NATURE DIARY

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20170717 県南の散歩道:キリシマミドリシジミが飛ぶ峪にて


DIARY Vol.11 (750): #14, 2017 :

キリシマミドリシジミは「見ることはできるが撮ることができない蝶」だと思っている。これまで、何度もこの蝶の撮影にトライしたが、いまだに満足のいく写真が撮れていないからだ。この蝶はゼフの中でも大きくて、翅の輝きもすこぶる強く、飛翔する時の迫力は格別である。いわば「ゼフィルスの王様」といってよい。本日は、県南部の照葉樹林の峪に、古い蝶友のダンダラさんと一緒に再訪してみた。ゼフ王にお目通りがかなえばありがたき幸せ。


県南部の峪

県南部の照葉樹が繁茂する峪にはヒル(ヤマビル)が多い。

ヒルに血を吸われてもさほど痛くはないので、少しぐらい吸わしてあげても良いのだが、ヒルジンの血液凝固阻害作用で出血するのが気持ち悪い。聞くところによると,ヒル対策としてはパンティストッキングを履くと良いらしいが、わざわざ買うのもなんだし、さりとて家内のものを借りると変に誤解されそうだ。結局のところ、時々立ち止まって靴を観察するだけにとどめることにした。ちなみに、現地では何度もヒルが靴についていた。

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----ヒルが多い照葉樹の峪
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS M6, EF-M 28mm F3.5 IS STM)



キリシマミドリシジミ(霧島緑蜆、Chrysozephyrus ataxus)

ダンダラさんとキリシマミドリの飛来を待った。こんな時は一人で待つよりも時間がつぶせるし、何よりも心強いものだ。しばらすると、ダンダラさんの背後のカシの木で何かが飛んで葉に静止したのが見えた。慌てて確認すると、どうやらキリシマミドリの雌らしい。距離は3mほどだろうか、かなり近いので喜んで撮影した。

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----キリシマミドリシジミ♀
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm Macro F4 IS USM)


翅裏の模様がオスとメスでこれだけ違う蝶も珍しい。オスの翅裏は銀色に輝くが、雌は茶色の紋があって保護色になっている。しばらく静止していたが、突然飛んで行ってしまった。とにかく、ボウスは免れてメスの撮影ができたのでホッとしたとお互いに顔を見合わせた。

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----キリシマミドリシジミ♀
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF300mm F4 IS USM)


近くの木にも日差しが当たり始めると、樹上でゼフが飛び始めた。ここのウラギンシジミはゼフのようなテリ張りをして紛らわしいことこの上ない。それでも、飛来したキリシマミドリの飛翔写真を何とか撮影できた。

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----キリシマミドリシジミ♂飛翔
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm Macro F4 IS USM)

その後も何度も飛んできたが、どうやらメス探しのようでなかなか静止してくれなかった。やっと1頭のオスが葉上に止まり翅を開いてくれた。至近距離とは言えないが、300㎜の望遠レンズに三脚を用いて何とかその様子を撮影することができた。クリソゼフの翅の輝きはとても強くて、何度も露出をマイナス補正した。

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----キリシマミドリシジミ♂
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF300mm F4 IS USM)



虫眼鏡ノート

キリシマミドリは虫林の大事な課題昆虫の一つなのだ。これまでこの蝶の撮影には苦労してきたが、今回は不十分ながらも少しはましな写真が撮影できた気がする。でも、さらに良い写真を撮影するためには、山梨県内のこの場所に何度も足を運ぶことになるだろう。ダンダラさんとは久しぶりの撮影行だったが、やはり撮影時の阿吽の呼吸は、お互いに旧知の間柄のためだろう。ご同行いただいたダンダラさんに感謝します。



Written by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2017-07-31 20:51 | ▣キリシマミドリシジミ | Comments(4)

20170718 富士山の散歩道:ミドリヒメスギカミキリとチャイロヒメコブハナカミキリ


DIARY Vol.11 (749): #13, 2017 :

ミドリヒメスギカミキリという美しくて稀なカミキリの産地は極めて限られていて(栃木県の日光や長野県の一部)、これまで見たことはなかった。しかし、信州で偶然出会った方からこの虫が富士山にも棲息することを教えていただいた。自宅で調べてみると、昨年の「月間むし12月号」の短報特集号(550号, 64pp)に富士山での記録が載っていた。こりゃあ、カミキリ好きの虫林にはたまらないな。いてもたってもいられず、とにかく富士山に出かけてみることにした。


