NATURE DIARY

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20131027 台風一過の散歩道:擬態の名人(蛾)アカエグリバなど

DIARY #554 :

昔は映画も写真も白黒でした。その後、カラーになる時に人工的な色づけと区別するため 総天然色 Natural Color という言葉が用いられました。さまざまな色が溢れている現代社会では、総天然色は死語と化してしまったようです。本日、柿の木の緑から橙色、黄色の葉が入り混じる様子を見ていた時に、なぜかわからないけど頭の中を「総天然色」という言葉がよぎったのです-----僕の頭の中が総天然色なのかもね(お目出度いという意味)。

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------Natural Color

------ Olympus E-5, ZD50mm Macro + x1.4 Telecon



秋色の ヤマトシジミ

オレンジに色づいた柿の葉上で日光浴する♀
アメリカセンダングサの実の上の♂

夏の間は気にもとめなかったヤマトシジミも秋も深まる頃になるととても愛おしく思います。まことに勝手なものです。でも、実際に秋のヤマトシジミは♂も♀も秋色が出て美しく変身しているのです。本日は気温があがったために、センダングサの群落では沢山のヤマトシジミが群れ飛んでいました。

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------A Pale Grass Blue resting on the seeds of Devil's Beggartick

------ Olympus E-5, ZD50mm Macro + x1.4 Telecon



枯葉に擬態するアカエグリバ

道の脇で葉の上にのった茶色い枯葉を見つけました。葉脈もしっかり見えます。
でも、少しおかしいぞと近づいてみると枯葉の下に脚がみえました----もしかして蛾?
それでも半信半疑でTG-2のスーパーマクロで頭部を撮影してみると複眼がありました。

やはり枯葉に擬態した蛾です。

調べてみるとアカエグリバという名前の蛾でした。アカエグリバは擬態の名人ならぬ名蛾です。枯葉の擬態ランクでは、コノハチョウよりはかなり上で、以前に撮影したアケビコノハと同レベルです(勝手にランキング)。たまたま緑の葉の上に乗っていたのでわかりましたが、枯葉の中では識別はまったく不可能ですね。頭部が尖っているのは、口吻を果実に突き刺して果汁を吸うためだそうです。

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------A moth, Oraesia excavata, mimicking a dead leaf on the green leaf

---------- Olympus E-5 ZD12-60mm, 50mm Macro, Stylus TG2 tough



残った 稲田

この時期、ほとんどの水田は稲刈りが終了していますがここはまだ------。
みると赤トンボやベニシジミ、キタテハ、テングチョウなどが稲穂の上を飛んでいました。
青空、稲田、赤トンボ、蝶-----どこか豊かでどこかほっこりとする日本の風景。

この連結赤トンボはTG-2にワイコンを付けて撮影しましたが、意外に撮影できたので驚きました。

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------A pair of mating red dragonflies flying over the paddy field

--------- Stylus TG2 tough + Wcon



逆光のウラナミシジミ

本日は ウラナミシジミ がアメリカセンダングサの周りを群れ飛んでいました。
明らかにヤマトシジミよりも数は多いようでした。

彼らはイチモンジセセリのように世代を繰り返して北上するチョウです。しかし、ここ山梨県では多分冬を越すことはできないでしょう。哀れと思いますが、それが自然の摂理なのですから仕方がありません。木枯らしが吹く前に命を謳歌してほしいと思います。

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------ A Pea Blue on the flower of Devil's Beggartick against the light

---------- Olympus E-5, ZD50mm Macro + x1.4 Telecon



ゴマダラチョウの幼虫


毎年、この時期になるとエノキの葉を観察しています。
今年はオオムラサキの幼虫もゴマダラチョウの幼虫も少ないようです。

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------A caterpillar of the Japanese Circe on the leaf

--------- Olympus E-5 , ZD50mm Macro + x1.4 Telecon, Stylus TG2 tough + Gyorome 8



厄介なひっつき虫

この時期、不用意に草むらに入ると大変なことになります。
俗にいうところのひっつき虫にたかられるからです。

ひっつき虫とは虫ではなくて、服にくっつく種子のことです。とくにアメリカセンダングサ、オナモミ、イノコヅチ、ヌスビトハギにはいつも悩まされています。ひっついた種子の取り方としてはカッターナイフで取るとか、一夜干してから取るとかいわれていますがどうもいまいちですね。

表面がつるつるしているレインウェアーのズボンをはくのが良いかも?

