NATURE DIARY

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20130727 八ヶ岳の散歩道:エルタテハなど

Diary #533 :
日曜日は八ヶ岳で散歩。
笹の葉が上の笹の葉を貫通していた。

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- A bamboo leaf penetrating the upper leaf.

---- Canon EOS 7D, EF100mm Macro



笹原にはチラチラと飛ぶ小型のシジミチョウの姿-----ゴイシシジミ。
このチョウの英名は「森のピエロ(forest Pierrot)」。
そういえば、どことなく愛嬌があるように思う。

最近は小さな昆虫を小さく表現することも面白いかなと思う。
でも、芸術的なセンスが乏しい虫林にはこれがなかなか難しい。

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- The Forest Pierrot.

----Olympus Stylus TG2 tough



ダケカンバの林では足元から羽化したばかりの新鮮なエルタテハが次々に飛び出した。

なかなか敏感で近づくとすぐに飛ばれる。多分、僕の撮気(殺気ではない)を敏感に感じるのかも。
諦めて岩に腰かけて休んでいると、なんと目の前の赤みを帯びた岩の上に静止した。

100㎜マクロで撮影した後にgyorome8でも近接撮影。

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- A male of the Large Comma basking on the reddish stone

---- Canon EOS 7D + EF100mm Macro, Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8



エルタテハという名前は、後翅の裏にある「Lの紋」にちなむ。

しかし、実際には L というよりも単なる白い小さな点の個体も多い。
上を見上げると、ダケカンバの枝の樹液に何頭ものエルタテハが集まっていた。

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- The Large Comma

---- Canon EOS 7D, EF100mm Macro




湿った地面では数頭のアイノミドリシジミが吸水。
何度かトライアルして魚露目で撮影した。

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- The Brilliant Hairstreak

---- Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8



同じ種でも個体変異(斑紋や色彩の多型)を示す昆虫は多い。
ヤツボシハナカミキリはそれがとても顕著だ。

下の2頭はまるで別種のように色彩が異なる。

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- Leptura mimica

---- Canon EOS 7D, EF100mm Macro



動物(タヌキ?)の落し物(糞)にクロヒカゲとクロボシヒラタシデムシ。
タヌキやキツネはどういうわけか石の上で用を足すことが多いようだ。

シデムシの仲間は一般に地味だが、このクロボシヒラタシデムシは前胸背が赤くて美しい。
動物たちの糞は他にも見かけたが、そこにはクロボシヒラタシデムシの姿はない。
多分、鮮度とか乾燥度とか彼らが好む状態があるのだろう。

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- The Diana Treebrown and Oiceoptoma nigropunctatum.

---- Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8




Postscript :
今回の八ヶ岳では、新鮮なエルタテハなどのチョウたちや面白い甲虫たちに出会うことができました。「鵜の目鷹の目」で目的の昆虫だけを探すのも楽しいけれど、視野を広げるとこれまで気が付かなかった面白いことが見えてきますね。見ているけど見えていないことがいかに多いということに驚いてしまいます。

毎年のことですが、夏休みがなかなかとれません------。


Nature Diary vol.8(46): #533
Date: July-28 (Sunday)/2013
Place: Hokuto-shi inYamanashi




by tyu-rinkazan | 2013-07-31 22:42 | Comments(10)

20130727 高原の散歩道:ヒメヒカゲとアカセセリなど

Diary #532 :
ミドリシジミの撮影後に信州の高原に移動。
目的はヒメヒカゲとアカセセリ。

山上の散歩道は吹く風も涼しくて気持ちが良い。

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-Plateau area

---- Olympus Stylus TG2 tough



ススキの間の小道を少し登ると、あちらこちらで小さなヒカゲチョウが飛び出す。
どうやら目的のヒメヒカゲ(the False Ringlet)だ。

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- A female of the False Ringlet resting on the leaf.

----Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01, Canon EOS 7D, EF100mm Macro


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- A male of the False Ringlet resting on the leaf.

---- Canon EOS 7D, EF100mm Macro


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- The False Ringlet resting with the wings opened.

---- Canon EOS 7D, EF100mm Macro


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- The False Ringlet in flying feature

---- Canon EOS 7D, EF100mm Macro


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- Insect-eye image: a male of the False Ringlet.

---- Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8



アカセセリ(The Oriental Chequuered Darter)もたびたび出現。
葉上で静止する姿(占有行動)やフウロソウなどの高原の花で吸蜜する姿を観察できた。

このチョウも今では貴重になったようだね。

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- Insect-eye image: The Oriental Chequuered Darter

---- Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8


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- The Oriental Chequuered Darter showing nectar sucking

---- Canon EOS 7D, EF100mm Macro




ヒョウモンチョウの仲間もところどころで見ることができた。
ギンボシヒョウモン(The Dark Green Fritillary )が多い。

夏も残り少なくなったことを実感するな。

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- The Dark Green Fritillary showing nectar sucking

