NATURE DIARY

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20140126 大寒の散歩道:富士山麓のチョウ越冬卵

DIARY #005 :

富士山麓を散歩することにした。

精進湖にさしかかると、空は曇っているにもかかわらず富士山がくっきりと明瞭に見えた。湖面の氷が無い部分に映る富士山の近くには、1艘の「ワカサギ釣り」のボートがのんびりと浮かんでいた。精進湖のワカサギ釣りは「冬の風物詩」だが、本日はボートの数が少なくて寂しいな。

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----- Smeltfishing boats on the Shoji Lake

---- Olympus OM-D E-M1 + MZD14-150mm




カシワの枝のハヤシミドリシジミ

高原にはカシワの木が散在している。

ここのカシワの木にはハヤシミドリシジミというゼフィルスが棲息しているはず。しかし、立ち入り禁止の立札が立っている。そこで、道路の近くで入れそうな場所のカシワの枝で探すことにした。

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----- Japanese Emperor Oak

---- Olympus OM-D E-M1 + MZD14-150mm



ちょうど背景に富士山が入る枝にゼフの越冬卵を発見した。

ここにはウラジロミドリシジミはいないのでハヤシミドリのものに違いない。
実はハヤシミドリの越冬卵撮影は初めてだ。初夏には幼虫も見てみたいな。

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----- Overwintering Eggs of the Hayashi Hairstreak

-----Olympus OM-D E-M1, Pana 8mm Fisheye, MZD60mm Macro, Tough Tg-2, 外部ストロボ




クロツバラの枝のミヤマカラスシジミの越冬卵

この草原にはクロツバラの木が多い。

クロツバラ(オオバクロウメモドキ)はミヤマカラスシジミやヤマキチョウの幼虫の食樹。ヤマキチョウの越冬態を見たくて今年もこの草原を訪れたが、やはり見つけることはできなかった。

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----- Rhamnus davurica var. nipponica

----- Olympus OM-D E-M1 + MZD14-150mm



でも、ここではミヤマカラスシジミの越冬卵をクロツバラの枝で容易に見つけることができるのが嬉しい。探し始めて5分ほどで小さな宝石を目にすることができた。

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----- Overwintering Eggs of the Mera Black Hairstreak

----- Olympus OM-D E-M1 + MZD 60mm Macro, Olympus Styrus Tough Tg-2




Notes :

以前、ある人からこのブログの表記法について質問されたことがあります。今回のNature Diary vol.9 (05): #567 を用いて説明すると、 vol.9は巻数で9年目(05)内は号で今年5回目の記事最後の #567 はNDを始めてからこれまでの総記事数を表している。生来、熱しやすく冷めやすい性格の虫林が、これほど多く記事を更新していることが我ながら不思議に思います。これからも無理せず(かなり無理しているところあるが)のんびりと楽しみながら続けていきたいと思っています。


公園で草滑りする親子。
滑り降りた子供たちが母親のもとに駆け上がる。

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Heart-Warming Scene


大寒も過ぎて立春ももうすぐだが、まだまだ寒い。
ノロウィルス感染には十分に注意しようね (うがいと手洗いの励行だね)。




Nature Diary vol.9 (05): #567, 2014
Date: January-25 (Saturday)
Place: Motosu in Yamanashi



by tyu-rinkazan | 2014-01-26 18:09 | ▣ハヤシミドリシジミ | Comments(10)

20140118 真冬の散歩道:雪が降る前にミドリシジミの越冬卵を探索

DIARY #004 :

これまで、ミドリシジミの越冬卵を撮影したことがない----今年の「冬の宿題」。

栗田貞多男氏の「ゼフィルスの森」によれば、ミドリシジミの♀は直径10㎝以下の細いハンノキの樹幹や枝に卵を産み付けるらしい。そこで、週末の散歩は夏に成虫を撮影したハンノキ林を訪れることにした。そこは八ヶ岳山麓の水田耕作放棄地(湿地帯)。

この時期には地面が硬く凍っていて(零下10度)、湿地帯でも歩きやすい。

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----- Frozen Ground

----- Olympus Tough TG-2 + gyorome8, OM-D E-M1 + MZD60mm Macro



葉が落ちて明るいハンノキ林には小川が流れ、ところどこに小さな池なども散在している。
葉が落ちたハンノキ林は、歩くだけでとても気持ちが良い。
ここのハンノキは大きな木が多く、高さが10-20mにもなる。でも、幼木の林も見つけた(↓右)。

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----- Japanese Alder (Alnus japonica)

-----Olympus OM-D E-M1 + MZD14-150mm




ハンノキの樹幹のミドリシジミの越冬卵

これまでミドリシジミの越冬卵は探したことがないので、要領がつかめない。

探し始めて何本目になるだろうか、ふと見た樹幹の目の高さよりも低い部分にゼフィルスの越冬卵を1個見つけた(↓の矢印)。ミドリシジミの越冬卵に違いない。ビンゴ!-----だね。

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----- An Overwintering Egg of the Green Hairstreak