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------Prickly Seeds

---------- Stylus TG2 tough



POSTSCRIPT :

オリンパスから OMD E-M1 が発売されてから、天邪鬼にも E-5 を使用しています。E-5はオリンパス最後の一眼レフになったのでもっと使い倒してみたくなったのです。最近はメインカメラにキャノンの一眼レフを使っていたのですが、オリンパスの一眼レフもやはり良いものですね。とくに堅牢性はオリンパスのほうが良いかもしれません。僕はドジで年に何度もカメラやレンズを壊すので、堅牢性についてははとくに重視しています。

本日は台風一過の晴天となり、秋のチョウたちの数は驚くほど多く、彼らも最後の秋を楽しんでいるようでした。もっとも嬉しかったのはアカエグリバに出会えたことでしょう。この蛾の擬態には目をみはりました。

来週から11月に入りますが、とても忙しくなります。


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- Autumn Color







Nature Diary vol.8 (62): #554
Date: October-27 (Sunday) /2013
Place: Kofu-shi in Yamanashi











by tyu-rinkazan | 2013-10-27 16:18 | ■他の昆虫 | Comments(8)

20131019 富士の散歩道:ツマグロキチョウとオオセンチコガネ

Diary #553 :
本日(土曜日)は 大型台風27号 のために、朝から雲が多くて生憎の天気。気温も低くて、Tシャツだけだとかなり寒く感じます。こんな日は無理せずに家の中に蟄居して、締め切りを過ぎた原稿でもしこしこ書こうかななどと殊勝なことを考えました。でも、日頃、歩くことが少なくて(走ったのはいつだろうか、思い出せない)、ジムにもいかず、血圧が高くてメタボの虫林にとって、週末のフィールド散歩は健康維持のためには必須のものなのです。いわば、フィールド散歩は生命維持装置 なのだ−−−−とか何とか訳のわからない理由を家内にいいながら、今回も ウィークエンドナチュラリスト(Weekend Naturalist )になった。

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本日は一路県南に向かうことにしました。
途中で立ち寄った小さな神社。

神社の入り口には大きなイチョウの木があって、イチョウの実(銀杏)が沢山落ちていました。
周囲には香しいとは言い難い独特の匂いが漂っています。
実を不用意に踏むと靴にもその匂いが付くので注意しなければ-----でも秋の風物詩。

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-------Gingko nuts

--------- Olympus Stylus TG2 tough



境内のアジサイの葉裏にウラギンシジミ(裏銀小灰蝶)の姿 ---- よく目立ちますね。
その後、メスが大根の葉の上で開翅しました。濃茶色地に水白色の紋が美しい。

ウラギンシジミはメスの方が少ないように思います。しかし、昆虫の性比もフィッシャーの原理の影響を受け、集団の性比は多くの場合1:1に収斂するので(ヒトは105:100)、ウラギンシジミもおおむねオスとメスは同数が発生しているはずです。メスが少なく感じるのは出会う機会が少ないためでしょう。

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--------Toothed Sunbeam

--------Olympus E-5, ZD12-60mm, ZD50-200mm



ツマグロキチョウのポイントに到着。

曇り空の下、気温も低くて飛んでいる個体はない。
幸いなことにクズの葉の上に ツマグロキチョウ 発見。

気温が低くて動きが鈍いので、TG-2のスーパーマクロでも撮影しました。昆虫の顔の写真はそれぞれ種によって特徴があるので、表情を撮影していて面白いと思う。ご存知のように昆虫写真家の海野和男氏が「昆虫の顔面写真の本」をすでに出しています。プロ写真家は、昆虫が好きなことや写真技術が優れているだけでなく、アイディア、企画力、実行力、文章力といった目に見えない部分が重要な要素なのですね。

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-------Spotless Grass Yellow

