NATURE DIARY

tyurin.exblog.jp

<   2013年 02月 ( 4 )   > この月の画像一覧

20130224 早春の散歩道:越冬明けキタテハなど

早春賦:
春は名のみの 風の寒さや 
谷のうぐいす 歌は思えど 
時にあらずと 声もたてず


これは「早春賦」という歌の一節。2月も末になって、ところどころに春の兆しを見つけることができるようになった。でも、今週末は数年に一度という強烈な寒波が日本を襲来し、北日本では大雪になってしまったようだ。当地では雪は降らなかったものの冷たい北風が一日中吹き荒れて、コートの襟を立て、マフラーと手袋なしに外を歩けないほどだった。ウーム、血圧が-----。

 ****************************************************************************************************

Diary

県南では小さいながらも「菜の花畑」を見かけた。
土色一色の野に菜の花の黄色は目にしみるようだ。思わず、虫のように花に吸い寄せられる。

突然、カンカンカン カンカンカンという踏切の遮断機の音------甲府に向かう身延線の電車がやってきた。

d0090322_13552046.jpg
県南の春..Spring of Southern District
.
(Sony RX100, Feb-24-2013, Nanbu-cho, Yamanashi)


この菜の花にニホンミツバチが訪れていた。

養蜂を目的に持ち込まれたセイヨウミツバチに比べて、在来種であるニホンミツバチでの養蜂は難しいらしい。友人がニホンミツバチの養蜂をしているようなので、いつかこのハチの蜜にありつけるのではないかと楽しみにしている。成功してほしい。

脚に大きな花粉団子がついている----働き者だ。

d0090322_13563485.jpg
菜の花を訪れたニホンミツバチ...A Japanese haneybee visiting the rape flower.
.
(Sony RX100, Feb-24-2013, Nanbu-cho, Yamanashi)


█ キタテハ The Asian comma
線路脇の土手は日当たりが良くてタンポポなどが咲いていた。
少し前の草むらから1頭のタテハチョウ飛び出した。

越冬明けのキタテハだ。

d0090322_13575766.jpg
草の上で日光浴するキタテハ...An Asian comma waked from overwintering basking on the glass.
.
(Canon 7D, EF100mm Macro, Feb-24-2013, Nanbu-cho, Yamanashi)


この時期では普通種のキタテハといえど、胸が高鳴り、わくわくしてくる。
もう少しクローズアップしたかったが、あっけなく飛び去った。

シーズン初期の撮影では「撮気」を消すのは難しいな。

d0090322_13584624.jpg
d0090322_13593041.jpg
草の上で日光浴するキタテハ...An Asian comma waked from overwintering basking on the glass.
.
(Canon 7D, EF100mm Macro, Feb-24-2013, Nanbu-cho, Yamanashi)



█ ベニシジミの幼虫 The Small Copper
家の近くの土手でベニシジミの幼虫を探した。
スイバの葉をゆっくり見ていくと葉の表面に比較的小さな幼虫発見。

河川敷の道路脇なので、ジョギングする人がひっきりなしに通り過ぎる。

d0090322_1548153.jpg
ベニシジミの幼虫(赤桃色の鮮やかな帯模様をつけているタイプ)..A caterpillar of the Small Copper (Red type)
.
(Sony RX100, Feb-24-2013, Kofu-shi, Yamanashi)


ベニシジミの幼虫は、赤色の帯模様が発達したタイプと緑色のタイプがある。
幼虫といえど赤色タイプはなかなか美しい。

d0090322_1405389.jpg
ベニシジミの幼虫(赤桃色の鮮やかな帯模様をつけているタイプ)..A caterpillar of the Small Copper (Red type)
.
(Canon 7D, EF100mm Macro, Feb-24-2013, Kofu-shi, Yamanashi)

d0090322_1413158.jpg
ベニシジミの幼虫(緑色のタイプ)..A caterpillar of the Small Copper (Green type)
.
(Sony RX100, Feb-24-2013, Kofu-shi, Yamanashi)



█ テントウムシ The Lady Bird
陽だまりでは、ナナホシテントウが活発に動きまわっていた。

d0090322_142610.jpg
ナナホシテントウ...
.
(Canon 7D, EF100mm Macro, Feb-24-2013, Kofu-shi, Yamanashi)

d0090322_1425739.jpg
カメノコテントウ...
.
(Sony RX100, Feb-24-2013, Nanbu-cho, Yamanashi)



Afterword
本日は気温が低く風も強かったが、今年羽化した新成虫を期待して散歩した。案の定、新成虫は見ることができなかったが、越冬明けのキタテハが喜ばせてくれた。土手のスイバにもベニシジミの幼虫たちが葉を食んでいて、春はそこまで来ている。
来週あたりは新成虫を見えることができるかな。

