20110123 真冬の散歩道:大きな氷柱など
2011年 01月 23日
Nature Diary #0368
Date: January 23 (Sunday), 2011
Place: Kofu and Nirasaki, Yamanashi
Weather: Fine
§ Diary §
大寒の候。
この大寒の時期に、剣道や柔道などでは好んで寒稽古をやる。寒中水泳をやる人もいる
----ウー、考えただけでも寒い。
それならば、虫林の場合は「寒フィールド散歩」をやらなければなるまい----意味がよく良くわからない。とにかく、レイジーな虫林は、この寒い時期に外を歩くのが億劫なので、何か理由を付けなければならないのだ。
ということで、今週は久しぶりにフィールドに出ることにした。
▶梅の花; Japanese apricot
甲府市および周辺には梅林が多い(甲州小梅が名産)。
丘の上にある梅林に寄ってみた。そこは、毎年梅の開花が他の場所に比べて早い。案の定、蕾がかなり膨らんで、まだ少しだけだがすでに花もほころんでいた。ここは高台なので、甲府市街から御坂山地や富士山が一望できる。
梅一輪、一輪ほどの暖かさ (by 服部嵐雪)
>> 梅一輪開花
.
I found the flowers on the Japanese apricot trees coaxed into blooming.
.
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA200
(Kofu, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
▶驚異の氷柱(つらら); Spectacular Icicles
道路の脇の日陰で、大きな氷柱を発見。
近づいてみると、崖からしみ出た水分がゆっくりと凍って成長したようだ。それにしてもずいぶんと伸びたものだ。今まで見た自然の氷柱では最も大きいかもしれないな。崖の上までは10mくらいはあるので、氷柱は長さ5mを越えている。
>> 長い氷柱(つらら)の崖
.
The spectacular icicles developed on the clif.
.
Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
(Kofu, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
普通に撮影すると、氷柱の実際の大きさが分からない。
そこで、三脚を設置してカメラを固定し、氷柱の横に自分を入れて撮影することにした。セルフタイマー12秒で撮影したが、氷柱のある場所まではかなり足場が悪いので、何度か転んで失敗してしまった。でも、何とか撮影できた。上から氷柱が落ちてきたら危険だったかもしれないな。
>> 氷柱(つらら)
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The icicles, up to 5m in length, developed on the clif.
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Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
(Kofu, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
▶オサ掘り; Digging banks
この時期、昆虫の姿を発見するのは容易ではない。
そこで、韮崎市の山林でオサ掘りをすることにした。オサ掘りとは、冬に土手を崩して、地中で越冬しているオサムシなどを見つけることだ。
準備して林に入ろうとしたその時、「そちらは入っては危険だよ」と声をかけられた。声のした方をみると、ライフル銃をもった人たちが数人集まっていた。早速、その訳を聞いてみると、虫林が入ろうとした斜面では、イノシシやシカの猟をしているとのことだった。まあ、彼らの山でもないので、そこに入っても問題はない。でも、本日はツキノワグマ風衣装?(黒い服に白い帽子)なので、万が一クマと間違われて撃たれても困るので、遠慮しとくに越したことはない。
とにかく反対側の斜面に入った。
この時期のオサムシは、道の脇の土手や斜面の土中で越冬しているが、どこにでもいるわけではなくて、土質、湿度などが越冬するのに適度な場所にいる。
>> 細い林道脇の土手
.
I spaded banks to see the carabid beetles
.
Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
(Nirasaki, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
まず出てきたのは、クロナガオサムシだった。
虫を傷つけずにうまく崩せると、オサムシが越冬している状態がわかる。オサ掘りでは、クロナガオサの仲間は、翅の表面にすぐに土がついてしまうのが残念だ。
>> 土手で越冬していたクロナガオサムシ(黒長歩行虫)
.
A carabid beetle、Carabus procerulus, came out from the bank,
.
Upper: Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
Lower: Olympus E-3, ZD8mm, EC-14, ASA200
(Nirasaki, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
しばらくオサ掘りをしていると、別なオサムシが転げ落ちてきた。
アオオサよりも一回り大きくて、黒っぽい。オオオサだ。
この辺りはオオオサの分布境界域なのかな。
>> オオオサムシ(大歩行虫)
.
A carabid beetle, Carabus dehaanii, came out from the bank,
.
Upper: Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
Lower: Canon 7D, ED100mm Macro, ASA400
(Nirasaki, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
▶カシアシナガゾウムシ; Mecysclobus piceus
今年はアカコブコブゾウムシ、ホオジロアシナガゾウムシは撮影できたか、カシアシナガゾウムシはまだだった。そもそも、カシアシナガが最も数が多いように思えるので、見つからないのが不思議だった。
ナラの枝先の分岐部にカシアシナガゾウムシを発見。
>> カシアシナガゾウムシ(樫足長象虫)
.
