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20170826 晩夏の散歩道:カワラハンミョウを探して日本海の浜へ

DIARY Vol.11 (754): #18, 2017 :

夏の終わり(8月下旬)に日本海の海岸を昆虫写真家の山口 進さんと訪れました。目的はカワラハンミョウというちょっと綺麗な甲虫の撮影です。ムムム---ハマベ(浜辺)なのにカワラ? ----と思われるかもしれませんが、このハンミョウは河原以外に海岸にも棲息しているのです(むしろ海岸の方の分布が広いかも)。近年はその数が減ってしまい、なかなかその姿を見ることができません。環境省のレッドデータブックの絶滅危惧II類(VU)に認定されています。

カワラハンミョウの浜
夏の終わりの浜辺は、歩く人も少なく、聞こえるのは打ち寄せる波と風の音のみ。
日差しはまだ勢いを失っておらず、遮るものも無い浜辺を歩くと汗が噴き出てくる。

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----日本海の浜辺
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(August-26-2017, Niigata, Canon EOS M6, EF 8-15mm F3.5 IS STM)



アオスジアゲハの吸水
一頭のアオスジアゲハが海岸で吸水していた。

これまで何度かアゲハチョウの仲間が海水で吸水するのをみています。体の浸透圧を一定に保つために、塩分が多い海水を飲むことができない我々ホモサピエンスにとっては、海辺吸水シーンは違和感を覚えます。虫の浸透圧調節機構は、人間のものとはかなり違うのかもしれないな。

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----アオスジアゲハの吸水
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(August-26,12-2017, Niigata, Canon EOS M6, EF 100mm F2.8 IS USM)



カワラハンミョウ

タオルで汗をぬぐいながら歩いていくと、突然、足元からハンミョウが飛び出した。
目的のカワラハンミョウだ。
数年前にこのハンミョウにあっているので、今回は冷静に観察できるのが嬉しい。
このハンミョウは白地に黒い紋があり、それが背景に溶け込む(カモフラージュ)。
それでなくても目があまりよくない僕は、目を離すと見失ってしまうくらいだ。

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----カワラハンミョウ
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(August-26,12-2017, Nagano, Canon EOS M6, EF 8-15mm F4 USM, EF 100mm F2.8 IS USM)


このハンミョウの紋には個体差がある。
下の写真は黒い紋が少ない(白い部分が多い個体)。

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----カワラハンミョウ
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(August-26,12-2017, Nagano, Canon EOS M6, EF 100mm F2.8 IS USM)


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----カワラハンミョウ交尾
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(August-26,12-2017, Nagano, Canon EOS M6, EF 8-15mm F4 USM, EF 100mm F2.8 IS USM)



エリザハンミョウ

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----エリザハンミョウ交尾
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(August-26,12-2017, Nagano, Canon EOS M6, EF 100mm F2.8 IS USM)



Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2017-09-17 10:18 | ■甲虫 | Comments(1)

20151025 佐賀の散歩道:サツマシジミ、イシガケチョウなど

DIARY Vol.10 (694): #56, 2015 :  

九州の佐賀に数日間滞在した。
佐賀は南国で暖かいと思いきや意外に寒くて風も強い。

帰る日(日曜日)の佐賀空港発の飛行機の出発が午後の3時過ぎ。
そこで、午前中は唐津湾の海岸線を少しだけ散歩することにした。
唐津湾に面する地域は「日本百景」にも選ばれている景勝地だ。



唐津の海岸線にて

見晴らしが良さそうな場所に小さな公園があった。
今日は風が強いので、海にも白波が立っている。
この時期なのに、濃い紫色のアサガオの花が沢山咲いていた。
多分、リュウキュウアサガオ(宿根琉球朝顔)か?

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---- リュウキュウアサガオ咲く唐津湾-Karatsu Bay

-----(Saga, 25/October/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm ED MSC


唐津の海岸はイカが名産。
道路脇にはイカの一夜干しの店が多い。

「イカ干し」も今は機械を使ってくるくると回している(写真左)。
時代の流れだね。

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---- イカ干し-Overnight dried squid

-----(Saga, 25/October/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm ED MSC



イシガケチョウ

本日は風が強いので、浜辺に出ても蝶の観察は無理。
そこで、風が弱く陽だまりになる場所を歩いてみた。

茂みからやや大型の白い蝶が飛び出し、ヒラヒラと舞うように飛んで静止した。イシガケチョウはこちらでは普通種かもしれないが、僕にとっては嬉しい蝶なのだ。それにしても、この蝶の飛翔は不器用なのか器用なのかわからない。さらに、蛾のように翅裏にも静止するのも面白いな。

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---- イシガケチョウ-The Common Map

-----(Saga, 25/October/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm ED MSC



サツマシジミ

目の前にどこからともなく明るいブルーの蝶が飛んできた。
地面に静止すると、翅裏がやけに白い-----サツマシジミだ。
しばらく見守っていると、ちょっとだけ翅を開いてくれた。

サツマシジミは南国系の蝶(今は静岡以南の分布かな)。
この蝶が佐賀県に棲息していても何ら不思議はない。
でも、予想してなかったので驚いた。
今回の唐津の海岸散歩のワンダフルサプライズ

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---- サツマシジミ-The Albocaerulean

-----(Saga, 25/October/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm ED MSC


サツマシジミは逆光気味に撮影すると、翅の透過光が美しい。

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---- サツマシジミ♂-The Albocaerulean

-----(Saga, 25/October/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro ED MSC



アカタテハ

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---- アカタテハ-Red Admira

-----(Saga, 25/October/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm ED MSC



アオマツムシ

アオマツムシを見つけた。
この曲者的な雰囲気が面白い。

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---- アオマツムシ-Truljalia hibinonis

