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20061119-3 台湾胡蝶散歩6(最終回)

台湾の胡蝶散歩もこれで最後になった。
蝶の撮影は、学会終了後のたった2日半ほどだったが、侯さんの案内のお陰で、充実した日々を過ごすことが出来たように思う(計60種ほど撮影)。
謝々!

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今回は蝶以外のものを少し供覧してみます。

新店近郊の山々には檳榔椰子(びんろうやし)の林が広がっている。
侯さんによれば、台湾では以前に檳榔(びんろう)が流行し、一時は米の収穫量よりも多い時があったということだ。

檳椰にはアレコリン(arecoline)というアルカロイドが含まれており、タバコのニコチンと同様の作用(興奮、刺激、食欲の抑制など)を引き起こすとされている。一緒に口に入れる石灰はこのアルカロイドをよく抽出するためらしい。

檳椰子には依存性があり、また国際がん研究機関(IARC)はヒトに対して発ガン性を示すことを認めている。喉頭癌のとの関連も問題視されているみたいだ。



◆檳榔椰子の林◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=



檳榔の流行は去ったが、今でも台北市内で販売されている。写真は虫林の宿泊したホテルの傍のお店だ。
インサートに、侯さんが買ってきてくれた檳榔を入れたが、写真のように実を葉で包んで、口に含むのである。侯さんに口の中に入れてごらんといわれたが、覚醒作用がどのようなものかわからないので、とうとうご遠慮させていただいた。
口に含んで噛むと石灰と混ざり赤い液になり、その液は外に吐き出すので、道が汚くなるのだそうだ。檳榔は台湾チューインガムと呼ばれているらしい。



◆檳榔の店◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200 =



山の道を散歩していたら、赤い実のなった大型植物があった。
侯さんに聞いたら、これは月桃をいう植物で、その実は仁丹の原料になるのだそうだ。
侯さんは家に飾るといって、実の付いた房を切り取って持ち帰った。
最初、月花と記載したが、記憶の誤りで月桃でした。miyagiさん、ありがとうございます。



◆月桃の実◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=



道路上で大きなバッタを見つけた。直翅目が苦手な虫林は、少し引き気味であったが、侯さんはこのバッタを上手に帽子で捕まえた。
指に挟んで見せてくれたが、日本のトノサマバッタに比較して、大きさは同じくらいかやや大きいぐらいであるが、胸の部分が鎧をつけているようで格好が良い。
台湾で最も大きなバッタだそうだ。
侯さんはこのバッタを子供のために持ち帰るのだという。



◆大きなバッタ◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=




◆大きなバッタ◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=



今度は体長7-8cm、足を含めると10cmは優に超えようかと思われるクモを捕まえた。
台湾の大きなコガネクモといった感じで、なかなかいかつい顔で迫力がある。このクモも子供に見せるのだと新聞紙に生きたまま包み、バックに入れていた。
ウーム、侯さんは本物のナチュラリストなのだ。恐れ入りました。
*このクモは、沖縄にも生息するオオジョロウグモというご指摘をうけました。
(miyagiさん、ご指摘ありがとうございました。)



◆大ジョロウグモ◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=



さらに道路上にはヨコバイかウンカあるいはハゴロモの仲間らしき虫が姿を現した。
日本ではヨコバイ・ウンカというと、せいぜい1cmくらいである。これは体長3cmほどもあり、なかなか立派な虫で、また模様も綺麗だ。



◆ハゴロモ?の1種◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=



カワトンボの一種が目の前に止まった。
翅のダンダラ模様がとても印象的だったので、撮影してみた。



◆カワトンボの1種◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=


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侯さんとお別れの時が来た。
この2日半の短い間ではあったが、とても親切にしていただいた。
天気は必ずしも良くは無く、時々雨が降ったりしたが、嫌な顔一つせず案内してくれた。
とても素晴らしい方だと思う。
なお、侯さんをご紹介いただいた、Fieldさんにも重ねて深甚なる謝意を表したいと思います。
有難うございました。

