NATURE DIARY

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20130421 青葉の散歩道:オトシブミ(落とし文)など

落とし文
落とし文とは、江戸時代の女性が秘めたる思いを綴って、恋する男性の前にそっと落とした「恋文」の事だと長い間おもっていた(ロマンチック)。しかし、デジタル大辞泉によれば、政治批判など公然と言えないことを書いて落としておく「落書」あるいは火付けなどの脅迫文を書いて家に投げ込んだ「捨て文」のことらしい。ということは、現在の社会ではさしずめ「ジャンクメール」に相当するものかも知れないな----少し残念。

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Diary

今週末は出張や雨のために散歩に出られないので、先週の未公開写真を供覧。
青葉繁れる候---命の活性が嬉しい季節。

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------The Season of Fresh Geen Leaves

------- Sony syber shot DSC-RX100


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------Summer Visitor “Ooruri”

------- Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM


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------ Phialodes rufipennis "Ashinaga-Otoshibumi"

------- Sony syber shot DSC-RX100



揺籃が完成して、最後の仕上げの切り落とし作業をしているヒメクロオトシブミ♀。
そばで♂が様子をうかがっている。

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------ Apoderus erythrogaster "Himekuro-Otoshibumi"

------- Sony syber shot DSC-RX100



「ムシクソハムシ(虫糞葉虫)」とは何ともひどい名前だな-------ウーム、でもいえてるかも。

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------ Apoderus erythrogaster "Mushikuso-Hamushi"

------- Sony syber shot DSC-RX100



スイセンの学名はナルキッサス Narcissus という。
ギリシャ神話の美少年 Narcissus とコツバメの組み合わせ。

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------ Tailless Hairstreak "Kotsubame"on the flower of Narcissus

------- Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM


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------Yellow Tip "Tsumaki-cho"

------- Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM





Nature Diary vol.8(22): #509
April 2014, Yamanashi
Written by Tyurinkazan (虫林花山)

by tyu-rinkazan | 2013-04-21 10:55 | Comments(10)

20130414 越中・越後の散歩道:桜とギフチョウ

過去回帰 Back to the past
中学生の頃、友人と二人で訪れた神奈川県の丹沢山中で、満開の桜の花に次々と飛来するギフチョウ(桜ギフ)に狂喜した。時は過ぎ、丹沢のギフチョウはすでに絶滅してしまったが、その時の桜ギフの記憶(興奮)は大脳の記憶中枢にしっかりとホールドされ、今でもけっして消えることはない。桜ギフは当時の僕にワープさせてくれるのだ(過去回帰 Back to the past)。

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Diary

日曜日は、 kmkurobeさん (安曇野の蝶と自然)の「越中・越後の桜ギフ撮影行」に同行させていただくことになった。
また、ネイチャーkendamar さんネイチャーKendamarの歳時記)もご一緒でさらに楽しみだ。

待ち合わせ場所の白馬村には早朝7時前に到着した。霜が降りて白くなった地面に土筆、蕗の薹が伸び、背景には白馬連峰が白く輝いていた。虫林が好む古いアメリカンポップスに「朝日のあたる家」というタイトルの歌があるが(昔は懐メロなどバカにしていたものだが、今では---)、早朝の白馬ではそれをもじって「朝日のあたる土筆(ツクシ) 」を撮影してみた。いつ訪れても、何度訪れても、白馬村はへっぽこ写真家の僕に撮る勇気を与えてくれる。うーむ、パワースポットかも?

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------ The Horsetails of the Rising Sun

-------- Ricoh GR-D III




█ ギフチョウ The Luehdorfia
昨年も桜の時期に訪れた越中の桜ギフポイントを再訪。桜の花は8分咲きから満開。
ギフチョウたちがポツポツと桜の花に飛来----桜ギフ撮影。

ここの桜の木は高いので、下から見上げると必然的に背景が空になってしまい、チョウの姿が逆光でつぶれてしまうのが難点だ。そこで、樹高2mほどの幼木や下の方まで枝がある木を選んで、その周りで座ったり寝転んだりして待機することにした。ギフチョウたちは土手に咲くタチツボスミレで吸蜜した後に地表近くを飛んでくるので、最初は桜の木の低い場所で吸蜜するはずだ------というと聞こえが良いが、実のところ連戦で少し疲れていたのでさぼって休んでいたというのが本音。

