NATURE DIARY

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20131124 冬の散歩道;フユシャクなど


DIARY #558 :


甲府市内のホテルで学会を主催した。この学会は虫とは関係がないが、会長の特権で、特別講演に池田清彦氏(生物学者で虫屋)をお招きした。ちなみに講演の内容は虫ではない。夕方のワインパーティでは、池田氏を囲んで久しぶりにカミキリ談義で盛り上がったのはいうまでもない。

虫トークになると僕の心は瞬時にして遠い過去にワープする。
虫屋の魂百まで」だね。


ベニシジミと富士山

学会終了後の日曜日、甲府の市街地と富士山が見渡せる高台を訪れた。
ちょうどベニシジミが見晴らしの良いススキの穂の上で開翅。
本日は良いチャンスに恵まれて、凱風快晴の富士山バックの写真が撮影できた。

この写真ではベニシジミがっほっこりと翅をひろげて日光浴している様子だけが写っているが、このススキの周囲にはこの時期の嫌われ者「アメリカセンダングサ」の大きな群落が取り囲んでいた。でも、写真のためならエンヤコーラで、アメリカセンダングサなんかにかまっていられないのだ----ウソ、本当は撮影後に服や靴ひもに付いた種子をブツブツいいながら取り除いた。まったく困ったものである。

写真は目の前の刹那を写し出すが、そんな背景の苦労は写らない。

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---- A Small Copper & Mt. Fuji

------ Olympus OM-D E-M1, ZD12-60mm




クロスジフユエダシャク♂の飛翔撮影

車を走らせると、道路をフユシャクが時々横切る。
このところの陽気で、一気に羽化したようだ。
いつも思うことだが、蛾の同定は難しい。

今回はE-M1に8mm(実質16mm)魚眼レンズを付けて飛翔写真も撮影してみた。逆光になることが多いので、オリンパス純正の外部フラッシュも用いた。どうにか飛翔が撮影できたが、E-M1は一眼レフに比較すると、シャッターのリスポンスがいまいちのようだ。つまり、シャッターに遊び(ストロボが光るまでにタイムラグ)があるように感じた。飛翔写真では連射速度を問題にする方もいるようですが、僕の場合はシャッターを押す最初の数枚にかけているので連射速度そのものはそれほど気にしていない。

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---- Winter Moth

------ Olympus OM-D E-M1, Panasonic 8㎜ Fisheye, 外部ストロボ


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---- Winter Moth

------ Olympus OM-D E-M1, ZD12-60mm




ナカオビアキナミシャク

少し標高を上げた場所では、違う種類のフユシャクもみた。
それにしてもこんなに寒くなってから発生してくるのは不思議だね。

フユシャクは静止しても落ち着きなく動くので撮影が大変だ。

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---- Operophtera brunnea

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro




クロナガオサムシ

帰る途中で「オサ掘り」によさそうな崖を見つけた。
どんな崖がオサ掘りに良いかは具体的にいえないが、とにかく良さそうだった。
掘り始めてほどなく、数頭のクロナガオサムシが眠そうな目をして現れた。

今年の冬はもう少しオサ掘りをしてみたいが、虫林は寒さに弱いので------。

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---- Carabus procerulus

----- Olympus TG2 Tough




ヒサゴゴミムシダマシ

朽木を崩してみると、越冬しているヒサゴゴミムシダマシを見つけた。
比較的標高が高い山地に生息しているようで下界では見たことがない。

渋い光沢があってなかなか恰好が良い甲虫だと思う。

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---- Misolampidius rugipennis

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



POSTSCRIPT :

土曜日に主宰する大きな学会が終わって、今はほっこりのったりとしています。葛飾北斎の富嶽三十六景のひとつに凱風快晴というタイトルの富士山が描かれているが(けっこう有名)、凱風快晴とは気持ちの良い風が吹く良く晴れた日のこと。本日の天気はまさしく凱風快晴の一日で、のんびりとフィールド散歩を楽しむことができた。

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---- Winter Colour


Nature Diary vol.8 (66): #558
Date: November-24 (Sunday) /2013
Place: Kofu in Yamanashi




by tyu-rinkazan | 2013-11-26 00:28 | ■他の昆虫 | Comments(10)

20131117 河原の散歩道:ヤマトシジミの誤求愛など

DIARY #557 :

昨日(土曜日)は母の 「卒寿祝い」 のため、久しぶりに神奈川の海辺に近い実家を訪れた。
虫林も若くはないのだが、母は相変わらず心配してくれる。母はいつまでたっても母だ。


河原の風景
本日(日曜日)はお昼近くに雲がとれて、きれいに晴れたので、自宅裏の河原を散歩。
MZD14-150mmをつけたE-M1、MZD60mm Macro、TG-2を 小型のBillinghamのバックに入れた。
このバックは1988年にイギリスで購入したので、すでに25年も使用している。良品は丈夫だね。
このくらい軽装備だとフィールド撮影散歩もとても楽ちんで楽しい。これから癖になりそうだな。


