20140802 ブナの森の散歩道;オオホソコバネカミキリを探して by 虫林花山
2014年 08月 03日
▊DIARY #601 :
ホソコバネカミキリの仲間(ネキダリスあるいはネキと呼ぶ)は、鞘翅が異常に小さくて体が長細い。初めて見る人は間違いなくハチだと思うに違いない。ネキの仲間(日本に11種2亜種)は稀なものが多いが、その中で最も身近なものは「ブナの木に集まるオオホソコバネカミキリ(通称ソリダ)」だろう。数年前、虫友の kmkurobeさん(安曇野の蝶と自然)から長野県のある村に大きなブナの森があることを聞いた。なに、ブナの森=もしかしてソリダがいるかも?
今回はソリダを探してそのブナ林を散歩することにした。
█ ブナの森にて
小さな池は、ブナの森の緑を映しだす鏡。
ここのブナの木は巨木とまでは言えないまでも大きいものが多い。まるで悠久の年月を経た「森の守り神」だ。こんな豊かなブナの森を見ていると、自然を畏怖する昔の人々の気持ちが理解できる気がする。


------- Beech Woods
------- (Canon EOS 6D, EF100mm Macro)
█ ヒゲナガゴマフカミキリ
まだ樹皮が剥げていない新しい立ち枯れ木を見つけた。何かカミキリムシでもいないかなと見上げてみると、ゴマ塩模様のヒゲナガゴマフカミキリを見つけた。このカミキリはブナの木の常連さんだ。10mmの魚眼レンズで撮影した。

------- Annamanum griseolum
------- (Canon EOS 7D, Sigma10mmFisheye)
はじめは気が付かなかったが、幹をよく見ると♂♀が何頭も静止していた。
このカミキリは樹皮に静止しているとまるで溶け込んでしまうようだ。忍法でいえば、「樹皮化けの術」を身に着けているといえる。巧みな擬態のモデルとして、ある意味フォトジェニックなカミキリムシともいえるだろう。じっとしていればわからないものを、動いてしまうので虫林に見つけられてしまうのだ。
虫林は目が悪いが(口もね)、虫を探す視力だけはある(虫視力2.0)。


------- Annamanum griseolum
------- (Canon EOS 6D, EF24-70mm, EF100mm Macro)
█ 立ち枯れを訪れたオオホソコバネカミキリ
斜面の少し上に樹皮が剥げた大きなブナの立ち枯れを見つけた。
過去の経験からネキはこんな木に飛来するはずだ。
斜面にはツバキなどの低木が斜めに生えているので登るのが結構大変そうだ。でも、ネキの誘惑には勝てず、結局、ヒーコラ、ゼイゼイ、ハフハフいいながら斜面を登った。やっとたどり着いた立ち枯れの下で1時間ほども待っただろうか、さすがに飽きてきたので場所を移動しようとした時、木の上から降りてくるムシが見えた。
その虫はまさしくネキだった。
やはりこのブナの森に棲息していたのだ。


------- Necydalis solida
------- (Canon EOS 6D, EF70-200mm + X1.4 Telecon)
降りてきたネキを観察すると、鞘翅の半分ほどが黄色い------ソリダだ。
ソリダは歩き回ってばかりで静止してくれない。また、虫がいる部位が日陰なので光量も多くない。手ぶれしないように慌ててISO感度を上げたうえ、ストロボも併用して撮影した。こんな時は高感度に強いフルサイズの6Dで良かったなと思う。



------- Necydalis solida
------- (Canon EOS 6D, EF100mm Macro)
█ セアカハナカミキリ
この立ち枯れには何頭ものセアカハナカミキリ(クロオオハナカミキリ)も飛来した。このカミキリはハナカミキリというのに花で見た記憶が無い。かなり図体が大きい(キイロスズメバチくらいかな)ので、高いところを飛んでいてもすぐにそれとわかる。
待っていると下まで降りてきたので撮影。


------- Macroleptura thoracica
------- (Canon EOS 6D, EF70-200mm, X1.4 Telecon , EF100mm Macro)
█ キヌツヤハナカミキリ
ブナの木の常連さんであるキヌツヤハナカミキリも飛来した。
久しぶりに見る赤い服はなかなか良く目立って綺麗だ。


