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20130701 みちのく岩手の散歩道:キマダラルリツバメシジミなど

【 陸中のキマルリ 】
岩手県の陸中地方のキマダラルリツバメは、翅表の青い部分の面積が広くて美しい個体が多いとされている。また、陸中は本種の分布の北限にあたっているので、地理生物学的にもとても重要な地域といえるだろう。虫林は以前から陸中のキマダラルリツバメを撮影してみたいと思っていたが、数年前に某所で運良く撮影することができた。しかし、それ以後、何度か同地を訪れたもののその愛らしい姿に出会っていない。

もう一度、陸中のキマダラルリツバメに会いたいものだ。

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Diary #524 :
本日は晴れて蒸し暑くて「キマルリ日和」。

チョウセンアカシジミの撮影後、時計をみるとすでに午後2時半を回っていた。そこで、急いで数年前にキマダラルリツバメを撮影したポイントへと移動することにした。そこは山の斜面の農地に隣接したオープンフィールドで、周囲には本種を育てるシリアゲアリが好む大きな桐や桑の古木が点在している。

日陰で汗を拭き拭き待っていると、小さなシジミチョウがどこからともなく登場した。

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-A male of the Japanese Silverlines resting on the leaf.

----- Olympus OM-D E-M5 + Panasonic 100-300mm



久しぶりに見るキマダラルリツバメは本当に小さい。たとえてみれば、コツバメほどの大きさだ。

占有行動を示すオスのキマダラルリツバメがクズの葉上で翅を開いてくれた。
角度的にうまく撮影できないが、翅表のブルーが少し見える角度に回り込むことができた。

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-A male of the Japanese Silverlines resting with the wings opened.

----- Olympus OM-D E-M5 + Panasonic 100-300mm



ファインダー越しに見ると、トラ模様を呈する翅裏の地色が白磁のように白く滑らか。

日本のキマダラルリシジミは東南アジアに分布する近縁のシャマやロヒタに比較して、どこか楚々として優雅に見えるのは僕の思い込みだろうか。「色白美人」ならぬ「色白美蝶」かな。

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- The Japanese Silverlines

----- Olympus OM-D E-M5 + Panasonic 100-300mm



突然飛び立って現地で同行したH氏の背中で静止した。
この写真をみると、このチョウの大きさ(小ささ)がわかるね。

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-A male of the Japanese Silverlines resting on the back.

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro



モジツノゼミ
ツノゼミはセミに似ているが、セミとは異なるグループだ。ツノゼミは一般的なセミに比べて、とても小さくて(体長数mm)、驚くほどユニークな形をしている種類もいる。実際、ブラジルはサンパウロを訪れた時に見つけたヨツコブツノゼミなどは、頭の上に4つの瘤をもち、とても常識的にはありえない形態を示していた。


今回、ヨモギの葉上で見つけたものはモジツノゼミという。

このツノゼミは九州の門司で最初に見つかったのでモジツノゼミという名前が付いたようだ。丸山宗利著の「ツノゼミ ありえない虫」というユニークなツノゼミの本によれば、このモジツノゼミはヨモギにくるが、その個体数があまり多くないようだ。

南方系の虫であるツノゼミが岩手県の三陸で見つかるとは-----とても意外だな。

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-Treehopper (Tiunozemia paradox)

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro



クリストフコトラカミキリとコトラカミキリ
貯木場に立ち寄ってみると、クリストフコトラカミキリやコトラカミキリなどが材木上を走り回っていた。

クリストフコトラは虫林が住む山梨県でも見ることができるのだが、コトラカミキリの方は山梨県では記録がないようだ。コトラを見るのは本当に久しぶりだな。とにかく両種とも小さいトラカミキリという意味のコトラカミキリという名前だが、実はトラカミキリの仲間ではかなり大型の方なのだ。オオトラカミキリは実際に存在するので、チュウトラカミキリくらいが適当かも----格好悪いか。

下の写真の左がクリストフコトラカミキリで右がコトラカミキリ。

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- Plagionotus christophi and Plagionotus pulcher

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro




ここ数年姿を見ることができなかった北限のキマダラルリツバメに再び出会うことができた。しかし、写真撮影に適した場所は限られていて、その場所に移動するのが遅れたために、まともな写真を十分には撮影できなかったのが残念だ。また、来年も訪問できたら嬉しい。これでみちのく岩手の記事はひとまず終了。