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------ The Cherry Luehdorfia

--------Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM



カタクリとギフチョウのツーショットは「日本の春」の風物詩として有名だ。ところが、ギフチョウの発生地ではカタクリが無い場所の方が圧倒的に多いのだ(大部分はスミレでの吸蜜)。ステレオタイプの概念にとらわれて、わざわざ本来無いはずのカタクリを植えている保護地域もあるみたいだが、そんな場所でしょぼいカタクリの花をみても違和感しか感じないのだが-----。

桜ギフもカタクリギフと同様に「日本の春」の風物詩だと思う。
しかし、なかなかサクラの花とギフチョウの満足できる写真が撮れない。

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------ The Luehdorfia suckling nectar from the cherry blossom.

--------Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM



待機した桜の木の近くに何本かのオオヤマザクラがあった。オオヤマサクラは基本的には野生種で、ソメイヨシノよりも明らかにピンクが濃く、ベニヤマザクラ(紅山桜)とも呼ばれている。どちらかといえば北方系で、北海道や東北地方にこの桜の名所が多いようだ。薄茶色の若葉も伸びていて、ソメイヨシノとは雰囲気が明らかに異なる。

待っていると、そのオオヤマサクラの花にもギフチョウたちは訪れてくれた。

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------ The Luehdorfia suckling nectar from the Sargent's cherry

--------Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM



白馬村までの帰途に立ち寄った越後では新鮮なオスを撮影。
色白の越後美男子。南信で黒ギフを撮影した後だったので、ことさら白く見えた。

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------ The white Luehdorfia

--------Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM



ここのカンアオイはスペードの形の葉が面白い。
クビキカンアオイ(クロヒメカンアオイ)というらしい。

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------ Heterotropa yoshikawae

--------Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM



日本海側のイカリソウはシロバナになる。
ナガバではないスミレサイシンも目に新鮮だ。

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------ Epimedium grandiflorum and Viola vaginata

--------Canon EOS 7D, EF 300mm F4 L IS USM




Afterword
本日は気温が高いものの雲が覆っていて、時々雲が切れて日がさすとギフチョウたちがポツポツ飛来した。この場所は昨年の実績から考えると、もう少し多くの個体を期待したのだが、なかなかそうはいかないのが自然である。
でも、目的の桜ギフは十分に楽しめたのでいうことなし。

蝶写友 kmkurobeさん、ネイチャーKendamarさんには今回もお世話になりました。
越中、越後での楽しい Back to the past の一日でした----感謝。


Nature Diary vol.8(21): #508

April 14th, 2013, Toyama and Nagano
Written by Tyurinkazan (虫林花山)

by tyu-rinkazan | 2013-04-16 22:00 | ▣ギフ | Comments(16)

20130413 南信の散歩道:黒ギフ

黒いギフチョウ Black Luehdorfia
天竜川の中流域に棲息するギフチョウは、ダンダラ模様の黒い帯の部分が太くて、見た感じが黒っぽく見えるので「黒ギフ」と呼ばれている。その色彩変化は地域特異ではあるが、亜種 subspecies と言えるほどの顕著ではない(そもそもギフチョウには亜種は無い)。
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Diary

今週末は寒いが、久しぶりに天気が良い。
そこで、「南信の黒ギフ」を見に行くことにした。

しばらく待っていると、ミツバツツジの花に三々五々にギフチョウが訪花。

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-Luehdorfias feeding nectar on the Rhododendron dilatatum

