20091223 冬の雑木林散歩:オオムラサキの越冬幼虫など
2009年 12月 24日
Nature Diary #0294
Date: December 23rd (Tuesday), 2009
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather:Fine
<オオムラサキの保全シンポ>
12月13日(日)に埼玉県の嵐山町で、第4回全国チョウ類保全シンポジウム が開催された。今回のテーマとして「日本の国蝶 オオムラサキ」が選ばれた。恥ずかしながら、案内に出ているオオムラサキの写真は虫林が撮影したものだったので、ぜひ出席したいと思っていたが、長崎出張と重なったために、このシンポジウムには出席できなかった------残念だ。
このシンポジウムを通して、オオムラサキというチョウが色々な意味で再認識されたことだろう。
とにかく、オオムラサキは日本が誇る大型美麗なタテハチョウなのだからね。
§ Diary §
本日(火曜日)は 天皇誕生日 で祝日。
ウィークデーの祝日は、何となく得した様で嬉しい。午後からは家内にお付き合いしなければならないが、午前中は久しぶりにゆっくりとフィールド散歩ができる。
そこで、夏にオオムラサキが多く見られる雑木林に、オオムラサキの幼虫を見に行くことにした。この時期になれば、オオムラサキの幼虫たちはエノキの木を降りて、落ち葉のベッドの中でほっこりと越冬しているはずだ。
少し寄り道した丘からは、甲府盆地の向こうにくっきりと八ヶ岳が見えた。

◆甲府盆地と八ヶ岳 (甲府市、12月23日)◆
.
Kofu basin and Mt. Yatsugatake
Olympus EP-1, MZD 14-42mm, 1/200, f22, EV-0.7, ASA200
▶オオムラサキの越冬幼虫; Great Purple Emperor
このところフィールド散歩にあまり出ていないので嬉しい。
林の中には太いエノキの木が数本あって、その根元に堆積しているコナラやエノキの枯葉を手でゆっくりとおこしながら探していくと、見覚えのある茶色い幼虫が見つかった。
オムラサキの越冬幼虫だ。

◆オオムラサキの越冬幼虫 (甲府市、12月23日)◆
.
An overwintering caterpillar of Great Purple Emperor on the dry leaf
Olympus EP-1, MZD 14-42mm, 1/60, f6.3, EV0.0, ASA200
オオムラサキの幼虫は枯葉の表面に、糸を出して越冬床をつくり体を固定する。
体長が2cmほどもあるので、肉眼でも背中にならぶ4対の突起が確認できる(良く似ているゴマダラチョウの幼虫は突起が3対)。

◆オオムラサキの越冬幼虫 (甲府市、12月23日)◆
.
An overwintering caterpillar of Great Purple Emperor
Olympus EP-1, ZD 35mm, MMF-1, 1250, f16 EV-1.3, ASA400
EP-1に魚露目レンズを装着して、超近接撮影にトライして見た。
使用したEP-1用ストロボのオリンパスFL-14 は高さがないので、そのままでは光のまわりがイマイチのようだ。さらに、魚露目レンズを装着してのオートフォーカスだとピントが合い難い場面があった。でも、条件設定自体は意外にスムーズだったので安心。
拡大して見ると、幼虫の頭には2本の長い角状突起があるが、その角の先は二股に分かれている。この二股分岐は、ゴマダラチョウの幼虫よりもオオムラサキの方が明瞭だ。
何のために二股に分かれているのだろうか?

◆オオムラサキの越冬幼虫 (甲府市、12月23日)◆
.
High power view of an overwintering caterpillar of Great Purple Emperor
Olympus EP-1, ZD 50mm, EC-4, MMF-1, Gyorome-8, 1/160, f25, EV+1.0, ASA200, Flash (FL14) +
オオムラサキの幼虫が付いている葉の端をゆっくり曲げて、目の様な偽眼でいかにも顔の様に見える頭部の前面下部を撮影してみた。こうしてみると、どこか動物の「コアラ」の顔に似ているようでユーモラスにみえる。