今年も学生講義に呼んでいただいたS教授に感謝。



Nature Diary vol.8(38): #525
Date: July-01 (Sunday)/2013
Place: Iwate





Commented by 蝶山人 at 2013-07-04 08:27 x
陸中私の知っている産地は
発生木桐の場所と桑の場所がありました。
桑の場所は発生木が巨大化して
撮影が困難でしたが
近所の空き地でテリ張るそうです(未確認)。
いずれにしても雪が多い地方で
冬が寒かった年は青紋が巨大化し
光沢も強くなる傾向があるようです。
「Snow Spindasis伝説」
(もちろん個体変異も大きいですが)
今年は会津大当たりでしたが
陸中も再探索したいです。
Commented by naoggio at 2013-07-04 17:22 x
北限のキマルリですか、憧れますね。
南国で近縁種を撮影されてきた虫林さんの場合、尚の事思い入れがおありなのではないかなと想像しています。
会津産と比べて翅裏の黒帯の幅がいくらか狭く感じられますが気のせいでしょうか。
Commented by 虫林 at 2013-07-04 19:28 x
蝶山人さん、
福島のキマルリは今年は大当たりで良かったですね。
素晴らしい写真に見とれてしまいました。
今年は三陸もなかなか良いみたいで、複数の個体の卍巴飛翔
も観察できました。でも、写真を撮影するには場所を限定する
ことがいかに大切かを身に染みました。来年に期待したいと
思います。
Commented by 虫林 at 2013-07-04 19:31 x
naoggioさん、
世界的にみても、日本のキマルリは特殊ですし、さらに北限に
近い場所ということで大切な種類だと思われます。
会津産のものとはあまり違いがわかりませんが、黒帯の消失
傾向はたしかにみられるようです。
Commented by yoda-1 at 2013-07-04 19:48
実は私も6/30に本気で、岩手県のキマルリ探索を始めようかと思っておりましたが、弘前市のK氏に相談すると、キマルリ観察は岩手県ではかなり難しいとアドバイスされました。
それをこのようにまた撮影されるとはその力量に脱帽であります。
同時に、仕事がてらであるとは、なんともうらやましいです。
Commented by cactuss at 2013-07-04 20:03
昨年の今頃、岩手に行ったことを思い出しました。
岩手のキマルリはおっしゃるように白く、気品がありますね。
本当に美しいです。
Commented by Sippo5655 at 2013-07-04 20:42
北限での出会い・・・
それも、久々の。
本当に、良かったですね!
表裏の違いに驚きました。
裏面の黒も、はっきりと印象的!
ツノゼミ、、ひゃあ~、ほんと面白い姿をしていますね!
このカミキリさんも素敵な模様だぁ。。
私先日、オオトラフコガネに初めて出会って、仰天しました^^
また、新しい出会いを求めて、
次のフィールドが楽しみですね(*´∀`*)
Commented by kmkurobe at 2013-07-05 09:35 x
お疲れ様でした。当方昨日キナルリの初撮影で、不慣れ故に随分チャンスを失いました。クズやクルミなど真下近くに近寄ることができれば、リモートでカメラを近づけてもほとんど飛ばないようです。この種類もこれから撮影の幅がひろがりそうですね。
この土場良い雰囲気ですね。こういう所で久しぶりにゆっくり過ごしたいなと思いましたる
Commented by ダンダラ at 2013-07-05 20:45 x
北限のキマルリ、再撮影おめでとうございます。
自分の見つけたフィールドでの再開は何にもましてうれしかったのではないでしょうか。
言われてみれば、前後翅とも外縁の黒斑列が小さいような。
Commented by 虫林 at 2013-07-08 21:26 x
yoda-1さん、
青森では大きな成果を上げられたみたいですね。
三陸のキマルリは場所がかなり限定されるので、短期間で成果を
期待するのは少し難しいかもしれません。でも、トライですよね。
仕事がてらの落ち着きのない撮影で、いつも欲求不満になります。
Commented by 虫林 at 2013-07-08 21:28 x
cactussさん、
三陸のキマルリはどこか気品が感じられますが、なかなか
撮影に適した場所が見つからないのが難点ですね。
この美しさをみるとまた行きたくなります。
Commented by 虫林 at 2013-07-08 21:29 x
Shippoさん、
今年はキマルリ撮影、オメデトウございます。
やはりキマルリはそう簡単ではないので、すぐに撮影できる
のが羨ましましいです。
ツノゼミは面白いでしょ?
Commented by 虫林 at 2013-07-08 21:32 x
kmkurobeさん、
長旅の末のキマルリ撮影は、成功すると嬉しいですね。
今回はkmkurobeさんも撮影できたのですね、オメデ
トウございます。
キマルリは一味違いますものね。
土場の雰囲気が分かるのは昔、カミキリ屋だったからで
すね。良い雰囲気でしょ。
Commented by 虫林 at 2013-07-08 21:33 x
ダンダラさん、
三陸のキマルリは撮影しにくいので苦労しますが、今回は
やっと再撮影することができました。
黒紋は少し面積が少ないようで綺麗に見えます。
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by tyu-rinkazan | 2013-07-03 23:27 | Comments(14)