-----(Saga, 25/October/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro ED MSC



アオサギ

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---- アオサギ-Macroglossum pyrrhosticta

-----(Saga, 25/October/2015, Olympus OM-D E-M1, MZD14-150mm ED MSC



??虫眼鏡ノート

佐賀には古い友人のT教授がいるので、これが4度目の訪問になる。今回も学会の前日で忙しいはずなのだが歓待してくれた-----感謝。今回、レンタカーを半日借りて唐津まで出かけたが、生憎の強風でなかなか思うように歩けなかった。でも、なんとか数種類の蝶が観察できただけで満足だ。

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僕はチャンポンが好きだ。ラーメンとはまた違う独特の風味と味わいがあるので、九州に来ると無性にチャンポンが食べたくなる。

唐津から帰る途中、佐賀市内の道沿いで「井手のチャンポン」というお店を見つけた。ここのチャンポンは量が多いので驚いたが、味もよかった。

Written by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2015-10-27 08:48 | ▣サツマシジミ | Comments(8)

20150228 野母崎半島(長崎県)の散歩道:ツヤスミレ?など

DIARY Vol.10 (649): #11, 2015 :

今週は研究仲間のN教授からのお招きで長崎市に出張しました。


駅にドラゴンが飛んでいた

長崎市内は旧正月(春節)を祝うランタンフェスティバル。
JR長崎駅の構内には大きな龍バルーンが飛んでいました。

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---- 長崎駅に飛ぶドラゴン-A Flying Dragon in Nagasaki Station

-----(Nagasaki, Feb/28/2015、Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm f2.0)



野母崎半島の海岸にて

土曜日の午前中は長崎市内から車で1時間ほどの野母崎半島樺島。
樺島灯台公園から細い道を下ると小さな海岸にでました。

ここは数年前の秋に訪れた時にタテハモドキやリュウキュウムラサキと出会った場所です。
今回は風が強い上に気温も低く、蝶どころか虫の気配すらまったくありませんでした。

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---- 海岸-Seashore

-----(Nagasaki, Feb/28/2015、Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm f2.0)



ツバキの落花

この海岸の周りにはアカガシやウラジロガシなどのカシ類、ヤブツバキ、サンゴジュ、トベラなどの常緑広葉樹が茂っていました。ヤブツバキの花期はすでに過ぎ、花が沢山落ちていました。

ツバキの落花はフォトジェニック

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---- ツバキの落花-Falling Blossoms

-----(Nagasaki, Feb/28/2015、Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm f2.0)




タチツボスミレが咲いていた

林の縁でタチツボスミレの花を見つけました。

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---- タチツボスミレ-Viola grypoceras

-----(Nagasaki, Feb/28/2015, Olympus OM-D E-M1, M.ZD12mm f2.0、M.ZD40-150mm f2.8)


タチツボスミレは個体変異や地域変異が多いスミレです。

西日本から九州の海岸には「ツヤスミレ」というタチツボスミレの一型があります。このツヤスミレは通常のタチツボスミレに比べて、葉が肉厚で光沢があるのが特徴です。以前から見てみたいと思っていましたが、今回やっとそれらしいスミレを見ることができました。

ちなみに、この「葉が肉厚で光沢をもつ」という特徴はシチトウスミレ(伊豆諸島と伊豆半島の南部)テリハタチツボスミレ(本州の新潟県以北の日本海側の海岸部)にも見られるものです。つまり、ツヤスミレはタチツボスミレの海浜適応?

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---- タチツボスミレ(ツヤスミレ)-Viola grypoceras

-----(Nagasaki, Feb/28/2015, Olympus OM-D E-M1, M.ZD60mm f2.0 Macro)



オオウナギの井戸

帰りがけにオオウナギが棲む井戸に立ち寄ってみました。

今でも井戸の中にオオウナギが棲んでいるということですが、中を見ても暗くてなにも見えません。でも、すぐ後ろの小屋の中の水槽でオオウナギの姿を見ることができました。とても大きくて隠れ家に入りきらずに体の半分くらいが出てしまっているのが笑えました。

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---- オオウナギが棲む井戸-

-----(Nagasaki, Feb/28/2015, Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm f2.0)



Note

今回の出張も1泊2日の強行軍でしたが、講義の後の懇親会では古い友人たちやその教室員の皆さんとゆっくり語らうことができて嬉しかったな。N先生有難う。

帰りの飛行機を夕方にしたので、土曜日の午前中数時間だけでしたが何とかお気に入りの散歩道を歩くことができました。風が冷たくて、さすがに蝶の姿などは見ることができませんでした。でも。、チョウの撮影を諦めてみると見えなかったものが見えてくるから面白いですね。意識と視覚は深く関係しているのです。

酸素ではなく散歩中毒症状を治すには薬や手術ではだめで(当たり前)、実際の散歩療法が一番ですね。フィールド散歩をすると日々の疲れが体から離れ、エネルギーが湧き上がってきます-----とか何とかいいながら、周りを煙にまいていつも散歩にでています。

By 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-03-01 12:45 | ■野花 | Comments(4)

20141123 メンソーレー沖縄の散歩道:海のそばでツマベニチョウに出会った

DIARY 9 (71): #632 :

沖縄の海辺を散歩した

沖縄で海を見ずにそのまま帰ることは、豚肉(ソーキ)が入っていないソーキソバを食べて帰るようなものだ-----意味不明。ウーム、帰る前に浜辺を見に行こう。帰りのフライトが午後の3時なので、午前中はレンタカーで島の反対側の海岸(南城市方面)に行ってみることにした。とにかく目的地を決めずに浜へ行く-----。

-青緑色に輝く穏やかな海、
-小さな桟橋と浮かぶ小舟、
-海から飛び出た奇岩、
-薄茶色のサンゴ礫からなる海岸、
-網を肩にかけて歩く浜漁師、
-Tシャツが風に吹かれる小屋

