NATURE DIARY

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20121028 黄葉とオオムラサキの幼虫

Nature Diary vol.7(54):#479

昨日(土曜日)は学会終了後のエクスカーションで、主催者が東京スカイツリーに案内してくれた。このスカイツリーの展望デッキ入場チケットはPCでのオンライン予約制らしい。よくぞチケットをゲットしてくれたものだ-----感謝。高速エレベーターで到着した標高350mの展望デッキからは、見下ろす町並にスカイツリーと雲の陰が面白い光景を見せていた。

久しぶりに東京タワーにも行きたくなったな------年がわかる。

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スカイツリーと雲の影 A landscape of Tokyo from Tokyo Skytree

Olympus OMD, MZD60mm Macro, October-27-2012, Chiba

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Diary

土曜日はスカイツリーの後にパーティにも出席したので、結局我が家に着いたのが夜の12時だった。
日曜日は朝起きると、雨が拙宅の庭木の葉を静かに濡らしていた。冬の訪れを待つこの時期(晩秋)に降る雨はどこか寂しい。


オオムラサキの幼虫; Caterpillar of the Great Purple

小雨の中、池の周りをのんびりと散歩。

雨にもかかわらず、何人ものヘラブナ釣の釣り人たちが浮子(うき)を見つめていた。
池の横のエノキの幼木の葉を見ると、オオムラサキの幼虫を発見。

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オオムラサキの幼虫と池 A caterpillar of the Great Purple and the pond

Olympus OMD, Panasonic 8mm Fisheye, October-29-2012, Kofu-shi, Yamanashi


綺麗に黄葉したエノキの葉に、まだ鮮やかな緑色の幼虫が静止していた。
オオムラサキの幼虫たちも越冬に向かい緑色から茶色に色を変えていくのだろう。

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黄葉とオオムラサキの幼虫 A caterpillar of the Great Purple and the yellow-tinged leaves

Olympus OMD, MZD60mm Macro, October-29-2012, Kofu-shi, Yamanashi


この幼虫は葉の色の変化と同調していて黄色味が強く、その存在を認識するのが難しい。
このくらい似ていれば鳥たちも騙されるだろう。右に幼虫の場所を矢印で示した。

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黄葉とオオムラサキの幼虫 A caterpillar of the Great Purple and the yellow-tinged leaves

Olympus OMD, MZD60mm Macro, October-29-2012, Kofu-shi, Yamanashi

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オオムラサキの幼虫 A caterpillar of the Great Purple and the yellow-tinged leaves

Olympus OMD, MZD60mm Macro, October-29-2012, Kofu-shi, Yamanashi



ゴマダラチョウ; The Japanese Circe

オオムラサキの幼虫に比べて少し太っちょのゴマダラチョウの幼虫も発見。

オオムラサキとゴマダラチョウの幼虫は似ている。
ゴマダラチョウの幼虫は背面の突起が3対だが、オオムラサキは4対あるのでその区別は難しくない。

幼虫の食痕が目立つ。

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ゴマダラチョウの幼虫 A caterpillar of the Japanese Circe

Olympus OMD, MZD60mm Macro, October-29-2012, Kofu-shi, Yamanashi



キノカワガ; The Japanese Circe

木の幹に擬態の名人のキノカワガ。
じっとしているキノカワガを見つけるのは簡単ではない。

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キノカワガ Blenina senex

Olympus OMD, MZD60mm Macro, October-29-2012, Kofu-shi, Yamanashi


Afterword

本日は雨のため、近くの林でオオムラサキの幼虫を観察した。エノキはすでに黄葉が始まっていて、これから幼虫たちも色を変え、地面におりて越冬するのだろう。昆虫たちはすでに冬支度を始めたようである。

虫林もそろそろ越冬準備をしなくては-----意味がわからない。



以上、by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2012-10-28 22:41 | Comments(14)

20121020 富士山の散歩道:フジコブヤハズカミキリなど

Nature Diary vol.7(53):#478

コブヤハズカミキリの仲間(Mesechthistatus)は翅が癒着して飛べず、色は黄土色で、体の表面は凸凹。きっと知らない人が見たら「キャー、何、この汚らしい虫」---というかも知れないな。でも、カミキリ好きにとっては、この黄土色は宝石にも増して美しく(ワビサビの魅力?)、凸凹の鞘翅さえも何ともク-ルに目に映るのだ。これまで、山梨県に産するコブヤハズカミキリのうち、タニグチコブヤハズカミキリ は過去に何度も撮影しているが、フジコブヤハズカミキリ にはこれまでチャレンジしたことがない。

