NATURE DIARY

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20150725 県南の散歩道:ヤマビルも屁の河童のキリシマミドリシジミ

DIARY Vol.10 (676): #38, 2015 :

エメラルドグリーンに輝くキリシマミドリシジミはゼフィルスの王様(ゼフ王)。  

最近、山梨県の某所をキリシマミドリシジミが飛ぶことを知った。そこで、蝶友のダンダラさん(小畔川日記)をお誘いして山梨県産キリシマミドリシジミにチャレンジすることにした。その場所は数週間前にも二人で下見したが、観察地点までの道にヤマビルが多い。でも、エメラルドグリーンのゼフ王に会うためならヤマビルだろうがキングコブラ(日本にいない)だろうが「屁の河童」「平気の平左衛門」なのです。
    


渓谷にて

先日の大雨の影響か渓谷の流れは、白いしぶきをあげてすこぶる豪快。

幾つかのシャッター速度を選んで水の流れを撮影。
ちなみに下の写真は1/100秒で撮影したものです。

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------------------- 渓流-Mountain torrent

--------------------(Yamanashi, 25/July/2015, Olympus OM-D MZD ED40-150mm F2.8 Pro + X1.4 Telecon (MC-14)



ゼフのようなウラギンシジミ

谷に日が差してしばらくすると、白い翅裏を点滅して大型のシジミチョウが現れた。
枝先で占有(テリトリー)行動を行い、時々他の蝶と巴卍飛翔までした。
うーむ、どうやらゼフィルスのようだ。
やっと待望のキリシマミドリシジミが出現したのかなと思い喜んでカメラを向けた。

画像再生してみると、なんとウラギンシジミ♂だった。
ウラギンシジミの夏型はまるでゼフィルスみたいだな。

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---- ウラギンシジミ-Toothed Sunbeam

-----(Yamanashi, 25/July/2015, Olympus OM-D MZD ED40-150mm F2.8 Pro + X1.4 Telecon (MC-14)



ついにキリシマミドリシジミが出現した!

気温の上昇とともにいろいろな昆虫たちが飛ぶようになった。

期待に胸を膨らませながら待機したが、キリシマミドリシジミは一向に現れてくれなかった。到着後2時間が過ぎてそろそろ限界で諦めようかなと思ったその時に、背後から緑色に輝くシジミチョウが飛び出して、やや日陰のカシの葉上に静止した。

翅裏の白さは見まごう事なきキリシマミドリシジミだった。
「待てば海路の日和あり」とはこのことだな。
山梨県産のキリシマミドリの撮影は初めてだったので嬉しい。

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---- キリシマミドリシジミ-A male of the Wonderful green hairstreak

-----(Yamanashi, 25/July/2015, Canon EOS 6D + EF300mm f/4L IS USM + X1.4 Telecon



今回の撮影では、オリンパスのED40-150mm + 1.4倍テレコン(実質420mm)とCanon のEF300mm + 1.4倍テレコン(実質420mm)で撮影した。両方とも同じ倍率(420mm)だが、前者の方が大きく見えるように感じた。

数は多くないがキリシマミドリシジミは時々飛来してくれた。
ファインダーを通してみるキリシマミドリの翅の輝きに胸が高鳴る。
さすがゼフィルスの王様だ。

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---- キリシマミドリシジミ-A male of the Wonderful green hairstreak

-----(Yamanashi, 25/July/2015, Canon EOS 6D + EF300mm f/4L IS USM + X1.4 Telecon



これまでの経験から「キリシマミドリは見ることができても撮影は困難」
下の写真はトリミングしているが、何とかまともに撮影できたなと思う。

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---- キリシマミドリシジミ♂開翅-A male of the Wonderful green hairstreak with wings opened

-----(Yamanashi, 25/July/2015, Olympus OM-D MZD ED40-150mm F2.8 Pro + X1.4 Telecon (MC-14)