------- Corennys sericata
------- (Canon EOS 6D, EF100mm Macro)
█ マガタマハンミョウ
小径でマガタマハンミョウを見つけた。
初めて見るハンミョウだ。
このハンミョウは飛ぶことができないので安心していると、レンズを交換した時に消えてしまった。まったく神出鬼没なやつである。こんど再訪した時には必ずゆっくりと撮影してみたいものである。

------- Cylindera ovipennis
------- (Canon EOS 6D, EF100mm Macro)
▊ Notes :
今回、ブナの森を訪れて、予想通りネキのソリダを撮影することができた。
思い起こせば、このソリダに初めて出会ったのは高校生の頃に訪れた奥日光の丸沼でだった。そこには大きなブナの立ち枯れがあって、誰が名付けたかは知らないが「ソリダの木」と呼ばれていた。当時の虫林はカミキリムシに熱をあげていたので、ソリダを初めて手にした時には手が震えたのを今でも記憶している。時は過ぎ、久しぶりにソリダに出会って当時のことが走馬灯のように思い出されてくる。それだけソリダという昆虫には特別な思い入れがある。
ソリダを撮影後「雪解けサイダー」で祝杯。

Nature Diary vol.9 (41): #601, 2014
Date: August-02 (Saturday)
Place: Nagano
ホソコバネカミキリの仲間(ネキダリスあるいはネキと呼ぶ)は、鞘翅が異常に小さくて体が長細い。初めて見る人は間違いなくハチだと思うに違いない。ネキの仲間(日本に11種2亜種)は稀なものが多いが、その中で最も身近なものは「ブナの木に集まるオオホソコバネカミキリ(通称ソリダ)」だろう。数年前、虫友の kmkurobeさん(安曇野の蝶と自然)から長野県のある村に大きなブナの森があることを聞いた。なに、ブナの森=もしかしてソリダがいるかも?
今回はソリダを探してそのブナ林を散歩することにした。
█ ブナの森にて
小さな池は、ブナの森の緑を映しだす鏡。
ここのブナの木は巨木とまでは言えないまでも大きいものが多い。まるで悠久の年月を経た「森の守り神」だ。こんな豊かなブナの森を見ていると、自然を畏怖する昔の人々の気持ちが理解できる気がする。


------- (Canon EOS 6D, EF100mm Macro)
█ ヒゲナガゴマフカミキリ
まだ樹皮が剥げていない新しい立ち枯れ木を見つけた。何かカミキリムシでもいないかなと見上げてみると、ゴマ塩模様のヒゲナガゴマフカミキリを見つけた。このカミキリはブナの木の常連さんだ。10mmの魚眼レンズで撮影した。

------- (Canon EOS 7D, Sigma10mmFisheye)
はじめは気が付かなかったが、幹をよく見ると♂♀が何頭も静止していた。
このカミキリは樹皮に静止しているとまるで溶け込んでしまうようだ。忍法でいえば、「樹皮化けの術」を身に着けているといえる。巧みな擬態のモデルとして、ある意味フォトジェニックなカミキリムシともいえるだろう。じっとしていればわからないものを、動いてしまうので虫林に見つけられてしまうのだ。
虫林は目が悪いが(口もね)、虫を探す視力だけはある(虫視力2.0)。


------- (Canon EOS 6D, EF24-70mm, EF100mm Macro)
█ 立ち枯れを訪れたオオホソコバネカミキリ
斜面の少し上に樹皮が剥げた大きなブナの立ち枯れを見つけた。
過去の経験からネキはこんな木に飛来するはずだ。
斜面にはツバキなどの低木が斜めに生えているので登るのが結構大変そうだ。でも、ネキの誘惑には勝てず、結局、ヒーコラ、ゼイゼイ、ハフハフいいながら斜面を登った。やっとたどり着いた立ち枯れの下で1時間ほども待っただろうか、さすがに飽きてきたので場所を移動しようとした時、木の上から降りてくるムシが見えた。
その虫はまさしくネキだった。
やはりこのブナの森に棲息していたのだ。


