20081213 冬の散歩道 (山梨県)
2008年 12月 14日
Nature Diary #0227
Date: December 13th (Saturday), 2008
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather:Fine
<<タイトル考>>
今回のブログのタイトル「冬の散歩道」は、虫林が昔好きだったアメリカのフォークシンガー:サイモンとガーファンクル Simon and Garfunkel の歌のタイトルからパクったものだ。この歌は、彼らが活躍した初期の1960年代後半に流行ったので、なんと、ウン十年ほども前になる。 Time time time ---
ところで、虫林は最近の歌の名前はとんと覚えられない(まあ、覚えようともしないのだが----)。
**************************************************
§ Diary §
甲府市の東に「愛宕山」というありふれた名前の小さな山がある。
その山の南斜面は、ブドウ畑とともに最近は宅地開発が急速に進んできて、それらに追いやられるようにクヌギ、コナラの雑木林は山の上部に縞状ないしは島嶼状に残っているにすぎない。
今回はそんな雑木林を午前中に散歩してみた(午後は野暮用)。
▶ウラギンシジミ; Angled Sunbeam
ムラサキシジミ(ムラシ)を探して照葉樹を見回ってみたが、残念ながらムラシの姿を見ることは出来なかった。しかし、カシの木の葉裏に静止するウラギンシジミを1頭だけ見つけた。
すでに越冬状態のようで、ほとんど動こうとしない。ストロボを使用してチョウの姿を強調しようと考えたが、翅裏の白さのために意外に露出が難しかった。

◆葉裏で越冬するウラギンシジミ (12月13日、甲府市)◆
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An Angled Sunbeam winter-passing on the back of oak leaf
(Olympus E-510, ZD8mm f4.5, 1/320, EV0.0, ASA100、ストロボ)
ウラギンシジミの翅裏の白さは独特のものである。これを何にたとえたら良いのだろうか。虫林には、その色合いや質感から陶磁器の「白磁」のような趣があるように思える。柿右衛門の地色かな?
この時期のウラギンシジミはとてもあり難く、コトの他美しく感じてしまうのだ。

◆ウラギンシジミの‘白磁’のような翅裏 (12月13日、甲府市)◆
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An Angled Sunbeam winter-passing on the back of oak leaf
(Olympus E-3, ZD50mm + EC14, f9.0, 1/160, EV-0.7, ASA200、ストロボ)
▶スジアオゴミムシ; Calathus halensis
南斜面の道路脇の低い土手を、足で少し崩してみた。
すると、眠たそうにしながら(??)やや大型のゴミムシが現れた。このゴミムシは、前胸背が赤く輝き、さや翅は艶消しの黒色でなかなかグッドルッキングである。

◆土中から出てきたスジアオゴミムシ (12月13日、甲府市)◆
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A ground beetle in winter passing style appeared when I broke the soiled wall.
(Olympus E-510, ZD8mm, f4.5, 1/100, EV-1.0, ASA100)
海野和男氏(昆虫写真家)の 小諸日記 (クリックして参照)によれば、甲虫の構造色の輝きはストロボ光を直接あてると失われるそうだ。というのも、甲虫の構造色には偏光が関係するらしい。
確かに、ストロボを使用したものと使用しなかったものとを比較すると、この虫の赤い前胸背の輝きがかなり異なっていた(しない方が自然の輝きがでるみたい)。輝く甲虫の撮影は要注意だね。
下に掲載した写真は、もちろんストロボは使用していない。

◆スジアオゴミムシの前胸背の輝き (12月13日、甲府市)◆
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This ground beetle was rather large and beautiful in color.
(Canon Power Shot G10, f5.0, 1/80, EV-1.0, ASA100, Laynox DCR-250)
▶クヌギカメムシ; Urostylis westwoody
枯葉を踏みしめながら、葉が落ちて明るくなった林の中をゆっくり歩いて行くと、背丈ほどのカシの幼木の葉の上で日光浴をするクヌギカメムシを見つけた。
このカメムシは触角や脚がとても長く、またオレンジ色を帯びているので意外にスマートで綺麗だ。カメラを向けると、迷惑そうな顔(わかるのかい?)をしながら、体を浮かして身構えた。

◆カシの葉上で身構えるクヌギカメムシ (12月13日、甲府市)◆
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A calicoback basking on the leaf
(Olympus E-3, ZD8mm f9.0, 1/60, EV+0.3, ASA200)
▶オオミドリシジミの越冬卵; Oriental Hairstreak
大きなクヌギの木の幹から出ているショボイ枝の分岐部に、ゼフの越冬卵を見つけた。
産み付部位や卵形からオオミドリシジミの越冬卵で間違いないだろう。そういえば、以前にダンダラさんからこの辺のクヌギにはオオミドリシジミが多いことを聞いていたことを思い出した。
円内の写真はLaynoxのマクロレンズを装着したキャノンPower Shot G10 にサンパックのRS2000ストロボを用いて撮影したものだ。結構しっかり写るので良かったと思う。
来年の夏に、青緑に輝くオオミドリシジミの成虫が舞う姿を是非とも見てみたい。

