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20110417 越中富山の里山散歩:ギフチョウ

=ギフチョウ詣で考=
毎年ギフチョウを撮影していても、桜が咲く頃になると天気予報を気にしてソワソワ、ドキドキ、ワクワクしてしまう。そしてやっと週末になると、カメラを片手にいそいそと車を飛ばしてギフチョウが棲むフィールドに出掛けるのだ。この 「春のギフチョウ詣で」 は、まるで 「パブロフの犬」 の条件反射のようになってしまっているのかもしれないな。そういえば、虫林は春になると涎(ヨダレ)が出て止まらないのだ(花粉症の鼻水だろ)。


§ Diary §

今回は蝶写友の kmkurobeさん(安曇野の蝶と自然)とご一緒して越中富山でギフチョウを追った。この時期の越中は桜の花が満開で、見はるかす先には切り立った輪郭を見せる北アルプスの名峰「剣岳」を筆頭にして雪をいただいた立山連峰が青空を背景に聳えていた(ブログタイトル写真)。

Kmkurobeさんにご案内いただいたギフチョウポイントは、棚田を囲むように点在する杉林や雑木林の周りで、その林床や土手には沢山のスミレ、カタクリ、キクザキイチゲの花が咲いていた。

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棚田とカタクリの花 (富山市, 4月17日)

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Olympus EP-1, MZD14-42mm, ASA200: Canon 7D, EF300mm, ASA400


到着した時は風が冷たく、空には雲が一面にかかっていた。

でも、しばらくして陽が差してくると目的のギフチョウが次々に現れ、道の脇の枯葉や枯草の上で日光浴をしてくれた。今年は今までギフチョウに会っていなかったので、ギフチョウと出会えただけで僕としては大満足だ。やはり虫屋であればギフチョウはね-----。

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日光浴するギフチョウ (富山市第2ポイント, 4月17日)

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Olympus EP-1, MZD14-42mm, ASA200


kmkurobeさんの呼ぶ声に急いで駆け付けてみると、1頭の新鮮なギフチョウのオスが斜面のタチツボスミレで吸蜜していた。スミレの花では吸蜜時間が短いのが普通だが(蜜の量が少ないためかな?)、この個体は比較的ゆっくりと吸蜜してくれた-----僕のように素早く撮れない撮影者にはとても有難かった。

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タチツボスミレで吸蜜するギフチョウ (富山市第1ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400
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タチツボスミレで吸蜜するギフチョウ (富山市第1ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


ここには、タチツボスミレの他に、ナガハシスミレやシハイスミレ、アオイスミレなどを認めたが、ギフチョウの吸蜜は、主としてタチツボスミレとシハイスミレで観察された。できれば、ナガハシスミレでの吸蜜を撮りたかったが、このスミレは距が長いので吸蜜し難いのかもしれないな。

でも、ここでは数が少ないシハイスミレでの吸蜜シーンをおさえることが出来たのは良かった。シハイスミレは山梨県には分布していないので、このスミレでの吸蜜は僕にとっては新鮮なものなのだ。

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シハイスミレで吸蜜するギフチョウ (富山市第1ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


下の飛翔写真だけを見ると、タチツボスミレの花を訪れたギフチョウのようにも見える。

つまり、上と下を逆にすると自然なのだが、実際に連続撮影した写真で確認してみると、明らかにこの飛翔写真は吸蜜後に飛び立ったものだった。偶然に連射していて良かった。

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吸蜜後に飛翔したギフチョウ (富山市第1ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


ギフチョウは吸蜜に飽きると、枯草の上でしばしば翅を広げて日光浴していた。

清書によれば、越中のギフチョウは越後や山形などのものに比較して、黄色い部分が少ないそうだ----どうだろうか。虫林には翅表の赤色紋の色が深くて目立つように感じたがかなり欲目が入ってしまったようだ。

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日光浴するギフチョウ (富山市第2ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


第2ポイントでは、スギの林に面した斜面の上の道が「蝶道」になっていて、そこで待っていると次々にギフチョウが飛んできてくれた。ただ、複数が視野に入るとどちらを追いかけるか迷ってしまう。

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日光浴するギフチョウ (富山市第2ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


下の写真の上左はシハイスミレ、上右はナガハシスミレ、下左は白花タチツボスミレ、下右はイカリソウ。

シハイスミレやナガハシスミレは甲府市内では見ることが出来ず、日本海側や関西に多いスミレである。また、山梨県で見かけるイカリソウはピンクから赤色なので、白いイカリソウ(トキワイカリソウ)はとても面白い。

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出会ったスミレとトキワイカリソウ (富山市第1ポイント, 4月17日)

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Canon 7D, EF300mm, ASA400


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§ Afterword §

今年はフライングしたり、天候不順だったりとギフチョウには振られていた。
これが今年初めてのギフチョウ撮影になりました。

今年の冬は気温が低く雪も多かったので、ギフチョウの発生時期を読むのが大変難しいようです。でも、この越中撮影行ではちょうど良い時期に訪れたようで、結構な数の新鮮なギフチョウに会うことが出来ました。古い資料をもとに良いポイント開発されたkmkurobe さんのお蔭です。

