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20091106 中国南部の散歩:ランタナが咲く山、ルリモンアゲハ

Nature Diary #0287
Date: November 6th (Friday), 2009
Place: Nanning in China
Weather:Fine



§ Diary §

学会の最終日は、すべてのセッションが午前中で終了し、午後からは excursion の予定。

そこで同行のK君とNa君が発表する午前中のセッションが終了後、虫林単独でフィールド散歩に出ることにした。時間的にかなりタイトなので遠い場所に行くことはできないが、とにかく近場で林があれば何とか蝶の撮影ができるだろう--------気楽。


<青秀山にて>
学会場の広西医科大学からタクシーで20分ほどの距離にある 青秀山 を訪れた。この山は山全体が公園化してかなり人の手が加わっているが、現地案内のNさんによれば、自然の亜熱帯雨林も少しは残っているとのことだった。

青秀山の入り口でタクシーから降り、バスに乗り換えて公園内の良さそうな場所で降りた(ここのバスは好きな場所でおりて、好きな場所で乗れるのでとても便利だった)。

鬱蒼とした亜熱帯林の中の長い階段を汗をかきながら登っていくと、突然目の前が開けてお寺の裏に出た。さっそく、入り口に周ってみると、このお寺は 観音禅寺 という名前で、900年前の宋の時代に建てられた由緒あるものらしい。

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観音禅寺(南寧市青秀山、11月5日)

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A temple of Zen in Nanning.
Olympus EP-1

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観音禅寺(南寧市青秀山、11月5日)

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A temple of Zen in Nanning.
Olympus EP-1


この寺の周りは亜熱帯雨林といえるような南国の植物が多く、奇怪な形のガジュマルの木や美しいブーゲンビリアの赤い花などが目立つ。

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ブーゲンビリアの花(青秀山、11月6日)

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Tropical flower “Bougainvillea”
Olympus EP-1



ツマベニチョウ; Great Orange

大きなブーゲンビリアの花を見上げていると、しばしばツマベニチョウが樹上に飛来した。

しかし、彼らは 韋駄天 のような速さで飛びまわるだけで、決して花に立ち寄って吸蜜することはなかった。すでにお昼近くなので、花で吸蜜するよりも探雌飛翔あるいは別のことに興味が移ってしまったのかもしれない。

この素晴らしい Great Orange が目の前に何度も飛んでくれば、虫林の心臓は高鳴り、血圧が上昇し、髪の毛が逆立ってしまう。何とか撮影したいと思い、満開のブーゲンビリアの花の前でしばらく粘ってはみたが無駄だった。

飛来しては飛び去る彼らをただただ見上げていた------。

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ツマベニチョウ Great Orange
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何度もブーゲンビリアの花上に飛来するが、吸蜜すること無飛び去った (青秀山、11月6日)

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A Great Orange flying over the flower of Bougainvillea
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



ルリモンアゲハ; Paris Peacock、Papilio paris

大きなブーゲンビリアの傍で運良く満開のランタナの花を見つけた。注意深く探してみると小規模ながらもランタナの群落が他にも数か所あったので、ブーゲンビリアとランタナの群落を交互に見まわりながら蝶が飛来するのを待ってみた。

待つこと15分、突然、後翅表面の大きな青紋を点滅させながらルリモンアゲハが訪れてくれた。今回、ルリモンアゲハを撮影したかったので、心の中で小さくガッツポーズ。

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ルリモンアゲハ Paris Peacock
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青い紋を点滅させて美しいルリモンアゲハが吸蜜に訪れてくれた (南寧市青秀山、11月6日)

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A Paris Peacock feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


ルリモンアゲハは東南アジアに広く分布する種類のようであるが、地域によりその斑紋や色に違い(地域変異)があることが知られている。

以前に台湾で撮影した個体は、今回のものと比較して紋の形や色が異なるようにみえる (台湾産は後翅表面の紋がここのものよりも緑っぽいかな?)(NDの台湾の記事にジャンプ)。

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ランタナの花で吸蜜するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A Paris Peacock feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


ランタナの花は蝶(とくにアゲハ類)が好んで集まるのだ(以前に訪れた南米でもペナン島でも、南インドでもこの花を見つけて良い思いをしている)。そういえば、ランタナはもともと南米や南欧州が原産らしいが、東南アジアでも雑草化して分布を広げているらしい。

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ランタナの花で吸蜜するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A Paris Peacock feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


