブンの仲間では一番遅く出現してくるが、体が大きいうえに金属光沢があってなかなか格調が高い。Sigmaの魚眼で太陽を入れるために外部フラッシュを用いた。

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クヌギの樹液で吸汁するクロカナブン Rhomborhina polita feeding the tree juice
September-09-2012, Kofu-shi, Yamanashi


さらにアカマダラコガネも見つけることができた。本種は稀種として知られるが、里山の衰退や乱開発が今日の個体数減少をもたらした要因であろうことは容易に推測できる。面白いことに、アカマダラコガネの幼虫がハチクマなどの猛禽類の巣から見いだされる例が報告されている。

本種はこの時期(晩夏)に出現し、そのまま越冬する。
今回見つけたのは新成虫ということになる。

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クヌギの木で吸汁するアカマダラコガネ Poecilophilides rusticola feeding the tree juice
September-09-2012, Kofu-shi, Yamanashi



キベリタテハ; The Camberwell Beauty

登山口の駐車場には数頭のキベリタテハが飛び回っていた。
古い個体だがキベリタテハはキベリタテハだ。金色の縁取りのドレスをみると胸が高鳴る。

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駐車場のキベリタテハ Resting on the ground of car park.

September-09-2012, Kawakami-mura, Nagano

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車に絡む飛翔 Flying around the car.

September-09-2012, Kawakami-mura, Nagano

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日光浴開翅 Basking with the wings opened.

September-09-2012, Kawakami-mura, Nagano

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吸水 Feeding minerals on the moist ground.

September-09-2012, Kawakami-mura, Nagano




ミドリヒョウモン; The Silver-washed Fritillary

ミドリヒョウモンはこの時期だと吸蜜する個体は少なくて、日光浴するものが多い。
また、しばしば地面や木の幹に産卵するシーンを見ることができた。

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マルバダケブキの花での吸蜜 Feeding at the flower.

September-09-2012, Kawakami-mura, Nagano

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松の幹に産卵 Egg-lying on the pine tree trunk.

September-09-2012, Kawakami-mura, Nagano




ギンボシヒョウモン; The Dark Green Fritillary

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アザミで吸蜜 Feeding on the flower.

September-09-2012, Kawakami-mura, Nagano




スジボソヤマキチョウ; The Lesser Brimstone

スジボソヤマキチョウをはじめ黄色いチョウは、逆光で撮影すると驚くほど綺麗だ。
ここはヤマキチョウもいるので期待したが、残念ながらヤマキチョウは見つけることができなかった。

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順光と逆光のスジボソヤマキチョウ Feeding in the sun (upper) and against the sun (lower)

September-09-2012, Kawakami-mura, Nagano




Afterword

昨日は栃木での研究会に出席して帰宅したのが遅くなった。少し疲れていたので、あまり歩かない楽な撮影をすることにした。でも、本日は初めからカメラのメディアを入れ忘れ、さらにこの日記では書けないような失敗をした。明らかに not my day ! だ。

でも、「人間万事塞翁が馬」だね。


以上、by 虫林花山



Nature Diary vol.7(47): #469
by tyu-rinkazan | 2012-09-09 19:57 | ▣キベリタテハ | Comments(28)

20120907 コンデジ(Cyber-shot DSC-RX100)を新規導入

≪コンデジ新規導入≫
カメラ修理のために市内の 「カメラのキタムラ」 を訪れた時に、ソニーサイバーショット DSC RX100 をたまたま手にとってみた。有効2020万画素(1.0型 CMOSセンサー)、広角側で解放f1.8の明るいレンズ、秒10コマの連射性能(キャノン7Dが秒8コマ)などこれまでのコンデジとは思えないスペックだった。虫林にしては珍しく ? 「一目ぼれ」 してしまい、サブカメラとして購入した。衝動買い?----反省。
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Cyber-shot DSC-RX100
 
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風景、昆虫撮影での使用例
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夕焼けの飛行機雲
Sony Cyber-shot DSC-RX100 (September-05-2012, Kofu, Yamanashi)

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夕暮れ時、川岸のセンダングサの葉に静止するヒメアカタテハ

Sony Cyber-shot DSC-RX100 (September-05-2012, Kofu, Yamanashi)

