20220602 南アルプスの谿に飛ぶオレンジ：心躍のクモマツマキチョウ

▊DIARY Vol.16 (808): #19, 2022 ▊


🔍虫眼鏡ノート

　クモマツマキチョウ（クモツキ）は「高嶺の花」ならぬ「高嶺の蝶」。僕とクモツキとの出会いは、20年以上前に花の撮影に南アルプス前衛の山（櫛形山）を訪れたときに遡る（年を感じるね）。その後、毎年のようにこの蝶を撮影してきたが、今でもオスのオレンジが飛ぶ姿を見ると胸の高鳴りを禁じ得ない。すなわち、クモツキという蝶はいつまでも「心躍の蝶」なのだ。

　　今回、蝶友の小田さんと南アルプス山中の発生地を訪れた。ちなみに、南アルプスのクモツキ（南アルプス・八ヶ岳亜種）は、前翅表面の黒点が三ケ月形で、黒点が丸い北アルプス・戸隠亜種と区別できる。

林道を歩きながら見る南アルプスの山々は、圧倒的な雄大さで迎えてくれた



▊ クモマツマキチョウ

最初に現れたのはメス。
今年はまだメスを撮影してなかったので一安心。
▶クモマツマキチョウ♀
長野県 Fujifilm X-T4, Tamron 18-300mm F3.5-6.3 Dilll-A VC VXD BO61X


林道脇やガレ場には、オスがしばしば訪れたが、なかなか静止してくれない。クモツキのオスは気が強いみたいで、モンキチョウ、スジグロシロチョウばかりでなく、大きなアサギマダラまでも追いかけ回していた。
▶スジグロシロチョウを追尾するオス
長野県 Fujifilm X-T4, Tamron 18-300mm F3.5-6.3 Dilll-A VC VXD BO61X<


谷には食草のハタザオの花が多く。
陽が翳ると、ハタザオの花に静止してくれた。▶ハタザオの花で静止するクモツキ雄
長野県 Fujifilm X-T4, Tamron 18-300mm F3.5-6.3 Dilll-A VC VXD BO61X<


▶ハタザオの花で吸蜜するクモツキ雄
長野県 Fujifilm X-T4, Tamron 18-300mm F3.5-6.3 Dilll-A VC VXD BO61X<


一応、飛翔写真も撮影してみた。
▶クモマツマキチョウ飛翔
長野県 Fujifilm X-T4, Tamron 18-300mm F3.5-6.3 Dilll-A VC VXD BO61X<


オスとメスの開翅比較写真。
▶オスとメスの開翅長野県 Fujifilm X-T4, Tamron 18-300mm F3.5-6.3 Dilll-A VC VXD BO61X<


メスの産卵シーンと卵も撮影できた。▶メスの産卵シーン
長野県 Fujifilm X-T4, Tamron 18-300mm F3.5-6.3 Dilll-A VC VXD BO61X, Olympus Tough TG6



Written by 虫林花山