---- Canon EOS 7D, EF100mm Macro




Postscript :
虫林の一人での散歩では、一日一か所のことが多い。でも、今回は県北部で午前中にミドリシジミを撮影し、暑くなってきた日中はヒメヒカゲ、アカセセリの棲息する高原に移動した。やはりこの蒸し暑い時期は高原で過ごすのが気持ち良いな。目的のチョウたちを撮影後、ペットボトルの水を飲みながら一休みすると、今が何とも贅沢な時に思えてくるのが嬉しい。

残り少ない夏を堪能したいものだ。

Nature Diary vol.8(45): #532
Date: July-27 (Saturday)/2013
Place: Shiojiri-shi in Nagano




by tyu-rinkazan | 2013-07-28 18:04 | Comments(22)

20130727 戻り梅雨の散歩道:ミドリシジミ♀多型など

≪戻り梅雨≫
このところ空模様が思わしくなくて、雨が降りやすい。
梅雨はかなり前にあけているのに-----。
こういう天気を「戻り梅雨」というらしい。

シュレーゲルカエル雨はあがったかな?


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Schlegel's Green Tree Frog

---- Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8


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Diary #531 :
そろそろミドリシジミの時期。
県北部の湿地にあるハンノキ林を訪問。

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-The Green Hairstreak

---- Canon EOS 7D, EF100mm Macro



オスとともにメスのO型、B型、AB型。
ミドリシジミはメスの色彩多型が面白い。

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-Male and Females showing polymorphism of the Green Hairstreak

----Canon EOS 7D, EF100mm Macro



ミドリシジミのメス(B型)を Gyorome撮影。
翅の全開中は意外に近接可能。

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-Insect-eye image of a female, type B, of the Green Hairstreak

---- Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8



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- The Flower Swift

---- Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8



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- Daimio tethys

---- Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8



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- Rosalia batesi

---- Olympus OM-D E-5



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-The rhinoceros beetle and Drone beetle

----Canon EOS 7D + EF100mm Macro , Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8


Nature Diary vol.8(44): #531
Date: July-27 (Saturday)/2013
Place: Hokuto-shi, Yamanashi




by tyu-rinkazan | 2013-07-27 21:44 | ▣ミドリシジミ | Comments(2)

20130720 魚露目の散歩道:オオイチモンジ、ヤリガタケシジミなど

≪Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8≫
d0090322_7162377.jpg海野和男氏の「小諸日記」をみると、「魚露目8」は「TG-2 タフ」との相性が良いらしいね------と、ダンダラさん(小畦川日記)と車の中で話し合っていました。先日、所用で東京へ出かけた際に、新宿のヨドバシでそのオリンパス TG-2タフを購入。さっそく、アダプターを介して魚露目を取り付けてみると、意外にすっきりして "かっけ〜!" (あまちゃん風)。今回の上高地散歩では、この「虫の目イメージ撮影システム」を試してみることにしました。



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Diary #530 :
小梨平からのんびり歩いて明神池に到着。
空は青く晴れ渡り、本日も暑くなりそうだ。

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-Myojin pond in Kamikochi

---- Olympus Stylus TG2 tough



橋の袂に オオイチモンジ♂ が絡んでいました。
さっそくTG-2に魚露目をつけて撮影。

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-Insect-eye image: a Popula Purple resting on the ground by the bridge

---- Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8



河原で キアゲハ が吸水。
100㎜マクロで f5.6で撮影。

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-The Common Yellow Swallowtail

---- Canon EOS 7D + EF100mm Macro



TG-2 に魚露目を付けて、f4.9 で撮影。

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-Insect-eye image: Common Yellow Swallowtails absorbing water in group

---- Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8



ヤリガタケシジミのポイント。
棲息地は極めて小さくて、将来的にはとても危ないように思います。

でも、数頭のヤリガタケシジミを見ることができました。

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-A male of Alpine type of Sky Blue, Yarigatesijimi, resting on the flower of feeding plant

---- Canon EOS 7D + EF100mm Macro


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-A female of Alpine type of Sky Blue, Yarigatesijimi

---- Canon EOS 7D + EF100mm Macro



コヒオドシも吸水に訪れていました。
上高地でコヒオドシを見るのはこれが初めてですが、本日は個体数は少なくありませんでした。

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-The Small Tortoiseshell

----Canon EOS 7D + EF100mm Macro , Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8



日陰でゴイシシジミを見つけました。
ずいぶんと前翅表面の白紋が顕著に出現した個体です。

これまでこれほど美しい個体に出会ったことはありません。

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-Forest Pierrot

---- Canon EOS 7D + EF100mm Macro



Postscript :
今回の上高地では目的の オオイチモンジ♀ を見ることはできませんでした。でも、心配していたヤリガタケシジミを確認できたし、美しい白紋発達 ゴイシシジミ の撮影は嬉しい驚きでした。なお、TG-2 tough と 魚露目8 は確かに相性が良く、画質もほぼ満足がいくものでした。

今日は歩きすぎて足が痛いので、明日の日曜日は完全休養-----軟弱。

Nature Diary vol.8(43): #530
Date: July-20 (Saturday)/2013
Place: Kamikochi, Nagano




by tyu-rinkazan | 2013-07-21 22:14 | Comments(14)