----- Olympus Tough TG-2 + Gyorome 8



さらに探すと1か所に複数個が見つかる。

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----- Overwintering Eggs of the Green Hairstreak

----- Olympus Tough TG-2 + Gyorome 8




越冬卵の直径は1㎜程度なので肉眼では小さな白い点にしか見えない。でも、カメラで撮影して拡大してみると、その表面には規則正しく並ぶ無数の突起がある、

下の写真はオリンパスの tough TG-2 のスーパーマクロで撮影しているが、これだけ拡大するとやはり被写界深度は浅くなってしまうな。もっとくっきりはっきりと撮影したいと思うが、これ以上は深度合成などの特別な工夫が必要になるだろう。

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----- Overwintering Eggs of the Green Hairstreak

----- Olympus Tough TG-2



Notes :

今回は「冬の宿題」にしていたミドリシジミの越冬卵をなんとか撮影できた。
長靴を履いて歩くハンノキ林は僕の極上の散歩道になった。

今年こそは生活に余裕を持ちたいなと願っていたが、すでに新年からいろいろと忙しく、毎日バタバタとせわしなく過ごしている。そんな時間に追われる生活の中で、このブログを続けていけるのだろうかと少し不安になるが、多分何とかなってしまうのだ。不思議といえば不思議だが、時間とはひねくり出せるものかもしれないな----甘いか。

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Ice



Nature Diary vol.9 (04): #566, 2014
Date: January-18 (Saturday)
Place: Hokuto-shi in Yamanashi



by tyu-rinkazan | 2014-01-19 07:41 | ▣ミドリシジミ | Comments(8)

20140113 真冬の散歩道:擬態の名人(名蛾?)キノカワガの越冬

DIARY #003 :

本日は久しぶりにキノカワガ Blenina senex を撮影。

キノカワガは樹皮に巧みに擬態していていて、なかなかユニークでフォトジェニックな昆虫の一つだ。けっして少ない種ではないけれど、越冬する木が限られているようで、通常の散歩で見る機会は多くない。これまで2か所でこの蛾が毎年越冬する木を見つけているが、越冬する個体数は年によってかなり差があるようだ。今回の散歩はキノカワガの越冬木を訪れてみることにした。

この蛾は忍者みたいに「木化け」するので見逃しそうで怖い。
目に自信がないので------。



ケヤキのキノカワガ

最初に訪れたのは、川に面した小さなお宮。
右側の川に面した斜面のケヤキの木の太い幹で越冬している。

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----- Shinto shrine

----- Olympus Pen Light E-PL6, MZD 14-150mm



ケヤキの幹に静止するキノカワガ。
わかり難いので矢印を付けた。

オリンパス・Tough TG2にGyorome 8を付け、内蔵ストロボを用いた。TG2では構造的に内蔵ストロボがとても使用しにくい。光を分散させるディフューザーをもう少し工夫しなければならないな。

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----- Blenina senex

----- Olympus Tough TG-2 + gyorome8, Flash(+)


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----- Blenina senex

----- Olympus Tough TG-2




エノキのキノカワガ

次の場所では林縁の1本のエノキの木。

同じような木が他にもあるのだが、不思議と他の木ではキノカワガを見たことが無い。キノカワガが静止する場所も特徴的で、日の当たる部位や完全の日陰には見られず、その中間でやや薄暗い部位に見られることが多い。この木だけで4頭が観察できた。

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----- Japanese hackberry

----- Olympus Pen Light E-PL6, MZD 14-150mm



キノカワガの色彩や模様は個体差が大きく、樹皮での擬態の巧みさにも差がある。
擬態が巧みで、なかなかその存在を認識できないものもある----擬態の名人(蛾)クラスだ。

下の写真ですぐわかるかな?

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----- Blenina senex

-----Olympus Tough TG-2 + Gyorome 8OM-D EM-1, MZD 60mm Macro



色もさることながら、質感も樹皮に擬態している。

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----- Blenina senex

-----Olympus OM-D EM-1, MZD 60mm Macro


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----- Blenina senex

-----Olympus OM-D EM-1, MZD 60mm Macro



Tyurin's Notes :

このところ寒波の襲来でとても寒いが、虫林の住む甲府市では雪が積もっていないのでフィールド散歩は楽だ。それにしても寒さに弱い虫林には厳しい季節に入ってきた。この寒い季節では昆虫の観察が難しいが、健康のためにも積極的にフィールドに出ようと思っている。



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Ice


Nature Diary vol.9 (03): #565, 2014
Date: January-13 (Monday)
Place: Kofu in Yamanashi



by tyu-rinkazan | 2014-01-13 17:58 | Comments(2)

20140104 初フィールド散歩:枯葉の揺り籠で越冬するミスジチョウの幼虫

DIARY #002 :

本日はミスジチョウの越冬幼虫の探索。

昨年の4月にカエデの花でミヤマルリハナカミキリを観察した橋を思い出した。そこは下からカエデの木がのびていて、橋の上に立つと木の上部の枝が容易に観察できる。さっそく車を止めて、橋の上からカエデの枝に残る枯れ葉をチェックした。