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吸蜜するホシホウジャクの長い口吻

Sony Cyber-shot DSC-RX100 (September-05-2012, Kofu, Yamanashi)

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飛翔するアオスジアゲハ(下の写真はトリミング+)

Sony Cyber-shot DSC-RX100 (September-05-2012, Kofu, Yamanashi)

Afterword
センサーが通常のコンデジに比べると4倍大きい(1.0型CMOSセンサー)というだけあって、解像感や背景のボケかたなどはコンデジというよりもも一眼レフデジタルのものにより近いようだ。小さいので取り回しは抜群に良いが、グリップ感がね-----。

このカメラではチョウの撮影の時に背景を容易にボカスことができる半面、同じ絞りでの被写界深度も浅くなっているので、飛翔撮影のときにはコンデジとしてのメリットが少なくなる。実際、曇り空のうえに飛翔が速いアオスジアゲハであったが、歩留まり率はあまり良くなかった(5%以下)。シャッター速度優先での飛翔撮影のときにはISO感度を上げて、絞りがもっと入るようにした方が良さそうだ。でも、フォーカスが決まった写真はなかなかの雰囲気なので使用可能なことはわかった。これから色々と工夫をしようと思う。

近頃のコンデジは侮れないな。

以上、by 虫林花山



Nature Diary vol.7(46): #469

by tyu-rinkazan | 2012-09-07 06:04 | Comments(8)

20120901 晩夏の散歩道:南アルプスの峪にて

《夏眠: summer sleep》
チョウの中には暑さが厳しい間は眠って過ごし(夏眠)、涼しくなった9月頃に再び姿を現すものがいる。大型のヒョウモンチョウ、タテハチョウなどが夏眠する。この夏眠という習性は昆虫だけかなと思ったら、実は意外に色々な動物たちが同様のことをするようだ。たとえばカタツムリ、ミミズやナマコさらにはハリネズミや古代魚の肺魚なども夏眠することが知られている。ウーム、虫林も------この夏は英国旅行があったりしてフィールド散歩は「夏眠」といえるような状態でしたのでそろそろ覚醒しないとね。

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南アルプスの峪; Valley in South Alps

本日(土曜日)は久しぶりにフリーになったので、南アルプスの峪を訪れることにした。

その場所は過去に何度か訪れたことがあるが、アプローチがちょっと長いのが難点かな。簡単にいうと、市営駐車場に車を止め、そこからバスを2回乗り継いで(これが待ち時間も含めて大変だ)、降車してからさらに林道をしばらく歩く。歩いた後にさらに ヨッコラサ と堰堤を2つ巻いてやっと峪の入り口に入ることができるのだ。ベニヒカゲを見るだけならこんな奥地まで ヒーコラ 来る必要はなさそうだが、ここはとても気持ちが良い場所で癒されるのと、やはり高山蝶はそれに相応しい場所で撮影したいからだ-----変なこだわりを持つと苦労する。


下の写真は虫林のワンダーランドへの入り口。
この上は静かで穏やかな別天地だ。

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The threshold of a valley in South Alps (2012-September-01, South Alps, Yamanashi)




斜面の草つきにはスゲ類で覆われていて滑りやすい。何度も転んでしまった。若い頃はこんな斜面で転ぶことなど無かったのだが、最近は頻繁に転ぶようになってしまった----情けない。でも、ここにはキオン、マルバダケブキ、タカネニガナなどの黄色い花が沢山咲き誇ってとても綺麗だ。さらにグンナイフウロやタカネナデシコなどの高山の花もあちらこちらにひっそりと咲いていた。

下の写真はマルバダケブキの花に来たクジャクチョウを眼下の沢を入れて広角撮影。
この気持ちが良い峪に一人で佇んでいると、チョウの撮影などどうでも良くなるな---嘘です。

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The habitat of the Japanese Argus (2012-September-01, South Alps, Yamanashi)





ベニヒカゲ; The Japanese Argus

斜面の草つきを見回すとあちらこちらでベニヒカゲが地面の近くを飛翔する姿を見ることができた。とにかく9月の初め(9月1日)では、ベニヒカゲの一般的な出現時期からはかなり遅いので(2週間くらい遅いかな)、観察できるかどうかすこし心配したが、何とか間に合ったようでほっとした。期待した夏眠明けのヒョウモン類がほとんどみなかったのは、この標高では彼らは夏眠などしないせいなのかな?