-------- Olympus E-5 ZD12-60mm, Stylus TG2 tough,



赤胴色に輝く オオセンチコガネ を見つけました。
オオセンチコガネはいわゆる「糞虫」の仲間なので、動物の糞に良く集まります。

センチコガネとオオセンチコガネは形態が酷似しているので鑑別がよく問題となります。オオセンチコガネの方は頭部前縁は前方に長く、頭楯の形状が台形であることで、扇型のセンチコガネとは区別できます。写真の下に頭部の拡大を出しましたが、頭楯の形から判断するとオオセンチコガネです。

とにかく、オオセンチコガネは体の光沢が強くて美しい。

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-------Geotrupes auratus auratus

---------- Olympus E-5 ZD12-60mm ZD50mm Macro, Stylus TG2 tough



Postscript :
富士山を見ると雪が積もっていました------ 初冠雪

今年は秋になっても暑い日が続いたので、富士山の初冠雪は例年よりも19日も遅いそうです。写真をみると、頂上からかなり下まで白くなっています。例年、初冠雪は頂上が白くなる程度ですので、昨日はかなりまとめて雪が降ったのでしょう。この写真は静岡県の富士宮市から撮影したものですが、頂上は凸凹して平ではありません。山梨県側からはもっと平らなので、どちら側から見たものかは頂上の形で区別できます。

寒露も過ぎて、これから昆虫の姿がますます少なくなっていきます。

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-------Mt. Fuji with the First Snow


Nature Diary vol.8(61): #553
Date: October-19 (Saturday) /2013
Place: Nanbu-cho in Yamanashi and Fujinomiya-shi in Shizuoka










by tyu-rinkazan | 2013-10-20 11:48 | Comments(14)

20131013 高原の散歩道:エルタテハの塒発見とフジコブヤハズカミキリ

Diary #552 :
標高1000mほどの高原。
午後の低い太陽の日差しを受け、風に揺れる ススキ(枯れ尾花)の原

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- Silver Grass Sea

---- Olympus E-5, ZD12-60mm SWD



道の脇に古いモスグリーンのジムニーの廃車。
ウーム、何とも恰好が良い。

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- Scrapped Car

---- Olympus OMD E-M5, MZD 14-150mm



突然、クモガタヒョウモンの♀が出現して日光浴。

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- The Anadyomene Fritillary

----Olympus E-5, ZD50-200mm



林の中で枯れたマルバダケブキ。
よく見ると点々とある。

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- Ligularia dentata

---- Olympus OMD E-M5, MZD 14-150mm



<エルタテハのねぐら(塒)発見>
筒状になったマルバダケブキの大きな枯れ葉の中にタテハチョウの姿を見つけました。

樹林内のために少し暗いので、LEDライトをそっと当ててみました。
どうやら、エルタテハのようです。

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- The Large Commma

---- Olympus Stylus TG2 tough, LED(+)



動かないことを良いことに、LEDの光を当てながらさらに近接してみました。

エルタテハという名前は、後翅裏の小白紋がL(エル)の字であることに由来します。
しかし、この個体のマークはエルにはみえません。
エルジャナイエルタテハかな------アホ。

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- The Large Commma

---- Olympus Stylus TG2 tough



<フジコブヤハズカミキリ>
マルバダケブキの枯葉では、本来の目的のフジコブヤハズカミキリも見つけることができました。

先日、長野県の川上村でフジコブヤハズカミキリを見つけました(Nature Diary #549)、
ここは山を挟んでちょうど反対側(山梨県)になります。
でも、タニグチコブヤハズの分布地からはさほど遠くありません。

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- Mesechthistatus fujisanus

----Olympus E-5, ZD50mm Macro


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- Mesechthistatus fujisanus

---- Olympus Stylus TG2 tough, Olympus E-5, ZD50mm Macro


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- Mesechthistatus fujisanus

---- Olympus Stylus TG2 tough, Olympus E-5




Postscript :
最近はオリンパス最後の一眼レフである E-5 を好んで使用しています。

やはりグリップ感やシャッターリスポンスなどは、ミラーレスカメラ(OM-D E-5)とは一味違って信頼できるように思います。一方、E-5は図体がでかくて重いのがやはり難点ですね。一長一短があるので迷うところです。