<Wifi機能付きSDカード>
d0090322_14363234.jpg最近、コンデジでの撮影にはWifi付きのSDカードを使用している。このSDカードを使用すると、iPadやPCにコードレスで撮った写真を簡単に送ることができる。SDカードとしては割高だが、日常のスナップ写真には意外に使いやすいので紹介しておく。

Nature Diary vol.8(10): #497
Written by 虫林花山






by tyu-rinkazan | 2013-02-24 14:05 | Comments(10)

20130216 県南の散歩道:トゲフタオタマムシなど

Nature Diary vol.8(09): #496.

Diary

本日は晴れているが、風が強くて、すこぶる寒い。

昨日は東京からの帰宅が遅かったので、朝起きるのがとても億劫だった。
春眠暁を覚えずならぬ虫林暁を覚えずなのだ。

でも、春は確実にそこまで来ているので、ウィークエンドナチュラリストの端くれとして布団の中にじっとしているわけにはいかない。小さなオリンパスの OM-D だけを持って(最近はこのパターンが多い)、久しぶりに県南部の南部町を散歩してみることにした。これといった目的が無い、春を探す散歩といったところかな。


林道の入り口近くで、満開の「マンサクの花」を見つけた。

d0090322_17461151.jpg
マンサクの花...The yellow flowers, Hamamelis japonica, in full bloom 
.
(Olympus OM-D E-M5, M-ZD, ED60mm Macro, Feb-16-2013, Nambu-cho, Yamanashi)



█ トゲフタオタマムシ Jewel beetle, Dicerca tibialis Lewis
杉の樹皮を少しめくってみると、中型のタマムシを発見。
なんと以前から撮影したいと思っていた トゲフタオタマムシ だった。

それにしても、こんなところでひょっこり出会うとは------嬉しい驚き。

d0090322_17472466.jpg
トゲフタオタマムシ...
.
(Olympus OM-D E-M5, Panasonic Lumix G 8mm, Feb-16-2013, Nambu-cho, Yamanashi)


トゲフタオタマムシは成虫越冬する。

トゲフタオタマムシは山梨県ではあまり注目されていないが、長野県のレッドデータブックをみると"絶滅危惧種1類"に入っている。昔、丹沢山塊の大山でスギの菰巻きに越冬個体が集まることがわかり、多くの虫屋が本種を採集するために冬に大山詣をしたものだ。以来、虫林もいつか本種に出会ってみたいと思っていた。

このタマムシは Rhagium (ハイイロハナカミキリの仲間)のような地味な色彩だが、何ともいえない風格と美しさが虫屋を魅了するのだろう(完全な欲目?)。ワビサビの世界を理解できる諸兄ならば、この虫の美的価値がわかると思う。

d0090322_17475533.jpg
トゲフタオタマムシ...
.
(Olympus OM-D E-M5, Panasonic Lumix G 8mm, Feb-16-2013, Nambu-cho, Yamanashi)



█ クロウリハムシ Aulacophora nigripennis

スギの樹皮下にはクロウリハムシの集団越冬も見かけた。
クロウリハムシは黄色い前胸背と黒い鞘翅のコントラストが面白い。

d0090322_17502921.jpg
クロウリハムシの集団越冬...
.
(Olympus OM-D E-M5, M-Zuiko, ED60mm Macro, Feb-16-2013, Nambu-cho, Yamanashi)



█ アカホシテントウ Chilocorus rubidus

d0090322_1750573.jpg
アカホシテントウ...
.
(Olympus OM-D E-M5, M-Zuiko, ED60mm Macro, Feb-16-2013, Nambu-cho, Yamanashi)



Afterword
本日は天気が良かったものの気温は低く、風も強かった。こんなに寒ければ、県南といえども新成虫など期待薄といえるだろう。でも、今まで撮影したいと思ってきたトゲフタオタマムシを見つけたことはラッキーだった。

春の足音は確実に聞こえてきている。
来週あたりはそろそろ新成虫に期待できるかもしれないな。

以上、by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2013-02-17 17:52 | Comments(6)

20130210 真冬の散歩道:ミスジチョウの越冬幼虫を探して

Nature Diary vol.8(08): #495.

