NATURE DIARY

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20150328 春の散歩道:スギタニルリシジミなど

DIARY Vol.10 (654): #16, 2015 :  

甲府地方気象台は3月25日、桜の開花を発表しました。
平年より2日早く、昨年より3日早いそうです。

週末(土曜日)は春の陽気に誘われて県南部の里山にでかけました。ヤマザクラ、アブラチャン、コブシ、ハシバミ、キブシ、ヤマブキなどの花々が咲き、タンポポ、タチツボスミレ、キランソウ、ムラサキゴケなどが路傍を飾っています。ウグイスの初鳴きを聞きながらのんびりと散歩。

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---- コブシの花-Magnolia kobus

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD60mm Macro)



ミヤマセセリの日光浴

最初に立ち寄ったコナラ林では、沢山のテングチョウとともにミヤマセセリの姿も時々見ることができました。ミヤマセセリは春浅い季節だけに出現するスプリングエフェメラル。地味な色彩ですが里山に春を告げるチョウの一つでカメラを向けずにいられません。

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---- 日光浴するミヤマセセリ-A sun-bathing male of the Spring Flat

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm F2.0 ED MSC)



吸蜜するコツバメが輝いた

日溜りの枯草ではコツバメが占有(縄張り)行動を繰り返していました。
コツバメというシジミチョウは、小さい上に飛翔が早いので目で追うのに苦労します。

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---- 占有行動するコツバメ-The Tailless Hairstreak

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm F2.8 Pro + Telecon)


キブシの垂れる花で数頭のコツバメが盛んに吸蜜していました。

吸蜜するコツバメを逆光気味にみると縁毛が青く輝きます。
この青い輝きは翅表の青い色が関係していると思います。
しかし、そのメカニズムは僕にはよくわかりません。

太陽からの光の方向と縁毛の光る具合を確認し、体を移動しながら撮影しました。

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---- キブシの花で吸蜜するコツバメ-The Tailless Hairstreak

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm F2.8 Pro + Telecon)



越冬明けのムラサキシジミ

越冬明けのムラサキシジミがアブラチャンの黄色い花を訪れていました。
長い冬を越えて翅裏の模様が薄くなっている姿が少し哀れに思います。

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---- アブラチャンで吸蜜するムラサキシジミ-The Japanese Oakblue

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm F2.8 Pro + Telecon)



吸水するスギタニルリシジミ

湿った地面ではスギタニルリシジミが吸水していました。

吸水するスギタニルリは20頭ほどはいるようです。
でも、分散しているのでファインダーには10頭ほどしか入りません。

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---- 集団吸水するスギタニルリシジミ-The Sugitani's Hedge Blue

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D, E-M1 M.ZD40-150mm F2.8 Pro + Telecon)


この辺りにはスギタニルリシジミの食樹であるトチノキは無いので、他の植物を幼虫は食べているのと思われます。そのせいか、ここのスギタニは大きくて、ルリシジミと同じくらいの大きさがあります(両者の区別が容易でない)。飛翔撮影すると翅表の暗色な青色が良くわかります。

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---- スギタニルリシジミ-The Sugitani's Hedge Blue

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1 + 60mm Macro, Pen EP-5 + M.ZD12mm)




ルリシジミが全開翅した!

スギタニルリシジミに混ざってルリシジミも吸水していました。

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---- ルリシジミ-The Holly Blue

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)


驚いたことにこのルリシジミは地面で翅を全開しました。
翅に異常があって全開したものと思います。
しかし、この個体の飛翔には問題無さそうでした。

目の覚めるような「輝くブルー」に驚かされました。

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---- 全開するルリシジミ- The Holly Blue

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD60mm Macro)