◆オオムラサキの越冬幼虫 (甲府市、12月23日)◆
.
Insect view: an overwintering caterpillar of Great Purple Emperor
Olympus EP-1, ZD 50mm, EC-4, MMF-1, Gyorome-8, 1/160, f20, EV0.0, ASA200, Flash (FL14) +
▶ゴマダラチョウの越冬幼虫; Japanese Circe
オオムラサキの幼虫を発見した場所では、同時にゴマダラチョウの幼虫も見つけることができた。ここでは、オオムラサキの幼虫よりも個体数は少ないようだ。

◆ゴマダラチョウの越冬幼虫 (甲府市、12月23日)◆
.
An overwintering caterpillar of Japanese Circe
Olympus EP-1, MZD 14-42mm, 1/80, f8.0, EV-0.7, ASA200, Flash (FL14) +
こちらはオオムラサキの幼虫よりも少し大きくて太っている上に、脊中の突起が3対なのですぐわかる。色もやや褐色がかっているしね。

◆ゴマダラチョウの越冬幼虫 (甲府市、12月23日)◆
.
An overwintering caterpillar of Japanese Circe
Olympus EP-1, ZD 35mm Macro, MMF-1, 1/80, f11.0, EV-0.7, ASA200, Flash (FL14) +
こちらも頭部下面の超近接撮影を行ってみた。オオムラサキとそっくりサンでコアラ系の顔にみえる。バカボンのパパにも似ているようだ。

◆ゴマダラチョウの越冬幼虫 (甲府市、12月23日)◆
.
An overwintering caterpillar of Japanese Circe
Olympus EP-1, ZD 50mm Macro, EC-14, MMF-1, 1/160, f20.0, EV-0.7, ASA200, Flash (FL14) +
▶オオオサムシ; Carabus dehaanii
少し時間があったので、韮崎市方面に足を延ばし、林の中の道の脇の土手で「オサ掘り」をしてみた。しばらくすると、土手の土の中から大きくて青黒っぽいオオオサムシが眠そうな顔をして(本当かいな?)現れた。

◆オオオサムシ (甲府市、12月23日)◆
.
An overwintering Carabus dehaanii
Olympus EP-1, MZD 14-42mm, 1/25, f7.1, EV-1.3, ASA400,
虫林はあまりオサ掘りをやらないが、甲府近辺では今までオオオサムシは今まで見たことがない(アオオサムシは多い)。一方、ここでは、アオオサムシはあまり見ることがない。
すると、アオオサとオオオサは棲み分けでもしているのかな?

◆オオオサムシ (甲府市、12月23日)◆
.
An overwintering Carabus dehaanii
Olympus EP-1, ZD 35mm Macro, MMF-1, 1/100, f5.0, EV-1.3, ASA400, Flash (FL14)
最近、EP-1を使用するようになってから重宝している35mmマクロレンズは、等倍までの撮影が可能で、さらにフォーサーズだと実質2倍になる。
下の写真は最短撮影距離付近で撮影したのだが、さすがにかなり大きくて迫力満点だ。

◆オオオサムシ (甲府市、12月23日)◆
.
An overwintering Carabus dehaanii
Olympus EP-1, ZD 35mm Macro, MMF-1, 1/100, f20.0, EV-0.3, ASA500, Flash (FL14)
▶オオクロナガオサムシ; Carabus kumagaii

◆オオクロナガオサムシ (甲府市、12月23日)◆
.
An overwintering Carabus kumagaii
Olympus EP-1, ZD 35mm Macro, MMF-1, 1/80, f14.0, EV-0.3, ASA400, Flash (FL14)
**************************************************
§Afterword §
今週は久し振りでゆっくりとフィールド散歩ができて嬉しい。
甲府周辺には夏になるとオオムラサキが多いので、冬期に幼虫を見つけることは難しくないようだ(簡単でもないけど)。虫林が知る限りでは、ゴマダラチョウは個体数があまり多くないので、幼虫もオオムラサキの方が多く見つかるようだ。
それにしても、こんな小さくて、どちらかといえば醜い幼虫が、あの大きくて、豪華で、力強いオオムラサキに変わるのだから自然とは面白いものだ。
以上、 by 虫林花山
Date: December 23rd (Tuesday), 2009
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather:Fine
<オオムラサキの保全シンポ>
12月13日(日)に埼玉県の嵐山町で、第4回全国チョウ類保全シンポジウム が開催された。今回のテーマとして「日本の国蝶 オオムラサキ」が選ばれた。恥ずかしながら、案内に出ているオオムラサキの写真は虫林が撮影したものだったので、ぜひ出席したいと思っていたが、長崎出張と重なったために、このシンポジウムには出席できなかった------残念だ。
このシンポジウムを通して、オオムラサキというチョウが色々な意味で再認識されたことだろう。
とにかく、オオムラサキは日本が誇る大型美麗なタテハチョウなのだからね。
§ Diary §
本日(火曜日)は 天皇誕生日 で祝日。
ウィークデーの祝日は、何となく得した様で嬉しい。午後からは家内にお付き合いしなければならないが、午前中は久しぶりにゆっくりとフィールド散歩ができる。
そこで、夏にオオムラサキが多く見られる雑木林に、オオムラサキの幼虫を見に行くことにした。この時期になれば、オオムラサキの幼虫たちはエノキの木を降りて、落ち葉のベッドの中でほっこりと越冬しているはずだ。
少し寄り道した丘からは、甲府盆地の向こうにくっきりと八ヶ岳が見えた。