一度だけ距離にして2mほどの近さの葉に静止してくれた。
慌ててカメラを向けたが、葉が邪魔して全体を見る事ができない。

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---- キリシマミドリシジミ♂開翅-A male of the Wonderful green hairstreak with wings opened

-----(Yamanashi, 25/July/2015, Olympus OM-D MZD ED40-150mm F2.8 Pro + X1.4 Telecon (MC-14)



クロシジミの産卵を撮影した

キリシマミドリシジミを撮影した後、数週間前に偶然に見つけたクロシジミの発生地に立ち寄ってみた。ここは狭い範囲(多分20m四方)にクロシジミの密度が濃い。

到着して歩き出すとほどなく新鮮なメスが現れた。

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---- クロシジミ♀-A female of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 25/July/2015, Canon EOS70D, EF8-15mm f4/L Fisheye USM

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---- クロシジミ♀-A female of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 25/July/2015, Canon EOS 6D + EF300mm f/4L IS USM + X1.4 Telecon



メスの裏面は通常のものの他に、明らかに白化した個体も見られた。
残念ながらスレた個体だったが、裏面は明らかに白く、翅表にも紋がある。

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---- クロシジミ♀(白化型)-A female of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 25/July/2015, Canon EOS 6D + EF300mm f/4L IS USM + X1.4 Telecon



少数ではあるが、新鮮なオス個体も見る事ができた。

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---- クロシジミ♂-A male of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 25/July/2015, Canon EOS 6D + EF300mm f/4L IS USM + X1.4 Telecon



ススキの葉を観察すると、所々でクロシジミの卵をみつけた。

クロシジミの産卵シーンも見てみたいなと思っていたところ、ありがたいことにダンダラさんが見つけて呼んでくれた。このメス蝶は何度も産卵してくれたので、その様子をゆっくり観察できた。

メス蝶は明らかにクロオオアリの様子をみながら産卵していた。

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---- クロシジミ♀の産卵-A female of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 25/July/2015, Canon EOS 6D + EF300mm f/4L IS USM + X1.4 Telecon



??虫眼鏡ノート

山梨県内でキリシマミドリシジミが見る事が出来てとても嬉しかったです。出現するまでの待ち時間が長かったので、虫林一人だったら諦めていたかもしれません。ダンダラさんのおかげです。キリシマミドリの数は多くなかったものの比較的近くで静止してくれたので、一応まともな写真が撮影できたように思います。とにかく、キリシマミドリシジミは見る事ができても撮影するのが難しい蝶ですからね。

クロシジミの産卵シーンの撮影も初めてでした。この蝶はアリとの共生が知られていますが、この場所は蝶とアリとの関係が観察しやすい環境です。来年以降も楽しみになってきました。

Written by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2015-07-30 03:35 | ▣キリシマミドリシジミ | Comments(6)

20150723 大暑の散歩道:大きいけど小さいニトベツノゼミなど

DIARY Vol.10 (675): #37, 2015 :  

大暑の候。

やっと梅雨が明けて暑い夏本番になったとたん、連日最高気温が35度を越えている。
子供の頃は暑い夏を楽しみにしたものだが、近頃はこの暑さがいささか体にこたえる。
でも、夏に暑い暑いと文句をいっても仕方がないね。

暑くてもできるだけフィールドにでることにしよう。
夏はやっと訪れて、すぐに去っていくものだから-----。



ニトベツノゼミを撮影した
 
ニトベツノゼミは日本産ツノゼミでは最も大きい----といっても体長1cmほど(大きいけど小さい虫)。このツノゼミには以前から会ってみたいと思っていたが、これまでその機会にめぐまれなかった。情報によれば、発生木は街中からほど近い場所のどこにでもあるようなコブシの木だった。