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Diary

そこで、本日(土曜日)はフジコブヤハズカミキリ(以下、フジコブ)を探しに富士山麓を訪れた。富士山も標高1500mを越えると、すでに木の葉は黄色く色付きはじめ、ヌルデなどの葉も赤変している。

そういえばあと数日で節気が寒露になる。そろそろ秋も終わりに近くなった。

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紅葉 Autumn colors

Canon 60D, Sigma 24mm Macro, October-20-2012, Kawaguchiko-cho, Yamanashi



フジコブヤハズカミキリ; Mesechthistatus fujisanus

フジコブ探しといっても富士山のどこに行けば良いのか皆目分からず、土地勘があるM高原の林の中の道に沿ってゆっくりと歩いてみた。しばらく行くと、偶然にチョウを観察して記録している方とお会いした。挨拶して様子を尋ねてみると、ここは標高が低く、フジコブの記録は無いかもしれないとのことでした。お会いした方は地元のチョウ屋さんらしいが、とても親切な方でフジコブの可能性がある場所をアドバイスしてくれました。

もちろん、アドバイスに従って場所を移動しました。


以前にタニグチコブを見つけた時の環境に似ている場所に車を止めて、とにかく歩いてみることにした。ところが、枯葉を注意深くルっキングしながら散歩したが、なかなかフジコブは見つからなかった。すでに時計の針は午後1時をまわっていたので、軟弱な虫林はあきらめて帰ろうかなと思ったその時、目の前のツルの枯れ葉に何かが静止しているのを見つけた。

目をこらしてみると、目的の フジコブ様(様を付けたくなるね)がそこに鎮座していた------よかった。

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枯葉に静止するフジコブヤハズカミキリ Mesechthistatus fujisanus

(上)Canon 60D, Sigma10mm+X1.4 Telecon,(下)Canon 7D, EF100mm Macro, October-20-2012, Kawaguchiko-cho


山梨県には、南アルプスを中心に分布するタニグチコブと富士山を中心とするフジコブが棲息している。タニグチコブは鞘翅後部に大きな黒い紋がある。一方、フジコブはその紋が白いのですぐに見分けがつく。まるで水戸黄門にでてくる「印籠のご紋」---違うか。
興味のある人→(タニグチコブの日記にジャンプ

撮影場所は少し薄暗かったので、弱くストロボを用いている。
鞘翅の後ろにある大きな白い紋が交感神経を刺激するな。

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枯葉に静止するフジコブヤハズカミキリ Mesechthistatus fujisanus

Canon 7D, EF 100mm Macro, October-20-2012, Kawaguchiko-cho, Yamanashi



さらに別の枯葉でも静止するフジコブを見つけることができた。

いつも思うのだが、初めの1頭を見つけるのが大変で、その後は不思議と追加できるのだ。それは心の余裕からくるものなのか、それとも脳に昆虫たちの擬態を見破るプログラムが形成されるためなのかわからないが------。

我々の視力とは明らかに感情や心理と連動しているな。

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枯葉に静止するフジコブヤハズカミキリ Mesechthistatus fujisanus

Canon 7D, EF 100mm Macro, October-20-2012, Kawaguchiko-cho, Yamanashi


フジコブヤハズカミキリとタニグチコブヤハズカミキリは、例えていえば戦国武将の武田信玄と上杉謙信のように領地争いをしている。また、分布域の境界には非武装地帯まで存在し、両者は棲み分けしていると考えられている。以前の「月間むし」に分かりやすい日本産のコブヤハズカミキリの分布図(高桑らによる)が出ていたので引用(もっと知りたい方は是非とも雑誌の記事を見ていただきたい)。これを見ると明らかなように、山梨県はフジコブとタニグチコブの分布中心地であることがわかる。
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日本産コブヤハズカミキリの分布
2004年10月号No.404 の月刊「むし」から引用

