NATURE DIARY

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20161106 里山の散歩道:クズの葉でコミスジの越冬幼虫をみつけた

DIARY Vol.11 (736): #33, 2016 :

ブゴグの記事は僕のフィールド散歩のアーカイフですので定期的に更新してきましたが、このところ記事をつくる時間がとれませんでした。本日(土曜日)は所用で松本に向かう「特急あずさ」の車中で久しぶりにブログを書きました。車窓から外をみると先日降った雪がところどころまだら状に残り、見はるかす八ヶ岳や南アルプスの山々はすっかりと雪化粧していました。


フィールドの晩秋

2週間ほど前、自宅からほど近い里山の小道をのんびり散歩しました。すでに木々の葉は冬に向かって褐色に色を変え始めている。春から初夏のみずみずしい新緑の季節も良いものですが、葉が落ちる前の茶が枯れた景色には、ジョン・コンスタブル(イギリスの風景画家)の絵に見るようなそこはかとない哀愁を感じることができます。

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----晩秋の里山
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(November-06-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)


林の中の小道を歩いた。
赤や黄色い実を見つけた。

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----木の実
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(November-06-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)



コミスジの幼虫

クズの葉でコミスジの越冬幼虫を探してみました。クズはとにかくたくさんあるので、幼虫が潜む葉をなかなか見つけることができませんでした。でも、しばらく探していると枯葉の中にその姿がありました。

越冬幼虫探しは「宝探し」みたいで楽しいです(見つけることができればね)。

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----コミスジの幼虫
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(November-06-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF8-15mm F4L USM, Fisheye)


コミスジの越冬幼虫は長さが2cmくらいはあります(大きい)。

成虫の大きさ(翅を含める)はオオミスジが最も大きく、ついでミスジチョウ、コミスジはこの3種の中では最も小型です。でも、越冬幼虫の大きさは逆で、コミスジが最も大きく、ついでミスジチョウ、オオミスジの幼虫はコミスジの半分以下くらいしかありません。面白いものですね。

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----コミスジの幼虫
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(November-06-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)


真上からみるコミスジの幼虫。
魚のような模様をしている。

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----コミスジの幼虫
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(November-06-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)

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----コミスジの幼虫
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(November-06-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)


虫眼鏡ノート

これから虫屋にとっては「耐える季節」になります。神様がいなくなる月(10月)という意味で「神無月」という言葉があります。虫屋にとって12月から翌2月の間は成虫の姿を見なくなる「虫無月(むしなづき)」になりますね。 
 虫無月でもできるだけフィールドに出たいと思う。



Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2016-11-27 23:02 | ▣コミスジ | Comments(2)

20161030 秋の散歩道:尖がったクロコノマと艶やかなヤマトシジミに出会う

DIARY Vol.11 (735): #32, 2016 :

この時期はいろいろな学会や研究会でのパーティが多く、いつもカロリーオーバーになります。賢明な諸兄は「出席しても食べなければいいじゃん」と思うかもしれませんが、食い意地が張った虫林は知らず知らずのうちに食べてしまいます。というのも、10-11月は虫林にとって一年で最も食欲旺盛な時期なのです(冬眠前の熊みたい)。食べ過ぎのリセットには、スポーツジムに行って運動するよりも虫を探しながらの秋のフィールドを散歩するに限ります。

今回は地球温暖化で分布を広げたといわれているクロコノマチョウ。
そんな蝶を探して県南部から静岡県北部を歩いてみました。


クロコノマチョウ

小さな神社の孟宗竹の竹林。
直径15㎝くらいはありそうだ。
そういえば、ここは春の筍が名産だ。
迫力あるのでカメラを向けた。

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----孟宗竹
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(October-30-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)


竹林に足を踏み入れると、足元から何頭もの大きな蝶が飛び出した。
バサバサと音を立てるように飛んで、近くに静止する。
この蝶の模様は地面に溶け込んでしまうので、よく見ないと見失う。
この時期に出てくるクロコノマはすべて翅の先が尖がった秋型だ。

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----栗の上で静止するクロコノマチョウ♀
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(October-30-2016, Yamanashi, Canon EOS 5D-MIII, EF8-15mm F4/L USM Fisheye)

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----栗の上で静止するクロコノマチョウ♀
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(October-30-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)

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----クロコノマチョウ
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(October-30-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)



低温期型のヤマトシジミ

川のそばでたくさんのヤマトシジミに出会った。
オスもメスも美しい低温期型に衣替えしていた。
この時期のヤマトシジミたちは光り輝いている。

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----ヤマトシジミ♂
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(October-09-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)


ヤマトシジミのメスの翅表は夏型では一様に黒色。
でも、秋型(低温期型)になると青色がのってとても美しい。
艶やかな個体を発見したので撮影した。
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----艶やかな青色がのったヤマトシジミ♀低温期型
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(October-09-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)


秋型メスの色合いは個体によってさまざまだ。
いくつか撮影して並べてみました。
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----ヤマトシジミ♀低温期型の色彩多型
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(October-09-2016, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)



ナガサキアゲハ蛹

小さな物置小屋の壁に大きな蛹を見つけた。
僕は蛹には疎いが多分ナガサキアゲハの蛹かな。
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----ナガサキアゲハ蛹
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(October-09-2016, Yamanashi, Canon EOS M3D MEF28mm Macro)


虫眼鏡ノート

週末のフィールド散歩は気分転換、健康維持に大切だとうそぶいていつも出かけてしまう。それにしても虫との出会いが難しい季節になりました。今回は県南部の小さなお宮で、運よくクロコノマチョウに会うことができました。この蝶は県南部では比較的目にすることが多いが、虫林が住む甲府市ではあまり見たことがありません(多分、棲息していると思うのだが)。虫の少ないことの時期には撮影すると嬉しい蝶です。


Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2016-11-05 19:14 | ▣ヤマトシジミ | Comments(6)