探し始めて10分ほどでこの大きいけど小さいツノゼミを見つけることができた。ところで、小さい虫を「存在感を保ったままで小さく写す」ことは意外に難しいものだ。ここではホストプラントがコブシなので、コブシの大きい葉でニトベツノゼミの小ささが表現しやすい。

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---- コブシの葉で休むニトベツノゼミ-Centrotus nitobei

-----(Nagano, 23/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 60mm F2.8 Macro


ニトベツノゼミが発生しているコブシの木はやや日陰になっている。
似た条件のコブシの木は他に何本もあるのだが、ニトベツノゼミはこの木にしか発見できなかった。
こういうことはよくある。多分、風通しや日照条件などが関係するのかもしれないな


下の写真のようにニトベツノゼミは大きなツノを持っている。
ツノはとても立派でツノゼミらしいツノゼミといえるだろう。

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---- ニトベツノゼミ-Centrotus nitobei

-----(Nagano, 23/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 60mm F2.8 Macro, Tough TG-3


Tough TG-3 の顕微鏡モード深度合成機能で撮影した。

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---- ニトベツノゼミ-Centrotus nitobei

-----(Nagano, 23/July/2015, Olympus OM-D Stylus, Tough TG-3 顕微鏡モード深度合成



ゴマダラオトシブミ

ゴマダラオトシブミの揺籃作りは以前の記事では5月の終わりに撮影している(記事にジャンプ)。そこでてっきり5月の虫と思っていた。今回、観察した栗の木には、揺籃ばかりか成虫の姿も見ることができた。どうやらゴマダラオトシブミの発生盛期は7月のようだ。

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---- ゴマダラオトシブミ-Paroplapoderus pardalis

-----(Nagano, 23/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 60mm F2.8 Macro



ホソツツリンゴカミキリ

マッチ棒のようなユニークな形をしたカミキリムシ。
帰る途中でイケマのツルを見てみると独特の食痕があった。
もしやと思い探すとホソツツリンゴカミキリの姿。

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---- ホソツツリンゴカミキリ -Oberea nigriventris

-----(Yamanashi, 23/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 60mm F2.8 Macro



ヤマムツボシタマムシ

ムツボシタマムシ属は似たような種がいくつかある。
どれもよく似ていて鑑別が容易ではありません。
今回は針葉樹の伐採木で観察できたのでヤマムツボシタマムシで間違いないかな。

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---- ヤマムツボシタマムシ -Chrysobothris nikkoensis

-----(Nagano, 23/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 60mm F2.8 Macro , Tough TG-3



??虫眼鏡ノート

昨年、タイでツノゼミ撮影散歩してからツノゼミが気になっている。フィリピンでは運良く面白い形のツノゼミを見つけたが、その後に行ったフィジー、オーストラリア、ベトナムでは見つけることができなかった。ツノゼミはどちらかといえば「ジャングルの虫」ではなくて「里の虫」かもしれない。探した場所が悪かったのだろう。

今回はある方からの情報で、念願のニトベツノゼミをはじめ幾つかのユニークな甲虫に会うことができた。ありがとうございました。

Written by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2015-07-27 00:54 | ■他の昆虫 | Comments(4)

20150718 ベトナム国の散歩道:カッティエン国立公園の蝶たち

DIARY Vol.10 (674): #36, 2015 :  

今回のベトナム・ホーチミン滞在では、日曜日が1日だけフリーになった。

そこで、「カッティエン国立公園 Vuon Quoc Gia Cat Tien」に行くことにした。この公園は広大な低地熱帯雨林の一つで、貴重な動植物の宝庫になっている。ホーチミン市から北に約150キロに位置し、車で3時間ほどもかかるが、フン(Hun)くん(ホーチミン在住の大学院生)が案内してくれることになった---ありがたい。


キタカササギサイチョウに出会った

国立公園の熱帯雨林の中を貫く小道を歩いた。

歩き始めると間もなく、木の上からガサガサと大きな音がした。
びっくりして音の方向をみると、2羽の大きな鳥が降りてきた。
みると、嘴が異様に大きくて、絵に描いたような目をしている。

