20250424 新緑の南アルプス散歩：春の天牛３種

▊DIARY Vol.18 (826): #07, 2025 ▊

🔍 虫眼鏡ノート

「歳月人を待たず」という言葉があるが、ぼやぼやしている間に桜も散り、野山は浅葱色から明るい緑色に変わってしまった。
　そういえば、先々週はNEXCO中日本のETCシステム障害で、高速道路から降りるときに料金を払うことができなかった。虫林は係員の言われるままに、次の日にネット上で支払い手続きをとったが、あとで聞いたら、支払いを無視した人もかなり多かったそうだ。そりゃあそうだよなシステム障害は利用者のせいではないのだから、通行料金支払いは全て免除にすべきだったと思うよ。
　今日は天気が良くて気温も高くなりそうなので、かねてより予定していた南アルプスを訪れてみることにした。

▊ トウキョウトラカミキリ 　Chlorophorus yedoensis.
トウキョウトラカミキリは高尾山で採集された個体で報告されたことから、和名に「東京」、学名にも江戸を意味する「yedoensis」という名前がついている。現地に到着して、何気なく下枝に咲く花に目を向けたとき、何とそこにはダークグレーの地に独特の模様のトウキョウトラカミキリの姿をみつけた。何とも呆気ない出会いだった。

　このトラカミキリは花上を忙しなく動き回り、カメラで撮影するのが容易でなかった。

▶トウキョウトラカミキリ
長野県伊那市 Fujifilm X-H2S, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro


トウキョウトラカミキリは花上を常に動き回っていたが、時々「しべ」の奥に頭を突っ込んでいる姿が観察できた。多分、蜜を摂食しているのかなと思う。

▶トウキョウトラカミキリ
長野県伊那市 Fujifilm X-H2S, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro


さらに嬉しいことに交尾個体も観察できた。

▶トウキョウトラカミキリの交尾
長野県伊那市 Fujifilm X-H2S, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro


▊ ヤマトシロオビトラカミキリ 　Kazuoclytus lautoides
ヤマトシロオビトラカミキりも時々見かけることができた。本種に初めて出会ったのは高尾で春のカミキリムシを探していた時に遡るので、だいぶ昔になる。シラケトラカミキリに大きさや模様が似ているというが、こちらはどこか格調が高いような気がする。

▶クヤマトシロオビトラカミキり
長野県伊那市 Fujifilm X-H2S, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro




▊ カエデノヘリグロハナカミキリ 　Eustrangalis distenioides
カエデノヘリグロハナカミキリも訪れた。本種は日本全国に分布しているけど、なかなかお目に書かれていなかったので嬉しい。前述の２種のトラカミキリに比較して、大きくて色彩も美しい。

▶カエデノヘリグロハナカミキリ
長野県伊那市 Fujifilm X-H2S, XF80mm F2.8 R LM OIS WR Macro




Written by 虫林花山