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20080607 中野の「むし」社訪問 (東京都)

Nature Diary #0177
Place: Nakano, Tokyo
Date: June 7th (Saturday)
Weather:Fine


突然、旧い虫友で、中野の「むし」社に勤めている中村裕之氏から電話をいただいた。電話の向こうから聞こえてくる懐かしい彼の声は、以前と変わらずとてもソフトで優しい。そういえば、彼がむし社に就職してから今まで一度も会っていない。----彼の声を聞くのはかれこれ20年ぶりくらいになるだろうか。

ちなみに電話の用件は、月刊「むし」の7月号がオオムラサキ特集で、その表紙用写真の依頼についてだった。もちろん彼からの依頼であれば喜んでお受けしたのはいうまでも無い。さらに厚顔無恥な虫林は、本文に見開き2ページにわたる写真と短い文章の依頼も同時に請け負ってしまった。

本職の分野での依頼原稿はなかなか脱稿しない虫林も、今回のような昆虫の写真・原稿依頼は迅速に対応してしまった(次の日に脱稿)。われながら、その現金さに呆れている。


§ Diary §

今週末(土日)は、東京で所用があり、フィールドを散歩することができなかった。しかし、土曜日の日中に何とか時間をつくり、JR中野駅に程近い「むし」社を訪れた。
-----朋友の中村裕之さんと久しぶりに会うためだ。

「むし」社
むし社のビルに到着し、廊下をウロウロしていると、編集部の扉が突然開き、そこから長身の男性が現れた。お互い会うのは20年ぶりのはずだがすぐにわかった。聞くと、虫林が迷っているのではないかと心配してわざわざ出てきてくれたということだった。

近くの喫茶店で、オオムラサキ特集号の表紙と本文のゲラ刷りを見せていただいた。虫林の拙い写真がさすがに美しくレイアウトされていて感心した。このゲラ刷りをみると、少し誇らしく思える反面、自分の写真のアラが所々で見えてしまうのが怖い。やはり、これからはJPEGとRAWの両方で撮影すべきだと思った。

20080607  中野の「むし」社訪問 (東京都)_d0090322_21323279.jpg
JR中野駅構内の「むし」社の看板 (2008-June-07, 中野)

Advertising nameboard of insect magazine company, Gekkan Mushi
Ricoh GR-D


中村さんとは昔の思い出も含めて、色々な話しをした。彼は以前と変わらぬ穏やかな口調で語り、爽やかな笑顔も当時とまったく変わっていなかった。お互いもうよい年になってしまったが、彼と話しているといつの間にか昔の自分にフラッシュバックしてしまうようだ。

思い起こせば、当時の彼は、未知の昆虫や稀な昆虫を見つける独特の感性と洞察力、知力を持っていた。例えば、彼は岩手県宮古市の山中で、ホソコバネカミキリ属(通称ネキ)の大珍品といわれていたオダイことヒゲジロホソコバネカミキリ(Necydalis odai)の多産地を見つけ、さらには本州初記録となるセダカオサムシ(Cychrus morawitzi)までも発見した。

凡庸な感性しか持ち合わせない虫林は、当時の彼をうらやましく思ったものだ。

20080607  中野の「むし」社訪問 (東京都)_d0090322_21325286.jpg
。。。。。。。。。。むし社のビルと中村裕之氏 (2008-June-07, 中野)

。。。。。。。。。。Mr. Nakamura and a building iincluding a company of Mushi
。。。。。。。。。。Ricoh GR-D


マルモンサビカミキリ
話は前後するが、土曜日の朝、甲府駅のホームでベンチに座って特急「かいじ」を待っていると、虫林の読んでいる週刊誌に虫が飛来した。みると、マルモンサビカミキリである。

マルモンサビカミキリは少ないものではないが、多いカミキリムシでもない。通常、広葉樹の枯れ木で見るが、こんな場所で出会うなんて不思議だ。サビカミキリはページの上にしばらく静止していたが、突然飛び立った。ちなみに、雑誌は「週間新潮」だった。----------関係ないか。

20080607  中野の「むし」社訪問 (東京都)_d0090322_2133789.jpg
週刊誌に飛来したマルモンサビカミキリ (2008-June-07, 甲府市)

A longihorn beetle, Pterolophia angusta, resting on the paper of weekly magazine
Ricoh GR-D


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§Afterword§
むし社が発行する雑誌の中で最も広く知られている【月刊むし】は、創刊号から愛読している唯一の昆虫雑誌だ。しかし、中村さんによれば販売数は少しずつ漸減しているという。つまり、購読者層の虫屋が高齢化してしまい、若い虫屋のサプライがないためだろうということだ。自然保護、採集禁止が叫ばれる今日では、この傾向はさらに深刻化していくかも知れない。

現在、もっとも絶滅が危惧される種は、何をかくそう我々虫屋なのである(虫林指定天然記念物)。
-----早急な保護対策が必要かも?