その他の昆虫たち

林道上で曲者ヒメツチハンミョウを見つけました。
盛んに草を食べています。

ツチハンミョウは体内にカンタリジンという毒を持っています。素手で触ると炎症を起こし水脹れなどになるため注意が必要です。土中で孵化した幼虫は花に登り、花に飛んできたハナバチ類によって巣に運ばれ、ハナバチの卵や、巣に貯蔵してある花粉・蜜を食べて育つという生態も「曲者」「悪役」にふさわしいかな。

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---- ヒメツチハンミョウ-Meloe coarctatus

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus Pen EP-5 + M.ZD12mm, Tough TG-3 )


ホソミイトトンボが数頭草むらを飛んでいました。
目を離すと見失うくらい体が細いイトトンボです。
珍しく季節型があり、今回のは冬型でしょう。

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---- ホソミイトトンボ-Aciagrion migratum

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD60mm Macro)


林道にはモンカゲロウがたくさん飛んでいました。

もう少し撮影したくて河原に降りてみました。
しかし、河原の石ではモンカゲロウの姿を見つけることができませんでした。
多分、川の近くに静止するとクモたちの餌食になるからかもしれません。

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---- モンカゲロウ-Ephemera strigata

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)



??虫眼鏡ノート

アメリカのボストン出張から帰宅して2日目ですのでまだ時差ボケが抜けていませんでした。でも、長い冬がやっと明け、チョウたちが飛ぶこの時期は時差ボケだとか疲れているなどといって家に蟄居してはいられません。今回はほぼ1年ぶりでスギタニルリシジミを初めとする色々なチョウたちや他の昆虫たちにも出会うことができて嬉しかったです。また、現地では静岡の同好者の方と偶然にお会いし、いろいろと親切に教えていただきました----感謝。

これから続々と昆虫たちが出てきますので、フィールドが賑やかになります。
しかし、本業が今年は忙しくなりそうなのでブログの更新が不定期になるかもしれないな。
ブログ更新の意欲はまったく衰えていないのだが------弱気。


Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-03-29 21:06 | ▣スギタニルリシジミ | Comments(10)

20150324 アメリカ合衆国の散歩道(続):ボストン科学博物館で温まった

DIARY Vol.10 (653): #15, 2015 :  

僕は自然史博物館が好きです(日本では上野の科学博物館かな)。そこには地球のロマンを感じ取ることができるからです。今回訪れたボストンには、「Museum of Science(Boston)」という博物館があります。ホテルのコンシャルジェの話では、車で10分ほどのチャールス川の河口に建っているということでしたので立ち寄ってみました。


凍るチャールス川とカナダガン

チャールス川 Charles river の川面には大きな氷が浮かんでいました。
ボストンは大学や研究所が多い都市です。
川の氷を見ながら「文化は北から?」という言葉が頭に浮かんできました。

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---- 氷が浮かぶチャールス川-A landscape of Charles river with ices

-----(Boston, US, Mar/24/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)


カナダガンは日本では迷鳥(迷い込んだ鳥)。
でも、北米では冬期には普通に見ることができる鳥。
見ていると、かなり喧嘩っ早い鳥ように思えた。

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---- カナダガン- Canada goose

-----(Boston, US, Mar/24/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)



科学博物館

科学博物館 Museum of Science の外観は何となく殺風景

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---- 科学博物館-Museum of Science (Boston)

-----(Boston, US, Mar/24/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)



小部屋に写真、数個の昆虫の標本箱、ノートなどが飾ってありました。
他の部屋の展示品が豪華なのにここだけ“あれ?”ていう雰囲気。
写真に添えられた名前は、アルフェウス・ハイアット(Alpheus Hyatt)


アルフェウス・ハイアット(April 5, 1838 – January 15, 1902) はアメリカの動物学者で古生物学者。脊椎動物の化石の研究者として知られています。ハイアットは1862年にハーバード大学を卒業して、その後、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)の教授として務め、ボストン自然史協会の運営にも深くかかわった人物です。

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---- アルフェウス・ハイアット-Alpheus Hyatt

-----(Boston, US, Mar/24/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)