◆オオミドリシジミの越冬卵 (12月13日、甲府市)◆
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Two winter passing eggs of Oriental Hairstreak on the back of oak leaf
(Olympus E-3, ZD8mm, f9.0, 1/100, EV0.3, ASA200)
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§ Afterword §
これから春までの期間が長く感じる。
この冬の間はとにかく Motivation が下がるので、虫を見るために、そして春のシーズンの準備を兼ねて色々な 「冬の散歩道」 を歩いてみたいものである。
今回訪れた場所は、チョウのブログ「撮影日記」のダンダラさんがメールで教えてくれたムラシポイントである。しかし、残念ながらムラシは発見できなかった。多分、ムラシの個体数がそれほど多くないことと、この時期だと気温が低くて飛び出さなかったためだろうと思う。
来年はもっと早い時期にここを訪れてみよう。ダンダラさん、有難うございました。
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▶その他l番外編; Other
数日前に山岳部の学生N君が、虫林の部屋にふらりとやってきて、この冬に山岳部で行った白峰三山縦走(南アルプス)登山の報告とその時の写真を見せてくれた------山岳部の顧問の虫林は、いつも彼らが無事に帰還することを祈るだけである。
N君は卒業後(来春)に、彼の地元(九州)の大学病院で卒後研修するという。きっとこの写真は、彼の学生時代最後の思い出になるだろう-----ということで、彼の写真を今回掲載する。
ちなみにこの写真は11月下旬に農鳥岳頂上で撮影されたもので、後ろに見えるピークは、左が間ノ岳(3189m)、右が北岳(3193m)である。

◆11月の農鳥岳頂上(標高3,026m) (N君撮影) ◆
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The mountain top of Noutori-dake
(Casio EX-ZD55, f4.3 1/500, EV-1.0, ASA100, RS2000)
以上、 by 虫林花山
Date: December 13th (Saturday), 2008
Place: Kofu-shi, Yamanashi Pref.
Weather:Fine
<<タイトル考>>
今回のブログのタイトル「冬の散歩道」は、虫林が昔好きだったアメリカのフォークシンガー:サイモンとガーファンクル Simon and Garfunkel の歌のタイトルからパクったものだ。この歌は、彼らが活躍した初期の1960年代後半に流行ったので、なんと、ウン十年ほども前になる。 Time time time ---
ところで、虫林は最近の歌の名前はとんと覚えられない(まあ、覚えようともしないのだが----)。
§ Diary §
甲府市の東に「愛宕山」というありふれた名前の小さな山がある。
その山の南斜面は、ブドウ畑とともに最近は宅地開発が急速に進んできて、それらに追いやられるようにクヌギ、コナラの雑木林は山の上部に縞状ないしは島嶼状に残っているにすぎない。
今回はそんな雑木林を午前中に散歩してみた(午後は野暮用)。
▶ウラギンシジミ; Angled Sunbeam
ムラサキシジミ(ムラシ)を探して照葉樹を見回ってみたが、残念ながらムラシの姿を見ることは出来なかった。しかし、カシの木の葉裏に静止するウラギンシジミを1頭だけ見つけた。
すでに越冬状態のようで、ほとんど動こうとしない。ストロボを使用してチョウの姿を強調しようと考えたが、翅裏の白さのために意外に露出が難しかった。

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An Angled Sunbeam winter-passing on the back of oak leaf
(Olympus E-510, ZD8mm f4.5, 1/320, EV0.0, ASA100、ストロボ)
ウラギンシジミの翅裏の白さは独特のものである。これを何にたとえたら良いのだろうか。虫林には、その色合いや質感から陶磁器の「白磁」のような趣があるように思える。柿右衛門の地色かな?
この時期のウラギンシジミはとてもあり難く、コトの他美しく感じてしまうのだ。

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An Angled Sunbeam winter-passing on the back of oak leaf
(Olympus E-3, ZD50mm + EC14, f9.0, 1/160, EV-0.7, ASA200、ストロボ)
▶スジアオゴミムシ; Calathus halensis
南斜面の道路脇の低い土手を、足で少し崩してみた。
すると、眠たそうにしながら(??)やや大型のゴミムシが現れた。このゴミムシは、前胸背が赤く輝き、さや翅は艶消しの黒色でなかなかグッドルッキングである。

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A ground beetle in winter passing style appeared when I broke the soiled wall.
(Olympus E-510, ZD8mm, f4.5, 1/100, EV-1.0, ASA100)
海野和男氏(昆虫写真家)の 小諸日記 (クリックして参照)によれば、甲虫の構造色の輝きはストロボ光を直接あてると失われるそうだ。というのも、甲虫の構造色には偏光が関係するらしい。
確かに、ストロボを使用したものと使用しなかったものとを比較すると、この虫の赤い前胸背の輝きがかなり異なっていた(しない方が自然の輝きがでるみたい)。輝く甲虫の撮影は要注意だね。
下に掲載した写真は、もちろんストロボは使用していない。

