NATURE DIARY

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20121118 紀伊半島の散歩道:サツマシジミ


Nature Diary vol.7(57): #482


紀伊半島の突端に近い海岸。
昨日(土曜日)の荒れた天気が嘘のような快晴。

浜辺で綺麗に白骨化した鹿の骨を発見。

ちょうど歩きながら思い浮かべていた南方熊楠(南紀出身の偉大なナチュラリスト)からのプレゼントのように思えて、それを大事に持ち帰ることにした。そうだ、この骨は自分でキープするよりも僕を和歌山に招待してくれた古い友人のM教授へプレゼントすることにしよう。彼ならきっと喜ぶかも? 喜ぶ? 喜ぶに違いない?-----ウーム、ダメかも。

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海からのプレゼント . A present from the sea (A skeletonized deer skull)

Canon PowerShot S100, Nov-18-2012, Wakayama



サツマシジミ The Albocaerulean

気温の上昇とともにサツマシジミが飛び始めた。
日当たりの良い場所の葉の上で気持ちよさそうに翅を開いて日光浴。

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タブの木の葉上で日光浴するサツマシジミのメス . A female of the Albocaerulean on the leaf

Canon PowerShot S100, Nov-18-2012, Wakayama


この時期にはツワブキの黄色い花が満開で、その花にサツマシジミたちがちらちらと集まっていた。
11月の下旬ではさすがに新鮮な個体は少ないようだが、とにかく、またサツマシジミを見ることができたのがとても嬉しかった。

サツマシジミとツワブキと海。

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サツマシジミと海 . The Albocaerulean and the sea

Canon PowerShot S100, Nov-18-2012, Wakayama


サツマシジミ♂は明るい空のような青色と白。
黄色いツワブキの花とのコントラストが何とも言えず美しい。

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ツワブキで吸蜜するサツマシジミ♂ . A male of the Albocaerulean nectaring on the flower

Olympus OMD E-M5, MZD 60mm Macro, Nov-18-2012, Wakayama

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葉上で開翅するサツマシジミ♂ . A male of the Albocaerulean resting on the leaf

Olympus OMD E-M5, MZD 60mm Macro, Nov-18-2012, Wakayama

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ツワブキで吸蜜するサツマシジミ♀ . A female of the Albocaerulean nectaring on the flower

Olympus OMD E-M5, MZD 14-150mm, Nov-18-2012, Wakayama


サツマシジミの裏面は白磁を思わせる白だ。

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サツマシジミ♂ . A male of the Albocaerulean resting on the leaf

Olympus OMD E-M5, MZD 60mm Macro, Nov-18-2012, Wakayama




ヤクシマルリシジミ The Common Hedge Blue

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ヤクシマルリシジミ . The Common Hedge Blue

Olympus OMD E-M5, MZD 14-150mm, Nov-18-2012, Wakayama


駅で和歌山市方面に向かう電車を待っていると、目の前をヤクシマルリシジミが飛んでいた。
駅の線路脇のアメリカセンダングサに訪花。

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線路脇のヤクシマルリシジミ . The Common Hedge Blue





Afterword

和歌山市の友人(M教授)から月曜日に大学でのレクチャーを依頼されたので、週末を利用して紀伊半島を歩いた。数年前に訪れた時には、ここにはアメリカセンダングサが強烈に繁茂していたのを覚えている、不思議なことに今回はあれほど多かったアメリカセンダングサがほとんど消えていた。どうやらボロギクにとって代わったように見える。アメリカセンダングサがこれほどいっぺんに無くなることがあるのだろうか。

南紀の海岸線は、虫林にとって極上の散歩道だ。

以上、by 虫林花山







by tyu-rinkazan | 2012-11-21 05:05 | ▣サツマシジミ | Comments(14)

20121110 晩秋の散歩道:ヤマトシジミと富士山


Nature Diary vol.7(56): #481


暦の上では立冬を過ぎてすでに冬になってしまった。

午後の日差しに追われるように家からほど近い丘陵を訪れた。そこからは市街地の向こうに御坂山地から顔を出す「富士山」を見渡すことができる。この時期の富士山は雪が山の上1/3ほどを覆っていて、バランス的にとても綺麗だ。1年の中で最も綺麗な富士山かもしれないな。とにかく富士山には雪化粧が似合う。

「雪が無い富士山なんて-----」なのだ。


ヤマトシジミ The Pale Grass Blue

前回のNDに記したが、ヤマトシジミたちは夕方になるとエノコログサやセンダングサなどの上で休む。どうやらその観察は正しかったようで、丘の斜面に繁茂するエノコログサの花上にヤマトシジミが点々と休む姿を見かけることができた。そこは彼らの塒(ねぐら)になっているのだろう。ヤマトシジミのこの塒(ねぐら)習性は、天敵の鳥たちに丸見えなのでとても危険に満ちているように思えるのだが-----。

そんな彼らの塒習性を利用して、富士山バックのヤマト写真を撮ることを思いついた。

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アメリカセンダングサに休むヤマトシジミと富士山  . A Pale Grass Blue resting on the Devil's Beggartick in the background of Mt. Fuji

Olympus OMD E-M5, MZD 14-150mm, 2012, Kofu-shi, Yamanashi


エノコログサは花穂が犬の尾に似ていることから、「犬っころ草」が転じてエノコログサになったといわれている。僕には俗称のネコジャラシという方がなじむな。西日を受けて輝くエノコログサの花穂はなかなか綺麗だ。

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西日を受けたエノコログサに休むヤマトシジミ
Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, 2012, Kofu-shi, Yamanashi





