NATURE DIARY

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20160522 富士山麓の散歩道:イワワキセダカコブヤハズカミキリなど

DIARY Vol.11 (724): #20, 2016 :  

<虫屋の魂百まで>
思い起こせば、若い時(高校生)はカミキリムシに傾倒し、当時活発だった京浜昆虫同好会(昔の虫屋さんは知っているね)に入って、大人たちのなかで背伸びしていた(生意気だった)。時は過ぎ、現在では昆虫とは関係がない仕事についているが、週末になると相変わらず虫を追っている。人の本質的な趣味嗜好は、若い時に形成され、年が経ってもほとんど変わりがないのかもしれないな。ということで、本日はFBでお知り合いになった虫虫さんとラスカルさんの甲虫探索行にご一緒させていただいた。


富士山コーラ

最近、道の駅に行くと「ご当地もの」が並んでいることが多い。この道の駅で見つけた「富士山サイダー」、「富士山コーラ」は多分ご当地清涼飲料なのだろう。さっそく、富士山コーラを購入して飲んでみることにした。驚いたことにというか、このコーラはカルピスのような乳白色をしているが、味はまさしくコーラであった。以前、ペプシから季節限定で「ホワイトコーラ」なるものが発売されていたが、富士山コーラもその類なのだろうか。

曰く、「富士にはコーラがよく似合う?」。

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----富士山コーラ--
There were some local products at the Michi-no-eki Narusawa, I bought a “Fuji-san Cola” and took a picture of it in the background of Mt. Fuji

May-22-2016, Yamanashi, Panasonic Lumix CM-10



ゴマダラオトシブミ

途中待ち合わせ場所に向う途中でちょっと寄り道してみた。
クリの葉で揺籃を作るゴマダラオトシブミを見つけた。

今年は春先からオトシブミ類を追っているが、この仲間の中でもゴマダラオトシブミは黄色時に黒い点が鮮やかで、なかなかフォトジェニックな虫だ。彼らの揺籃作りをみると、メスはとても力持ちで、設計図もないのに葉を折りたたんで綺麗に葉を巻いていく。揺籃作りは学習したものではなくて、生まれ持ったものなのだろうか。オスは揺籃作りしているメスの周りをウロウロしているだけで、あまり役にたっていないようだ。むしろ邪魔しているようにみえるから情けないな。

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---- Paroplapoderus pardalis
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May-22-2016, Yamanashi, Canon EOS 6D, EF100mm Macro, Twin flash (+)

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---- Euurobracon jokohamae
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May-22-2016, Yamanashi, Olympus Stylus TG-3 Tough



イワワキセダカコブヤハズカミキリ

ある花を探しながら山の斜面を登った。
結構急な斜面で、日頃の不摂生が身にしみる。

そろそろ汗ばんできた時に、虫虫さんが大きな立ち枯れの幹でセダカコブヤハズカミキリを見つけてくれた。ちょうど大きなサルノコシカケの下で少し薄暗い場所だが、よく見つけたものである。宮下、白州、渡辺らによる「富士山のフジコブとセダカコブの調査報告」によれば、富士山では両種が同所的に混棲するが、セダカコブの分布は狭く、個体数も少ないようだ。ちなみに富士山のセダカコブはイワワキセダカコブヤハズカミキリ(本州:関東中部太平洋側、近畿地方中南部)という名前が付いている。

これまで山梨県産のコブヤハズ3種の中で、セダカコブだけは撮影したことがなかったので喜んで撮影させていただいた。初見の昆虫をみると、どうも冷静になれずに納得する写真を撮るのが難しい。まだまだ未熟ということかな。

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---- Parechthistatus gibber shibatai
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May-22-2016, Yamanashi, Canon EOS 70D, EF8-15mm Fisheye, flash (+)

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---- Parechthistatus gibber shibatai
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May-22-2016, Yamanashi, Canon EOS 6D, EF100mm Macro, Twin flash (+)



