NATURE DIARY

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20120819 英国の散歩道;チョークヒルブルーなど

Nature Diary vol.7(43): #468

<書店 Hatchard>
ロンドンには大きな書店が多い。中でもチャリングクロスロードの Foyles や Waterstones などはつとに有名だ。しかし、こと花、虫、鳥などの Natural History に関しては、これらの有名店よりもピカデリーの Hatchard がより充実している。ちなみに、日本チョウ類保全協会事務局長の中村康弘氏から推薦された Discover Butterfly in Britain という本 (観察ポイントが地図付で紹介されている) は Hatchard で見つけた。

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書店 Hatchard 店内と Discover Butterfly in Britain






<英国チョウ類保全協会 Butterfly Conservation>


この Discover Butterfly in Britain にも英国チョウ類保全協会のロゴマークがついている。みると、最近英国で発刊されたチョウの本には、そのロゴマークが付けられているようだ。英国チョウ類保全協会 (Butterfly Conservation) は1968年に設立され、会員数が現在では16000人を超え、30以上の支部が出来ているというから驚きだ。

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英国チョウ類保全協会 http://www.butterfly-conservation.org/


ひるがえって、日本では日本チョウ類保全協会(Japan Butterfly Conservation Society)が2006年に発足。本邦ではこの JBCS を中心に活発な保全活動が展開されているが、チョウの保全に関する一般的な意識は、残念ながら英国に比べてまだまだ低いように思う。不肖虫林も日本チョウ類保全協会の活動に少しでもお役に立ちたいと思う。




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チョークヒルブルー; Chalkhill Blue

本日は宿泊したマーロー(Marlow)からオックスフォードを通って、友人が住むウェールズのカーディフ(Cardiff)までドライブする予定。前述のガイドブック Discover Butterfly in Britain をみると、オックスフォード州の Aston Rowantには美しいチョークヒルブルーが棲息していると記載されている。チョークヒルブルーはその名前のように石灰岩質の丘に棲息するシジミチョウでその分布は局所的。

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チョークヒルブルーが棲息する丘

The habitat of Chalkhill Blue
Olympus E-5, ZD12-60mm, ISO400 (2012-August-17, Aston Rowant, UK)



チョークヒルブルーは英国で絶滅が危惧されている蝶(56種類)のひとつだ。このチョウの数が減った原因は、棲息する石灰岩の低い丘が自然破壊にさらされやすいためといわれている。でも、近年は保全活動の効果もあって、チョークヒルブルーの数は増してきたということだ。実際、Aston Rowantの牧草地にはこのチョウが極めて多い。

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吸蜜するチョークヒルブルー

A male of Chalkhill Blue feeding nectar on the flower
Olympus E-5, ZD12-60mm, ISO400 (2012-August-17, Aston Rowant, UK)

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求愛するチョークヒルブルー

A pair of Chalkhill Blue showing a courtship behaviour.
Olympus E-5, ZD12-60mm, ISO400 (2012-August-17, Aston Rowant, UK)





その他; Miscellaneous

チョークヒルブルーはゴマシジミほどの大きさがあるが、それに比べると約半分ほどの大きさでちらちら飛ぶシジミチョウがいた。翅の模様からメスかなと思ったのだが、良く見ると翅表面の輝きは♂。

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ブラウンアーグス

Brown Argus
Olympus E-5, ZD12-60mm, ISO400 (2012-August-17, Aston Rowant, UK)



シルバースポッテッドスキッパーは英国では非常に局所的で、南イングランドの一部に少数棲息するにすぎない。
今回、撮影できたので非常に驚いた。

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シルバースポッテッドスキッパー

Silver-spotted Skipper
Olympus E-5, ZD12-60mm, ISO400 (2012-August-17, Aston Rowant, UK)



§ Afterword §

何年かぶりのイギリスは、見るものが全て懐かしく、また友人たちと旧交を温めることができた。

実はウェールズのカーディフでは、アームズパークラグビー場の元グランドマンで勲章を受けた Bill Hardyman のお墓参りもすることができた。彼には生前、ラクビーだけでなく個人的にもとてもお世話になった。ことに家内などはまるで実の娘のように可愛がってもらった。
ウェールズの人は情に厚い。

これで英国の散歩道シリーズは終了とします。




Written by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2012-08-22 07:03 | ● United Kingdom | Comments(12)

20120817 英国の散歩道:ケンブリッジにて

Nature Diary vol.7(42):#467
 

下の写真の背景のように記憶は歳月とともにぼやける(特に僕の記憶はボケやすいかも---望遠レンズ並み?)。記憶の多くは大脳の中にある長期記憶保存庫にストックされ、何かのきっかけで想起される。そんな昔の記憶を想起させる旅(ノスタルジックジャーニー)など若い頃には考えもしなかったと思う。今回、僕の還暦にあたりそんな旅を家内が計画してくれた。

虫林よ年とったか?

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------The memory

------Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Cambridge, UK)



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►ケンブリッジにて; Landscapes of Cambridge

ロンドンのキングスクロス駅から特急(直通)に乗ってケンブリッジ駅に到着。駅では昔お世話になったウィリアムス教授が以前と変わらぬ笑顔で出迎えてくれた。彼はだいぶ前にケンブリッジ大学を定年になったはずだが、自分で研究所を作り、まだまだ研究への情熱を失っていない--------深くインスパイアーされた。

夜はパブで夕食を摂りながら、これまでの積もる話をした。彼と話すと僕は過去に帰れる。 
Back to the past!

