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20090711 英国のチョウ散歩:Chalkhill Blue など

Nature Diary #0265
Date: July 11th (Saturday), 2009
Place: United Kingdom
Weather: Cloud and fine



§ Diary §

ケンブリッジにて;

虫林がケンブリッジ大学(Addenbrooks Hospital)に滞在したのはすでに10年以上も前になってしまった。月並みな言葉だが、虫林 老い易く、学成り難しである。

留学時にお世話になったウィリアムス先生(ケンブリッジ大学名誉教授)が主宰されるパーティがChrist Collegeで開かれたが、このパーティには各界のお歴々が招待されていた。不肖虫林も家内と一緒に参加させていただいた。

とにかく、すべてが英国(イングランド)式のパーティで、虫林の好きなミスマープルの世界だった。もちろん、殺人事件は起きなかったけどね。

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左:ケンブリッジ大学の数学橋、        右:Christ Collegeでのパーティ

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Cambridge
Canon G10


地獄にTrifty ;

ケンブリッジでのパーティは金曜日に開かれたので、土、日曜日はレンタカーを借りてイングランドの南西部の田舎をまわり、日曜日の夜に友人の住むウェールズの Cardiff に入ることにした。

ところが、問題はレンタカー。

ホテルのコンシェルジュによれば、週末でどのレンタカー会社にも車は全く無いとのことだ-----ウーム、これには虫林もさすがに困った。

そこで、レンタカー会社の住所リストをネットで出してもらい、ダメ元で会社窓口を直接訪れてみた。案の定、大手の Hertz Budget などはにべもなく断られたが、5番目に訪れた Trifty という会社で何とか小型車を1台借りることができた。

地獄に仏、否、地獄にTriftyである。

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左:ダーウィンのレリーフ、              右:レンタカー

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Cambridge
Canon G10



Aston Rowantにて ;

ロンドンで購入した本「Discover Butterflies in Britain」によれば、オックスフォード州(oxfordshire)に Aston Rowant という場所があり、そこには今回のい旅で最も見てみたい青いシジミチョウ(Blues)の1種 Chalkhill Blue がいるという。

ケンブリッジからもそれほど遠くないので、まずはAston Rowant を訪れる事にした。。

車窓から見えるオックスフォード州(oxfordshire)のなだらかな起伏の牧草地は、典型的な英国の田舎の風景だろう。この風景をみると、英国に来た事が実感できるのだ。

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オックスフォード州の広くなだらか丘

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A landcape of British counry side
Olympus E-3, ZA16-90mm


Aston Rowantは高速道路の両側に広がるChalk hill(石灰岩の白い丘)だ。

広い草原にはけもの道のような小径(Path)がついているものの、自由に歩いて蝶や花々を観察できる。こんな場所を風に吹かれながら歩くのは、ナチュラリストを自称する虫林にはとても貴重で贅沢な時間に思える。

Aston Rowant は National Nature Reserve (国立自然保護地域)になっている。

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オックスフォード州のAston Rowant

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Chalkhill with a path
Olympus E-3, ZA16-90mm



Chalkhill Blue; Polyommatus coridona

茫洋としてポイントを絞り切れ無い草原をすでに1時間ほども歩いただろうか。目的のブルーの姿はまだ見ることができない。Chalkhill Blueは7月の中旬以降に発生する盛夏のチョウなので、この時期だとまだ未発生なのかもしれない。もしかしてフライング?

少しあきらめ気分で足を速めて歩いて行くと、窪んで谷状になっている場所に差し掛かった時に、足もとから1頭の白っぽいブルーが飛び出した。

まさしく、お目当てのChalkhill Blueだ!