20130713 タイ王国の散歩道 (3):バンコクのチョウたち

Diary #529 :
時間ができたので、宿泊したホテルのコンシェルジェに、
「バンコク市内で昆虫、とくにチョウにあえる場所はありますか?」と尋ねてみた。

すると、彼はいろいろ調べてくれて、
「チャトュチャック公園(Chatuchak Park)ならチョウが多いかも」という返事。

チャトュチャック公園へは最寄りの駅からスカイトレイン(Sky train)という電車に乗っていくのが楽だ。このスカイトレインはロットファイファーとかBTSとも呼ばれ、地下鉄とは反対に高いところを走る(高架鉄道システム)。車内も綺麗で清潔だったし、ホームも風は吹くので気持ち良かった。

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-Skytrain (BTS)

--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01



本日はたまたま土曜日なので、チャトュチャック公園の入り口付近では大きなウィークエンドマーケットが開かれていた。このマーケットは雰囲気が「上野のアメ横」を大きくした感じで、屋台などもたくさん出ていて賑やかだ。

バンコクは大都市だが、東南アジアのディープな世界がそこにあった。

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-Weekend Market

--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01



料理したタガメなどの昆虫食を売っている店があった。

タイの食文化の中で、昆虫食は人気が高いらしい。その中でもタガメは味、香りとも良くて高級食材になっているようだ(値段も高い)。少し購入して食べてみようと思ったが、脚などもついていて口に入れると痛そうに思えた。日本では絶滅危惧Ⅱ類(VU)(環境省レッドリスト)になっているので、タイはそれだけ自然が豊かな証でもあるのだ。

下の上の写真の一番手前がタガメで、その次が蛾の幼虫を調理したもの
下の写真の下の左はバッタで、右はコオロギ

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-Insect Cook

--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01



マーケットの散歩で時間をとってしまい、公園の散歩を開始したのはお昼近くになってしまった。また、マーケットでは、虫林の大好物のマンゴスチン(タイ語ではマンクット)をしこたま買い込んだので荷物が重いのも少しつらいな-----おバカ。

ガジュマルの下を貸自転車に乗った子供たちが元気に走り回っていた。

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- Chatuchak Park

--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01




公園のチョウたち 

公園はとてもよく整備されていて綺麗だが、自然の環境は乏しい。

それでも、花壇の花にはオナシアゲハ(左上)、カバマダラ(右上)、ウスキシロチョウやトガリシロチョウ(左下)などのチョウたちが飛び回っていて、日陰の花にはホリイコシジミ(右下)などもたくさん見ることができた。

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-Butterflies in Chatuchak Park

--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01



公園の一部でエリルスツメアシフタオシジミ (Hypolycaena erylus himavantes )が多い場所を見つけた。しばらく観察していたが、午後になると盛んに占有行動を始めた。まるで、ゼフィルスのようだった。

エリルスツメアシフタオシジミはけっして少ないチョウではなくて、むしろよく見る蝶だが、4本の尾状突起が欠けることなくすべて残っている個体はとても少ない。

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- Hypolycaena erylus himavantes

---Canon EOS 7D, EF300mm



林の中で飛び回っているシジミチョウを見ると、カクモンシジミだった。

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- Leptotes plinius

--- Canon EOS 7D, EF300mm



夕方、シジミチョウがどこからか飛んできて目の前の葉上に静止した

みると、なんとキマダラルリツバメだ。
東南アジアではキマルリと会うことが多い。

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-Spindasis syama

--- Canon EOS 7D, EF100mm




その他 
美しいカミキリムシを見つけた。
僕の好きなフトカミキリの仲間だな。

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- Subfamily Lamiinae Latreille sp.

--- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01



ツムギアリが葉を紡いで巣をつくっている。

ツムギアリにはインドで苦い経験がある。その時はこのツムギアリの巣に触れて、アリが服の中に入りひどい目にあった。このアリはとても攻撃的なのだ。以来、東南アジアではこのツムギアリには注意している。

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- Weaver Ants

--- Canon EOS 7D, EF100mm



白い花と同じ色の純白のクモが、花に身をひそめて獲物を待ち伏せしていた。
まるで花の中に溶け込むような巧みな擬態だ。

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-Spider

--- Canon EOS 7D, EF100mm




これでタイ王国の記事を終了にします。
今回は学会後の連休(日本)を利用しましたので、比較的ゆっくりとフィールドを散歩することができました。でも、行き当たりばったりの散歩でしたが、それでも多くの昆虫たちと出会うことができたように思います。これはタイの持つ自然力の高さに他ならないでしょう。来年もバンコクで僕の研究領域の学会が開かれるので、その時は是非とも参加してみたいなと思っています。

Nature Diary vol.8(42): #529
Date: July-13 (Saturday)/2013
Place: Bangkok, Thailand




by tyu-rinkazan | 2013-07-20 01:08 | ● Thailand | Comments(6)

20130712 タイ王国の散歩道 (2):シロスソビキアゲハなど

≪世界自然遺産の公園≫
カオヤイ国立公園 (Khao Yai National Park) は、野生動植物の宝庫で、インドゾウやトラ、鳥ではオオサイチョウなども棲息している。そのため、2005年にはユネスコの世界遺産に登録された。当初、カオヤイ国立公園は日帰りは無理かなと思っていた。でも、現地で実際に調べてみると バンコクからは200km ちょっとの距離。ウーム、200kmというと東海道線では東京から静岡を越えて藤枝くらい、中央線では東京から上諏訪くらいの距離。往復で400km強くらいだったら日帰りはなんとか可能だな。

ならば、いざカオヤイへ!


