20100912 信州の散歩道:アカジマトラカミキリ
2010年 09月 14日
Nature Diary #0348
Date: September 02 (Sunday), 2010
Place: Nagano
Weather: Cloudy and Fine
<忙中、閑あり>
このところとても忙しくて、なかなかフィールド散歩ができなかった。
そろそろ 酸素欠乏 ならぬ 散歩欠乏 症状が出ており、さらに肥満、高コレステロール血症、痛風、高血圧なども併発して今や「虫屋の虫の息」状態である。
ところで、「忙中、閑あり」 という言葉がある。
それは、忙しい忙しいと思っていても、冷静に見れば必ず閑な時間を見つけることが出来るというものだ。さらに言い換えれば、閑は自らが見つけ出すものだという意味にも解釈できる。この言葉はもともと中国から伝わったものだが、確かに真理を的確に言いえている。
ウーム、書を捨てて野にでよう---都合良く解釈して外に出ようとするのがミエミエだね。
**************************************************
§ Diary §
まだまだ暑い。
本日(日曜日)は甲府で気温37.2℃(全国2位)だった。
今週も土曜日はある講習会に参加し、日曜日(本日)は遅れている原稿の執筆。
でも、あまり部屋の中に閉じこもっているのも虫屋の精神衛生上良くないので、昼食がてら 「書を捨てて野に出る」 ことにした。この時期だと美麗稀種の アカジマトラカミキリ がそろそろ出現しているはずだ。
▶アカジマトラカミキリ; Anaglyptus (Akajimatora) bella
そこで、訪れたのは昨年のこの時期にアカジマトラを撮影した場所。
昼食後、アカジマトラを探して斜面を行ったり来たりしたが、結局、ここでは1頭も見つけることができなかった。やはり、 Spaticaさんの言うとおり神出鬼没な虫なのだ。
秋になって数を増したウラギンシジミだけが虫林を慰めてくれた。

#1: ウラギンシジミ
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A male of Angled Sunbeam perching on the leaf with wings smi-opened.
Olympus E-620, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-12, Nagano)
本命ポイントでボウズだったので、帰る前に別な場所に立ち寄ってみることにした。
そこはアカジマトラの食樹であるケヤキの木が数本だけで、あまり良い環境には見えなかった。すでに午後3時を回っているうえに曇り空だったので、林内はやや薄暗く、目をこらしてケヤキの木を見まわった。
探し始めて間もなく、大きなケヤキの木の根本で赤っぽい虫の姿を見つけた。あわてて近づいてみると、みまごうことなきアカジマトラだった。
やっと今年も「赤と黒」の縞模様に会うことができた。

#2: アカジマトラカミキリ
.
Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA400
(2010-September-12, Nagano)
アカジマトラの属名は Akajimatora という。
昆虫の学名で、種名や亜種名に日本人の名前や日本語がつくのは稀ではない。例えばクジャクチョウの東アジア亜種名は geisha (芸者)である。しかし、属名が日本語のローマ字表記される昆虫は少ない(少なくとも虫林は他には知らない)。
幹に移動したアカジマトラを下から広角レンズで撮影した。

#3: アカジマトラカミキリ
.
Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, ASA400
(2010-September-12, Nagano)
アカジマトラの食樹はケヤキだが、ケヤキの木は神聖なものらしく神社仏閣に多い。
ちょうどお祭りなのだろうか、境内には縄が張られていて、そこに色とりどりの布が付けられていた。虫林が住む甲府では、近所の神社のお祭りの〆縄には、四手(して)と呼ばれる白い紙を挟むがこちらはカラフルな布らしい。
ところ変われば四手も変わるといったところなのかな。

#4: アカジマトラカミキリ
.
Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA400
(2010-September-12, Nagano)
アカジマトラは、名前のごとく「赤と黒の縞模様」でとても綺麗だ。
まるで、ラクビーのタイガージャージを着ているようにも見える。この赤色は独特のもので、同じカミキリムシの仲間だとホシベニカミキリやベニボシカミキリの赤色に似ている。
鮮やかな赤は天敵である鳥たちが嫌う色なのだろうか?