何とも贅沢な光景、何とも幸せな時間----無理しても来て良かったな。

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----- 浜の光景-- Landscapes of Seashore

------- Okinawa, Nov. 23, 2014、Olympus OM-D EM-1, MZD14-150mm



海辺の林でツマベニチョウと遊んだ

林の周りをツマベニチョウがしばしば飛び回っていた。この蝶の飛ぶ姿は良く見かけるが、撮影するのは難しかった。でも、青空を背景に素晴らしいスピードで飛ぶツマベニチョウの姿は何とも言えず沖縄らしくて好きだな。

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----- ツマベニチョウ--Great orange tip

------- Okinawa, Nov. 23, 2014、Olympus OM-D EM-1, MZD14-150mm

葉上で翅を休めるオスを見つけた(下の写真の上)。
ほとんど静止することが無いツマベニチョウなのに-----。

嬉しいことに、ツマベニチョウのメスがハイビスカスの花でゆっくりと吸蜜してくれた。
「ハイビスカスの花とツマベニチョウ」の組み合わせは定番だがやはり南国らしい。

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----- ツマベニチョウ-- Great orange tip

------- Okinawa, Nov. 23, 2014、Olympus OM-D EM-1, MZD14-150mm



突然現れたみかん色のイトトンボ

林の中に入っていくと、オレンジ色のイトトンボが現れた。
これまで見たことがないイトトンボ。
地面に座ってゆっくりと撮影することができたので、体を覆う毛まで解像できた。

ヒメイトトンボの未成熟個体かもしれないがよくわからない。

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----- イトトンボの1種-- Damselfly

------- Okinawa, Nov. 23, 2014、Olympus OM-D EM-1, MZD60mm Macro



クロコノマチョウとウスイロコノマチョウはやはり曲者だった

少し薄暗い林の中に入ると、足元からクロコノマチョウが次々に飛び出した。
でも、撮影に適した場所にはなかなか静止してくれなかった。
深追いは危険だ。薄暗い場所にはハブがいてもおかしくないからね。

クロコノマチョウの裏面の模様は非常に差があって面白い。
黒い縞模様が明瞭な個体を近接撮影できた。
陽の光が蝶の輪郭を強調して面白い写真が撮影できた。

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----- クロコノマチョウ-- Dark Evening Brown

------- Okinawa, Nov. 23, 2014、Olympus OM-D EM-1, MZD60mm Macro



一度だけだが、ウスイロコノマチョウにも出会うことができた。
クロコノマに比べるとかなり個体数が少ないようだ。
あまり良い写真は撮影できなかったが、日本国内で本種の撮影はこれが初めてだ。

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----- ウスイロコノマチョウ--Evening Brown

------- Okinawa, Nov. 23, 2014、Olympus OM-D EM-1, MZD14-150mm



沖縄は猫島だった

数週間前のタイ王国では犬がよく寝そべっていたが、沖縄ではどこに行っても猫が多い。
下の写真は「海を見る青年」と「青年の袋を見る猫」だ。
もの欲しそうな「猫目線」が何ともいじらしくて、思わず撮影してしまった。

どこからか子猫も出てきた。
子猫の眼の可愛さは何とも言えないな。

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----- 海を見る青年と袋を見る猫--Cat

------- Okinawa, Nov. 23, 2014、Olympus OM-D EM-1, MZD14-150mm


これで沖縄の記事は終了します。
時間が限られているので、少しでも散歩できただけでとても満足でした。
次週はフィリピンに出張です。
もう少し渡り鳥になります。
by tyu-rinkazan | 2014-11-26 13:04 | ▣ツマベニチョウ | Comments(12)

20141121 ハイサイ沖縄の散歩道:公園でクマソやイチジクカミキリに会う

DIARY 9 (70): #631 :

沖縄に出張した。訪問先でのフィールド散歩は、予めアレンジしないで「行き当たりばったりの出たとこ勝負」になることが多い。今回の沖縄では、学会場になっている「国立劇場おきなわ」の周囲をグーグルアースでググってみたところ、会場の近くに「浦添大公園」という良さそうな場所を見つけた。ここなら小川や林も残っていて何とかなりそうだ。本当は「やんばる」まで行きたいところだが、遠すぎるので今回はあきらめよう。

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ハブ注意の看板」が立つ公園を歩いた

林の縁の所々に何やら看板がある。
見ると「ハブ注意」と書いてあるではないか。

「立ち入り禁止」なら入ることはできないが、「ハブ注意」であれば、ハブに注意すれば入っても良いということなのだろう。是非とも毒蛇ハブの姿を見てみたいと思ったが、万一噛まれた時には「ほーれ、それ見たことか、虫林のバカ、アホ」といわれるに違いないので止めておいた。

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----- ハブ注意の看板が立つ小径-- Walking Path with Danger Signs for “Habu”

------- Urasoe in Okinawa, Nov. 21, 2014、Olympus OM-D EM-1, MZD14-150mm



イチジクではない木の下で美虫イチジクカミキリに会う

鞘翅に黄色い小紋が並び、前胸背の赤い紋も目立つ「イチジクカミキリ」を見つけた。このカミキリはもともと東南アジアに広く分布していて、沖縄県には比較的最近に入ってきた外来性昆虫だ。とにかく「大きい」、「美しい」、「格好が良い」と3拍子揃った美ムシだと思う。

下の写真の1枚目は通常の60mmマクロレンズ、2枚目はTG-3の顕微鏡モードでなるべく離れ、さらに深度合成機能を用いて撮影したので背景までピントがきている。最近のコンデジの特殊化された機能の発達には驚くばかりだ。

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----- イチジクカミキリ-- Batocera rubus

