20070617 アイノミドリシジミ 他ゼフ(山梨県甲府市、北杜市)
遅れたら遅れたで、別に急ぐ必要も無いのだが、慌てて北杜市の雑木林に出かけた。ところが、これがいけなかった。現地について、いざ撮影しようとしたら、Pentax K10Dの中にバッテリーが無いのだ。そうだ、充電器に忘れてきたに違いない。
深呼吸して、北杜市の谷戸から空をみると、箒で掃いたように絹雲(巻雲)が、空一面に広がっていた。この絹雲というのは、天気の悪化を意味するものではないらしいが、一説によると、一直線のものはあまり良くなく、巻雲と呼ばれる、片一方が巻いている雲は、晴れるみたいだ。
今見ている雲は巻雲だ。

。。。 The silk clouds.appearing in the sky.
。。。.Pentax K100D, Pentax DA 10-17mm, elecon X1.4, ASA400
。。。.(2007-June-17, Hokuto-shi/Yamanashi)
そこで、自宅に戻り、朝食を摂った後、バッテリーを持って再度家を出た。
本日の目的は、アイノミドリの撮影だ!
§アイノミドリ初見§
途中の林道にはゼフの姿が全く無かったので、まだアイノの時期には早いのかなと思った。しかし、ポイントに到着すると、すでに彼らは飛び回っていた。

。。。 Chrysozephrus brillantius perching on the leaf to keep his territory.
。。。.Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA200
。。。.(2007-June-17, Kofu-shi/Yamanashi)
他にも所々で、テリ張りをしているアイノミドリを見かけるが、ここ(直径5mくらいの場所)以外では、アイノミドリの開翅写真の撮影は極めて困難といえる。
テリ張りをしているオスのアイノミドリは、闖入者が来るたびにスクランブル発進を繰り返し、元の枝の葉に戻ることを繰り返した。自分のテリトリーを見張って、いつでも発進できるように、半開きしている翅が青く光る。-------何度見ても綺麗だ。
ゼフィリストたちは、この幻光に魅了されているのだろう。

。。。 Chrysozephrus brillantius perching on the leaf to keep his territory.
。。。.Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA200
。。。.(2007-June-17, Kofu-shi/Yamanashi)
このオスは時々背の低いキイチゴの葉に静止した。キイチゴの葉は、目線よりも下なので、開翅写真を撮影するには最高のシチュエーションである。
アイノミドリシジミとメスアカミドリシジミはゼフの仲間の中でも、翅表の光が最も強いといわれている。この翅表の輝きは見る角度によって、異なる趣をみせる。
虫林の好みは、翅全体がビカビカにならない程度で、ミドリ色が良くわかるくらいのものが好きなのだ。つまり、掲載した写真程度の輝きが好ましいと思っている。

。。。 Chrysozephrus brillantius perching on the leaf with the wings opened
。。。.Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA200
。。。.(2007-June-17, Kofu-shi/Yamanashi)
§アイノミドリ飛翔§
テリ張りオスにとって、闖入者が同じ仲間のオスだと、お互いにクルクルと回りながら飛び続ける(卍飛行)。この時が、飛翔写真のチャンスだ。さもなければ、飛翔中の彼らを撮影するのは至難の技といえる。
この時も、卍飛行のチャンスは数回あったので、何とか飛翔写真をものにできた。

。。。Flying image of Chrysozephrus brillantius.
。。。.Pentax K100D, Pentax DA 10-17mm, Telecon X1.4, ASA200
。。。.(2007-June-17, Kofu-shi/Yamanashi)

。。。Flying image of Chrysozephrus brillantius.
。。。.Pentax K100D, Pentax DA 10-17mm, Telecon X1.4, ASA200
。。。.(2007-June-17, Kofu-shi/Yamanashi)
§ウラナミアカシジミ飛翔§
下草に点々とウラナミアカシジミが静止していた。多分、10頭くらいはいたと思う。
静止写真は何度も撮影しているので、今回は、前回失敗した飛翔写真にもう一度挑戦してみた。ほとんど開翅しない種類の翅表観察には、飛翔写真は有用だ。
この飛翔写真をみると、この蝶が♂である事がわかるね(翅端に黒い紋が無いので)。
背景のコンクリートが何ともクールじゃないかい?