下の写真はカオヤイ国立公園の高標高部だが、気持ちが良い草原の中に池が点在している。

道路には「ゾウの横断注意」の看板があった。実際、トレッキングした道の上にも、野生ゾウたちの落し物も落ちていたり(円内)、ジャングル内にも「ゾウの道」があるようだ。ちなみに、道路にゾウが現れたら、車は静かに止まらなければならず、クラクションなどもってのほかである。

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-Khao Yai National Park

-- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01



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Diary #528 :
公園内では一人でむやみにジャングルに立ち入ると道に迷ってしまいトラやコブラの餌食になるので、あまり奥まで歩きまわることができなかった(以前にマレーシアのジャングルで苦い経験があるので)。ここはトップクラスの散歩道なので、いつかガイドを雇ってゆっくりと歩いてみたいと思う。今回はこんな場所に身をおけただけで幸せだ---謙虚。

キシタアゲハ
カオヤイ国立公園の森林が見下ろせるビューポイントに立つと、何頭ものキシタアゲハ(Birdwing)が高い木の周りを滑空していた。東南アジアではしばしば目にする光景といえるが、キシタアゲハの飛翔は雄大で迫力があり、何度見ても幾つになっても胸が高鳴るものだ。写真はEF300mの手持ちで撮影し、かなりトリミングしています。

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-Birdwing

---Canon EOS7D, EF300mm Macro




シロスソビキアゲハ
今回のタイ訪問ではシロスソビキアゲハかアオスソビキアゲハのどちらかでも撮影してみたいなと思っていた。種の稀少性はともかくとして、そのユニークな姿に強く惹かれる

鉄分が多い赤土のトレッキングコースを歩いていると、足元から黒いチョウが飛び立った。

やっと草の上に静止したので確認してみると、尾が著しく長い----憧れのシロスソビキアゲハだった。その後、水たまりやその周囲で何度もその愛らしい姿を見ることができたが、このチョウは意外に敏感で、近寄るとすぐに飛び立ってしまう。飛んでいる姿はまるでトンボのようだ。また、尾が長すぎて切れやすいのだろうか、尾の先まで完全な個体はあまり多くない。

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-Lamproptera curius curius

--Canon EOS7D, EF300mm Macro


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-Lamproptera curius curius

-- Canon EOS7D, EF100mm Macro




ルリモンアゲハ
シロスソビキアゲハを見つけた場所ではルリモンアゲハも多くみかけた。ルリモンアゲハは東南アジアに広く分布し、個体数も多いが、地域によりそれぞれ紋の色合いや大きさなどに少しずつ違いがあって興味深い種といえる。このチョウは(他のアゲハも同じだが)、花に吸蜜するか、地面で吸水しないとなかなか撮影できない曲者だ。


うまい具合に葉の上に翅を全開して静止した。
そっと近づいて近接撮影したが、黒っぽい地に緑色の点が夜空の星のように輝いている。

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-Papilio paris paris、:The Paris Peacock

-- Canon EOS7D, EF100mm Macro



アオタテハモドキ

このトレールにはやたらアオタテハモドキが多い。
青く輝くその姿はそれなりに美しく魅力的だが、あまりに数が多いので------。

動物の糞に群がっていたのには少し驚いた。

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-Junonia orithya

-- Canon EOS7D, EF100mm Macro




チャイロイチモンジ
シロスソビキアゲハを撮影していたらチャイロイチモンジも見かけた。
大きさは日本のオオイチモンジより少し小さいくらいだが、なかなか立派で美しい。

この蝶の色合いは、赤土の上ではカモフラージュになるのかも。

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-Moduza procris

-- Canon EOS7D, EF100mm Macro




ミカドアゲハの吸水集団
公園内の民家の周りでミカドアゲハの吸水集団に出会った。

よく見るとコモンタイマイ(下の写真の左下)やアオスジアゲハアンティファテスオナガタイマイ(下の写真の右下の緑の矢印---見にくいけど)も少数だが混ざっていた。アンティファテスオナガタイマイは優雅なチョウなので、是非とも単独で撮影したいと思ったが、うっかり近づいて飛び立たせてしまい、その後、再び見ることはなかった。

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-Feeding water of CommonJay in group

--Canon EOS7D, EF300mm Macro





アサギシロチョウ♀
フウリンブッソウゲの赤い花にアナイスアサギシロチョウのメスがひっそりと訪れていた。一見するとアサギマダラの仲間かと思ったが、よく見るとシロチョウだった。このアサギシロチョウの♀は有毒のマダラチョウの仲間に擬態しているのだろう。