この博物館には蝶園(バタフライガーデン)が併設されています。

ここは何が良いか?と申しますと、第一に室内が暖かいことです。
ボストンは寒いので、蝶園に来ると、身も心もリラックスしてほっこりできます。

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---- 蝶園-Butterfly Firm

-----(Boston, US, Mar/24/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)



そとの気温は零下ですが、バタフライガーデンの温室内はポカポカ、ヌクヌク、ホクホクしていました。完全に南国の別世界です。さらに、色とりどりの蝶まで飛んでいるのですから、虫林にとってはまさしく天国ですね。この寒い冬の間はこのバタフライガーデンでほっこりとしたいものです(バタフライガーデン浴)。

色鮮やかなドクチョウの仲間やモルフォチョウなどの南米の蝶たち。
静止した写真とともに少しだけ飛翔写真も撮影しました。

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---- ドクチョウ-Butterfly Firm

-----(Boston, US, Mar/24/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)

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---- タテハチョウ-Butterfly Firm

-----(Boston, US, Mar/24/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)

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---- モルフォチョウ-Butterfly Firm

-----(Boston, US, Mar/24/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)


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---- 巨大なバッタ-A Big Grasshopper

-----(Boston, US, Mar/24/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)



ボストンの夜

夜空に月が輝いていました。
クラムチャウダーを注文しました。

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---- 町の夜景-A night landscape of Boston

-----(Boston, US, Mar/24/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)

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---- 名物のクラムチャウダー-Cramchauder

-----(Boston, US, Mar/24/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)




Note

これで、アメリカ合衆国のボストンの記事を終了します。

博物館の壁には、発見(Discover)、想像(Imagine), 探索 (Search), 革新(Innovate)の4つの文字の看板があった。いずれも大事な言葉で、科学の原動力といえる根本的な精神が含まれています。略してDISIということで覚えておこう-----すぐに忘れる?
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この1週間でミヤマセセリやコツバメ、ギフチョウなどがいっぺんに飛び始めているようですね。
今週末は僕も春の昆虫たちに会いたいな。

By 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-03-26 22:51 | ● United States | Comments(4)

20150322 アメリカ合衆国の散歩道:ボストンの街かどにて

DIARY Vol.10 (652): #14, 2015 :  

アメリカ合衆国マサチューセッツ州のボストンに学会出張。


ボストンの街

滞在したホテルの部屋からボストンの街が一望できました。
赤レンガの建物が多くて、ヨーロッパのような趣があります。

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---- ボストンの風景-A landscape of Boston city

-----(Boston, US, Mar/22/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)



とにかく、外に出ると風が冷たいのには閉口しました。
ただ冷たいというのではなく、危険なほどの冷たさなのです。
ホームレスが冬を越すのが困難なほどの冷たさなのです。

今年の東海岸は雪が多く、ボストンでも、2月の降雪量が観測史上最高の115cmとなったということです。現在は「大雪?何ですかそれは」の状態なのですが、市内の所々にまだマダラ状に雪が残っています。

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---- 雪が残るボストン-Boston with remnant snow

-----(Boston, US, Mar/22/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)




ボストン交響楽団コンサート

シンフォニーホールでのボストン交響楽団 The Boston Symphony Orchestra のチケットが運良く取れました。ボストン交響楽団といえば、世界の名だたる指揮者がタクトを振ったオーケストラで、その中にはご存じの小澤征爾もいます。ちなみに小澤征爾さんは1973年から2002年まで(30年間)常任指揮者を務め、歴代の常任指揮者の中では最も長いと思われます。

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---- ボストン交響楽団チケット-A Ticket for the Boston symphony orchestra

-----(Boston, US, Mar/22/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)


ところが、僕の研究分野のセッションがこの演奏会の時間帯と大きく重なってしまったのです。もちろん、残念ではありますが、演奏会よりも研究のセッションに参加する方を優先したのはいうまでもありません(本来の目的ですからね)。そこで、虫林よりも音楽をより解し、音楽をより愛し、もって、このボストン交響楽団を聞くに値するであろう家内が一人で行きました。