これから急に寒くなりそうです。

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- Autumn color

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Nature Diary vol.8(60): #552
Date: October-13 (Sunday) /2013
Place: Makioka-cho, Yamanashi










by tyu-rinkazan | 2013-10-16 23:22 | Comments(12)

20131012 秋晴れの散歩道:クロツバメシジミ、キノカワガなど

Diary #551 :
朝起きると快晴。
本日(土曜日)も暑くなりそうです(実際、最高気温は31度)。


雲一つない青空の下、
細い棒の上に止まる赤トンボ、
見はるかす先に御坂山塊と富士山。

虫林が好きな石川啄木の句に 「不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸われし十五の心」 があります。
棒の先に止まる赤トンボにも心があるのなら、心は空に吸われているのかもしれませんね-------ウーム、思わないか。

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- Autumn Landscape

---- Olympus Stylus TG2 tough



ツメレンゲ(爪蓮華)の群落

ツメレンゲはベンケイソウの仲間で、花茎が塔のように伸びて面白い植物です。花茎の高さは栄養状態に依存するようで、山梨県内でも場所によってかなり異なるように思います。この場所のツメレンゲの花茎は大きくてよく揃って綺麗です。今年は花茎の密度が少し低い様に感じますが、除草のせいかもしれません。

花はまだ5分咲きです。個々の花は小さいが、クローズアップすると結構綺麗。

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- Orostachys japonica

---- Olympus Stylus TG2 tough



ツメレンゲの群落に棲むクロツバメシジミ(以下、クロツ)

クロツの個体数は多いようですが、なかなか静止してくれません。
でも、しばらく待っているとやっと目の前の草に止まってくれました。

僕はこの場所では良い花を決めて待ちの撮影をすることにしています。

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- The Black Cupid

---- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 14-42mm + Wcon P01



ツメレンゲの花で吸蜜。
突然飛来した個体も写ってしまいました。

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- The Black Cupid

----Olympus E-5, Sigma 150mm Macro



クロツのクローズアップ。
翅裏の黒紋は産地によって異なるといわれています。

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- The Black Cupid

---- Olympus E-5, Sigma 150mm Macro



カモフラージュの名人(名蛾)キノカワガがすでに発生していました。
擬態していてわかり難いので、キノカワガの場所を黄色い輪で囲みました。

おわかりでしょうか?

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- Blenina senex

---- Olympus E-5, Sigma 150mm Macro



キノカワガのクローズアップ。
機の表面の色合いだけでなく、質感までも真似しています。
ただ者ではないですね。

彼らは自分の色や質感を理解していて、似ている樹皮に静止しているように思えます。

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- Blenina senex

---- Olympus E-5, Sigma 150mm Macro



南アルプスの林道に入ってみました。

ゆっくりと車で流してみると、林道の脇にサルナシが多いことを発見しました。
サルナシはマタタビ属のツル性の植物で、その実の味はキウイフルーツとよく似ています。
キウイフルーツはシナサルナシを品種改良したものですから味は似ていて当然です。

熟した実はとても美味しいです。

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- Actinidia arguta

---- Olympus Stylus TG2 tough




Postscript :
本日は雲一つ無い秋晴れだった。低い日差しに目を細めながら山道を歩くと鮮やかに赤く色づいた葉を見かけた。紅葉は緑色のクロロフィルが分解され、アントシアニンという赤い色素が合成されるため。これは一種の葉の老化現象だが。今年は10月になっても気温が高いので紅葉は例年よりも遅れるかな。

散る前の一瞬の輝き。

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- Autumn color

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Nature Diary vol.8(60): #551
Date: October-12 (Saturday) /2013
Place: South Alps-shi, Yamanashi









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by tyu-rinkazan | 2013-10-13 18:17 | Comments(9)