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- Pareronia anais anais、:The Common Wanderer

-- Canon EOS7D, EF300mm Macro




イワサキコノハ
山の上部の林では大きなコノハチョウも見かけが、残念ながら林の中の暗い場所に入り込んで撮影することができなかった。しかし、標高が低い場所の民家の周りで、イワサキコノハを撮影することができた。翅裏は本当に枯葉そのものにみえる。

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- Doleschallia bisaltide

--Canon EOS7D, EF100mm Macro




タイワンモンキアゲハ

ここにはモンキアゲハとともにタイワンモンキアゲハも同時に棲息する。

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- Papilio nephelus chadon

-- Canon EOS7D, EF100mm Macro




マダラチョウの仲間
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- Danaidae

-- Canon EOS7D, EF100mm Macro




シジミチョウの仲間
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-Lycaenidae

-- Canon EOS7D, EF100mm Macro




カオヤイ国立公園では昆虫の種類、個体数とも豊富で、シロスソビキアゲハなどこれまで憧れてきたチョウたちにも出会うことができました。この公園は標高が1000m以上もあるので、市街地に比較してとても過ごしやすい場所でした。僕が知る散歩道の中でもトップクラスのものでしょう。

ただ、国立公園の周囲では大規模なリゾート化が現在急速に進んでおり、そこでは森林がどんどんと消えていいます。この素晴らしい自然がいつまでも残されることを祈らざるを得ません。


Nature Diary vol.8(41): #528
Date: July-12 (Friday)/2013
Place: Khao Yai National Park, Thailand





by tyu-rinkazan | 2013-07-17 23:16 | ● Thailand | Comments(6)

20130711 タイ王国の散歩道 (1):国立公園のチョウたち

≪Thailand≫
タイ王国 (Thailand) のバンコク (Bangkok) に出張。タイへの訪問は今回が初めてだが、出発前は発表の準備や色々な雑務をこなすだけに終始し、フィールド散歩のことまで考える余裕はなかった。すなわち、タイの自然に関する事前情報は皆無の状態での訪問だったといえる。まあ、僕の海外出張では、時間ができた時に適当に行先をきめることも多いのだ(行き当たりばったりフィールド散歩かな)。本当は日本にいるときにもっと調査をしてくれば良いのにといつも思うだが----後の祭り。

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Diary #527 :
タイ西部のE国立公園を訪問。

バンコク市内のセブンイレブンで購入した地図を見ると、ここは映画「戦場にかける橋」で有名なクワイ川の支流源流付近に位置しているようだ。バンコク市内からはおおよそ200㎞弱、車で3時間ほどの距離にある。

この公園は「7つの滝めぐりトレッキング」を売りしていて、トイレなどもしっかりと整備されている。トレッキングコースを歩いていると、山の中にもかかわらず「滝つぼで水浴び」にした水着姿の若い女性たちとしばしばすれ違った。ちょっと目のやり場に困った----ウーム、本当は困らないか。実のところ、日中のむし暑さで汗だくになったので、虫林も滝つぼで泳いでみたかったが、時間がもったいないので我慢。

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-National Park

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01




タイジャコウアゲハ(アダムソニーベニモンアゲハ) 
歩き始めて間もなく、湿った地面に新鮮なタイジャコウアゲハが吸水していた。

当初、ベニモンアゲハと思っていたが、カオヤイさんにタイジャコウアゲハであることをご教示していただいた。カオヤイさん有り難うございます。南国にはその他にもベニモンアゲハに擬態しているシロオビアゲハのメスがいるので注意が必要ですね。

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-Byasa adamsoni

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01




ルリモンアゲハ
トレールを歩いていると、時折、大きなルリモンアゲハが現れては飛び去っていく。このチョウが飛ぶ姿は、大きな青い紋がチラチラ点滅してとても綺麗だ。虫林はこの蝶を初めて見たのは台湾で、以後、インド、中国南部、フィリピンなどでも見た。以後、このチョウを見ると熱帯アジアに来たことが実感できて嬉しくなる。

午後になると地面で吸水してくれた。

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-Papilio paris paris

-----Canon EOS 7D, EF300mm




シロオビアゲハ
このトレッキングコースで最も多く見たのがシロオビアゲハだった。実はベニモンアゲハに擬態したシロオビアゲハ♀の方が撮影したかったのだが、目撃はできたものの残念ながら撮影はできなかった。

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-Papilio polytes

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01




マハデヴァオナシモンキアゲハ
マダラチョウに見えるがモンキアゲハの仲間。

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-Papilio mahadeva mahadeva、:Burmese Raven

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01




チビフタオチョウ
タイにはフタオチョウが数種いるらしいが、その仲間では最も多いチビ(ヒメ)フタオチョウが現れた。タイの山岳地帯では多いといっても、もちろん僕には初見となる貴重なチョウなので喜んで撮影した。