。。。Flying of Japonica saepestriata
。。。.Pentax K100D, Pentax DA 10-17mm, Telecon X1.4, ASA200
。。。.(2007-June-17, Kofu-shi/Yamanashi)
ウラキンシジミを道路脇で見つけた。この個体は、翅裏の色調がやや暗く、多分オスなのだろう。円内にこの個体の飛翔写真を載せたが(何が何だか良く分からないね)、ウラキンの翅表はほとんどマックロクロスケ(真黒黒助)なんだ。あらためて感心してしまう。

。。。 Coreana stygiana resting on the leaf
。。。.Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA200
。。。.(2007-June-17, Kofu-shi/Yamanashi)
本日はかなりの数のウラゴマダラシジミを見かけた。大きな白いシジミチョウが飛んでいると、この時期は大抵がウラゴマダラである。
ウラゴマダラは静止した後、開翅することが多いので、この時も、葉上に静止したウラゴをしばらくの間見ていたら、案の定、開翅をした。翅を開くと、はっとするほど綺麗だ。

。。。 Artpoetes pryeri perching on the leaf
。。。.Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA200
。。。.(2007-June-17, Kofu-shi/Yamanashi)
この個体は別の個体で、残念はながら、後ろ翅の一部が欠損している。
でも、綺麗に撮影できたので載せた。

。。。 Artpoetes pryeri perching on the leaf
。。。.Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA200
。。。.(2007-June-17, Kofu-shi/Yamanashi)
ウラゴの翅裏表面の地色は、特別な白さである。これだけの白さは、この蝶に特別だ(サツマシジミも白い)。ウラゴマダラという名前はこの白い地に黒い紋が並んでいるところから来ているのだろうが、-------うーむ。

。。。 Artpoetes pryeri perching on the leaf
。。。.Pentax K100D, Tamron 70-300mm, ASA200
。。。.(2007-June-17, Kofu-shi/Yamanashi)
§Epilogue§
今回の日記は、ゼフだけに限定した。
ゼフ以外の蝶については、後日といいたいところだが、時間的に日記の作製が無理かも知れない、できなかったらあしからず。
例年だとアイノミドリのポイントを訪れるのは、7月初旬が多い。今回はアイノの時期には、少し早いかなと思ったが、訪れてみたら、意外に元気な姿を見ることができて嬉しかった。来週から連続して週末に遠征が予定されていて、本日が山梨のアイノミドリを観察するラストチャンスの可能性が高いと思う。
本日は十分に満足したので、早めに帰ろうとした時、カメラを首から提げている人に出会った。「こんちは、蝶の撮影ですか?」と虫林が声をかけると、彼は「そうです」という。とても良い方で、立ち話ではあるが、蝶に関しての色々なお話をした。彼は千葉のH氏で、有難い事に、小生の拙ブログも見ていただいているとのこと。
-----恐縮します。いつか撮影をご一緒しましょう。
山梨はゼフィルスがたくさんいますから、いい所ですね。
以前、この時期に毎週、通ったことがあります。
アイノミドリはこちらでは簡単には見つけられないので、うらやましいです。
特にこの♀はAB型がきれいなので是非撮影したいと思っています。
♀にあこがれてしまうのはゼフ位かな。

有難うございます。メスアカやアイノは山梨県内にかなりの分布地があると思いますが、同じ様な環境の新しい産地を開発したいですね。最近は根性がなくなって、楽してばかりです。
反省していますよ。
有難うございます。飛翔写真は目の前でクルクルと卍飛行をしてくれたので、何とか撮影できました。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるですね。
アイノのテリ張りポイントは、ミズナラの大木からかなり離れていて、比較的低い木のところでです。おもしろいですね。
メスはミズナラの林にいると思われるので、そこで見たことがありません。
AB型のメスを小生もいつか見てみたいです。
コメント有難うございます。
非常に狭い範囲ですが、アイノミドリのテリ張りポイントを数年前に見つけて、楽しんでいます。今回は卍飛翔をゆっくりとしてくれたので、飛翔写真が撮影できました。ラッキーでしたね。目の前でクルクルしてくれたのですから。ウラキンは何処へ行けば会えるというのではなくて、ただ偶然に出会ったのです。これまたラッキーでした。