ホテルのロビーで最後のお別れの時に、侯さんから1冊の本を手渡された。
その本は、侯さんの知り合いの陳維壽氏が著した「大自然の舞姫」という本で、日本語で書かれている。



◆侯さんから戴いた本◆
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= Pentax K100D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200=



出版社は「白雲文化事業公司」という台湾の会社で、1977年(民国66年)に初版され、1978年に改定されている。すなわち、今から約30年前に台湾で出版された日本語の本ということになるではないか。
当時は台湾の本も日本では需要があったということか。
世相を考えると興味深い本である。
侯さんのサインとともに大事にしたいと思っておる。


日本に戻ってからも、「台湾の蝶病」はまだ抜けていないようだ。
もしかしたら不治の病になってしまったかもしれない。
これを治療するには、また南国に行くしかないのである。

ウーム、どうしよう。
Commented by kenken at 2006-12-03 22:10 x
ほぉ~、日本語で書かれているのですか。日本での需要が多いのでしょうね。
「蝶病」は私も罹患しています。幸い、「日本型」なので治療は国内だけで大丈夫なようですが、悪化しないようにしています。(笑)
でもね、歳をとってから「あなたの趣味は何ですか?」って質問された時に、「ん~っとねぇ」なんて考えたり、迷ったりすることなく、「蝶です」って答えられるのは誰がなんと言おうとも、素晴らしいことだと考えています。
Commented by fanseab at 2006-12-03 22:31
虫林さん、小生も危惧した通り、「不治の病」に罹られたようで、ご同慶の至りです(爆)  是非、治療目的で次なる国へ行って見てください。効率的に治療するにはなるべく南に行かれることをお勧めします(笑)
檳榔、懐かしいです。初めて台湾に出かけた際、舗装道路に点々と赤いゴミが落ちていて一体なんだろう?不思議な体験をしたものです。
Commented by 虫林 at 2006-12-03 22:51 x
kenkenさん、
蝶病はお互いにかなり重症のようですね。
kenkenさんは日本型ということですが、気をつけてください、南国型はかなり強力ですからね。
これからも蝶病相憐れむといったところで、宜しくお願いします。
Commented by 虫林 at 2006-12-03 22:56 x
fanseabさん、
fanseabさんの病は、「香港型」ですので強力みたいですよ~。
お蔭様で、南の蝶の面白さに目覚めました。
なるべく早く治療に行きたいと思っています。
檳榔は一つだけ試してみれば良かったと今後悔しています。
Commented by thecla at 2006-12-03 22:59 x
当時は海外の蝶、特に南の蝶は台湾が主だったのでしょうね。初期の頃の「月刊むし」とかを見ても台湾の蝶の標本が多かったように記憶しています。
「蝶病」、小生も重症です。症状は、国内だけだったものが北にも南にも全身に蔓延し、もうあきまへん(^^)
なおこの病気、保菌者同士が接触すると症状が悪化することが知られていますので、お気をつけて。(笑)
Commented by 虫林 at 2006-12-03 23:04 x
theclaさん、
そういえば、theclaさんも「香港型」でしたね、危ない、危ない、最も強力ですので隔離しないといけません。それから、保健所にも報告しなければ---。
もう、私は手遅れです(笑)。
Commented by miyagi at 2006-12-04 14:26 x
虫林さん 楽しい体験がいっぱいの台湾旅行でしたね。
檳榔は発癌性が指摘されているようなのに何故やめないんでしょうか?
※赤い実の月花は沖縄にも自生しており、和名はゲットウ(月桃)です。方言名:サンニン。種が仁丹の原料とは知りませんでした。そういえば香りが似てます☆クモも沖縄にいる大ジョロウグモと同種かと思われます。