少し歩くと、突然、ゴリラの像が現れた。
誰が何のために設置したかは定かではないが、帽子を被って、服まで着せてもらっている。
このゴリラは、まるで目の前を通り過ぎる人々を見守っているようだ。

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---- Gorilla

------ Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm




求愛
ヤマトシジミの求愛やヤマトシジミのベニシジミへの誤求愛まで見ることができた。
高倍率ズームのMZD14-150mmでの撮影だが、意外にシャープに撮影できた。
このレンズはこれまで昆虫の撮影には使用していなかった。

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----Courtship Behavior of Pale Grass Blue

----- Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm


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----False-courtship Behavior of Pale Grass Blue and Small Copper

----- Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm





オオムラサキの幼虫

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---- A Caterpillar of the Great Purple Emperor

-----Olympus TG-2 Tough




ゴマダラチョウの幼虫
黄葉したエノキの葉に黄色く色づいたゴマダラチョウの幼虫。
葉を少しめくって、タフのスーパーマクロで頭部の撮影もできた。
この幼虫の葉は糸で枝に固定されていた。

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---- A Caterpillar of the Japanese Circe

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro


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---- A Caterpillar of the Japanese Circe

----- Olympus TG-2 Tough


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---- A Caterpillar of the Japanese Circe

----- Olympus OMD E-M1, MZD60mm Macro




夕暮れのチョウ

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----Small Copper

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro


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----Small Copper

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro


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---- Eastern Pale Clouded Yellow

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro


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----Forsefly

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro





POSTSCRIPT :

E-M1を最近導入したので、これまでのレンズを試している。フォーサーズ用の ZD50-200mm F2.8-3.5 はとても明るくシャープなレンズで、虫林が最も好むレンズの一つ。しかし、いかんせん重さが1㎏近くもあるので、常時持ち歩くのは少しためらってしまう。一方、マイクロフォーサーズ用の高倍率ズーム MZD14-150mm は小さくて E-M1 とのバランスも良いのだが、F4.0-5.6 と暗い(明るいとはいえない)のが難点で、昆虫写真には今まで使用したことはない。今回はこのズームレンズを試してみたところ意外にシャープに撮影できたので驚いた。

そろそろチョウの飛ぶ姿も見納めかな。





Nature Diary vol.8 (65): #557
Date: November-17 (Sunday) /2013
Place: Kofu in Yamanashi




by tyu-rinkazan | 2013-11-17 17:39 | ▣ヤマトシジミ | Comments(2)

20131109 立冬の散歩道:曲者クロコノマチョウなど

DIARY #556 :

ホームページを開設した8年前に、管理人(自分)のハンドルネームを「 虫林花山」とした。それは郷土の武将・武田信玄の「風林火山」を捩ったものである。以後、ブログ仲間の間では「虫林(ちゅうりん)さん」で通っている。当初、「地味で暗くて、向上心も協調性も個性も華も無いパッとしない性格(あまちゃんのフレーズ)」の自分が、ハンドルネームを持つことであたかも別の人格になったような気がしたものだ。8年も経った現在ではそんな感覚は薄れてしまったが、名前には不思議なパワーがあるのは事実だね。

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立冬の候

本日(土曜日)は曇り時々晴れ。朝は少し寒い。
丘の上に車を走らせると黄変したブドウ畑。

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---- Vineyard

------ Olympus OM-D E-M1, MZD14-42mm + WCON-P01




黄葉の オオムラサキの幼虫

オオムラサキの幼虫を探した。
今年は幼虫の数は少ないようだが、何とか数頭を見つけた。
黄葉した葉の上の幼虫は茶色に変色して、すでに冬支度完了だ。

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----A Caterpillar of the Great Purple Emperor on the yellow leaf

----- Olympus OM-D E-M1, MZD14-42mm + WCON-P01, MZD60mm Macro



柿の実のクロコノマチョウ

林を歩くと足元からバタバタとクロコノマチョウが飛び出した。
クロコノマは草の間や地面に静止するのが、この時は木の幹に止まった。
赤茶色は♀(下の写真の下左)で黒褐色は♂(下の写真の左下)。

クロコノマは擬態もさることながらとても敏感で近寄るのに骨が折れる。
やはり、「曲者のチョウ」だ。

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---- Dark Evening Brown

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



柿の木の周りを大きな茶色いチョウが絡むように飛んでいた。
静止したので確認してみると、どうやらクロコノマチョウ秋型だ。

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---- Dark Evening Brown

----- Olympus OM-D E-M1, ZD50-200mm



飛翔するクロコノマチョウを撮影。
フォーサーズの50-200mmはF2.8-3.5と明るいので、望遠飛翔写真にも良い。

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---- Dark Evening Brown

----- Olympus OM-D E-M1, MZD14-42mm + WCON-P01, ZD50-200mm




柿の実のウラギンシジミ

ウラギンシジミも柿の実を好む。
何頭ものウラギンシジミも見かけた。

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---- Toothed Sunbeam

------ Olympus OM-D E-M1, ZD50-200mm, MZD60mm Macro



Nature Diary vol.8 (64): #556
Date: November-09 (Saturday) /2013
Place: Kofu and Nambu in Yamanashi




by tyu-rinkazan | 2013-11-10 08:59 | ▣クロコノマチョウ | Comments(10)