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出現した Chalkhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


静止したChalkhill Blueを見ると、意外に大きくて、日本の蝶に例えればゴマシジミほどもあった。翅表は何とも言えない白色調を帯びた淡いブルーで、このチョウが英国で人気のあるのが良くわかる。

極めて新鮮な個体のようでとても美しい。

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Challhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14


Chalkhill Blueは石灰岩地帯の草原だけに棲息するシジミチョウで、イングランドの西南部を中心にそのポイントが散在している。一時期は英国国内でもっと広く分布していたみたいだが、現在に分布地は近年のAdnis Blueと同様にかなり限局されているようだ。

20090711  英国のチョウ散歩:Chalkhill Blue など_d0090322_2350919.jpg
Chalkhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

20090711  英国のチョウ散歩:Chalkhill Blue など_d0090322_23502175.jpg
Chalkhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14

20090711  英国のチョウ散歩:Chalkhill Blue など_d0090322_23503439.jpg
Chalkhill Blue

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A male of Chalkhill Blue resting on the glass with the wings closed
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



Gate Keeper; Pyronia tithonus

門番(Gate Keeper)という面白い名前のチョウ。

このチョウはヒカゲチョウの仲間であるが、草原性で、日中に活発に飛びまわっていた。翅を開くと、鮮やかなライトブラウンの模様が目に飛び込んでくる。

個体数は少なくないが、意外に敏感なので撮影には苦慮した。

20090711  英国のチョウ散歩:Chalkhill Blue など_d0090322_23505187.jpg
Gate Keeper

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A male of Gate Keeper resting on the glass with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



Marbled White; Pyronia tithonus

この草原で最も個体数が多かったチョウは、このMarbled Whiteだ。ちょうど発生のピークだったのだろう。いたるところで、ひらひらと飛んで、花で吸蜜したり、メスに求愛したりする姿を見ることができた。

このチョウはヒカゲチョウの仲間である。

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Marbled White

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A Marbled White perching on the flower with the wings opened
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



The Complete Angler Hotel;

アイザックウォルトンの著した「釣魚大全」は、日本の釣り人(特にフライフィッシャーマン)にもとても人気のある本である。虫林も名前くらいは知っていたが、息子の知り合いが「釣魚大全」を和訳した方だと知って驚いた。

アイザックウォルトンが昔立ち寄ったといわれるホテルが Marlow という村にあり、The Complete Angler Hotel という。いかにも釣り人だけが泊まりそうなホテル名だが、このホテルは英国の伝統をまもった素晴らしい正統派ホテルだ。

このホテルに着くのが夕方になってしまい、宿泊は無理かなと思いながらも一応聞いてみると、なんと部屋が空いているという返事が返ってきた。本日の宿を決めていなかったので、このホテルに泊まることにした。

このホテルの朝食(English Breakfast)は最高だ!

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釣魚大全のホテル(The Complete Angler Hotel)

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The Complete Angler Hotel
Olympus E-3, ZD50mm, EC-14



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§ Afterword §

7月はイギリスが最も気候が良い時期だ。牧草地(Meadow)には花が咲き乱れ、蝶やトンボ類も飛び回っている。そんな時期に英国を旅行できて嬉しい。

今回撮影したChalkhill Blue は一時期かなりコロニーが減少してしまったが、その後の保全活動で、コロニーの数が回復してきた。英国ではその保全活動により、絶滅の危機が免れた蝶が何種類もいるみたいだ。