越中の散歩道は、またいつか必ず訪れてみたいなと思います。





以上、 by 虫林花山
Commented by ダンダラ at 2011-04-19 23:03 x
富山のギフはその環境も含めて素晴らしいですよね。
何回か足を運びましたが、何も知識がない状況で適当に行ったのでそれほどたくさんのギフに会うことが出来ませんでした。
(ちょっとフライング気味だったかも)
シハイスミレで吸蜜するギフチョウの写真、良いですね。
それに日光浴するギフの写真、確かに赤い紋がくっきりときれいです。
Commented by 虫林 at 2011-04-20 07:55 x
ダンダラさん、
コメント有難うございます。
富山のギフの棲息環境は、この蝶が里山の蝶であることが本当にわかるものでした。良いところでしたよ。
シハイスミレは数が少なかったので、このスミレでの吸蜜は嬉しかったです。こちらのギフは赤い紋は少し大きいような気がしますが、個体変異のレベルですかね。
Commented by kmkurobe at 2011-04-20 09:29
やはりすばらしい写真が並んでいますね。特に
シハイスミレで吸蜜するギフチョウ は雰囲気でていますね。
タイトルバックはいささか気恥ずかしいような・・・・・
あした天気が良さそうなのでこんどは立山町まで出かけてみようかと思っています。
Commented by 22wn3288 at 2011-04-20 09:46 x
いろいろなスミレでの吸密が見れて良かったです。
とても参考になります。
各地のギフを見せて頂いて、少しずつ違いがあるのが気になりだしてきました。見ていると楽しいですね。
Commented by banyan10 at 2011-04-20 17:44
富山は遠いですが、いつか行きたいですね。
一枚目のような環境で多くのギフが飛んでいれば最高で、広角で環境も写したくなります。
シハイスミレの吸蜜が一番雰囲気もあって見事ですね。
Commented by himeoo27 at 2011-04-20 20:44
やはり「ギフチョウ」は別格ですね!ギフの吸蜜シーンは、今年未撮なので楽しく拝見しました。
Commented by bjynp at 2011-04-20 22:25
虫林さん、こんにちは
日本海側に行くと、ナガハシスミレで吸蜜するギフチョウが撮れるんですね。いいなぁ。来年は僕も行こうかな?タイトル写真は、てっきり海外かと思ってました。いい眺めですね。
アッキーマッキー
Commented by 虫林 at 2011-04-21 10:31 x
kmkurobeさん、
お世話になりました。
お陰さまで楽しい一日を過ごすことができました。
シハイスミレは山梨県には分布していないので、スミレ好きの僕には、この吸蜜シーンはとても嬉しいものでした。
kmkurobeさんは、山座同定が素晴らしいので、いつも感心しています。タイトルバックは、そんなkmkurobeさんを良くあらわしているのかなと思います。
有難う御座いました。
Commented by 虫林 at 2011-04-21 10:34 x
22wn3288 さん、
コメント有難う御座います。
各地のギフを撮影できたら、もっと地域変異がわかるのですが、とにかくこの蝶は晴天無風の日にしか飛ばないので、撮影できただけでも嬉しいです。週末しか休みが取れないものには贅沢はいえませんね。でも、いつかは色々な地域で撮影して比較してみたいと思っています。
Commented by 虫林 at 2011-04-21 10:39 x
banyanさん、
有難う御座います。
今回はとにかくギフの写真を撮影したかったので、広角や飛翔にはあまりこだわりませんでした。このような場所だと、飛翔写真を撮影してみたくなりますね。
僕もシハイスミレでの吸蜜シーンがお気に入りです。
Commented by 虫林 at 2011-04-21 10:41 x
ヒメオオさん、
コメント有難う御座います。
僕もやっと今年のギフをゲットできました。シーズンはまだこれからなので、良い写真が撮影できるといいですね。
Commented by 虫林 at 2011-04-21 10:47 x
アッキーマッキーさん、
有難う御座います。
日本海側は太平洋側とことなる種類のスミレがあるので、スミレを見るだけでも楽しいです。それに、今回はシハイスミレでのギフチョウの吸蜜を撮影できたのが嬉しかったです。
ナガハシスミレでは残念ながら撮影できませんでした。
Commented by naoggio at 2011-04-21 21:34 x
富山のギフは見たことがありません。写真拝見すると周辺の環境は雪国らしいとてものどかそうな所ですね。
ギフチョウの静止画像見ると、おっしゃるように赤紋が大きめで鮮やかだと思います。とてもきれいに見えます。黄色が多いか少ないかは、なんとも言えませんねえ。
ところで山梨の県南や富士宮市でも、ギフチョウは里にもけっこういますので、今度探してみて下さい。
Commented by 虫林 at 2011-04-21 22:11 x
naoggio さん、
コメント有難うございます。
富山のギフはもちろん僕も初めてですが、環境が素晴らしかったですね。伐採とはあまり関係なく、そこの暮らしと密接に関連しているようでした。富士宮のギフはかなり少ないのと、山梨県南のギフも実は里では見たことがありません(かなり探しましたよ)。多分、以前は多く発生していたみたいですが、現在は見ることすら難しいです。また、今度色々と教えてくださいね。
Commented by naoggio at 2011-04-21 22:40 x
再度お邪魔致します。
そうですか、虫林さんが探されて見つからないとすると、昔とは違うのかもしれませんね。
私がよく通っていた頃は里の方でもけっこう見られたものですが、時代錯誤かもしれません。
来年は少し歩き回ってみたいですね。
Commented by 虫林 at 2011-04-21 22:50 x
naoggio さん、
再訪有難うございます。
いえいえ僕が無知なだけでしょう。あまり決めつけるのは確かに良くありませんね。あの文章はたしかに不適切かもしれません。削除しておきます。有難うございました。
Commented by ヘムレン at 2011-04-24 19:50 x
ロケーションが最高です。
ギフチョウが最高に似合う里山風景・・・・富山はいいですね(^^)。。
Commented by 虫林 at 2011-04-25 23:17 x
ヘムレンさん、
コメント有難うございます。
ほんとギフチョウが里山の生活と密接に関係している様子がわかりました。こんな場所で散策できるのは幸せでしたね。
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by tyu-rinkazan | 2011-04-19 21:35 | ▣ギフ | Comments(18)