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-The Common Nawab

-----Canon EOS 7D, EF100mm Macro




レクタリクイナズマ
トレッキングの道脇でレクタリクイナズマが占有行動をしていた。

このチョウは黒い地色に白い線が目立ち、とても上品で美しい。黒服の紳士淑女といったところかな。残念なことに、シャッターを数回押しただけで飛び去ってしまい。しばらく待っていたが戻ってこなかった。タイでは市街地で暑すぎるが、山岳地域のトレッキングは思ったよりも暑くなくて、しばしばこういうチョウたちに出会えるのも嬉しい。

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-The Red-spot Marquis

----- Canon EOS 7D, EF300mm




マルバネイシガケチョウ
やや薄暗い場所で、白いチョウが飛来した。
当初は蛾だろうと思っていたが、近寄ってみるとチョウだった。
(種名はカオヤイさんからのご教示による)

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-Cyrestis cocles.

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01




チャイロタテハ
チャイロタテハがしばしばトレールの地面で日光浴をしていた。
警戒心はあまり強い方ではなさそうで、ゆっくりと近づいて近接撮影できた。

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- Vindula erota

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01




シロチョウの集団吸水
広場の湿った地面では50頭ほどのウスキシロチョウたちが吸水集団を形成していた。虫林は以前に南米でもっと大きな集団を経験しているが、このくらいの規模の集団でも久々に見ると心臓が高鳴り、心拍数は2倍くらいに増える。さすが南国だな。ウスキシロチョウは斑紋多型があってなかなか味わい深いな。

よくみると、ウスキシロチョウの集団の中にメスジロキチョウやツマベニチョウ、スジグロマダラシロチョウなどが見られた。s

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- Feeding water of Catopsilia pomona in group

----- Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01




シジミチョウ
トレールを歩くとロクスシロサカハチシジミやナツメシジにしばしば出会う。

これらのチョウたちも他の東南アジアでも見ているが、これほど数が多いのはタイの山岳地帯ならではかもしれない。時々、サカハチシジミは吸水集団も形成していた。

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- The Banded Blue Pierrot and the CommonPierrot

----- Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01




残念ながら今回の散歩では、午後2時を回った時に突然暗くなり、風と強い雨に見舞われました。そのため、公園に滞在したのはわずか3時間ほどということになりました。3時間もかけて訪れて、3時間後に帰るというのもつらいものがありました。でも、タイはこの時期は「雨期」なのですから仕方がありませんね。

最近、カメラの重さがずいぶんと気になってきました。キャノン EOS 7Dに300㎜の望遠レンズを装着すると2㎏を軽くこえるので、ずっしりと肩にこたえます(首や肩にダメージ)。やはり、これから海外でのフィールド散歩では、オリンパスのOMDと交換レンズ数本、コンデジだけにするのがよいかもしれないなと考えています。

明日は世界自然遺産カオヤイ国立公園を歩いてみようと思います。

Nature Diary vol.8(40): #527
Date: July-11 (Thirsday)/2013
Place: Erawan National Park, Thailand




by tyu-rinkazan | 2013-07-15 03:00 | ● Thailand | Comments(8)

20130707 雨中の散歩道:ジョウザンミドリシジミの交尾など

≪梅雨明け≫
土曜日(7月6日)、気象庁は「関東甲信地方の梅雨明け」を発表。今年の梅雨明けは、平年より15日早く、去年よりも19日早い。どうやら、夏の太平洋高気圧がいつもより早く強まり、梅雨前線を北へ押し上げたためらしい。以前には梅雨明け宣言が出された後に取り消されたこともあったように記憶しているけど、今年の早い宣言は大丈夫なのかな?また、この短い梅雨による水不足の可能性は?


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Diary #524 :
梅雨明け宣言が出された翌日の日曜日。

ダンダラさん(小畔川日記)とご一緒して、ゼフィルス(ミドリシジミの仲間)の撮影に長野県の白馬村に向かった。早朝に到着した白馬村では、kmkurobeさん(安曇野の蝶と自然)と ネイチャーkendamarさん(ネイチャーkendamarの歳時記)とお会いし、午前中はウラクロシジミなどのゼフィルスを目的に近くのフィールドを散歩することにした。

白馬の空は朝から厚い雲で覆われ、時々雨も降ってきた----梅雨明けなのに。



ウスイロオナガシジミ 
小雨の中、道路脇の枝をたたくと、ウスイロオナガシジミがイタドリの葉に降りた。
雨に濡れた草を少し気にしながら、斜面に少し上って撮影した。

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-A Brown-banded Hairsreak resting on the leaf.

