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20140208 雪降る夜に虫屋が見る夢は:五麗蝶譜を読む

DIARY #007 :

本日は朝から雪。
久しぶりの銀世界となった。

こんな雪降る日に虫屋が見る夢は----。


五麗蝶譜

数週間前に写真家の山口 進氏から突然小包が届いた。
開けてみると中には「五麗蝶譜」という本が入っていた。
本には山口氏の直筆サインも添えられていた。大感謝です。

昨年末に山口氏宅を訪れた際に、氏が上梓された「五麗蝶譜」という本を見せていただいた。この五麗蝶譜という本には「アリに育てられる5種類の蝶(ゴマ、オオゴマ、クロ、キマルリ、ムモンアカ)」の素晴らしい写真がその生態観察記録とともに載っていた。学術的価値を持った文献だった。これだけの内容を取材するには途方もない時間と労力が費やされたことは想像に難くない。聞けば、山口氏は若い頃に故・田淵行男(山岳写真家で高山蝶の研究者)に師事していたとのこと-----納得。

「五麗蝶譜」は不出世のアリ蝶本。

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----- 五麗蝶譜

---- Olympus OM-D E-M1 + MZD14-150mm



「五麗蝶譜」は、幼虫時代にアリに育てられる日本産の蝶5種(ゴマシジミ、オオゴマシジミ、クロシジミ、キマダラルリツバメシジミ、ムモンアカシジミ)について書かれている。5種とも今では開発や乱獲のために見ることさえも難しくなっている。

以下に、虫林が撮影した「五麗蝶譜のシジミチョウたち」の拙写真を載せておく。


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----- ゴマシジミ The Teleius Large Blue

---- Canon EOS60D, Sigma24mm, 2011/08/15, Aomori




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----- オオゴマシジミ The Eastern Large Blue

----Pentax istDS, FA200mm, 2006/08/12, Gifu




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----- クロシジミ The Gray-pointed Pierrot

----Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, 2009/07/05, Hakuba




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----- キマダラルリツバメ The Japanese Silverlines

----Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, ZD50mm Macro, 2009/06/20, Fukushima




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----- ムモンアカシジミ The Jonasi Orange Hairstreak

----Ricoh GR-D, Olympus E-510 + ZD50mm, 2008/08/03, Nagano




Notes :

当地としては大雪で、本日は高速道路や電車にも影響が出ている。

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----- Snow Falls

---- Olympus OM-D E-M1 + MZD14-150mm



こんな日にはゆっくりとチョウの本でも見ながらのんびりと過ごしたいものだ。

山口 進氏から拝受した「五麗蝶譜」はそのコンテンツのレベルからするとこんな雪の日にじっくりと味わいながら見るに限る。「五麗蝶譜」に載っている5種のアリ蝶の生態と写真は、見るほどに読むほどに引き込まれ、この蝶たちの生態を追っていた山口氏の姿まで連想してしまう。

有難うございました。


Nature Diary vol.9 (07): #567, 2014
Date: Feb-08 (Saturday)
Place: Kofu, Yamanashi