この鳥はあまり人を怖がらないので、近接して撮影できた。

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---- キタカササギサイチョウ- Oriental Pied Hornbill

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 40-150mm F2.8 PRO


吸水するチョウたち

吸水集団はシロチョウ集団、アゲハ集団、混合集団に分けることができる。

下の写真はあまり大きくはないが、アゲハ集団。ナガサキアゲハとともに吸水しているアゲハはモンキアゲハに似ているが、翅裏の模様(大きな白紋や小さな薄黄色紋)からタイワンモンキアゲハだ。こちらではモンキアゲハよりもタイワンモンキの方が多いように思える。

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---- アゲハの吸水集団-Swallowtails congregated on the wet road

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus E-P5, ED MZD12mm F2.0 Pro


ゆっくりと飛翔するタイワンモンキアゲハを撮影してみた。

タイワンモンキアゲハは東南アジアに広く分布し、別名シロオビモンキアゲハとも呼ばれている。シロオビモンキは前翅にシロオビが出現する個体にちなむが、ベトナムでみた個体に白帯は無かった。

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---- 飛翔するタイワンモンキアゲハ- Papilio nephelus

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 40-150mm F2.8 PRO



トラフタテハ

トラフタテハは大きくて美しい。

これまでタイでも見かけてはいたが、まともな写真は撮影できていない。
ここでは個体数が多くて、花での吸蜜や地面での吸水をしばしば見かけた。

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---- トラフタテハ-Parthenos sylvia

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 40-150mm F2.8 PRO


突然、どこからともなく現れて、目の前の葉上で開翅した。
少し古い個体だったが、せっかくなのでTG3で接写してみた。

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---- トラフタテハ-Parthenos sylvia

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus Styrus TG-3 Tough



その他のチョウ

ずいぶん派手な模様のイシガケチョウが動物の落し物を訪れていた。

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---- イシガケチョウの仲間- Cyrestis thyodamas

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 40-150mm F2.8 PRO
」」」」」」」」


これまでタイでシロスソビキアゲハは撮影していたが、どういうわけかアオスソビキアゲハには出会ったことがなかった。この公園ではアオスソビキアゲハしか見なかった。撮影したことがなかったので嬉しい。

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---- アオスソビキアゲハ-Lamproptera meges meges

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 40-150mm F2.8 PRO


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---- ドウケシジミ- Castalius rosimon rosimon

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 40-150mm F2.8 PRO


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---- リカエニーナオナシウラナミシジミ- Anthene lycaenina lycambes

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 40-150mm F2.8 PRO



??虫眼鏡ノート

d0090322_2343724.pngこれでベトナムの記事は終了します。

今回はキャットティエン国立公園に行くことができた。午後から豪雨(雷も伴う)になってしまい、公園を歩いたのは3時間あまりしかなかった。僕はポンチョを持参したので、豪雨の中でも問題なかったが、同行のフン君はだいぶ濡れてしまい申し訳ないことをした。この公園には宿泊施設もあるみたいなので、いつかゆっくりと滞在してみたいと思いました。

ご案内いただいたフン君に心から感謝します。


Written by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2015-07-25 02:37 | ● Vietnum | Comments(6)

20150718 ベトナム国の散歩道:村の妖婦たち(Delias)と遊ぶ

DIARY Vol.10 (673): #35, 2015 :  

ベトナム社会主義共和国のホーチミン(Ho Chi Minh)市を訪れるのはこれが3回目になる。
でも、これまでは時間が取れず(当たり前だ)、フィールド散歩ができませんでした。
今回は週末の日曜日が含まれているので、是非ともフィールドを歩いてみたいなと思います。