トウカイコルリクワガタ

大きな倒木に腰掛けて、ラスカルさんからオキナワホソコバネカミキリ発見のお話を聞いたり、写真を見せてもらったりしていた。すると、虫虫さんが小さな甲虫を持ってきた。なんとコルリクワガタではないか。昆虫を見つける能力は、人によって大きく差があるようだが、その違いは、経験、知識、性格とともに「センス」が大きな要因になるように思う。虫虫さんはもっていますね。

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---- Platycerus acuticollis takakuwai
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May-22-2016, Yamanashi, Canon EOS 6D, EF100mm Macro, Twin flash (+)



ルイスクビナガハムシ

別の林道に移動して、ラスカルさんと話しながら歩いていると、虫虫さんが小さなハムシを持ってきてくれた。ラスカルさんによれば、この虫はちょうど話に出たルイスクビナガハムシということだ。美麗かつ局所的なハムシで、その道の愛好者に人気が高いらしい。富士山以外にはなかなかお目にかかれないということなので撮影させていただいた。

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---- Lilioceris lewisi
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May-22-2016, Yamanashi, Canon EOS 6D, EF100mm Macro, Twin flash (+)


オオモンキゴミムシダマシ

サルノコシカケで大きな甲虫を見つけた。てっきりオオキノコムシだと思っていたが、調べてみるとオオモンキゴミムシダマシのようだ。このムシは北海道~九州に分布するが,山地帯に局地的に分布し個体数も少ないとのこと。

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---- Diaperis niponensis
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May-22-2016, Yamanashi, Canon EOS 6D, EF100mm Macro, Twin flash (+)



虫眼鏡ノート

今回の散歩では、当初目的とした昆虫は撮影できなかった。多分、鹿の食害が影響しているのかもしれない。鹿や猿による自然破壊が富士山ばかりでなく多くの地域で深刻な問題となっている。動物の保護と自然破壊、動物愛護と被害(食害)-----難しいが、我々ナチュラリストが最も感じることができる問題だね。そろそろ真剣に対処しないと取り返しがつかない事態になる。今回は、虫虫さんとラスカルさんにご一緒させていただき、大変楽しい時間を過ごすことができました。感謝します。

春は瞬く間に過ぎ、夏も短い-----うーむ、なんとなく焦ってくるな


Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2016-05-30 23:08 | ■カミキリムシ | Comments(8)

20160508 コナラ林の散歩道:尾が長〜いウマノオバチ♀を撮影した

DIARY Vol.11 (723): #19, 2016 :  

このところ、仕事の行事が多くてなかなかブログが更新ができないでいる。
今回は遅ればせながら、連休中に撮影した「ウマノオバチ」を供覧することにした。


ウマノオバチ

「ウマノオバチ」という名前の寄生蜂は、馬の尾のような長い尾(産卵管)が特徴。この尾の長さは国際的にみても多分トップクラスにちがいない(トップかも)。このフォトジェニックともいえるハチをゆっくりと撮影してみたいと思っていたが、なかなかその機会がなかった。でも、今年は多くの個体が出現したので何とか色々なシーンを撮影できた。

カミキリムシの幼虫の食痕があるコナラの木で待っていると、ウマノオバチのメスが長い尾をなびかせて飛来した。100mm マクロにフラッシュを併用して撮影した。

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----長い尾(産卵管)のウマノオバチ--
Looking at the trunk of Konara oak, I found a flying female of Euurobracon jokohamae with a long ovipositor .

May-8-2016, Yamanashi, Canon EOS 6D, EF100mm Macro, Twin flash (+)


葉や幹に静止したウマノオバチのメス。

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----A female of Euurobracon jokohamae resting on the leaf and tree trunk
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May-8-2016, Yamanashi, Canon EOS 6D, EF100mm Macro, Twin flash (+)


風で長い尾が裏返った。

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---- A female of Euurobracon jokohamae
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May-8-2016, Yamanashi, Canon EOS 6D, EF100mm Macro, Twin flash (+)


カミキリムシの穴を物色するメス。

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---- A female of Euurobracon jokohamae
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May-8-2016, Yamanashi, Canon EOS 6D, EF100mm Macro, Twin flash (+)


産卵するメス。

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----A female of Euurobracon jokohamae egg-lying with long
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May-8-2016, Yamanashi, Canon EOS 6D, EF100mm Macro, Twin flash (+)