ルリモンアゲハの裏面を見るとまさしくカラスアゲハとそっくりさんだ。ルリモンアゲハとカラスアゲハが同じ仲間であることが良く分かる。

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ランタナの花で吸蜜するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A Paris Peacock feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


吸蜜するルリモンアゲハの拡大写真を撮影してみた。

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ランタナの花で吸蜜するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A Paris Peacock feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


翅を完全に開くのは難しいので、吸蜜して翅を開いた瞬間をねらってシャッターを切った。翅表の両面がうまく撮影できたのはこの1枚だけだ。

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ランタナの花で吸蜜するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A Paris Peacock feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


<飛翔>
広角レンズでの飛翔写真はなかなか撮影できなかったが、150mmの望遠マクロで吸蜜している個体を撮影しようとねらっていると、飛翔の良いチャンスが何度かあった。

この写真は吸蜜に訪れたルリモンを撮影したが、花に静止して蜜を吸う前にすでにストローを伸ばしているのがわかる。多分、多くの蝶で同じなのだろう。

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飛翔するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A flying feature of Paris Peacock
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400

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飛翔するルリモンアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A flying feature of Paris Peacock
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



シロオビアゲハ; Common Mormon、Papilio polytes

シロオビアゲハも時々ランタナの花で吸蜜してくれた。この個体は素晴らしく新鮮なので、ファインダーを見ながら唸ってしまった。

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シロオビアゲハ(南寧市青秀山、11月6日)

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A Common Mormon feeding on the flowers of Lantana
Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


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§ Afterword §

南寧市は以前のブログでも書いたように、ビルが立ち並ぶ大きな都市なので、大学のキャンパス内で蝶の写真など望むべきも無かった。実際に内部を歩いてみても蝶など1頭もみなかったのだ。そこで、おおむね半日の間ではあったが、少し郊外に位置する青秀山を訪れてみた。

散歩といっても、ポイント見つけて数種類の蝶の撮影ができればいいなくらいの気楽なものだったので、ランタナの花で何種類かを撮影できたときにはとても嬉しかったのだ。


次回はカザリシロチョウなどをアップしようと思います





以上、 by 虫林花山


Commented by thecla at 2009-11-09 23:10 x
しばらく更新が無いと思ったら、中国へ行かれてたのですね。
ルリモンアゲハはこのルリ色の紋が何とも言えず、どちらかというと南方系の魅力的たっぷりですよね。
私は香港で遠くから撮影出来ただけなので、接近戦でのシャープな画像がうらやましいです。
Commented by fanseab at 2009-11-09 23:53
parisの吸蜜画像撮影おめでとうございます。
ランタナでの吸蜜はストローが離れて蝶が隠れないから
浮遊感が出ていいですね。
スナップにオリンパスのEP-1も登場ですね。これも一度使いたいです。
Commented by 蝶山人@昼休み at 2009-11-10 12:45 x
Papilio paris憧れの蝶です。
ルリモンに当たる光線もアングルもばっちりの
傑作写真ですね。
台湾の図鑑でルリモンとオオルリモン別に扱っている本が有りましたが
どちらもparisでどこが違うのでしょうか?
Commented by clossiana at 2009-11-10 14:19
虫林さんのブログがしばらく鳴りをひそめている時は、その後に必ずサプライズとなりますね。今回は中国南部だったのですね。ベトナムに近いというだけで何か未知の蝶も潜んでいそうでドキドキだったのでは?と推測しています。ルリモンアゲハは図鑑では知っていましたが何処に棲息しているのかなどは全く知りませんでした。裏面はカラスアゲハそっくりなのに翅表がルリモンがとても綺麗ですね。ため息が出ます。。。
Commented by banyan10 at 2009-11-10 18:40
中国でも南部は南国なのですね。
ルリモンアゲハはカラスアゲハの輝きに大きな瑠璃色の斑紋が加わるのですから贅沢な蝶ですね。
Commented by 虫林 at 2009-11-10 19:17 x
theclaさん、
このところ週末も忙しくて手が回りませんでした。
ルリモンアゲハは広く分布しているので、棲息しているはずだと思ったら、やはり見ることができました。でも、吸蜜にはなかなか来てくれないので、うまく撮影できて良かったです。
Commented by 虫林 at 2009-11-10 19:22 x
fanseabさん、
有難う御座います。
見かけたアゲハ類は結構な数ですが、撮影できたのはほんの一部です。なかなか思うようには行かないものですね。
ランタナの花にはそれでもルリモンが何頭かは訪れてくれたので助かりました。ツマベニチョウが悔しかったです。
Commented by 虫林 at 2009-11-10 19:30 x
蝶山人さん
有難う御座います。
Parisは何頭かがランタナの花で吸蜜してくれて良かったです。ランタナの花さまさまだったです。
ルリモンとオオルリモンの違いは僕も良くわかりません。台湾北部の亜種についてオオルリモンと呼ばれるのでしょうか?
Commented by 虫林 at 2009-11-10 20:56 x
clossianaさん、
あまり驚かせることなど考えてもいませんでしたが、たまたま忙しくてブログをアップすることができませんでした。
南寧はもっと田舎かと思っていましたが、残念ながら北京や上海を思わせる都会で驚きました。ルリモンは飛んでいるときに青い点滅があってなかなか綺麗ですよ。結構見ることができますが、撮影はなかなか難しかったです。
Commented by 虫林 at 2009-11-10 20:59 x
banyanさん、
南寧市は台湾や香港よりも南で、ベトナムとの国境の町ですから、植物や昆虫は南国の種類ですね。でも、思ったより都会で、そこが少し残念でした。今回も時間がなかったので、あまり撮影できませんでしたが、ついでの撮影なので仕方がないです。
Commented by himeoo27 at 2009-11-10 21:27
何時もながらどの写真も素晴らしいです。