助演賞のチョウ
ミスジチョウというチョウはけっして少ないチョウではないが、コミスジのようにどこにでもいるというチョウでもない。何かほかのチョウを目的とした散歩のついでに偶然見かける脇役的なチョウ------だと思う(失礼)。しかし、脇役といっても、そのしぶい色彩といい、どことなく漂う風格といい、通の虫屋をうならせる味がある。もしも、日本のチョウの世界にアカデミー賞があれば(あるわけないけど)、「助演男優賞」か「助演女優賞」をもらえるにちがいない。

ミスジチョウの幼虫は、枝に固定された「カエデの枯葉揺り籠」の中で越冬する。冬に何度かこの幼虫撮影にトライしたことがあるが、虫林の目が悪いためか、根性がないためか、はたまた幼虫がシャイなためか、理由はよくわからないがこれまで不調に終わっている。今年の冬こそ----。

 ****************************************************************************************************


Diary


昨年の6月、偶然に入った南アルプス前衛の山の林道で、いやに多くのミスジチョウを見かけた(ミスジチョウの林道)。そこで、今回のフィールド散歩は、その林道を再び訪れて、カエデの枯れ葉で越冬しているミスジチョウの幼虫を探してみることにした。クロスフィンガー。


途中、富士山が見渡せる梅林では、すでに蕾がほころんで花がチラホラと咲き始めていた。
梅の開花からみると、今年の季節の歩みは思ったよりも遅れていないのかもしれない。

d0090322_12322670.jpg
咲き始めた梅の花...The Japanese apricot coming into bloom
.
(Olympus OM-D E-M5, M-Zuiko, ED60mm Macro, Feb-10-2013, Feb-03-2013, Kofu-shi, Yamanashi)



█ ミスジチョウの越冬幼虫探索 Exploring of overwintering caterpillars of the Sailer

踏み台にのって、手が届く範囲の枝に残る枯葉をチェックしてみた。
越冬幼虫が----いるはず、----いるかも、----いてほしい、----いてください----ん、枯葉に怪しい幼虫を発見。

ミスジチョウの幼虫発見!

d0090322_12332463.jpg
カエデの枯葉で冬眠するミスジチョウの幼虫...
.
(Olympus OM-D E-M5, Panasonic Lumix G 8mm, Feb-10-2013, Hokuto-shi, Yamanashi)


ミスジチョウの幼虫はポッテリと太っていて、枯葉と同じ色をしている。
同じ仲間のオオミスジの越冬幼虫に比べると、大きさは10倍以上はあるだろう。

d0090322_123453.jpg
d0090322_12342928.jpg
カエデの枯れ葉の中のミスジチョウの越冬幼虫...
.
(Olympus OM-D E-M5, M-Zuiko, ED60mm Macro, Feb-10-2013, Hokuto-shi, Yamanashi)


拡大すると、トゲトゲがついた突起がクール。
一言で表現すると「キモ可愛い(気持ち悪いけど可愛い)」。

d0090322_12355893.jpg
拡大:”キモ可愛い”ミスジチョウの越冬幼虫...
.
(Olympus OM-D E-M5, M-Zuiko, ED60mm Macro + Nikon 50mm (reverse), Feb-10-2013, Hokuto-shi, Yamanashi)



Afterword

土曜日は東京出張のおりに渋谷のギャラリーで開かれているShippoさんの個展「輝く小さな命たち」に立ちよった。Shippoさんの感性豊かで色鮮やかな作品をゆっくりと拝見し、また撮影時の苦労話なども興味深く拝聴しました。久しぶりにShippoさんとお会いできて嬉しかった。
個展のご成功、おめでとうございます。

今回はやっとミスジチョウの幼虫を発見できた。
これで、今年の課題を一つクリアできてほっとしています。

以上、by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2013-02-11 12:42 | Comments(18)

20130203 富士の散歩道:ミヤマカラスシジミの越冬卵

Nature Diary vol.8(07): #494

越冬するヤマキチョウの謎
成蝶で越冬したチョウは、越冬明けにはそれなりに「尾羽打ち枯らす」が、ヤマキチョウだけは越冬明けでもまるで新成虫のようにピンシャンの翅をもつ。これはヤマキチョウの翅そのものの性質もあるかもしれないけど、越冬する場所も影響しているにちがいない。しかしながら、越冬しているヤマキチョウの姿は、現在でもなお謎に包まれたままになっている。

このヤマキチョウの越冬態の解明は、チャレンジする価値があるサブジェクトだとは思うけど、「砂の中から針を探す」ほどに難しいかも----「どげんかせんといかん」(宮崎弁?)

