NATURE DIARY

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20141025 台湾の散歩道:タイワンウラボシシジミで忙裡閑を偸む

DIARY 9 (66): #627 :

ちょっと前までタイ王国にいたのに、今回は台湾の台北市を訪れた。
まったく、この時期の虫林は完全な風来坊と化している。

組織カンファレンス終了後のエクスカーションで、台北市の北地区にある北投(ベイトウ)温泉を訪れた。北投温泉の歴史は古く、以前に訪れた烏来(ウーライ)温泉よりも高級で格調が高いようだ。でも、虫屋の僕にとっては「猫に小判」ならぬ「虫林に温泉」なのだ。せっかくの説明もどこか上の空で、散策道路周囲の花、葉っぱや木の枝などを見てばかりいた。案内してくれた台湾の友人たちには申し訳けなかったが、これは小さい頃からの習慣で、条件反射のパブロフの犬のようなもの、いわば「虫屋の性」なのだ----言い訳がましいぞ。

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野外音楽発表会。

先生の伴奏で誇らしげに縦笛を吹く子供たち。
さまざまな表情で見つめる聴衆。
よく見ると、意外にじいちゃんが多いのに気付く。
じいちゃんは孫のために見に来ているのだろう。
どこにでもありそうな光景だが、幸せの空気に包まれている。

チャラけたポップスターコンサートよりはよほど良い。

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----- 幸せの光景 A landscape of Happy

-------Beito in Taiwan, Oct. 25, 2014、Olympus Pen E-P5, MZD14-150mm



南国の台湾とはいえ、時期が時期だけに蝶は少ない。
せっかくの台湾なのにこのままでは虫の姿を拝めずに帰らざるをえないかも-----。

さすが台湾です。
胡蝶の国」です。
椅子の背もたれに蝶を発見。

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----- 椅子の蝶 A Butterfly of Chair

-------Beito in Taiwan, Oct. 25, 2014、Olympus Pen E-P5, MZD14-150mm



遊歩道の脇の大きなタロイモの葉。

タロイモは日本のサトイモに葉っぱが似ているが、大きさは格段に大きくて「お化けサトイモ」とおいう表現が当てはまる。そういえば、英名を elephant Ear (ゾウの耳)だった。

小さなシジミチョウの姿を発見。

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----- タイワンクロボシシジミ Megisba malaya

------- Taiwan, Oct. 25, 2014、Olympus Pen E-P5, MZD14-150mm


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----- タイワンキチョウ Eurema blanda

------- Taiwan, Oct. 25, 2014、Olympus Pen E-P5, MZD14-150mm



綺麗な昼行性の蛾。
クロツバメガともう一つはマダラガの仲間?

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----- 蛾 Moth

------- Taiwan, Oct. 25, 2014、Olympus Pen E-P5, MZD14-150mm



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台湾を訪問するのはこれが4度目になる。今回は仕事がメインの2泊3日で本格的なフィールド散歩はできなかった。でも、蝶や蛾の姿を少しでも見ることができただけで満足だ。台湾の自然と人々の温かさが嬉しかった。

いつかまたゆっくりと散歩してみたい。
by tyu-rinkazan | 2014-10-29 07:21 | ● Taiwan | Comments(4)

台湾散歩2:ウラフチベニシジミなど

Nature Diary #390

台湾はすでに梅雨入りしてしまった。まあ、訪台の目的が蝶の撮影ではないので、雨が降ってもあまり気にならない(ウソをつけ)。そんな雨模様でも、曇り空の下であれば何とか蝶を見ることができた。


» ウラフチベニシジミ; Heliophorus epicles

ウラフチベニシジミは東南アジアに広く分布し、ここ台湾でもどこでも見ることができるシジミチョウだ。この蝶は普通種だが、翅裏が紅色に縁どられた明るい黄色(黄金色?)でとてもグッドルッキングだ。この蝶は以前に何度も出会っているのだが、出会うたびにその美しさに胸がときめく。

ウラフチベニシジミはその名前が示すようにベニシジミ亜科に属しているが、尾状突起も長くて日本のベニシジミとはずいぶんと雰囲気が違う。さらに日本のベニシジミは♂と♀の色彩が良く似ているが、ウラフチベニではまるでゼフィルスのように♂♀の斑紋が異なる。ベニシジミの仲間は意外に奥が深そうだな。

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占有行動を示すウラフチベニシジミ (福山部落、5月22日)
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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400

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ウラフチベニシジミ♂ (福山部落、5月22日)
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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400

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ウラフチベニシジミ♀ (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400




» ルリマダラ; Two-brand Crow, Euploea sylvester

少し標高が高い場所では、日本のヒヨドリバナのピンクの花が咲いていて、曇天にも関わらずルリマダラを初めとするマダラチョウの仲間が吸蜜に訪れていた。ルリマダラは迷蝶として沖縄でもときどき記録されているようだが、土着までには至っていないようだ。メキシコのオオカバマダラと同様に、このルリマダラの仲間は台湾南部で集団越冬するのが有名だ-----何時か見てみたいと思う。

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吸蜜するルリマダラ (陽明山、5月22日)
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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA400

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ルリマダラ飛翔 (陽明山、5月22日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA800

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ルリマダラ飛翔 (陽明山、5月22日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA800




» タイワンアサギマダラ; Parantica swinhoei

アサギマダラが沢山いた。でも、良く見ると日本でも見るアサギマダラとともにそれより小さくて、胴体の部分が橙色のタイワンアサギマダラが混在していた。初めは両種の区別が良くわからなかったが、慣れるとそれほど難しくない。

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タイワンアサギマダラ (福山部落、5月22日)
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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400

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タイワンアサギマダラ (陽明山、5月22日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA800




» アサギマダラ; Parantica sita

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アサギマダラ (陽明山、5月22日)
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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400




» 台北の街角;

現在の台北は101ビルなど大きな建物が並び、数年前(5年前かな?)に訪れた時に比較すると隔世の感がある。それでも、夜になると夜店が立ち並び、それを見ながら散歩する市民でにぎわっていた。この夜店を歩くと、臭豆腐の匂いが服について少し困った。

この時期の台湾では、夜になっても少し蒸し暑く(マレーシアほどではないが)、歩くと汗がにじみ出た。

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台北市 (5月22日)
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Canon EOS 60D, Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA800



§ Afterword §

今回は雨も降ってしまったので、蝶の写真はあまり撮影できなかった。でも、梅雨時なのであまり贅沢をいっても仕方がないだろう。台湾は蝶もさることながら、そこに住む人々との交流が嬉しい。今回も学会関係以外に色々な方に親切にしていただいた。近い将来また訪れてみたいと思う。

まだ他にも撮影した蝶は少しあるが、機会があれば(気が向けば)供覧したいと思います。
台湾散歩は一応終了。


以上、 by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2011-05-27 23:05 | Comments(6)