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------The university of Cambridge

------Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Cambridge, UK)


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------The university of Cambridg

------Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Cambridge, UK)


レンタカーを借りて、当時間借りして住んでいた家まで行った。m
そこはケンブリッジ郊外のハーストンという村にある大きな家 (Harston House)。

もともとケンブリッジ大のスコット(北極探検隊)研究所の所長の持ち家で、当主が亡くなった後は、アイリスさんという名前の老婦人(+犬のカーラ)が管理していた。残念ながらアイリスさんも今はいない。生憎、現在のこの家の主は不在のようだったが、門の中に入って少し見せていただいた。嬉しいことに、昔と変わった所はなにもない。

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------Harston House

------Canon PowerShot S100 (2012-August-17, Cambridge, UK)



►ダンスタブルダウンスの風景; Landscapes of Dunstable Downs

車でダンスタブルの丘まで足を伸ばしてみることにした。

どこまでも広い空の下に緩やかな起伏の丘。
英国は今が麦秋だ。

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------Landscape of Dunstable Hill

------Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------Landscape of Dunstable Hill

------Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------Landscape of Dunstable Hill

------ Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------Landscape of Dunstable Hill

------ Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------Rabbits like Peter on Dunstable Hill

------ Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------Speckled Wood

------Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------A pair of Gate Keeper showing a courtship behavior.

------ Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)


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------A female of Brimstone resting under the leaf

------ Canon 7D, EF50-200mm, ISO400 (2012-August-17, Dunstable, UK)




§ Afterword §

英国人(僕の知る限りでは)は本当に散歩が好きだ。公有地はもちろんのこと私有地までも沢山の散歩道(foot path)がつくられている。ちなみに、このブログの本体ホームページの名前は「虫林花山の散歩道」というが、その名前を付けたのはそんな意識も少なからず働いたように思う。ところで、今回は完全な虫禁にしようと思ったのだが、やはり英国の自然の中を散歩すると虫屋の血が騒ぎだした。虫屋は死ななければ治らない?

英国の散歩はもう少しだけ続く。


Written by 虫林花山







by tyu-rinkazan | 2012-08-20 14:35 | ● United Kingdom | Comments(4)

20120814 英国ロンドンの散歩道

Nature Diary vol.7(41):#466

<Nostalgic Journey: 追憶旅行>
(ロンドンからブログ更新)
夏休みをとって英国を1週間ほど家内と一緒に旅行。今回の英国行の目的は、以前に滞在(留学)したことがある英国のウェールズやイングランドの町を訪ね、その時にお世話になった方々とお会いすることだ。すなわち、灰色の脳細胞に埋もれた記憶の断片をひとつひとつリトリーブして組み合わせる「ノスタルジックジャーニー Nostalgic Journey」。恥ずかしながら、虫林の還暦旅行の意味も含まれる。それにしても、仕事無しで妻と旅行するのは久しぶり。今回は虫禁で、妻の後ろを子犬のように付いていく(え〜本当かいな?笑)。

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►ロンドンの街角風景; Street scenes of London

ロンドンは活気があって何度訪れても楽しい町だ。
僕にとってのワンダーランド(不思議の国)。

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パブの窓からのロンドン----- 不思議の国の虫林

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The street scene of London looked from the window of Pub on the corner. Tyurin in wonderland
Canon PowerShot S100, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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ロンドンタクシー

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The London Taxi
Olympus E-5, ZD50-200mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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イングリッシュブレックファースト(英国式朝食)

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English Breakfast
Olympus E-5, ZD50-200mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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フィッシュアンドチップス

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Fish and Chips
Olympus E-5, ZD50-200mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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窓のギター

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Guitar of the window
Olympus E-5, ZD50--200mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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突然の雨とミュージカルの傘のデコ

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Sudden shower and musical decoration
Olympus E-5, ZD50-200mm, ISO400 (2012-August-15, London in UK)



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ロンドンの電話ボックス

.
Telephone Box
Olympus E-5, ZD50-200mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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自転車の乗る人

.
Street scene of London
Olympus E-5, ZD50--200mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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ベンチに座る人(靴はどこ?)

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A man sitting on the bench
Olympus E-5, ZD16-60mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)



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走る人

.
A running man
Olympus E-5, ZD16-60mm, ISO400 (2012-August-15, London, UK)




§ Afterword §

今回の ND では、ロンドンの街角の様子を撮影してみた。
ロンドンはとにかく活気があって楽しい町だ。夜はミュージカル「マンマミーヤ」を楽しんだ。
明日からケンブリッジに移動する。

最後に地下鉄のホームで長いエスカレーターに乗っていたら、壁にナイキ・フットボールの新 CM、「MY TIME IS NOW / そのジブン切りひらけ」が映し出された。僕はナイキの回し者ではそのCMはいけていた。
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英国の旅行はもう少し続く。






<注>
蝶のブログの蝶調さんがウスイロコノマチョウの幼虫の里親を探しています。
ご希望の方は是非とも蝶調さんまで連絡してください。
ブログ:曜日のない暮らし:http://blog.goo.ne.jp/kagyuenmoli
飼育記録:http://blog.goo.ne.jp/kagyuenmoli/d/20120725


by tyu-rinkazan | 2012-08-16 10:32 | ● United Kingdom | Comments(8)

2010518 スコットランド散歩: Orange Tip (クモマツマキチョウ)など

Nature Diary #0323
Date: May 18th (Tuesday), 2010
Place: Edinburgh, Scotland.
Weather: fine and sometimes cloudy



§ Diary §

アイスランドの火山の再噴火に加えて英国航空(BA)のストライキが続いたので、のんびり屋の虫林もさすがに心配になり、エジンバラを出発の前日(17日)にBAに電話して飛行機の運航状況を聞いてみました。