ベトナムは雨期(10月まで)の最中なので、毎日(とくに午後から)雨が降って鬱陶しい。


サイゴン川の岸辺に立つ

ホーチミン市内を流れるサイゴン川は茶色く濁り、その流れはひたすら太くて重い。

ベトナムは社会主義国家で、現在までたくさんの難しい過去がある。
戦争と平和」、「独立と自由」、「民族と社会」、「個人と国家
ホーチミンの人々は、どんな思いでこの流れを見ていたのだろうか。

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---- サイゴン川- Saigon river

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus E-P5, MZD12mm


ベトナムに来るとバイクの多さに驚かされる。

以前、タイでバイクタクシーに乗り「「暑い風を切る爽快感」」を味わったことがある。
暑いバトナムでバイクが人気なのは、風を切る爽快感が大きな要因になっているに違いない。

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---- 川のような無数のバイクの群れ-Bikes in Ho Chi Minh City (Saigon)

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus E-P5, MZD12mm



村の妖婦たちを撮影

大学院生のフン(Hung)くんと「キャットティエン国立公園」に置く途中、低い木に白いチョウが数頭絡むように飛んでいた。

早速、車を止めてもらい確認すると デリアス DELIAS (カザリシロチョウ) の仲間だった。
デリアスはオーストラリアから東南アジア一帯に発達した蝶の一群で250種ほどある。
属名のデリアスは妖婦という意味だが、たしかにこの蝶は妖婦としての雰囲気があるように思える。

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---- フチナシベニモンカザリシロチョウ- Delias sp.

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 40-150mm F2.8 PRO


配色からてっきりベニモンシロチョウだと思っていた。
しかし、帰宅後に調べてみると「フチナシベニモンカザリシロチョウ」らしい。
ベニモンに比べてフチナシは裏面の黄色い部分の面積が格段に広い。

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---- フチナシベニモンカザリシロチョウ-Delias sp.

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 40-150mm F2.8 PRO


昆虫写真でフォトジェニックとは何だろうか。
フチナシベニモンカザリシロチョウは間違いなくフォトジェニック。

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---- フチナシベニモンカザリシロチョウ-Delias sp.

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 40-150mm F2.8 PRO


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---- ホソチョウ-

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 40-150mm F2.8 PRO



ツノゼミは見つからなかったが、かわりに美しい小昆虫を見つけた。
マルウンカの仲間(ゆたかさん有難う)。

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---- マルウンカの仲間-Strange Insect

-----(Vietnam, 18/July/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD/ED 60mm F2.8 Macro , Tough TG3


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---- ジンガサハムシの仲間-Aspidomorpha sp

-----(Vietnam, 19/July/2015, Olympus OMD E-M1 + MZD60mm Macro)



??虫眼鏡ノート

このところ、海外に行こうとすると何かが起こる。

今回の何かとは台風11号でした。台風11号がもたらした大雨のために、中央道や国道20号が通行止め、中央本線も運行停止になってしまいました。それでも何とか空港に行きましたが、予定していた便には乗れず、出発が次の日の朝になってしまいました。相手が台風なので仕方がありませんね。ベトナムでの滞在はわずか3日ですが、1日だけでも散歩できたので嬉しいです。

ベトナムの記事はあと1回予定しています。

Written by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2015-07-21 23:50 | ● Vietnum | Comments(6)

20150711 山里のお寺散歩:吸い戻しするオオムラサキ

DIARY Vol.10 (672): #34, 2015 :  

梅雨のこの時期は週末になると「どんよりと雲におおわれた空」を見ながら何度も深いため息をついてきました。でも、今週末は綺麗に晴れて青空が広がりました。「青い空を忘れた哀れな虫屋」の虫林には、久々の青い空と夏の太陽が嬉しくて、眩しくて、楽しくて、思わず目から涙があふれ出てしまいます----ウソつけ!