アイノの飛翔はマルチ発光ストロボ使っていたらどうなっていたのでしょうかね?
考えるだけわくわくしてきます。
卍飛翔の絵を見て、どのタイミングで撮ったらなんてイメトレさせていただきました~。
来週から遠征ですか、成果楽しみにしております。

アイノの卍!!すごいですね。。お見事です。。時間を見つけて、行きま~~す。。このところ、早起き続きで、眠いです(^^;)
アイノは開翅も飛翔も見事ですね。なかなか手頃な良いポイントがないので苦労しています。
卍の広角ショットは小生も是非ものにしたいテーマです。
流石の画像を拝見してファイトが沸いてきました(笑)
アイノミドリの開は確かにちょうど良い色が出ていますね、綺麗です。
この卍どもえの写真は凄いですね、私も去年撮りましたが遠くて全然ダメでしたよ。
アイノの朝ははやいです。遅めに出かけて上手撮影にできたもんです。
こんな撮影したかったのですが・・・・・
それにしてもチャンスをものにする撮影力はさすがですね・・・・・
恐れ入りました。
クリソゼフの輝きは何となく一味違う趣が確かにあるようですね。
マルチ発光ストロボでの撮影は確かにおもしろそうですが、自信はありません。でもあの卍飛翔はもっと色々撮影してみたい気がしています。
アイノもメスアカも発生しているようですよ。
でも最盛期となると、6月下旬から7月初めくらいかな(小生のポイントでは)です。卍飛翔の写真は、蝶任せでした。
来週からの遠征ですが、ほとんど仕事がらみで、フィールドに1日でも出られたらOKです。でも少しでもおもしろいものが撮影できたらと思っています。
写真はアイノは甲府市内、メスアカは北杜です。北杜では、今はメスアカが多いようですが、オオミドリやダイセン、アイノ、クロミドリも運がよければ可能性あるようです。しかし、なかなか計算どおりには行かなくて苦労していますよ。
早起きが続いているようですが、朝の雑木林は気持ちが良いですね。
仰るとおりで、数がいても低い位置にテリ張りポイントがなければ、欲求不満だけが募りますね。今回のポイントは、その意味では小生にとって貴重なポイントといえます。毎年、楽しみにしています。何時か高い脚立を持ち込もうなんてと思いますが、それを持ち込む体力がありません。
クリソゼフはそれでなくても、ギラギラと輝きますので、このくらいが小生もちょうど良いかなと思っています。
ウラナミアカは、10頭以上が静止していまして、
脅かすとふらふらと飛ぶような状態でしたので撮影は楽でした。しかし、後で見ると綺麗な構図でピンが決まったものは少ないですね。
アイノのテリ張りポイントは非常に狭い範囲です。植樹からは離れていて、メスの可能性はひくいです。メスもいつか撮影してみたいです。
小生のポイントでのアイノの観察は、いつもはアサマとあわせて、7月上旬に訪れます。しかし、今年は事情があって早めに訪れました。何とか撮影できて良かったです。何しろ飛翔が速いので、それでなくてもすぐに見失ってしまいます。このときは卍飛行が、目の悪い小生の目の前だったので一応撮影できました。fanseabさんも是非ともトライしてください。期待していますよ。
そろそろアイノ・メスアカなどのクリソゼフの季節になりました。でもまだ発生初期のようですので、見かけた個体は綺麗です。アイノの表面の輝きは、小生はこのくらいの感じが好ましく思っています。
卍ともえでも、飛翔は極めて速いので、条件設定を考えて撮影しましたが、目の悪い小生には結構辛いものです。ラッキーでした。
コメント有難うございます。アイノやメスアカなどは、九州ではかなり稀になるので、撮影はなかなか難しいかもしれませんね。こちらに来られたときに、十分に楽しんでください。小生も少し頑張って、新ポイント開発してみようと思っています。
アイノのテリ張り行動をぼんやり見ていると、この蝶が何でこんな事をしているのかわかりません。どうも楽しんでいるようにしか見えないのです。
メスを見つけるわけでもなく、そこに美味しいものがあるわけでもありません。面白いですね。卍飛行はその中でも、とても楽しそうで、1種の運動会に見えてしまいます。
いつもコメント有難うございます。今年のゼフはこれからがシーズインになります。実はGRで広角写真を撮影しようと試みたのですが、さすがに敏感で、見事に飛ばれてしまいました。残念です。貴殿のGX100で敵討ちをお願いします(笑い)。