ミドリヒメスギカミキリ(緑姫杉天牛、学名:Callidium kuratai)

現地に到着してみると、そこは植林カラマツ、天然カラマツ、モミなどが混在する森。数年前に伐採されたときに設けられた林道のわきに大きな天然カラマツが見られた。ミドリヒメスギの食樹はカラマツだ。

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----天然カラマツの森
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS M6, EF-M 28mm F3.5 IS STM)


ふとみると、カラマツの樹皮にカミキリムシの姿。
目的のミドリヒメスギカミキリに違いない。

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----樹幹のミドリヒメスギカミキリ
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF8-15mm F4L USM)


大きさや形はは普通種のヒメスギカミキリに似ているが、鞘翅は細かい凹凸があり緑色を帯びる。やはりどことなく只者ではない雰囲気を持っているな。
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----ミドリヒメスギカミキリ
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF-S60mm Macro F2.8 USM)


目の前の幹に来たので、さらにアップで撮影できました。
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----ミドリヒメスギカミキリ
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF-S60mm Macro F2.8 USM)



チャイロヒメコブハナカミキリ(茶色姫瘤花天牛、学名:Pseudosieversia japonica)

チャイロヒメコブハナカミキリもなかなか出会えないカミキリムシだ。このカミキリは花にも来るが、むしろ大きなカツラの幹のひこばえに来集するといわれている。やや薄暗い林の中の大きなカツラの木を見回ると、いつのまにか木漏れ日が当たる葉の上にひっそりと休むチャイロヒメコブハナを見つけた。

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----チャイロヒメコブハナカミキリ
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS M6, EF-M 28mm F3.5 IS STM)



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----チャイロヒメコブハナカミキリ
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF-S60mm Macro F2.8 USM)



虫眼鏡ノート

これまで蝶の撮影をメインにしてきたが、やはり元カミキリ屋の虫林はカミキリの姿を見つけると胸がどきどきしてしまう。やはり三つ子の魂百までなのかな。カメラで小さなカミキリムシを拡大してしまうと大きさはわからなくなる。つまり、小さな虫をあえて小さく写す努力もしないとね。



Written by 虫林花山


Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2017-07-28 22:24 | ■カミキリムシ | Comments(0)

20170717 信州の散歩道:憧れのアカムネハナカミキリ


DIARY Vol.11 (748): #12, 2017 :

昆虫写真を撮影していると、「あの時にもっと撮っておけばよかったな」と思うことがある。それは初めて出会う珍しい昆虫や貴重な生態シーンに遭遇した時などに多い。そんな過去の苦い経験を思い出させる虫の一つがマクロピドニアことアカムネハナカミキリだ。アカムネハナカミキリの産地は極めて限られていて、この虫に出会うためには信州のある場所に行くしかない。今回はその棲息地を散歩してみた。


アカムネハナカミキリ(赤胸花天牛、学名:Macropidonia ruficollis)

朝のうちは涼しかったが、日が高くなるにしたがいとても暑くなってきた。刺すような夏の日差しに目を細めながら、
ホストのクロツバラの木が散在する草原をひたすら歩き回った。

2時間ほど過ぎただろうか、Tシャツに汗がにじむ頃になってやっとススキの葉上に黒っぽいカミキリを見つけた。慌てて近づいてみると、目的のアカムネハナカミキリだった。アカムネハナカミキリは、前胸背の赤と鞘翅の漆黒の鮮やかなコントラストを呈する。このような配色はホタルカミキリ、クビアカモモブトホソ
カミキリ、チャイロホソヒラタカミキリ、クビアカトラカミキリなどがあり、また最近話題のクロジャコウカミキリも同様の色彩だ。

赤と黒は毒虫の警戒色の擬態
かな。


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----アカムネハナカミキリ
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(July-17-2017, Nagano, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM, EF8-15mm F4.0L USM)


メスは何頭か撮影できたものの、オスにはなかなか出会えなかった。
現地で出会ったカミキリ屋の方がクロツバラの木の幹にオスを見つけて呼んでくれ。

メスに比べてオスの体は細身で、触覚が長くて格好が良い。
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----アカムネハナカミキリ♂
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(July-17-2017, Nagano, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM,)