TG−3で撮影。

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---- Euurobracon jokohamae
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May-8-2016, Yamanashi, Olympus Stylus TG-3


注(訂正):下の写真はウマノオバチのオスではなくヒメウマノオバチのメスとのご指摘がありました。このヒメウマノオバチ♀もウマノオバチと混在して、数はウマノオバチよりも多く見かけました。有難うございました。

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----A female of Euurobracon breviterebrae resting on the leaf.
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May-8-2016, Yamanashi, Canon EOS 6D, EF100mm Macro, Twin flash (+)



虫眼鏡ノート

今年はコナラにカミキリムシ(ミヤマカミキリ、シロスジカミキリ)の食痕が多く、この幼虫に寄生するウマノオバチも多いようだ。ウマノオバチは以前に1回だけ撮影したことがあるが、ゆっくりと観察できたのは今回が初めてだった。とにかくこのハチの特徴の長い尾は風に揺れてしまうので、写真で全体を写しとめるのは結構苦労した。

これでやっとゴールデンウィークの記事は終了したのでほっとしています。


Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2016-05-23 22:13 | ■他の昆虫 | Comments(8)

20160503 初夏の散歩道:アオバセセリとハンミョウ(緑色型?)など

DIARY Vol.11 (722): #18, 2016 :  


渓谷沿いの林道は、吹く風は優しく、あたり一面の新緑が目にまぶしい。まさしく「青葉の季節」だ。まるで自然界が命のエネルギーに満ちてきらきら輝いているように感じる。でも、しばらくすると、緑が濃くなって周囲は夏景色に変わってしまう。散歩しなければ--------今日のフィールドは今日だけなのだ。ラテン語に「Carpe diem」という言葉がある。その意味は「1日の花を摘め」という意味だが、ようするに「1日を大切に生きよ」ということらしい。

うーむ、この素晴らしい季節を楽しみたいものだ。

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----イタヤカエデの実--
Numerous seeds of Acer mono scattered on the road.

May-7-2016, Yamanashi, Panasonic CM10



ミツバウツギの花に集まる蝶たち

流れの脇に満開の「ミツバウツギ」の花を見つけた。以前にここに来た時にはその存在に気がつかなかったので驚いた。人間の視覚なんて当てにならないものだと思わざるを得ない。嬉しいことに、白い花に何頭ものアオバセセリやオナガアゲハが訪れていた。やはりミツバウツギの花は蝶が特別好む花なのだと思う。

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----A mele of the Long Tail Spangle sucking nectar from bladdernut
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May-7-2016, Yamanashi, Olympus Stylus OME-EM-1, MZD50-150mm


この花にはアオバセセリも吸蜜に訪れていた。アオバセセリという蝶は、見た感じ少し毒々しくて、いかにも南国的な風情をもっている。そんな蝶に渓谷の中で出会うと、少し不思議な感覚にとらわれてしまう。

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----An Indian Awlking sucking nectar from bladdernut
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May-7-2016, Yamanashi, Olympus Stylus OME-EM-1, MZD50-150mm



ハンミョウの緑色(赤色減少)型:The Japanese tiger beetle

ハンミョウという甲虫は美しい。僕の個人的美的感覚(当てにならないが)では、世界的に見ても日本のハンミョウの美しさはトップグループに入ると思う。でも、この虫は肉食なので、英語ではタイガービートル(甲虫のトラ)とよばれている。

まずはよく見られる通常のタイプを載せる。

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----Common type of Japanese tiger beetle
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May-7-2016, Yamanashi, Olympus Stylus OME-EM-1, MZD50-150mm


面白いことに、ここに棲息している個体は、翅表の赤色が減退し、翅全体が緑色に見えるような個体が多く出現するようだ。図鑑で調べてみると、このような個体は「緑色型」とよばれているらしい。このハンミョウの緑型は県南部の個体では見た覚えがないので、ここらあたりの特徴かもしれないな。

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----Green type of Japanese tiger beetle
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May-7-2016, Yamanashi, Olympus Stylus OME-EM-1, MZD50-150mm