コメント有難うございます。相性の悪い蝶もあればどういうわけか相性の良い蝶もありますよね。アイノは多分まだ出始めですので、焦る必要はないと思います。高地では7月下旬まで見ることができますからね。
それより、撮影向きのポイントが大事でしょうね。小生はまだ経験が少ないので、アイノのポイントはここ以外にしりません。山梨県での分布はkなり広いはずですので、これから、新ポイントの発掘にも少し力を入れていきたいと思います。

ゼフの色がうまく写せないで困ってます。
飛翔も鮮やかですばらしい!!
このアイノミドリとメスアカミドリは、ゼフの中でも特に光沢が強い仲間のようです。低いところで翅を広げますと、ファインダーを覗きながら、胸の高まりを抑えられませんね。まだ未熟です。飛翔は目の前でクルクルと卍巴飛行を行ってくれたので、何とか撮影できた次第です。
コメント有難うございました。
コメント有難うございます。
小生よりもたにつちさんの法がベテランですので、ゼフの色に関しては、かなり高い要求レベルをもっていらっしゃるのですね。小生は、アイノなどは前方やや上から撮影すると、翅全体が綺麗に輝きますが、色が青緑になるような気がしています。ファインダーを覗きながら移動して、ミドリの光が強いところが好みです。
飛翔は、たにつちさんもご一緒したときにご覧になったように、小生のは下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるの原理ですよ(笑)。時々、数撃ってもあたりませんが----。

ミドリシジミのグリーンも魅力的ですが、さらに気品のあるアイノの翅表は何て美しいのでしょうか。ナイス・ショットですね。

ウラキンの属名も「coreana」か…? 30年以上前、飲んでボウリングをするとき、スコアシートに先輩達がカミキリの属名を書く中、ボクはチョウアカに敬意を表して「coreana」にしてましたっけ…。
有難うございます。
小生もアイノミドリの幻光に魅せられています。でもこの光が曲者で、ご存知のように見る角度によって趣がかなり違いますね。そこが面白いのかな?
コメント有難うございます。
小生も子供の頃、アイノミドリの標本を見て(確か国立博物館で)、世の中にこんな美しいものがあるのかと驚きました。以来、Chrysozephyrusにはそそられ続けていますよ。
ウラキンの属名は、原色蝶類検索図鑑(北隆館)では、coreanaで、チョウアカと同じ属ですが、新しい日本産蝶類標準図鑑(学研)では、チョウアカと別に分けて、Ussurinaになっていますね。どちらかといえば、後者が正しいのかな?小生には良く分かりません。岩手のcoreana (チョウアカ)を今年こそ見てみたいです。
私はまだピカピカ光る系のゼフの表翅を間近で見た事もないのでどれくらい光っているのか実感がないのですが、
虫林さんの写真のようなミドリの地色が生きた光沢、キレイだと思います。
顔もとてもかわいいです。
有難うございます。ピカピカ光る系ゼフは、なかなか間じかでみるポイントは少ないですよね。この時は、楽しそうに元気にテリ張りして、たまに下の葉に静止してくれるので、何とか撮影できました。
このようなゼフは前方やや上からが翅全体に光りますが、あまりビカビカではなく、この位がミドリが綺麗に出るので好みです。おっしゃるとおり、良く見ると顔もそういえば可愛いですね。

というよりも、最近出会ってません。今年は会えるかどうか??
急いでいても朝飯は食べてから出かけましょうね・・・。
コメント有難うございます。
ペンネームのアイノミドリを是非とも撮影してください。こちらでは多いので、今年はきっと会えますよ。
全くおっちょこちょいですので、色々忘れ物をします。朝飯はゆっくり食べる事にします。