台湾散歩:福山 (Fushan) にて

Nature Diary #389

学会出張で台北市を訪れた。台湾を訪れるのはこれで4度目になるが、この時期に訪れるのは初めてだ。この国では訪れる度に「人々の優しさ」や「豊かな自然」に触れることができる。

学会での発表が終了した翌日(日曜日)、学会主催の excursion に出席せずに、台湾の知人(リュウさん)に案内していただき、台北市の南にある フーシャン(福山) という村を訪れた。フーシャンというところは、温泉地として有名な ウーライ(烏来)のさらに奥にある小さな部落で、台湾にもともと住んでいる原住民族の「高砂族(タイヤル族)」の居住地ということだ。

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フーシャン部落入り口 (台北市、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



かなり山奥という表現が当てはまるような場所だが、そこにある小学校(?)の校庭には(不釣り合いなほど)立派な運動場があった。さらに時刻と温度を知らせる電光掲示板も設置されていて、見ると現在の温度が摂氏30℃を越えていた----暑いはずだ。僕の推測では、ここは小学校の校庭というよりもこの村全体の運動場として建設されたと思われる。

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フーシャンの学校 (福山部落、5月22日)

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Olympus EP-1, MZD 14-42mm f3.5-5.6, ASA400



この村には放し飼いの犬がやけに多い。下の写真の犬は道の真ん中にいつも陣取っていて、虫林が通ろうとすると「ウー」と唸った------可愛くない犬だ。この道の先に良さそうな林があったのだが、別に犬に吠えられてまでそこを通ることも無かったので、すごすごと引き下がった。
ウーム、今考えると少し残念だったな-----イーヌーめ~。

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道に居座る犬 (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, , Sigma 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM, ASA400



この平和な部落の中を歩いていると、いわゆる「ほっとする光景」にしばしば出会った。それは何とも具体的には表現できないもので、我々が見て心癒されるといえる光景である。つまり、ほっとするのはかなり主観的なものなので、下のバイクの写真に僕はほっとするのだが、他の人がほっとするかどうかはわからないな。

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バイクに乗る青年と犬 (福山部落、5月22日)

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Olympus EP-1, MZD 14-42mm f3.5-5.6, ASA400



初めてバナナの花というものを見た。バナナの実の方は良く知っているが、バナナの花というものに今までお目にかかったことが無かった。とても大きくて美しい。

そういえば、虫林が子供の頃には台湾バナナは高級品で、そう簡単に口に入るものではなかった。今でも台湾バナナはフィリピンバナナよりも品質が良いらしい。それはちゃんとした根拠があって、フィリピンやエクアドルのバナナは実が出来るまで8-9ヶ月で、台湾バナナでは12カ月もかかる。この時間的な違いが、バナナの味に影響するらしい。

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バナナの花 (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



満開の龍眼(リュウガン)の木を見上げたら、沢山のコモンアサギマダラやリュウキュウアサギマダラなどのマダラチョウが飛び交っていた。その数100頭は下るまいと思われる。もちろん喜んで撮影したが、その群飛の様子がなかなかうまい具合に表現できなかったな。

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(上) 龍眼の花に集まったマダラチョウ(下)コモンアサギマダラ (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



センダングサが大きな群落をつくっている草原を歩いていたら、目にも止まらぬ速さで飛ぶシジミチョウを見つけた。やっと花に静止したので見たらタイワンフタオツバメ(ロヒタキマダラルリツバメ Spindasis lohita)だった。台湾にはキマルリが3種類も産するらしいが、このチョウの翅裏のトラ模様を見るとどの種類でも胸が高鳴ってしまうのだ。

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センダングサの花上のタイワンフタオツバメ (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



チラチラと青い翅表をちらつかせながら飛ぶホリシャルリシジミ(Celastrina limbata himelcon)を見つけた。新鮮な個体で地色の白さが際立っていて、とても美しかった。

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ホリシャルリシジミ (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



リュウガンの花には、しばしばミカドアゲハ(Graphium doson postianus)も訪れた。ミカドアゲハやアオスジアゲハの飛ぶ姿はあちらこちらで見かけたが、ついぞ下の花では吸蜜してくれなかった。

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ミカドアゲハ (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM



チョウの幼虫を見つけた。一つはどうやらイシガケチョウの終齢幼虫で、もう一つはアゲハ類の若齢幼虫のようだが発見した葉がオガタマノキに似ているのでミカドアゲハの可能性が高いかな。虫林はどうも幼虫が苦手なので、あまり真面目に探したりしないが、見つけるとそれはそれで嬉しいものである。

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イシガケチョウとミカドアゲハの幼虫 (福山部落、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



正午過ぎに突然雨が降ってきた。本日の天気予報はもともと雨だったので、雨は覚悟の上のフィールド散歩だったのだ。聞くところによると、台湾はそろそろ梅雨入り(?)するとのことだ。とにかく、学会出張で時間を見つけてフィールド散歩なので、雨に降られると残念だ。

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雨 (烏来、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



烏来はいわゆる温泉地で、温泉宿やお土産屋さんが立ち並ぶ。日曜日ということもあって、温泉客で目抜き通りはとても賑わっていた。どうせ雨になったので、台湾の温泉地というものを色々と見ながら散歩することにした。お土産屋さんの店先には、烏来特有の食材などが並べられていて、見ていて飽きない。

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雨 (烏来、5月22日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



台湾の温泉の入り方は、基本的には水着着用である。温泉宿の入浴料を見ると500-700NTなので、日本円にすると1500円から2000円といったところでかなり高額だ。下の写真は「水浴び」をしているのではなくて、川の端に湧き出る温泉に入る人たちである。なかなか楽しそうだ。

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烏来の温泉 (烏来、5月22日)

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Olympus EP-1, MZD 14-42mm f3.5-5.6, ASA400



§ Afterword §

台湾も梅雨入りしたみたいで、天気はあまり良くなかった。でも、それなりにいくつかのチョウの撮影もできたし、何よりも素晴らしい方たちとご一緒できたことが良かったと思います。

台湾を旅すると、いつも人々のやさしい心遣いに心を打たれます。本日はリュウさんご夫婦に一日お付き合いいただき、さらにご家族とご一緒に夕食まで頂くことになった。お二人ともとても素晴らしい人柄で、感銘を受けました。日本には今まで何回もこられているようですが、次回に来日する時は是非ともご一緒しましょう。また、テイさんご夫妻にもお付き合いいただき感謝します。




以上、 by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2011-05-24 18:41 | Comments(14)

20101107 台湾(高雄)の散歩

Nature Diary #0360
Date: November 07 (Sunday), 2010
Place: Kaohsiung in Taiwan
Weather: fine




§ Diary §

所属する学会の日台合同セミナーで、台湾南部の都市「高雄 Kaohsiung 」 を訪問した。
 
台湾にはこれまでに何度か訪れたが、その度ごとにこの国の豊かな自然や人々の暖かい人情などに触れることができた。しかし、今回は忙しい中での駆け足的訪問なので、せっかくの台湾南部なのに、フィールド散歩の時間をほとんど捻出することができなかった。

