20150524 みちのく(岩手)の散歩道:チャマダラセセリとアズマギクなど
2015年 05月 25日
▊DIARY Vol.10 (663): #25, 2015 ▊:
待ち焦がれた春が瞬く間に過ぎて、暑い夏が駆け足でやってきました。
移り行く季節の狭間で、心地よい風に吹かれて散歩してみたいものです。
今回、学生講義を依頼され岩手県盛岡市を訪問することになりました。せっかく岩手にいけるのですから、講義が無いフリーの週末(土日)は日本のフィールドをのんびりと散歩してみたいものです(このところ海外出張が続いたので)。調べてみると、この時期の岩手ではチャマダラセセリ(愛称:チャマ)がちょうど出はじめのようです。ウーム、みちのくのチャマか---いいね。
とにかく、「風が吹き渡るチャマのフィールド」に出かけてみることにしました。
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▊ アズマギクの咲く草原でチャマに会う
チャマダラセセリの棲息する草原。
キジムシロやタンポポとともにアズマギクが咲き乱れていました。
群生するアズマギクの薄紫色の花は、とても上品で艶やかでした。
こんな草原の花園に身を置けるだけで幸せな気分に満たされます。
----▶ 群生するアズマギク-Erigeron thunbergii
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm)
アズマギクの花でチャマの吸蜜が撮影できたら嬉しいなと思っていたら----
なんと目の前の花にチャマの姿を見つけました。
じぇじぇじぇじぇじぇじぇじぇ じぇじぇじぇ(NHK連ドラあまちゃん風)。
黒い地に星を散らしたチャマと薄紫色のアズマギク
とても風情があってとてもフォトジェニック。
----▶ アズマギクで吸蜜するチャマダラセセリ- Maculatus Skipper
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)
チャマは黒っぽくて、小さくて、素早い。
見つけてもすぐに見失ってしまうことが多い。
吸蜜も落ち着きなくじっとしてくれません。
----▶ アズマギクで吸蜜するチャマダラセセリ-A nectar-suckling Maculatus Skipper
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus Pen E-P5, Panasonic 8mm Fisheye)
▊ タンポポで吸蜜
チャマの吸蜜シーンはタンポポで最も多く見られました。
----▶ タンポポで吸蜜するチャマダラセセリ- A nectar-suckling Maculatus Skipper
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)
▊ チャマがキジムシロの葉に産卵した
食草のキジムシロでも吸蜜シーンを撮影。
----▶ キジムシロで吸蜜するチャマダラセセリ- Maculatus Skipper
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)
キジムシロで吸蜜した個体は、産卵行動したので驚きました。
発生の初期と思っていたら、すでに♀も出ていたのです。
----▶ キジムシロで産卵するチャマダラセセリ- An egg-lying Maculatus Skipper
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)
▊ オキナグサ
この草原にはオキナグサも所々で見ることができました。
英名は「頷くアネモネnodding anemone」というらしい。
花が下向きに咲くからでしょう。
----▶ オキナグサ- nodding anemone
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus OM-D E-M1 MZD60mm Macro, Pen E-P5, Panasonic 8mm Fisheye)
▊ チョウセンアカシジミの終齢幼虫
まだ時間があったので、チョウセンアカシジミのポイントで幼虫を探してみました。
見つかったのは葉柄に静止している大きな終齢幼虫1頭だけでした。
すでに木を降りて蛹になってしまったのでしょうか?
下の写真はチョウアカ幼虫から蜜をもらっているトビイロケアリ。
(どうやら色の濃い部分に蜜腺があるらしい)
チョウアカの幼虫とアリの共生は興味深いものですね。
----▶ チョウセンアカシジミの終齢幼虫- The Korean Hairstreak
-----(Iwate, 23/May/2015、Olympus OM-D E-M1 MZD60mm Macro, Tough TG3)
??虫眼鏡ノート
岩手県のチャマダラセセリの撮影はこれが初めてになります。
見つけた個体数が少なかったのは発生初期だったから?----とも思いました。でも、♀もすでにでているので、あながち発生初期とは言えないかもしれません。別のチャマポイントでは、結局1頭も見つけることができませんでした。聞くところによれば、岩手県でもチャマは減少傾向が著しいようです。とにかく、木曽や富士山の棲息地ようになる前に「専門家による早急な保全対策」が必要ですね。
思いがけず、現地でOTTOさん(OTTOの蝶々ブログ)とお連れの方に遭遇しました。
短い時間でしたがお話で来て嬉しかったです。チャマ情報を色々と教えていただき感謝します。
みちのく散歩道の記事はもう一回掲載する予定です(次回はカミキリ編かな)。
Written by 虫林花山
待ち焦がれた春が瞬く間に過ぎて、暑い夏が駆け足でやってきました。
移り行く季節の狭間で、心地よい風に吹かれて散歩してみたいものです。
今回、学生講義を依頼され岩手県盛岡市を訪問することになりました。せっかく岩手にいけるのですから、講義が無いフリーの週末(土日)は日本のフィールドをのんびりと散歩してみたいものです(このところ海外出張が続いたので)。調べてみると、この時期の岩手ではチャマダラセセリ(愛称:チャマ)がちょうど出はじめのようです。ウーム、みちのくのチャマか---いいね。
とにかく、「風が吹き渡るチャマのフィールド」に出かけてみることにしました。
▊ アズマギクの咲く草原でチャマに会う
チャマダラセセリの棲息する草原。
キジムシロやタンポポとともにアズマギクが咲き乱れていました。