A winterpassing elephant beetle, Mecysclobus piceus, tightly holding the small branch with the long legs.
.
Canon 7D, ED100mm Macro, ASA400
(Nirasaki, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
**************************************************
§ Afterword §
今まで「虫が面白いから、花が美しいから、風景が感動的だから」というだけで、何も考えずに撮影してきた。でも、最近、ふと振り返ってみると、それぞれの写真には紛れもなく、その時の自分がそこにいる。つまり、写真とは自分の記録に他ならないのだ。
すでに梅の花がほころんで、春はもうすぐだ。
今回見つけた大きな氷柱は、今まで見たことが無かった。今年の冬の気温は例年よりも低いので、このように大きな氷柱が出来たのかも知れないな。驚いた。
マレーシアのチョウは名前が判明してからまたアップしてみたいと思っている。
以上、 by 虫林花山
Date: January 23 (Sunday), 2011
Place: Kofu and Nirasaki, Yamanashi
Weather: Fine
§ Diary §
大寒の候。
この大寒の時期に、剣道や柔道などでは好んで寒稽古をやる。寒中水泳をやる人もいる
----ウー、考えただけでも寒い。
それならば、虫林の場合は「寒フィールド散歩」をやらなければなるまい----意味がよく良くわからない。とにかく、レイジーな虫林は、この寒い時期に外を歩くのが億劫なので、何か理由を付けなければならないのだ。
ということで、今週は久しぶりにフィールドに出ることにした。
▶梅の花; Japanese apricot
甲府市および周辺には梅林が多い(甲州小梅が名産)。
丘の上にある梅林に寄ってみた。そこは、毎年梅の開花が他の場所に比べて早い。案の定、蕾がかなり膨らんで、まだ少しだけだがすでに花もほころんでいた。ここは高台なので、甲府市街から御坂山地や富士山が一望できる。
梅一輪、一輪ほどの暖かさ (by 服部嵐雪)
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I found the flowers on the Japanese apricot trees coaxed into blooming.
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Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA200
(Kofu, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
▶驚異の氷柱(つらら); Spectacular Icicles
道路の脇の日陰で、大きな氷柱を発見。
近づいてみると、崖からしみ出た水分がゆっくりと凍って成長したようだ。それにしてもずいぶんと伸びたものだ。今まで見た自然の氷柱では最も大きいかもしれないな。崖の上までは10mくらいはあるので、氷柱は長さ5mを越えている。
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The spectacular icicles developed on the clif.
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Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
(Kofu, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
普通に撮影すると、氷柱の実際の大きさが分からない。
そこで、三脚を設置してカメラを固定し、氷柱の横に自分を入れて撮影することにした。セルフタイマー12秒で撮影したが、氷柱のある場所まではかなり足場が悪いので、何度か転んで失敗してしまった。でも、何とか撮影できた。上から氷柱が落ちてきたら危険だったかもしれないな。
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The icicles, up to 5m in length, developed on the clif.
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Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
(Kofu, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
▶オサ掘り; Digging banks
この時期、昆虫の姿を発見するのは容易ではない。
そこで、韮崎市の山林でオサ掘りをすることにした。オサ掘りとは、冬に土手を崩して、地中で越冬しているオサムシなどを見つけることだ。
準備して林に入ろうとしたその時、「そちらは入っては危険だよ」と声をかけられた。声のした方をみると、ライフル銃をもった人たちが数人集まっていた。早速、その訳を聞いてみると、虫林が入ろうとした斜面では、イノシシやシカの猟をしているとのことだった。まあ、彼らの山でもないので、そこに入っても問題はない。でも、本日はツキノワグマ風衣装?(黒い服に白い帽子)なので、万が一クマと間違われて撃たれても困るので、遠慮しとくに越したことはない。
とにかく反対側の斜面に入った。
この時期のオサムシは、道の脇の土手や斜面の土中で越冬しているが、どこにでもいるわけではなくて、土質、湿度などが越冬するのに適度な場所にいる。
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I spaded banks to see the carabid beetles
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Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
(Nirasaki, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
まず出てきたのは、クロナガオサムシだった。
虫を傷つけずにうまく崩せると、オサムシが越冬している状態がわかる。オサ掘りでは、クロナガオサの仲間は、翅の表面にすぐに土がついてしまうのが残念だ。
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A carabid beetle、Carabus procerulus, came out from the bank,
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Upper: Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
Lower: Olympus E-3, ZD8mm, EC-14, ASA200
(Nirasaki, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
しばらくオサ掘りをしていると、別なオサムシが転げ落ちてきた。
アオオサよりも一回り大きくて、黒っぽい。オオオサだ。
この辺りはオオオサの分布境界域なのかな。
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A carabid beetle, Carabus dehaanii, came out from the bank,
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Upper: Olympus E-3, ZD12-60mm, ASA200
Lower: Canon 7D, ED100mm Macro, ASA400
(Nirasaki, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
▶カシアシナガゾウムシ; Mecysclobus piceus
今年はアカコブコブゾウムシ、ホオジロアシナガゾウムシは撮影できたか、カシアシナガゾウムシはまだだった。そもそも、カシアシナガが最も数が多いように思えるので、見つからないのが不思議だった。
ナラの枝先の分岐部にカシアシナガゾウムシを発見。
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A winterpassing elephant beetle, Mecysclobus piceus, tightly holding the small branch with the long legs.