まあ、仕事と趣味の優先順位を考えれば仕方がない-----なんだか未練がましいぞ。



下の写真は、高雄市内を流れる「愛川Love river」の風景。

日が傾き黄昏時になると、川面を渡る風も頬に気持ち良く、河畔に並ぶ小さなお店に灯がともった。見上げれば、空一面のイワシ雲が夕日を映して赤く色づいていた。

こんな時、虫林の心は時空を飛ぶ。

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#1: 黄昏の愛川

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A landscape of Love river at the sunset time.
(2010-November-07, Kaohsiung)



ミドリオオハマキモドキ; Saptha beryllitis

観光客が行きかう賑やかなメインロードから、林の中に向かう脇道に入ってみた。せっかくの訪問なので、台湾南部の虫を少しでも見たかったからだ。自由な時間はせいぜい20分ほどなので、急いで歩いて行くとすぐに汗がにじんできた。

その道は林に囲まれた広場に続いていた。

草叢を見渡してみると、キク科の黄色い花に緑と赤茶色のメタリックツートンの綺麗な蛾を見つけた。雰囲気はヒゲナガガの仲間に似ているが、正確な種名は後日ゆっくりと調べることにする。

注:ze_ph さんより本種が日本では八重山に産するミドリオオハマキモドキであるとご教示いただいた。有難う御座いました。

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#2: 蛾の一種(ミドリオオハマキモドキ)

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A beautiful moth resting on the flower.
(2010-November-07, Kaohsiung)



コウシュンルリシジミ; Chilades lajus koshunensis

これまで見たことが無いシジミチョウを見つけた。
コウシュンルリシジミという

コウシュン「恒春」とは高雄のさらに南に位置する県の名前で、このチョウは台湾では南部だけに分布するらしい。ここ高雄では普通種だと思うが、今までの訪問地が台北周辺や台中だったので、このチョウをこれまで見かけなかったのだろう。

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#3: コウシュンルリシジミ

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A butterfly, Chilades lajus koshunensis, perching on the leaf.
(2010-November-07, Kaohsiung)




ホリイコシジミ ; Zizula hylax

地面の上をちらちら飛ぶ小さなシジミチョウを見つけた。

当初、見た感じから小型のヒメシルビアシジミかヤマトシジミと思っていたが、どうやらホリイコシジミらしい。このホリイコシジミはシルビアやヤマトよりも一回り以上も小さい。

ちなみに、本種とタイワンヒメシジミが台湾で最も小さいチョウらしい。

このチョウは、小さくて一見ひ弱に見えるが、アジアはおろかアフリカまで広く分布するとてもタフなコスモポリタン なのだ。蝶は見かけによらない。

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#4: ホリイコシジミ

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A small butterfly, Zizula hylax , resting on the leaf.
(2010-November-07, Kaohsiung)




ヤエヤマシロチョウ; Appias libythea

葉の上で、やや大きなシロチョウが何頭も日光浴をしていた。まるで傾く陽の光を惜しむかのように翅をひろげて静止していた。

少し白化したマダラシロチョウなのだろうか。

*台湾在住のDさんから、本種はヤエヤマシロチョウであるとのご教示を受けました。
調べたところ、確かにヤエヤマシロチョウですね。有難うございました。
ヤエヤマシロチョウは近年に台湾南部に土着し、また、最近、沖縄で撮影されたとかで話題になった蝶のようです。

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#5: ヤエヤマシロチョウ

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Appias libythea
(2010-November-07, Kaohsiung)




その他; Miscellaneous

今回の高雄訪問でも感じたことだが、台湾の街角では子供の頃にどこかで見たような回帰的な風景に遭遇する。そういう感覚は デジャブdéjà vu と言うのかも知れないが、とにかく懐かしくて親しみがある風景を見ることができる。

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#6: 釣人

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Fisherman
(2010-November-07, Kaohsiung)



参加した日台合同セミナーは医学関係者の集まりだが、台湾の参加者の一人に虫屋を見つけた。曹美華さん という名前の方で、虫林の趣味を伝え聞いた台湾側のスタッフが親切にも紹介してくれたのだ。早速、お会いしてみたところ、嬉しいことに彼も昆虫写真を写すことが趣味ということだった。

驚いたことに、昆虫に関する本も出版していて、1冊を虫林にプレゼントしてくれた。それは図鑑シリーズの一つで台湾のハムシに関するものだった。掲載されている標本写真は極めて精密かつ明瞭で、虫体の裏表、側面はもちろん、幼虫や蛹まで掲載されているのには驚いた。図鑑としてもかなりハイレベルなものだった。

せっかくなので、彼から頂いた本を紹介しておく。

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#7: プレゼントされた図鑑

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§ Afterword §

台湾は訪れる度に好きになる国だ。

冒頭でも述べたが、台湾には素晴らしい自然(小さな面積なのに400種以上のチョウが棲む)がある。しかし、虫林がとくに感銘を受けるのは、「人情」がこの国ではまだまだ色濃く生きていることだ。現在の日本はどうだろうか?


今回の台湾訪問では、自然の中に少しだけしか身を置くことができなかったが、お会いできた虫屋の曹さんとは次回は必ずご一緒しましょうと約束した。

次回に台湾を訪れるのがとても楽しみだ(多分、来年の5月かな)。





以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-12-05 17:29 | ● Taiwan | Comments(14)

20080206 雪降る夜に虫屋の見る夢は------

<虫屋の見る夢シリーズ3>

今夜も雪が降っている。
こんな寒い夜に虫屋の見る夢は---------


2年前の11月、虫屋は台湾の台北市にいた。

学会会場からホテルに急いで戻ると、ロビーの椅子に長身痩躯の老人が座っていた。
老人の名は、候新智という。

蝶の多い場所まで、いつも侯さんが案内してくれた。
バスに乗り、電車に乗り、ある時はヒッチハイクで乗用車やトラックの荷台にさえも乗った。

侯さんが大きなバッタを捕まえた。
持ちかえって、近所の子供たちに見せるという。
-------優しい人だ。
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。。バッタと侯さん



侯さんに案内されて訪れたダム湖。
ダム湖のほとりで、綺麗なウラフチベニシジミを見つけた。

夢中で撮影している虫屋を、侯さんはあきれてみていた。
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。。ウラフチベニシジミ



台湾を離れる前夜、侯さんはホテルに突然現れた。
1冊の本を虫屋に手渡した。

虫屋は言葉につまった-----。

中華民国66年(約30年前)に台湾で出版された、日本語で書かれた台湾産の蝶の本。
-----虫屋の宝となった。

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。。。。。。。。。。蝶の本



虫屋は侯さんが、政府の元高官であることを後で知った。
台湾では蝶の撮影よりも人の優しさが嬉しかった。


凍てつく夜に虫屋の見る夢は、写真に託した過去の記憶の断片-----。
もう一度、侯さんに会いたい。
by tyu-rinkazan | 2008-02-06 21:39 | その他・雑 | Comments(6)

20061119-3 台湾胡蝶散歩6(最終回)

台湾の胡蝶散歩もこれで最後になった。
蝶の撮影は、学会終了後のたった2日半ほどだったが、侯さんの案内のお陰で、充実した日々を過ごすことが出来たように思う(計60種ほど撮影)。
謝々!

