20220220 早春の散歩道: フチグロトゲエダシャクが飛ぶ河原
2022年 02月 25日
🔍虫眼鏡ノート
寒い冬がすぎ、春の訪れをそこここに確認できるワクワクする季節になった。ちょうどこの時期にはスギ花粉が飛び始め、花粉症の虫林は鼻がムズムズし始める。つまり、「ワクワク、ムズムズの季節」がやってきた。今年は例年に比べて気温が低くて、日本海側では大雪が降っている。こちらも季節の歩みが少し遅れているようだ。
今回はそんな早春の一時期だけに出現する小さな蛾を見に行くことにした。三寒四温のこの時期では、出会えるかどうかは僕の日頃の行いによるかな(自信が無い)。小さな蛾というのは、フユシャクの仲間のフチグロトゲエダシャクだ。この蛾は河原草原で出現するので、まだ冬枯れて茶色一色の広い河原の土手を目を凝らしながら歩いてみた。
山梨県南アルプス市、Fujifilm X-pro3, XF16mmF1.4 R WR
お昼過ぎになって気温が上がり始めると、目的の小さな蛾が飛び始めた-----フチグロトゲエダシャクだ。いよいよ雌がフェロモンを出して雄を呼ぶ「コーリングタイム」が始まったのだ。この蛾は、飛んでいる時は薄茶色の体色が背景に溶け込んでしまい、目で追うのがすこぶる難しい。すぐに見失ってしまうのだ。その上、非常に敏感で、やっと静止した個体を確認できても飛び立ってしまうことも多いのだ。
山梨県南アルプス市、Fujifilm X-pro3, XF16mmF1.4 R WR
飛び回るオスの姿を目で追っていたら、草の中にスッと消えて出てこない。おかしいなと思い、近寄ってそっと草を分けてみると交尾していた。オスは翅でメスを包み込むように交尾する。
山梨県南アルプス市、Fujifilm X-T4, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro
フチグロトゲエダシャクの雌には翅がない。フユシャクの仲間の多くは、雌の翅が退化しているのだ。それにしても、本種のメスは大きな体でモコモコしていて、どこかユーモラス。
山梨県南アルプス市、Fujifilm X-T4, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro
モンキチョウも一頭だけみることができた。
山梨県南アルプス市、Fujifilm X-T4, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro
ギシギシの葉上にベニシジミの終齢幼虫を見つけた。
山梨県南アルプス市、Fujifilm X-pro3, XF16mmF1.4 R WR
「年々歳々花あい似たり、歳々年々人同じからず----劉 延芝」
まだ雪がまばらに残っていたが、セツブンソウの花は健気に咲いていた。
山梨県甲府市、Fujifilm X-pro3, XF16mmF1.4 R WR
山梨県甲府市、Fujifilm X-T4, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro
Written by 虫林花山
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ainomidori443zeph at 2022-02-26 19:57
ご無沙汰しております。
2/25に多摩川の産地に行ってみましたが目撃すらできませんでした。また次の休みに挑戦します!
2/25に多摩川の産地に行ってみましたが目撃すらできませんでした。また次の休みに挑戦します!
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虫林
at 2022-02-27 06:39
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himeoo27 at 2022-02-27 18:18
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tyu-rinkazan at 2022-02-27 18:41
by tyu-rinkazan
| 2022-02-25 21:11
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