ベニシジミ The Small Copper

センダングサにはヤマトシジミ以外に、ベニシジミやモンキチョウも静止していた。ベニシジミはヤマトシジミと同様で草の上にその姿をみたが、モンキチョウは葉の下に静止していた。やはり塒の状態はチョウの種類で異なるのだろうか。

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センダングサに休むベニシジミ . A small copper resting on the Devil's Beggartick in the background of Mt. Fuji

Olympus OMD E-M5, Panasonic 8mm fish-eye, MZD 14-15-mm, Kofu-shi, Yamanashi



ドラマチックトーン Dramatictone

アートフィルターのドラマチックトーンで撮影した新潟の風景。
(上は北陸道のあるパーキングから、下は新潟市内のホテルの部屋から撮影)

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新潟の風景 .The landscape of Niigata

Olympus OMD E-M5, MZD 14-150mm, Kofu-shi, November-10-2012, Yamanashi



Afterword

暦の上ではすでに冬になってしまった。

この頃、1年の歩みがとても速く感じる。子供のころの一年といえば、肉体的にも精神的にも大きく変化し、しばしばそれを実感できるので長く感じるが、大人になってその変化が乏しくなると、毎日の変わらぬ生活の中で一年がすごく短い。でも、年を重ねることで良いこともある。それは人を思いやる余裕ができて、人に優しくなれることだ。そんなことを考えると、齢をとることもあながち悪くないなと思えるようになった。





以上、by 虫林花山




by tyu-rinkazan | 2012-11-11 13:49 | ▣ヤマトシジミ | Comments(20)

20121103 晩秋の散歩道:秋色のヤマトシジミ

Nature Diary vol.7(55):#480

Diary

今週末は締め切りを過ぎの原稿書きで部屋に蟄居。

でも、外は晴れているのに一日中部屋に閉じこもっているのは不健康だし、精神衛生上もよろしくない(すぐにそれらしい理由をこじつける)。そこで、結局のところお昼過ぎにカメラをもって大学の構内をのんびりと散策してみることにした。

昼下がりとはいえ、風は少し冷たく、日差しが目に眩しい。
そろそろ冬の足音でも聞こえてきそうな季節になってきた(暦では11月7日が立冬)。


ヤマトシジミ; The Pale Grass Blue

グラウンドの草地にはヤマトシジミがとても多い。

突然、一頭のヤマトシジミが足元から飛び出し、風にあおられるように舞い上がって近く木の葉の上に静止した。ヤマトシジミそのものよりも紅葉した葉とのコントラストがなかなか綺麗に目に映った。思わずそっと近づいて秋色に染まったヤマトシジミを撮影。

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紅葉とヤマトシジミ The Pale Grass Blue and red leaves of autumn
Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi


ヤマトシジミのベッドはネコジャラシ(エノコログサ)の穂。

午後3時を過ぎて陽が傾いてくると何頭ものヤマトシジミがネコジャラシの穂の上に静止していた。
かれらはそのまま穂のベットの上でじっと夜を越すのだろう。

逆光の西日がヤマトシジミとネコジャラシを染めていた。

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エノコログサの穂上に休むヤマトシジミ A female of the Pale Grass Blue on the green foxtail

Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi


この時期のヤマトシジミたちは「冬化粧」。
オスの翅表は明るく白っぽくなり、メスには青い鱗粉がのる。

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ヤマトシジミ♂ A male of the Pale Grass Blue
Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi

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ヤマトシジミ♀ A female of the Pale Grass Blue

Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi



ヒメアカタテハ; The Painted Lady

ヒメアカタテハは英名をPainted Ladyという。「ヒメアカタテハ」というどこか無機質な名前よりも、英名のPainted Lady の方がオシャレで粋に思えてしまう。このPainted Ladyとは「化粧した女性」それとも「描かれた女性」?

面白いことに、ビクトリア王朝風の多色に塗られた家もPainted Ladyと呼ばれているらしい。

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ヒメアカタテハ The Painted Lady
Olympus OMD E-M5, Panasonic Lumix G Fisheye 8mm, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi



トノサマバッタ; The Migratory Locust

今回は意外にのんびりとした個体を発見できたので、背景のグラウンドを入れて撮影した。ちなみにこのグラウンドは学生たちが使用しない日中にはヴァンフォーレ甲府(今期サッカーJ2で優勝、来期はJ1昇格決定)が練習に使用している。

ヴァンフォーレ甲府よJ2優勝おめでとう。

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トノサマバッタ The Migratory Locust 

Olympus OMD E-M5, Panasonic Lumix G Fisheye 8mm, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi



銀杏の実; Gingko nuts

構内には銀杏の実がたくさん落ちていた。少し臭い。
銀杏の苦味が大人の味。

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銀杏の実 Gingko nuts 

Olympus OMD E-M5, MZD ED60mm Macro, November-3-2012, Chuo-shi, Yamanashi



Afterword

そういえば、福島地域のヤマトシジミに奇形が多発していることを琉球大の研究グループが報告した。Scientific Reports 2 : 570 doi: 10.1038/srep00570 (2012)。論文ではその原因が東京電力福島第一原子力発電所事故の放射能被曝によると結論している。ヒトとチョウでは放射線感受性が異なるので何とも言えないが、興味深い報文だ。でも、原発事故との関連については慎重に考察したほうが良いかもしれないな。

このところとにかく忙しくて、書かなくてはいけない原稿がたまってしまい、天気が良いのに朝から出勤して部屋で原稿書きになった。イソップ童話の「アリとキリギリス」に出てくるキリギリスのように暖かい間に怠けていたのがいけないのだ。寒い冬に備えてもっと早くから準備しておくべきだったな。

でも、そのおかげでヤマトシジミをゆっくりと観察できた。
人間万事塞翁が馬



以上、by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2012-11-04 09:55 | ▣ヤマトシジミ | Comments(16)