いつかまた上京したときには、中野のむし社を尋ねて彼に会ってみようと思う。

以上、 by 虫林花山
Commented by maeda at 2008-06-09 06:10
それは楽しみな号になりますね。
私自身はむし社に行ったことがなく、時々雑誌を購入するくらいです。
昔は蝶が主体でしたが、そのうちに甲虫中心になったので、定期購読を止めた経緯があります。最近は蝶に戻ってきたとか。
Commented by Celastrina at 2008-06-09 07:03
中村さん、この画像だと、ニコラス・ケイジに似て見えますね。なつかしいなぁ・・・・・20代のころ・・・それはもう30年近く昔ですが、隣県なうえに同い年だったこともあって、ずいぶんお世話になりました。
宮古市の虫屋さんは、中村さん(愛称ヒロチン)、ミウラさん(ピーコ)、オオクボさん(イッキチクン)という爽やか3人組が兄弟のようにまとまっていて、東北で最も愛すべきグループだったことを思い出します。
学生時代に日大で「月刊イモ」を作っていた彼が、本家の「月刊むし」を編集していることには、感慨深いものがあります。彼の穏やかな笑顔は本当に変わりませんね。
「月刊むし」の魅力は、学会誌をしのぐと言っても過言でないクオリティーを月単位で維持している点と、昆虫界の時事情報が充実している点だと思います。何と言っても、作っている人たちの人柄がすばらしい。中村さんを見れば、その魅力を伺い知ることができると思います。
Commented by 虫林 at 2008-06-09 21:07
maedaさん、
有難うございます。
最近は、蝶研フィールドも無くなり、購読者をリクルートする目的で、月刊むしも蝶の記事を多くする方針みたいですね。
あまり、なじみの無い昆虫ばかりだとやはりアマチュア虫屋は購入しにくいですよね。
Commented by 虫林 at 2008-06-09 21:22
Celastrinaさん、
有難うございます。
確かに見ようによってはニコラス・ケイジに似てなくも無いです。いずれにしても彼は美男子ですよね。
今回、中村さんと久しぶりに会うことができてとても懐かしかったです。東京に暮らして、性格が少し変わったかと心配でしたが、彼は以前の穏やかで人の良い雰囲気が全くそのままで嬉しくなりました。
宮古グループはおっしゃるとおりで、兄弟のような雰囲気でしたね。しかし、彼らは昆虫に関して非常に活発に活動して、とても良かったですね。中村さんの話では、今でも皆さん昆虫をやられているようなので、他の方にもにいつかお会いしたいと思っています。
月刊むしは学会誌をしのぐレベルを維持してきたのは評価されるべきですね。是非ともクオリティーを落とさずに時代に呼応して変化して欲しいと思います。おっしゃるとおりで、雑誌には編集者の性格が良く現れますので、彼らのレベルが雑誌のレベルに反映されているのだと思います。これからも、是非とも良い雑誌になるように、応援できるところがあれば応援したいなと思いました。
Commented by fanseab at 2008-06-09 22:08
ここに行って直接バックナンバーをパラパラめくって好みの記事を
探すのは宝探しのような気分です。
販売用標本を眺めていれば、昆虫博物館に行った気分を楽しめますし、
生き虫コーナーで最近はやりのクワガタをチェックしたり、何時間でも
楽しめちゃう場所ですね。細々商売が継続されることを祈念しております。
Commented by ここっとさん at 2008-06-09 22:47
わ~、私は絶滅危惧種の若者(しかも貴重な♀)だったのですね~。大丈夫ですよ~。虫林さん、うちの子供たち二人も(6歳&4歳)確実に虫屋に育ってます。次男(4日に4歳になりました)は、先日テントウムシの一零幼虫を、手の上に這わせていました。『どうやって、つぶさず乗せたの!?』 と私が驚いてしまいました。わたしが虫屋になったのは最近で、日本にいたころは興味がなかったので、その雑誌知りませんでした。日本に住むようになったら絶対購読すると思います。
Commented by 虫林 at 2008-06-09 23:33
fanseabさん、
有難うございます。
むし社にはいままで訪問した事がなく、内部の事情は良く分かりませんでした。中村氏が少し案内してくれたので、次回に訪れたときには、色々観察してみたいと思います。
情報有難うございました。
月刊むしはムシ専門の貴重な商業誌で、それをつくっている方たちも(ハイ)アマチュアであることが貴重ですね。蝶を含めて昆虫全般にわたるのでいつも愛読しています。小生もこの雑誌が何時までも継続される事を願っています。
Commented by 虫林 at 2008-06-09 23:48
ここっとさん、
コメント有難うございます。

お子さん達も今となってはとても貴重な天然記念物虫屋ですね。
小さな虫屋さんに囲まれたここっとさんが本当に羨ましいですよ~。
子供達にとって、昆虫は形態学的多様性を知らず知らずのうちに理解できる素晴らしい教材だと思います。また昆虫を通して科学的な観察眼も当然養われるでしょう。さらに、もっと大事なのは、観察や採集をとおして命の尊さ学ぶことだと思います。
ゴメンナサイ、えらそうな事をかいてしまいましたが、一言で言えば「自然を知り、人生を楽しむ」ですよね。いつも楽しい「ここっと昆虫記」を応援していますよ!
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by tyu-rinkazan | 2008-06-08 22:43 | その他・雑 | Comments(8)

Photographic Adventures for Insects and Flowers


by 虫林花山
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