------- Urasoe in Okinawa, Nov. 21, 2014、Olympus OM-D EM-1, MZD60mm Macro, Olympus Stylus Tough TG-3


イチジクカミキリの頭部を顕微鏡モードで深度合成。
体表面の凸凹が岩手県の名産の「南部鉄瓶」のようにみえる。

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----- イチジクカミキリ-- Batocera rubus

------- Urasoe in Okinawa, Nov. 21, 2014、Olympus Stylus Tough TG-3



食いしんぼのイシガケチョウを近接撮影した

イシガケチョウは思ったよりも敏感で、そっと近づいてもすぐに飛び立ってしまう------憎い奴だ。でも、(タチアワユキ)センダングサで一心不乱に吸蜜している個体はかなり寄れた。翅の地図状の模様があって、英名の「Map」という名前が納得できる。

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----- イシガケチョウ-- Common Map

------- Urasoe in Okinawa, Nov. 21, 2014、Olympus Stylus Tough TG-3



侵入者のクロマダラソテツシジミを撮影した

センダングサに低温期型のクロマダラソテツシジミが多い。
今回の散歩道では最もよく見られた蝶の一つだが、僕自身は日本での初撮影種。

この蝶もイチジクカミキリと同じく東南アジアからの外来性昆虫で、沖縄では約20年前(1992年)に発見されたそうだ。南国ムードを演出するために公園やホテルの庭にソテツの木が植栽されことによる。今では関東地方の太平洋岸でも見ることができるが、さすがに「冬越え」は厳しいかもしれない。

小さくて可憐に見えるが、実はしたたかで強い。

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----- クロマダラソテツシジミ--The Plain Cupid

------- Urasoe in Okinawa, Nov. 21, 2014、Olympus OM-D EM-1, MZD60mm Macro, Olympus Stylus Tough TG-3



センダングサに幽霊を見つけた

ユウレイセセリという名前はふざけているわけではなく、れっきとした正式和名。
発見されてからしばらく学名が付かなかったので幽霊になったらしい。

この辺りではチャバネセセリも棲息しているので、同定には自信ない。

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----- ユウレイセセリ?-- Rice Swift

------- Urasoe in Okinawa, Nov. 21, 2014、Olympus OM-D EM-1, MZD60mm Macro



その他の蝶の集合写真

写真は上段左から
カバマダラ、ツマムラサキマダラ、リュウキュウヒメジャノメ、アサギマダラ、テングチョウ、アオタテハモドキ、クロコノマチョウ、オオゴマダラ、タテハモドキ秋型

11月後半とはいえ、短時間でこれだけの種類の蝶が観察できる。

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----- 観察できたその他の蝶たち-- Miscellaneous Butteflies

------- Urasoe in Okinawa, Nov. 21, 2014、Olympus OM-D EM-1, MZD60mm Macro



苦手なカマキリが撮影できた

直翅目の昆虫はもともと好きではなかった。しかし、写真を撮影するようになってその考えは変わってきた。カマキリやバッタにはそれぞれ表情があり、また形態的多様性も面白いなと思えるようになったのだ。でも、今でもそれらを触ろうという気にまではなれない。

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----- カマキリ-- Mantis

------- Urasoe in Okinawa, Nov. 21, 2014、Olympus Stylus Tough TG-3


沖縄は物価が安く、海にも山にも近い。とにかくウィークエンドナチュラリストを自認する虫林には住みやすそうな町に思えた。食事も美味くて、滞在中に2キロもウエイトゲインしてしまったのは問題だけどね------。僕の友人は沖縄で老後をのんびりと過ごしてみたいといっていた。そんなことを本気で考えることができる場所かなと思う。ウーム、家内が反対するかもしれないな。

沖縄の記事はあと1回続く。
by tyu-rinkazan | 2014-11-24 22:00 | ■カミキリムシ | Comments(4)

20140919 玄界灘の散歩道:海岸のクロツバメシジミ(海クロツ)

DIARY 9 (56): #617 :

佐賀に出張することになったので、 呑むさん呑むさんの蝶日記)に連絡して 海岸に棲息するクロツバメシジミ 海クロツ)について色々と教えていただいた。これまで何度も九州を訪れてはいるが、「海クロツ」はまだ見たことがないのだ。九州の「海クロツ」は地元の山梨のものと翅表の青紋や翅裏の紋がかなり違うようなので楽しみだ。今回はクロツマニアになってみよう。

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期待とは裏腹にドン曇りの空の下、レンタカーで玄界灘(福岡県)の海岸を訪れた。
海岸の所々に食草の タイトゴメ(ベンケイソウ科)が群落を形成していた。
注意深く観察すると、タイトゴメの上に静止するクロツバメシジミを発見。

海岸でクロツを撮影するなんて、どことなく違和感があって面白い。

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----- 海岸のクロツバメシジミ(海クロツ)Sea Black Cupid

--------福岡県 9月19日 (Olympus Pen E-P5, Panasonic Lumix G Fisheye 8mm F2.8)



天候不順で気温が低いためか、観察できた個体数は少なかった。
でも、新鮮な個体をクローズアップ撮影できた。

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----- 海岸のクロツバメシジミ(海クロツ)Sea Black Cupid

--------福岡県 9月19日 (Olympus OM-D E-M1, MZ-D ED 60mm Macro F2.8)



開翅を待っていたが、なかなか翅を開いてくれない。
しびれを切らして飛翔撮影することにした。

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----- 飛翔する海クロツ Sea Black Cupid

--------福岡県 9月19日 (Olympus Pen E-P5, Panasonic Lumix G Fisheye 8mm F2.8)



飛翔撮影後、のんびりと海を眺めていたら、なんとクロツが開翅していた。

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----- 開翅する海岸のクロツバメシジミ(海クロツ)Sea Black Cupid