今回は英国でも減少が問題となっている草原性のチョウ、特にBluesに的を絞ってみたいと思う。さらに、英国のチョウの保全の在り方にも興味がある。

明日はいよいよドーセット州(Doset)だ。



以上、 by 虫林花山


Commented by 蘭丸 at 2009-07-16 05:02
虫林san、good morning
英国の Blues 味わい深いBlue ですね!!!
赤い蛇の目も日本では想像デキナイ色ですね。
白い蛇の目・・・・・グロシロの様で、ナンダカ、好きです。
Commented by 蝶山人 at 2009-07-16 07:13
コリドンルリシジミ思ったより渋い色ですね。
しかし想像以上に美しいです。
PyroniaはErebiaよりかなり派手
シロジャノメは日本人からすると異様な蝶ですね。
Commented by ヘムレン at 2009-07-16 11:27
Chalkhill Blueですか。。美しい蝶ですね。縁毛も長く美しいです。
ヒカゲチョウの仲間・・Gate Keeperもすごく綺麗!!。。ベニヒカゲなどの近縁種みたいですね。。
Marbled Whiteもヒカゲチョウの仲間なんですか!(**)。。驚きました!
素晴らしい蝶々たちの姿・・・ありがとうございます(^^)。。
Commented by banyan10 at 2009-07-16 15:42
目的の蝶が撮影できて良かったですね。
どれも魅力的な蝶です。
続きも期待しています。
Commented by chochoensis at 2009-07-16 21:38
図鑑で見る蝶が次々出てくるので目が回りそうです・・・イギリスには冬にしか行ったことが無いので凄く新鮮な気持ちで拝見しています。素晴らしいですね・・・。
Commented by maeda at 2009-07-17 06:07
ブルーのシジミは仲間が南フランスにもおりました。
大型で飛翔はきわめて速く、なかなか止まってくれなかったのを覚えています。シロジャノメは至る所に飛んでいました。
Commented by ダンダラ at 2009-07-17 11:36
素晴らしくきれいな蝶ですね。
ピンポイントの情報もなく、きちんと撮影されるとはさすがです。
ホテルも良いところに泊まれてよかったですね。
Commented by ヒメオオ at 2009-07-17 18:52
英国南部に34年前遊学で2ヶ月ほど6~7月に
滞在したことがあります。
その時のイメージは、表面的には自然保護が
すすんでいるものの生物多様性(特に昆虫)
は極めて貧弱!でした。
虫林さんの写真を見ていると私の観察眼の
無さを痛感させられました。
Commented by 虫林 at 2009-07-18 16:18
蘭丸さん、
コメント有難うございます。
英国の蝶は地味なものが多いと思っていましたが、意外にカラフルな種類も含まれていて驚きました。
Commented by 虫林 at 2009-07-18 16:24
蝶山人さん、
Cjalhill Blueはコリドンルリシジミていうのですね。これは本当に出初めだったようで、数はとても少なかったのですが、綺麗でした。また、Gate keeperは綺麗なヒカゲで翅を開いたときははっとしました。
Commented by 虫林 at 2009-07-18 16:29
ヘムレンさん、
英国で蝶を撮影するのは初めてでしたが、本のおかげで行くべき場所がわかったので、楽しかったです。ヨーロッパと日本は地空規模では西と東ですので、面白いです。
Commented by 虫林 at 2009-07-18 16:30
Banyanさん、
日本は極東で、イギリスは極西になりますから、そこでの昆虫はかなり異なりますので面白いです。英国の雰囲気は北海道に近いです。
Commented by 虫林 at 2009-07-18 16:32
chochoensisさん、
英国には2度ほど滞在した事がありますが、その時は蝶の撮影はしませんでしたので、今考えるともったいない事をしたなと思っています。
やっと撮影できて嬉しいです。
Commented by 虫林 at 2009-07-18 16:36
maedaさん、
ブルースはコンチネンタルの方が種類も個体数も多いと思います。
フランスあたりは良いですね。
シロジャノメは綺麗ですので、撮影したいなと思っていましたが、沢山いるのには驚きました。
Commented by 虫林 at 2009-07-18 16:38
ダンダラさん
英国はほとんどの種類は分布の端ですので、本体はやはりコンチネンタルのスイス、フランスあたりが中心になるのではないでしょうか。さらにギリシャや、イタリアには特殊な蝶がいてこれも面白いです。多分、このChalhill Blueはダンダラさんが行くことには最盛期になると思います。
Commented by 虫林 at 2009-07-18 17:44
ヒメオオさん、
南イングランド(もしかしてえくせたーあたり?)は風光明媚で、暖かくて良いですね。6-7月は英国では良い時期です。
英国は生物多様性がかなり貧弱なのは事実ですが、それゆえに自然保護の意識が高くて、蝶の保全が進んでいると思いますよ。Nature Reserve(自然保護区)などの発想は多分イギリス辺りから出てきているのでしょう。日本はイギリスに比べて恵まれていますが、その価値を認識すのは他の国を見ないとわかりませんね。
是非とも日本の素晴らしい自然を残しましょう。
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by tyu-rinkazan | 2009-07-16 00:00 | Comments(16)

Photographic Adventures for Insects and Flowers


by 虫林花山
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