------ Canon EOS 7D, EF300mm



黒ギフといっても個体差がある。
黒いものは飛翔中でも認識できるほどだが、通常と変わらないレヴェルの個体もある。

下の写真の個体はけっこう黒い方だと思う。

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- Black Luehdorfia

------Canon EOS 7D, EF300mm



ここのギフチョウの食草はヒメカンアオイ。
葉裏に卵を見つけた。

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- Heterotropa takaoi

------Canon EOS 7D, EF100mm Macro



Afterword
明け方は寒くて現地では霜が降りていた。ギフチョウの飛翔は午前9時30分を回ってからだったが、出現するとどこからともなく次々にミツバツツジの花に訪花してくれた。しかし、時期的にはミツバツツジはぎりぎりで、蝶も古い個体が多かった。現地で何人かの知り合い方とお会いできたのもうれしかった。

Nature Diary vol.8(20): #507
April 13rd, 2013, Nagano
Written by Tyurinkazan (虫林花山)




by tyu-rinkazan | 2013-04-13 23:32 | Comments(20)

20130407 爆弾低気圧後の散歩道:ハラグロオオテントウムシなど

爆弾低気圧 Bomb Cyclone
今週末は爆弾低気圧で、日本列島の各地が記録的な大雨や暴風に見舞われた。死傷者まで出たようだ。この爆弾低気圧は温帯低気圧が発達したもので、熱帯低気圧が発達した台風とは違うそうだ。それにしても低気圧の名前に「爆弾」はないよね「爆弾」は。僕だったら「スーパー温帯低気圧」もしくは「春の台風モドキ or 台風ダマシ」と呼ぶだろう。

ウーム、後者は虫の名前のようにも聞こえるな。命名とは難しいものだ。
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Diary

日曜日は不穏な天気で、風が強く吹いた。
でも、午後になると嘘のように晴れ、空気も異常なほどに澄み渡った。

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-Mt. Fuji after Spring Storm

------Olympus OM-D E-M5, MZD14-150mm



午後からのんびりと近場を散歩。
葉裏に日本最大のテントウムシ(ハラグロオオテントウ)発見。

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-The Largest Ladybird, Callicare superba, in Japan

------Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Flash(+)


カメノコテントウも負けず劣らず大きなテントウムシ。
逆行では鞘翅に光が透過してとても綺麗だった。

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-Aiolocaria hexaspilota

------Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Flash(+)



ヤマブキの花とモンカゲロウ.
どこか春を思わせる。

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-Ephemera strigata

------Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Flash(+)




Afterword
春の嵐ともいえる爆弾低気圧の影響で、一日不穏な空模様だった。午前中は天気の様子を見たので(ただのんびりしただけ)、午後からしか散歩することができなかった。本日(日曜日)はチョウが飛ぶ姿はほとんどなかったので、あくせくせずにゆっくりと他の昆虫たちとの出会いを楽しめた。とくに、今まで過去に一度しか撮影していないハラグロオオテントウムシが多く集まる木を発見できたのは嬉しかった。ここには出さなかったが交尾シーンまで撮影できたのだ。

たまには、こんな気楽な散歩も良いものだな。
最後に今回の爆弾低気圧で被災された方々には心よりお見舞いを申しあげます。


Nature Diary vol.8(19): #506
April 7th, 2013, Kofu, Yamanashi
Written by Tyurinkazan (虫林花山)





by tyu-rinkazan | 2013-04-09 10:48 | Comments(5)

20130406 夜の散歩道:エゾヨツメとオオシモフリスズメ

虫眼鏡ノート:
d0090322_167169.jpgノーベル賞作家 ヘルマンヘッセの 「少年の日の思い出」 という短編は、「クジャクヤママユ」という綺麗な蛾を友達から思わず盗んでしまった少年のことが哀しくも美しく描かれています。これを読むと、ヨーロッパ(舞台はドイツ)では、蛾と蝶は同等に扱われていることがわかります。さて、日本ではどうでしょうか?-------蝶は好きだけど、蛾はちょっとねという人がとても多いと思います(偏見かな)。

いつか、少年をこれほどまでに狂わせた蛾を実際に見てみたいものです。
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Diary

春爛漫。
色が変わった、音が変わった、風が変わった、空気の香りが変わった-----でも天気がね。

█ エゾヨツメ Aglia japonica microtau
夜、自宅からほど近い武田の杜に行ってみた。
道の脇の灯火に春のヤママユ「エゾヨツメ」が飛来した。

エゾヨツメは日本産のヤママユの中で最も小さくて、雄は開張が6cmほどしか無い。
日本のヤママユの中で唯一春に出現して、日没後すぐに灯火に飛来する習性がある。
本州産は microtau という亜種になるそうだ。