この分布地図を描くためには、途方もない労力と時間が必要だったことだろう。先人たちの努力に感謝



その他; Miscellaneous

妙に青紋が発達したベニシジミを見つけた。

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静止するベニシジミ The Small Copper

Canon 7D, EF 100mm Macro, October-20-2012, Kofu-shi, Yamanashi


この時期の水の近くにはオツネントンボを見る(Dragonbutterさん、Thanks)。
このトンボが多くなるとシーズンも終わりかな思う。

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静止するオツネントンボ Sympecma paedisca

Canon 7D, EF 100mm Macro, October-20-2012, Kawaguchiko-cho, Yamanashi


恐ろしくヘンテコリンな形態の蛾の幼虫をクリの葉で見つけた。

シャチホコガの一種だろうか?(OTTOさん、Thanks)
正解はウコンカギバ(or ヒメウコンガギバ)という蛾の幼虫でした。(fanseabさん、Thanks)

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ウコンカギバの幼虫 Caterpillar of moth

Ricoh GR IV, October-20-2012, Kawaguchiko-cho, Yamanashi



Afterword

本日は久しぶりに蝶ではなく、カミキリムシを探して散歩した。

これで今年は両種を撮影出来たことになりとても嬉しい。本日ははじめに見当違いな場所を探していたが、運良く、フジコブをご存知の人から適切なアドバイスを頂けたのが発見につながった------感謝。



以上、by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2012-10-21 09:33 | Comments(10)

20121014 秋の散歩道:ミヤマ(青♀)、クロツ、ヤマト(青♀)

Nature Diary vol.7(52):#477

日中の日差しはまだ夏の名残を残しているが、朝晩は長袖が必要なほど涼しくなってきた。本日はグレゴリオ暦で年始から287日目、年末まであと78日。そう考えるとチョウのシーズンも終盤になってきたなと感じる。とにかく今年も残された一日一日を有意義に暮らしたいと思う------ウーム、それではフィールド散歩に出よう(意味不明)。

本日は雲が多くて陽射しが弱い。
でも、こんな日は太陽光線が柔らかいので撮影にはかえって良いのだ。


ミヤマシジミ; The Reverdin's Blue

本日の目的はミヤマシジミ青♀の撮影。

ミヤマシジミのフランチャイズポイントに到着して、ゆっくりと食草のコマツナギの群落の中を歩いた。すると足元から何頭ものメスのミヤマシジミが飛び出してきた。メスは茶色いので目が悪い虫林には見にくいが、あまり遠くまで飛ばないので助かる。

目の前のイタドリの葉に静止した。

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イタドリの葉に静止するミヤマシジミ青♀ The Reverdin's Blue
Canon 60D, Sigma 10mm Fisheye, October-14-2012, Hokuto-shi, Yamanashi


気温が低下するとシジミチョウのメスたちは青く化粧する(青♀)。

下の写真のミヤマシジミは、広い範囲に青鱗がのっていわゆる「青メス」と呼ぶに相応しい色彩だ。また、この個体は普通のメスよりも大きく、前後翅の亜辺縁にあるオレンジ紋もより明瞭に見える。(同じ種類とは思えぬほど)艶やかで美しい。

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青鱗が発達したミヤマシジミ♀ The Reverdin's Blue

Canon 7D, EF100mm Macro, October-14-2012, Hokuto-shi, Yamanashi


もう一頭わずかに青鱗がのった個体を見たが、残念なことにすぐに飛び去ってしまい撮影できなかった。それ以外で確認できた数頭のメス個体は全てが通常の色彩だった。

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通常のミヤマシジミ♀ The Reverdin's Blue

Canon 7D, EF100mm Macro, October-14-2012, Hokuto-shi, Yamanashi


ミヤマシジミのオスの翅表は輝くような明るい青色だ。
日本産ブルース(青いシジミチョウ)の中で最も美しいかなと思う。

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開翅したミヤマシジミ♂ The Reverdin's Blue

Canon 7D, EF100mm Macro, October-14-2012, Hokuto-shi, Yamanashi



クロツバメシジミ; Lycaeides argyrognomom, The Black Cupid

ツメレンゲの花茎が伸びて開花し、クロツバメシジミ(以下クロツ)の撮影の適期になったようだ。このチョウは食草のツメレンゲの花とのコラボがやはり絵になる。でもここのクロツはツメレンゲになかなか静止してくれないのだ。

ここのツメレンゲは密度といい、大きさ、姿形といい申し分ない。隣接する家のご主人に草刈り時にツメレンゲの保護をお願いしてからすでに7-8年になるだろうか。とても良い人で、いつもお会いするのが楽しみだ。