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01




ジョウザンミドリシジミ
雨脚が激しくなったので、開店前の喫茶店を開けてもらい雨宿りと休憩。
一杯のうまいコーヒーと気のおけない仲間とのチョウ談義----雨に感謝。

しばらくして、窓から外をみると、雨も小降りになったので、意を決して再びフィールドに戻って散策していたところ、kmkurobeさんから「こちらでジョウザンミドリが交尾しているよ」という連絡が入った。ゼフィルス(ミドリシジミの仲間)の交尾シーンとは何とも珍しい。虫林はこれまでアカ系ゼフの交尾シーンは撮影しているが、ミドリ系ゼフの交尾は初めてなのだ。

下の写真は、ジョウザンミドリの交尾シーンを撮影するkmkurobeさん+カメラ。

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-A mating couple of the Cognatus Green Hairstreak

-----Canon EOS 7D, EF100mm Macro



交尾する個体を見ると、裏面が黒味がのったオスと綺麗な茶色のメスとのコントラストが面白い。
顔もオスは精悍で、メスは優しい感じがします。

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-A mating couple of the Cognatus Green Hairstreak

----- Canon EOS 69D, Sigma 10mm Fisheye, Canon EOS 7D, EF100mm Macro



周囲が少し明るくなると、ジョウザンミドリシジミの占有行動が始まった。
ここでは、背の低い下草に静止するので、撮影がとても楽だった。

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- The Cognatus Green Hairstreak

----- Canon EOS 7D, EF100mm Macro, Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01



ジョウザンミドリの♂が、目の高さより高い位置のクズの葉に開翅したので、1脚+雲台にオリンパスOMDを付けて、モニターで確認しながら開翅写真を撮影した(kmkurobeさんのシステムを参考)。僕のこの撮影システムは少し時代遅れのような気がするけど、モニターで確認しながら撮影すると、失敗は少なくて使い勝手もとても良い。

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-A male of the Cognatus Green Hairstreak resting with the wings opened
----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01


ジョウザンミドリの♂による巴卍飛翔が始まったので、広角レンズに変えて飛翔撮影。

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-Flying features of the Cognatus Green Hairstreak

----- Canon EOS 60D, Sigama10mm Fisheye, Flash (+)




ウラキンシジミ
雨脚が激しくなったので帰宅しようと思った時に、黄色いチョウが下草に舞い降りてくれた。みると、黄色味が強くでた新鮮なウラキンシジミ♀だった。

ウラキンシジミの翅裏の地色は、雌雄差だけではなく個体変異もあるようだ。これまで、何度か本種を撮影しているが、これほど美しい裏面を持つ個体はなかったように思う。久々に気持ちの高揚を抑えながら撮影した。

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-The Golden Hairstreak

----- Canon EOS 7D, EF100mm Macro




今回は雨のために、かなり早めに切り上げて帰途につきましたが(梅雨明け宣言が嘘のよう---白馬だけ?)、雨の中とはいえ、気のおけない仲間との撮影行はやはり楽しいものでした。これから昆虫撮影のハイシーズンも1か月ほどですので、週末の一日を大事に過ごしていきたいと思います。

今回は不順な天気にも関わらず、ジョウザンミドリシジミの交尾シーン黄色味の強いウラキンシジミの♀などの僕にとって貴重な写真が撮影できたのはとてもラッキーでした。この結果は、同行した皆さんのおかげです----感謝。また、機会がありましたら、ご一緒できれば幸いです。


Nature Diary vol.8(39): #526
Date: July-08 (Sunday)/2013
Place: Hakuba-mura, Nagano






by tyu-rinkazan | 2013-07-08 22:03 | ▣ジョウザンミドリシジミ | Comments(22)

20130701 みちのく岩手の散歩道:キマダラルリツバメシジミなど

【 陸中のキマルリ 】
岩手県の陸中地方のキマダラルリツバメは、翅表の青い部分の面積が広くて美しい個体が多いとされている。また、陸中は本種の分布の北限にあたっているので、地理生物学的にもとても重要な地域といえるだろう。虫林は以前から陸中のキマダラルリツバメを撮影してみたいと思っていたが、数年前に某所で運良く撮影することができた。しかし、それ以後、何度か同地を訪れたもののその愛らしい姿に出会っていない。

もう一度、陸中のキマダラルリツバメに会いたいものだ。

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Diary #524 :
本日は晴れて蒸し暑くて「キマルリ日和」。

チョウセンアカシジミの撮影後、時計をみるとすでに午後2時半を回っていた。そこで、急いで数年前にキマダラルリツバメを撮影したポイントへと移動することにした。そこは山の斜面の農地に隣接したオープンフィールドで、周囲には本種を育てるシリアゲアリが好む大きな桐や桑の古木が点在している。

日陰で汗を拭き拭き待っていると、小さなシジミチョウがどこからともなく登場した。

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-A male of the Japanese Silverlines resting on the leaf.

----- Olympus OM-D E-M5 + Panasonic 100-300mm



久しぶりに見るキマダラルリツバメは本当に小さい。たとえてみれば、コツバメほどの大きさだ。

占有行動を示すオスのキマダラルリツバメがクズの葉上で翅を開いてくれた。
角度的にうまく撮影できないが、翅表のブルーが少し見える角度に回り込むことができた。

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-A male of the Japanese Silverlines resting with the wings opened.