灯火に飛来する蛾の飛翔は意外に速くて、その撮影は難しい。
ストロボ光を工夫しながら何とか写すことができた。

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灯火の周りを飛ぶエゾヨツメ本州以南亜種.. Aglia japonica microtau
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Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Flash(+), April-05-2013, Kofu, Yamanashi


蛾は一般的に翅を開いて静止するが、このエゾヨツメは蝶のように翅を閉じている。
電灯がある場所は高台になっているので、木の枝の間から見える甲府市内の夜景が美しい。

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電柱に静止するエゾヨツメ本州以南亜種.. Aglia japonica microtau
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Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Flash(+), April-05-2013, Kofu, Yamanashi


早春にだけ発生する蝶や蛾は、防寒のためか体に長い毛を持つものが多い。

例えばギフチョウやコツバメ、ミヤマセセリなども体毛は長くて密だ。エゾヨツメも体の毛がとても長くて、まるで高級なミンクのコートでも羽織っているように見える--------暖かそうだ。

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電柱に静止するエゾヨツメ本州以南亜種.. Aglia japonica microtau
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Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Flash(+), April-05-2013, Kofu, Yamanashi


翅を閉じているショットばかりでは面白くないので、少し刺激して翅を開いてもらった。
エゾヨツメは北海道で最初に見つかったので、エゾという名前がついた。さらに翅には明瞭な4つの紋があるのでエゾヨツメということだ。そのまんまの名前だ。

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静止するエゾヨツメ本州以南亜種.. Aglia japonica microtau
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Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Flash(+), April-05-2013, Kofu, Yamanashi



█ オオシモフリスズメ Langia zenzeroides
この時期、ギフチョウが昼の主役なら、夜の主役はオオシモフリスズメ-------かな?

オオシモフリスズメは、以前から是非とも撮影してみたいと思っていたモンスター級スズメガだ(日本のスズメガの中で最大で、開張16cmに達する)。春の早い時期だけに出現するのでスプリングエフェメラルといってもよい。そこで、以前に記事を出されている「ふしあな日記」の Spaticaさん にご教示いただき、長野県南部(多分、北限)の発生地を訪れた。

自宅からはかなり距離があるので、現地に到着したのは12時近くになった。
時期的に少し早めかなと思っていたが、春のモンスター君はちゃんと出迎えてくれた。

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自販機を訪れたオオシモフリスズメ.. Langia zenzeroides
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Canon EOS 60D, Sigma 8mm Fisheye, Flash(+), April-06-2013, Nagano

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ガラスの横に静止するオオシモフリスズメ.. Langia zenzeroides
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Canon EOS 60D, Sigma 8mm Fisheye, Flash(+), April-06-2013, Nagano


白と灰色を基調にして流れるような霜降り模様は意外に気品が高い。
上からよりも横から見た方が迫力がある。

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オオシモフリスズメ.. Langia zenzeroides
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Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Flash(+), April-06-2013, Nagano


オオシモフリスズメには吻(ストロー)が無い。
彼らは生殖のためだけに春の一時期に羽化する。

正面から見ると、どこか動物の顔(牛?)に似ている。

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オオシモフリスズメ.. Langia zenzeroides
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Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Flash(+), April-06-2013, Nagano



Afterword
エゾヨツメ、イボタガ、オオシモフリスズメは春だけに発生する大型美麗種で是非とも撮影してみたいと思っていた。実はオオシモフリスズメの場所ではイボタガも見ることができたのは嬉しかった。

とにかく、あこがれの春のモンスター(オオシモフリスズメ)は美しくそして迫力満点だったな。
来年もまたこのモンスターに会うために、この地を訪れてみたいものだ。
ご教示いただいたSpaticaさんのおかげです-----感謝。



Nature Diary vol.8(18): #505
Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2013-04-06 16:12 | Comments(10)