すると、あろうことか虫林が乗る予定の便(BAのエジンバラ空港 正午発)がストライキのために勝手にキャンセル(飛ばない)になっていたのです。

でも、交渉の結果、同日の夕方発の便が何とかとれたので事無きが得られました----汗。




トレッキング

エジンバラ出発が夕方にシフトした結果、日中がフリーになったので、Holyrood Park という岩山を一人でトレッキングすることにしました。

ちょうどこの時期、岩山全体に ゴース Gorse (和名:ハリエニシダ) の黄色い花が咲き乱れていてとても綺麗でした(これだけ見事なゴース群落を見たのは初めてです)。このゴースという花は ヘザー(Heather) と並んで ヒース(Heath) の代表的な植物です。ゴースの花はとても綺麗ですが、枝には無数の鋭い棘があります(円内)。ちなみに「クマのプーさん」が大好きな蜂蜜を取ろうとして木から落ちて棘だらけになるシーンに出てくる灌木は ハリエニシダ (gorse-bush) です----確かに痛そうに見えますね。

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A rocky hill covered with gorse-bush

Olympus EP-1, MZD 14-42mm, ASA100




Holyrood Park の草原には、Orange Tip (クモマツマキチョウ)の食草の Lady’s Smock (女性の仕事着)の花(挿入部参照)が咲いていることに気付きました。この花は大きな群落を形成することなく、点々と散在して見られました。

ウーム、ここなら Orange Tip に会えるかもしれないなと思い、しばらく待ってみることにしました。でも、待てども暮らせどもオレンジは姿を見せてはくれませんでした。 

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Possible Habitat of Orange Tip (Lady’s Smock)

Olympus EP-1, MZD 14-42mm, ASA100




スジグロシロチョウ; Green-Veined White

草原でOrange tipの飛来を待つ間、1度だけシロチョウが飛ぶ姿が見えました。慌てて近寄ってみると Green-Veined White と呼ばれるスジグロシロチョウでした。

こちらのスジグロシロは日本のものよりも黄色みが強くてこれはこれで綺麗です。

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スジグロシロチョウ

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A Green-Veined White perching on the grass leaf with the wings opened.
Olympus EP-1, MZD 14-42mm, ASA100
(2010-May-18, Edinburgh)



ベニシジミ; Small Copper

結局、Orange tip は現れなかったので、岩山のトレッキングを楽しむことにしました。

とにかく、青い空と岩山、広い草原などが織りなすスコットランドの荒涼たる景色は、とても気持ちが良くて気分を爽快にしてくれました----来て良かった。

登っている途中、嬉しいことに岩山の崖に日本のベニシジミに相当する Small Copper が沢山飛び回っていました。Small Copper たちは黄色い花がお好きなようで、岩山の上にへばりつくように咲くマメ科植物の花やキク科植物の花で吸蜜を繰り返していました。

下の写真は、黄色いキク科の花で吸蜜している Small Copper ですが、背景にエジンバラ市街が入って広がりのある写真になりました----お気に入り。

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崖の花で吸蜜するSmall Copper

.
A small copper feeding on the flower in rocky clif.
Olympus EP-1, MZD 14-42mm, ASA100
(2010-May-18, Edinburgh)



吸蜜する Small Copper を150mmマクロで撮影していたら、偶然に飛び立った瞬間が撮影できました。なんとなく、面白い組写真になったように思えます。

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Small Copperの吸蜜と飛翔


A small copper just flying from the flower
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400, Trimming (+)
(2010-May-18, Edinburgh)




コヒオドシ; Mountain Tortoisshell

岩の上や道の脇でコヒオドシがしばしば見られました。

日本ではコヒオドシは高山、北方に棲息するタテハチョウですが、こちらでは平地の庭先にも出現する最も普通種のようです。タテハチョウでは、このコヒオドシの他に、シータテハ、ヒオドシ(?)、クジャクチョウなどを見ることができました。

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コヒオドシ


Mountain Tortoisshell
Olympus EP-1, MZD 14-42mm, ASA100
(2010-May-18, Edinburgh)



クモマツマキチョウ; Orange Tip

Orange Tip を諦めきれずに、午後から食草のある谷の湿地に再び戻ってみました。

到着して見まわしていたら、ほどなく Lady’s Smock の花に絡むように飛ぶオレンジ色の小さなシロチョウを見つけることができました-------やはり予想通り食草が多いこの場所で発生していたのでした。

白地に鮮やかなオレンジ色の紋がまぶしい Orange tip (クモマツマキチョウ) は、何歳になっても、何度見ても、どこで見ても嬉しいものです。

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Lady’s Smock の花で吸蜜するOrange tip


A male of Orange Tip feeding on the flower of Lady’s Smock
Olympus EP-1, MZD 14-42mm, ASA100
(2010-May-18, Edinburgh)



多分、英国の蝶たちは昼過ぎからの活動が普通なのでしょう。

Orange Tip は飽きない程度に草原に現れ、点在する Lady’s Smock の花で吸蜜してくれました。でも、吸蜜時間が意外と短いので、なかなか良いアングルで写真を撮るのが困難でした。
Lady’s Smock の花は蜜が少ないのかも-------。

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吸蜜する Orange tip


A male of Orange Tip feeding on the flower of Lady’s Smock
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-May-18, Edinburgh)