----- Olympus OM-D E-M5 + Panasonic 100-300mm



ファインダー越しに見ると、トラ模様を呈する翅裏の地色が白磁のように白く滑らか。

日本のキマダラルリシジミは東南アジアに分布する近縁のシャマやロヒタに比較して、どこか楚々として優雅に見えるのは僕の思い込みだろうか。「色白美人」ならぬ「色白美蝶」かな。

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- The Japanese Silverlines

----- Olympus OM-D E-M5 + Panasonic 100-300mm



突然飛び立って現地で同行したH氏の背中で静止した。
この写真をみると、このチョウの大きさ(小ささ)がわかるね。

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-A male of the Japanese Silverlines resting on the back.

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro



モジツノゼミ
ツノゼミはセミに似ているが、セミとは異なるグループだ。ツノゼミは一般的なセミに比べて、とても小さくて(体長数mm)、驚くほどユニークな形をしている種類もいる。実際、ブラジルはサンパウロを訪れた時に見つけたヨツコブツノゼミなどは、頭の上に4つの瘤をもち、とても常識的にはありえない形態を示していた。


今回、ヨモギの葉上で見つけたものはモジツノゼミという。

このツノゼミは九州の門司で最初に見つかったのでモジツノゼミという名前が付いたようだ。丸山宗利著の「ツノゼミ ありえない虫」というユニークなツノゼミの本によれば、このモジツノゼミはヨモギにくるが、その個体数があまり多くないようだ。

南方系の虫であるツノゼミが岩手県の三陸で見つかるとは-----とても意外だな。

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-Treehopper (Tiunozemia paradox)

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro



クリストフコトラカミキリとコトラカミキリ
貯木場に立ち寄ってみると、クリストフコトラカミキリやコトラカミキリなどが材木上を走り回っていた。

クリストフコトラは虫林が住む山梨県でも見ることができるのだが、コトラカミキリの方は山梨県では記録がないようだ。コトラを見るのは本当に久しぶりだな。とにかく両種とも小さいトラカミキリという意味のコトラカミキリという名前だが、実はトラカミキリの仲間ではかなり大型の方なのだ。オオトラカミキリは実際に存在するので、チュウトラカミキリくらいが適当かも----格好悪いか。

下の写真の左がクリストフコトラカミキリで右がコトラカミキリ。

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- Plagionotus christophi and Plagionotus pulcher

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro




ここ数年姿を見ることができなかった北限のキマダラルリツバメに再び出会うことができた。しかし、写真撮影に適した場所は限られていて、その場所に移動するのが遅れたために、まともな写真を十分には撮影できなかったのが残念だ。また、来年も訪問できたら嬉しい。これでみちのく岩手の記事はひとまず終了。

今年も学生講義に呼んでいただいたS教授に感謝。



Nature Diary vol.8(38): #525
Date: July-01 (Sunday)/2013
Place: Iwate





by tyu-rinkazan | 2013-07-03 23:27 | Comments(14)

20130630 みちのく岩手の散歩道:チョウセンアカシジミ

Diary #524 :
岩手県盛岡市に出張のおりに、日曜日を利用して三陸を訪問。

レンタカーでチョウセンアカシジミの分布地に到着し、さっそく川沿いのデワノトネリコの幼木を見回ってみることにした。嬉しいことにすぐに何頭ものチョウセンアカシジミ(以下、チョウアカ)の姿を葉上で見つけることができた。今年は少し遅れているとのことで心配したがこれで一安心だ。

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- A Korean Hairstreak resting on the leaf

-----Canon EOS 7D, Sigma 10mm



チョウアカはいずれも羽化後数日の新鮮な個体。
翅裏に並ぶ白い縁取りの大きなオレンジ紋はなかなかオシャレで美しい。

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- A close-up view of the Korean Hairstreak

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro



午後になって活性が上がると、時々飛翔して葉上で開翅してくれたが、いずれもフルオープンではなくてせいぜい90度から100度くらいの開翅角度だった。でもその控えめさも良いものだ。

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-A Korean Hairstreak on the leaf with the wings semi-opened

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro



まだ発生初期で個体数が少ないためだろうか、午後になっても飛翔する個体は少なかった。

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- Fying feature of the Korean Hairstreak

-----Canon EOS 7D, Sigama10mm Fisheye, flash (+)



求愛飛翔後の交尾ペア。

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- A mating pair of the Korean Hairstreak

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro



デワノトネリコの木の幹で産卵する姿もしばしば観察できた。

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- Egg-lying of the Korean Hairstreak

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro


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-The eggs of the Korean Hairstreak

-----Ricoh GRD IV



今回も(いつものように)かなり強行軍だったが、この時期の陸中にはそれだけの価値がある。今年は少し発生が遅れているといわれていたが、とにかくチョウアカの姿を見ることができたので安心した。やはり本種に会うとみちのく岩手の三陸まで来たことが実感できる。

その後、キマダラルリツバメの場所にそさくさと移動した。その結果は次回。


Nature Diary vol.8(37): #524
Date: July-01 (Sunday)/2013
Place: Iwate






by tyu-rinkazan | 2013-07-02 06:27 | ▣チョウセンアカシジミ | Comments(6)