 ****************************************************************************************************

Diary

毎日バタバタと暮しているうちに、すでに「節分」になり、明日は「立春」だ。
ウーム、春が待ち遠しいな。

日曜日は朝起きると気持ちよく晴れていて、気温も高い(まるで春のような陽気)。
そこで、「謎のヤマキチョウ越冬態」を探すためにヤマキチョウが棲む富士山麓の草原に向かった。


途中、富士五湖の一つの精進湖を通りかかると、氷結した湖面にはワカサギ釣りの船が数艘浮かんでいた。ステレオタイプで背景に富士を入れたが、富士山という山には雲がないと面白くない。ちょうど、中腹を雲がおおってくれたので、この時とばかりに撮影した。「雲が無い富士山なんて、クリープを入れないコーヒーのようなもの」だな(古い)。

d0090322_18351983.jpg
精進湖と富士山...The boats for Wakasagi fishing on the freezing lake in the background of Mt. Fuji.
.
(Olympus OM-D E-M5, M-ZD 14-150mm, Feb-03-2013, Fuji-kawaguchiko-machi, Yamanashi)


ふと、スギの木を見ると雄花(杉は雌雄同株)が沢山ついて赤茶色を帯びていた。
こりゃあ、今年も花粉が沢山飛びそうだな。見ているだけで鼻がむずむずしてくる。

春になると日本人の10人に1人(東京では5人に1人)に花粉症の症状が出る。
花粉症はヒトだけでなく、犬や猫までなる日本の国民病。

何を隠そう、虫林も毎年春になると鼻水が出て、目がかゆくなり、頭がボーとしています(いつもかも)。でも、花粉が飛散する春はフィールド散歩が最も楽しい時期でもあるので、めげずに散歩してしまう。かくして、鼻水をポタポタと垂らしながらカメラをかまえる羽目になる。仕方ないな。

今年は昨年よりも花粉の量がかなり多いらしいので要注意。

d0090322_18354843.jpg
スギのオス花(花粉症の原因)...The flowers of Japanese Cedar producing pollen that causes hay fever
.
(Olympus OM-D E-M5, M-ZD 14-150mm, Feb-03-2013, Fujikawaguchiko-cho, Yamanashi)


大きな富士山に見守られながら、「幻のヤマキチョウ越冬態」を求めて、広い草原の中を枯草の間、茂みの中、岩の間などをのぞきながらうらうらと散歩した。案の定、越冬しているヤマキチョウはおろかチョウの姿を一頭も見つけることができずに玉砕。

でも、本日は穏やかな気候で、富士山麓の広い草原を歩いただけでも気持ちがよかった(負け惜しみかな)。

d0090322_183627.jpg
ヤマキチョウが棲む(はずの)富士山の草原...Grassland of Mt.Fuji
.
(Olympus OM-D E-M5, M-ZD 14-150mm, Feb-03-2013, Fujikawaguchiko-cho, Yamanashi)



ミヤマカラスシジミ越冬卵  Overwintering egg of the Mera Black Hairstreak

この草原では夏にミヤマカラスシジミをよく見かける。

そういえば、これまでこのチョウの越冬卵を撮影していないことを思い出した。ならば、ミヤマカラスシジミの越冬卵でも探してみることにしよう。昆虫写真家の海野和男氏の「小諸日記」によれば、「ミヤマカラスシジミの卵は、冬のチョウの卵の中で最も見つけやすい」と紹介されている------目に自信がない虫林でも見つけることができるかもしれない。

1時間ほど探して、何とかクロツバラの枝に小さな越冬卵を数個発見。
「朝飯前」と思ったのが、結局「夕飯前」くらいだったな。

d0090322_22563995.jpg
ミヤマカラスシジミの越冬卵... An overwintering egg (arrow) of the Mera Black Hairstreak
.
(Olympus OM-D E-M5, Panasonic Lumix G 8mm, Feb-03-2013, Fujikawaguchiko-cho, Yamanashi)


越冬卵が付いている場所は新芽のある細い枝だった。

d0090322_18362772.jpg
ミヤマカラスシジミの越冬卵...
.
(Olympus OM-D E-M5, M-Zuiko, ED60mm Macro, Feb-03-2013, Fujikawaguchiko-cho, Yamanashi)


ミヤマカラスシジミの越冬卵の表面は、通常のゼフィルスに比べて突起が短くてすこしのっぺりとした感じでした。特徴はガラス細工のような透明感がある編み目模様ということです。

d0090322_18363848.jpg
ミヤマカラスシジミの越冬卵...
.
(Olympus OM-D E-M5, M-Zuiko, ED60mm Macro + Nikon 50mm (reverse), Feb-03-2013, Fujikawaguchiko-cho, Yamanashi)



Afterword

結局、今回も越冬するヤマキチョウを見つけることができなかった。
無駄な努力もいつかは報われることを期待している。

また懲りずに探索してみよう。
Never give up!



以上、by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2013-02-04 18:41 | Comments(12)