クモマツマキチョウ (クモツキ) を見ると、心がときめいて動悸、息切れ、血圧上昇がおこり、たまに眩暈さえも併発します。これらの症状を虫林はクモツキ症候群とよんでいます。この クモツキ症候群 の症状は、英国の Orange Tip でも日本のクモツキでも同様に出現しました。

クモツキ症候群は不治の病のようです。

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Orange tip の吸蜜開翅


A male of Orange Tip feeding on the flower of Lady’s Smock
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-May-18, Edinburgh)



英国のOrange Tipと日本のクモツキの色彩を比較すると、英国のもでは、前翅表の翅先に黒い縁がとても明瞭です。日本のクモツキでは翅先の黒い部分はかなり不明瞭です。

両者をゆっくり後で比較してみようと思います。

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吸蜜する Orange tip


A male of Orange Tip feeding on the flower of Lady’s Smock
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-May-18, Edinburgh)

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吸蜜する Orange tip


A male of Orange Tip feeding on the flower of Lady’s Smock
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-May-18, Edinburgh)



Orange tip のメスも何度か見ることができました。

こちらはオスと違って飛び方が穏やかです(オスの飛翔は速くて直線的)。でも、飛んでいる時は小型のスジグロシロチョウととても似ているので、ときどきだまされてしまいました。

虫林はメスには騙されやすいのかもね(人間のことではありませんよ)。

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Orange Tip のメス


A female of Orange Tip feeding on the flower of Lady’s Smock
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-May-18, Edinburgh)




コマドリ; Robin

コマドリはイギリスの国鳥です。

午前中には木の梢で大きな声で囀るコマドリを沢山見ることができました。
小さな体に比較して何と大きな声を出すのでしょうか。

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木の梢で囀るコマドリ


Robin
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-May-18, Edinburgh)



木の枝にいたコマドリを見ていたら、餌をとった後に突然目の前の枝を訪れてくれました。静止した場所が虫林にあまりに近いので、かえってこちらが驚いてしまいました。

英国の鳥は日本のものよりも警戒心が薄いようですね。

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コマドリ


Robin
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-May-18, Edinburgh)



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§ Afterword §

英国滞在中にアイスランドの火山噴火が活発化してしまい、エジンバラやヒースロー空港が一時閉鎖になりました。それに加えて、英国航空BA(British Airways)がストライキに入ったために、この混乱にさらなる拍車をかけてしまったようです。

結局、虫林の当初乗る予定だった飛行機が勝手にキャンセルされてしまい、ロンドンで待っている家内と合流して一緒にミュージカルを楽しむことが出来なくなってしまいました。

でも、結果的にはそれが幸いして、ヨーロッパでは普通種といわれていてもやはり憧れてしまう Orange Tip の写真が撮影できたのですから、運命とはわからないものです。 


結局は人間万事塞翁が馬----ということでしょう。



これで、スコットランドの散歩は終了です。





以上、 by 虫林花山



by tyu-rinkazan | 2010-05-21 01:47 | ● United Kingdom | Comments(16)

20100515 スコットランド散歩:エジンバラにて

Nature Diary #0322
Date: May 15th (Saturday), 2010
Place: Edinburgh, Scotland, UK
Weather: Cloudy with intermittent sunshine



英国スコットランドの エジンバラ Edinburgh に学会出張。

BBCテレビのニュースを見るとアイスランドの火山噴火がまだ続いているらしいが、とにかく空港は閉鎖が解除されてヒコーキが飛んでいるので行くことにしました。

怖いのは 「地震、雷、火事、オヤジ----と噴火」 だね。


§ Diary §

成田を出発したヒコーキ(JAL)は、ロンドンHeathrow空港に無事到着。

ヒースロー空港でウェールズの友人(Cardiff在住)に会いに行く家内と別れ、国内線(BA)に乗り変えて夕方に目的地のエジンバラに到着しました。

エジンバラを訪れるのは実に20年ぶりになります。

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エジンバラの街並

.
A landscape of Edinburgh
Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA400
(2010-May-15, Edinburgh)



エジンバラの新市街、旧市街は世界遺産

世界の文化遺産では、ヨーロッパが断トツで多いようですが、この町の景色をみているとさもありなんと思ってしまいます。

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エジンバラの街並

.
A landscape of Edinburgh registered as “World Heritage” in 1995
Olympus EP-1, MZD14-42mm, ASA200
(2010-May-15, Edinburgh)



町のどこからでも岩山の上に建つエジンバラ城が見えます。

エジンバラ城は古城らしい威風堂々とした風格を備えていますが、この城がスコットランド王家やイングランドとの抗争で、しばしば血なまぐさい謀殺の場や攻囲の的になったことを知ると何となくおどろおどろしくも見えてきます。

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エジンバラ城


Edinburgh Castle
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-May-15, Edinburgh)



外国にでかけてもあまり観光というものをしない虫林ですが、博物館や植物園(稀に美術館)には好んで足を向けます。

エジンバラには、スコットランド国立博物館 National Museum of Scotland という博物館があります。ここには世界的に有名な クローン羊ドリー Dolly の剥製が展示されているということを何かの本で見たことがあります。

そこで、ホテルのコンシャルジュに尋ねてみると、間違いなく国立博物館にはドリーが展示されているということでした。ホテルからは思ったほど遠くないので行ってみることにしました。

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スコットランド王立博物館の入り口

.
National Musium of Edinburgh
Olympus EP-1, MZD14-42mm, ASA200
(2010-May-15, Edinburgh)


世界初のクローン哺乳類であるドリー(Dolly)をこの世に出したのはスコットランドのロスリン研究所です。この成功の意味するものは、体の一部の細胞(生殖細胞以外の)から同じ遺伝子を持つ元の個体を再生することができるということです。