#5: アカジマトラカミキリ
.
Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD8mm, EC-14 ASA400
(2010-September-12, Nagano)

#6: アカジマトラカミキリ
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Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD8mm, EC-14 ASA400
(2010-September-12, Nagano)
アカジマトラカミキリの赤と黒の縞模様は、一見派手に見えるが、ケヤキの幹に静止していると保護色となるから意外だ。
オリンパスのズイコーデジタル35㎜マクロレンズは、安価で軽くて、等倍まで撮影できるとても良いレンズなので、もう少し人気が出てもよいように思う。とくに、同じ絞り(F値)で100㎜マクロよりも深い被写界深度が得られるので、甲虫のよう体に厚みのある虫の撮影にはとても便利なレンズだと思う。

#7: アカジマトラカミキリ
.
Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD35mm, ASA400, Flash(+)
(2010-September-12, Nagano)
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§ Afterword §
やっと今週は更新できました。
ルリボシカミキリがサファイアならば、アカジマトラカミキリは赤いルビーだろう。今回はこのルビーになかなか出会うことができなかったが、運よく別な場所で見つけることができた。とにかく神出鬼没な虫らしい。山梨県にもいるみたいなので、来年あたり是非とも地元のアカジマトラカミキリを撮影してみたいと思っている。とにかく探すのに時間と体力そして忍耐力が不可欠だね。
ウーム、これからさらに忙しくなるが、忙中閑ありでフィールドに出たいと思っている。
でも、しばらくND(Nature Diary)も不定期更新になってしまうかな-----。
以上、 by 虫林花山
Date: September 02 (Sunday), 2010
Place: Nagano
Weather: Cloudy and Fine
<忙中、閑あり>
このところとても忙しくて、なかなかフィールド散歩ができなかった。
そろそろ 酸素欠乏 ならぬ 散歩欠乏 症状が出ており、さらに肥満、高コレステロール血症、痛風、高血圧なども併発して今や「虫屋の虫の息」状態である。
ところで、「忙中、閑あり」 という言葉がある。
それは、忙しい忙しいと思っていても、冷静に見れば必ず閑な時間を見つけることが出来るというものだ。さらに言い換えれば、閑は自らが見つけ出すものだという意味にも解釈できる。この言葉はもともと中国から伝わったものだが、確かに真理を的確に言いえている。
ウーム、書を捨てて野にでよう---都合良く解釈して外に出ようとするのがミエミエだね。
§ Diary §
まだまだ暑い。
本日(日曜日)は甲府で気温37.2℃(全国2位)だった。
今週も土曜日はある講習会に参加し、日曜日(本日)は遅れている原稿の執筆。
でも、あまり部屋の中に閉じこもっているのも虫屋の精神衛生上良くないので、昼食がてら 「書を捨てて野に出る」 ことにした。この時期だと美麗稀種の アカジマトラカミキリ がそろそろ出現しているはずだ。
▶アカジマトラカミキリ; Anaglyptus (Akajimatora) bella
そこで、訪れたのは昨年のこの時期にアカジマトラを撮影した場所。
昼食後、アカジマトラを探して斜面を行ったり来たりしたが、結局、ここでは1頭も見つけることができなかった。やはり、 Spaticaさんの言うとおり神出鬼没な虫なのだ。
秋になって数を増したウラギンシジミだけが虫林を慰めてくれた。

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A male of Angled Sunbeam perching on the leaf with wings smi-opened.
Olympus E-620, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-September-12, Nagano)
本命ポイントでボウズだったので、帰る前に別な場所に立ち寄ってみることにした。
そこはアカジマトラの食樹であるケヤキの木が数本だけで、あまり良い環境には見えなかった。すでに午後3時を回っているうえに曇り空だったので、林内はやや薄暗く、目をこらしてケヤキの木を見まわった。
探し始めて間もなく、大きなケヤキの木の根本で赤っぽい虫の姿を見つけた。あわてて近づいてみると、みまごうことなきアカジマトラだった。
やっと今年も「赤と黒」の縞模様に会うことができた。