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今回は蝶以外のものを少し供覧してみます。

新店近郊の山々には檳榔椰子(びんろうやし)の林が広がっている。
侯さんによれば、台湾では以前に檳榔(びんろう)が流行し、一時は米の収穫量よりも多い時があったということだ。

檳椰にはアレコリン(arecoline)というアルカロイドが含まれており、タバコのニコチンと同様の作用(興奮、刺激、食欲の抑制など)を引き起こすとされている。一緒に口に入れる石灰はこのアルカロイドをよく抽出するためらしい。

檳椰子には依存性があり、また国際がん研究機関(IARC)はヒトに対して発ガン性を示すことを認めている。喉頭癌のとの関連も問題視されているみたいだ。



◆檳榔椰子の林◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=



檳榔の流行は去ったが、今でも台北市内で販売されている。写真は虫林の宿泊したホテルの傍のお店だ。
インサートに、侯さんが買ってきてくれた檳榔を入れたが、写真のように実を葉で包んで、口に含むのである。侯さんに口の中に入れてごらんといわれたが、覚醒作用がどのようなものかわからないので、とうとうご遠慮させていただいた。
口に含んで噛むと石灰と混ざり赤い液になり、その液は外に吐き出すので、道が汚くなるのだそうだ。檳榔は台湾チューインガムと呼ばれているらしい。



◆檳榔の店◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



山の道を散歩していたら、赤い実のなった大型植物があった。
侯さんに聞いたら、これは月桃をいう植物で、その実は仁丹の原料になるのだそうだ。
侯さんは家に飾るといって、実の付いた房を切り取って持ち帰った。
最初、月花と記載したが、記憶の誤りで月桃でした。miyagiさん、ありがとうございます。



◆月桃の実◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=



道路上で大きなバッタを見つけた。直翅目が苦手な虫林は、少し引き気味であったが、侯さんはこのバッタを上手に帽子で捕まえた。
指に挟んで見せてくれたが、日本のトノサマバッタに比較して、大きさは同じくらいかやや大きいぐらいであるが、胸の部分が鎧をつけているようで格好が良い。
台湾で最も大きなバッタだそうだ。
侯さんはこのバッタを子供のために持ち帰るのだという。



◆大きなバッタ◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=




◆大きなバッタ◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=



今度は体長7-8cm、足を含めると10cmは優に超えようかと思われるクモを捕まえた。
台湾の大きなコガネクモといった感じで、なかなかいかつい顔で迫力がある。このクモも子供に見せるのだと新聞紙に生きたまま包み、バックに入れていた。
ウーム、侯さんは本物のナチュラリストなのだ。恐れ入りました。
*このクモは、沖縄にも生息するオオジョロウグモというご指摘をうけました。
(miyagiさん、ご指摘ありがとうございました。)



◆大ジョロウグモ◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=



さらに道路上にはヨコバイかウンカあるいはハゴロモの仲間らしき虫が姿を現した。
日本ではヨコバイ・ウンカというと、せいぜい1cmくらいである。これは体長3cmほどもあり、なかなか立派な虫で、また模様も綺麗だ。



◆ハゴロモ?の1種◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=



カワトンボの一種が目の前に止まった。
翅のダンダラ模様がとても印象的だったので、撮影してみた。



◆カワトンボの1種◆
d0090322_21511362.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=


**************************************************
侯さんとお別れの時が来た。
この2日半の短い間ではあったが、とても親切にしていただいた。
天気は必ずしも良くは無く、時々雨が降ったりしたが、嫌な顔一つせず案内してくれた。
とても素晴らしい方だと思う。
なお、侯さんをご紹介いただいた、Fieldさんにも重ねて深甚なる謝意を表したいと思います。
有難うございました。

ホテルのロビーで最後のお別れの時に、侯さんから1冊の本を手渡された。
その本は、侯さんの知り合いの陳維壽氏が著した「大自然の舞姫」という本で、日本語で書かれている。



◆侯さんから戴いた本◆
d0090322_21512623.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=



出版社は「白雲文化事業公司」という台湾の会社で、1977年(民国66年)に初版され、1978年に改定されている。すなわち、今から約30年前に台湾で出版された日本語の本ということになるではないか。
当時は台湾の本も日本では需要があったということか。
世相を考えると興味深い本である。
侯さんのサインとともに大事にしたいと思っておる。


日本に戻ってからも、「台湾の蝶病」はまだ抜けていないようだ。
もしかしたら不治の病になってしまったかもしれない。
これを治療するには、また南国に行くしかないのである。

ウーム、どうしよう。
by tyu-rinkazan | 2006-12-03 21:57 | ● Taiwan | Comments(22)

20061119-2 台湾胡蝶散歩5(蝶の棲む谷)

目の前の草にオオゴマダラが静止した。オオゴマダラは英名をpaper kite、すなわち紙の凧という。この蝶は本当に羽ばたきが少なく、悠々と飛翔するのでなかなか雰囲気を捉えた名前で面白い。

今回の旅ではオオゴマダラは1頭しかお目にかかれなかったが、やはりこれがいないと南国の気がしない。
沖縄だと、オオゴマダラは島の個体ほど翅の黒い部分の面積が少なくなり、白さが目立つようになるみたいだが、今回見た台湾産のオオゴマダラはさほど白化が著しいとはいえないようだ。



◆オオゴマダラ◆
d0090322_2292535.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



ゆっくりと飛翔するスジグロカバマダラも時々認めた。
この蝶は撮影が容易と思い、大胆に100mmマクロの至適距離まで近づくと、なんとなく飛び立ってしまう。
どうも「殺気」ならぬ「撮気」を感じてしまうに違いない。
ウームまだまだ未熟だ------。

こうしてスジグロ君をファインダーからみると、この蝶が素晴らしく美しいのに気づく---------。



◆スジグロカバマダラ◆
d0090322_2295697.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



リュキュウアサギマダラが訪花していた。この蝶はよっぽど花が好きみたいで、出会いはいつも訪花している時だ。これと紛らわしいものにコモンアサギマダラがあるが、今回みることが出来たのは大部分リュウキュウの方だ。

アサギマダラのアサギとは、翅の色が浅黄(あさぎ)色であることを表しているのだろう。この「浅黄色」を薄い黄色 (pale yellow) とみなすと、アサギマダラの仲間の地色とどうも合わない。そこで辞書を開いてみると、このアサギ(浅黄)とは「浅葱」とも書くみたいで、薄いネギの色、すなわち緑がかった薄い藍色のことらしい。なるほど、そうなるとアサギマダラ類の地色の表現としてはとてもピッタリとくるではないか。