すでに、日本でもクローン牛で成功していますね。

この技術は、人にも転用可能なので、理論的には女性だけで子孫(自分)を増やすことができます。そんな恐ろしい世の中にならないように、慎重に考えなければなりません。とにかく、ドリーは近くで見ると綺麗で、かなり大きなメス羊でした。

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クローン羊のドリー

.
Dolly was the first mammal cloned from an adult cell.
Olympus EP-1, MZD14-42mm, ASA200
(2010-May-15, Edinburgh)



ドリーとご対面した後は、町をブラブラ歩きながらホテルに帰りました。

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エジンバラの街角

.
A landscape of Edinburgh
Olympus EP-1, MZD14-42mm, ASA200
(2010-May-15, Edinburgh)

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骨董屋

.
Antique shop in Edinburgh
Olympus EP-1, MZD14-42mm, ASA200
(2010-May-15, Edinburgh)



イギリス人は幽霊やお化けの話が好きです(日本人と似ていますね)。

町を歩いていて、パブの前で見つけたゴーストツアーの看板が目を引きました。無料らしいので参加しようかなとも思いましたが、やはり怖いのでやめました----意気地なし。

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幽霊ツアーの看板

.
Information of the Ghost tour
Olympus EP-1, MZD14-42mm, ASA200
(2010-May-15, Edinburgh)

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大道芸人

.
Street entertainer
Olympus EP-1, MZD14-42mm, ASA200
(2010-May-15, Edinburgh)



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§ Afterword §

この日記は旅先(エジンバラのホテル)からアップしました。

ホテルでBBCニュースをみていたら、アイスランドの火山噴火がまた活発化したみたいです。実際アイルランドの飛行場は再び閉鎖したそうです。万が一、ヒースローが再び閉鎖すれば日本に帰れなくなってしまいます。

少し心配していますが、こればばっかりは仕方がありません。

「地震、雷、火事、オヤジ----と噴火」だね。




以上、 by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2010-05-17 11:23 | ● United Kingdom | Comments(10)

20100123 凍てつく夜に虫屋が見る夢は (3);Chalk-hill Blue

Nature Diary #0302



§ Diary §

凍てつく夜に虫屋が見る夢は----------。



人は場面や出来事を徐々に忘れていく。

ドイツの心理学者 ヘルマン・エビングハウス(Hermann Ebbinghaus)によれば、相互に関連をもたないものの記憶は、記憶した後20分後で42%1時間後で56%1日後で74%、そして1ヶ月後には79%も忘れてしまうらしい。ちなみに、虫林では1分後に99%くらい忘れる自信がある(オイオイ自慢してどうする)。とにかく、最近忘れっぽいのだ。


Doset の丘の上に建つ海に面した家------この記憶の中の家も、次第に輪郭がボケて、やがて忘却して行くのだろう。


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忘却: Doset の丘の家

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Forggeting memory: A House on the hill in Doset




昨年の7月、虫屋は英国のロンドンにいた。


夏休みの時期とあって、昼は観光客でごった返していた。
しかし、夜のロンドンには、どこか怪しげで、どこかミステリアスな雰囲気が漂っている。


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夜のロンドン (ビックベン)

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A night landscape of London (Clock Tower: Big Ben)



ロンドンでは、ミュージカル 「オペラ座の怪人」 を見た。

ところが、上演中なのにギリシャ人の若者たちの私語がとてもうるさかった。休憩時間になって、たまらず 家内 が注意すると、彼らは怪訝な顔をして見返してきた。

その様子を見ていた英国人の家族が、我々に加勢してくれた。
彼らの突然の応援には驚いたが同時に嬉しかった。

なるほど、ここは紳士の国だ。


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オペラ座の怪人のチケット

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Tickets of the Phantom of the Opera





南イングランドの Doset にある石灰岩の丘。
縦横にはしる public footpath を、風に吹かれながらゆっくりと歩いた。


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石灰岩の丘

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Chalk hill



英国訪問で最も撮影したかった蝶-----それは石灰岩の丘に棲む Chalk-hill Blue.

この蝶の翅表の青色はどう表現したらよいのだろうか?
乳青色(Milky blue)、銀青(Silvery blue), 薄青(Pale blue)など----ウーム、難しい。


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Chalk-hill Blue

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Chalk-hill Blue

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この丘の門番、 Gate keeper


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Gate Keeper

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凍てつく夜に虫屋の見る夢は-----。
もう一度、英国を訪れてみたい。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-01-23 16:14 | Comments(9)

20100117 凍てつく夜に虫屋が見る夢は(2) ;コンスタブルの蝶たち

Nature Diary #0301


§ Diary §

凍てつく夜に虫屋が見る夢は------。

昨年の7月、虫屋はイングランド Essex の田舎 デダム村 (Dedham) にいた。
そこは19世紀の風景画家 ジョン・コンスタブル John Constable が愛した場所。

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コンスタブルが描いた 「干草車」, ロンドンナショナルギャラリー所蔵

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The Hay-Wain was painted by John Constable (11 June 1776 - 31 March 1837) who was an English Romantic painter. Born in Suffolk, he is known principally for his landscape paintings of Dedham Vale.