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----- Maple Tree by the Bridge

----- Olympus OM-D E-M1, Nokton 25mm



手が届くほど近くの枯葉に怪しい虫の影を発見した。
どうやら目的のミスジチョウの越冬幼虫だ。

ミスジチョウの幼虫はカエデの枯葉のゆりかごで越冬する。
拡大すると、水牛の角のような突起が何とも「クール」で「キモ可愛い」。。

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----- An Overwintering Caterpillar of the Sailer

----- Olympus OM-D E-M1, ZD8㎜ Fisheye, MZD60mm Macro, TG-2 + gyorome8




公園でウラギンシジミを探した

2週間前には5頭もの越冬個体を見つけたが、今回の探索ではたった1頭になってしまっていた。甲府市内のウラギンシジミは、土着しているとは思うが、冬を越える個体はかなり少ないと思われる。寒さのためか鳥に捕食されてしまうだろう。

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----- The Angled Sunbeam

----- Olympus OM-D E-M1, Nokton 25mm, Tough TG-2 + Gyorome 8




桜の幹のフユシャクの♀

今まで気づかなかったが、池の周りのサクラの木の幹を見るとイチモジフユナミシャク Operophtera rectipostmediana のメスが点々と発見できた。夜に来ればオスや交尾も撮影できそうだが寒くてね-------根性なし。

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----- A Female of Winter Moth (Operophtera rectipostmediana)

-----Olympus Tough TG-2 + Gyorome



さらにチャバネフユエダシャク Erannis golda のメスも1頭見つけた。
本種のメスは翅が消失している。

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----- A Female of Winter Moth (Erannis golda)

-----Olympus Tough TG-2 + Gyorome




TYURIN NOTES :
今回は今年初のフィールド散歩だったが、あまり苦労もせずにミスジチョウの越冬幼虫を見つけ出すことができ、幸先の良いスタートがきれたと思う。せっかく手が届く範囲の場所(観察が容易)で見つけたので、ブログ仲間の Clossiana さん(コロボックル讃歌)を見習って、今年はしばらくこの幼虫の生態を観察してみようかなと思う。



今年も良い年になりますように------合掌

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初詣




Nature Diary vol.9 (02): #564, 2014
Date: January-4 (Saturday)
Place: Kofu in Yamanashi



by tyu-rinkazan | 2014-01-04 23:05 | Comments(14)

20140101 虫林大賞発表 「テングの腹飾り」

謹賀新年

昨年中は拙写真と駄文にお付き合いいただき真に有難うございました。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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<虫林大賞 2014>
新年の恒例となっています「虫林大賞2014」を発表させていただきます。
今回の大賞は「テングの腹飾り」に決定です!

この写真は、昼食に立ち寄った蕎麦屋の入り口脇のタヌキの置物の腹に1頭のテングチョウが静止して翅を開いた時のもので、タヌキが「ひゃ!くすぐったい」と叫んでいるように見えますね。狸と天狗の組み合わせが面白いと評価しました。

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------虫林大賞:テングの腹飾り (6月15日、山梨県韮崎市)



大賞候補にノミネートされた作品。

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------雨上りの奇跡 ジョウザンミドリシジミの交尾 (7月7日、長野県白馬村)


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------背中の蝶 キマダラルリツバメシジミ東北亜種 (7月1日、岩手県岩泉町)




<海外蝶部門賞>
アナイスアサギシロチョウは無毒のシロチョウだが、その♀は体に毒を持つマダラチョウに似せている(ベイツ型擬態)。

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------ベイツ型擬態 吸蜜するアナイスアサギシロチョウのメス (7月12日、タイ)




<蛾部門賞>
エゾヨツメは春先に出現するヤママユの仲間です。
夜間でしかも飛翔撮影という撮影難易度の高さが評価された。

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------飛翔するエゾヨツメ (4月6日、山梨県甲府市)




<甲虫部門賞>
エゴヒゲナガゾウムシは小さなゾウムシですが、面白い形態がフォトジェニック。
メスはエゴの実に口で穴を開け、そこに腹部を入れて産卵します。

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-----エゴヒゲナガゾウムシの産卵 (8月31日、静岡県富士宮市)




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それでは、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
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Nature Diary vol.9 (01): #563, 2014
Date: January-01 (Wednesday)
Place: Kofu in Yamanashi




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過去の虫林大賞 (The best shot of the year by Tyurin)
第1回 (2007):オオイチモンジの集団吸水
第2回 (2008):アリに攻撃される岩手のチョウセンアカシジミ
第3回 (2009):カタクリで吸蜜する白馬のギフチョウ(イエローバンド)
第4回 (2010):福島のキマダラルリツバメ♂開翅
第5回 (2011):槍ヶ岳バックのタカネヒカゲ
第6回 (2012):クロミドリシジミ♂開翅
第7回 (2013):フウロソウで吸蜜するタカネキマダラセセリ



by tyu-rinkazan | 2014-01-01 00:00 | その他・雑 | Comments(66)