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----Green type of Japanese tiger beetle
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May-7-2016, Yamanashi, Olympus Stylus OME-EM-1, MZD50-150mm

ハンミョウを目で追っていたら、素早い動きでイモムシを捉えた。
やはりこの虫は恐ろしいハンターだった。

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----Green type of Japanese tiger beetle
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May-7-2016, Yamanashi, Olympus Stylus OME-EM-1, MZD50-150mm


幼虫の穴がそこここで見られた。
この虫の幼虫も肉食性で、穴の近くの近ずく小型の虫を捕らえる。

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----Green type of Japanese tiger beetle
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May-7-2016, Yamanashi, Olympus Stylus OME-EM-1, MZD50-150mm



ニワハンミョウ:Cicindela japana

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---- Cicindela japana
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May-7-2016, Yamanashi, Olympus Stylus OME-EM-1, MZD50-150mm



アオカタビロオサムシ:Calosoma inquisitor

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---- Calosoma inquisitor
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May-7-2016, Yamanashi, Olympus Stylus OME-EM-1, MZD50-150mm



ウスモンオトシブミ:Apoderus balteatus.

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---- Apoderus balteatus.
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May-7-2016, Yamanashi, Olympus Stylus OME-EM-1, MZD50-150mm



虫眼鏡ノート

連休後に学会があって、ブログを更新する時間がとれなかった。やっと、それも終わったので、今写真を整理している。なかなかリアルタイムで記事をアップすることができないが、まあ、それも仕方がないかなと思う。


Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2016-05-14 21:53 | ▣アオバセセリ | Comments(0)

20160503 初夏の散歩道:ルイスアシナガオトシブミの揺籃作りを観察した

DIARY Vol.11 (721): #17, 2016 :  

初夏の山を彩るフジの花。

フジの属名の「Wisteria」は、アメリカの有名な解剖学者「Casper Wistar」」の名にちなみます。さらに、彼の名がついたThe Wistar Instituteは、ペンシルバニア大学の中にあって、ワクチンの開発や癌遺伝子のクローニング、モノクローナル抗体の作成などで有名です。

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----藤の花--
It has already become early summer because of fresh leaves and wisteria flowers. My calendar is based on the seasonal changes of insects and flowers.

May-3-2016, Yamanashi, Panasonic CM10


ダイミョウセセリ:Daimio tethys

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---- Daimio tethys
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May-3-2016, Yamanashi, Canon EOS6D with EF100m Macro


クロミドリシジミの幼虫:A caterpillar of Favonius yuasai

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---- A caterpillar of Favonius yuasai
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May-3-2016, Yamanashi, Canon EOS70D with EF8-15m Fisheye


ルイスアシナガオトシブミ:Henicolabus lewisii

先週に下見したポイントを再訪しました。
思惑通り、ルイスアシナガオトシブミがケヤキの葉の上に多数認められました。

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----Henicolabus lewisii
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May-3-2016, Yamanashi, Olympus Stylus TG-3 tough with Gyorome 8

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----Henicolabus lewisii
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May-3-2016, Yamanashi, Olympus Stylus TG-3 tough


揺籃作りも見ることができました。揺籃作りは概ね30分ほどかかるようです。その間、何度も見回って、揺籃作りの進行状況をチェックしました。
なかなか面白いものです。

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----Making cradle by Henicolabus lewisii
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May-3-2016, Yamanashi, Canon EOS 6D, EF100mm Macro


メスが揺籃の柄を切っているとアリが邪魔をした。
アリの妨害がひどいので、メスは切るのを諦めて立ち去った。

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---- Interference of cutting stalk of cradle by ants by Henicolabus lewisii
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May-3-2016, Yamanashi, Canon EOS 6D, EF100mm Macro


虫眼鏡ノート

なんとかルイスアシナガオトシブミの揺籃作りを観察することができました。ここにはイタヤハマキチョッキリもいるので探しましたが、残念ながら見ることができませんでした。ゴールデンウイークは残り少ないので、是非とも散歩したいと思います。

Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2016-05-07 19:04 | ■甲虫 | Comments(6)