下の写真は家内が撮影したシンフォニーホール内部です。

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---- シンフォニーホール- Symphony Hall

-----(Boston, US, Mar/22/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)




ボストンの街かど

写真がとらえた場面は、撮った瞬間から過去になる。
写真がとらえた場面は、必ずそこに自分が存在する。
写真とは自分の過去、過去の自分の手鏡だ

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---- 街角風景-A landscape of Boston

-----(Boston, US, Mar/22/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)

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---- 我儘なレストラン-Wagamama Restaurant

-----(Boston, US, Mar/22/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)



レンズのマグカップ

キャノンの標準レンズがお土産屋にあった。
よく見るとイミテーションで、カップになっていた。
驚きの技術(3-Dプリンター?)です。

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---- キャノン EF24-105mm のマグカップ- Imitation of Canon EF24-105mm (Mag cup)

-----(Boston, US, Mar/22/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)

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---- キャノン EF24-105mm のマグカップ- Imitation of Canon EF24-105mm (Mag cup)

-----(Boston, US, Mar/22/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)



Note

そろそろ日本では桜もほころぶ頃ですが、ボストンに出張しています。

ボストンは緯度からすれば旭川と同じくらいということですが、本当に寒くて、冷たい風も吹きまくり散歩どころではありませんでした。春の声を聴くのはまだ1か月以上も先のようです。まだボストンに滞在中で、ホテルからこの記事をアップしました。気が向けばもう一つ追加するかもしれません。もう少し(あと2日ほど)ボストンに滞在します。


追:kmkurobeさん、今年のギフ初見おめでとう。


By 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-03-23 19:31 | ● United States | Comments(6)

20150314 早春の里山散歩道:ウラゴマダラシジミの幼虫がすでに孵化していた

DIARY Vol.10 (651): #13, 2015 :  

数か月前からOlympus M.ZD12mm f2.0というレンズを使用しています。このレンズは超広角レンズとしてはとても明るくて(f2.0)、撮影した画像もシャープです。日常の「スナップ写真」の他に「虫景写真」や「飛翔写真」に使用するつもりです。魚眼レンズほど近接して撮影できませんが(最短撮影距離20㎝)、とにかく小型で気楽に持ち歩くことができるので気に入っています。

注:ちなみに虫景(むしけい)写真とは、通常の風景の中に何気なく虫をおくというコンセプト(あるいは虫を中心とした風景写真)です。その名前は星景写真からのパクリですが気に入っています。なんだい、なんだい、ただの虫の広角写真かい?などといわれるとグーの根もでません。虫景写真は今年(永遠)の課題(My task of this year)です----どうなることやら。

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午後のモンキチョウ

本日(土曜日)は寒い一日でした。

里山でのフィールド散歩は天候がすぐれずチョウも飛ばないので、散歩は午前中で切り上げ、自宅に逃げ帰ってきました。家内とのんびり昼食を食べてウラウラ、ウダウダとしていたところ、午後(3時過ぎ)になって突然、暖かい陽が差してきました。そこで、未練がましくも再び拙宅裏の河原に出かけてモンキチョウ♂を12mm広角レンズで虫景撮影してみたのです。ですから、下の写真(午前中の撮影)とは時系列的には逆になります。

夕日を浴びた新鮮なモンキチョウ、散歩する人、富士山。
虫景写真では、「虫の存在をわざと控えめにするのがミソ」
などとつぶやきながら、実は適当に撮る----インパクト少ないか?

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---- モンキチョウの虫景写真-Insect-landscape photo with an Eastern Pale Clouded Yellow

-----(Kofu-shi, Yamanashi, Mar/14/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)



春の里山

山梨県は「小さな梅干し(甲州小梅)が名産」です。
甲州小梅は、お弁当やビールのおつまみなどに出てくるカリカリ、コリコリした小さな梅ですよ。
食べたことあるでしょうか?