------- (Canon EOS 6D, EF70-200mm + X1.4 Telecon)
降りてきたネキを観察すると、鞘翅の半分ほどが黄色い------ソリダだ。
ソリダは歩き回ってばかりで静止してくれない。また、虫がいる部位が日陰なので光量も多くない。手ぶれしないように慌ててISO感度を上げたうえ、ストロボも併用して撮影した。こんな時は高感度に強いフルサイズの6Dで良かったなと思う。



------- (Canon EOS 6D, EF100mm Macro)
█ セアカハナカミキリ
この立ち枯れには何頭ものセアカハナカミキリ(クロオオハナカミキリ)も飛来した。このカミキリはハナカミキリというのに花で見た記憶が無い。かなり図体が大きい(キイロスズメバチくらいかな)ので、高いところを飛んでいてもすぐにそれとわかる。
待っていると下まで降りてきたので撮影。


------- (Canon EOS 6D, EF70-200mm, X1.4 Telecon , EF100mm Macro)
█ キヌツヤハナカミキリ
ブナの木の常連さんであるキヌツヤハナカミキリも飛来した。
久しぶりに見る赤い服はなかなか良く目立って綺麗だ。


------- (Canon EOS 6D, EF100mm Macro)
█ マガタマハンミョウ
小径でマガタマハンミョウを見つけた。
初めて見るハンミョウだ。
このハンミョウは飛ぶことができないので安心していると、レンズを交換した時に消えてしまった。まったく神出鬼没なやつである。こんど再訪した時には必ずゆっくりと撮影してみたいものである。

------- (Canon EOS 6D, EF100mm Macro)
▊ Notes :
今回、ブナの森を訪れて、予想通りネキのソリダを撮影することができた。
思い起こせば、このソリダに初めて出会ったのは高校生の頃に訪れた奥日光の丸沼でだった。そこには大きなブナの立ち枯れがあって、誰が名付けたかは知らないが「ソリダの木」と呼ばれていた。当時の虫林はカミキリムシに熱をあげていたので、ソリダを初めて手にした時には手が震えたのを今でも記憶している。時は過ぎ、久しぶりにソリダに出会って当時のことが走馬灯のように思い出されてくる。それだけソリダという昆虫には特別な思い入れがある。

Date: August-02 (Saturday)
Place: Nagano
なんと居ましたかあそこに・・・・・・
私もいかなくちゃ。素晴らしい。感動が伝わってくるような絵ですね。おめでとうございます。
私もいかなくちゃ。素晴らしい。感動が伝わってくるような絵ですね。おめでとうございます。
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kmkurobeさん、
良いブナ林でした。ありがとうございました。
おかげさまでソリダを撮影することができました。
今月中にもう一度訪れてみようかなと思っています。
次回はクロホソコバネカミキリとヨコヤマヒゲナガカミ
キリも目標に入ります。もしよかったら----。
そろそろベニヒカゲの季節ですね。
良いブナ林でした。ありがとうございました。
おかげさまでソリダを撮影することができました。
今月中にもう一度訪れてみようかなと思っています。
次回はクロホソコバネカミキリとヨコヤマヒゲナガカミ
キリも目標に入ります。もしよかったら----。
そろそろベニヒカゲの季節ですね。
Shippoさん、
コメントありがとうございます。
ネキは甲虫愛好家にとってはひとつの憧れになって
いるのではないでしょうか。ソリダはその中でも身近
なものですが、やはり記録が無い場所で探してみつ
けると嬉しいものです。
虫視力2.0は言い過ぎでした。恥ずかしいです。
コメントありがとうございます。
ネキは甲虫愛好家にとってはひとつの憧れになって
いるのではないでしょうか。ソリダはその中でも身近
なものですが、やはり記録が無い場所で探してみつ
けると嬉しいものです。
虫視力2.0は言い過ぎでした。恥ずかしいです。
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by tyu-rinkazan
| 2014-08-03 22:34
| ■カミキリムシ
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