20131006 秋の散歩道:クリシギゾウムシなど

Diary #550 :
<甲府盆地の天気>
日曜日の午前中、埼玉県から電車で帰宅しましたが、途中、笹子トンネルを越えるとそれまで曇っていたのが嘘のように青空が広がりました。甲府盆地では、晴れる日が多いのです。それは西部に連なる3000m級の山々(南アルプス)が、西から雲を運んでくる偏西風を遮る壁になるという地理的条件があるからです。 Weekend Naturalist を自認する虫林にとっては、雨が少ないこの気候はとても楽。傘は要らないのです----嘘、いります。


お昼近くになって異類異形の虫クリシギゾウムシを探しに行くことにしました。

お目当ての栗の木がある場所は少し高台になっているので、市街地の向こうに富士山を見ることができます。こんな場所で背景に富士山を写し込んで、甲斐の国らしい昆虫写真を撮りたいなと思っていますが、なかなかそうは問屋が卸してくれません。写真とはそういうものですね。

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- Chestnut Tree

---- Olympus Stylus TG2 tough



すでに10月ですので、栗の実はすでに割れて茶色く変色したものが多く、また木の下にも沢山の実が落ちていました。クリシギゾウムシの♀はまだ青い実に産卵するので、青い実が残った枝を中心に見ていきました。しばらく探すとと、栗の実の表面に口吻が長いゾウムシを見つけました。

本日目的のクリシギゾウムシ♀です。

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- Chestnut Weevil

----Olympus E-5, Sigma 150mm Macro



クリシギゾウムシは今年是非とも撮影したいと思っていた甲虫の一つです。
口吻が異常に長い姿が、とてもユニークとてもフォトジェニックだと思うからです。
甲虫の場合は、色彩の美しさもさることながら形の面白さにも惹かれます。


運よく地面の枯葉の上にもクリシギゾウムシを見つけました。
メスは口吻が大変長くて、鳥のシギに姿が似ているのでその名前がついているようです。

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- Chestnut Weevil

----Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8



幼虫がクリ果実内部を食害するため,クリ生産や販売において問題となる害虫です。

この「害虫」という言葉がね-----ウーム、仕方がないか。あくまでこの不名誉な呼称は人間の都合で、虫たちにとっては関係ないものです。小さな虫たちに少しでも権利(虫権)というものがあれば、僕も含めて人間は「害人」ということになりそうですね。



クリシギゾウムシの♀は、長い口吻でどんぐりに穴を開けて産卵します。
栗のイガに頭を突っ込んで、長い口吻で穴あけ作業する♀です。

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- Chestnut Weevil

---- Olympus E-5, Sigma 150mm Macro



オスの姿も撮影できました。
メスに比べると、オスの口吻の長さは半分ほど------それでも長いけどね。

下の写真の下はTG-2のスーパーマクロ機能を用いて接写しました。
体の正面の荒い毛や複眼の模様まで解像できました。
フラッシュは使用していません。

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- Chestnut Weevil

---- Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8, Olympus Stylus TG2 tough (supermacro)




この時期、ウラギンシジミも沢山見ることができます。
このチョウが木の上で飛ぶ姿は翅裏の白色が点滅して、まるでキリシマミドリシジミのように見えます。

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- The Angled Sunbeam

----Olympus Stylus TG2 tough, Olympus E-5, Sigma 150mm Macro


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- The Small Copper

----Olympus E-5, Sigma 150mm Macro



エノキの葉にはまだ小さいオオムラサキの幼虫を見ることができました。
幼虫の数は昨年に比べてかなり少ないように思いました。

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- The Great Purple

----Olympus E-5, Sigma 150mm Macro



Postscript :
朝晩は涼しくなりましたが、日中の陽の光にはまだ夏の強さが残っているようです。でも、木々の緑は薄くなり、黄色や赤色へと色づき始めています。こんな移りゆく季節にカメラを片手にのんびりと散歩するのはたまらなく贅沢に思えます。そろそろ 天高く虫林肥える秋 ですので、食事には注意しなければいけないのですが、この時期、学会や研究会が多くて、どうしても飲み過ぎ、食べ過ぎになってしまいます-----ウーム、困った。

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- Autumn color

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Nature Diary vol.8(59): #550
Date: October-06 (Sunday) /2013
Place: Kofu-shi, Yamanashi









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by tyu-rinkazan | 2013-10-07 02:00 | Comments(14)