。。。。。。。。。。。◆リュウキュウアサギマダラ◆
d0090322_22111328.jpg
。。。。。。。。。。。= GR-D, ASA 100 =



前種よりも小型のアサギマダラを見つけた。ヒメアサギマダラだ。リュウキュウに比べてスマートで少し敏感だ。でもそこは「撮気」を消して近づき、GR-Dで広角撮影をした。



◆ヒメ(コモン)アサギマダラ◆
d0090322_22112755.jpg
= GR-D, ASA 100 =



ヤエヤマイチモンジが葉の上で翅を広げテリトリーを張っている。近くに他のチョウが来ると何回もスクランブル発進よろしく出撃し、また元いた場所に戻ってくる。
この蝶は遠くからでも翅のイチモンジ模様が良く目立つ。近づいても逃げないのでGR-Dで写真を撮った。



◆ヤエヤマイチモンジ◆
d0090322_22114616.jpg
= GR-D, ASA 100 =



見慣れない橙色の紋をもったミスジチョウが現れた。
キミスジだ!
この美しいミスジチョウは良く木の上にいて、なかなか下まで降りてきてくれなかった。でも、中にはフレンドリーな個体がいるもので、何とか下枝の葉に静止したところを写真に収めることができた。

キミスジはミスジという名前がついているが、どうもミスジチョウの仲間とは違うグループに属する蝶だ。台湾では、ミスジチョウの仲間にはキンミスジというよく似た紛らわしい名前の蝶がいるが、こちらは稀なもので、キミスジはこれとは異なる。



◆キミスジ◆
d0090322_22134234.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =




◆キミスジ◆
d0090322_22135743.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



綺麗なタイワンキマダラを見つけた。この蝶はbanyanさんのブログで見て学習していたので、出会ったときには嬉しかった。
見かけたタイワンキはすれた個体が多かった。この蝶は花に訪れることはないみたいで、見かけたいずれの個体も林縁を飛び回っていたものだ。
小道を歩くとどこからとも無く現れてくれる。



◆タイワンキマダラ◆
d0090322_2214812.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



昼食は侯さんが買ってきてくれた海苔巻とお稲荷さんのお弁当を食べた。でも蝶が多いこの場所ではゆっくりお弁当を食べることができないのだ。せっかく用意してくれたので、目で蝶を追いながら食べた。

目の前にタテハモドキが訪れた。タテハモドキは九州のnomusanさんのブログではお馴染みの蝶であるが、虫林は今までこの蝶を見たことがなかった。昼食を食べているとき、突然現れ、枯葉の植えに静止して、翅を開閉していた。ゆっくり近づき、翅を開くときのタイミングでシャッターを押した。

この蝶は翅を閉じると木の葉にそっくりだ。侯さんはこの蝶をコノハチョウと呼んでいた。みると木の葉に本当にそっくりなので、侯さんの言葉を否定する気になれなかった。
なお、本当のコノハチョウの撮影もしたかったが、残念ながら今回はみることが出来なかった。



◆タテハモドキ開翅◆
d0090322_22142160.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =




◆タテハモドキ閉翅◆
d0090322_22143490.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



ジャノメタテハモドキは日本ではお目にかかれない蝶である。
タテハモドキとは兄弟とまでは行かなくとも親戚筋くらいの関係にあるものだ。
ファインダーを通して除くと、胸が高鳴った。

お弁当を食べていると、顔の周りにミツバチが寄ってきた。虫林が昔滞在したイギリスでは良くあることだが、それ以外では始めてだ。よせば良いのに思わず掴んでしまい、指を刺されてしまった。
ジャノメタテハモドキはこの指の痛みとともに記憶に残るだろう。



◆ジャノメタテハモドキ◆
d0090322_22144813.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



侯さんが指差して蝶の存在を教えてくれた。ウーム、地味な蝶だ。
クロタテハモドキという蝶だ。
その後も時々この蝶には出会ったので、それほど珍しい蝶ではないのだろう。
良く似た蝶にイワサキタテハモドキという種類があるが、こちらは台湾では珍しく、また後翅の紋も異なるようである。



◆クロタテハモドキ◆
d0090322_22235012.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



林の中の道を歩いていた時に、交尾したヒメウラナミジャノメに出会った。しかし。見慣れている日本産のヒメウラナミジャノメに比べて裏面の様子に違和感を覚えた。

日本の蝶類図鑑ではヒメウラナミジャノメの分布は屋久島までで、沖縄には分布せず、台湾では山地に産するとされている。台湾産蝶類大図鑑によれば、コウラナミジャノメという近似種がいるらしい。斑紋も良く似ているので、一応、コウラナミジャノメとしておく。



◆コウラナミジャノメ◆
d0090322_22242862.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



これまた紛らわしいジャノメの写真を撮影した。この個体はどうやらキレバヒトツメジャノメ♂に良く似ている。前翅端が丸くならず、妙に角ばっている。裏面も撮影したが、キレバヒトツメとして矛盾しないようだった。



◆キレバヒトツメジャノメ◆
d0090322_22243931.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



翅にヒョウ紋をもつ蝶がゆっくりと下降して、近くの木の葉上に静止した。
ヒョウマダラだ。
動きが鈍いので撮影は楽だ。



◆ヒョウマダラ◆
d0090322_22245094.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



日本でもみることが出来るクロセセリも時々目撃したが、どうもこのセセリが静止する場所がいつも良くない。もののカゲだったり、葉の裏だったり---。ところが、今回は特別綺麗な花に吸蜜に来たではないか。

昆虫撮影は、それほど珍しくない蝶でも花などとの組み合わせによりとても貴重な写真になる。この面白さは採集では決して味わえないものだろう。



◆クロセセリ吸蜜◆
d0090322_2225031.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



セセリの同定はなかなか難しい。
タイワンにはキマダラセセリの仲間やアカセセリの類がかなりいる。それぞれ似ているので頭を悩ます。この蝶は一応、ホリシャアカセセリと考えた。



。。。。。。。。。。。◆ホリシャアカセセリ?◆
d0090322_22251160.jpg
。。。。。。。。。。。= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



**************************************************


台湾胡蝶散歩6につづく-------------。
by tyu-rinkazan | 2006-12-01 22:43 | ● Taiwan | Comments(14)

20061120 台湾胡蝶散歩4(蝶の棲むダム湖)

本日は亀山というところにある翡翠水庫(翡翠ダム)の建設20周年記念パーティがあり、そのダムの建設に携わった侯さんが招待され出席するという。そこで、ダム建設に全く関係のない虫林であるがのこのこついていったのだ。そのパーティは盛大で、台北市長も出席し、テレビ局の撮影も入るらしい。