--------福岡県 9月19日 (Olympus OM-D E-M1, MZ-D ED 60mm Macro F2.8)


昼前から雨が本降りになってしまったので早々に切り上げてホテルに戻った。
でも、憧れの海クロツが少しでも撮影できたので満足だ。
海クロツについてご教示いただいた呑むさんに感謝です。



by tyu-rinkazan | 2014-09-19 20:00 | ▣クロツバメシジミ | Comments(6)

20111007 伯耆国散歩:米子にて

Nature Diary #414

学会の会議の後、皆生温泉に宿泊。
夕食まで時間があったので、宿の前の遊歩道をそぞろ歩いた。

僕は海辺の町に育ったので、潮の香、波の音、砂の感触、風の匂いの全てが懐かしい。海が持つ何ともいえない広々とした空気感は、僕の気持ちまで穏やかに広げてくれる。やはり海って良いな。

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弓ヶ浜 (鳥取県米子市、10月06日)
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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100


宿の部屋から暮れなずむ浜辺に目を落とすと、傾きかけた陽射しの中に2組の男女が記念撮影。

お隣の出雲国にある出雲大社は縁結びの神、10月は日本中から神様が集まる(神有月)。
もしかして、彼らは神様に導かれて----ウーム、まったく関係ないか。

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浜 (鳥取県米子市、10月07日)
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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100


入り江に沿った小径。
数頭のウラギンシジミを見つけた。
一頭がうまい具合に岸壁の端っこに静止してくれた。

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浜 (鳥取県米子市、10月07日)
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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100


海背景のチョウの撮影はこれが2度目。
翅が一部壊れて少し古いウラギンシジミだけれど海バックは嬉しい。

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浜 (鳥取県米子市、10月07日)
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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100


このチョウは波に洗われた岸壁の上でストローを出していた。
どうやら海水からミネラルを摂っているようだ。

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浜 (鳥取県米子市、10月07日)
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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100


同じチョウでも撮る方向によってイメージが変わる。

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浜 (鳥取県米子市、10月07日)

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Ricoh GXR, S10 24-72mm, ASA100


§ Afterword §

前回に訪れた時には、確か「水鳥公園」という名前の公園の池で野生のコウノトリを見た。

今回は、中国弾丸ツアーから帰国後、すぐに鳥取県の米子に飛んだので少し疲れた。でも、晩秋の日本海を少しばかり楽しめた気がする。米子市の近くの境港は水木しげるの出生地。NHKの連ドラ「ゲゲゲの女房」の影響と思われるが、米子市内のいたるところで鬼太郎グッズがある。とくに米子空港が「米子鬼太郎空港」と改名しているのには驚いたな。

下の写真は、米子鬼太郎空港にある鬼太郎の像。

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いつかまたこの穏やかで風光明媚な米子の海を訪れたみたい。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-10-09 16:35 | その他・雑 | Comments(4)

20101112 長崎の海岸散歩:ヤクルリほか

Nature Diary #0361
Date: November 12 (Friday), 2010
Place: Nagasaki
Weather: fine



§ Diary §

今週は九州の長崎。

海を見下ろす丘の上に車を止め、浜辺に降りる道を探した。
しばらくすると、薄暗い林の中にまるでトンネルのような小径を見つけた。

このトンネルの先は “不思議の国の虫林”---ふとそんな気がした。

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トンネル

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(2010-November-12, Nagasaki)



トンネルを抜けると、そこは小さな浜辺。

子供の頃に海辺の町で育った僕には、踏みしめる砂浜は嬉しく、潮の香は懐かしい。
眩しく輝く午後の海を目を細めて見た。

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seashore
(2010-November-12, Nagasaki)




イシガケチョウ; Common Map

しばらく浜から内陸に向かって歩くと、猫の額ほどの畑に出た。
突然、何か白いものが飛んだ。

その場所にそっと近づいて覗いてみると、栽培している野菜の上に翅を開いて静止している「イシガケチョウ」を見つけた。

イシガケチョウは、まるで「紙で作った飾り」のようにみえた。

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イシガケチョウ

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(2010-November-12, Nagasaki)



ヤクシマルリシジミ; Common Hedge Blue

所々で見かけるヤマトシジミは、すっかり白っぽくなり低温期型の特徴を示していた。その中に素早く飛ぶ小さなシジミチョウを見つけた。ヤマトの色合いと明らかに異なり、濃い青色をしていた。

どうやら、ヤクシマルリシジミの♀だ。

ヤクルリ♀は花にはあまり興味を示すことなく、浜辺の草付きの上を飛び、バラ科植物の葉上に静止した。そういえば、ヤクルリの食草は確かバラのはずだ。しばらく産卵シーン期待して注視したが、残念ながら腹端を曲げなかった。

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ヤクシマルリシジミ

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(2010-November-12, Nagasaki)

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ヤクシマルリシジミ

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(2010-November-12, Nagasaki)



ムラサキツバメ ; Zizula hylax

どこからともなく、ムラサキツバメが飛来した。

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ムラサキツバメ

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(2010-November-12, Nagasaki)

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ムラサキツバメ

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(2010-November-12, Nagasaki)



その他; Miscellaneous

ウラギンシジミはタテハチョウのようだがシジミチョウだ(変なの)。
このチョウを見ると、南米で発達している「シジミタテハ」を思い出す。

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ウラギンシジミ

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(2010-November-12, Nagasaki)

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ウラギンシジミ

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(2010-November-12, Nagasaki)



浜辺を歩くと、足元からしばしばキタテハが飛び立った。

じつは、ここではタテハモドキを期待していたので、キタテハが飛び出すたびに目で追ったのだが、タテハモドキは一度も姿を見せてくれなかった。

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キタテハ

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(2010-November-12, Nagasaki)