コンスタブルが好んで描いた フラットフォード(Flatford) は、大きな空と雲、輝くような光、牧草地を貫くストウ川 (River Stour) に沿って並ぶ柳の古木--------200年前と同じかも。


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フラットフォードの風景 Dedham, Essex, England, GB

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A Landscape of Flatford

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フラットフォードの製粉所 Dedham, Essex, England, GB

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Flatford Mill



ここの牧草地には、Meadow Brown (牧草地の茶色) や Gate Keeper (門番) と呼ばれるヒカゲチョウ科のチョウが多く見られた。「牧草地の茶色」や「門番」たちは、夕暮れ間もない光の中で、飛翔したり吸蜜したりと活発に活動していた。

虫屋は public footpath から牧草地の中に分け入り、草原に遊ぶ彼らを撮影した。

200年前、コンスタブルもここでこのチョウたちを見たに違いない。
そうだ、彼らは コンスタブルのチョウたち なのだ。


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Meadow Brown Dedham, Essex, England, GB

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林望氏の著書のタイトル「イギリスがおいしい」は本当だ。
デダム村のレストランLe Talbooth

いつの間にかミシュランに認定されていたのには驚いた-------。

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Le Talbooth Dedham, Essex, England, GB

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凍てつく夜に虫屋の見る夢は、昨年訪れた英国の日々。
またいつか訪れてみたい------。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-01-17 16:32 | Comments(14)

20100115 凍てつく夜に虫屋が見る夢は (1);英国ケンブリッジ

Nature Diary #0300


今回はブログ更新300回目。


§ Diary §

"ついに大人となれば、幻影は消えて、やがて尋常の日の光の中に溶け込む"
(郭公の詩人ワーズワースの詩の一節より)

昨年の7月、虫屋は英国のケンブリッジにいた。


かつてケンブリッジで暮らした日々を思いながら街中を散歩した。
別にどこに行きたいわけでもなく、何かを見たいわけでもなかった。

ただ昔の情熱(幻影)を思い出したかっただけ------。


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数学橋

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Mathmatical Bridge



たしか キングス通り(King's parade) にあった小さなカメラ屋で、セコハンで安いハッセルブラッドを手に入れた。かなり古いものだったが、機械式シャッターのハッセルというだけで嬉しかった。休みの日には自転車で郊外に行き、ハッセルで風景写真を撮影したものだ。


大きな籠を付けた自転車----ウーム、懐かしい。


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自転車

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Bicycle


ケンブリッジの街角は今も変わらない。
いや、変わりようがないのかも知れない。


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Dog

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Human being

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リス

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Squirre



凍てつく夜に虫屋の見る夢は、昨年訪れた英国の日々。
また訪れてみたい------。




以上、 by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2010-01-15 18:48 | Comments(4)

20090711 英国のチョウ散歩:Common Blue など

ミヤマシロチョウ観察会・撮影会(原村)

7月18日、19日、20日(土、日、月) 八ヶ岳舟山十字路 9:00集合
  主催 八ヶ岳・原村ミヤマシロチョウの会 
  事前申込みが必要です。1日20人限定。申込みは、下記まで

  原村役場 村づくり戦略推進室 
  TEL 0266-79-2111(代表)
  E-mail  muradukuri11@vill.hara.nagano.jp

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Nature Diary #0266
Date: July 12th (Sunday), 2009
Place: United Kingdom
Weather: fine



日本チョウ類保全協会の中村康弘氏の一押しチョウ観察ポイントは、イングランドの南西部のドーセット(Doset) 州にある Cerne Giant Hill と呼ばれる巨大な石灰岩の丘だった。ドーセット州には Butterfly Conservation の本部がある。

当初は Cerne Giant Hill を訪れるつもりだったが、ドーセットの海岸を見たいのと(ジュラ紀の化石が極めて多い)、同行の家内へのサービスも考慮して、同じドーセット州ではあるが海岸線が世界遺産に指定されている Darlston Country Park に行くことにした。


§ Diary §

Marlow を朝に出発したが、途中で道を間違えながら運転したので(こちらのレンタカーにはカーナビが付いていない)、 Darlston Country Park に到着したのは午後1時過ぎなってしまった。

駐車場に車を停車させて、ゆっくりと外に出てみると驚いた。
そこには石灰岩の崖が白く光るドーセットの海岸線が続いていたのだ------言葉は必要ない。

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ドーセットの海岸線

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Coastline of Dorset
Olympus E-3, ZD16-90mm



Darlston Country Park ;

「Discover Butterflies in Britain」には、Darlston Country Park は英国内でも最も良いチョウ観察ポイントの1つと紹介されていた。ここはNational Trustが土地を所有する特別保護区で、ドーセット州政府(Dorset Country Council)がその管理運営を行っている。

駐車場から近いビジターセンターにはレンジャーのご夫婦(?)が常駐していて、遠来のビジターである虫林に親切に説明してくれた。

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Darlston Country Parkのビジターセンター

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Visitor center of Darlston Country Park
Olympus E-3, ZD16-90mm


ビジターセンターの入り口にはインフォメーションボードがあり、センターの活動などが細かく書かれていた(下写真左)。

さらに、センターの内部の壁に貼ってあった紙には、Parkで観察されたチョウの種類や個体数などが日にちごとに記されていた(下の写真右)。これなら訪れた人たちは容易にup-to-date のチョウ情報を得ることができるので便利だ。

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インフォメーションボード(左)と蝶観察記録(右)

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Visitor center of Darlston Country Park
Olympus E-3, ZD16-90mm


海に面した丘は草原状で広く、チョウや花を見ながら散歩するには最高だ。草地の中の小径(Path)には所々に木のゲートが設けられていて、それを手で開けて先に進む。

海に面した小さな白い建物はAnvil Point Lighthouse 。

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Darlston Country ParkのAnvil Point Lighthouse

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Anvil Point Lighthouse in Darlston Country Park
Olympus E-3, ZD16-90mm