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This ground beetle was rather large and beautiful in color.
(Canon Power Shot G10, f5.0, 1/80, EV-1.0, ASA100, Laynox DCR-250)
▶クヌギカメムシ; Urostylis westwoody
枯葉を踏みしめながら、葉が落ちて明るくなった林の中をゆっくり歩いて行くと、背丈ほどのカシの幼木の葉の上で日光浴をするクヌギカメムシを見つけた。
このカメムシは触角や脚がとても長く、またオレンジ色を帯びているので意外にスマートで綺麗だ。カメラを向けると、迷惑そうな顔(わかるのかい?)をしながら、体を浮かして身構えた。

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A calicoback basking on the leaf
(Olympus E-3, ZD8mm f9.0, 1/60, EV+0.3, ASA200)
▶オオミドリシジミの越冬卵; Oriental Hairstreak
大きなクヌギの木の幹から出ているショボイ枝の分岐部に、ゼフの越冬卵を見つけた。
産み付部位や卵形からオオミドリシジミの越冬卵で間違いないだろう。そういえば、以前にダンダラさんからこの辺のクヌギにはオオミドリシジミが多いことを聞いていたことを思い出した。
円内の写真はLaynoxのマクロレンズを装着したキャノンPower Shot G10 にサンパックのRS2000ストロボを用いて撮影したものだ。結構しっかり写るので良かったと思う。
来年の夏に、青緑に輝くオオミドリシジミの成虫が舞う姿を是非とも見てみたい。

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Two winter passing eggs of Oriental Hairstreak on the back of oak leaf
(Olympus E-3, ZD8mm, f9.0, 1/100, EV0.3, ASA200)
§ Afterword §
これから春までの期間が長く感じる。
この冬の間はとにかく Motivation が下がるので、虫を見るために、そして春のシーズンの準備を兼ねて色々な 「冬の散歩道」 を歩いてみたいものである。
今回訪れた場所は、チョウのブログ「撮影日記」のダンダラさんがメールで教えてくれたムラシポイントである。しかし、残念ながらムラシは発見できなかった。多分、ムラシの個体数がそれほど多くないことと、この時期だと気温が低くて飛び出さなかったためだろうと思う。
来年はもっと早い時期にここを訪れてみよう。ダンダラさん、有難うございました。
▶その他l番外編; Other
数日前に山岳部の学生N君が、虫林の部屋にふらりとやってきて、この冬に山岳部で行った白峰三山縦走(南アルプス)登山の報告とその時の写真を見せてくれた------山岳部の顧問の虫林は、いつも彼らが無事に帰還することを祈るだけである。
N君は卒業後(来春)に、彼の地元(九州)の大学病院で卒後研修するという。きっとこの写真は、彼の学生時代最後の思い出になるだろう-----ということで、彼の写真を今回掲載する。
ちなみにこの写真は11月下旬に農鳥岳頂上で撮影されたもので、後ろに見えるピークは、左が間ノ岳(3189m)、右が北岳(3193m)である。

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The mountain top of Noutori-dake
(Casio EX-ZD55, f4.3 1/500, EV-1.0, ASA100, RS2000)
以上、 by 虫林花山
ムラシはいませんでしたか。
かなり条件が良くないと飛び出さないんでしょうね。
昔はウラキンなどもかなりいたんですが、今は木が大きくなりすぎてダメみたいですね。
この冬に再度行く機会があればもう一度見てみることにします。
かなり条件が良くないと飛び出さないんでしょうね。
昔はウラキンなどもかなりいたんですが、今は木が大きくなりすぎてダメみたいですね。
この冬に再度行く機会があればもう一度見てみることにします。
0
ダンダラさん、
有難うございます。
残念ながらムラシは出てくれませんでしたが、蝶そのものが1頭も飛んでいるのを見ませんでしたので、気温が低かったのかもしれません。
でも、なかなか気持ちの良い散歩道なのでとてもよかったです。
有難うございます。
残念ながらムラシは出てくれませんでしたが、蝶そのものが1頭も飛んでいるのを見ませんでしたので、気温が低かったのかもしれません。
でも、なかなか気持ちの良い散歩道なのでとてもよかったです。
「冬の散歩道」では、シーズン中にあまり眼の届かなかった昆虫などの越冬中の姿を見つけると、うれしくなります。それが、蝶のものなら言うことなしです。オオミドリシジミが目に浮かびます。
mtanaさん、
コメント有難うございます。
冬の散歩道シリーズはしばらく続きます。この時期は仰るとおりで、ゆっくりと昆虫たちと付き合えますが、やはりチョウの写真は撮影したいですね。はやくオオミドリシジミの輝く姿を見たいな。
コメント有難うございます。
冬の散歩道シリーズはしばらく続きます。この時期は仰るとおりで、ゆっくりと昆虫たちと付き合えますが、やはりチョウの写真は撮影したいですね。はやくオオミドリシジミの輝く姿を見たいな。
虫林さん、=スジアオゴミムシ=綺麗ですね・・・ストロボとの関係とても参考になりました・・そういわれて見ると大事なんですね・・・今度良く確かめて撮影しようとおもいます、ありがとうございました。
by tyu-rinkazan
| 2008-12-14 16:37
| その他・雑
|
Comments(6)