.
Canon 7D, ED100mm Macro, ASA400
(Nirasaki, Yamanashi Pref., Jan-22-2011)
§ Afterword §
今まで「虫が面白いから、花が美しいから、風景が感動的だから」というだけで、何も考えずに撮影してきた。でも、最近、ふと振り返ってみると、それぞれの写真には紛れもなく、その時の自分がそこにいる。つまり、写真とは自分の記録に他ならないのだ。
すでに梅の花がほころんで、春はもうすぐだ。
今回見つけた大きな氷柱は、今まで見たことが無かった。今年の冬の気温は例年よりも低いので、このように大きな氷柱が出来たのかも知れないな。驚いた。
マレーシアのチョウは名前が判明してからまたアップしてみたいと思っている。
以上、 by 虫林花山
「つまり、写真とは自分の記録に他ならないのだ。」
私も振り返ってみて本当にそうだと思います。
これからも良い記録を残して行きたいと思います。
私も振り返ってみて本当にそうだと思います。
これからも良い記録を残して行きたいと思います。
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by
yoda-1 at 2011-01-24 12:56
よくこれらの甲虫を見つけられるものだと、また尊敬の念が一段と高まります。
写真は撮影したときの状況が蘇ってきていいですね。
たまに数日後の画像整理で、こんなもの撮影したのかなと思うこともごくたまにありますが。
マレーシアの続編、楽しみにしています。
写真は撮影したときの状況が蘇ってきていいですね。
たまに数日後の画像整理で、こんなもの撮影したのかなと思うこともごくたまにありますが。
マレーシアの続編、楽しみにしています。
22wn3288 さん、
最近、時々色々なことを考えます。
若い頃は、そんなことも考えずにただ写真を撮影するだけですが、最近ふとそんなことを思いました。たぶん、これは年齢を重ねた故に考えることで、そんなことに気づくのは歳をとつことも悪くないなと思っています。
是非とも楽しんで下さい。
最近、時々色々なことを考えます。
若い頃は、そんなことも考えずにただ写真を撮影するだけですが、最近ふとそんなことを思いました。たぶん、これは年齢を重ねた故に考えることで、そんなことに気づくのは歳をとつことも悪くないなと思っています。
是非とも楽しんで下さい。
Yoda-1さん、
以前は甲虫も興味があって、よく採集に行きました。蝶は、撮影をするようになってからです。甲虫の場合は、種類によっては知識がないとなかなかあえません(チョウのように飛ばないので)。昔取った杵柄というやつですね。
写真はおっしゃるとおりで、その時の状況がわかります。それは、まさしく本人の記憶にリンクしていますよね。
以前は甲虫も興味があって、よく採集に行きました。蝶は、撮影をするようになってからです。甲虫の場合は、種類によっては知識がないとなかなかあえません(チョウのように飛ばないので)。昔取った杵柄というやつですね。
写真はおっしゃるとおりで、その時の状況がわかります。それは、まさしく本人の記憶にリンクしていますよね。
皆さん、鳥、甲虫と懐が広くて冬の間も楽しんでおられますね。
私はただひたすら春の来るのを待つのみです。
冬の間は過去の写真を見直す機会も多いですが、デジカメで写真を撮り始めた2000年からを振り返ると、ほんとにおっしゃるようなことを感じます。
私はただひたすら春の来るのを待つのみです。
冬の間は過去の写真を見直す機会も多いですが、デジカメで写真を撮り始めた2000年からを振り返ると、ほんとにおっしゃるようなことを感じます。
Commented
by
himeoo27 at 2011-01-27 21:53
クワガタの飼育からこの道に入ってやっと4年目のヒメオオとしては、含蓄のあるお話でした。
まだまだ初見の昆虫ばかりなので、私は今のところ単純に楽しんでおります。
まだまだ初見の昆虫ばかりなので、私は今のところ単純に楽しんでおります。
by tyu-rinkazan
| 2011-01-23 22:40
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Comments(8)