牧草地(Meadow)には、アザミや蘭の仲間など無数の花々が咲き誇り自然のお花畑になっている。こんなお花畑は日本ではなかなか見ることができない。

風に吹かれながらこんなお花畑を散歩すると、あくせくとチョウを探すことがバカバカしくなってしまうから不思議だ。とにかく気持ちが良い。

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Darlston Country Park の草地

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Grassland in Darlston Country Park
Olympus E-3, ZD16-90mm



Common Blue; Polyommatus icarus

草原の中でテリトリーを形成する明るいブルーのシジミチョウを見つけた。飛翔速度がなかなか早く、またゆっくりと止まってくれない。でも、しぶとく目でチョウの飛ぶ軌跡を追っていると、まだアザミの花の蕾に静止して翅を開いてくれた。

この輝くようなブルーは、昨年、ポーランドのグダニスクの牧草地で見かけたものと同じだろう。Common Blue だ。

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Common Blue

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A male of Common Blue resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


Common Blue は最も広く分布するブルーで、英国ではその分布は全土にわたっている。しかし、日本のヤマトシジミのように道端にちらちらと飛ぶシジミでもない。

この草原でも見かけたCommon Blue は数頭のみで、決して個体数は多くなかった。

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Common Blue

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A male of Common Blue resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


Common Blue は翅表も美しいが、翅裏もなかなか綺麗だ。

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Common Blue

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A male of Common Blue resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



Adonis Blue; Polyommatus bellargus

くぼ地のようになっている場所の草地で深いブルーのシジミチョウが開翅していた。
どうやら Adonis Blue のようだ-----がかなりスレている。

Adonis Blueは Chalkhill Blue とともに石灰岩や大理石のdownと呼ばれる小高い草原で発生するので、その分布は重なっていることが多い。ただ発生時期が Adonis は早く、Chalkhill は遅い。この時期だと Adonis を見るには遅く、Chalkhill を見るには早いみたいだ-----贅沢をいっちゃいけないね。

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Adonis Blue

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A male of Adonis Blue resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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Adonis Blue

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A male of Adonis Blue Adonis Blue resting on the grass leaf with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



Small Copper; Lycaena phlaeas

小道の脇のシロツメクサの花にベニシジミを見つけた。見たところ日本のベニシジミとほとんど変わりはないようだ。

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Small Copper

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A Small Copper resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



Lulworth Skipper; Thymelicus acteon

日本のヘリグロチャバネセセリやスジグロチャバネセセリに似るセセリが英国には多い

Lulworth Skipper は英国の中ではドーセットの海岸だけに棲息するセセリチョウだ。このParkでは結構多く見られた。

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Lulworth Skipper

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A Lulworth Skipper e resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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Lulworth Skipper

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A Lulworth Skipper e resting on the flower head with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



ウェールズの友人; A friend of Wales


なお、ドーセットの後は、ウェールズの Cardiff を訪れた。

Cardiff には虫林家族が昔お世話になった友人がいる。最近、この友人が体調を崩しているという便りを頂いたので、お見舞いに訪れたのだ。彼は長い間、Cardiff の Arms Park ラグビー場 に勤務して、その功績で女王陛下から勲章を授かったという人物だ。写真右から2人目

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久しぶりに会った彼は、昔と同じ笑顔で出迎えてくれて、とくに家内に再会できた事を涙を浮かべながら喜んでくれた。英国旅行の最後に、彼とお会いできてとても嬉しかった。
有難う Bill !



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§ Afterword §

7月中旬の英国は気候も良くてとても気持ちが良かった。

もともと蝶相に関しては少ない国だが(60種)、保全意識がに高くて、以前に減少した種類も現在では少しずつ増えいてきていると聞いた。昆虫などの保全はただではできない事業なので、一般の人の理解とともに、寄付(Donation)が重要なポイントになるのであろう。

今回の英国行では数種類の蝶と出会う事ができたが、多くの種類を観察するのなら、6月の初旬あたりが最も良いかも知れない。いつかその時期に再訪してみたいと思う。今回の英国でのチョウの観察については、日本チョウ類保全協会の中村康弘氏に色々とご教示しただいた。おかげで短時間ではあるが充実した散歩ができたように思います。有難うございました。

英国散歩の日記はこれで終了します。



以上、 by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2009-07-18 17:30 | Comments(4)

20090711 英国のチョウ散歩:Chalkhill Blue など

Nature Diary #0265
Date: July 11th (Saturday), 2009
Place: United Kingdom
Weather: Cloud and fine



§ Diary §

ケンブリッジにて;

虫林がケンブリッジ大学(Addenbrooks Hospital)に滞在したのはすでに10年以上も前になってしまった。月並みな言葉だが、虫林 老い易く、学成り難しである。

留学時にお世話になったウィリアムス先生(ケンブリッジ大学名誉教授)が主宰されるパーティがChrist Collegeで開かれたが、このパーティには各界のお歴々が招待されていた。不肖虫林も家内と一緒に参加させていただいた。

とにかく、すべてが英国(イングランド)式のパーティで、虫林の好きなミスマープルの世界だった。もちろん、殺人事件は起きなかったけどね。

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左:ケンブリッジ大学の数学橋、        右:Christ Collegeでのパーティ

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Cambridge
Canon G10


地獄にTrifty ;

ケンブリッジでのパーティは金曜日に開かれたので、土、日曜日はレンタカーを借りてイングランドの南西部の田舎をまわり、日曜日の夜に友人の住むウェールズの Cardiff に入ることにした。