郊外には梅の林がとても多いので、この梅花の時期、まだ冬枯れが残る風景の中に梅の花の淡い白色がまるで空にうかぶ雲のように点々とマダラ状に色を添えています。桜の花風景も鮮やかで良いのですが、早春の梅の花の時期は長い冬を越えた後だけに、どことなく懐かしくて、愛おしくて、ほっこりとした感覚にとらわれてしまいます。

満開の梅林
畑を耕す人
脇に駐車する軽トラ

里山の春景色はどこかノスタルジック。

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---- 早春の里山-A landscape of early spring field

-----(Kofu-shi, Yamanashi, Mar/14/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD60mm Macro)



ホトケノザのシロバナ

土手に沢山のホトケノザ、オオイヌノフグリ、ナズナなどが咲いていました。これらの花はどれも身近で、畑や田にいけば沢山見ることができるものです。いわゆる雑草ですね。これまでそんな雑草はフーンという感じでカメラを向けたりしませんでした。でも、マクロレンズで拡大してみるとどれもが驚くほど美しいなと思いました。嬉しい驚きは僕の散歩の原点です。


ピンクのホトケノザの中に白花 Lamium amplexicaule (albiflorum) が混ざっていました。
ホトケノザの白花は珍しくなさそうですが、実際に撮影するのは初めてです。

シロバナは清楚な感じがしてなかなか美しいですね。

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---- ホトケノザ(白花)-Lamium amplexicaule (albiflorum)

-----(Kofu-shi, Yamanashi, Mar/14/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm, M.ZD60mm Macro)


下の組み写真は、通常の花色(左端)、白い部分が拡大した花(中)、そしてまったく色が抜けてしまった白花(右端)です。

ホトケノザはどこでも沢山見ることができる身近な雑草。
しかし、この花の美しさは集合的なものよりも、個々の美しさが秀逸。
こんな驚きがあるからフィールド散歩は止められないのだ。

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---- ホトケノザ(白花)-Lamium amplexicaule

-----(Kofu-shi, Yamanashi, Mar/14/2015、Olympus TG-3)



ウラゴマダラシジミ(ウラゴ)の幼虫が孵化していた

ウラゴはとても綺麗なチョウですが、僕の周りで確実に見ることができる場所はありませんでした。そこで、まずは冬の間にウラゴの越冬卵探しをしてみることしたのです。昨年末、目がふしあなの虫林でも、何とか越冬卵を見つけることができました。こういう小さなものは、いったん見つけてしまうと別の場所でも簡単に見ることができるから不思議です。

今回の散歩でも、何気なく見たイボタノキの細い枝にウラゴの越冬卵を見つけました。


ところが、越冬卵には真ん中に穴が空いています。
どうやら幼虫がすでに孵化してしまったのです。

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---- ウラゴマダラシジミの越冬卵(孵化後)-Eggs after hatchingincubation

-----(Kofu-shi, Yamanashi, Mar/14/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD60mm Macro, TG-3)


そこで、越冬卵(緑の→)が付いていた枝の新芽をゆっくり見ていきました。
すると、新芽の周囲に黒い小さな幼虫を見つけました(黄色い→)。
これはウラゴの孵化後まもない幼虫に違いありません。

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---- ウラゴマダラシジミの幼虫-A caterpillar of the Blue Hairstreak

-----(Kofu-shi, Yamanashi, Mar/14/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD60mm Macro, TG-3)



ブドウスカシクロバ Illiberis tenuis

散歩道を歩いていると色々な昆虫に出会います。道脇の枯れ枝の上に黒っぽい翅を持つ小さな怪しい(失礼)蛾をみつけました。調べてみると、どうやらブドウスカシクロバかリンゴハマキクロバのようです。いちおう、ここではブドウスカシクロバにしておきます(間違いがありましたら教えてください)。このブドウスカシクロバはマダラガ科の蛾ですが、スカシバ科の蛾に「ブドウスカシバ」という人気者(人気蛾)がおります

ブドウスカシクロブドウスカシバ----うーん、紛らわしいな。


人気も格好もブドウスカシバが上?
でも、虫林には人気番付はよくわかりません。
とにかく、地味でもせっかく撮影したのでブドウスカシクロバを応援しよう。
がんばれ、ブドウスカシクロバ!