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キタテハ

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(2010-November-12, Nagasaki)



オオキンカメムシが多い木を見つけた。

このカメムシは以前に房総半島でも見かけたが、冬には海のそばで越冬する習性があるらしい。かなりの個体がいたので、もう少し寒くなれば集団越冬をするのだろう。

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オオキンカメムシ

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(2010-November-12, Nagasaki)


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§ Afterword §

11月の散歩の記録をまとめているうちに、今年も終わりそうだ。
忙しさにかまけて、もう一か月もフィールド散歩に出ていない。

これでは、「酸素不足」ならぬ「散歩不足」だろう。

下の写真は小さな漁港の海産物屋。
ここで購入した干したカタクチイワシ(いわゆるニボシ250円)は、そのまま食べてとても美味だった-----ウームもっと沢山買うべきだった。
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先日、東京に行った折に新宿の「ヨドバシカメラ」で新発売のオリンパスE-5を見てきた。E-5はまだ結構高い。その時同時にキャノン7Dに 300㎜F4 L IS USMを装着して試写してみたが、持った感じのフィールングがとても良く、レンズの動きもスムーズで感心した。この望遠レンズはF4で、最短1.2mまで寄れる。----来年はキリシマやヒサマツに挑戦したいので心が動く。ところで、キャノン7Dや新発売の60D はどうしてこんなに値下がりしているのだろう。まるで価格破壊だ。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-12-18 00:11 | ▣ヤクシマルリシジミ | Comments(6)

20091213 九州散歩:長崎は今日も雨だった

Nature Diary #0292
Date: December 13th (Sunday), 2009
Place: Nagasaki-shi, Nagasaki Pref.
Weather:Cloud and rain



§ Diary §

九州の長崎は「ヒコーキで行く遠い町」なのだが、これまで縁があって何度も訪れている。

今週末(12日)は長崎大のY教授が、長崎市内で行われるある研究会の特別講演の講師として招待してくれたので喜んで再訪した。長崎は何度訪れても興味が尽きない良い街だと思う。

研究会の会場は長崎大学医学部の「良順会館」。宿泊したホテルが「パークサイドホテル」で、会場から歩いて5分ほどの距離にありそのシチュエーションがとても良かった。

ちなみに、良順という名前は、オランダ人軍医のポンぺから長崎で蘭学を学んだ軍医「松本良順」にちなんでいる。この会館は数年前に大学関係者の寄付によって建てられたということだが、羨ましい限りだ。色々なものが事業仕分けで、削減ないしは廃止されてしまうこのご時世では、このようなものを大学構内に建設することは難しいかも知れないな。

ところで、最近、困ったことには、 我が家の事業仕分け人(家内) がとても厳しくなってきた。

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良順会館 (長崎県長崎市、12月13日)

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Ryojun Kaikan of Nagasaki University
Olympus EP-1, ASA200


夜はY先生に「卓袱(しっぽく)料理」を御馳走になり、友人たちと楽しい夜を過ごすことができた。この料亭の部屋からガラス戸を開けて外に出ると、驚いたことに長崎港湾を中心に広がる長崎市の夜景が一望できた。そうだ、長崎は港町なのだ---と改めて思う。


長崎市の夜景は日本三大夜景(函館、神戸、長崎) に入っている。

日本人はとかく「三大○×」を作るのが好きだ。三大夜景のほかにも、三大温泉、三大祭など枚挙に暇が無いが、中には三大頑固 (肥後もっこす、土佐いごっそう、津軽じょっぱり )や三大毒生物 (ヒョウモンダコ、アンボイナガイ、スベスベマンジュウガニ)まであるのには驚いてしまう。

夜景評論家の虫林(本当かいな?)は、この街の夜景には、どこかエキゾチックで異国的な風情があるように思う-------たぶん、虫林が長崎という街に抱いているイメージないし先入観 (preconception) が、その印象の中に多分に含まれているのかも知れないな。

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長崎市の夜景(長崎県長崎市、12月13日)

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Night view of Nagasaki
Olympus EP-1, ASA200


そもそも卓袱料理は、中国、西欧料理が日本の貿易都市である長崎で日本料理と一体化したもので、和華蘭(わからん)料理とも呼ばれているらしい。この卓袱料理では、最初に椀物を食べ、そして食事の最後は「お汁粉」でしめる仕来りだ。

椀物を食べ終わるまでは、開始の挨拶や乾杯をすることも許されないのだ。

旅人の虫林にはこのようなローカルルールの存在がとても面白くそして「粋」に感じる。もちろん、卓袱料理そのものもとても美味かった------また食べすぎた。

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卓袱料理 (長崎県長崎市、12月13日)

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Local cuisine “Shippoku”
Olympus EP-1, ASA200


次の日の日曜日(13日)は、残念ながら朝から曇っていた。

虫林が乗る予定のヒコーキ(ANA)の出発時間が午後なので、ゆるゆるとホテルで朝食をとった後、一人でレンタカーを借りて近くの海辺まで行ってみた。とにかく、長崎に来たら海が見たかったからだ。

波打ち際に近い浜辺を、季節外れのハンミョウ類でもいないかなと目をキョロキョロしながら歩いたが何も見つけることができなかった。そのうち、曇り空からとうとう小雨が降り出してしまった。まあ、雨脚はあまり強くないのが救いではある。

そういえば、昨年訪れた時も長崎は雨だったなぁ (昨年10月6日の日記にジャンプ)。
♪ あ~あ~長崎~は今日も雨だっ~た ♪

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誰もいない浜 (長崎県長崎市、12月13日)

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Quiet beech
Olympus EP-1, ASA200