群生するアズマギクの薄紫色の花は、とても上品で艶やかでした。
こんな草原の花園に身を置けるだけで幸せな気分に満たされます。
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus Pen E-P5, M.ZD12mm)
アズマギクの花でチャマの吸蜜が撮影できたら嬉しいなと思っていたら----
なんと目の前の花にチャマの姿を見つけました。
じぇじぇじぇじぇじぇじぇじぇ じぇじぇじぇ(NHK連ドラあまちゃん風)。
黒い地に星を散らしたチャマと薄紫色のアズマギク
とても風情があってとてもフォトジェニック。
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)
チャマは黒っぽくて、小さくて、素早い。
見つけてもすぐに見失ってしまうことが多い。
吸蜜も落ち着きなくじっとしてくれません。
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus Pen E-P5, Panasonic 8mm Fisheye)
▊ タンポポで吸蜜
チャマの吸蜜シーンはタンポポで最も多く見られました。
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)
▊ チャマがキジムシロの葉に産卵した
食草のキジムシロでも吸蜜シーンを撮影。
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)
キジムシロで吸蜜した個体は、産卵行動したので驚きました。
発生の初期と思っていたら、すでに♀も出ていたのです。
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm)
▊ オキナグサ
この草原にはオキナグサも所々で見ることができました。
英名は「頷くアネモネnodding anemone」というらしい。
花が下向きに咲くからでしょう。
-----(Iwate, 24/May/2015、Olympus OM-D E-M1 MZD60mm Macro, Pen E-P5, Panasonic 8mm Fisheye)
▊ チョウセンアカシジミの終齢幼虫
まだ時間があったので、チョウセンアカシジミのポイントで幼虫を探してみました。
見つかったのは葉柄に静止している大きな終齢幼虫1頭だけでした。
すでに木を降りて蛹になってしまったのでしょうか?
下の写真はチョウアカ幼虫から蜜をもらっているトビイロケアリ。
(どうやら色の濃い部分に蜜腺があるらしい)
チョウアカの幼虫とアリの共生は興味深いものですね。
-----(Iwate, 23/May/2015、Olympus OM-D E-M1 MZD60mm Macro, Tough TG3)
??虫眼鏡ノート
岩手県のチャマダラセセリの撮影はこれが初めてになります。
見つけた個体数が少なかったのは発生初期だったから?----とも思いました。でも、♀もすでにでているので、あながち発生初期とは言えないかもしれません。別のチャマポイントでは、結局1頭も見つけることができませんでした。聞くところによれば、岩手県でもチャマは減少傾向が著しいようです。とにかく、木曽や富士山の棲息地ようになる前に「専門家による早急な保全対策」が必要ですね。
思いがけず、現地でOTTOさん(OTTOの蝶々ブログ)とお連れの方に遭遇しました。
短い時間でしたがお話で来て嬉しかったです。チャマ情報を色々と教えていただき感謝します。
みちのく散歩道の記事はもう一回掲載する予定です(次回はカミキリ編かな)。
Written by 虫林花山
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at 2015-05-25 22:09
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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maximiechan at 2015-05-26 19:39
アズマギクの群生も見事で、そこにちょこんと載るチャマダラセセリ、なんと素敵な絵でしょう。
素晴らしい場所があるのですね。
オキナグサも稀少ですよね。私はまだ自生のものは見たことがありません。
最後にチャマダラセセリの減少のことに触れられていますが、早急な保全対策については全く同感です。北茨城も産地の心配です。
素晴らしい場所があるのですね。
オキナグサも稀少ですよね。私はまだ自生のものは見たことがありません。
最後にチャマダラセセリの減少のことに触れられていますが、早急な保全対策については全く同感です。北茨城も産地の心配です。
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himeoo27 at 2015-05-27 20:47
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虫林
at 2015-05-28 09:06
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虫林
at 2015-05-28 09:11
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虫林
at 2015-05-28 09:13
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ここのところ採集者と会うのが嫌で、北茨城のチャマダラセセリの撮影には行っていないのですが、岩手の産地は素晴らしいですね。
一度こんなところで思いっきり撮影がしてみたいです。
でも岩手でも減少が著しいとは心配です。
一度こんなところで思いっきり撮影がしてみたいです。
でも岩手でも減少が著しいとは心配です。
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虫林
at 2015-05-31 18:52
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by tyu-rinkazan
| 2015-05-25 21:59
| ▣チャマダラセセリ
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Comments(8)