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---- ブドウスカシクロバ- Illiberis tenuis

-----(Kofu-shi, Yamanashi, Mar/14/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD60mm Macro, TG-3)


ブドウスカシクロバは体に青い鱗粉がのっています。
口吻が真っ黄色なところが何ともクールですね---キモカワイイ。

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---- ブドウスカシクロバ- Illiberis tenuis

-----(Kofu-shi, Yamanashi, Mar/14/2015、Olympus tough TG-3)



Note

本日(土曜日)も風が強くて寒かったので、午前中は成虫を期待しないで散歩しましたが、運よくウラゴマダラシジミの幼虫をみることができました。孵化して間もない幼虫だと思いますが、新芽に穴をあけてたくましく生きていました。小さな命の輝きを見ることができて嬉しくなりました。午後から陽が差してきたので、12mmの広角レンズでモンキチョウを撮影することができました。

オリンパスでは夏に8mmFisheyeのプロレンズが出るそうですが、楽しみにしています。このレンズのスペックは良くわかないけど、8mm魚眼の最短撮影距離は12mm広角よりも近いはず(例えば15㎝近辺)なので、もっと虫に近づけるはずですよね。オリンパスは最近元気だな。


By 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-03-15 19:44 | ▣ウラゴマダラシジミ | Comments(6)

20150307 虫人たちのパーティ:朋有り遠方(タイ)より来たる、亦た楽しからずや

DIARY Vol.10 (650): #12, 2015 :

虫人(むしびと)パーティ

土曜日の午前中はカオヤイさん、spaticaさんと拙フィールドでコミミヅクの幼虫を撮影し、午後からは山口進さん宅に集結してパーティ。皆さん、東南アジア(特にタイ)を中心とした虫の知識、話題はとても豊富で、虫談義は尽きることを知りませんでした。そんなエンドレス虫トークはねっからの虫人でなければできませんね。とても楽しかったです。

参加虫人たち:
◉パナマから2日前に帰国して、まだ時差ボケが抜けない「山口進さん(昆虫写真家)」
◉タイから一時帰国して、日本の寒さに震える「カオヤイさん(タイの自然と風景)」
◉タイにお住まいの虫グッズデザイナー「マメ子さん(マメ子商会代表)」
◉むしガールズ指導者と噂されている「ツノゼミ姉さん(熊大)」
◉楽しい虫(むし)学を世に展開する「メレ山メレ子さん(昆虫大学長)」
◉けっして節穴でない鋭い虫目を持つ「spaticaさん(ふしあな日記)」
◉シロアリの形態発生学を研究している「オオシロアリくん(北大)」
◉仕事にかこつけて世界をふらつく怪しい虫人「虫林花山(Nature Diary)」

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Note

寒い週末でした。でも、タイでお世話になった方々やこれまでお話しすることができなかった方々などとゆっくり語り合えてよかったと思います。色々と親切にお世話頂きました山口進さんには心から感謝します。また、夕食の「S家の具だくさんコロッケ」、「S家のグラタン」「熊本の馬刺し」はいずれも絶品でした。また食べたいものです----虫のいい話。

また、お会いしましょう。


By 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-03-08 16:19 | その他・雑 | Comments(8)

20150228 野母崎半島(長崎県)の散歩道:ツヤスミレ?など

DIARY Vol.10 (649): #11, 2015 :