本日(土曜日)は甲府市郊外にある「お寺」を散歩することにしました。
そのお寺の境内には樹液を出す木(クヌギやコナラなど)がありません。
にもかかわらず、オオムラサキが沢山集まるとのことです。
何ともミステリアスで不思議な話(ウルトラQ?みたい)です----心惹かれます。


オオムラサキが飛び回るお寺にて

お寺の入り口には大きな門(仁王門というらしい)がある。
門の両脇には運慶作いう立派な仁王像が収められている。
このお寺は建立後900年も経っているらしい。

門には沢山の草鞋(ワラジ)が掛けられている(下の写真)。
その草鞋は「死後の旅の安全祈願」なのだろうか?

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---- お寺の門-Temple Gate

-----(Yamanashi, 11/July/2015, Canon 70D + EF24-70mm 4L


道路から階段を少し登ると、まもなく門の周囲に大きなタテハチョウ(オオムラサキ)が何頭も旋回しながら飛び回っているのが確認できた。見たところ、お寺の庭には樹液を出すような木が無いから不思議。

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---- 飛び回るオオムラサキ- A male of the giant purple

-----(Yamanashi, 11/July/2015, Canon 70D + EF8-12mm 4L Fisheye)



草履のオオムラサキ

門にかけられた沢山の草履にオオムラサキが止まった。

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---- オオムラサキ- A male of the Giant Purple

-----(Yamanashi, 11/July/2015, Canon 70D + EF100mm 2.8L Macro, Canon 6D + EF8-12mm 4L Fisheye



境内のオオムラサキ

オオムラサキは境内の色々な場所で翅を休めた。

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---- オオムラサキ- A male of the Giant Purple

-----(Yamanashi, 11/July/2015, Canon 6D + EF100mm 2.8L Macro, Canon 70D + EF24-70mm



オオムラサキの吸い戻し

境内に静止したオオムラサキは口吻を出していた。

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---- 口吻を出すオオムラサキ- A male of the giant purple

-----(Yamanashi, 11/July/2015, Canon 70D + EF100mm 2.8L Macro



見ると口吻の先の板が部分的に濡れている。
これは「吸い戻し行動 puddling behavior」に違いない。

「吸い戻し」とはセセリチョウやタテハチョウの仲間に見られる習性で、通常はオシッコをしてそこにミネラルなどの栄養分を溶かし、それを口吻で吸い戻す行為のことをさす。今回の場合はオシッコよりも口吻から水分を出して吸い戻しているようだった。

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---- 吸い戻すオオムラサキ- A male of the giant purple

-----(Yamanashi, 11/July/2015, Canon 70D + EF100mm 2.8L Macro



??虫眼鏡ノート

d0090322_2356038.jpg本日のニュースによれば、甲府市の日中最高気温は34℃を越えたそうです。さすがに暑くて、汗を拭き拭き撮影しました。でも、「オオムラサキの吸い戻し」を見るのは初めてでしたので(セセリチョウの仲間では過去に何度も見たことがある)、喜んで撮影しました。

この古いお寺の草履や壁、地面などには、オオムラサキたちが必要とするミネラルや栄養分が多いのかもしれません。つまり、オオムラサキたちは「食事(吸い戻し)」のためにこのお寺に集まってきているのでしょう。オオムラサキがこのお寺に集まる謎が少し解けたように思いました




Written by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2015-07-12 23:42 | ▣オオムラサキ | Comments(14)

20150704 梅雨空の下の散歩道:クロシジミの求愛、交尾ほか

DIARY Vol.10 (671): #33, 2015 :  

九州から関東にかけて梅雨前線が張りついている。
ついでに台風まで南の海上に発生しているようだ。

そんな曇り空の下、静岡県のある河原を訪れてみた。


想定外のクロシジミ♂が出現

小雨が降る中、ツマグロキチョウを探して河原を歩いてみた。
突然大きなシジミチョウが飛び立ち、ススキの葉上に静止した。
慌てて近づいてみるとまさしくクロシジミ♂だった。