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ツメレンゲ群落と地面に静止するクロツバメシジミ The Black Cupid

Canon 60D, Sigma10mm October-14-2012, Yamanashi


それでも辛抱強くクロツを追跡していると、時々、ツメレンゲの花にも静止してくれた。

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クロツバメシジミ The Black Cupid

Canon 60D, Sigma 24mm Macro, October-14-2012, Yamanashi

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ツメレンゲの花とクロツバメシジミ The Black Cupid

Canon 7D, EF100mm Macro, October-14-2012, Yamanashi



クロツは静止するとすぐに開翅して日光浴する。

でも、開翅の角度が90℃くらいで、なかなかベタ開翅するものはない。
下の写真は最も広く開翅してくれた時のものだ。

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開翅するクロツバメシジミ The Black Cupid

Canon 7D, EF100mm Macro, October-14-2012, Yamanashi



ヤマトシジミ; The Pale Grass Blue

クロツポイントの脇の葉上で開翅する黒いチョウを見つけた。
てっきりクロツ♀と思って撮影したが、良く見るとヤマトシジミのメスだった。

ヤマトシジミのメスもこの時期になると翅に青鱗がのってとても綺麗だが、この個体はよくみると、後翅亜外縁に薄青色の紋があるように見える。初めに見た時にずいぶん綺麗なクロツのメスだと思ったのはそのせいだ。

こんな後翅の薄青色の紋は、ヤマトの♀では今まで見たことがないように思うが----とにかく綺麗だ。

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後翅亜辺縁に青色線状を有するヤマトシジミ青♀ The Pale Grass Blue

Canon 7D, EF100mm Macro, October-14-2012, Yamanashi



Afterword

この時期の青♀は、まるで化粧でもしたように美しく目に映る。ここ数年、ミヤマシジミの青♀は撮影できていなかったので、見つけた時は嬉しかった。ヤマトのメスは青♀というよりも斑紋異常かもしれないな。とにかくこちらも綺麗だった。

そろそろ日中でもそれほど暑くないので、暑がりの僕には良い季節になってきた。しかし、残念ながらチョウたちが消えていくのが寂しい限りだ。秋の一日を満喫した。


以上、by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2012-10-15 06:33 | Comments(20)

20121008 秋の散歩道:クロツバメシジミの紋流れ異常型

Nature Diary #476
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Diary


実りの秋。天高く馬肥える秋。最近、食欲が止まらない。
このままでは「天高く虫林肥える秋」になってしまう。

連休最終日の本日(体育の日)は、ツマグロキチョウに会うために少し足を伸ばしてみることにした。というのも、昨年はかなりの個体が観察できた場所で、今年はまだその姿を見ていないからだ------突然消えるなんとも不思議だな。もともと棲息地の面積が狭かったこともあるけれど、ことわりも無く突然いなくいなるなんてまるで家出でもしたみたいだ。

どこかで家出ツマグロキチョウを見かけたら帰るように言ってほしい----ダメか。


ツマグロキチョウ; The Angulated Grass Yellow

ポイントに到着してほどなく、目の前を弱々しく飛ぶ小型のキチョウを見かけた。
そもそもキチョウはふらふらといかにも「今止まりますよ〜」という風情で飛ぶが、実はいつになっても静止しないことが多い。ところが、このふらふらキチョウはすぐにクズの葉に静止してくれた。

あまり期待もしないで(よく期待はずれになるので)近づいてみると、翅裏後翅に斜めに走る茶色い線状紋がみえた。なんと目撃したキチョウの一発目が目的のツマグロキチョウだったのだ。

秋型のツマグロキチョウは翅先が尖っていてクール。

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クズの葉に静止するツマグロキチョウ The Angulated Grass Yellow

October-08-2012, Fujinomiya-shi, Shizuoka



クロツバメシジミ; Lycaeides argyrognomom, The Black Cupid

ツマグロキチョウを撮影している時に、突然、蝶友 thecla さん(フィールドノート)から電話。

聞く所によると、昨日、山梨県のクロツバメシジミ(以下クロツ)ポイントで、「すんごーい紋流れのクロツ」を見つけたとのこと。でも、その時はすぐに風に飛ばされてしまい、たった一枚の証拠写真しか撮影できなかったらしい。そこで、本日は朝からまたそのポイントを訪れて探しているとのことだった。

「紋流れ」と聞いてはほっておけない。ツマグロキチョウはほどほどにして早速駆けつけたのは言うまでもないだろう。現地では Daron さん(Daron's webblog) も来られていたので、thecla, Daron, 不肖虫林の3人で「すんごーい紋流れクロツ」を探すことになった。

こんな宝探しはワクワクするな--------そして、とうとう本命の thecla さんが発見!