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Kofu basin and Mt. Yatsugatake
Olympus EP-1, MZD 14-42mm, 1/200, f22, EV-0.7, ASA200
▶オオムラサキの越冬幼虫; Great Purple Emperor
このところフィールド散歩にあまり出ていないので嬉しい。
林の中には太いエノキの木が数本あって、その根元に堆積しているコナラやエノキの枯葉を手でゆっくりとおこしながら探していくと、見覚えのある茶色い幼虫が見つかった。
オムラサキの越冬幼虫だ。

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An overwintering caterpillar of Great Purple Emperor on the dry leaf
Olympus EP-1, MZD 14-42mm, 1/60, f6.3, EV0.0, ASA200
オオムラサキの幼虫は枯葉の表面に、糸を出して越冬床をつくり体を固定する。
体長が2cmほどもあるので、肉眼でも背中にならぶ4対の突起が確認できる(良く似ているゴマダラチョウの幼虫は突起が3対)。

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An overwintering caterpillar of Great Purple Emperor
Olympus EP-1, ZD 35mm, MMF-1, 1250, f16 EV-1.3, ASA400
EP-1に魚露目レンズを装着して、超近接撮影にトライして見た。
使用したEP-1用ストロボのオリンパスFL-14 は高さがないので、そのままでは光のまわりがイマイチのようだ。さらに、魚露目レンズを装着してのオートフォーカスだとピントが合い難い場面があった。でも、条件設定自体は意外にスムーズだったので安心。
拡大して見ると、幼虫の頭には2本の長い角状突起があるが、その角の先は二股に分かれている。この二股分岐は、ゴマダラチョウの幼虫よりもオオムラサキの方が明瞭だ。
何のために二股に分かれているのだろうか?

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High power view of an overwintering caterpillar of Great Purple Emperor
Olympus EP-1, ZD 50mm, EC-4, MMF-1, Gyorome-8, 1/160, f25, EV+1.0, ASA200, Flash (FL14) +
オオムラサキの幼虫が付いている葉の端をゆっくり曲げて、目の様な偽眼でいかにも顔の様に見える頭部の前面下部を撮影してみた。こうしてみると、どこか動物の「コアラ」の顔に似ているようでユーモラスにみえる。

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Insect view: an overwintering caterpillar of Great Purple Emperor
Olympus EP-1, ZD 50mm, EC-4, MMF-1, Gyorome-8, 1/160, f20, EV0.0, ASA200, Flash (FL14) +
▶ゴマダラチョウの越冬幼虫; Japanese Circe
オオムラサキの幼虫を発見した場所では、同時にゴマダラチョウの幼虫も見つけることができた。ここでは、オオムラサキの幼虫よりも個体数は少ないようだ。

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An overwintering caterpillar of Japanese Circe
Olympus EP-1, MZD 14-42mm, 1/80, f8.0, EV-0.7, ASA200, Flash (FL14) +
こちらはオオムラサキの幼虫よりも少し大きくて太っている上に、脊中の突起が3対なのですぐわかる。色もやや褐色がかっているしね。

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An overwintering caterpillar of Japanese Circe
Olympus EP-1, ZD 35mm Macro, MMF-1, 1/80, f11.0, EV-0.7, ASA200, Flash (FL14) +
こちらも頭部下面の超近接撮影を行ってみた。オオムラサキとそっくりサンでコアラ系の顔にみえる。バカボンのパパにも似ているようだ。