Commented by himeoo27 at 2014-02-08 17:01
蟻に育てて貰っているこれらの蝶は、どの種も
希少種ですね!
これからも末永く日本各地で生き延びて欲しい
ものです。
Commented by tamayam2 at 2014-02-08 19:30
雪の降る日にすばらしいプレゼントをいただいたの
ですね。いいなぁ。私、来週、グァテマラに用があって
行くことになりました。このBlogを見て一度中米、南米に
行ってみたかったのです。うまくチョウに出会えますでしょう
か。それは??ですが、楽しみにしています。
Commented by OTTO at 2014-02-08 21:43 x
「五麗蝶譜 」この本は、発売直後に買って、以来わたしの大切なお宝書籍の一つになっています。蝶の生態写真のお手本みたいな本ですよね。この本をまとめるのにどれほどの年月と労苦を費やしたかについ思いを馳せてしまうような素晴らしい写真集ですね。山口さんからの直接の贈り物とはまたさらに素敵なことでしたね。
Commented by アッキーマッキー at 2014-02-09 00:33 x
こんばんわ♬名古屋は雪がやみましたが、そちらはいかがですか?
そうですか、山口さんの「五麗蝶譜」を堪能されてたんですね。ずーーーと昔に大昆の会員だった知人が本書を持っておられ、自宅でちょっと読ませて頂き、とっても感銘を受け、古本屋さんを色々探したら東大の近くの古本屋さんにありましたが目玉が飛び出るくらいの価格で、買うのはあきらめましたが、その知人から長期間お借りして何度も読み返しました。その本を著者謹呈で頂けたなんて羨ましい限りです。
このところ野外には殆ど出ておらず、僕も春に咲くスミレの夢でも見ようかな?
Commented by みき♂ at 2014-02-09 15:09 x
こんにちは。
「五麗蝶譜」、ネットで検索すると古本価格がすごいことになっていますね。
ちょっといいレンズが買えそうな…。
この5種類の蝶にはまだ出会ったことがありません。
虫林さんのお写真もどれも素晴らしいです。
今年、どれか一種類でも見られたらいいなあ、と思ったりしました。
Commented by ダンダラ at 2014-02-09 17:03 x
えー、素晴らしい本を送っていただいたんですね。
1988年出版のようですね。
ちょうど蝶の趣味を一休していたころの時期にあたるので、この本、見たことありません。
うらやましいです。
Commented by 虫林 at 2014-02-11 17:05 x
ヒメオオさん
アリチョウは少なくなりましたね。
いつまでも元気に飛ぶ姿を見たいものです。
Commented by 虫林 at 2014-02-11 17:56 x
tamayamさん、
グアテマラとはうらやましいです。
この時期の南半球は真夏ですね。とても暑いと思いますが、
体に気を付けて、元気に楽しんでください。
Commented by 虫林 at 2014-02-11 17:59 x
OTTOさん、
五麗蝶譜をお持ちなのですね。
さすがです。
この本の内容は非常にレベルが高くて、その鋭い観察眼に
敬服するばかりです。僕のお宝になりました。
Commented by 虫林 at 2014-02-11 18:02 x
アッキーマッキーさん、
コメントありがとうございます。
アカネスミレやタチツボスミレの開花まですぐですね。
僕も楽しみです。
五麗蝶譜は本当に素晴らしい本でした。
Commented by 虫林 at 2014-02-11 18:05 x
みき♂さん、
みきさんのフユシャクの記事は素晴らしいです。
僕もみきさんのブログで勉強していますよ。
アリチョウは本当に少なくなりました。でも、これから撮影
されるのは楽しみですね。
Commented by 虫林 at 2014-02-11 18:08 x
ダンダラさん、
コメントありがとうございます。
五麗蝶譜は古本市場ではプレミアがついているようです。
でも、内容は本当に素晴らしくてため息が出るくらいです
ので、プレミアがつくのもうなずけます。山口さんには
感謝しています。
Commented by Sippo5655 at 2014-02-11 21:47
シジミチョウとアリの共生、とても興味があります。
もっといっぱいいると思ってました。
代表的な5種なんですか?
機会あればこの本を読んでみたいです。
Commented by 蝶調 山本 at 2014-02-14 12:08 x
中林さん こんにちは。お邪魔します。
「五麗蝶譜」を頂いたのだそうですね。どんな本なのか蝶しんまいの私には分からないのでいろいろ検索をかけてみました。今は絶版で中古本のみ目の飛び出すような値段で売っているのが分かり一層興味がわいてきました。蝶の先輩方の中に持っている人がいたらぜひ借りて読んでみたいと思います。私は飼育が大好きなので蟻と蝶の両方が飼えたらいいなと思っています。貴重な本をご紹介くださってありがとうございました。
Commented by 虫林 at 2014-02-23 21:32 x
Shippoさん、
この本には本当にすごい内容が書いています。
山口さんの途方もない努力が感じ取れるものです。
必見ですよ。
Commented by 虫林 at 2014-02-23 21:34 x
蝶調さん、
ご無沙汰です。
この本はすごいプレミアがついているみたいですね。
それよりも内容の素晴らしさに驚きました。
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by tyu-rinkazan | 2014-02-08 15:49 | Comments(16)

Photographic Adventures for Insects and Flowers


by 虫林花山
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