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クロツバメシジミの紋流れ異常型 The aberrant form of the Black Cupid

October-08-2012, Yamanashi

近寄ってみると、確かに「すんごーい紋流れ」で、まるで別のチョウのようだ。

残念なのは片方の翅(左の翅)に軽度の羽化不全があるみたいだった。そのため、飛翔力がふつうのクロツよりも少し弱いように思えた(おかげでゆっくりと撮影できるけどね)。

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クロツバメシジミ紋流れ異常型 (左:ピンシャン、右:少しよれている)

October-08-2012, Yamanashi


とにかくロストしないように誰かが常に見守りながら撮影。

それにしてもこのクロツの紋流れは、これまでネット上などで見てきたヤマトシジミの紋流れと比較してもグレードが高い。また、後翅裏面亜辺縁にあるオレンジ紋はあまり変化しておらず、まるで「本当はクロツバメシジミなんだぞ」と主張しているようだ。

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ツメレンゲに静止するクロツバメシジミの紋流れ異常型 The aberrant form of the Black Cupid

October-08-2012, Yamanashi


後翅表の亜外縁にあるはずの青色条が見えない(異常かどうかはわからないが)。もう少し恥ずかしがらずに翅を開いてくれればわかるのに-----。

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石の上に静止するクロツバメシジミの紋流れ異常型 The aberrant form of the Black Cupid

October-08-2012, Yamanashi


クロツの雄雌は野外で見分けるのは結構難しいらしいが、ツメレンゲで産卵したのでメスであることは間違いないだろうと思う。。

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産卵するクロツバメシジミの紋流れ異常型 The aberrant form of the Black Cupid

October-08-2012, Yamanashi


ついでに(失礼)普通のクロツも少しだけ撮影した。

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クロツバメシジミ(通常型) The Black Cupid (usual form)

October-08-2012, Yamanashi


お昼に近くなるとクロツバメシジミたちはどこからともなく現れ、あちらこちらでメスの後をオスが追う求愛行動も観察できた。メスを追うオスの姿は人間模様を少し感じさせてくれて哀れになる。追えば追うほどダメなのに-----(これは人間だけか?)。

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求愛するクロツバメシジミ(通常型) A courtship behavior of the Black Cupid (usual form)

October-08-2012, Yamanashi


石の上で交尾する個体が見つかった。
かれらの交尾は我々が去るまで続いていたので、2時間くらいは継続していたと思う。

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交尾するクロツバメシジミ(通常型) Mating of the Black Cupid (usual form)

October-08-2012, Yamanashi



チャバネセセリ; Lycaeides argyrognomom, The Small Branded Swift

草の周りを変な飛び方をするチャバネセセリを見つけた。
少し観察していると、案の定、産卵した。卵も観察できたが、産卵直後は青いようだ。

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産卵するチャバネセセリ Egg-lying of the Small Branded Swift

October-08-2012, Yamanashi




Afterword

聞く所によれば、紋流れという変異は、飼育下で低温処理をすると現れるらしい。しかし、自然状態では低温暴露されているように思えず、それによる変異というだけでは説明がつきにくいだろうと思う。また、ここでは3年前にtheclaさんが別のクロツ紋流れ個体も見つけているので、何か遺伝的な要素があるのかも知れない。

石積みの斜面で紋流れクロツを夢中で撮影していると、ついつい足下が不注意になってしまって、何度か斜面から滑り落ちてしまった。僕は夢中になると周りが見えなくなる---危ない、危ない。



出会う確率のとても低いと思われるクロツの紋流れ個体を撮影できたのは theclaさんのお蔭です。感謝。
また現地では今回もDaronさんともご一緒できて楽しかった。



以上、by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2012-10-12 17:10 | Comments(20)