当然、虫林はパーティに出席せず、ダム周囲の道を歩き回って、蝶を探した。ちなみに、このダムの周りの道は関係者以外立ち入り禁止になっている。



。。。。。。。。。。。。◆翡翠水庫の周りの森林◆
d0090322_2238114.jpg
。。。。。。。。。。。。= Ricoh GR-D + GW-1, ASA 100=




。。。。。。。。。。。。◆森林内部(亜熱帯雨林)◆
d0090322_2240189.jpg
。。。。。。。。。。。。= Ricoh GR-D + GW-1, ASA 100=



**************************************************
侯さんはパーティの途中で抜け出してくれて、ダムの周囲のポイントに連れて行ってくれた。そこは廃道のような道で、センダングサが群落を形成している。ちなみにこのセンダングサは外来種で、近年、非常な勢いで増えているそうである。

歩き始めてまもなく、クワの葉の上にウラフチベニシジミが静止していた。このシジミはベニモンシジミという名前でも呼ばれているように、翅裏の黄色地に赤い紋が目立つ、すこぶる美しいシジミ蝶だ。とても綺麗な個体なので、GR-DにDW-1を装着して22mm相当の広角で撮影した。



◆ウラフチベニシジミ裏面◆
d0090322_22403980.jpg
= Ricoh GR-D + GW-1, ASA 100=




◆ウラフチベニシジミ♀の開翅◆
d0090322_22405388.jpg
= Ricoh GR-D + GW-1, ASA 100=




◆ウラフチベニシジミ♀◆
d0090322_2241734.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =




◆ウラフチベニシジミ♂の開翅◆
d0090322_22411981.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



タイワンキチョウはどこでも最も普通に見られる蝶だった。そのため少しモチベーションが下がってしまうが、虫林にとっては今まで見たことのない蝶なのだ。



◆タイワンキチョウ◆
d0090322_2243886.jpg
= Ricoh GR-D + GW-1, ASA 100=



タイワンキチョウの冬型は後翅の外縁の黒い帯がほとんど消失するのが特徴らしい。これをみると、確かに後翅の黒帯がかなり細くなっているのがわかる。



◆タイワンキチョウの飛翔◆
d0090322_22432278.jpg
= Pentax K100D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 200=



道の脇ではクロテンシロチョウやタンワンモンシロチョウが飛んでいた。
クロテンシロチョウの雰囲気は日本のヒメシロチョウに似ているので、タイワンヒメシロチョウという呼び名もあるらしいが、実際にはあまり近い種とはいえないようだ

クロテンシロチョウはユーラユーラとゆっくり飛んで、いかにもすぐに静止するように見えるが、めったに止まらない。これに付き合っていると時間がいくらあっても足りなくなってしまう。
こうなれば飛翔写真で撮影するのがもっとも手っ取り早い。GR-Dを飛翔用のプログラムにかえて、撮影した。



◆クロテンシロチョウ静止◆
d0090322_22433756.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =




◆クロテンシロチョウ飛翔◆
d0090322_22434985.jpg
= Ricoh GR-D, ASA 100、内蔵ストロボ+自家製ディフューザ使用=



侯先生からバナナをいただき、休んでいると、小型のシジミがすごい速さで飛んでいる。目が悪い虫林はその飛翔を目でトレースするのが結構きつい。どうやらルリウラナミシジミのようだ。オスが飛翔すると青い点滅となってみえる。
しょうがないのでまた飛翔写真にトライした。メスの飛翔は何とか撮影できたが、残念ながら、オスの飛翔写真は失敗した。なにしろ、オスの飛翔は速過ぎるのだ。



◆ルリウラナミシジミ♂◆
d0090322_22443285.jpg
= Ricoh GR-D, ASA 100=




◆ルリウラナミシジミ♀飛翔◆
d0090322_22444521.jpg
= Ricoh GR-D, ASA 100、内蔵ストロボ+自家製ディフューザ使用=



ヤマトシジミにもやっと出会えた。台湾のヤマトシジミは沖縄のものと同様に亜種になっているはずだ。渡台する前からこのヤマトシジミの亜種には興味があった。
オスはかなり明るく、裏面が特徴的で、紋が薄く、地色が黒い。



◆ヤマトシジミ冬型♂開翅◆
d0090322_22445922.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =




◆ヤマトシジミ冬型♂◆
d0090322_22451274.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



しかし、中には秋型と思われる紋が薄くない個体も観察できた。



◆ヤマトシジミ秋型?◆
d0090322_22452599.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



目の前に葉にやや大きなシジミチョウが飛来した。ゼフのメスかなと思って写真を撮影したが、どうやらヒイロシジミという名前のチョウらしい。でもちょっと自信がないのでわかる方がいたら教えていただきたい。



◆ヒイロシジミ?◆
d0090322_22453888.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



アマミウラナミシジミも時々姿を見せてくれた。
今思えばもっと写真を撮影しておけばよかった。



◆アマミウラナミシジミ◆
d0090322_22455645.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



多分、タイワンルリシジミと思われるシジミチョウが道路の脇を飛んでいた。少し見ているとどうやら、産卵をしているみたいだ。



◆タイワンルリシジミの産卵◆
d0090322_22461390.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =




◆タイワンルリシジミ♀飛翔◆
d0090322_22463666.jpg
= Ricoh GR-D, ASA 100、内蔵ストロボ+自家製ディフューザ使用=



シロウラナミシジミは良く見るシジミチョウであった。飛んでいると翅表が白いのでかなり目立つ。いつでも撮影できると思っていたら、あとであまり撮影していないのに気がつきあせったが、後の祭りというものだ。



◆シロウラナミシジミ◆
d0090322_22464882.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =

by tyu-rinkazan | 2006-11-28 22:55 | ● Taiwan | Comments(16)

20061119 台湾胡蝶散歩3(蝶の棲む山)

すでに11月も半ばを過ぎているのに、日が照るとまだ暑い------。
しかし、我々虫屋にとってはこの暑さは嬉しい。

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台北駅から観光地として有名な烏来(ウライ)行きのバスに乗った。本日は日曜日ということもあり、ハイキングの格好をした子供達でバスは満員である。
我々は烏来の手前でバスを降り、そこからなんとヒッチハイクで、谷の5kmほど奥まで行った。そこには小さな部落があり、山の斜面に家が散在している。我々を車に乗せてくれた人は学校の先生で、ご自身も昆虫に興味があるといっていた。

ここは台北より標高が高いので涼しいが、斜面をみると紛れもなく亜熱帯の林だ。侯先生によれば、この辺の家は以前にミカン栽培をしていたので、アゲハ類がとくに多いという。



◆亜熱帯林◆
d0090322_18532784.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



今回の台湾行で是非見たいと思った蝶の一つが、白化したナガサキアゲハ♀だ。台湾産のナガサキアゲハ♀は日本産のものに比較して白化がめだち、特に白化の著しい個体は美しいという。さらに♀には有尾型が出現するとされている。

侯さんとしばし別れて、1人で山道を登っていくと、道路脇の赤い花にナガサキアゲハが吸蜜に訪れていた。なんと後翅の大部分が白いではないか!
額から流れる汗を拭くのも忘れてシャッターを押した。



◆ナガサキアゲハ白化型♀の吸蜜◆
d0090322_18534668.jpg
= Pentax K100D, Pentax FA200mm X 1.5 RC, 1/2000, F3.5, ASA 200 =



少し冷静になってそのメスをみると、後翅は明らかに白化しているのに、前翅はそれほど目立った白化ではなさそうだ。つまり後翅のみが白化している。
こんな白化のタイプがあるのだろうか?-------面白い白化といえるのでは?