今週は研究仲間のN教授からのお招きで長崎市に出張しました。


駅にドラゴンが飛んでいた

長崎市内は旧正月(春節)を祝うランタンフェスティバル。
JR長崎駅の構内には大きな龍バルーンが飛んでいました。

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---- 長崎駅に飛ぶドラゴン-A Flying Dragon in Nagasaki Station

-----(Nagasaki, Feb/28/2015、Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm f2.0)



野母崎半島の海岸にて

土曜日の午前中は長崎市内から車で1時間ほどの野母崎半島樺島。
樺島灯台公園から細い道を下ると小さな海岸にでました。

ここは数年前の秋に訪れた時にタテハモドキやリュウキュウムラサキと出会った場所です。
今回は風が強い上に気温も低く、蝶どころか虫の気配すらまったくありませんでした。

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---- 海岸-Seashore

-----(Nagasaki, Feb/28/2015、Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm f2.0)



ツバキの落花

この海岸の周りにはアカガシやウラジロガシなどのカシ類、ヤブツバキ、サンゴジュ、トベラなどの常緑広葉樹が茂っていました。ヤブツバキの花期はすでに過ぎ、花が沢山落ちていました。

ツバキの落花はフォトジェニック

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---- ツバキの落花-Falling Blossoms

-----(Nagasaki, Feb/28/2015、Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm f2.0)




タチツボスミレが咲いていた

林の縁でタチツボスミレの花を見つけました。

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---- タチツボスミレ-Viola grypoceras

-----(Nagasaki, Feb/28/2015, Olympus OM-D E-M1, M.ZD12mm f2.0、M.ZD40-150mm f2.8)


タチツボスミレは個体変異や地域変異が多いスミレです。

西日本から九州の海岸には「ツヤスミレ」というタチツボスミレの一型があります。このツヤスミレは通常のタチツボスミレに比べて、葉が肉厚で光沢があるのが特徴です。以前から見てみたいと思っていましたが、今回やっとそれらしいスミレを見ることができました。

ちなみに、この「葉が肉厚で光沢をもつ」という特徴はシチトウスミレ(伊豆諸島と伊豆半島の南部)テリハタチツボスミレ(本州の新潟県以北の日本海側の海岸部)にも見られるものです。つまり、ツヤスミレはタチツボスミレの海浜適応?

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---- タチツボスミレ(ツヤスミレ)-Viola grypoceras

-----(Nagasaki, Feb/28/2015, Olympus OM-D E-M1, M.ZD60mm f2.0 Macro)



オオウナギの井戸

帰りがけにオオウナギが棲む井戸に立ち寄ってみました。

今でも井戸の中にオオウナギが棲んでいるということですが、中を見ても暗くてなにも見えません。でも、すぐ後ろの小屋の中の水槽でオオウナギの姿を見ることができました。とても大きくて隠れ家に入りきらずに体の半分くらいが出てしまっているのが笑えました。

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---- オオウナギが棲む井戸-

-----(Nagasaki, Feb/28/2015, Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm f2.0)



Note

今回の出張も1泊2日の強行軍でしたが、講義の後の懇親会では古い友人たちやその教室員の皆さんとゆっくり語らうことができて嬉しかったな。N先生有難う。

帰りの飛行機を夕方にしたので、土曜日の午前中数時間だけでしたが何とかお気に入りの散歩道を歩くことができました。風が冷たくて、さすがに蝶の姿などは見ることができませんでした。でも。、チョウの撮影を諦めてみると見えなかったものが見えてくるから面白いですね。意識と視覚は深く関係しているのです。

酸素ではなく散歩中毒症状を治すには薬や手術ではだめで(当たり前)、実際の散歩療法が一番ですね。フィールド散歩をすると日々の疲れが体から離れ、エネルギーが湧き上がってきます-----とか何とかいいながら、周りを煙にまいていつも散歩にでています。

By 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-03-01 12:45 | ■野花 | Comments(4)