雨が降ってグレーから淡いブラウンのフィールドに、場違いな位に鮮やかな黄色の花(菊)が群生していた。よく見ると、あちらこちらでこの黄色い花が咲いている。近くで観察すると、花はいずれも新鮮で、どうやら咲き残りでは無くて今が最盛期のようだ。

自宅で図鑑を見てみると、どうやら シマカンギク という名前の花と思われた(自信が無いけど)。シマカンギクは漢字で書くと「島寒菊」で、江戸時代に、長崎ではこの花を油に浸して傷薬にしたということだ。

とにかく、この季節にあでやかな黄色の花を見ると嬉しくなる。

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シマカンギク (長崎県長崎市、12月13日)

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Chrysanthemum
Olympus EP-1, ASA200


すでに、水仙もポツリ、ポツリと花を付け始めていた。

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スイセンの花 (長崎県長崎市、12月13日)

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Daffodils
Olympus EP-1, ASA200



ムラサキツバメ(ムラツ); Powdered Oak Blue

カシ類の多い林に沿った道をゆっくりと歩いてみたのだが、昆虫の気配は全くなかった。今回も情報を持たずに適当な場所を歩くだけの「なんちゃってフィール散歩」なので、昆虫に出会えなくても仕方が無いなと思う。

それでも、黄葉した葉の上で寄り添うように静止している3頭のムラサキツバメを見つけた。

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ムラサキツバメ集団 (長崎県長崎市、12月13日)

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A group of Powdered Oak Blues
Olympus EP-1, ASA200


ムラサキシジミが静止する葉は、道路から少し離れていて、片手を延ばすとやっと届くが、両手でカメラを持つと届かない微妙に意地悪な距離なのだ。さらに、このドン曇りの空の下で、3頭にピントが合うように被写界深度を上げて撮らなければならない。

こんな時には軽いEP-1は有難い。

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ムラサキツバメ集団 (長崎県長崎市、12月13日)

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A group of Powdered Oak Blues
Olympus EP-1, ASA200


EP-1のフラッシュとして発売されたFL-14を装着してマクロ撮影してみた。デイフューザーを用いなかったので、濃い影が出て不自然な写真になってしまった。

ところで、FL-14はEP-1に付けるととても格好良くみえるが、ガイドナンバーが小さくて、光量の調整もできず(EP-1は本体側で光量の調整可能)、今のところ虫林の評価はあまり高くない。
ウーム、残念。

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ムラサキツバメ集団 (長崎県長崎市、12月13日)

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A group of Powdered Oak Blues
Olympus EP-1, ASA200, 、FL-14


雨が降ったので、早々に散歩を切り上げて空港に向かうことにした。

そういえば、ちょうど昼時なのでチャンポンで有名な「四海楼」で昼食を摂ることにした。四海楼はチャンポン発祥の店といわれ、店の構えが異常に豪華で立派だ。

四海楼のチャンポンは、確かにおいしかった。しかし、貧乏性の虫林はもっと庶民的な安い食堂で食べた方が落ち着く。だって、チャンポンは高級料理ではないのだから------。

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長崎チャンポン (長崎県長崎市、12月13日)

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Nagasaki noodle
Olympus EP-1, ASA200


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§ Afterword §

今回の長崎では、しばらくぶりで浜を散歩できた。虫林は子供の頃に浜の近くで育ったので、海の景色はとても和むのだ。やはり海は気持ちが良いな~。

今回はオリンパス ペンEP-1とMZD17mm、MZD14-42mm Zoom、ZD50mm Macroを持参した。この組み合わせは非常に軽くて、出張の際の片手間的な散歩にはとても良さそうだ。しかし、気合いを入れた撮影には一眼レフのE-3がやっぱり使いやすい。

これから寒い季節になって虫の姿がいよいよ見ることが難しくなる。でも、こんな時期はあまりバタバタとしないで一息入れてのんびりと散歩を楽しみたいな。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-12-14 22:06 | ▣ムラサキツバメ | Comments(8)

20090729 徳島の海岸にて: ルイスハンミョウ (徳島県)

Nature Diary #0269
Date: July 29th (Thursday), 2009
Place: Tokushima-shi, Tokushima Pref.
Weather: Cloud and Fine



<梅雨明けではありませんでした宣言>

関東甲信越地方はとっくに「梅雨明け宣言」が出されているのだが、このところの甲府市内では毎日どんよりと雲が空を覆って蒸し暑く、しばしば雨も降っている(いかにも梅雨らしい天気)。7月ももう終わろうとしているのに、一体全体この天気はどうしたのだろう。

そろそろ気象庁には「梅雨明けではありませんでした宣言」を出していただきたいものだ。


§ Diary §

ある学会の講習会で徳島市を訪れた。

徳島市では有名な「阿波踊り」がもうすぐ(8月12日から)始まるので、夕方になると市内のいたるところから阿波踊りの練習のための鐘や太鼓の音が聞こえてきた。

徳島大学構内のレストランで開かれた講習会の懇親パーティでは、その余興に大学の学生君たちによる阿波踊りが披露された。笠を目深にかぶって浴衣姿で踊る女性の阿波踊りはとても優雅で良かったと思う-------日本の文化は良いね。

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懇親会での阿波踊り (7月28日)

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Awa folk dance in the party
Panasonic DMC-LX3



ルイスハンミョウ; Cicindela lewisi

講習会の翌日、虫林が乗る羽田行のJALは午後2時45分発なので、午前中はフリーな時間ができた。そこで、朝食後、吉野川河口の浜にルイスハンミョウを見に行くことにした。

ルイスハンミョウは環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種II類に入っている希少種だ。

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ルイスハンミョウが棲む浜 (7月29日、徳島市)

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Habitat of Cicindela lewisi, live
Panasonic DMC-LX3


浜をしばらく散策したが、なぜかルイスハンミョウは見つからなかった。

すでに1時間が経過し、歩き始めた時には曇っていた空もいつの間にか晴れて、夏の日差しが容赦なく虫林を照りつける。あまりに暑いので、立ち止まってペットボトルの水を飲んだ時、5メートルほど先の砂浜で何かが動いたような気配を感じた。

多分カニかも知れないと思ったが、目を凝らしてその辺りをみると、砂浜の上をツツツーツツツーといわゆる Stop and go で動く黒っぽいハンミョウを見つけた。

ルイスハンミョウだ!