Commented by chochoensis at 2006-12-04 15:24
虫林さん、「ハゴロモ?」の写真!素敵ですね・・・3センチもあるのですか・・・いつか見てみたいです。それと、驚いたのが「陳 維壽」さんのお名前が出てきてビックリしました・・・実は私が中学3年生頃だったかと思うのですが昔の「新昆虫」と言う雑誌の文通欄で知り合い、陳さんとしばらく文通した事があるのです。陳さんからはその当時の台湾のチョウを送ってもらった懐かしい想い出です・・・その当時、台北に住まわれていたと思います・・・。
Commented by mtana2 at 2006-12-04 19:43 x
虫林さん、台湾探蝶旅行、大いに楽しまれたようで何よりです。
蝶も、ほかの虫も楽しませていただきました。
台湾にはン十年前に1度だけ行ったことがありますが、屋台の風景、懐かしい気がします。
小生の場合は、蝶と鳥の併発で、国内型、末永く上手く付き合っていきたいですね。
Commented by 虫林 at 2006-12-04 20:11 x
miyagiさん、
檳榔はタバコと一緒で、身体依存性があるみたいで、習慣になってしまうようです。多分、それでなかなか止めれないみたいです。
赤い花の「月花」はmiyagiさんのご指摘どおり、「月桃:ゲットウ」です。
間違えました。恥ずかしい。最近、記憶力が弱くなってしまったようです。
後で、訂正させてください。
クモも沖縄の大ジョロウグモということですね、ご指摘ありがとうございました。とても参考になりました。
Commented by 虫林 at 2006-12-04 20:18 x
chochoensisさん、
ハゴロモ?はとても格好がいいでしょ!
小生も一番気に入っている虫です。
chochoensisさんが陳さんとお知り合いだったとは、奇遇ですね。
陳さんは台湾の蝶の第一人者みたいで、台北の昆虫博物館を主催されているみたいです。現在でもまだ昆虫関係の用事でお忙しいらしく、
小生が台北を訪れた時には、メキシコに出張中で、私は残念ながら会うことができませんでした。
お世話になった、侯先生とは非常に近しい知人みたいでした。
まだまだお元気そうなので、chochoensisさんも連絡をとられたら、
喜ぶと思いますよ。
Commented by 虫林 at 2006-12-04 20:31 x
mtana2さん、
コメントありがとうございます。
小生の場合は鳥に関しては感染歴は長いのですが、昆虫に比べてそれほど重症とはいえません。でも、昆虫菌とともに鳥菌のキャリヤーであることは間違いなさそうです。
鳥の観察は昆虫よりも世界的視野が必要で、できれば日本ばかりでなく、国外にも見に行ってみたいですね。是非とも、国内型といわずに国外にもお出かけ下さい、敗血症にならない程度にね。
Commented by Field at 2006-12-05 01:40 x
あら、もうオシマイ?残念!ずっと読み続けていたい気分でしたのに。
しかし、2日間で60種はただごとではありませんね。
英国では全部で40種弱と聞いています。さすが台湾!
侯さん、呂さん、陳さんは知人と言うよりは、若い頃からの親友関係のようです。
侯さんとは、電話で約束しちゃったので、来年9月か10月初旬に会いに行きます。
今度はもう少し南の方まで短い足を延ばせたらと考えています。
懐かしい台湾を満喫させていただきました。虫林さんに感謝です!
Commented by 虫林 at 2006-12-05 07:40 x
Fieldさん、
この度の台湾胡蝶散歩では、本当にお世話になりました。
台湾は日本との共通種が多く、また同時に固有種、南方種なども
多いので、本当に面白い所でした。
考えてみれば、昆虫には国境は無いのですね。ばかばかしい
当たり前のことですが、このことが認識できただけでも、今回
の台湾行は良かったと思っています。
日本本土、沖縄、台湾、その他の国と大きな視野で昆虫を少し
見ることができるようになりました。