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Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA400
(2010-September-12, Nagano)
アカジマトラの属名は Akajimatora という。
昆虫の学名で、種名や亜種名に日本人の名前や日本語がつくのは稀ではない。例えばクジャクチョウの東アジア亜種名は geisha (芸者)である。しかし、属名が日本語のローマ字表記される昆虫は少ない(少なくとも虫林は他には知らない)。
幹に移動したアカジマトラを下から広角レンズで撮影した。

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Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, ASA400
(2010-September-12, Nagano)
アカジマトラの食樹はケヤキだが、ケヤキの木は神聖なものらしく神社仏閣に多い。
ちょうどお祭りなのだろうか、境内には縄が張られていて、そこに色とりどりの布が付けられていた。虫林が住む甲府では、近所の神社のお祭りの〆縄には、四手(して)と呼ばれる白い紙を挟むがこちらはカラフルな布らしい。
ところ変われば四手も変わるといったところなのかな。

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Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA400
(2010-September-12, Nagano)
アカジマトラは、名前のごとく「赤と黒の縞模様」でとても綺麗だ。
まるで、ラクビーのタイガージャージを着ているようにも見える。この赤色は独特のもので、同じカミキリムシの仲間だとホシベニカミキリやベニボシカミキリの赤色に似ている。
鮮やかな赤は天敵である鳥たちが嫌う色なのだろうか?

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Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD8mm, EC-14 ASA400
(2010-September-12, Nagano)

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Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD8mm, EC-14 ASA400
(2010-September-12, Nagano)
アカジマトラカミキリの赤と黒の縞模様は、一見派手に見えるが、ケヤキの幹に静止していると保護色となるから意外だ。
オリンパスのズイコーデジタル35㎜マクロレンズは、安価で軽くて、等倍まで撮影できるとても良いレンズなので、もう少し人気が出てもよいように思う。とくに、同じ絞り(F値)で100㎜マクロよりも深い被写界深度が得られるので、甲虫のよう体に厚みのある虫の撮影にはとても便利なレンズだと思う。