近くにはクロシジミのポイントがあるので、ここにクロシジミが棲息していても不思議はない。でも、事前に予想していない突然の出会いだったので驚いた。この河原は面積的には広くはないがススキやイタドリの群落が島状に繁茂している。現在は草の丈が低いので撮影しやすいのが、数年もすると環境が変わってしまうだろう。

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---- クロシジミ♂-A male of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 04/July/2015、Canon 70D + EF8-15mm Fisheye, Canon 6D + EF100mm Macro)


河原の中の狭い範囲に10頭前後が確認できた。
まだ発生初期のようで♂が多い。
いずれの個体も縁毛が揃って、翅には傷もなく新鮮だ。

この色彩は地味だが味わい深くて「通好み」の蝶なのだ。


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---- クロシジミ♂- A male of the Gray-pointed Pierrot with the wings opened

-----(Shizuoka, 04/July/2015, Canon 6D + EF100mm Macro)



クロシジミ♀

♂とともに♀も見ることができた。
開翅しても♀の翅表には光沢が無い。

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---- クロシジミ♀- A female of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 04/July/2015, Canon 6D + EF100mm Macro)



クロシジミの求愛と交尾

突然、♀の撮影をしていると、♂が求愛行動を開始した。
2頭で絡みながらすごいスピードで飛翔した。
下草に静止すると、オスが交尾を迫っていた。

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---- クロシジミの求愛行動- A courtship behavior of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 04/July/2015, Canon 6D + EF100mm Macro)


飛んだ後に木の枝に静止した♀にオスが近寄った。
心の中で祈りながら見ていると、どうやら無事に交尾が成立したようだ。

交尾個体は逃げないので、広角レンズとマクロレンズで撮影した。
同じ被写体でもレンズによって全く違う雰囲気になるのが面白い。

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---- クロシジミの交尾- A copulation of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 04/July/2015、Canon 70D + EF8-15mm Fisheye, Canon 6D + EF100mm Macro)


マクロレンズで交尾個体を両面から撮影した。
♂♀とも新鮮な個体で美しい。
この交尾は虫林が帰るまで続いていたので、1時間以上継続していたことになる。

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---- クロシジミの交尾- A copulation of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 04/July/2015、Canon 6D + EF100mm Macro)



??虫眼鏡ノート

d0090322_19333751.jpgツマグロキチョウが飛ぶ河原を散策して、思いがけず新鮮なクロシジミで出会うことができました。今回は♂♀の開翅や求愛、交尾シーンまで撮影できました。とくに交尾シーンの撮影は初めてのことだったので嬉しい限りです。

クロシジミの仲間(ニファンダ Niphanda)のことを英語でピエロ Pierrotと呼びますが、この蝶にはどこか庶民的な愛嬌が感じられます。日本のクロシジミは、クロシジミの仲間では最も北に分布するが、現在では限られた場所でしか見ることができない絶滅危惧種になっている。


昨年は信州の白馬で開翅した♂の紫色の幻光に酔いしれたが、今回は天候(曇り時々小雨)のせいか、それとも地域的な差なのかよくわからないが、白馬で見たオスのようなビビッドな翅の輝きはなかったのが残念だ。でも、うっすらと紫色を帯びた色合いは、どこかベルベットのようで美しかった。日本人の僕にとっては、地味なクロシジミの色彩に「侘び・寂び(わびさび)」を感じ取ることができるのだ-----本当かよ。

Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-07-06 19:33 | ▣クロシジミ | Comments(8)

20150628 梅雨入りのみちのく散歩道:ダイセンシジミが開翅した

DIARY Vol.10 (670): #32, 2015 :  