◆ナガサキアゲハ白化型♀の吸蜜◆
d0090322_1854349.jpg
= Pentax K100D, Pentax FA200mm X 1.5 RC, 1/2000, F3.5, ASA 200 =



この個体は虫林の近くまで来て吸蜜し始めたので、GR-Dで広角写真を撮影することにした。しかし、明らかに逆光になってしまう。そこで、内蔵ストロボを用いて撮影することにした。自作のディフューザーを出したいところだが、そこまでの余裕はなさそうなので、そのまま撮影した。



◆ナガサキアゲハ白化型♀の吸蜜◆
d0090322_18593491.jpg
= Ricoh GR-D, ASA100, Flash(+) =



ナガサキアゲハの♂は飛翔が俊敏で、なかなか撮影できなかった。しかし、シャワーが降った後に訪花した個体を何とか撮影することができた。
台湾産の♂は♀に比較して地味ではあるが、後翅表面の青燐が広く発達していてそれなりに美しい。



◆ナガサキアゲハ♂の吸蜜◆
d0090322_18594536.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



ナガサキアゲハのオスは必ず無尾型になるが、メスは有尾と無尾の両方のタイプがある。どうしてメスだけが両方のタイプが出現するのだろうか?
これは多分、伴性遺伝形式をとっているのだろう。つまり、性染色体(蝶の性染色体がどんなものかわからないが)上に尾状突起の形成に関係した遺伝子があるのかも知れない。

写真のタイプは白化していない通常型であった。注意深く見ると有尾型で、白化した個体はみることができなかった。白化の個体の割合はそれほど高くないみたいだ。



◆ナガサキアゲハ♀有尾型の飛翔◆
d0090322_18595651.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, 1/2500, F3.2, ASA 200 =



オスとメスが求愛行動をしていた。
シャッター速度が遅かったためにかなりブレブレになってしまったが、躍動感を出すということで採用した。



◆ナガサキアゲハの求愛◆
d0090322_190513.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



ツマベニチョウは斜面の林の上を素晴らしいスピードで飛んでゆく。元気なやんちゃ坊主が走り回っているようで、見ているだけでも小気味が良い。このやんちゃ坊主は時たま下まで降りてくるが、ほとんど吸蜜してくれない。今回の撮影の中でツマベニの吸蜜は1度も見なかった。

この蝶の撮影を諦めかけていたときに、たまたま橋の上から下を見たら、コンクリートの湿った部分にツマベニチョウが2匹吸水に訪れていた。滑りやすく危険な斜面を河原まで5mほど降りて撮影した。

カメラに200mmの望遠レンズを装着し、さらに1.5倍のリアコンバーターをかまして、300mmとした。これで実際の倍率は450mm相当になるはずだ。絞り開放、ASA800にして、シャッター速度を上げてやれば手持ちでも何とかなるだろう。こんなとき、内蔵のてぶれ防止装置がついているPentax K100Dは心強い。

純白の翅先に赤いベニをつけた大型のシロチョウが、ファインダーの中で舞っていた。
偶然にこの望遠設定のままピントが合ったが、なんと下に空き缶があるではないか。
だれだここに空き缶を捨て奴は-----------!
少し笑えるショットではある。ウーム、でも空き缶が-------。



◆ツマベニチョウの飛翔◆
d0090322_1902086.jpg
= Pentax K100D, Pentax A 200mm X 1.5 RC, 1/1500. F2.8, ASA 800、トリミング=



ツマベニチョウは吸水中にはなかなか開翅してくれない。しかし、こんなチャンスは再び訪れることは無いと思い、ファインダーを覗いたままでねばってみることにした。
5分ほども待ったろうか、やっと翅を開いたときには、その美しさに息を呑んだ------。

後で写真をみると、ツマベニチョウは翅を閉じたときに後ろ羽と前翅が合わさって翅全体が茶色になる。まるで茶色い蝶である。しかし、開いたときにみると、翅が合わさった部分の下になっている前翅は白いのだ。
何となく日焼けしたときに水着の下の地肌が現れたみたいで面白いではないか。



◆半開翅したツマベニチョウ◆
d0090322_190292.jpg
= Pentax K100D, Pentax A 200mm X 1.5 RC, 1/1000, F4.5, ASA 800 =




◆閉翅したツマベニチョウ◆
d0090322_1904088.jpg
= Pentax K100D, Pentax A 200mm X 1.5 RC, 1/500, F4.5, ASA 800 =



山道の脇で吸水しているカラスアゲハのようなアゲハチョウを見つけた。ファインダーを通してみると何となく変だ。それでも台湾産のカラスアゲハは初めてなので、そんなものかもしれないと思い撮影していた。



◆ルリモンアゲハの吸水◆
d0090322_1904921.jpg
= Pentax K100D, Pentax A 200mm X 1.5 RC, 1/500, F4.5, ASA 800 =



さらに回りこんで、別な角度から撮影しようとしたときに、後翅の大きな緑色の紋が見えたのだ。なんと、カラスアゲハと思ったのが、実はルリモンアゲハだったのだ。思わず胸が高鳴ってしまった。
ルリモンアゲハは日本にはいない南方系の蝶だ。こんな蝶をみていると、ここが日本ではないことが実感できる。



◆ルリモンアゲハの吸水◆
d0090322_191062.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, 1/500, F5.6, ASA 200 =



ルリモンアゲハはさほど珍しい蝶ではないらしく、その後しばしば飛翔する個体を見かけた。しかし、吸蜜撮影のチャンスはなかなか訪れなかった。
やっとセンダングサの花にきた個体を撮影できた。もう少し翅を開いてくれればよかったのに-------。



◆ルリモンアゲハの訪花◆
d0090322_191974.jpg
= Pentax K100D, Pentax A 200mm X 1.5 RC, 1/4000, F3.5, ASA 800 =



とぼとぼと二人でバス停まで歩いていると、ブーゲンビリアの花にカラスアゲハが訪れていた。午後になり曇ってきて、今にも雨が降りそうで薄暗い。この条件では翅の震えを止めることは出来ないだろうと思いながらも数枚シャッターを押してみた。



◆カラスアゲハの訪花◆
d0090322_1911977.jpg
= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =


**************************************************
その他、アゲハではアオスジアゲハとナミアゲハをそれぞれ1頭づつ見かけた。ここは時期がよければミカドアゲハが集団吸水する場所だと侯先生がいっていた。

昨日と同様に、午後になるとやはり土砂降りの雨になった。
帰る途中でまたヒッチハイクし、トラックの荷台に乗ってバスの通る道路まで出た。バスを待つ間、侯先生が近くのお店(雑貨屋)の人に話しかけられ、そのお店でジュースをご馳走になった。そこのご主人の話によれば、もっと奥の方が蝶は多いといっていたようだ。台湾の田舎の人たちはとても話好きで、見ず知らずの旅人にも優しい。

台湾胡蝶散歩4につづく---------。
by tyu-rinkazan | 2006-11-27 19:04 | ● Taiwan | Comments(14)

20061118 台湾胡蝶散歩2(蝶の楽園)

虫林が通った小学校の図書室には、加藤正世博士が著した「趣味の昆虫採集」という本があった。その本は虫林以外に借りる人はめったに無かったようで、貸し出しカードには虫林の名前が並んでいた。
その本の中に台湾での採集記があったと思う。詳しい内容は覚えていないが、捕里(プーリー)や阿里山などの地名が登場し、蛮族の住む場所での昆虫採集が胸を躍らせた。
そんな子供の時のトキメキが現実になった----------。

**************************************************

学会の後、急いでホテルのロビーに来て見ると、ソファに背の高い老人が座っていた。
恐る恐る声をかけてみるとまさしく侯新智先生だった。
今年の春に台湾を訪れた北海道のFieldさんにご紹介いただいた方だ。

侯先生は子供の頃に日本語教育を受けたといっていたが、それにしても日本語がすこぶる上手だ。会話が全て日本語で行えるのはとても有難い。挨拶もそこそこに、さっそく出かけることになった。すでに午後の1時を回っているので時間が無い。
台北から地下鉄とバスを乗り継いで安康という町に到着した。ここには安康生態蝶園という施設があるという。入り口で侯先生の友人でこの園の持ち主の呂輝壁さんが笑顔で迎えてくれた。侯先生の話では、呂さんは1年中、裸足でサンダル履きだということだ。



◆侯新智さん(左)と呂輝壁さん(右)
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= Ricoh GR Digital + GW-1, ASA100=


この自然観察園は呂さんが私財を投げ打ってつくったもので、森を切り開き、蝶の生態を身近に観察できるように色々な蝶の食樹などを植えている。初めは1人で黙々と整備していたらしいが、現在ではボランティアの若者達も集まっているようだ。
呂さんと侯先生に共通している点は、子供達に自然の面白さを教えたいと思って努力していることだ。

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呂さんの説明を聞きながら園内を歩いていると、亜熱帯のチョウ達がその姿を現してくれた。
目の前に、ウスコモンアサギマダラとツマムラサキマダラが枝先で戯れるように飛んでいた。2匹ともお気に入りの枝先が同じ枝先のようで、静止する場所を争っているようだ。



◆ウスコモンアサギマダラとツマムラサキマダラの飛翔◆
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= Ricoh GR-D, ASA100、ストロボ =



ツマムラサキマダラは羽ばたくたびに青い翅表の幻光がはためく、ウーム、これこそ夢にまでみた南国の輝きだ。そこで、翅表の幻光を捕らえるために飛翔写真をストロボを用いて撮影した。



◆ツマムラサキマダラの飛翔◆
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= Ricoh GR-D, ASA100、ストロボ =



目の前の花にクロアゲハが訪れた。
ん!いつも見慣れているクロアゲハであるが、尾状突起が無いではないか。
オナシクロアゲハだ。
台湾産のクロアゲハは、通常無尾で、むしろ有尾なものは少ないらしい。
所変われば蝶も変わるということだ。
その後、アゲハチョウでは有尾型のナガサキアゲハやタイワンモンキアゲハ、シロオビアゲハなどを目撃したが、撮影できなかった。



◆無尾クロアゲハ◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



派手なオレンジ色で、遠くからでもわかる蝶はカバマダラである。
マダラチョウの仲間は毒がある。メスアカムラサキの♀も色合いが似ているが、カバマダラを擬態しているのだろうか。なにしろ南国の蝶に疎い虫林には見る蝶が全て新鮮に感じるのだ。



◆カバマダラ静止◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



タイワンクロボシシジミが吸蜜している。この蝶は何度か見かけたが、なかなか静止しないのでいらいらしてしまう。さらにやや暗いところにいることが多く、撮影するのが困難だった。
ゆっくりと歩いていると、見知らぬ花で吸蜜している個体が目に入った。さすがにこの蝶も吸蜜しているときにはおとなしくなり、ゆっくりと撮影させてくれた。



◆タイワンクロボシシジミ◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



クロテンシロチョウは優雅に飛んでいるが、なかなか静止しないので大変だ。
晴れて明るければ、飛翔写真で翅表の黒点を撮影することができるが、すでに午後3時をまわっており、小雨交じりの曇り空で暗いのだ。



◆クロテンシロチョウ◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



センダングサの花で待っていると、クロボシセセリやタイワンキマダラセセリも訪れてくれた。
両種とも台湾では普通に見られる蝶のようである。
クロボシセセリは地味な蝶であるが、虫林にはその紋が面白く感じた。



◆クロボシセセリ
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= Ricoh GR Digital + GW-1, ASA100=



呂さんは種々の蝶の幼虫を親切に教えてくれた。ところが虫林は、幼虫よりも成虫の写真が撮りたいので、呂さんの説明を聞きながら幼虫の撮影をするものの、目は常に成虫を追いかけていた。



◆蝶の幼虫色々◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



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ここは山から流れ出る水を利用して錦鯉の養殖をしている。
この自然観察園の収入は錦鯉にあるみたいだ。結構な大きさの錦鯉が100元(日本円で300円)で販売していた。

トンボも多い。
綺麗な赤いチョウトンボと青い羽をもつカワトンボの1種がいたので、写真を撮った。



◆赤いハグロトンボ?◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =




◆青い羽を持ったカワトンボ◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



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しばらく撮影した後、呂さんが台湾茶を振舞ってくれた。亜熱帯の林を前に飲むお茶はなかなか旨かった。
すると突然強い雨が振り出し、瞬く間に土砂降り状態になった。
侯先生がタクシーを呼んでくれて、バス停まで行き、バスを乗り換え台北まで戻ったときはすでに午後6時をまわっていた。

侯先生のお陰で、本日は午後から出陣したにもかかわらず、20種以上の蝶が観察できた。
ただ、天気が悪く、暗かったので撮影は困難を極めた。明日からの胡蝶散歩に期待しながら本日は眠ろう。
謝々!

台湾胡蝶散歩3につづく--------------
by tyu-rinkazan | 2006-11-22 23:16 | ● Taiwan | Comments(24)