その中でも、ルリモンアゲハの「吸蜜中のアップ」と
「ストローを伸ばして吸蜜を狙った飛翔」写真が秀逸
ですね!
Commented by 蘭丸 at 2009-11-11 08:49 x
虫林san、こんにちは。

ルリモンアゲハ、本当に綺麗ですね。私も台湾が懐かしく、南へ出かけたくなります。
南国ではランタナで吸蜜するチョウが多いのに、日本ではイチモンジセセリが多く、
アゲハの仲間はあまり来ない様に感ずるのですが、不思議なものですね。
Commented by 虫林 at 2009-11-12 10:14 x
ヒメオオさん、
有難う御座います。
ルリモンアゲハは以前に台湾でも撮影していたのですが、なかなかじっくりと撮影するチャンスがありませんでした。今回は比較的ゆっくりと撮影できたので嬉しいです。
ストローを伸ばして吸蜜する直前のものはラッキーでした。
Commented by 虫林 at 2009-11-12 10:17 x
蘭丸さん
こんにちわ、
ルリモンは台湾でも比較的良く見ることができますね。地域により少しずつ斑紋などが異なるようですが、ここのルリモンは台湾に比べて青いように思えました。
南国ではランタナの花は集蝶力がかなりあるように思いますが、そういえば、日本ではあまりアゲハがランタナを訪れるのは見てませんね。どうしてなのか僕には良くわかりませんが、ランタナよりも魅力的な花が日本には多いせいなのかな?
Commented by ダンダラ at 2009-11-12 14:36 x
わずかの時間でも精力的に活動されていますね。
ルリモンアゲハ、きれいな蝶ですね。
どの写真も躍動感があって素晴らしいです。
機会があれば撮影しに行きたい蝶です。
Commented by 虫林 at 2009-11-12 23:20 x
ダンダラさん、
有難うございます。
ルリモンアゲハは珍しいチョウではなくて、見ること自体は難しくありませんが、日本のアゲハ類と同様で、撮影するのは簡単ではありませんね。
今回は何頭かが花で吸蜜してくれたのでラッキーでした。
もう少しゆっくりと時間がとれればよかったと思いますが。
Commented by maeda at 2009-11-13 06:01 x
仕事柄でしょうか、行動半径がかなり広くて、何時も見知らぬ蝶を紹介して頂いています。
ルリモンアゲハ、良い色していますね。わくわくするでしょうね、こんな蝶に突然で会えると。
Commented by 虫林 at 2009-11-13 23:32 x
maedaさん、
仕事柄、国内、国外を問わず学会が多いので、いろいろな土地に行きますが、残念なのは短時間の観察しかできないのです。でも、短時間であっても、観光などしないで、なるべくカメラを持ってフィールドに出るように心がけています。
ルリモンはカラスアゲハに似ていますが、飛んでいると青い紋が綺麗ですよ。
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by tyu-rinkazan | 2009-11-09 22:57 | Comments(18)