本日は岩手滞在の最終日(日曜日)。
朝からドン曇り、風も強くて寒い。

ゼフが多い雑木林に行くことにした。


ダイセンシジミが開翅した

本日は悪天候だが、下草にダイセンシジミが止まっていた。
kmkurobeさんが見つけてくれた。
彼の「蝶目 Butterfly eyes」は本物だ。

このチョウはウラミスジチョウとも呼ばれるが、僕はダイセンシジミの名前の方を好む。古いといわれるかもしれないが、和名は勝手に変えるべきではない(憲法のようなもの)。ここでは裏面の白い線状紋が乱れるシグナートュス型 (signatus type)が多い。このタイプは北海道から東北地方に多く、関東以西は紋の変異が乏しいクェルシボーラ型 (quercivora type)になる。ここで見られるダイセンシジミの約8割がシグナートュス型だ。

シグナートュス型の斑紋多型は見ていて飽きない。

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---- シグナートュス型ダイセンシジミ- The Alphabetical Hairstreak (signatus type)

-----(Iwate, 28/June/2015、Canon 70D + EF8-15mm Fisheye, Canon 6D + EF100mm Macro)


このチョウの開翅は過去に1度だけ撮影。
そう簡単に翅を開いてくれない。

ところが、目の前のダイセンシジミがおもむろに翅を開き始めた。
翅が開かれるにしたがって見えてくる青い紋が目に鮮やかに写る。

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---- ダイセンシジミ- The Alphabetical Hairstreak (signatus type)

-----(Iwate, 26/June/2015、Canon 6D + EF100mm Macro)


裏面がクェルシボーラ型を示す別の個体。
驚いたことにこちらも開き始めたではないか。
複数のダイセンが開いてくれるとは驚き

ダイセンシジミの開翅を2度も撮影。

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---- 開翅するダイセンシジミ- The Alphabetical Hairstreak (quercivora type)

-----(Iwate, 28/June/2015、Canon 70D + EF8-15mm Fisheye, Canon 6D + EF100mm Macro)


数回しかシャッター切らなかったが、飛翔写真が撮影できた。

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---- 飛翔するダイセンシジミ- The Alphabetical Hairstreak (quercivora type)

-----(Iwate, 28/June/2015、Canon 70D + EF8-15mm Fisheye, Canon 6D + EF100mm Macro)



みちのくのオオムラサキ

突然、大きなタテハチョウが飛び出した。
みると、オオムラサキだった。

こちらのオオムラサキは、関東のものに比べて小型、紋が黄色い(東北亜種)。
僕はこれまでこちらでオオムラサキを撮影したことが無かったのでとても嬉しい。
何といっても国蝶だからね。

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---- オオムラサキ-Sasakia charonda

-----(Iwate, 28/June/2015、Canon 70D + EF8-15mm Fisheye, Canon 6D + EF100mm Macro)



エゾミドリシジミ

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---- エゾミドリシジミ♀-Favonius saphirinus

-----(Iwate, 28/June/2015、Canon 70D + EF8-15mm Fisheye, Canon 6D + EF100mm Macro)



その他の昆虫

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---- ムツボシタマムシ-Caligula japonica

-----(Iwate, 28/June/2015、Canon 6D + EF100mm macro)

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---- オジロアシナガゾウムシ-Mesalcidodes trifidus

-----(Iwate, 28/June/2015、Canon 6D + EF100mm Macro)


クスサンの幼虫は栗の花に擬態しているように見える。

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---- クスサンの幼虫-Caligula japonica

-----(Iwate, 28/June/2015、Canon 6D + EF100mm Macro)



??虫眼鏡ノート

これで、みつのく岩手の旅は終了です。

今年のみちのく岩手の旅では、虫友のkmkurobeさんと山口進さんが僕の予定に合わせて来てくれました。残念ながら悪天候でキマルリの良い写真が撮影できなかったのが心残りではあるが、それ以外は一通りのチョウたちや甲虫が撮影できたので良かったなと思います。また、ご一緒したいと思います。ご苦労様でした。


Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-07-04 00:31 | ▣ダイセンシジミ | Comments(8)