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ルイスハンミョウ (7月29日、徳島市)

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A tiger beetle, Cicindela lewisi
Panasonic DMC-LX3


ルイスハンミョウは1頭を見つけた後、続けて何頭も観察できた。

ルイスハンミョウはなかなか立派で、黒味がかった鞘翅に白い紋がくっきりと浮かび、前胸背が金緑色にキラキラと輝いてとても美しかった。

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ルイスハンミョウ (7月29日、徳島市)

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A tiger beetle, Cicindela lewisi
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


ルイスハンミョウの体色は個体差があるようで、褐色系の個体も見られた。また、前胸背の輝きがある個体と無い個体があった。

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ルイスハンミョウ (7月29日、徳島市)

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A tiger beetle, Cicindela lewisi
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


追っていたルイスハンミョウが、突然、奇妙な行動を示した。後ずさりしながら砂に潜っていったのだ。砂の中に潜って隠れようとしているように見える。

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砂に潜るルイスハンミョウ (7月29日、徳島市)

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A tiger beetle, Cicindela lewisi
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


交尾している個体も観察することができた。

ハンミョウの交尾個体をみると、上に乗っている♂は、大きな白い両顎でメスの前胸背を両側がっちりと挟んでいる。これなら振り落とされることはないだろう。

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交尾するルイスハンミョウ (7月29日、徳島市)

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Mating tiger beetles, Cicindela lewisi
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



エリザ(ヒメ)ハンミョウ; Cicindela elisae

この海浜では多数のエリザハンミョウも見ることができた。

このハンミョウはルイスハンミョウに比較してかなり小型で、色も砂浜に近い淡い色調だ。さらにとても敏感でなかなか近寄らせてもらえない--------撮影するのはとても難しかった。長玉のレンズを自宅に置いてきたことが悔やまれた。

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エルザ(ヒメ)ハンミョウ (7月29日、徳島市)

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A tiger beetle, Cicindela elisae
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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エルザ(ヒメ)ハンミョウ (7月29日、徳島市)

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A tiger beetle, Cicindela elisae
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


エリザハンミョウの交尾も、ルイスと同様で、オスがメスの前胸背を大顎で挟んでいた。
この交尾姿勢はハンミョウの仲間全体に共通するのかな。

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交尾するエルザ(ヒメ)ハンミョウ (7月29日、徳島市)

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Mating tiger beetles, Cicindela elisae
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



シオマネキ; Fiddler crab

シオマネキは片方の手(鋏脚)が異常に大きく、ユニークな形態をしている。

砂浜ではこの大きな手(鋏脚)を上にあげて、「コッチコイ、コッチコイ」という動き(ウェービング: waving)を示す。ちなみにシオマネキを漢字で書くと「潮招」あるいは「望潮」になり、まるで潮を自分の方に招いているように見えるウェービングからその名が付いたと思われる。面白いことに大きいハサミ手(鋏脚)は個体により右左が異なっていた。


このカニはなかなか用心深くて、不用意に近づくと穴の中にすぐに隠れてしまう。そこで、彼らが隠れた穴の傍の砂浜に座って息を殺してじっと待っていると、穴から再び出てきて、横歩きをしながら「コッチコイ、コッチコイ」を始めてくれた。

実際にその見るその動きはとても可愛いいものだった。

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穴から出てきたシオマネキ (7月29日、徳島市)

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A fiddler crab
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


英語でシオマネキは Fiddler crab と呼ばれているが、この Fiddler とはバイオリン奏者のことで、この大きなハサミ手(鋏脚)がまるでバイオリン抱えたように見えることからその名前が付いたのだろうと思う。

シオマネキは海岸の干拓、埋め立てなどで生息地が減少し、分布域が各地で狭まっているのは残念だ。実際、徳島市のこの浜でも環境が変化して絶滅の危機が迫っているといえる。

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シオマネキ (7月29日、徳島市)

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A fiddler crab
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



砂浜をシャベルで掘ってカニ(名前はわからない)を捕っていた。

見ていると次々にカニを見つけてはバケツに放り込んでいる。多分、捕まえたカニはサワガニのように唐揚げして食べるのだと思うが、味はどうなのだろうか。
美味しいかも知れないね。

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カニ捕り (7月29日、徳島市)

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Catching crabs
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


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§ Afterword §

今回は時間的余裕が無かったが、目的のルイスハンミョウが撮影できたので嬉しい。

ルイスハンミョウが棲息する吉野川河口の浜は、マリンピアという企業誘致のための埋め立てで大部分が消失し、現在ではごく僅か(数100メートル)しか残っていない。そこで、行政は貴重なルイスハンミョウを守るために、億単位の資金を投じて人工海浜を作って保護することにした。この試みの結果は“時”が教えてくれるが、とにかくルイスハンミョウのための環境保全が行われていることが意義深いと感じる。

この先いつまでこの綺麗なハンミョウを見ることができるのかとても心配である。もちろん、同所的に見られるシオマネキやその他の生物にも同じことがいえるだろう。

もともとボケている虫林であるが、このところの暑さでさらにボーとしてしまい、
帰りのバスでPanasonicのコンデジを置き忘れそうになった-------ウーム、注意しなければ。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-08-01 05:10 | ■甲虫 | Comments(14)