20130929 秋の散歩道:スジボソヤマキとフジコブヤハズカミキリ

Diary #549 :
今週末(日曜日)は「コブ撮りじいさん」になった。
コブといっても瘤(こぶ)ではなくてコブヤハズカミキリのコブです。

フジコブヤハズカミキリ(以下フジコブ)は、翅が癒着していて飛ぶことができず、局所的な分布を示します。昨年初めて名前の由来にもなっている富士山で撮影しましたが、できれば今年は他の場所で撮影したいと思いました。そこで、記憶の糸を手繰って、以前にキベリタテハの撮影で訪れた信州の川上村のポイントを思い出しました。そこにはマルバダケブキの大きな群落があって、フジコブが見つかる可能性がありそうです。



峠に向かう道の途中で振り返ると------長閑な村の風景
青い空と白い雲、
聳える険しい瑞牆山。

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- A peaceful landscape of village

---- Olympus Stylus TG2 tough



現地に到着して、林内を歩き始めるとまもなく、葉裏に静止するスジボソヤマキチョウを見つけました。

クリーム色のスジボソヤマキチョウは、少し黄色く色づいた葉の色に溶け込むようで、フジコブを探していなければけっして見つけることはできなかったと思います。低い位置だったので、E-5のバリアングルモニターが大変重宝しました。

広角魚眼で太陽の光を入れて撮影。

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- The Lesser Brimstone

---- Olympus E-5 + ZD8mm Fisheye, 外部ストロボ



気温が上がってくると、スジボソヤマキがふらふらと飛び出して地面に静止しました。
そっと近づいてみると、体を横に倒して太陽の光を浴びています。

チョウの日光浴の形態は種によって異なるようです。翅を開くタイプ、体を倒すタイプ、ただ静止するだけのタイプなど色々です。体を倒して日光浴する習性は、春先に出現するコツバメや高山蝶のタカネヒカゲなどがよく知られていますが、スジボソヤマキチョウもこの性質が顕著にあるようです。

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- A Lesser Brimstone sunbathing on the ground.

---- Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8



フジコブ発見
林内のマルバダケブキの葉は、いかにもフジコブが好みそうな感じで枯れていました。ところが、いくら枯葉をめくっても見つからないのです。探索を初めて1時間が過ぎて、さすがにモティベーションも下がり、そろそろ場所を変えようと思った矢先、枯葉の中からキモ可愛いフジコブ♂が現れました。

やはりここに分布していたのだ----。

いるかもしれないけどいないかもしれないという場所で、目的とする昆虫を見つけることは嬉しいものです。思わず心の中で小さくガッツポーズをしてしまいました。

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- Mesechthistatus fujisanus,Male

----Canon EOS 7D + EF100mm Macro



昆虫探しでは、初めの1頭を見つけるのに苦労しても、2頭目からは意外に楽に見つかることが多いのです。これは心の余裕のためとしか思えません。人間の視覚は心理状態と強く連動していて、心に余裕がなければ見えるものも見えなくなるのでしょう。恋すれば痘痕(あばた)も笑くぼというのとはちょっと違うか----。

ほどなく、痘痕(笑くぼ)だらけのフジコブのメスも見つけることができました。

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- Mesechthistatus fujisanus,female

---- Olympus Stylus TG2 tough



葉の中に包まれているフジコブを魚露目で撮影。
枯葉を通す太陽の柔らかい光が暖かそうに感じます。

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- Mesechthistatus fujisanus

---- Olympus Stylus TG2 tough + Gyorome8




Postscript :
秋になるとコブヤハズカミキリの仲間を撮影したくなります。

以前から気になっていた場所でフジコブヤハズカミキリの棲息を確認することができました。やはり環境が揃えばコブヤハズカミキリは見ることができるようです。これからさらに忙しくなるのでなかなかフィールドに出ることができないのが残念ですが、マヤサンコブヤハズもいつか見たいものです。


Nature Diary vol.8(58): #549
Date: September-29 (Sunday) /2013
Place: Kawakami-mura, Nagano





by tyu-rinkazan | 2013-10-03 07:05 | Comments(4)