20131103 E-M1の散歩道:ムラサキシジミなど

DIARY #555 :

海外も含めて出張旅行が多い。そんな時に携行するカメラは、「できるだけ小さくて、できるだけ軽いもの」がやはり有り難い。最近発売された オリンパスOM-D E-M1 (以下、E-M1) は、防塵・防滴仕様で頑丈、高性能なのに小さくて軽いらしい。さらに、一眼レフ用のフォーサーズレンズもアダプターを介して普通に使用できるというのだからとても魅力的だ。そこで、使用していない古いレンズなどを売却処分して E-M1 本体を購入した。触った感触は E-M5 の方がメカニカルな感じで好みだが、E-M1 はグリップが大きくて使いやすそうだ。「豚に真珠」ならぬ「虫林にE-M1」-----といわれないようにしないとね。

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土曜日は出張先の大阪から遅くに帰宅。

日曜日はゆっくりと起床して、お昼近くから近くの丘や公園を散歩した。
下の写真は、午後の日差しを受けた柿の実と傘雲をかぶった富士山。

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---- Japanese Persimmon in the background of Mt. Fuji

------ Olympus OM-D E-M1, MZD14-42mm + WCON-P01, Flash (+)




青く輝く ムラサキシジミ

丘の中腹の樫の木が多い公園。

クズの葉の上にムラサキシジミの姿を見つけた。
落ち着きなく飛び回っているので、しばらく観察していると葉の上で開翅。
オスの青も良いが、♀のライトブルーは絶品。

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----Japanese Oakblue (Female)

----- Olympus OM-D E-M1, MZD14-42mm + WCON-P01, ZD50-200mm, MZD60mm Macro



半開翅するウラギンシジミ

翅裏を点滅させながらウラギンシジミが数頭飛来。
まるで越冬前の太陽の光を楽しんでいるようだ。

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----Angled Sunbeam (upper: male, lower: female)

------ Olympus OM-D E-M1, MZD14-42mm + WCON-P01, ZD50-200mm



紅葉の ヤマトシジミ

赤変した葉の枝にヤマトシジミが静止。
慌てて近づいて、数回シャッターを切った。
MZD60mmは相変わらずシャープだ。

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----A male of the Pale Grass Blue resting on the red-colored leaf.

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



逆光のモンキチョウ

エノコログサ(ねこじゃらし、欧米ではFoxtailというらしい)主体の小さな草地。

枯れた花穂の上に静止したモンキチョウを発見。
前方から陽がさしてエノコログサの枯れ穂が輝いた。

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---- A Pale Clouded Yellow resting on the foxtail grass against the light

------ Olympus OM-D E-M1, ZD50-200mm, MZD60mm Macro




キタテハ

エノコログサの枯れ穂ではキタテハの姿も発見。
翅の辺縁の切れ込みが強いキタテハはユニーク。

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----A Comma on the foxtail grass

----- Olympus OM-D E-M1, MZD14-42mm + WCON-P01, MZD60mm Macro



POSTSCRIPT :


東北楽天日本一おめでとう!
素晴らしい日本シリーズでしたね。


d0090322_153232.jpg<オリンパスE-M1使用感:デジタルテレコンについて
実は初期設定を間違えて 2倍のデジタルテレコン(DT)を入れたままで撮影したことに後で気づいた。DTは、理論的に中央部をトリミングしたことになるのだが、ファインダーで被写体が2倍に拡大されるので、昆虫撮影にはとても便利な機能といえる(EVFファインダーの利点)。DTを用いると、レンズのF値はそのままで、60㎜マクロは120mm(実質240mmの望遠マクロ)、200mmは400mm(実質800mmの超望遠)の画角で撮影、記録することができる。またDT機能をボタンに割り付けて、オンとオフをワンプッシュで切り替えることができるのも実用的。
 現在、カメラメーカー各社から優秀な製品が発売されていて、いわば百花繚乱状態。僕にとって良いカメラとは、カタログデータや機能ではなくて「 撮る勇気を与えてくれるカメラ」なのだ。E-M1が良い相棒になってくれることを期待している。







Nature Diary vol.8 (63): #555
Date: November-03 (Sunday) /2013
Place: Kofu in Yamanashi




by tyu-rinkazan | 2013-11-04 15:15 | ▣ムラサキシジミ | Comments(10)