クロツバラの枝を丁寧にみていくと交尾個体も見つけることができた。
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----アカムネハナカミキリ交尾
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(July-17-2017, Nagano, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM,)



ヌバタマハナカミキリ(射干玉花天牛、学名:Judolidia bangi)

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----ヌバタマハナカミキリ
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(July-17-2017, Nagano, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)



ウンモンテントウムシ(雲紋瓢虫、学名:Anatis halonis)

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----ウンモンテントウムシ
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(July-17-2017, Nagano, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)



ウラジャノメ(裏蛇の目、学名:Lopinga achine)

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----ウラジャノメ
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(July-17-2017, Nagano, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)



アイノミドリシジミ(アイノ緑小灰、学名:Chrysozephyrus brillantinus)

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----▶アイノミドリシジミ
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(July-17-2017, Nagano, Canon EOS 7D M-II, EF100mm F2.8L IS USM)



虫眼鏡ノート

久しぶりにアカムネハナカミキリが撮影できました。このカミキリと最後に出会ったのは10年以上も前なので、嬉しくもあり、懐かしくもありだ。このカミキリは稀種という意識があるためか何ともクールで美しく思える。

アカムネハナカミキリの棲息地では、東京と神奈川から来られたというカミキリ屋の方と知り合った。お二人ともいわゆる虫目をお持ちのようで、何頭ものアカムネハナカミキリを見つけたようでした。虫屋というのは、見知らぬ仲であってもすぐに打ち解けて話し込んでしまうから面白い。また、どこかでお会いしましょう。



Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2017-07-23 19:35 | ■カミキリムシ | Comments(8)

20170715 白馬の散歩道:久しぶりにコトラカミキリをみた


DIARY Vol.11 (747): #11, 2017 :

ブログ(Nature Diary)は僕のフィールド散歩(昆虫写真)のアーカイフなのだが、今年はこれまで更新がほとんどできませんでした。これからは少しダウンサイジングして定期的に更新していこうと思っています。


コトラカミキリ(小虎天牛、学名:Plagionotus pulcher)

コトラカミキリは小さなトラカミキリという意味だが、けっして小さくない。
むしろトラカミキリの仲間では大型の部類に入る。
最近はなぜか個体数が減ったようで、このカミキリになかなか出会えなかった。
今回、白馬村の道路脇のコナラの材上にその姿を見ることができた。

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----交尾するコトラカミキリ
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(July-17-2017, Nagano, Canon EOS 7D M-II, EF8-15mm F4L USM)


Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2017-07-22 21:55 | ■カミキリムシ | Comments(1)

白馬の散歩道:久しぶりにコトラカミキリをみた


DIARY Vol.11 (747): #11, 2017 :

ブログ(Nature Diary)は僕のフィールド散歩(昆虫写真)のアーカイフなのだが、今年はこれまで更新がほとんどできませんでした。これからは少しダウンサイジングして定期的に更新していこうと思っています。


コトラカミキリ(小虎天牛、学名:Plagionotus pulcher)

コトラカミキリは小さなトラカミキリという意味だが、けっして小さくない。
むしろトラカミキリの仲間では大型の部類に入る。
最近はなぜか個体数が減ったようで、このカミキリになかなか出会えなかった。
今回、白馬村の道路脇のコナラの材上にその姿を見ることができた。

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----交尾するコトラカミキリ
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(July-17-2017, Nagano, Canon EOS 7D M-II, EF8-15mm F4L USM)


Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2017-07-22 21:55 | ■カミキリムシ | Comments(0)

20170716 白馬の散歩道:小さな赤トンボ (ハッチョウトンボ)



DIARY Vol.12 (746): #10, 2017 :


Visited Hakuba village, Mr. Kurobe guided me to the damp ground. We took some pictures of tiny scarlet dragonflies, Nannophya pygmaea, which are known as scarlet dwarf and consideredto be the world smallest, measuring 1.5-2.0 cm in body length. To my joy, I found another rare dragonfly, Libellula quadrimaculata..


白馬村を訪れた時に、蝶友のkurobeさんに案内していただいた湿地で、小さな赤トンボ(ハッチョウトンボ)を撮影した。このトンボは体長が1.5-2.0cmで、日本はもとより世界で最も小さいとみなされている。真夏の湿地は暑かったな----


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珍しいヨツボシトンボも見つけました
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by tyu-rinkazan | 2017-07-19 22:13 | ■トンボ | Comments(2)