ところが、問題はレンタカー。

ホテルのコンシェルジュによれば、週末でどのレンタカー会社にも車は全く無いとのことだ-----ウーム、これには虫林もさすがに困った。

そこで、レンタカー会社の住所リストをネットで出してもらい、ダメ元で会社窓口を直接訪れてみた。案の定、大手の Hertz Budget などはにべもなく断られたが、5番目に訪れた Trifty という会社で何とか小型車を1台借りることができた。

地獄に仏、否、地獄にTriftyである。

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左:ダーウィンのレリーフ、              右:レンタカー

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Cambridge
Canon G10



Aston Rowantにて ;

ロンドンで購入した本「Discover Butterflies in Britain」によれば、オックスフォード州(oxfordshire)に Aston Rowant という場所があり、そこには今回のい旅で最も見てみたい青いシジミチョウ(Blues)の1種 Chalkhill Blue がいるという。

ケンブリッジからもそれほど遠くないので、まずはAston Rowant を訪れる事にした。。

車窓から見えるオックスフォード州(oxfordshire)のなだらかな起伏の牧草地は、典型的な英国の田舎の風景だろう。この風景をみると、英国に来た事が実感できるのだ。

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オックスフォード州の広くなだらか丘

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A landcape of British counry side
Olympus E-3, ZA16-90mm


Aston Rowantは高速道路の両側に広がるChalk hill(石灰岩の白い丘)だ。

広い草原にはけもの道のような小径(Path)がついているものの、自由に歩いて蝶や花々を観察できる。こんな場所を風に吹かれながら歩くのは、ナチュラリストを自称する虫林にはとても貴重で贅沢な時間に思える。

Aston Rowant は National Nature Reserve (国立自然保護地域)になっている。

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オックスフォード州のAston Rowant

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Chalkhill with a path
Olympus E-3, ZA16-90mm



Chalkhill Blue; Polyommatus coridona

茫洋としてポイントを絞り切れ無い草原をすでに1時間ほども歩いただろうか。目的のブルーの姿はまだ見ることができない。Chalkhill Blueは7月の中旬以降に発生する盛夏のチョウなので、この時期だとまだ未発生なのかもしれない。もしかしてフライング?

少しあきらめ気分で足を速めて歩いて行くと、窪んで谷状になっている場所に差し掛かった時に、足もとから1頭の白っぽいブルーが飛び出した。

まさしく、お目当てのChalkhill Blueだ!

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出現した Chalkhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


静止したChalkhill Blueを見ると、意外に大きくて、日本の蝶に例えればゴマシジミほどもあった。翅表は何とも言えない白色調を帯びた淡いブルーで、このチョウが英国で人気のあるのが良くわかる。

極めて新鮮な個体のようでとても美しい。

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Challhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


Chalkhill Blueは石灰岩地帯の草原だけに棲息するシジミチョウで、イングランドの西南部を中心にそのポイントが散在している。一時期は英国国内でもっと広く分布していたみたいだが、現在に分布地は近年のAdnis Blueと同様にかなり限局されているようだ。

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Chalkhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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Chalkhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

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Chalkhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings closed
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



Gate Keeper; Pyronia tithonus

門番(Gate Keeper)という面白い名前のチョウ。

このチョウはヒカゲチョウの仲間であるが、草原性で、日中に活発に飛びまわっていた。翅を開くと、鮮やかなライトブラウンの模様が目に飛び込んでくる。

個体数は少なくないが、意外に敏感なので撮影には苦慮した。

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Gate Keeper

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A male of Gate Keeper resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



Marbled White; Pyronia tithonus

この草原で最も個体数が多かったチョウは、このMarbled Whiteだ。ちょうど発生のピークだったのだろう。いたるところで、ひらひらと飛んで、花で吸蜜したり、メスに求愛したりする姿を見ることができた。

このチョウはヒカゲチョウの仲間である。

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Marbled White

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A Marbled White perching on the flower with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



The Complete Angler Hotel;

アイザックウォルトンの著した「釣魚大全」は、日本の釣り人(特にフライフィッシャーマン)にもとても人気のある本である。虫林も名前くらいは知っていたが、息子の知り合いが「釣魚大全」を和訳した方だと知って驚いた。

アイザックウォルトンが昔立ち寄ったといわれるホテルが Marlow という村にあり、The Complete Angler Hotel という。いかにも釣り人だけが泊まりそうなホテル名だが、このホテルは英国の伝統をまもった素晴らしい正統派ホテルだ。

このホテルに着くのが夕方になってしまい、宿泊は無理かなと思いながらも一応聞いてみると、なんと部屋が空いているという返事が返ってきた。本日の宿を決めていなかったので、このホテルに泊まることにした。

このホテルの朝食(English Breakfast)は最高だ!

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釣魚大全のホテル(The Complete Angler Hotel)

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The Complete Angler Hotel
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



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§ Afterword §

7月はイギリスが最も気候が良い時期だ。牧草地(Meadow)には花が咲き乱れ、蝶やトンボ類も飛び回っている。そんな時期に英国を旅行できて嬉しい。

今回撮影したChalkhill Blue は一時期かなりコロニーが減少してしまったが、その後の保全活動で、コロニーの数が回復してきた。英国ではその保全活動により、絶滅の危機が免れた蝶が何種類もいるみたいだ。


今回は英国でも減少が問題となっている草原性のチョウ、特にBluesに的を絞ってみたいと思う。さらに、英国のチョウの保全の在り方にも興味がある。

明日はいよいよドーセット州(Doset)だ。



以上、 by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2009-07-16 00:00 | Comments(16)