.
Anaglyptus (Akajimatora) bella
Olympus E-3, ZD35mm, ASA400, Flash(+)
(2010-September-12, Nagano)
§ Afterword §
やっと今週は更新できました。
ルリボシカミキリがサファイアならば、アカジマトラカミキリは赤いルビーだろう。今回はこのルビーになかなか出会うことができなかったが、運よく別な場所で見つけることができた。とにかく神出鬼没な虫らしい。山梨県にもいるみたいなので、来年あたり是非とも地元のアカジマトラカミキリを撮影してみたいと思っている。とにかく探すのに時間と体力そして忍耐力が不可欠だね。
ウーム、これからさらに忙しくなるが、忙中閑ありでフィールドに出たいと思っている。
でも、しばらくND(Nature Diary)も不定期更新になってしまうかな-----。
以上、 by 虫林花山
忙しい中でも貴重なカミキリをしっかり見つけるのはさすがですね。
前に見せていただいたときから見たいと憧れています。
まだ遠くまで探しに行くまでの気持ちにはなっていないようですが、そのうち挑戦したいです。
前に見せていただいたときから見たいと憧れています。
まだ遠くまで探しに行くまでの気持ちにはなっていないようですが、そのうち挑戦したいです。
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少し赤が混じったウラギンシジミ♂の導入写真が効いて、最後のアカジマトラカミキリの35mmマクロ接写まで一気に堪能いたしました。
ぜひ暇を捻出していただきブログ更新お願いいたします。
ぜひ暇を捻出していただきブログ更新お願いいたします。
banyanさん、
有難うございます。
アカジマトラの食樹のケヤキの木は、どこにでもありますので、山梨県内でも見つけようと思えば、時間と体力が必要です。多分、東京の近くにも発生地があるかもしれませんね。でも、神出鬼没なので、発生地でも見られる保証はないですね。
有難うございます。
アカジマトラの食樹のケヤキの木は、どこにでもありますので、山梨県内でも見つけようと思えば、時間と体力が必要です。多分、東京の近くにも発生地があるかもしれませんね。でも、神出鬼没なので、発生地でも見られる保証はないですね。
yodaさん、
コメント有難うございます。
このカミキリは前年に多く見られても、次の年には全く見られないことが多いみたいです。コンスタントに見ることができる場所は僕はしりません。でも、秋のこの時期だけなので、挑戦したくなってしまうのです。時期は9月の中旬から下旬が最盛期ですね。
コメント有難うございます。
このカミキリは前年に多く見られても、次の年には全く見られないことが多いみたいです。コンスタントに見ることができる場所は僕はしりません。でも、秋のこの時期だけなので、挑戦したくなってしまうのです。時期は9月の中旬から下旬が最盛期ですね。
ヒメオオさん、
暖かいコメント有難うございます。
このところ学会などが立て続けに入っていて、思うようにフィールドに出れません。なるべく更新を続けたいと思いますが、なかなかね。
蝶もまだまだ楽しい時期ですよね。
暖かいコメント有難うございます。
このところ学会などが立て続けに入っていて、思うようにフィールドに出れません。なるべく更新を続けたいと思いますが、なかなかね。
蝶もまだまだ楽しい時期ですよね。
今年初めてホシベニカミキリを見たのですが、ああいう色なのに意外と周囲に溶け込んでいるのが印象的でした。ですから、このアカジマトラというカミキリは見た事がありませんが何となく仰られていることがわかるような気がしました。「書を捨てて野にでよう。。」はいい言葉ですね。書にばかり頼るなとの戒めなんでしょうが自分への言い訳にはもってこいですので愛用させてもらっています。
こんにちは。お忙しい中、しっかりとアカジマトラを見つけられたようですね。
私も今年はまだ一頭しか見かけていません。
お祭りはきっと小宮(こみや)の御柱ですね。
今年は諏訪大社の御柱の年ですが、このときに合わせて諏訪地方一帯のほとんどの神社で御柱祭がおこなわれます。
しかも神社だけではなく地区ごとの"山の神"やはては企業の神社でまで…。
大社と区別をするため、そういうものは小宮と呼ばれます。
今の時期はは毎週末どこかで行われていますよ。
駄文すみません…。
私も今年はまだ一頭しか見かけていません。
お祭りはきっと小宮(こみや)の御柱ですね。
今年は諏訪大社の御柱の年ですが、このときに合わせて諏訪地方一帯のほとんどの神社で御柱祭がおこなわれます。
しかも神社だけではなく地区ごとの"山の神"やはては企業の神社でまで…。
大社と区別をするため、そういうものは小宮と呼ばれます。
今の時期はは毎週末どこかで行われていますよ。
駄文すみません…。
clossianaさん、
コメント有難うございます。
ホシベニカミキリを観察されたとのこと、羨ましいです。こちらでは、食樹のタブが少なく、ホシベニカミキリはなかなか見ることができません(多分、分布していないかも)。
「書を捨てて野にでよう」は是非ともご愛用ください(笑)。
コメント有難うございます。
ホシベニカミキリを観察されたとのこと、羨ましいです。こちらでは、食樹のタブが少なく、ホシベニカミキリはなかなか見ることができません(多分、分布していないかも)。
「書を捨てて野にでよう」は是非ともご愛用ください(笑)。
spaticaさん、
コメント有難うございます。
昨年、おかげさまで初めてアカジマトラカミキリを見ることができました。今年はどういうわけか、昨年見かけた木では見ることができなくて残念でしたが、もう一か所の場所で何とかお目にかかることができて嬉しかったです。
なるほど、小宮の御柱祭なのですね。
地方の習慣がわからず何のお祭りかわからず不思議でした。貴重な情報を有難うございました。
コメント有難うございます。
昨年、おかげさまで初めてアカジマトラカミキリを見ることができました。今年はどういうわけか、昨年見かけた木では見ることができなくて残念でしたが、もう一か所の場所で何とかお目にかかることができて嬉しかったです。
なるほど、小宮の御柱祭なのですね。
地方の習慣がわからず何のお祭りかわからず不思議でした。貴重な情報を有難うございました。
by tyu-rinkazan
| 2010-09-14 06:23
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