飛んでいるベニヒカゲたちはさすがに古いが、出会えただけでも良かった----来年はもう少し早く訪れたい。

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The Japanese Argus flying over the grassland. (2012-September-01, South Alps, Yamanashi)





ベニヒカゲは草の間を飛び回ってばかりで、吸蜜する個体は意外に少なかった。
下の写真はキオンの花で吸蜜する♀。
ここの個体は前後翅の橙色帯が非常に発達していてとても綺麗に見えるがいかがだろうか。

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A female of the Japanese Argus feeding on the yellow folower. (2012-September-01)





この時期だとさすがに古い個体が多くてアップには耐えがたい。
多分、最盛期は2週間ほど前なのだろうか。

ベニヒカゲの紋は地域的変異が知られている。
ここは赤石山脈に含まれるので、前後翅の橙色帯が良く発達していて美しい。

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A female of the Japanese Argus having the distinctively well developed red spots on the hind wings.

Olympus E-5, ZD50-200mm (2012-September-01, South Alps, Yamanashi)



キベリタテハ; The Camberwell Beauty

ダケカンバの多い場所では、ゴージャスなキベリタテハが現れてくれた。

キベリタテハの英名は The Camberwell Beauty いうが、Camberwell とはロンドンの中の一地域の地名だ。初めて発見されたのが Camberwell だったのでその名前がついたようだが、皮肉にも現在の英国でキベリタテハを見ることはないのだ。このチョウが記載された頃のCamberwell地区は歓楽街で、「Camberwell Beauty」というのは「綺麗な(そのスジの)お姐さん」といった意味があるのか知れないな。

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A Camberwell Beauty resting with wings opened.. (2012-September-01, South Alps, Yamanashi)





エルタテハ; The Large Comma

エルタテハは翅の裏に英語の「Lの字」があるのでその名がついた。しかし、このチョウは地面に静止するとすぐに翅を開いてしまうので、翅裏のエルの字を撮影できるチャンスは意外に少ないものだ。林道わきのフジアザミの大きな花で吸蜜している個体で翅裏を撮影することができた。

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The Large Comma. (2012-September-01, South Alps, Yamanashi)





カミキリムシ; Long-horned beetle

道端のフジアザミの葉にシラフヒゲナガカミキリ♀を見つけた。どういうわけかフジアザミでカミキリムシを見つけることが多い。以前には稀種アラメハナカミキリを見つけて喜んだことがある。ちなみにフジアザミとカミキリムシの組み合わせは関係がなく、偶然だとは思うけど----。

ダイコン科の白い花でブチヒゲハナカミキリを見つけた。
このカミキリは山地では少なくはないが、立派なので見つけるとカメラを向けることが多い。

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Monochamus (Monochamus) nitens (upper) and Corymbia variicornis (lower) (2012-September-01)





Afterword

知り合いの写真家でブナの森研究家の 永幡嘉之氏 (世界のブナの森) の記事「東日本大震災被災地の自然について」が 週刊現代 に載った。すでに読まれた方も多いと思うが、一般の人が思う被災地の復興とナチュラリストの目からみた復興の違いをきっちりと主張していたのに感心した。ドキュメンタリーに自然写真(とくに昆虫・植物写真)で主張できる数少ない写真家として今後の活躍にも期待したいと思います。

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英国旅行の後、京都での国際学会への出席発表などもあり、下の写真の 「クモの巣にかかったセミ」 のように(仕事で)がんじがらめになっていました。今週末はゆっくりと南アルプスの峪を散歩することができたのでほっとした。ベニヒカゲは発生期の最後の最後でしたが、彼らの飛び方を見ると産卵場所を探しているように見えた(飛び方で何となくわかるよね)。事実、スゲ類の草の根元にもぐりこんで行くのを何度か見ることができたが、草が邪魔で産卵シーンを撮影することは結局できなった---今後の課題。

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クモの巣にかかったセミ(虫林)


これからはもっとフィールド散歩をしたいものだと願っているが---どうなる事やら。
以上、by 虫林花山



Nature Diary vol.7(45): #468

by tyu-rinkazan | 2012-09-04 14:28 | Comments(14)