あと、今回の旅では、台湾に暮らす人々との交流が本当にすばらしい
ものでした、侯さん、呂さんなどまた昆虫は抜きにしても会いに行きたい
と思います。

この台湾シリーズの第2回目の冒頭に書きましたが、台湾で
昆虫を探す事は小学生の時からの夢でした。
その夢を実現させていただいたFieldさんには本当に感謝して
います。有難うございました。

来年の9月、10月に行かれるとのこと、うーむ、うらやましい!
小生はしばらく夢の中で散策します。
Commented by k_ogane at 2006-12-05 16:27
はじめまして、
蝶々のきっかけで、ささやかな民間交流。
台湾出身の私は、とても感激。

候先生、陳先生、呂さんらは、もし、このシリーズと皆様のコメントを読んだら、
どんなにうれしいでしょう。

虫林先生、fieldさん、ありがとうございました。

Commented by 虫林 at 2006-12-05 18:46 x
oganeさん、
台湾は良かったですよ~。
蝶もヒトも自然も全てがね。
とくに、候先生、陳先生、呂さんらのオジイサン(失礼)パワーには
たじたじでした。素晴らしい方たちで、爪の垢でも煎じて飲みたいと
思っています。
こちらこそ、色々なありがたい情報ありがとうございました。

ところで、貴ブログで出されていた、日曜日の朝日テレビの 「題名のない
音楽会」2000回記念での奇跡のピアニスト フジコ・ヘミングさんの演奏
は私も感激して見ましたよ。耳が不自由な方だと伺っていますが、本当
に素晴らしい演奏でしたね。
司会者の羽田健太郎氏の演奏も感激しました。

これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
Commented by banyan10 at 2006-12-05 20:31
ゲットウはオオシロモンセセリの食草ですね。
沖縄へ行くと幼虫を探すのですが、なかなか見つかりません。もちろん、成虫も未撮影です。(^^;
ハゴロモの仲間も魅力的ですね。もっと、鮮やかなのもいるようで見てみたいです。
Commented by 虫林 at 2006-12-05 21:19 x
banyanさん、
そうですか、ゲットウはオオシロモンセセリとは知りませんでした。
大きな植物なので、幼虫を探すのが結構大変ですね。
いつか、立派なオオシロモンセセリに会ってみたいです。
有難うございました。

ハゴロモ?はなかなか立派なので、これからその名前などを
検索してみたいと思っています。
多分、もっと鮮やかなのもいるとは思いますが、11月ではそれほど
期待できないかもしれませんね。
Commented by KAZ at 2006-12-05 23:17 x
こんばんは、KAZです。
台湾胡蝶散歩、懐かしく見させていただきました。
不治の病はもう一度行かないと治りません。
是非また行って写真を見させてください。
埔里や墾丁はお勧めですよ。
Commented by 虫林 at 2006-12-05 23:35 x
KAZさん、
コメント有難うございます。
埔里は以前に訪れたことがあるのですが、その時は
1月でしたのでさすがに蝶はあまり記憶にありません。
墾丁は是非とも行って見たい所の一つです。
ここに行けば、不治の病も治るかもしれません。
かえって悪化するかも------。
Commented by たにつち at 2006-12-08 23:45 x
台湾胡蝶散歩ですか、いいですね。楽しかったご様子伝わってきました。
ビンロウの林の写真も迫力ありますね
台湾病という不治の病にかかってしまいましたか・・・
おそろしい・・近づかないよう気をつけなければ(^^;;)
Commented by 虫林 at 2006-12-09 02:08 x
たにつちさん、
小生の見たところ、たにつちさんも感染していると思いますよ、
沖縄蝶病にね。台湾蝶病と沖縄蝶病はほとんど同じ病気ですね。
あれ!、もしかして私の台湾蝶病の感染源はたにつちさんかな?
しかし、いまのところこの病気に効くワクチンはありませんので、
あきらめてください。
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by tyu-rinkazan | 2006-12-03 21:57 | ● Taiwan | Comments(22)