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An overwintering caterpillar of Japanese Circe
Olympus EP-1, ZD 50mm Macro, EC-14, MMF-1, 1/160, f20.0, EV-0.7, ASA200, Flash (FL14) +
▶オオオサムシ; Carabus dehaanii
少し時間があったので、韮崎市方面に足を延ばし、林の中の道の脇の土手で「オサ掘り」をしてみた。しばらくすると、土手の土の中から大きくて青黒っぽいオオオサムシが眠そうな顔をして(本当かいな?)現れた。

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An overwintering Carabus dehaanii
Olympus EP-1, MZD 14-42mm, 1/25, f7.1, EV-1.3, ASA400,
虫林はあまりオサ掘りをやらないが、甲府近辺では今までオオオサムシは今まで見たことがない(アオオサムシは多い)。一方、ここでは、アオオサムシはあまり見ることがない。
すると、アオオサとオオオサは棲み分けでもしているのかな?

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An overwintering Carabus dehaanii
Olympus EP-1, ZD 35mm Macro, MMF-1, 1/100, f5.0, EV-1.3, ASA400, Flash (FL14)
最近、EP-1を使用するようになってから重宝している35mmマクロレンズは、等倍までの撮影が可能で、さらにフォーサーズだと実質2倍になる。
下の写真は最短撮影距離付近で撮影したのだが、さすがにかなり大きくて迫力満点だ。

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An overwintering Carabus dehaanii
Olympus EP-1, ZD 35mm Macro, MMF-1, 1/100, f20.0, EV-0.3, ASA500, Flash (FL14)
▶オオクロナガオサムシ; Carabus kumagaii

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An overwintering Carabus kumagaii
Olympus EP-1, ZD 35mm Macro, MMF-1, 1/80, f14.0, EV-0.3, ASA400, Flash (FL14)
§Afterword §
今週は久し振りでゆっくりとフィールド散歩ができて嬉しい。
甲府周辺には夏になるとオオムラサキが多いので、冬期に幼虫を見つけることは難しくないようだ(簡単でもないけど)。虫林が知る限りでは、ゴマダラチョウは個体数があまり多くないので、幼虫もオオムラサキの方が多く見つかるようだ。
それにしても、こんな小さくて、どちらかといえば醜い幼虫が、あの大きくて、豪華で、力強いオオムラサキに変わるのだから自然とは面白いものだ。
以上、 by 虫林花山
数年前、北杜市のオオムラサキセンターがオオムラサキの幼虫
の絵画コンクリートを行っていたので応募したことがありまし
た。その夏見に行くと色々な力作が多数ありとても感心した覚
えがあります。
それにしても、この幼虫もとても可愛いと思うヒメオオです。
の絵画コンクリートを行っていたので応募したことがありまし
た。その夏見に行くと色々な力作が多数ありとても感心した覚
えがあります。
それにしても、この幼虫もとても可愛いと思うヒメオオです。
0
ヒメオオさん、
オオムラサキはやはり日本でも①1,2を争う大型タテハで、日本が誇る美麗種なのです。里山の代表選手なので、とてもなじみが深いですよね。幼虫探しは見つけると嬉しいものですよ。
オオムラサキはやはり日本でも①1,2を争う大型タテハで、日本が誇る美麗種なのです。里山の代表選手なので、とてもなじみが深いですよね。幼虫探しは見つけると嬉しいものですよ。
虫林さん、こんにちは
幼虫が葉っぱから顔を出している図、最高ですね。思わず笑ってしまいました。
幼虫が葉っぱから顔を出している図、最高ですね。思わず笑ってしまいました。
アッキーマッキー さん、
コメント有難うございます。
オオムラサキやゴマダラチョウの幼虫は苦労して見つけるとおっても嬉しいものです。これらの幼虫の顔はユーモラスで、僕も見つけると撮影してしまいます。なかなか楽しいですよね。
コメント有難うございます。
オオムラサキやゴマダラチョウの幼虫は苦労して見つけるとおっても嬉しいものです。これらの幼虫の顔はユーモラスで、僕も見つけると撮影してしまいます。なかなか楽しいですよね。
by tyu-rinkazan
| 2009-12-24 08:16
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Comments(4)