20121006 秋の散歩道:クリシギゾウムシとミヤマシジミ

Nature Diary #475
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Diary


昨日まで学会出張で、(埋め立て後につくられた)近代的なビルが立ち並ぶ海辺の町に数日間滞在した。どうも僕にはコンクリートで塗り固められたような町並は苦手だ。どこか無機質で落ち着かず、どこか冷たくてほっこりと出来ないのだ。ウーム、気分転換に、今週末も木々の緑、花や草の匂い、風のささやき、生き物たちの息遣いなどを体に感じながらフィールド散歩に出ることにしよう。

本日(土曜日)はミヤマシジミの棲息する河原を散歩することにした。


クリシギゾウムシ; Curculio sikkimensis

背が低いクリの木を見つけた。
何とはなしに割れた栗の実を見ると、クリシギゾウムシが静止していた。

このゾウムシの♀は異常に吻が長く、鳥のシギに似ているのでその名が付いたのだろう。昆虫写真家の海野和男氏の「小諸日記」で、この虫のユニークな姿を見て以来、いつかは撮影してみたいと思っていた。見つけた時はとても嬉しかった。

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クリの実とクリシギゾウムシ (写真下はGyorome 8使用)

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi



クリシギゾウムシの口吻はどうしてあんなに長いのだろうか?
この虫はクリの実に長い口吻で穴をあけ、そこに産卵する----合目的。

フランスの生物学者ラマルクによれば、昆虫に限らず生物のヘンテコリンな形態は、その「必要性」によって変化してきたものとされた(ラマルクの要不要説)。しかし、現在では「獲得形質は遺伝しない」という生物学の常識によりこの説は完全に否定され、遺伝子上に起きた変異がその生物にたまたま有利に働いたからと考えられている(ダーウィンの進化論)。

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クリシギゾウムシ(Gyorome 8使用) Insect-eye image

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi



ミヤマシジミ; Lycaeides argyrognomom, The Reverdin's Blue

食草のコマツナギが多い河原を訪れた。到着して歩き始めるとすぐに♂が足元から飛び出した。
本日は気温が低いためか、チョウたちは飛んでもすぐにススキの葉などに静止してくれた。

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ススキの葉に静止するミヤマシジミ♂ The Reverdin's Blue

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi


ミヤマシジミの翅表の青色は同じ仲間のヒメシジミやアサマシジミなどと違う明るく深い。
シジミチョウの中のベッピンさんだな。

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ミヤマシジミ♂ The Reverdin's Blue

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi


セイタカアワダチソウは、今や日本の秋を彩る花になってしまったようだ。このセイタカアワダチソウの黄色い花にミヤマシジミが吸蜜していた。またすぐ横にはベニシジミも吸蜜していて、2頭のシジミチョウの青と赤のコントラストが面白い。

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セイタカアワダチソウの花で吸蜜するミヤマシジミ♂とベニシジミ

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi


残念ながら青鱗が発達したメス個体は見ることが出来なかった。
さらに幼虫も探してみたのだが、根気が無い虫林には見つけることができなかった。

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静止するミヤマシジミ♀ The Reverdin's Blue

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi



キタテハ; The Chinese Comma

キタテハを観察していたら木の枝の陰に隠れるように静止した個体を見つけた。どうやらこの場所はねぐらになっているように見える。外から見ると巧みな保護色で見つけることはかなり難しそうだ。

キタテハの「枯葉化けの術」はさすがだな。

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キタテハ The Chinese Comma

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi



カトリヤンマ; Gynacantha japonica

通常のギンヤンマに似ているが、やや小型で黒っぽいカトリヤンマが旋回飛行していた。
ホバリングするところを見計らって何度か撮影した。ヤンマの青緑色の目が綺麗だ。

(カトリヤンマはBanyanさんの同定による。感謝)

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カトリヤンマ

October-06-2012, Hokuto-shi, Yamanashi



Afterword

この3連休はなるべく仕事をしようと思っていたのだが、結局はフィールド散歩をしてしまった。
ウィークエンドナチュラリストを自認する虫林は、週末はフィールドに出ないとね----。

ハーバード大学の教訓に「今日のことを明日に伸ばすな」、「どうせ去られない苦しみなら楽しもう!」、「あなたが今日歩かないなら、明日は走ることになるだろう」などがあるらしいが。まさしく胸にずしずしと響いてしまう。まあ、人間には気分転換も大事なので、そんな教訓など無視してこれからも散歩に出かけることにする-----反省の色なし?。

以上、by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2012-10-08 17:51 | Comments(12)